JP2004050352A - 工具の角状シャンク用チャック - Google Patents

Abstract

【課題】工具の角状シャンクをチャックで掴持して回転駆動する際、シャンクがスリップするのを防止すると共にチャックへの着脱もワンタッチで行えるチャックを提供する。
【解決手段】チャックの軸線上の駆動軸１に６角断面の角状シャンク９が嵌挿される角形断面の孔１ａを形成し、前部の所定位置ロックボール保持孔１ｃを穿設してロックボール３を中心軸線側に突出可能に保持せしめ、孔１ａの奥部にシャンクの位置決め部材４を収容する。駆動軸１にはスライドスリーブ２を嵌装し、その前部内面に円錐形斜面２ｃを形成し、該スリーブ２の後部に螺入したスリーブキャップ２ｂでバネ５を付勢し、斜面２ｃでロックボール３を押圧させる。そして、スリーブキャップ２ｂを持ってシャンク９を孔１ａに挿入する丈でシャンクをロック装着せしめる一方、該スリーブ２を前方へ引きロックボールの押圧を解除してシャンクのチャックへの装着・離脱を夫々ワンタッチで行わせる。
【選択図】　図３

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、木工ドリルなどの回転工具の角状シャンクを、電気ドリル、ボール盤などの回転駆動軸に取付けるためのチャックに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、木工ドリルなどの回転工具の柄部であるシャンクは、穿孔の際に工具が木に喰い込だとき荷がかかりスリップするため丸棒状でなく６角断面などの角状シャンクが用いられている。また、之を掴持するチャックは通常３本爪のチャックが使用される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
３本爪など爪で掴むチャックでは、爪とシャンクの接触面積が少いため掴みが悪いとスリップする欠点がある。さらにシャンクを掴むためには爪が出入りするホルダー部分を回す必要があり、その手間を要し、シャンクの着脱は速やかに行うことはできなかった。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、工具の回転駆動の際シャンクがスリップしてチャックが空回りすることを完全に防止するとともに、取付けたときシャンクが抜けることがなくシャンクのチャックへの着脱もワンタッチで速やかに行うことのできる工具の角状シャンク用チャックを提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の工具の角状シャンク用チャックにおいては、工具の基部が所定長の６角断面などの角状シャンクで該シャンク外側面に円弧状のシャンク固定用溝が周設された角状シャンクを掴持するためのチャックとして、中心軸線上に前記シャンクが着脱可能に嵌挿される所定深さの角形断面の孔１ａを備え、側壁前部の所定位置にロックボール３を中心軸線側に突出可能に保持するためのロックボール保持孔１ｃを穿設するとともにバネで前方に付勢するようにした駆動軸本体部１ｂを有し後端に電気ドリルなどの駆動手段に連結するための連結部１ｅを備えた駆動軸１と、前記ボール保持孔１ｃに保持されるとともに角状シャンクの固定用溝に嵌入して角状シャンクを固定するためのロックボール３と、前記駆動軸１に嵌装され内面に円錐形の斜面２ｃを備えて軸線方向の移動によりロックボール３を押圧又は押圧解除して角状シャンクをロック又はロック解除すると共に後部に駆動軸１に摺嵌するスリーブキャップ２ｂを螺入したスライドスリーブ２と、前記駆動軸１の角形断面の孔１ａの奥部分に配設され、嵌挿した角状シャンクの後端面を位置決めするための角状シャンク位置決め部材４と、スリーブキャップ２ｂと駆動軸１の間に介在し駆動軸１を前方に付勢するための圧縮バネ５とからなり、角状シャンクを掴持するときはスライドスリーブ２を持って角状シャンクを駆動軸１の角形断面の孔１ａに挿入押圧する一方、角状シャンクを駆動軸１より離脱するときはスライドスリーブ２を駆動軸１に対し前進せしめて角状シャンクの掴持を解除するようにした構成としている。
【０００５】
角状シャンクをチャックに掴持するに際して、スライドスリーブ２を持って角状シャンクを角型断面の孔１ａに挿入押圧するとき、角状シャンクの後端面の角部がチャクの駆動軸１の角形断面の孔１ａ内に突出したロックボール３の球面に当接し、当接時の抵抗により、手で保持したスライドスリーブ２は前進せしめられてスリ−ブ２内の斜面２ｃとロックボール３との間に間隙を生ずるため、ロックボール３の孔１ａ内に突出した球面はシャンク後端周縁部により側方に排除されて、シャンク後端はロックボール３を乗り越える。そして、孔１ａ奥部の角状シャンク位置決め部材４の前端面に当接し、シャンクの円弧状の固定用溝はロックボール保持孔１ｃとその位置が合致し、復元したスライドスリーブ２の斜面２ｃに押されたロックボール３は角状シャンクの円弧状の固定用溝に款入して角状シャンクは駆動軸１に掴持される（図２参照）。すなわち、チャックのスライドスリーブ２を持って角状シャンクを押し込むだけでよく、ワンタッチで角状シャンクをチャックに取付けることができる。
【０００６】
角状シャンクをチャックの駆動軸１から離脱するに際して、スライドスリーブ２を駆動軸１に対して前進せしめるとき、ロックボール３を角状シャンクの円弧状の溝に押し付けていた斜面２ｃとロックボール３との間に間隙を生じ、ロックボール３は押圧解除されてフリーとなるため角状シャンクは掴持を解除される。従って、駆動軸１に対してスライドスリーブを前進せしめた状態で角状シャンクをチヤックから引き抜くことができる。すなわち、チャックのスライドスリーブ２を駆動軸１に対し前方へ引いて角状シャンクを引き抜くだけでよくワンタッチで角状シャンクをチャックから外すことができる。
【０００７】
駆動軸１にはロックボール保持孔１ｃの後方に隣接して断面が円弧状のＯリング用溝１ａを周設するとともに、溝１ａに嵌挿したＯリング６により保持孔１ｃ中のロックボール３を保持するようにすることが望ましい。
これにより、ススライドスリーブ２を駆動軸１より外した状態でも、駆動軸１側壁前部の所定位置に穿設されたロックボール保持孔１ｃ内のロックボール３は、該保持孔１ｆより離脱することがないので、チャックの組立・分解を容易に行うことができる。また、角状シャンクを角形断面の孔１ａ内に嵌挿してロックボール３を突出位置から押込み排除するとき、及びスライドスリーブ２が前進状態から復元してスリーブ内の斜面２ｃによりロックボール３を該孔１ａ内に押出し突出せしめるとき、ロックボール３の移動を円滑に行うことができる。
【０００８】
角状シャンク位置決め部材４には、駆動軸１の角形断面の孔１ａの奥部分に収容され、該孔１ａ内を軸線方向に移動可能な外径寸法の所定の短寸の長さの部材の外側面に、該位置決め部材４を位置決めするための駆動軸１の後部の位置決’めボール保持孔１ｆ内の位置決めボール７が当接する浅溝４ａと、浅溝凹部前端縁４ｃを形成するための深溝４ｂが形成されるとともに、後部に該位置決め部材４を前方へ付勢するための小径バネ８前部を収容する孔４ｄを形成して位置決め部材４と駆動軸１との間に小径バネ８を介在させる一方、前記スリーブキャップ２ｂのスリーブ孔２ｂ’の後側内面に所定幅の環状凹部２ｂ”を形成し、角状シャンクの駆動軸１への嵌挿取付時には、位置決めボール保持孔１ｆ内の位置決めボール７がスリーブキャップ２ｂのスリーブキャップ孔２ｂ’内面と前記浅溝凹部前端縁４ｃとに当接して位置決め部材４を駆動軸１に嵌挿した角状シャンク後端面への当接位置に定位せしめる一方、角状シャンクの離脱時には位置決めボール７がスリーブキャップ２ｂのスリーブキャップ孔２ｂ’と環状凹部２ｂ”の間のスリーブキャップ孔後端縁２ｂ”’と位置決め部材４の浅溝４ａとに当接して位置決め部材４を前進定位せしめ、角状シャンクの掴持を解除するようにした構成をとっている。
【０００９】
位置決め部材４をこのような構成とすると、スライドスリーブ２が駆動軸１に対し後方の定位置にあって角状シャンクを駆動軸１の角形断面の孔１ａに嵌挿するときは、位置決め部材４は角状シャンクの後端面を位置決めするための定位置にあるが、角状シャンクのチャックからの離脱時にスライドスリーブ２を駆動軸１に対し前進させるときは、位置決め部材４は前進定位して角状シャンク後端を所定量押して角状シャンク２を掴持解除位置迄強制的に押し出しロックボールを角状シャンクの溝から排除して角状シャンクの掴持を解除する。従って、位置決め部材４が定位置で固定状態のときは、角状シャンクの抜去時に必要であったロックボールのシャンク溝からの排除を必要とせず、きわめて容易に工具の角状シャンクを抜去することができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る工具の角状シャンク用チャックの好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。
図１は、工具の角状シャンク用チャックの正面図及び断面図で、図２は、工具をチャックに装着時、角状シャンク後端がチャックのロックボールを乗り越えるときの断面図で、図３に駆動手段に取付けたチャックに工具の角状シャンクを装着したときの断面図が示されている。工具の角状シャンク９は、断面が角部を面取りした６角断面の所定長のもので、角状シャンクの後端面９ｂより所定距離の位置の外側面に円弧状のシャンク固定用溝９ａが周設されている。
【００１１】
本チャックは、工具の角状シャンク９を嵌挿し取付けて駆動するための駆動軸１と、駆動軸１に取付けられ角状シャンク９の固定用溝９ａに嵌入し角状シャンク９を固定するためのロックボール３と、駆動軸１に嵌装されチャックの軸線方向の移動により角状シャンク９をロック又はロック解除するためのスライドスリーブ２と駆動軸１の角形断面の孔１ａの奥に配設され、嵌挿した角状シャンク９の後端面９ｂを位置決めするための角状シャンク位置決め部材４と、駆動軸１を前方に付勢するための圧縮バネ５とロックボール３を駆動軸１に保持させるためのＯリング６と、さらに角状シャンク位置決め部材４を前方へ付勢するための小径バネ８と該位置決め部材４を位置決めするための位置決めボール７とから形成されている。
【００１２】
駆動軸１は、その本体部１ｂの中心軸線上に着脱自在に嵌挿すべき角状シャンク９に対応して６角断面の所定位深さの孔１ａが形成され、該孔１ａの奥部に配設定位される角状シャンク位置決め部材４の前端面に角状シャンク９の後端面９ｂが当接したとき該後端面９ａから所定距離に位置する角状シャンク外側面の円弧状のシャンク固定用溝９ａに対応する駆動軸本体部１ｂの側壁（周壁）前部の所定位置に、ロックボール３を中心軸線側に突出可能に保持するためのロックボール保持孔１ｃが穿設されている。そして該ロックボール保持孔１ｃの後方に隣接して断面が円弧状のＯリング用溝１ｄが周設形成され、該溝１ｄに嵌挿したＯリング６により保持孔１ｃ中のロックボール３を保持するようになっている。また、Ｏリング用溝１ｄ後方に近接して、駆動軸１を前方に付勢するための圧縮バネ５前端を受けるバネ受部１ｇが該軸１に周設され、且つ後端に電気ドリルなどの駆動手段１０に連結するための連結部１ｅが雄ねじで駆動手段１０と螺合可能に形成されている。また、該連結部１ｅに近い所定位置に角状シャンク位置決め部材４を側方から定位させるための位置決めボール７を収容保持する位置決めボール保持孔１ｆが駆動軸本体部１ｂ側壁に穿設されている。
【００１３】
スライドスリーブ２は、その本体部２ａの前端部に駆動軸１の前部と滑合する孔２ｄが形成され、その後部の本体部内面に円錐形斜面２ｃが形成されて駆動軸１のロックボール保持孔１ｃ内のロックボール３を側前方より押圧するようになっており、本体部２ａ後部に駆動軸１に摺嵌するスリーブキャップ２ｂが、駆動軸１の圧縮バネ受部１ｇの後方に巻装された圧縮バネ５を押圧して駆動軸１を前方へ付勢するごとく螺入されている。これにより、スライドスリーブ２を軸線方向に移動させることによりロックボール３を押圧又は押圧解除して、駆動軸１内に嵌挿された角状シャンクをロック又はロック解除することができる。また、スリーブキャップ２ｂのスリーブ孔２ｂ’の後側内面に所定幅の環状凹部２ｂ”が形成されスリ−ブ２従ってスリーブキャップ２ｂを前進せしめたとき、角状シャンクの位置決め部材４の位置決めボール７を外側方へ移動可能にするとともに、スリーブキャップ孔２ｂ’と環状凹部２ｂ”の間のスリーブキャップ孔後端縁２ｂ”’を形成して位置決めボール７を介して後述する角状シャンク位置決め部材４を前進定位させるようになっている。この場合、駆動軸１に嵌挿された角状シャンクは、従来の爪による保持と異なり、回転駆動の際スリップすることはない。
【００１４】
角状シャンク位置決め部材４は、角形断面の孔１ａ内を軸線方向に移動可能な外形寸法の所定の短寸の長さの部材の外側面に、前記位置決めボール７が当接する浅溝４ａと、浅溝凹部前端縁４ｃを形成するための深溝４ｂが形成され、且つ後部に該位置決め部材４を前方へ付勢するための小径バネ８前部を収容する孔４ｄを形成して位置決め部材４と駆動軸１との間に小径バネ８を介在させ前方へ付勢するようになっている。
【００１５】
次に本チャックに対して、木工ドリルなどの工具の６角断面の角状シャンク９を装着乃至離脱するときの状態につき説明する。
図２に、チャックに工具を装着するとき工具の角状シャンク９がチャックのロックボール３を乗り越えるときの断面図が示されており、図４に、スライドスリーブを前方へ動かし工具の角状シャンクの掴持を解除して抜去するときのチャックの断面が示されている。
【００１６】
工具の角状シャンク９をチャックに装着するに際して、チャックのスライドスリーブ２を持って、該角状シャンク９を、駆動手段１０に連結部１ｅを介して取付けた本チャックの駆動軸１の角形断面の孔１ａに嵌挿押圧すると、角状シャンク９の後端面９ｂの角部（図面では面取りした周縁部）がチャックの駆動軸１の角形断面の孔１ａ内突出したロックボール３の球面に当接し、当接時の抵抗により、手で保持したスライドスリーブ２は駆動軸１に対し前進せしめられて、スリーブ２内の斜面２ｃとロックボール３との間に隙間ができ、ロックボール３の孔１ａ内に突出した球面は角状シャンク後端周縁部により側方に排除されて角状シャンク後端はロックボール３を乗り越え、角状シャンク９は駆動軸１内に押し進められる（図２参照）。
【００１７】
次いで角状シャンク９の後端面９ｂは、駆動軸１の後部の位置決めボール保持孔１ｆ内の位置決めボール７により角形断面の孔１ａ奥部に定位された角状シャンク位置決め部材４の前端面（接触を良くするためリング状に形成されている）に当接し、角状シャンク９の円弧状の固定用溝９ａはロックボール保持孔１ｃとその位置が合致し、ロックボール３は該溝９ａに嵌入して角状シャンク９は駆動軸１に掴持される。従って、チャックのスライドスリーブ２を持って工具の角状シャンク９を押し込むだけでよく、ワンタッチで該シャンク９をチャックに装着することができる。
この場合、角状シャンク９を引張っても、駆動軸１はスライドスリーブ２内の円錐形の斜面２ｃで押圧されて角状シャンク９の固定用溝９ａに嵌入したロックボール３によりロックされて引出すことはできない。従って、角状シャンク９をチャックに装着した後は、不用意に落下するなど離脱することはない（図３参照）。
【００１８】
工具の角状シャンク９をチャックから離脱させる際は、電気ドリルなどの駆動手段１０に螺合連結された駆動軸１に対してスライドスリーブ２を前進させると、角状シャンク位置決め部材４を後方の定位置に位置決めしていた位置決めボール７は、前進したスリーブキャップ２ｂの環状凹部２ｂ”により係止を解かれ、小径バネ８で前方へ付勢された角状シャンク位置決め部材４は所定量前進して位置決めボール７により浅溝４ａの後部の肩で停止するとともに、ロックボール３は円弧状のシャンク固定用溝９ａの後部の肩で前進したスライドスリーブの円錐形斜面２ｃの側へ押し出されて角状シャンク状９の掴持（ロック）は解除される。従って容易に工具の角状シャンクをチャックから離脱させることができる（図４参照）。
【００１９】
この実施の形態では、駆動軸１の角形断面の孔１ａの奥部に収容した角状シャンクの位置決め部材４を、角状シャンク９をロック位置に位置決めする定位位置から、スライドスリーブ２を前方へ動かすことにより、角状シャンク９のロック解除位置まで前進定位せしめて、角状シャンクをチャックから容易に離脱させることができるようにしたが、該角状シャンク位置決め部材４を、角状シャンク９をロック位置に位置決めするごとく定位置に固定状態として、スライドスリーブ２を前方へ動かしてロックボール３を押圧解除してボールの移動をフリーとしてシャンク９を離脱することも可能であり、ロックボール保持用のＯリングも省略することも可能で、角状シャンクも６角断面でなく４角断面など他の角形断面のものも使用することが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
【００２０】
【発明の効果】
請求項１記載の本発明の工具の角状シャンク用チャックによれば、木工ドリルなど工具の基部が所定長の６角断面などの角状シャンクで該シャンク外側面に円弧状のシャンク固定用溝が周設された角状シャンクを、電気ドリルなどの駆動手段に取付けられたチャックに装着又は離脱するに際して、角状シャンクをチャックに装着するときは、チャックのスライドスリーブを持って工具の角状シャンクをチャックの中心軸線上の駆動軸の角形断面の孔に挿入押圧するだけでよく、角形シャンクをチャックから離脱をするときは、チャックのスライドスリーブをチャックの駆動軸に対し前方へ引いて角状シャンクを引き抜くだけでよく、それぞれワンタッチで木工ドリルなど工具の角状シャンクをチャックに着脱することができる。また、工具の角状シャンクはチャックの駆動軸の角形断面の孔に嵌挿掴持されているため、穿孔作業など作業に当って該シャンクのチャックに対するスリップを完全に防止することができる。
【００２１】
請求項２記載の発明によれば、チャックの駆動軸のロックボール保持孔内のロックボールは、Ｏリングにより側方より押圧保持されているため、該保持孔から離脱することがないので、チャックの分解・組立を容易に行うことができ、また、角状シャンクのチャックへの装着時やスライドスリーブが前進状態から復元するときロックボールの移動を円滑に行うことができる。
【００２２】
請求項３記載の発明によれば、チャックの中心軸線上の駆動軸の角形断面の孔の奥部に収容した角状シャンク位置決め部材は、角状シャンクをチャックに嵌挿取付時には奥部の定位置に保持されて、角状シャンクを正しい掴持位置に定位させることができるとともに、スライドスリーブを駆動軸に対し前進せしめることにより、該角状シャンク位置決め部材は所定量前進・定位してロックされた角状シャンクをロック解除位置に押し出すので、きわめて容易に角状シャンクをチャックから離脱させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】工具の角状シャンク用チャックの正面図及び断面図である。
【図２】工具をチャックに装着時、角状シャンク後端がチャックのロックボールを乗り越えるときの断面図である。
【図３】駆動手段に取付けたチャックに工具の角状シャンクを装着したときの断面図である。
【図４】スライドスリーブを動かし角状シャンクの掴持を解除して該シャンクを引き出すときのチャックの断面図である。
【符号の説明】
１…駆動軸、１ａ…角形断面の孔、１ｂ…駆動軸本体部。１ｃ…ロックボール保持孔、１ｄ…Ｏリング用溝、１ｅ…連結部、１ｆ…位置決めボール保持孔、２…スライドスリーブ、２ｂ…スリーブキャップ、２ｃ…円錐形の斜面、２ｂ’…スリーブキャップ孔、２ｂ”…環状凹部、２ｂ”’　…スリーブキャップ孔後端縁、３…ロックボール、４…位置決め部材、４ａ…浅溝、４ｂ…深溝、４ｃ…浅溝凹部前端縁、５…圧縮バネ、６…Ｏリング、７…位置決めボール、８…小径バネ、９…角状シャンク、９ａ…シャンク固定用溝。

Claims (3)

1. 工具の基部が所定長の６角断面などの角状シャンクで該シャンク外側面に円弧状のシャンク固定用溝が周設された角状シャンクを掴持するためのチャックであって、中心軸線上に前記シャンクが嵌挿される所定深さの角形断面の孔１ａを備え、側壁前部の所定位置にロックボール３を中心軸線側に突出可能に保持するためのロックボール保持孔１ｃを穿設するとともにバネで前方に付勢するようにした駆動軸本体部１ｂを有し後端に電気ドリルなどの駆動手段に連結するための連結部１ｅを備えた駆動軸１と、前記ボール保持孔１ｃに保持されるとともに角状シャンクの固定用溝に嵌入して角状シャンクを固定するためのロックボール３と、前記駆動軸１に嵌装され内面に円錐形の斜面２ｃを備えて軸線方向の移動によりロックボール３を押圧又は押圧解除して角状シャンクをロック又はロック解除すると共に後部に駆動軸１に摺嵌するスリーブキャップ２ｂを螺入したスライドスリーブ２と、前記駆動軸１の角形断面の孔１ａの奥部分に配設され嵌挿した角状シャンクの後端面を位置決めするための角状シャンク位置決め部材４と、スリーブキャップ２ｂと駆動軸１の間に介在し駆動軸１を前方に付勢するための圧縮バネ５とからなり、角状シャンクを掴持するときはスライドスリーブ２を持って角状シャンクを駆動軸１の角形断面の孔１ａに挿入押圧する一方、角状シャンクを駆動軸１より離脱するときはスライドスリーブ２を駆動軸１に対し前進せしめて角状シャンクの掴持を解除するようにしたことを特徴とする工具の角状シャンク用チャック。
2. 駆動軸１には、ロックボール保持孔１ｃの後方に隣接して断面が円弧状のＯリング用溝１ｄを周設するとともに、溝１ｄに嵌挿したＯリング６により保持孔１ｃ中の
   ロックボール３を保持するようにした請求項１記載の工具の角状シャンク用チャック。
3. 角状シャンク位置決め部材４は、駆動軸１の角形断面の孔１ａの奥部分に収容され、該孔１ａ内を軸線方向に移動可能な外径寸法の所定の短寸の長さの部材の外側面に、該位置決め部材４を位置決めするための駆動軸１の後部の位置決めボール保持孔１ｆ内の位置決めボール７が当接する浅溝４ａと、浅溝凹部前端縁４ｃを形成するための深溝４ｂが形成されるとともに、後部に該位置決め部材４を前方へ付勢するための小径バネ８前部を収容する孔４ｄを形成して位置決め部材４と駆動軸１との間に小径バネ８を介在させる一方、前記スリーブキャップ２ｂのスリーブ孔２ｂ’の後側内面に所定幅の環状凹部２ｂ”を形成し、角状シャンクの駆動軸１への嵌挿取り付時には、位置決めボール保持孔１ｆ内の位置決めボール７がスリーブキャップ２ｂのスリーブキャップ孔２ｂ’内面と前記浅溝凹部前端縁４ｃとに当接して位置決め部材４を駆動軸１に嵌挿した角状シャンク後端面への当接位置に定位せしめる一方、角状シャンクの離脱時には位置決めボール７がスリーブキャップ２ｂのスリーブキャップ孔２ｂ’と環状凹部２ｂ”の間のスリーブキャップ孔後端縁２ｂ”’と位置決め部材４の浅溝４ａとに当接して位置決め部材４を前進定位せしめ、角状シャンクの掴持を解除するようにしたことを特徴とする請求項１又は請求項２記載の工具の角状シャンク用チャック。

Images