[第1実施形態]
第1実施形態について、図面を参照しながら、以下、説明する。
図1は、第1実施形態に係る照明装置100の概略構成図である。
図2は、第1実施形態に係る照明装置100の平面図と側面図である。なお、図2に示すように、X軸、Y軸を設定する。
図3は、第1実施形態に係る照明装置100の一部(端部)における平面図、側面図および断面図(A−A線による断面図)である。なお、図2に示すように、X軸、Y軸を設定する。
図4は、第1実施形態に係る照明装置100の一部(端部)の斜視図である。
照明装置100は、図1に示すように、照明用モジュール1と、無線通信用モジュール2と、電源部3とを備える。なお、電源部3は、照明用モジュール1に含まれるものであってもよい。
照明用モジュール1は、アンテナ部11と、照明部12と、を備える。
なお、以下では、照明装置100が、図2に示すように、蛍光管タイプの形状・構成を有するものであるとして、説明する。
照明装置100は、図2に示すように、円筒状の管(円筒管)1Tと、管1Tの両端に設置されている金口部14a、14bと、金口部14aに設けられた電極15a、15bと、金口部14bに設けられた電極16a、16bと、を有する。また、照明装置100は、管1T内に基板1Bを有している。基板1Bには、発光素子L1〜Lnを含む照明部12が設置されており、また、アンテナ部11の一部を構成する導体パターンが形成されている。また、照明装置100は、図2に示すように、反射板13を有している。以下、照明装置100の詳細な構成について、説明する。
アンテナ部11は、図2〜図4に示すように、円筒管1T内の基板1Bに形成された導体パターンである第1アンテナパターン11a(11a1〜11a6)と、管1Tの内壁に沿うように配置された第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)とを備える。
第1アンテナパターン11a(11a1〜11a6)は、基板1B上に導体パターンとして形成されている。第1アンテナパターン11aは、例えば、図2〜図4に示すように、導体パターン11a1〜11a6からなる。
導体パターン11a1は、図3に示すように、給電点FPを介して、無線通信用モジュール2と接続されている。導体パターン11a1は、図3に示すように、平面視において、円筒管1Tの筒軸(X軸)と平行に形成されている部分と、導体パターン11a2〜11a6と平行に形成されている部分とを有する。そして、導体パターン11a1は、図3に示すように、平面視において、円筒管1Tの筒軸と平行に形成されている部分が、円筒管1Tの幅方向の略中央付近に配置されるように設置されている。つまり、導体パターン11a1は、図3に示すように、平面視において、円筒管1Tの筒軸と平行に形成されている部分が、円筒管1Tの幅方向の略中央付近に配置されるように設定されている。これにより、給電点FPが、円筒管1Tの幅方向の略中央部に配置される。そして、平面視において、導体パターン11a1のY軸正方向側の端部において、導体パターン11a1は、第2アンテナパターンの導体パターン11b1の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11a2は、平面視において、平行四辺形状であり、図3に示すように、平面視おいて、導体パターン11a3〜11a6と平行に設置されている。平面視において、導体パターン11a2のY軸負方向側の端部のX軸方向の位置は、導体パターン11a1のY軸正方向側の端部のX軸方向の位置と略同一である。そして、平面視において、(1)導体パターン11a2のY軸負方向側の端部において、導体パターン11a2は、第2アンテナパターンの導体パターン11b1の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11a2のY軸正方向側の端部において、導体パターン11a2は、第2アンテナパターンの導体パターン11b2の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11a3は、平面視において、平行四辺形状であり、図3に示すように、平面視おいて、導体パターン11a2、11a4〜11a6と平行に設置されている。平面視において、導体パターン11a3のY軸負方向側の端部のX軸方向の位置は、導体パターン11a2のY軸正方向側の端部のX軸方向の位置と略同一である。そして、平面視において、(1)導体パターン11a3のY軸負方向側の端部において、導体パターン11a3は、第2アンテナパターンの導体パターン11b2の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11a3のY軸正方向側の端部において、導体パターン11a3は、第2アンテナパターンの導体パターン11b3の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11a4は、平面視において、平行四辺形状であり、図3に示すように、平面視おいて、導体パターン11a2〜11a3、11a5〜11a6と平行に設置されている。平面視において、導体パターン11a4のY軸負方向側の端部のX軸方向の位置は、導体パターン11a3のY軸正方向側の端部のX軸方向の位置と略同一である。そして、平面視において、(1)導体パターン11a4のY軸負方向側の端部において、導体パターン11a4は、第2アンテナパターンの導体パターン11b3の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11a4のY軸正方向側の端部において、導体パターン11a4は、第2アンテナパターンの導体パターン11b4の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11a5は、平面視において、平行四辺形状であり、図3に示すように、平面視おいて、導体パターン11a2〜11a4、11a6と平行に設置されている。平面視において、導体パターン11a5のY軸負方向側の端部のX軸方向の位置は、導体パターン11a4のY軸正方向側の端部のX軸方向の位置と略同一である。そして、平面視において、(1)導体パターン11a5のY軸負方向側の端部において、導体パターン11a5は、第2アンテナパターンの導体パターン11b4の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11a5のY軸正方向側の端部において、導体パターン11a5は、第2アンテナパターンの導体パターン11b5の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11a6は、平面視において、平行四辺形状であり、図3に示すように、平面視おいて、導体パターン11a2〜11a5と平行に設置されている。平面視において、導体パターン11a6のY軸負方向側の端部のX軸方向の位置は、導体パターン11a5のY軸正方向側の端部のX軸方向の位置と略同一である。そして、平面視において、(1)導体パターン11a6のY軸負方向側の端部において、導体パターン11a6は、第2アンテナパターンの導体パターン11b5の端部(第2端)と接続される。
第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明な材質の薄膜(フィルム)上に形成されている導体パターンである。
第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)を形成するフィルムの厚みは、材質を考慮し、光(特に可視光)が十分透過するような厚みとすることが好ましい。また、当該フィルムの厚みは、折り曲げ可能、あるいは、湾曲させることが可能な程度の厚さとすることが好ましい。例えば、第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)を形成するフィルムの材質をPETとする場合、その厚さを100μm以下とするのが好ましい。
なお、第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)を形成するフィルムは、当該フィルム上に導体パターンを保護する保護層(例えば、保護フィルム)を有するものであってもよい。
第2アンテナパターン11bは、湾曲させることが可能なフィルムに形成された導体パターン11b1〜11b5からなる。
導体パターン11b1は、例えば、図2〜図4に示すように、円筒管1Tの内壁を沿うように配置される。そして、導体パターン11b1は、図2〜図4に示すように、(1)導体パターン11b1の第1端が、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a1の端部(平面視におけるY軸正方向側の端部)と接続され、(2)導体パターン11b1の第2端が、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a2の平面視におけるY軸負方向側の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11b2は、例えば、図2〜図4に示すように、円筒管1Tの内壁を沿うように配置される。そして、導体パターン11b2は、図2〜図4に示すように、(1)導体パターン11b2の第1端が、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a2の平面視におけるY軸正方向側の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11b2の第2端が、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a3の平面視におけるY軸負方向側の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11b3は、例えば、図2〜図4に示すように、円筒管1Tの内壁を沿うように配置される。そして、導体パターン11b3は、図2〜図4に示すように、(1)導体パターン11b3の第1端が、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a3の平面視におけるY軸正方向側の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11b3の第2端が、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a4の平面視におけるY軸負方向側の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11b4は、例えば、図2〜図4に示すように、円筒管1Tの内壁を沿うように配置される。そして、導体パターン11b4は、図2〜図4に示すように、(1)導体パターン11b4の第1端が、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a4の平面視におけるY軸正方向側の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11b4の第2端が、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a5の平面視におけるY軸負方向側の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11b5は、例えば、図2〜図4に示すように、円筒管1Tの内壁を沿うように配置される。そして、導体パターン11b5は、図2〜図4に示すように、(1)導体パターン11b5の第1端が、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a5の平面視におけるY軸正方向側の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11b5の第2端が、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a6の平面視におけるY軸負方向側の端部(第1端)と接続される。
ここで、第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)と、第1アンテナパターン11a(11a1〜11a6)との接続について、図5を用いて説明する。
図5は、第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)と、第1アンテナパターン11a(11a1〜11a6)との接続について説明するための図である。具体的には、図5の右図は、図3のA−A線による断面図である。図5の左図は、円筒管1Tが第1管部1Taと第2管部1Tbとから構成される場合において、第1管部1Taと第2管部1Tbとを離間させて描いた図である。
図5に示すように、第2アンテナパターン11bの導体パターン11b1は、第1管部1Taの内壁に沿うように配置されており、一方の端部(導体パターン11b1の第1端)に接続部tu1を有しており、他方の端部(導体パターン11b1の第2端)に接続部tu2を有している。そして、図5に示すように、接続部tu1は、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a1の端部(導体パターン11a1のY軸正方向側の端部)td1に接続され、接続部tu2は、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a2の端部(導体パターン11a2のY軸負方向側の端部(第1端))td2に接続される。
つまり、第2アンテナパターン11bの導体パターン11b1を、第1管部1Taの内壁に沿うように配置させて、第1管部1Taを、第2管部1Tbに装着させることで、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a1と、第2アンテナパターン11bの導体パターン11b1と、第1アンテナパターン11aの導体パターン11a2とが電気的に接続されることになる。
このようにすることで、図2〜図4に示すように、第1アンテナパターン11a(11a1〜11a6)と第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)とが電気的に接続される。なお、第2アンテナパターン11bの導体パターン11b2〜11b5についても上記と同様である。
以上のように、第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)が配置されることで、第1アンテナパターン11a(11a1〜11a6)と第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)とが電気的に接続される。これにより、第1アンテナパターン11a(11a1〜11a6)と第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)とにより、アンテナ(アンテナ素子)が構成される。そして、第1アンテナパターン11a(11a1〜11a6)と第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)とにより構成されるアンテナは、図2〜図4に示すように、給電点FPから金口部14bへの方向(X軸負方向)に延びるヘリカル状アンテナを構成する。
なお、上記では、第1アンテナパターン11a(11a1〜11a6)と第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)とにより、巻き数が「5」であるヘリカル状アンテナが構成される場合について、説明したが、これに限定されることはない。第1アンテナパターン11aの導体パターンを、上記と同様に、基板1B上に、K個(K:自然数)設け、第2アンテナパターン11bの導体パターンを、円筒管1Tの内壁に沿うように、K−1個設けて、第1アンテナパターン11aと第2アンテナパターン11bにより、巻き数が「K」であるヘリカル状アンテナを構成するようにしてもよい。
また、ヘリカル状アンテナのピッチ(例えば、第2アンテナパターン11bの隣接する導体パターン間のX軸方向の距離に対応する距離)は、照明装置100において、送受信する無線信号の周波数に応じて、決定されことが好ましい。
また、図3のX軸方向からの投影視におけるヘリカル状アンテナの周囲の距離(ヘリカルアンテナの直径に対応する長さ)は、照明装置100において、送受信する無線信号の周波数に応じて、決定されことが好ましい。例えば、図5の点P1〜点P2間の直線距離と、点P1、点P3、点P2を通る半円周の距離との合計の距離Lを、照明装置100において、送受信する無線信号の周波数に応じて、決定するようにすればよい。
上記のように、照明装置100において、送受信する無線信号の周波数に応じて、ヘリカル状アンテナの(1)巻き数、(2)ピッチ、(3)らせん軸から見たときの周囲長(図3のX軸方向からの投影視におけるヘリカル状アンテナの周囲の距離に相当)、を決定するようにすればよい。
なお、照明装置100において、送受信する無線信号の周波数をfcとし、当該周波数fcに相当する波長をλとすると、例えば、上記合計の距離Lを、
3/4×λ≦L≦4/3×λ
となるように決定してもよい。
照明装置100では、基板1B上の第1アンテナパターン11aと、円筒管1Tの内壁に沿うように配置される第2アンテナパターン11bとによりヘリカル状アンテナを構成するので、当該ヘリカル状アンテナの巻き数とピッチとを容易に調整することができる。
なお、所望のアンテナ特性を得るために、第1アンテナパターン11aと、第2アンテナパターン11bとにより構成されるヘリカル状アンテナに、アンテナ特性調整用回路を接続し、照明装置100におけるアンテナ特性(アンテナ感度)を改善するようにしてもよい。上記のアンテナ特性調整用回路は、例えば、基板1B上に設置されるものであってもよいし、また、無線通信用モジュール2内に設置されるものであってもよい。
また、第2アンテナパターン11bの導体パターン11b1は、例えば、格子状パターンにより形成されるものであってもよい。これについて、図6を用いて、説明する。
図6は、図3の下左図(側面図)と同様の図である。図6に示した領域R1の拡大図のように、格子幅wの格子状パターンが形成されるように、第2アンテナパターン11bの導体パターン(11b1〜11b5)を、形成するようにしてもよい。
この場合、照明用モジュール1の照明部12から照射される光の波長をλ_Lとし、アンテナ部11で送受信される電磁波の波長をλ_Rとすると、
w<λ_R
w>λ_L
の両方の不等式を満たす格子幅wの格子状パターンが形成されるように、第2アンテナパターン11bの導体パターン(11b1〜11b5)を、フィルム上に形成するようにすることが好ましい。
これにより、照明光は、上記格子パターンを回折し、遮断されないので、照明光がアンテナ部11の第2アンテナパターン11bを通過することによる透過率の低下を適切に抑制することができる。
なお、格子パターンは、縦幅と横幅とが略同一であってもよいし、縦幅と横幅とが異なるものであってもよい。格子パターンの縦幅(これを幅w1とする)と横幅(これを幅w2とする)とが異なる場合、格子パターンの縦幅w1と横幅w2とが、
w1<λ_R
w1>λ_L
w2<λ_R
w2>λ_L
を満たす格子状パターンが形成されるように、第2アンテナパターン11bの導体パターンを形成するようにすればよい。
また、格子パターンは、上記のように、互いに直交する金属細線(導体パターン)により形成されるもの(格子パターンの単位パターンが正方形や長方形の形状となるパターン)に限定されることはない。第2アンテナパターン11bを形成するフィルム上に、複数の金属細線(導体パターン)を斜めに交差するように形成するようにしてもよい。つまり、格子パターンの単位パターンが菱形の形状となるように複数の金属細線(導体パターン)をフィルム上に形成するようにしてもよい。さらに、格子パターンの単位パターンの単位パターンの形状が他の形状(例えば、六角形の形状やランダム形状)となるように、複数の金属細線(導体パターン)をフィルム上に形成するようにしてもよい。
そして、複数の金属細線(導体パターン)において、隣接する金属細線間の距離をwaとすると、
wa<λ_R
wa>λ_L
を満たすように、複数の金属細線(導体パターン)をフィルム上に形成するようにしてもよい。
また、上記距離waは、複数の金属細線(導体パターン)において、隣接する金属細線間の平均値であってもよい。
このように第2アンテナパターン11bの導体パターンを形成することで、照明部12から光が照射される方向に、第2アンテナパターン11bの導体パターンが配置される場合であっても、照明部12から光の透過率が劣化することを適切に防止することができる。
照明部12は、図1に示すように、n個(n:自然数)のLED素子L1、L2、・・・、Lnを備える。n個のLED素子L1〜Lnは、基板1B(例えば、プリント基板)上で、直列接続されており、照明部12に電源部3から供給される直流電圧DC_Lにより、n個のLED素子L1〜Lnの発光制御が実行される。照明部12は、図2〜図4に示すように、蛍光灯と同様の細長い形状の管である円筒管1T内に設置される。
また、照明部12は、電源部3に接続され、電源部3から電圧DC_Lが供給される。照明部12のn個のLED素子は、電源部3からの電圧DC_Lにより駆動される。
反射板13は、図2〜図4に示すように、半円形の板状であり、導体により形成されている。反射板13は、図2〜図4に示すように、基板1Bの金口部14a側の端部に設けられている。これにより、第1アンテナパターン11aと第2アンテナパターン11bとにより構成されるヘリカル状アンテナのX軸負方向(図3の矢印Dir1の方向)の利得を大きくすることができる。その結果、第1アンテナパターン11aと第2アンテナパターン11bとにより構成されるヘリカル状アンテナをX軸負方向(図3の矢印Dir1の方向)の指向性の高いアンテナとすることができる。つまり、反射板13を上記のように設置することで、第1アンテナパターン11aと第2アンテナパターン11bとにより構成されるヘリカル状アンテナを、軸モード(Axial Mode)のヘリカルアンテナと同様に機能させることができる。
なお、反射板13を省略してもよい。この場合、第1アンテナパターン11aと第2アンテナパターン11bとにより構成されるヘリカル状アンテナは、ノーマルモードのヘリカルアンテナと同様に機能する。つまり、この場合、第1アンテナパターン11aと第2アンテナパターン11bとにより構成されるヘリカル状アンテナは、モノポールアンテナと類似の指向性を有する。
なお、反射板13は、図2〜図4に示すような半円形の板状に限定されず、他の形状であってもよい。例えば、反射板13は、円形の板状の形状を有するものであってもよい。
無線通信用モジュール2は、図1に示すように、マッチング部21と、RF部22と、通信制御部23とを備える。
マッチング部21は、インピーダンス調整を行う回路(インピーダンス調整回路)等を備える。マッチング部21のインピーダンス調整回路は、アンテナ部11と接続され、インピーダンス調整を行う。アンテナ部11を送受信アンテナとして機能させる場合、マッチング部21は、送信用インピーダンス調整回路と、受信用インピーダンス調整回路とを備えてもよい。なお、アンテナ部11を送受信アンテナとして機能させる場合、マッチング部21は、送信用インピーダンス調整回路と、受信用インピーダンス調整回路とを共通化した回路を備えるものであってもよい。
マッチング部21は、アンテナ部11が受信アンテナとして機能している場合、インピーダンス調整後の信号をRF部22に出力する。一方、マッチング部21は、アンテナ部11が送信アンテナとして機能している場合、RF部22からの信号を入力し、入力された信号に対してインピーダンス調整を行い、インピーダンス調整後の信号をアンテナ部11に出力する。
RF部22は、アンテナ送信処理部(例えば、アンテナ送信処理用回路)と、アンテナ受信処理部(例えば、アンテナ受信処理用回路)と、備える。RF部22は、通信制御部23からの指令信号(制御信号)を入力し、当該指令信号(制御信号)に基づいた処理を実行する。
RF部22は、アンテナ部11が受信アンテナとして機能している場合、アンテナ受信処理部(例えば、アンテナ受信処理用回路)を動作させ、マッチング部21から出力されるインピーダンス調整後の信号に対して、アンテナ受信処理(例えば、RF復調処理を含む処理)を実行する。そして、RF部22は、アンテナ受信処理(例えば、RF復調処理)により取得した信号(情報)を通信制御部23に出力する。
一方、RF部22は、アンテナ部11が送信アンテナとして機能している場合、アンテナ送信処理部(例えば、アンテナ送信処理用回路)を動作させる。例えば、通信制御部23から出力される信号(情報)をRF変調し、RF変調した信号をマッチング部21に出力する。
通信制御部23は、無線通信用モジュールの各機能部を制御する。通信制御部23は、例えば、マイクロプロセッサ等により実現される。通信制御部23は、RF部22と接続されており、RF部22に制御信号、RF変調させてアンテナ送信するための情報(信号)等を出力する。
また、通信制御部23は、RF部22からの信号により、自装置以外の他の照明装置から電波が送信されている状態であることを検出した場合、混信、コリジョン発生等を防止するために、自装置のRF変調処理を停止させるための制御信号をRF部22に出力するようにしてもよい。
また、通信制御部23は、RF部22からの信号に基づいて、電源制御信号Ctlを生成し、生成した電源制御信号Ctlを電源部3に出力する。
電源部3は、交流電源(不図示)に接続され、交流電流(あるいは交流電圧)を直流電流(あるいは交流電圧)に変換することで、外部に対して、定電圧源として機能する。電源部3は、無線通信用モジュール2に接続され、無線通信用モジュール2に対して、定電圧DC_Wを供給する直流電源として機能する。
また、電源部3は、照明用モジュール1の照明部12に接続され、照明部12に対して、電圧DC_Lを供給する直流電源として機能する。
また、電源部3は、通信制御部23から出力される電源制御信号Ctlを入力する。電源部3は、電源制御信号Ctlに基づいて、照明用モジュール1の照明部12に供給(出力)する電圧DC_Lの値を調整する。
なお、電源部3は、基板1Bに設置されていてもよい。
以上のように、照明装置100では、照明部12を搭載する基板1Bに形成された第1アンテナパターン11a1と、円筒管1Tの内壁に沿うようにして配置された第2アンテナパターン11b1とにより、ヘリカル状アンテナが構成される。したがって、照明装置100では、従来技術のように無線通信用のアンテナを別途外付け等する必要がなく、照明機器の外観を損ねることがない。さらに、照明装置100では、ヘリカル状アンテナが上記のように構成されるので、ヘリカル状アンテナの巻き数やピッチを容易に調整することができる。このため、照明装置100では、照明機器の外観を損ねることなく、所望のアンテナ特性を容易に得ることができる。
また、照明装置100では、ヘリカル状アンテナの一部(第2アンテナパターン11b1)のみが、照明光が照射される側に配置されるだけなので、照明光による照射効率をほとんど低下させない。さらに、ヘリカル状アンテナの第2アンテナパターン11b1を
w<λ_R
w>λ_L
の両方の不等式を満たす格子幅wの格子状パターンにより形成することで、照明部12からの照明光は、上記格子パターンを回折し、遮断されない。したがって、この場合、照明装置100において、照明光がヘリカル状アンテナの一部(第2アンテナパターン11b)を通過することによる光の透過率の低下をさらに適切に抑制することができる。すなわち、照明装置100において、照明性能を確保することができる。
また、照明装置100では、反射板13を設置することで、所定の方向(例えば、図3の矢印Dir1の方向)に強い指向性を有するアンテナを実現することができる。したがって、照明装置100では、所定の方向において、無線通信を行う場合、精度の高い無線通信を行うことができる。
このように、照明装置100では、照明機器の外観を損ねず、照明機器の照明性能を確保し、かつ、信頼性の高い無線通信を実行することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について、説明する。
なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図7は、第2実施形態に係る照明装置200の概略構成図である。
図8は、第2実施形態に係る照明装置200の平面図と側面図である。なお、図8に示すように、X軸、Y軸、および、Z軸を設定する。
図9は、第2実施形態に係る照明装置200の一部(金口部14b側の端部)における平面図および側面図である。なお、図9に示すように、X軸、Y軸およびZ軸を設定する。
図10は、第2実施形態に係る照明装置200の一部(両端部)の斜視図である。
照明装置200は、第1実施形態の照明装置100において、アンテナ部および無線通信用モジュールを1つずつ追加した構成を有している。具体的には、照明装置200は、図7に示すように、第1実施形態の照明装置100において、アンテナ部11Aを追加し、無線通信用モジュール2Bを追加し、無線通信用モジュール2を無線通信用モジュール2Aに置換した構成を有している。また、照明装置200は、図8〜図10に示すように、第1実施形態の照明装置100において、反射板13Aを追加した構成を有している。
アンテナ部11Aは、アンテナ部11と同様のヘリカル状アンテナである。アンテナ部11Aは、図8〜図10に示すように、円筒管1Tの金口部14b側の端部に設置されており、第2アンテナパターン11Abが基板1BのZ軸正方向側に配置されている。
また、アンテナ11Aの第1アンテナパターン11Aaは、図8〜図10に示すように、基板1BのZ軸正方向側に形成されている。
アンテナ部11Aは、図8〜図10に示すように、円筒管1T内の基板1Bに形成された導体パターンである第1アンテナパターン11Aa(11Aa1〜11Aa6)と、管1Tの内壁に沿うように配置された第2アンテナパターン11Ab(11Ab1〜11Ab5)とを備える。
第1アンテナパターン11Aa(11Aa1〜11Aa6)は、基板1B上に導体パターンとして形成されている。第1アンテナパターン11Aaは、例えば、図8〜図10に示すように、導体パターン11Aa1〜11Aa6からなる。
導体パターン11Aa1は、図9に示すように、給電点FPAを介して、無線通信用モジュール2Bと接続されている。導体パターン11Aa1は、図9に示すように、平面視において、円筒管1Tの筒軸(X軸)と平行に形成されている部分と、導体パターン11Aa2〜11Aa6と平行に形成されている部分とを有する。そして、導体パターン11Aa1は、図9に示すように、平面視において、円筒管1Tの筒軸と平行に形成されている部分が、円筒管1Tの幅方向の略中央付近に配置されるように設置されている。つまり、導体パターン11Aa1は、図9に示すように、平面視において、円筒管1Tの筒軸と平行に形成されている部分が、円筒管1Tの幅方向の略中央付近に配置されるように設定されている。これにより、給電点FPAが、円筒管1Tの幅方向の略中央付近に配置される。そして、平面視において、導体パターン11Aa1のY軸負方向側の端部において、導体パターン11Aa1は、第2アンテナパターンの導体パターン11Ab1の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Aa2は、平面視において、平行四辺形状であり、図9に示すように、平面視おいて、導体パターン11Aa3〜11Aa6と平行に設置されている。平面視において、導体パターン11Aa2のY軸正方向側の端部のX軸方向の位置は、導体パターン11Aa1のY軸負方向側の端部のX軸方向の位置と略同一である。そして、平面視において、(1)導体パターン11Aa2のY軸正方向側の端部において、導体パターン11Aa2は、第2アンテナパターンの導体パターン11Ab1の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11Aa2のY軸負方向側の端部において、導体パターン11Aa2は、第2アンテナパターンの導体パターン11Ab2の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Aa3は、平面視において、平行四辺形状であり、図9に示すように、平面視おいて、導体パターン11Aa2、11Aa4〜11Aa6と平行に設置されている。平面視において、導体パターン11Aa3のY軸正方向側の端部のX軸方向の位置は、導体パターン11Aa2のY軸負方向側の端部のX軸方向の位置と略同一である。そして、平面視において、(1)導体パターン11Aa3のY軸正方向側の端部において、導体パターン11Aa3は、第2アンテナパターンの導体パターン11Ab2の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11Aa3のY軸負方向側の端部において、導体パターン11Aa3は、第2アンテナパターンの導体パターン11Ab3の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Aa4は、平面視において、平行四辺形状であり、図9に示すように、平面視おいて、導体パターン11Aa2〜11Aa3、11Aa5〜11Aa6と平行に設置されている。平面視において、導体パターン11Aa4のY軸正方向側の端部のX軸方向の位置は、導体パターン11Aa3のY軸負方向側の端部のX軸方向の位置と略同一である。そして、平面視において、(1)導体パターン11Aa4のY軸正方向側の端部において、導体パターン11Aa4は、第2アンテナパターンの導体パターン11Ab3の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11Aa4のY軸負方向側の端部において、導体パターン11Aa4は、第2アンテナパターンの導体パターン11Ab4の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Aa5は、平面視において、平行四辺形状であり、図9に示すように、平面視おいて、導体パターン11Aa2〜11Aa4、11Aa6と平行に設置されている。平面視において、導体パターン11Aa5のY軸正方向側の端部のX軸方向の位置は、導体パターン11Aa4のY軸負方向側の端部のX軸方向の位置と略同一である。そして、平面視において、(1)導体パターン11Aa5のY軸正方向側の端部において、導体パターン11Aa5は、第2アンテナパターンの導体パターン11Ab4の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11Aa5のY軸負方向側の端部において、導体パターン11Aa5は、第2アンテナパターンの導体パターン11Ab5の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Aa6は、平面視において、平行四辺形状であり、図9に示すように、平面視おいて、導体パターン11Aa2〜11Aa5と平行に設置されている。平面視において、導体パターン11Aa6のY軸正方向側の端部のX軸方向の位置は、導体パターン11Aa5のY軸負方向側の端部のX軸方向の位置と略同一である。そして、平面視において、(1)導体パターン11Aa6のY軸正方向側の端部において、導体パターン11Aa6は、第2アンテナパターンの導体パターン11Ab5の端部(第2端)と接続される。
第2アンテナパターン11Ab(11Ab1〜11Ab5)は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明な材質の薄膜(フィルム)上に形成されている導体パターンである。
第2アンテナパターン11Ab(11Ab1〜11Ab5)を形成するフィルムの厚みは、材質を考慮し、光(特に可視光)が十分透過するような厚みとすることが好ましい。また、当該フィルムの厚みは、折り曲げ可能、あるいは、湾曲させることが可能な程度の厚さとすることが好ましい。例えば、第2アンテナパターン11Ab(11Ab1〜11Ab5)を形成するフィルムの材質をPETとする場合、その厚さを100μm以下とするのが好ましい。
なお、第2アンテナパターン11Ab(11Ab1〜11Ab5)を形成するフィルムは、当該フィルム上に導体パターンを保護する保護層(例えば、保護フィルム)を有するものであってもよい。
第2アンテナパターン11Abは、湾曲させることが可能なフィルムに形成された導体パターン11Ab1〜11Ab5からなる。
導体パターン11Ab1は、例えば、図8〜図10に示すように、円筒管1Tの内壁を沿うように配置される。そして、導体パターン11Ab1は、図8〜図10に示すように、(1)導体パターン11Ab1の第1端が、第1アンテナパターン11Aaの導体パターン11Aa1の端部(平面視におけるY軸負方向側の端部)と接続され、(2)導体パターン11Ab1の第2端が、第1アンテナパターン11Aaの導体パターン11Aa2の平面視におけるY軸正方向側の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Ab2は、例えば、図8〜図10に示すように、円筒管1Tの内壁を沿うように配置される。そして、導体パターン11Ab2は、図8〜図10に示すように、(1)導体パターン11Ab2の第1端が、第1アンテナパターン11Aaの導体パターン11Aa2の平面視におけるY軸負方向側の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11Ab2の第2端が、第1アンテナパターン11Aaの導体パターン11Aa3の平面視におけるY軸正方向側の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Ab3は、例えば、図8〜図10に示すように、円筒管1Tの内壁を沿うように配置される。そして、導体パターン11Ab3は、図8〜図10に示すように、(1)導体パターン11Ab3の第1端が、第1アンテナパターン11Aaの導体パターン11Aa3の平面視におけるY軸負方向側の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11Ab3の第2端が、第1アンテナパターン11Aaの導体パターン11Aa4の平面視におけるY軸正方向側の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Ab4は、例えば、図8〜図10に示すように、円筒管1Tの内壁を沿うように配置される。そして、導体パターン11Ab4は、図8〜図10に示すように、(1)導体パターン11Ab4の第1端が、第1アンテナパターン11Aaの導体パターン11Aa4の平面視におけるY軸負方向側の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11Ab4の第2端が、第1アンテナパターン11Aaの導体パターン11Aa5の平面視におけるY軸正方向側の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Ab5は、例えば、図8〜図10に示すように、円筒管1Tの内壁を沿うように配置される。そして、導体パターン11Ab5は、図8〜図10に示すように、(1)導体パターン11Ab5の第1端が、第1アンテナパターン11Aaの導体パターン11Aa5の平面視におけるY軸負方向側の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11Ab5の第2端が、第1アンテナパターン11Aaの導体パターン11Aa6の平面視におけるY軸正方向側の端部(第1端)と接続される。
なお、第2アンテナパターン11Ab(11Ab1〜11Ab5)と、第1アンテナパターン11Aa(11Aa1〜11Aa6)との接続については、第1実施形態において、図5を用いて説明したのと同様である。また、第2アンテナパターン11Ab(11Ab1〜11Ab5)は、第1実施形態の第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)と同様、格子パターンにより形成されるものであってもよい。
以上のように、第2アンテナパターン11Ab(11Ab1〜11Ab5)が配置されることで、第1アンテナパターン11Aa(11Aa1〜11Aa6)と第2アンテナパターン11Ab(11Ab1〜11Ab5)とが電気的に接続される。これにより、第1アンテナパターン11Aa(11Aa1〜11Aa6)と第2アンテナパターン11Ab(11Ab1〜11Ab5)とにより、アンテナ(アンテナ素子)が構成される。そして、第1アンテナパターン11Aa(11Aa1〜11Aa6)と第2アンテナパターン11Ab(11Ab1〜11Ab5)とにより構成されるアンテナは、図8〜図10に示すように、給電点FPAから金口部14aへの方向(X軸負方向)に延びるヘリカル状アンテナを構成する。
なお、上記では、第1アンテナパターン11Aa(11Aa1〜11Aa6)と第2アンテナパターン11Ab(11Ab1〜11Ab5)とにより、巻き数が「5」であるヘリカル状アンテナが構成される場合について、説明したが、これに限定されることはない。第1アンテナパターン11Aaの導体パターンを、上記と同様に、基板1B上に、K個(K:自然数)設け、第2アンテナパターン11Abの導体パターンを、円筒管1Tの内壁に沿うように、K−1個設けて、第1アンテナパターン11Aaと第2アンテナパターン11Abにより、巻き数が「K」であるヘリカル状アンテナを構成するようにしてもよい。
また、ヘリカル状アンテナのピッチ(例えば、第2アンテナパターン11Abの隣接する導体パターン管のX軸方向の処理に対応する距離)は、照明装置200において、送受信する無線信号の周波数に応じて、決定されことが好ましい。
また、図9のX軸方向からの投影視におけるヘリカル状アンテナの周囲の距離(ヘリカルアンテナの直径に対応する長さ)は、照明装置200において、送受信する無線信号の周波数に応じて、決定されことが好ましい。
上記のように、照明装置200において、送受信する無線信号の周波数に応じて、ヘリカル状アンテナの(1)巻き数、(2)ピッチ、(3)らせん軸から見たときの周囲長(図9のX軸方向からの投影視におけるヘリカル状アンテナの周囲の距離に相当)、を決定するようにすればよい。
なお、照明装置200において、送受信する無線信号の周波数をfcとし、当該周波数fcに相当する波長をλとすると、例えば、上記合計の距離Lを、
3/4×λ≦L≦4/3×λ
となるように決定してもよい。
照明装置200では、基板1B上の第1アンテナパターン11Aaと、円筒管1Tの内壁に沿うように配置される第2アンテナパターン11Abとによりヘリカル状アンテナを構成するので、当該ヘリカル状アンテナの巻き数とピッチとを容易に調整することができる。
なお、所望のアンテナ特性を得るために、第1アンテナパターン11Aaと、第2アンテナパターン11Abとにより構成されるヘリカル状アンテナに、アンテナ特性調整用回路を接続し、照明装置200におけるアンテナ特性(アンテナ感度)を改善するようにしてもよい。上記のアンテナ特性調整用回路は、例えば、基板1B上に設置されるものであってもよいし、また、無線通信用モジュール2B内に設置されるものであってもよい。
反射板13Aは、図8〜図10に示すように、半円形の板状であり、導体により形成されている。反射板13Aは、図8〜図10に示すように、基板1Bの金口部14b側の端部に設けられている。これにより、第1アンテナパターン11Aaと第2アンテナパターン11Abとにより構成されるヘリカル状アンテナのX軸正方向(図9の矢印Dir2の方向)の利得を大きくすることができる。その結果、第1アンテナパターン11Aaと第2アンテナパターン11Abとにより構成されるヘリカル状アンテナをX軸正方向(図9の矢印Dir2の方向)の指向性の高いアンテナとすることができる。つまり、反射板13Aを上記のように設置することで、第1アンテナパターン11Aaと第2アンテナパターン11Abとにより構成されるヘリカル状アンテナを、軸モード(Axial Mode)のヘリカルアンテナと同様に機能させることができる。
なお、反射板13Aを省略してもよい。この場合、第1アンテナパターン11Aaと第2アンテナパターン11Abとにより構成されるヘリカル状アンテナは、ノーマルモードのヘリカルアンテナと同様に機能する。つまり、この場合、第1アンテナパターン11Aaと第2アンテナパターン11Abとにより構成されるヘリカル状アンテナは、モノポールアンテナと類似の指向性を有する。
なお、反射板13Aは、図8〜図10に示すような半円形の板状に限定されず、他の形状であってもよい。例えば、反射板13Aは、円形の板状の形状を有するものであってもよい。
無線通信用モジュール2Aは、図7に示すように、第1実施形態の無線通信用モジュール2において、通信制御部23を、通信制御部23Aに置換したものである。それ以外については、無線通信用モジュール2Aは、第1実施形態の無線通信用モジュール2と同様である。
通信制御部23Aは、図7に示すように、無線通信用モジュール2Bの通信制御部23Bと接続されており、通信制御部23Bと各種データの通信(例えば、マイコン間通信)を行う。そして、通信制御部23Aは、RF部22から取得した情報、および/または、無線通信用モジュール2Bの通信制御部23Bから取得した情報に基づいて、電源部3へ電源制御信号Ctlを送信する。つまり、通信制御部23Aは、無線通信用モジュール2Bの通信制御部23Bと連動して、各種制御を行う。
無線通信用モジュール2Bは、図7に示すように、第1実施形態の無線通信用モジュール2において、通信制御部23を、通信制御部23Bに置換したものである。それ以外については、無線通信用モジュール2Bは、第1実施形態の無線通信用モジュール2と同様である。
通信制御部23Bは、図7に示すように、無線通信用モジュール2Aの通信制御部23Aと接続されており、通信制御部23Aと各種データの通信(例えば、マイコン間通信)を行う。例えば、通信制御部23Bは、無線通信用モジュール2BのRF部22から取得した情報を、無線通信用モジュール2Aの通信制御部23Aに送信する。
以上のように、照明装置200では、2つのヘリカル状アンテナを備える。そして、この2つのヘリカル状アンテナは、互いに異なる方向に利得の高い指向性アンテナである。つまり、図8に示すように、照明装置200の金口部14a側のヘリカル状アンテナは、図8の矢印Dir1(X軸負方向)に利得の高い指向性アンテナであり、照明装置200の金口部14b側のヘリカル状アンテナは、図8の矢印Dir2(X軸正方向)に利得の高い指向性アンテナである。このように、照明装置200では、利得の高い方向が異なる2つの指向性アンテナを、照明部12を搭載する基板1Bに形成された第1アンテナパターン11a1、11A1と、円筒管1Tの内壁に沿うようにして配置された第2アンテナパターン11b1、11Ab1と、により、形成することができる。
したがって、照明装置200では、照明機器の外観を損ねることなく、異なる方向(例えば、照明装置200の円筒管1Tの軸方向の正方向(図8のX軸正方向)および負方向(図8のX軸負方向))に利得の高い指向性アンテナを実現することができる。したがって、照明装置200では、所定の方向において、無線通信を行う場合、精度の高い無線通信を行うことができる。
さらに、照明装置200では、ヘリカル状アンテナが上記のように構成されるので、2つのヘリカル状アンテナのそれぞれの巻き数やピッチを容易に調整することができる。このため、照明装置200では、照明機器の外観を損ねることなく、所望のアンテナ特性を容易に得ることができる。
また、照明装置200では、ヘリカル状アンテナの一部(第2アンテナパターン11b1)のみが、照明光が照射される側に配置されるだけなので、照明光による照射効率をほとんど低下させない。さらに、ヘリカル状アンテナの第2アンテナパターン11b1を
w<λ_R
w>λ_L
の両方の不等式を満たす格子幅wの格子状パターンにより形成することで、照明部12からの照明光は、上記格子パターンを回折し、遮断されない。したがって、この場合、照明装置200において、照明光がヘリカル状アンテナの一部(第2アンテナパターン11b)を通過することによる光の透過率の低下をさらに適切に抑制することができる。すなわち、照明装置200において、照明性能を確保することができる。
このように、照明装置200では、照明機器の外観を損ねず、照明機器の照明性能を確保し、かつ、信頼性の高い無線通信を実行することができる。
なお、上記では、反射板13、13Aを有する構成について説明したが、これに限定されることはなく、照明装置200を、反射板13、13Aを省略した構成としてもよい。この場合、照明装置200の2つのヘリカル状アンテナは、モノポールアンテナと同様のアンテナ特性を有するので、例えば、照明装置200の2つのヘリカル状アンテナを空間ダイバシティアンテナとして機能させるようにしてもよい。
また、照明装置200の2つのヘリカル状アンテナの両方または一方の巻き数、ピッチ等を変更することで、照明装置200の2つのヘリカル状アンテナを周波数ダイバシティアンテナとして機能させるようにしてもよい。
また、照明装置200の2つのヘリカル状アンテナにおいて、所望のアンテナ特性を実現させるために、アンテナ特性を調整するための回路を、例えば、基板1Bに、あるいは、無線通信用モジュール2A、2B内に、設けるようにしてもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について、説明する。
なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図11は、第3実施形態に係る照明装置300の概略構成図である。
図12は、第3実施形態に係る照明装置300の構成を説明するための図である。具体的には、図12の上段の図は、第3実施形態に係る照明装置300の第2アンテナパターン11Bbが形成されたフィルム1Fの平面図である。図12の中段の図は、第3実施形態に係る照明装置300の第1アンテナパターン11Baが形成された基板1Bと、円筒管1Tと、金口部14a、14bの平面図である。
図12の下段中央の図は、第3実施形態に係る照明装置300の平面図である。つまり、図12の上段の図と、図12の中段の図とを重ねて描いた図である。図12の下段の左図は、A1−A1線による断面図である。図12の下段の右図は、A2−A2線による断面図である。
なお、図12に示した平面図については、図12に示すようにX軸、Y軸、および、Z軸をとるものとする。
図13は、第3実施形態に係る照明装置300の斜視図である。
本実施形態の照明装置300は、図11に示すように、第1実施形態の照明装置100において、アンテナ部11をアンテナ部11Bに置換した構成を有している。
アンテナ部11Bは、図12〜図13に示すように、円筒管1T内の基板1Bに形成された導体パターンである第1アンテナパターン11Ba(11Ba1〜11Ba4)と、管1Tの内壁に沿うように配置された第2アンテナパターン11Bb(11Bb1〜11Bb3)とを備える。また、アンテナ部11Bは、図12〜図13に示すように、基板1Bの金口部14b側の端部に設置され、第1アンテナパターン11Baと第2アンテナパターン11Bbとを接続する第3アンテナパターン11Bc(11Bc1〜11Bc3)と、基板1Bの金口部14a側の端部に設置され、第1アンテナパターン11Baと第2アンテナパターン11Bbとを接続する第4アンテナパターン11Bd(11Bd1〜11Bd3)と、を備える。
第1アンテナパターン11Ba(11Ba1〜11Ba4)は、基板1B上に導体パターンとして形成されている。第1アンテナパターン11Baは、例えば、図12〜図13に示すように、導体パターン11Ba1〜11Aa4からなる。
導体パターン11Ba1は、図12に示すように、給電点FPBを介して、無線通信用モジュール2と接続されている。導体パターン11Ba1は、図12に示すように、平面視において、円筒管1Tの筒軸と直交する軸(Y軸)と平行に形成されている部分と、導体パターン11Ba2〜11Ba4と平行に形成されている部分とを有する。そして、導体パターン11Ba1は、図12に示すように、平面視において、円筒管1Tの筒軸と直交する軸(Y軸)と平行に形成されている部分が、円筒管1Tの長手方向の略中央付近に配置されるように設置されている。つまり、導体パターン11Ba1は、図12に示すように、平面視において、円筒管1Tの筒軸と直交する軸(Y軸)と平行に形成されている部分が、円筒管1Tの長手方向の略中央付近に配置されるように設定されている。これにより、給電点FPBが、円筒管1Tの長手方向の略中央付近に配置される。そして、図12に示すように、平面視において、導体パターン11Ba1のX軸負方向側の端部で、導体パターン11Ba1は、第3アンテナパターン11Bcの導体パターン11Bc1を介して第2アンテナパターン11Bb1の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Ba2は、平面視において、平行四辺形状であり、図12に示すように、平面視おいて、導体パターン11Ba3〜11Ba4と平行に設置されている。平面視において、導体パターン11Ba2のX軸正方向側の端部のX軸方向の位置は、導体パターン11Ba1のX軸負方向側の端部のY軸方向の位置と略同一である。そして、平面視において、(1)導体パターン11Ba2のX軸正方向側の端部において、導体パターン11Ba2は、図12に示すように、第4アンテナパターンの導体パターン11Bd1を介して第2アンテナ11Bb1の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11Ba2のX軸負方向側の端部において、導体パターン11Ba2は、図12に示すように、第3アンテナパターンの導体パターン11Bc2を介して、第2アンテナパターンの導体パターン11Bb2の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Ba3は、平面視において、平行四辺形状であり、図12に示すように、平面視おいて、導体パターン11Ba2、11Ba4と平行に設置されている。平面視において、導体パターン11Ba3のX軸正方向側の端部のX軸方向の位置は、導体パターン11Ba2のX軸負方向側の端部のY軸方向の位置と略同一である。そして、平面視において、(1)導体パターン11Ba3のX軸正方向側の端部において、導体パターン11Ba3は、図12に示すように、第4アンテナパターンの導体パターン11Bd2を介して第2アンテナ11Bb2の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11Ba3のX軸負方向側の端部において、導体パターン11Ba3は、図12に示すように、第3アンテナパターンの導体パターン11Bc3を介して、第2アンテナパターンの導体パターン11Bb3の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Ba4は、平面視において、平行四辺形状であり、図12に示すように、平面視おいて、導体パターン11Ba2〜11Ba3と平行に設置されている。平面視において、導体パターン11Ba4のX軸正方向側の端部のX軸方向の位置は、導体パターン11Ba3のX軸負方向側の端部のY軸方向の位置と略同一である。そして、平面視において、(1)導体パターン11Ba4のX軸正方向側の端部において、導体パターン11Ba4は、図12に示すように、第4アンテナパターンの導体パターン11Bd3を介して第2アンテナパターン11Bd3の端部(第2端)と接続される。
第2アンテナパターン11Bb(11Bb1〜11Bb3)は、湾曲させることができるフィルム1F上に形成されている導体パターンである。つまり、第2アンテナパターン11Bbは、湾曲させることが可能なフィルム1Fに形成された導体パターン11Bb1〜11Bb3からなる。
導体パターン11Bb1は、例えば、図12〜図13に示すように、導体パターン11Bb1が形成されたフィルム1Fが円筒管1Tの内壁を沿うように配置されることで、円筒管1Tの長手方向に延びるように配置される。そして、導体パターン11Bb1は、図12〜図13に示すように、(1)導体パターン11Bb1の第1端が、第3アンテナパターン11Bc1を介して第1アンテナパターン11Baの導体パターン11Ba1の端部(平面視におけるX軸負方向側の端部)と接続され、(2)導体パターン11Bb1の第2端が、第4アンテナパターン11Bd1を介して第1アンテナパターン11Baの導体パターン11Ba2の平面視におけるX軸正方向側の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Bb2は、例えば、図12〜図13に示すように、導体パターン11Bb2が形成されたフィルム1Fが円筒管1Tの内壁を沿うように配置されることで、円筒管1Tの長手方向に延びるように配置される。そして、導体パターン11Bb2は、図12〜図13に示すように、(1)導体パターン11Bb2の第1端が、第3アンテナパターン11Bc2を介して第1アンテナパターン11Baの導体パターン11Ba2の平面視におけるX軸負方向側の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11Bb2の第2端が、第4アンテナパターン11Bd2を介して第1アンテナパターン11Baの導体パターン11Ba3の平面視におけるX軸正方向側の端部(第1端)と接続される。
導体パターン11Bb3は、例えば、図12〜図13に示すように、導体パターン11Bb3が形成されたフィルム1Fが円筒管1Tの内壁を沿うように配置されることで、円筒管1Tの長手方向に延びるように配置される。そして、導体パターン11Bb3は、図12〜図13に示すように、(1)導体パターン11Bb3の第1端が、第3アンテナパターン11Bc3を介して第1アンテナパターン11Baの導体パターン11Ba3の平面視におけるX軸負方向側の端部(第2端)と接続され、(2)導体パターン11Bb3の第2端が、第4アンテナパターン11Bd3を介して第1アンテナパターン11Baの導体パターン11Ba4の平面視におけるX軸正方向側の端部(第1端)と接続される。
なお、第2アンテナパターン11Bb(11Bb1〜11Bb3)は、第1実施形態の第2アンテナパターン11b(11b1〜11b5)と同様、格子パターンにより形成されるものであってもよい。
以上のようにアンテナ部11Bが構成されることで、円筒管1Tの幅方向に延びるヘリカル状アンテナを構成することができる。
なお、上記で説明したヘリカル状アンテナの形状・構成は、送受信したい無線信号の周波数に応じて、変更するようにしてもよい。つまり、ヘリカル状アンテナの巻き数、ピッチ等を送受信したい無線信号の周波数に応じて、変更するようにしてもよい。さらに、アンテナ特性を改善するために、基板1B上、あるいは、無線通信用モジュール2内に、アンテナ特性調整用回路を別途設けるようにしてもよい。
また、照明装置300において、図14に示すように、導体からなる反射板13Bを追加してもよい。例えば、図14に示すように、アンテナ部11B(ヘリカル状アンテナ)のらせん軸(Y軸)を法線とする平面が接平面となる曲面に、反射板13Bを形成する。これにより、図14の矢印Dir3の方向(Y軸正方向)に利得の大きい指向性アンテナを実現することができる。なお、反射板13Bは、上記実施形態で説明したのと同様に、金属細線による格子状パターンにより形成されるものであってもよい。
以上のように、照明装置300では、アンテナ部11Bが、第1アンテナパターン11Baと、第2アンテナパターン11Bbと、第3アンテナパターン11Bcと、第4アンテナパターン11Bdとにより、円筒管1Tの管軸方向に垂直な方向に延びるヘリカル状アンテナとして構成される。したがって、照明装置300では、照明機器の外観損ねることなく、ヘリカル状アンテナにより無線通信を行うことができる。さらに、照明装置300において、反射板13Bを設置することで、円筒管1Tの筒軸と垂直な方向に利得の高い指向性アンテナを実現することができる。
また、照明装置300において、第2アンテナパターン11Bbを、上記実施形態と同様の金属細線による格子状パターンとすることで、照明部12からの照明光は、上記格子パターンを回折し、遮断されない。したがって、この場合、照明装置300において、照明光がヘリカル状アンテナの一部(第2アンテナパターン11Bb)を通過することによる光の透過率の低下をさらに適切に抑制することができる。すなわち、照明装置300において、照明性能を確保することができる。
このように、照明装置300では、照明機器の外観を損ねず、照明機器の照明性能を確保し、かつ、信頼性の高い無線通信を実行することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について、説明する。
なお、本実施形態において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図15は、第4実施形態に係る照明制御システム1000の概略構成図である。
照明制御システム1000は、図15に示すように、ネットワークN1(有線ネットワークN1)に接続されたマスター装置M1と、第1スレーブ装置S1と、第2スレーブ装置S2と、第3スレーブ装置S3とを備える。ネットワークN1は、例えば、専用線による有線ネットワークや、電力線に信号を変調して重畳させて通信するネットワーク(例えば、電力線搬送通信ネットワーク(PLCネットワーク))等である。
また、照明制御システム1000は、図15に示すように、第1スレーブ装置S1に無線通信ネットワークW1により接続される脱着式無線通信用モジュールWM11と、脱着式無線通信用モジュールWM12に接続されている照明用モジュールLM12とを備える。
また、照明制御システム1000は、図15に示すように、第2スレーブ装置S2に無線通信ネットワークW2により接続される脱着式無線通信用モジュールWM21と、脱着式無線通信用モジュールWM22に接続されている照明用モジュールLM22とを備える。
なお、脱着式無線通信用モジュールWM11、WM12、WM21、WM22は、上記実施形態の無線通信用モジュール2と同様のものである。また、脱着式無線通信用モジュールWM11、WM12、WM21、WM22は、上記実施形態の無線通信用モジュール2A、2Bと同様のものであってもよい。
また、照明制御システム1000は、図15に示すように、第3スレーブ装置S3に無線通信ネットワークW3により接続される照度センサSS31と、人感センサSS32とを備える。
なお、図15の場合、照明制御システム1000は、1つのマスター装置と、3つのスレーブ装置とを備えているが、照明制御システム1000は、この構成に限定されることはなく、複数のマスター装置と、複数のスレーブ装置とを備えるものであってもよい。
脱着式無線通信用モジュールWM11、WM12、WM21、WM22は、上記実施形態で説明した無線通信用モジュール2(あるいは、無線通信用モジュール2A、2B)と同様のものであり、無線通信用モジュール2(あるいは、無線通信用モジュール2A、2B)は、コネクタや、静電容量結合により、照明用モジュールに電気的に接続される。
照明用モジュールLM11、LM12、LM21、LM22は、上記実施形態で説明した照明用モジュール10と同様のものである。なお、電源部3については、図示を省略している。
例えば、照明制御システム1000において、照度センサSS31により検出されている照度が低い(暗い)状態であり、人感センサSS32により、人を検知し、消灯している照明用モジュールLM11の複数の発光素子を点灯させる場合の制御について、以下、説明する。
まず、照度センサSS31は、照度センサSS31により検出されている照度が低い(暗い)ことを示す情報を含む信号を、無線通信ネットワークW3を介して、第3スレーブ装置S3に送信する。
第3スレーブ装置S3は、無線通信ネットワークW3を介して、照度センサSS31から取得した情報を含む信号を、有線ネットワークN1を介して、マスター装置M1に送信する。
マスター装置M1は、第3スレーブ装置S3から、有線ネットワークN1を介して受信した照度センサSS31が検知した照度についての情報を取得し、当該情報を保持する。
次に、人感センサSS32が、人を検知すると、人感センサSS32は、人を感知したことを示す情報を含む信号を、無線通信ネットワークW3を介して、第3スレーブ装置S3に送信する。
第3スレーブ装置S3は、人感センサSS32から、無線通信ネットワークW3を介して受信した情報(人を検知したことを示す情報)を、有線ネットワークN1を介して、マスター装置M1に送信する。
マスター装置M1は、第3スレーブ装置S3から、有線ネットワークN1を介して受信した信号により、人感センサSS32により、人が検知されたという情報を取得する。そして、マスター装置M1は、照明用モジュールLM11の複数の発光素子の点灯を指示する信号を、有線ネットワークN1を介して、第1スレーブ装置S1に送信する。
第1スレーブ装置S1は、マスター装置M1から、有線ネットワークN1を介して送信された信号を受信し、受信した信号を、無線通信ネットワークW1を介して、脱着式無線通信用モジュールWM11に送信する。
脱着式無線通信用モジュールWM11は、第1スレーブ装置S1からの信号を、無線通信ネットワークW1を介して受信する。具体的には、第1スレーブ装置S1からの無線信号を、照明用モジュールLM11の回路を受信アンテナとして動作させることで、受信する。そして、受信した信号に対して、脱着式無線通信用モジュールWM11のマッチング部21、および、RF部22による処理を実行する。これにより、脱着式無線通信用モジュールWM11の通信制御部23(または23A、23B)は、照明用モジュールLM11の複数の発光素子の点灯を指示する信号を取得する。そして、通信制御部23(または23A、23B)は、電源部3が、照明用モジュール10に供給する電圧を、照明用モジュール10の発光素子LE1〜LEnを点灯させることができる所定の電圧(所定の調光率を実現するための電圧)とするよう指示する電源制御信号Ctlを、電源部3に出力する。
これにより、照明用モジュールLM11の複数の発光素子が点灯する。
なお、脱着式無線通信用モジュールWM11の通信制御部23(または23A、23B)は、照明用モジュールLM11の複数の発光素子が点灯することで消費される電力の情報を含む信号を、照明用モジュールLM11の回路を送信アンテナとして動作させることで、無線通信ネットワークW1を介して、第1スレーブ装置S1に送信されるように、制御するようにしてもよい。
この場合、第1スレーブ装置S1は、脱着式無線通信用モジュールWM11から送信された信号を受信し、受信した信号を、有線ネットワークN1を介して、マスター装置M1へ送信する。
そして、マスター装置M1は、第1スレーブ装置S1から、有線ネットワークN1を介して受信した信号より、照明用モジュールLM11が点灯していることで消費されている電力量を把握することができる。
照明制御システム1000では、このような処理を行うことで、各スレーブ装置から取得した電力消費量を把握し、省エネを実現させるために、不要な点灯を消灯させる等の制御を行うこともできる。
さらに、図15に示すように、マスター装置M1を、ネットワークN2を介して、ホストシステムH1に接続するようにし、マスター装置M1で収集した情報を、ホストシステムH1に送信するようにしてもよい。ホストシステムH1では、収集した情報に基づいて、マスター装置M1に対して、所定の制御を行うように指示するようにしてもよい。
なお、上記では、照明制御システム1000での通信方式の詳細については、説明しなかったが、通信方式としては、例えば、特開2011−233995号に開示されている通信方式を採用するようにしてもよい。
また、上記では、脱着式無線通信用モジュールおよび照明用モジュールは、スレーブ装置とのみ無線通信する場合について、説明したが、これに限定されることはなく、脱着式無線通信用モジュールおよび照明用モジュール同士で、無線通信するようにしてもよい。この場合、無線マルチホップ通信方式により、無線通信を行うようにしてもよい。
以上のように、照明制御システム1000では、上記実施形態の照明装置100、200、300のいずれかに相当する、脱着式無線通信用モジュールおよび照明用モジュールを用いて、照明制御システムを構成することができる。照明制御システム1000では、スレーブ装置のみが有線ネットワークおよび無線通信ネットワークの両方の通信機能を備えていればよく、脱着式無線通信用モジュールおよび照明用モジュールは、無線通信機能のみを備えていればよい。これにより、照明制御システム1000では、システムを構築するときにトータルコストを安くすることができる。
さらに、無線通信用モジュールは、照明用モジュールに脱着可能であるので、照明用モジュールのコストを安くすることができる。そして、無線通信機能を付加したい照明用モジュールに対してのみ、脱着可能な無線通信用モジュールを装填すればよいので、柔軟、かつ、高い拡張性を有する照明制御システム1000を、容易に構築することができる。
さらに、脱着可能な無線通信用モジュールと照明用モジュールとを接続するコネクタを、金属端子(導体部分)が直接接触する部分が存在しない静電容量結合タイプのコネクタ(金属非接触コネクタ)とすることで、長期間に亘り、接触不良を起こすことなく良好な使用状態を維持することができる照明装置、および、照明制御システム1000を実現することができる。この場合、照明制御システム1000において、無線通信用モジュールの保守、交換等にかかる費用や手間も大幅に低減することができる。
≪変形例≫
次に、第4実施形態の変形例について説明する。
本変形例において、上記と同様の部分については、同一符号を付し、詳細の説明を省略する。
本変形例は、第4実施形態の照明制御システム1000を、第2実施形態の照明装置200を用いて構成している。具体的には、脱着式無線通信用モジュールを、第2実施形態の無線通信用モジュール2A、2Bとし、照明用モジュールを、第2実施形態の照明用モジュール1Aとしている。一例として、照明制御システム1000の第1スレーブ装置S1により、9個の照明装置200が管理制御される場合について、説明する。
図16、図17は、照明制御システム1000の第1スレーブ装置S1と、第1スレーブ装置S1により管理制御される9個の照明装置200_A1〜200_A3、200_B1〜200_B3、200_C1〜200_C3を模式的に示した図である。なお、図16、図17に示すように、X軸、Y軸を設定する。
図16、図17の9個の照明装置200_A1〜200_A3、200_B1〜200_B3、200_C1〜200_C3は、第2実施形態の照明装置200と同様の構成を有しており、その具体的構成は、図8に示したものである。
9個の照明装置200_A1〜200_A3、200_B1〜200_B3、200_C1〜200_C3は、例えば、天井に、図16、図17に示すように配置される。
図16は、第1スレーブ装置S1から、9個の照明装置200_A1〜200_A3、200_B1〜200_B3、200_C1〜200_C3へ、データ送信する場合の図である。
図17は、9個の照明装置200_A1〜200_A3、200_B1〜200_B3、200_C1〜200_C3から、第1スレーブ装置S1へデータ送信する場合の図である。
まず、図16を用いて、第1スレーブ装置S1から、9個の照明装置200_A1〜200_A3、200_B1〜200_B3、200_C1〜200_C3へ、データ送信する場合について、説明する。
なお、第4実施形態にて説明した内容については、詳細な説明を省略する。
本変形例の照明制御システム1000では、無線マルチホップ通信方式により、(1)照明装置200_A1と照明装置200_A2とが通信を行い、(2)照明装置200_A2と照明装置200_A3とが通信を行う。
また、本変形例の照明制御システム1000では、無線マルチホップ通信方式により、(1)照明装置200_B1と照明装置200_B2とが通信を行い、(2)照明装置200_B2と照明装置200_B3とが通信を行う。
また、本変形例の照明制御システム1000では、無線マルチホップ通信方式により、(1)照明装置200_C1と照明装置200_C2とが通信を行い、(2)照明装置200_C2と照明装置200_C3とが通信を行う。
一例として、第1スレーブ装置S1から、照明装置200_A3に所定のデータを送信する場合について説明する。
第1スレーブ装置S1は、通信先を照明装置200_A3とする通信データ(例えば、通信パケット)を無線信号により送信する。第1スレーブ装置S1から送信された無線信号(電波)は、照明装置200_A1、照明装置200_A2、および、照明装置200_A3が受信できるものとする。
第1スレーブ装置S1から送信された無線信号(電波)を受信した照明装置200_A1は、受信した信号を復調し、当該無線信号により送信されたデータの宛先が照明装置200_A3であることを把握する。そして、照明装置200_A1は、データの宛先を照明装置200_A3として、照明装置200_A3に送信するデータを、RF変調し、RF変調した無線通信信号を、図16のX軸正方向への利得の大きいヘリカル状アンテナ11A1(アンテナ部11A1)により、照明装置200_A2へ送信する。
照明装置200_A1から、ヘリカル状アンテナ11A1により放射される無線通信信号は、X軸正方向の利得が高いので、照明装置200_A1に対してX軸正方向に位置する照明装置200_A2へ効率良く伝搬される。
照明装置200_A2は、X軸負方向の利得が大きいヘリカル状アンテナ11(アンテナ部11)により、照明装置200_A1から放射された無線信号を受信する。そして、照明装置200_A2は、受信した無線信号を復調し、当該無線信号により送信されたデータの宛先が照明装置200_A3であることを把握する。そして、照明装置200_A2は、データの宛先を照明装置200_A3として、照明装置200_A3に送信するデータを、RF変調し、RF変調した無線通信信号を、図16のX軸正方向への利得の大きいヘリカル状アンテナ11A1(アンテナ部11A1)により、照明装置200_A3へ送信する。
照明装置200_A3は、X軸負方向の利得が大きいヘリカル状アンテナ11(アンテナ部11)により、照明装置200_A2から放射された無線信号を受信する。そして、照明装置200_A3は、受信した無線信号を復調し、当該無線信号により送信されたデータの宛先が自装置宛(照明装置200_A3)であることを把握する。そして、照明装置200_A3は、受信したデータに基づいて、所定の処理(例えば、照明点灯制御処理等)を実行する。
なお、他の照明装置(9個の照明装置200_A1〜200_A3、200_B1〜200_B3、200_C1〜200_C3のいずれかの照明装置)へデータ送信する場合も、上記と同様の処理を実行すればよい。
次に、図17を用いて、9個の照明装置200_A1〜200_A3、200_B1〜200_B3、200_C1〜200_C3から、第1スレーブ装置S1へデータ送信する場合について、説明する。
一例として、照明装置200_A3から、第1スレーブ装置S1に所定のデータを送信する場合について説明する。
照明装置200_A3は、第1スレーブ装置S1宛のデータを生成し、生成したデータをRF変調し、RF変調した無線通信信号を、図16のX軸負方向への利得の大きいヘリカル状アンテナ11(アンテナ部11)により、照明装置200_A2へ送信する。
照明装置200_A2は、X軸正方向の利得が大きいヘリカル状アンテナ11A(アンテナ部11A)により、照明装置200_A3から放射された無線信号を受信する。そして、照明装置200_A2は、受信した無線信号を復調し、当該無線信号により送信されたデータの宛先が第1スレーブ装置S1であることを把握する。そして、照明装置200_A2は、データの宛先を第1スレーブ装置S1として、第1スレーブ装置S1に送信するデータを、RF変調し、RF変調した無線通信信号を、図16のX軸負方向への利得の大きいヘリカル状アンテナ11(アンテナ部11)により、照明装置200_A1へ送信する。
照明装置200_A1は、X軸正方向の利得が大きいヘリカル状アンテナ11A(アンテナ部11A)により、照明装置200_A2から放射された無線信号を受信する。そして、照明装置200_A1は、受信した無線信号を復調し、当該無線信号により送信されたデータの宛先が第1スレーブ装置S1であることを把握する。そして、照明装置200_A1は、データの宛先を第1スレーブ装置S1として、第1スレーブ装置S1に送信するデータを、RF変調し、RF変調した無線通信信号を、第1スレーブ装置S1に送信する。
第1スレーブ装置S1は、照明装置200_A1からの無線信号を受信し、受信した信号をRF復調し、自装置宛のデータを取得する。
このように、本変形例の照明制御システム1000では、各照明装置が配置されている方向に高い指向性を有するアンテナを用いて、無線信号の送受信を行うため、効率良く無線通信を行うことができる。
特に、蛍光管タイプの照明装置は、図16、図17に示したように、蛍光管の軸(円筒管軸)が一致するように一直線上に配置されることが多いため、上記のように、各照明装置が配置されている方向に高い指向性を有するアンテナを用いて、無線信号の送受信を行うと非常に効率が良い。
なお、蛍光管の軸(円筒管軸)に垂直な方向に無線通信を行いたい場合、例えば、第3実施形態の照明装置300を用いるようにしてもよい。
[他の実施形態]
上記実施形態(変形例を含む)では、第1アンテナパターン11a、11Aa、11Baが、基板1Bに形成されるとして説明した。第1アンテナパターン11a、11Aa、11Baは、基板1B上に形成されるものであってもよいが、例えば、基板1Bを多層基板として、端部(接続部)のみを基板1B上(表面上または裏面上)に露出させ、他の導体部分を中間層に配置するようにしてもよい。
このようにすることで、発光素子や、その駆動回路等との位置的な衝突を容易に回避させることができる(電子部品の配置を容易にすることができる)。
上記実施形態(変形例を含む)において、アンテナ部11と、無線通信用モジュール2との接続を、静電容量結合による接続(非接触接続)としてもよい。つまり、アンテナ部11と、無線通信用モジュール2との間にコンデンサに等価となる回路を挿入することで、アンテナ部11と、無線通信用モジュール2とを電気的に接続するようにしてもよい。
また、アンテナ部11Aと無線通信用モジュール2Bとの間の接続、アンテナ部11と無線通信用モジュール2Aとの間の接続、アンテナ部11Bと無線通信用モジュール2との間の接続も、上記と同様に、静電容量結合による接続(非接触接続)としてもよい。
なお、静電容量結合による接続(非接触接続)とする場合、照明装置100、200、300において、送受信する無線信号の周波数を周波数fcとし、周波数fcにおける容量リアクタンスをXC2とすると、
XC1<500[Ω]
となるようにするのが好ましい。
このようにすることで、無線信号の周波数帯域において、十分低いインピーダンスにより、無線通信用モジュール2との接続(アンテナ部11Aと無線通信用モジュール2Bとの間の接続、アンテナ部11と無線通信用モジュール2Aとの間の接続、アンテナ部11Bと無線通信用モジュール2との間の接続)を行うことができる。
また、上記実施形態において、構成部材のうち、上記実施形態に必要な主要部材のみを簡略化して示している。したがって、上記実施形態において明示されなかった任意の構成部材を備えうる。また、上記実施形態および図面において、各部材の寸法は、必ずしも実際の寸法および寸法比率等を忠実に表しているわけではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で寸法や寸法比率等の変更は可能である。
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。