JP6270218B2 - 難燃性可撓性基材およびそれらの製造方法 - Google Patents

難燃性可撓性基材およびそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、難燃性を有する可撓性基材、ならびに前記難燃性を有する可撓性基材を得るための製造方法に関する。
建設産業において、透水性でありながら、なお防水性である様々な布が、ルーフライナー、ハウスラップ、空気および/または水侵入バリア、フロアカバーリングおよびフロアアンダーレイなどの用途に関して高い需要がある。
主に、これらの布は、建築物の構造に入った場合に構造にダメージを与える可能性がある液体の水に対するバリアをもたらす。同時に、これらの布は通気性の層として機能し、これによって水蒸気が布を透過することが可能となり、過剰な湿分を排気する。
特にフラッシュ紡糸ポリオレフィン布などの合成布は、上記特性の組み合わせを提供することが知られており、したがって、例えば、ルーフライナーとして、建築物において広範囲に使用される。
建設産業で使用される建築材料の安全性を確実にするために設計された地域および国内の建築基準では、建築物に使用されるいずれの布も、特にそれらが、例えば、火炎、激しい熱放射または電気アークなどの熱源と接触する場合、特定の基準を満たすことが必要とされる。
特に、激しい熱性ストレス下にある場合、例えばルーフライナーで使用される布材料は、火の拡散を促進する可能性のある溶融材料の燃焼液滴を形成しないべきであり、また人の健康問題または他の不快感を生じる可能性のある高密度の毒性煙霧または煙を形成しないべきである。
当該技術分野において既知の合成布の難燃性を改善する方法は、臭素化ジフェニルエーテルまたは他の臭素化芳香族化合物などのハロゲン化難燃剤組成物を布に適用して、布の表面をコーティングする方法である。しかしながら、ハロゲン化難燃剤によってコーティングされた布は、燃焼時に腐食性かつ毒性の煙霧を生じ、これは、毒性の煙によって居住者が建物を避難する能力が妨げられる可能性があり、密閉した建築物において非常に望ましくない。
したがって、非ハロゲン化難燃剤組成物を使用することが望ましい。非ハロゲン化難燃剤組成物は、例えば、特開平05−163674号公報に開示される。この出願は、水溶液またはアルコール溶液の液体の形態でビニルホスホネート化合物によって不織布を含浸する工程と、布を乾燥させる工程と、布に電子ビームを照射する工程とを有する方法を記載する。特開平08−246346号公報には、電子ビーム(EB)硬化によって硬化可能であるビニルホスホネートオリゴマーおよびトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを含有する防火加工溶媒溶液が開示される。
しかしながら、有機溶媒が布の空隙空間に浸透し、そして調合物に存在する難燃剤を細孔に引き込む可能性があるため、コーティングに存在する有機溶媒自体が布の通気性を変化させる可能性がある。溶媒蒸発後、調合物に存在する難燃剤が布の細孔を詰まらせ、布の通気性を低下させる。
さらに、コーティングに存在する水溶性難燃性添加剤は、撥水性に悪影響を及ぼす可能性がある。場合によっては、これらの添加剤の親水性が、織物の表面張力に影響を及ぼし、そして布の細孔がより水和して、したがって、毛管作用によってより多くの水を引き込むため、処理された布の防水特徴を喪失させる。
加えて、非ハロゲン化難燃剤組成物およびそれらの活性成分は高価であり、そして難燃剤組成物の必要かつ十分な量のみを、防火加工される布に適用することに重大な経済的な利点がある。
したがって、地域の難燃剤基準を満たす改善された難燃性を有する、ハロゲンを含まないコーティングを有する布などの可撓性基材を提供する必要が存在する。加えて、ハロゲンを含まないコーティングは、処理された布の撥水性および蒸気透過性も変更しないべきである。
本発明は、
a)少なくとも1層の可撓性基材と、
b)少なくとも1層の硬化性組成物と
を含んでなる難燃性可撓性基材であって、前記硬化性組成物が、
i)リン含有、放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体である、少なくとも1種のリン含有難燃性添加剤と、
ii)任意選択的に少なくとも1種のモノエチレン系またはポリエチレン系不飽和モノマーと
を含んでなる難燃性可撓性基材を提供する。
さらに本発明は、硬化状態で硬化性組成物を含んでなる、上記で定義された難燃性可撓性基材を提供する。
難燃性可撓性基材は、低燃焼性に関して優れた特性を有し、そして特に建築または建設用途のために適切である。
さらに本発明は、
I.少なくとも1層の可撓性基材を提供する工程と、
II.少なくとも1層の可撓性基材の少なくとも片面上に少なくとも1層の硬化性組成物を適用する工程であって、前記硬化性組成物が、
i)リン含有、放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体である、少なくとも1種のリン含有難燃性添加剤と、
ii)任意選択的に少なくとも1種のモノエチレン系またはポリエチレン系不飽和モノマーと
を含んでなる工程と、
III.前記硬化性組成物を硬化させる工程と
を含んでなる難燃性可撓性基材の製造方法を提供する。
本開示の特徴および効果は、以下の詳細な説明を読むことによって当業者に容易に理解されるであろう。
明瞭さのために別々の実施形態に記載される本開示の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせで提供されてもよいことは認識されるであろう。
反対に、簡潔さのために単一の実施形態に記載される本開示の様々な特徴は、別々に、またはいずれかの部分的組み合わせで提供されてもよい。加えて、文脈上で特記されない限り、単数形の引用には複数形も含まれる(例えば、「a」および「an」は、1、あるいは1またはそれ以上を指してよい)。
「繊維」という用語は、本明細書に使用される場合、ステープルファイバー、ストレッチブロークンファイバー、フィブリッドおよびパルプ、ならびに連続フィラメントの天然および合成のものを指す。
「不織布」という用語は、本明細書に使用される場合、編物または織物とは対照的に、定義可能なパターンを含まずに平面材料を形成するように、無作為の様式で配置された個々の繊維の構造を含んでなるいずれかの布を指す。不織布の非限定的な例は、メルトブローン(meltblown)布、スパンボンド(spunbond)不織布ウェブ、カーデッド(carded)およびエアレイド(air−laid)布を含むステープルベースド(staplebased)布、スパンレースド(spunlaced)布、フラッシュスパン(flashspun)布、例えば、E.I.du Pont de Nemours and Companyから商標Tyvek(登録商標)で市販品として入手可能な布、ならびに上記のいずれかの組み合わせである。
「織物」という用語は、本明細書に使用される場合、不織布とは対照的に、定義可能なパターンを有する平面材料を形成するように、周期的な様式で配置された少なくとも1つの横糸および少なくとも1つの縦糸を有する布を指す。
「ルーフライナー」という用語は、本明細書に使用される場合、液体および気体に対する選択的バリアを形成するために、ルーフィング要素またはシーリングの構造成分に直接的または間接的に固定されることが可能な単層または多層の布を指す。
「ウォールカバーリング」および「ハウスラップ」という用語は、本明細書に使用される場合、液体および気体に対する選択的バリアを形成するために、ウォール要素の構造成分に直接的または間接的に固定されることが可能な単層または多層の布を指す。
「(メタ)アクリル」という用語は、本明細書に使用される場合、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を指す。
「防火加工」および「防炎加工」という用語は、交換可能に使用され、そして本明細書において、例えば、より低い燃焼性、より低い煙発生および/または燃焼液滴の低下などの熱性ストレス下で改善された特性を示す、防火加工または防炎加工を行った対象に匹敵する対象を指すために使用される。
「静水頭」という用語は、本明細書に使用される場合、センチメートル単位の、standard EN 20811に従って測定される水浸透に対する耐性を指す。
「MVTR」という用語は、EN ISO 12572(climate C with the wet−cup method)に従って測定される透湿度を指す。
「微量」という用語は、1000ppm未満を指す。
「面密度」および「面積重量」という用語は、交換可能に使用され、本明細書では単位面積あたりの布の重量を指すために使用される。
別に明示されない限り、本記載に明示される全ての分子量データ、数平均分子量データMnまたは重量平均分子量データMwは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC、固定相としてジビニルベンゼン架橋ポリスチレン、液相としてテトラヒドロフラン、ポリスチレン基準)によって決定された、または決定される分子量である。
本発明の難燃性可撓性基材、特に布および不織布は、例えば、水制御層、蒸気制御層および空気制御層としてのルーフライナー、アンダーレイ、ウォールカバーリングならびに音響ライナーなどの建築および建設用途において、ならびにグラフィックおよび包装用途、バナー用途、カーカバー用途、光反射器用途、温室効果日よけ用途、太陽反射スクリーン用途、衣服用途において、そして個人保護用途において有用である。
難燃性可撓性基材は、少なくとも1層の硬化性組成物を含んでなり、前記硬化性組成物は、少なくとも1種のリン含有難燃性添加剤と、任意選択的に少なくとも1種のモノエチレン系またはポリエチレン系不飽和モノマーとを含んでなり、前記難燃性添加剤は、リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体である。
硬化性組成物は、硬化性組成物の全重量に基づき、20重量パーセント〜100重量パーセント、好ましくは40〜99重量パーセント、より好ましくは50重量パーセント〜90重量パーセントの少なくとも1種のリン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体を含んでなってもよい。少なくとも1種のリン含有難燃性添加剤を含んでなる硬化性組成物をより詳細に説明する。
硬化性組成物に含まれるリン含有難燃性添加剤は、リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体である。
リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体は、少なくとも1種の不飽和ジカルボキシルおよび/またはポリカルボン酸、少なくとも1種のポリオール、少なくとも1種のリン含有モノマー、ならびに任意選択的に少なくとも1種の飽和ジカルボン酸を組み合わせることによって得ることができる。
不飽和ジカルボン酸が好ましくは使用される。本発明で有用な不飽和ジカルボン酸は、不飽和ジカルボン酸、それらのモノ−もしくはジエステルまたはそれらの無水物から選択されてもよい。
適切な不飽和ジカルボン酸は、モノ−またはポリ不飽和ジカルボン酸であってもよくて、好ましくはモノ不飽和である。
適切な不飽和ジカルボン酸は、イタコン酸、フマル酸およびマレイン酸、ならびに/またはそれらの混合物である。
任意の少なくとも1種の飽和ジカルボン酸は、飽和ジカルボン酸、それらのモノ−もしくはジエステルまたはそれらの無水物から選択されてもよい。
適切な飽和ジカルボン酸は、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、シュウ酸および/またはそれらの混合物から選択されてもよい。
少なくとも1種のポリオールは、飽和ポリオールから、好ましくは飽和ジオールから選択されてもよい。
飽和ジオールは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、それらの異性体および/またはアルコキシル化誘導体(それらの有効にオキシプロピル化および/またはオキシエチル化誘導体)、ならびに/またはそれらの有効な組み合わせから選択されてもよい。
本発明で有用な少なくとも1種のリン含有モノマーは、式(I):
123P=O (I)
(式中、少なくともR1およびR2は、独立して、1個またはそれ以上のヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基で置換される、例えば、直鎖または分枝状アルキル基などのC1~20有機基を表し、
かつR3は、水素原子、あるいは有機基、例えば、1個またはそれ以上のヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基で置換されていてもよいC1~20有機基を表し、かつ好ましくは1個またはそれ以上のヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基で置換されていてもよい有機基を表す)の化合物を含んでなるモノマー;
ならびに/あるいはそれらの有効な異性体、塩および/または混合物、
ならびに/あるいは式(II)
Figure 0006270218
(II)
(式中、リン原子は、少なくとも1個の炭素原子で置換され、少なくとも1個のP−C結合を形成し、
P−O結合は、有機環の一部を形成し(式(II)中弧によって示される)、
有機環は、1個またはそれ以上の他の有機基で置換されていてもよく、かつ/または1個またはそれ以上の他の有機環に縮合していてもよい)の化合物を含んでなるモノマー;
ならびに/あるいはそれらの有効な異性体、塩および/または混合物
から選択することができる。
P−O結合は、好ましくは、反応条件下で加水分解しない、かつ/またはエステル交換を受けない(例えば、リンおよび/または酸素原子における立体的な障害のため)、あるいはそのような加水分解および/またはエステル交換が反応条件下で容易に可逆性である(例えば、P−O結合のリンおよび酸素原子の両方がより大きな環基中の環原子である場合)耐性オキシホスホラス(oxyphosphorous)結合である。
好ましくは、本発明で有用な少なくとも1種のリン含有モノマーは、上記式Ia、Ib、IIa、IIbおよび/またはIIcの化合物ならびに/あるいはそれらの有効な異性体、塩および/または混合物を含んでなるモノマーから選択することができる。
式(I)の好ましい化合物は、式Iaおよび/またはIbの化合物、ならびに/あるいはそれらの有効な異性体、塩および/または混合物:
Figure 0006270218
(式中、mは1である)を含んでなる。
式Iによる他の好ましい化合物は、例えば、ビス(ヒドロキシメチル)イソブチルホスフィンオキシド、ビス(ヒドロキシプロピル)イソブチルホスフィンオキシドおよびトリスヒドロキシメチルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシドである。
式(II)の好ましい化合物は、式IIa:
Figure 0006270218
(式中、R2〜R5は、独立して、水素原子または置換されていてもよいC1~18有機基を表し、複数の上記置換されていてもよいC1~18有機基は、一緒になって、それらが結合しているオキシリン環に縮合していてもよい1個またはそれ以上の環を表してもよい)の化合物、
ならびに/あるいはそれらの有効な異性体、塩および/または混合物を含んでなる。
より好ましい式(II)の化合物は、式IIb
Figure 0006270218
(式中、pおよびqは、独立して、0、または1〜4の整数を表し、
6およびR7は、独立して、水素原子または置換されていてもよいC1~15有機基、ならびに/あるいは任意選択的にそれらが結合するベンゼン環に縮合した1個またはそれ以上の環(芳香族または非芳香族)である)の化合物、
ならびに/あるいはそれらの有効な異性体、塩および/または混合物を含んでなる。
最も好ましくは、式(II)による少なくとも1種のリン含有モノマーは、式IIcで示される9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(DOPO)、ならびに/あるいはそれらの有効な異性体、塩および/または混合物である。
Figure 0006270218
本発明で有用なリン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体は、少なくとも1個の放射線硬化性官能基を含有する。適切な放射線硬化性官能基は、1個またはそれ以上のオレフィン系不飽和部分を含んでなる基である。好ましくは、放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体は、少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を含有する。したがって、放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体は、リン含有放射線硬化性ポリエステル(メタ)アクリレートであってもよい。
リン含有放射線硬化性ポリエステル(メタ)アクリレートは、少なくとも1種の(メタ)アクリロイル基を導入するために、上記リン含有ポリエステルを少なくとも1種の(メタ)アクリレート化剤と反応させることによって得ることができる。有用な(メタ)アクリレート化剤は、ヒドロキシル官能性またはグリシジル官能性(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステルである。(メタ)アクリル酸エステルの例は、(メタ)アクル酸ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸グリシジルである。少なくとも1種の放射線硬化性官能基を導入する別の方法は、最初に上記リン含有ポリエステルをポリイソシアネートと反応させ、NCO官能性オリゴマーを形成し、そしてNCO官能性オリゴマーのイソシアネート基を、例えば、ヒドロキシル官能性(メタ)アクリル酸エステルと反応させ、それによって(メタ)アクリロイル官能性ポリエステルウレタンを形成することである。
リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体、特に、放射線硬化性ポリエステル(メタ)アクリレートのリン含有量は、リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体の全重量に基づき、0.5重量パーセント〜約10重量パーセント、より好ましくは2重量パーセント〜約7重量パーセント、そして最も好ましくは3重量パーセント〜約6重量パーセントであることが可能である。リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体、特に、放射線硬化性ポリエステル(メタ)アクリレートは、200〜約5,000ダルトン、より好ましくは250〜約4,000ダルトン、最も好ましくは500〜約3,000ダルトンの数平均分子量を有することが可能である。また、リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体、特に、放射線硬化性ポリエステル(メタ)アクリレートは、1000〜約2,000のダルトンの数平均分子量(Mn)を有することが可能である。
リン含有放射線硬化性ポリエステル(メタ)アクリレートは、2〜約100、最も好ましくは2〜約50の鎖あたりの繰り返し単位数の平均値を含んでなることが可能である。好ましくは、放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体は、実質的にGaussian分布の鎖長を有するポリマー鎖の混合物を含んでなる。
放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体、特に、リン含有放射線硬化性ポリエステル(メタ)アクリレートは、少なくとも1.1、より好ましくは1.2〜4.0、そして最も好ましくは1.5〜3.5の多分散性を有することが可能である。
本発明で有用なリン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体およびそれらの製造方法は、中でも、欧州特許出願第1370603号明細書にさらに開示されている。
硬化性組成物は、硬化性組成物の全重量に基づき、20重量パーセント〜100重量パーセント、好ましくは40重量パーセント〜99重量パーセント、より好ましくは50重量パーセント〜90重量パーセントの少なくとも1種のリン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体を含んでなることが可能である。硬化性組成物は、少なくとも1種のモノエチレン系不飽和またはポリエチレン系不飽和モノマーをさらに含んでいてもよい。硬化性組成物は、硬化性組成物の全重量に基づき、0重量パーセント〜80重量パーセント、好ましくは1重量パーセント〜60重量パーセント、より好ましくは10重量パーセント〜50重量パーセントの少なくとも1種のモノエチレン系不飽和またはポリエチレン系不飽和モノマーを含むことが可能である。
少なくとも1種のモノエチレン系不飽和またはポリエチレン系不飽和モノマーは、硬化性モノマー反応性希釈剤としても既知である。反応性希釈剤は、硬化性組成物系において溶媒として作用し、硬化性組成物の架橋反応に関与する反応性の重合性液体モノマーである。それらは、フリーラジカル重合が可能であり、そして、例えば、500g/モル以下の分子量を有する。
少なくとも1種のモノエチレン系またはポリエチレン系不飽和モノマーは、ハロゲンおよび/またはリン原子を含んでなっていてもよい。少なくとも1種のモノエチレン系不飽和またはポリエチレン系不飽和モノマーは、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルから選択されてもよい。モノ不飽和(メタ)アクリル酸エステルの例は、ベータ−カルボキシエチルアクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエトキシレートモノ(メタ)アクリレート、ベータカルボキシルエチルアクリレート、2−(−2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルデュラ(cardura)−(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ならびにそれらのエトキシル化および/またはプロポキシル化誘導体である。ポリ不飽和(メタ)アクリル酸エステルの例は、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、ジ−またはトリ−プロピレングリコールジアクリレート(DPGDA、TPGDA)、エトキシル化および/またはプロポキシル化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA、PETMA)、ならびにそれらのエトキシル化および/またはプロポキシル化誘導体、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジ−トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(diTMPTA)、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ならびにそれらのエトキシル化および/またはプロポキシル化誘導体、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ならびにそれらのエトキシル化および/またはプロポキシル化誘導体である。さらなる例は、アクリレート化、またはメタクリレート化オキシエチレート化および/またはオキシプロピレート化誘導体である。
最も好ましくは、少なくとも1種のモノエチレン系またはポリエチレン系不飽和モノマーは、1、6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジ−またはトリ−プロピレングリコールジアクリレート(DPGDA、TPGDA)、および/またはそれらの混合物から選択されてもよい。
本発明による硬化性組成物は、不飽和基のラジカル重合を促進するために、1種またはそれ以上の光重合開始剤をさらに含んでなってもよい。光重合開始剤は、光(典型的に紫外線)の吸収によってラジカルを生じることができる化合物である。
適切な光重合開始剤は、例えば、190〜600nmの波長において吸収する光重合開始剤であってもよい。光重合開始剤は、例えば、硬化性組成物の全重量に基づき、0.1〜10.0重量パーセント、好ましくは0.1〜5.0重量パーセント、より好ましくは0.4〜3.0重量パーセントの量で存在してもよい。
光重合開始剤は、前記組成物を混合する時点で硬化性組成物に直接添加されてもよく、または硬化の前に可撓性基材の少なくとも片面上へ硬化性組成物の層を適用後、あらかじめ混合された硬化性組成物上に添加されてもよい。
適切な光重合開始剤の例は、ベンゾインおよびそれらの誘導体、アセトフェノンおよびそれらの誘導体、例えば、2、2−ジアセトキシアセトフェノン、ベンゾフェノンおよびそれらの誘導体、チオキサンテンおよびそれらの誘導体、アントラキノン、1−ベンゾイルシクロヘキサノール、ならびにアシルホスフィンオキシドなどの有機リン化合物である。光重合開始剤は、個々に、または組み合わせて使用されてもよい。他の典型的な光化学開始剤は、「The chemistry of free radical polymerization」、Graeme MoadおよびDavid H.Solomon編、Pergamon(1995)、84〜89頁に記載されている。
硬化性組成物を電子ビーム硬化によって硬化する場合、光重合開始剤の存在は不必要であり、そして組成物は微量のみの光重合開始剤を含有してもよい。
硬化性組成物で使用されてもよい熱化学開始剤は、熱、光または酸化還元プロセスの適用によってラジカルに分解されるアゾ化合物またはペルオキシドであってもよく、そして例えば、硬化性組成物の全重量に基づき、0.1〜10.0重量パーセント、好ましくは0.1〜5.0重量パーセント、より好ましくは0.4〜3.0重量パーセントの量で存在してもよい。その機構は、「The chemistry of free radical polymerization」、Graeme MoadおよびDavid H.Solomon編、Pergamon(1995)、53〜95頁に記載されている。
さらに、硬化性組成物は、着色剤(染料および/または顔料)、ならびに/あるいはコーティング組成物に従来から使用されている添加剤を含んでなってもよい。
それらの添加剤の例は、流れ調整剤、均染剤、抗沈殿剤、増粘剤、界面活性剤、接着性促進剤、安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤および/またはそれらの混合物である。着色剤および添加剤の量は、通常10重量%を上回らない。
硬化性組成物は、水および/または有機溶媒を含有してもよい。しかしながら、硬化性組成物は、好ましくは、水および/または有機溶媒を含まないか、あるいは本質的に含まない。すなわち、硬化性組成物は、微量のみの水などの溶媒、および/またはグリコール、酢酸エチル、アセトンもしくはn−アルカンなどの揮発性有機成分を含有してもよい。
本発明の硬化性組成物は、ジフェニルホスファイト、ジブチルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(DOPO)、赤リン、アンモニウムホスフェート、アンモニウムポリホスフェート、メラミンホスフェート(例えば、メラミンピロホスフェートおよび/またはメラミンオルトホスフェート)、脂肪族オルガノホスホラス(organophosphorous)添加剤(例えば、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチル−ホスホネート)および/またはジメチル(メチルホスホネート)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールA−ビス−ジフェニルホスフェート)、Albemarleから商品名Antiblaze(登録商標)で市販品として入手可能なホスフェート化合物、Rhodiaから商品名Amgard(登録商標)CUおよびAmgard(登録商標)1045で市販品として入手可能な環式ホスホネートエステル、Albemarleからの芳香族ホスフェートエステル(NCendX(登録商標))、オリゴマーホスホラス(oligomeric phosphorous)化合物、Akzo Nobelから(Fyrol51、Fyrol99)およびICL Industrial Productsから(Fyroflex(登録商標)Sol−DP)のオリゴマーホスフェートエステル、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)、トリメチロールプロパンメチルホスホネートオリゴマー、ペンタエリスリトールホスフェートおよび/またはポリホスファゼン誘導体、BASFからのFlamestab(登録商標)NOR116およびClariantからのHostavin(登録商標)NOWなどのヒンダードアミン含有窒素化合物、ホウ酸およびトリメチルオキシボロキシンなどのホウ素化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水滑石、ヒドロマグネサイト、アルミニウムホスフィネート、混合金属水酸化物および/または混合金属ヒドロキシ炭酸塩などの無機水酸化物、酸化マグネシウムなどの無機酸化物、および/または三酸化アンチモン、シリコーン、シリカおよび/またはシリケート誘導体、および/または他の無機材料、例えば、炭酸マグネシウムカルシウム、メタホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、膨張性グラファイト、カーボンナノチューブおよび/または難燃性バリアとして作用する硝子体材料のブレンド、ナノ粒子、例えば、Hybrid Plasticsから入手可能なPOSSTM(多面体オリゴマーシルセスキオキサン)、Hanse Chemieから入手可能なNanocryl(登録商標)(ナノシリカ強化アクリレート)、Degussaから入手可能なAerosil(登録商標)(ヒュームドシリカ)、Rockwood Clay Additivesから入手可能なNanofil(登録商標)(ナノクレー)およびSouthern Clay Productsから入手可能なCloisite(登録商標)(ナノクレー)などの追加的な難燃性添加剤をさらに含んでもよい。
望ましくないが、硬化性組成物にハロゲン化難燃性添加剤を添加することが可能である(トリス−(2−クロロエチル)ホスファイト、トリス−2−クロロエチルホスフェート(TCEP)、トリス(ジクロロイソプロピル)ホスフェート(TDCP)、ジフェニルクロロホスフェート、または塩素処理されたジホスフェートエステルであって、Antiblaze V66およびV88としてAlbermarleから市販品として入手可能であるものなど)が、硬化性組成物は、ハロゲン化難燃剤組成物を本質的に含まず、すなわち、微量のみのハロゲン化難燃剤を含有してもよい。
可撓性基材を防火加工するために必要な硬化性組成物の量は、基材の面積重量ならびに基材の化学的性質次第である。
一般に、可撓性基材に適用される硬化性組成物の量は、基材の面積重量に基づき、2重量パーセント〜100重量パーセントであってもよい。好ましくは、硬化性組成物の量は、布の面積重量に基づき、4重量パーセント〜50重量パーセント、そしてより好ましくは5重量パーセント〜25重量パーセントであってもよい。
布がポリオレフィンをベースとする不織布である場合、その上にコーティングされる硬化性組成物の量は、布の面積重量に基づき、2重量パーセント〜100重量パーセント、好ましくは4重量パーセント〜50重量パーセント、より好ましくは5重量パーセント〜40重量パーセントであってもよい。
少なくとも1層の硬化性組成物を含んでなる可撓性基材は、多孔性または非多孔性可撓性基材などのいずれかの自己支持可撓性基材、好ましくは、いずれかの自己支持可撓性多孔性基材、例えば、不織布、織物および編物などの布技術において既知のいずれかの布、膜、微多孔フィルム、グリッド、または例えば、SMS(スパンボンデッド−メルトブローン−スパンボンデッド)積層体などの2種以上の可撓性基材の組み合わせであることが可能である。
好ましくは、可撓性基材は、1種またはそれ以上の天然または合成(人工)繊維またはフィラメントを含んでなる不織布または織物である。
不織布または織物の天然繊維またはフィラメントは、セルロース、綿、ウール、絹、サイザル、リネン、亜麻、ジュート、ケナフ、麻、ココナッツ、小麦、米および/またはそれらの混合物から選択することができる。
不織布または織物の合成(人工)繊維またはフィラメントは、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィンならびに/またはそれらのハイブリッドおよび混合物から選択することができる。
可撓性基材が1種またはそれ以上の合成(人工)繊維またはフィラメントを含んでなる織物である場合、好ましくは、例えば、パラ−またはメタアラミド繊維またはフィラメントなどのポリアミド繊維またはフィラメント、特に芳香族ポリアミド繊維またはフィラメントを含んでなる布である。
本発明の可撓性基材は、好ましくは不織布である。適切な不織布は、好ましくは、ポリマー不織布、より好ましくは、ポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、芳香族ポリアミド不織布、ポリエステル不織布、混合ポリオレフィン/ポリエステル不織布、または上記不織布から調製される他のいずれかの混合された不織布から選択することができる。
ポリオレフィン不織布は、好ましくは、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布または混合ポリエチレン/ポリプロピレン不織布から選択することができる。
ポリエステル不織布は、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)不織布、ポリ乳酸などのポリヒドロキシルアルカノエート不織布(PHA)、または混合されたPET/PHA不織布から選択することができる。最も好ましくは、本発明の可撓性基材は、例えば、商標名Tyvek(登録商標)で、E.I.DuPont de Nemours & Companyから市販品として入手可能であるポリエチレンフラッシュスパン布である。可撓性基材は、2種以上の可撓性基材の組み合わせでもよい。これは、例えば、好ましくは少なくとも2種の異なる種類の織物または不織布の2種以上の可撓性基材を組み合わせている積層体であってもよい。それらの積層体の例は、ポリエチレン不織布およびポリプロピレン不織布の積層体であり、商標Tyvek(登録商標)で、E.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能である。
可撓性基材は、例えば、100〜10000g/m2/日などの100g/m2/日以上の透湿度(MVTR)を有することができる。可撓性基材は、好ましくは、100〜5000g/m2/日の透湿度(MVTR)を有する。
例えば、40g/m2および115g/m2の面積重量を有するポリエチレンフラッシュスパン布、Tyvek(登録商標)布は、DIN EN ISO 12572(climate C with the wet−cup method)に従って測定される場合、それぞれ、4134および830g/m2/日のMVTRを有する。
可撓性基材は、可撓性基材の断熱特性を増加させるため、スパッタリングまたは蒸発堆積によって堆積することが可能である金属層を可撓性基材の少なくとも片面上にさらに含んでもよい。使用されてもよい適切な金属は、例えば銀、金、銅またはアルミニウムである。
可撓性多孔性基材、例えば、ポリエチレンフラッシュスパン布Tyvek(登録商標)の多孔性によって、水分蒸気が布内で空隙空間を通って自由に拡散することが可能となるが、液体の水は空隙空間に浸透することができず、したがって、防水性でありながら、通気性の材料がもたらされると考えられる。
また本発明は、上記難燃性可撓性基材の製造方法に関する。この製造方法によると、上記可撓性基材は最初に提供される。次いで、硬化性組成物を可撓性基材の少なくとも片面に適用し、硬化させる。
硬化性組成物の適用は、例えば、スプレーコーティング、フロードコーティング、ナイフコーティング、ドクターブレードコーティング、マイヤーバーコーティング、ディップコーティング、グラビアコーティング、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷および/またはそれらの混合などの当該技術分野において既知のコーティングまたは印刷方法を使用することによって実行されてもよい。
好ましくは、硬化性組成物の適用は、印刷することによって、特に、スクリーン印刷、フレキソ印刷および/またはグラビア印刷によって実行されてもよい。最も好ましくは、硬化性組成物の適用は、グラビア印刷によって実行される。
すでに上記されたように、可撓性基材を防火加工するために必要な硬化性組成物の量は、可撓性基材の面積重量、ならびに布の化学性質次第であることが可能である。
本発明の方法によると、硬化性組成物は、可撓性基材の少なくとも片面の全体を被覆してもよい。硬化性組成物は、可撓性基材の少なくとも片面の面積の15パーセント〜100パーセントを被覆することができる。好ましい実施形態によると、硬化性組成物は、可撓性基材の片面の表面に適用されるが、可撓性基材の反対面の表面は、硬化性組成物を含まないままである。さらなる好ましい実施形態によると、硬化性組成物は、可撓性基材に部分的にのみ適用され、すなわち、硬化性組成物は、可撓性基材の少なくとも片面の表面を部分的にのみ被覆する。硬化性組成物は、面積で、可撓性基材の少なくとも片面の15パーセント〜99パーセント、好ましくは15パーセント〜90パーセント、そして最も好ましくは、面積で、可撓性基材の少なくとも片面の25パーセント〜50パーセントを被覆することができる。
硬化性組成物が可撓性基材の少なくとも片面の表面を部分的にのみ被覆する場合、硬化性組成物は、規則的または不規則的パターンの形態で適用されてもよい。
硬化組成物が可撓性基材の少なくとも片面の表面を部分的にのみ被覆する場合、可撓性基材の反対面を硬化性組成物が本質的に含まないように保持することが望ましい。これによって、可撓性基材のMVTRの高い初期値を保持することが可能であり、同時に、可撓性基材が防炎加工される。
本発明による難燃性可撓性基材は、規則的または不規則的パターンの形態で存在する硬化性組成物の少なくとも1層を含んでなる。規則的または不規則的パターンは、複数の個々の要素を含んでなり、隣接する要素間の距離は25mmを超過せず、例えば、0.1〜25mm、好ましくは0.1mm〜20mm、より好ましくは0.1〜15mm、最も好ましくは0.5〜8mmである。
不規則的パターンは、ウッドグレイン(wood grain)パターン、メアンダリング(meandering)パターン、ラビリンス(labyrinthic)パターン、ブロット(blot)パターン、他の複雑な形状、および/またはそれらの群などの複数の個々の要素を含んでなるパターンから選択することができ、そして隣接する要素または要素の群の間の距離は、不規則的(すなわち、異方性)または規則的(すなわち、等方性)であり、そして25mmを超過せず、例えば、0.1〜25mm、好ましくは0.1mm〜20mm、より好ましくは0.1〜15mm、最も好ましくは0.5〜8mmである。
規則的なパターンは、曲線もしくは直線、点、円、正方形、菱形、多角形、他の複雑な形状、および/またはそれらの群などの複数の個々の要素を含んでなるパターンから選択することができ、そして隣接する要素または要素の群の間の距離は、不規則的(すなわち、異方性)または規則的(すなわち、等方性)であり、そして25mmを超過せず、例えば、0.1〜25mm、好ましくは0.1mm〜20mm、より好ましくは0.1〜15mm、最も好ましくは0.5〜8mmである。
「隣接する要素の間の距離」という用語は、同一パターンの2つの隣接する個々の要素の外形上に位置する2点間の最短距離を指す。
本発明によるパターンのいずれの要素に関しても代わりに明示されるように、パターン要素の端部にその中心を有し、そして「隣接する要素の間の距離」の半径を有する円は、パターンの少なくとも1個の他の個々の要素と交差する。別の実施形態において、硬化性組成物は、反対方向にその上に配置される規則的または不規則的パターンを有する、規則的または不規則的パターンの形態で存在してもよい。
反対方向に上に配置されるとは、2つのパターンが交差するか、または第2のパターンのみが存在するような、第2のパターンが上に配置される第1のパターンに関して、硬化性組成物が難燃性可撓性基材上に存在しないことを意味する。
例えば、ローラーコーティングによって、硬化性組成物を可撓性基材に適用するため、硬化性組成物は、例えば、25℃で30,000mPas未満の適切な粘度を有するべきである。好ましくは、硬化性組成物は、10mPas〜20000mPasの粘度を有してもよい。より望ましくは、組成物は200〜15000mPasの粘度を有してもよい。
これらの粘度で、硬化性組成物は、特に可撓性基材が布である場合、可撓性基材の最も外側の表面に残存し、そして、それによって、基材の空隙空間へのウイッキングまたは浸透が阻害され、そして、その後、空隙空間を詰まらせることが阻害され、したがって、可撓性基材の通気性の低下が阻害されると考えられる。
硬化性組成物は、例えば、0.1〜1000μm、好ましくは0.1〜200μmの乾燥フィルム厚が得られるように適用されてもよい。
硬化性組成物の硬化は、熱および/または放射線硬化などの当該技術分野において既知のいずれかの適切な硬化方法によって実行されてもよい。
熱硬化は、例えば、60℃〜160℃の温度で実行することができる。硬化温度は、コーティングされる可撓性基材の硬化化学作用および/または融点次第であり得る。可撓性基材がポリオレフィンをベースとする不織布である場合、硬化温度は、特定のポリオレフィン次第で、100℃〜130℃を上回るべきでない。
好ましくは、硬化は、放射線硬化によって、例えば、可視光、紫外線放射および/またはイオン化放射線、例えば、ガンマ線、X線または電子ビームを使用することによって実行することができる。
より好ましくは、硬化は、UV放射線および/または電子ビームによる放射線硬化によって実行される。
電子ビーム硬化の場合、硬化は、1〜15MRad、より好ましくは2〜5MRadの放射線量を放射する電子ビーム供給源を使用して実行されてもよい。
UV硬化の場合、硬化は、例えば、60〜240W/cmの容量を有するUVランプを用いて実行されてもよい。
本発明によるプロセスは、好ましくは、可撓性基材への硬化性組成物の適用およびその硬化が同一ラインで行われる、連続プロセスとして実行される。
以下の実施例は、より詳細に本発明を説明するように意図される。全ての部およびパーセントは、特に明記されない限り、重量に基づく。
コーティングされた不織布基材の試験
本発明のリン含有難燃性添加剤または他を使用して製造されるかどうかに関係なく、不織布基材を評価するために、以下の試験方法を使用した。
1.透湿度(MVTR)
MVTRは、DIN EN ISO 12572(climate C with the wet−cup method)に従って、Gravitest Model 6300で測定した。この試験方法は、材料のSd値を決定することを可能にする。Sd値は、材料の拡散開放性を定義するため、そして水蒸気拡散相当空気層厚さを表すための固有値である。空気層(試験片とカップの水との間の15mmの空気ギャップ)を通して拡散の影響を排除するため、測定は、多層原理に基づいて実行される。この多層原理は、アセンブリの全体的な蒸気抵抗(Sd)は、その構成要素部分の蒸気抵抗の合計であるという理論に基づく。これは、各個々のカップに使用された異なる数の不織布層の蒸気抵抗(Sdi)の試験からなる。抵抗(Sdi)は、各カップで使用される試験片層の数に対してプロットされる。
測定条件:温度23±0.5℃、相対湿度、乾燥面上のrH、50±3%、およびカップ(脱イオン水)のrH、100%、試料より上の空気流:(2.5m/秒)、試験片と水との間の空気ギャップ15mm、面積=50cm2、各測定時間の間隔は30分である。
2.火炎伝搬
垂直火炎伝搬試験は、ISO EN 11925−2「Ignitability/Flame Propagation」試験の一般的な手順に従って実行した。長さ2cmのプロパン/空気火炎を45℃で15秒間、金属フレームによって垂直に定位置に保持された9cm(幅)×25cm(高さ)の試料の底面に適用した。次いで火炎を取り外し、そして燃焼している試料を、さらに5秒間、火炎の上端部の高さの点で観察し、センチメートルで報告した。材料は、6個の試料を試験して、そして各試料の20秒時点の火炎の高さが15cm未満である場合、「クラスE」性能でこの試験に合格するとみなされる。さらに燃焼挙動を定量化するため、材料のいくつかの試料において、それらの半分においてコーティングされた面に火炎を適用し、他の半分にはコーティングさていない面に火炎を適用して、試験を上記のとおり実行し、そして「平均火炎高さ」を、その材料の試料からの全ての結果の単純な算術平均として算出した。場合によっては、この試験のより過酷な変形を使用し、火炎を30秒間、試料の底面に適用し、さらに30秒後に(60秒の全燃焼時間)、「クラスD」の結果として、火炎高さを記録した。材料間のより詳細な比較をするために、「最終燃焼高さ」を、試験された全ての試料上で測定した。これは、この燃焼を20秒(クラスE)または60秒(クラスD)の時間枠後も継続させた場合、火炎が自己消火するか、または火炎が金属フレームの上部に達成するまで燃焼を続けた後に、試料が燃焼した最も高い点である。次いで、材料の「平均最終燃焼高さ」を、その材料の試料の全ての結果の単純な算術平均として算出した。いくつかの材料のために使用される別の測定は、各試料の試験中に、試料からの燃焼ポリマーの液滴が、試料の下に直接に配置された一片の濾紙を発火させるかどうかに注意することであり、そして、この挙動を示す材料の試料の割合が報告された。
リン含有難燃性添加剤の調製
リン含有難燃性添加剤の調製は、欧州特許第1370603号明細書の実施例10に記載されるように行われた。
リン含有難燃性添加剤で製造される材料
比較例1
Tyvek(登録商標)1580B(基材1)、E.I.du Pont de Nemours and Companyから市販品として入手可能な、80g/m2の面積密度を有するフラッシュスパンポリエチレン不織布を、さらなる処理をせずに試験した。
比較例2
Tyvek(登録商標)2001B(基材2)、E.I.du Pont de Nemours and Companyから市販品として入手可能な、145g/m2の面積密度を有するフラッシュスパンポリエチレン不織布とポリプロピレン不織布との積層体を、さらなる処理をせずに試験した。
実施例3
欧州特許第1370603号明細書の実施例10に従って調製された、80%のリン含有難燃性添加剤と、20%の1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)とからなる硬化性コーティング組成物を調製した。この硬化性コーティング組成物の最終リン含有量は、約4重量%であった。調合物を44℃まで加熱し、その粘度を約1000cPまで低下させ、次いで、適用されたコーティング調合物の量が約8g/m2であり、そして点がシートの表面積の35%を被覆するように、点の規則的パターンをグラビア印刷することによって、基材1の片面に適用した。次いで、コーティングされたシートを、窒素雰囲気中、3.5MRadの線量を提供するように200kVの加速電圧によって生じた電子ビームに暴露し、調合物を迅速に硬化させ、固体コーティングを形成した。
実施例4
シートに印刷されたパターンが、異方性のラビリンスパターンであって、シートの表面積の42%を被覆し、そして適用されたコーティングの量が9g/m2であったことを除き、実施例3の硬化性コーティング組成物および方法を使用した。
実施例5
使用された基材が基材2であり、シートに印刷されたパターンが、点の規則的パターンであって、シートの表面積の50%を被覆し、そして積層体のポリプロピレン不織不面において適用されたコーティングの量が13g/m2であったことを除き、実施例3の硬化性コーティング組成物および方法を使用した。
実施例6
コーティングを、基材2のポリプロピレン不織布面において13g/m2の量で、シートの全表面上に均一に適用したことを除き、実施例5の硬化性コーティング組成物および方法を使用した。
Figure 0006270218
表1に、2つの不織布の基材に適用された、g/m2の硬化性組成物の量、および火炎が達した平均高さ、ならびに上記実施例の試料上で実行されたEN ISO 11925−2火炎伝搬試験の試験結果を示す。加えて、DIN EN ISO 12572 climate Cに従って測定されたMVTRを示す。これらのデータは、基材の面積重量に基づき、約10重量パーセントの本発明の硬化性組成物の適用によって、硬化性組成物が欠如している比較例と比較して、火炎遅延が改善されたことを示す。MVTRに関するデータは、上記様式での本発明の硬化性組成物の適用によって、不織布の基材を通過する水蒸気の能力を極端に低下させないことも示している。
比較例7
61.5%のEbecryl(登録商標)40放射線硬化性ポリエーテルアクリレート(Cytec Industriesから入手可能)、20%のHDDAおよび18.5%のAmgard(登録商標)CU(Rhodia Inc.から入手可能なホスホネートエステル難燃剤)からなる硬化性コーティング組成物を調製した。この硬化性コーティング組成物の最終リン含有量は、約4重量%であった。適用されたコーティング調合物の量が約10.5g/m2であり、そして点がシートの表面積の35%を被覆するように、点の規則的パターンをスクリーン印刷することによって、調合物を基材1の片面に適用した。次いで、コーティングされたシートを、窒素雰囲気中、3.0MRadの線量を提供するように150kVの加速電圧によって生じた電子ビームに暴露し、コーティング組成物を迅速に硬化させ、固体コーティングを形成した。
比較例8
比較例7のコーティングされたフラッシュスパンポリエチレンシートのシート試料を、室温で4日間脱イオン水に完全に浸漬した。この時、磁気攪拌機を用いて水を連続的に穏やかに攪拌した。この期間、水を1日2回交換し、次いでシート試料を水から取り出し、換気フード中でぶら下げて、室温で3日間空気乾燥させた。
比較例9
Tyvek(登録商標)1060B(基材3)、E.I.du Pont de Nemoursから市販品として入手可能な、60g/m2の面積密度を有するフラッシュスパンポリエチレン不織布を、さらなる処理をせずに試験した。
実施例10
欧州特許第1370603号明細書の実施例10に従って調製された、80%のリン含有難燃性添加剤と、20%のジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)とからなる硬化性コーティング組成物を調製した。この硬化性コーティング組成物の最終リン含有量は、約4重量%であった。混合物を60℃まで加熱し、次いで、適用されたコーティング調合物の量が約5g/m2であり、そしてパターンがシートの表面積の42%を被覆するように、異方性のラビリンスパターンをグラビア印刷することによって、基材3の片面に適用した。次いで、コーティングされた基材を、窒素雰囲気中、7.0MRadの線量を提供するように150kVの加速電圧によって生じた電子ビームに暴露し、調合物を迅速に硬化させ、基材上に固体コーティングを形成した。
実施例11
実施例10のコーティングされたフラッシュスパンポリエチレンシートのシート試料を、室温で4日間脱イオン水に完全に浸漬した。この時、磁気攪拌機を用いて水を連続的に穏やかに攪拌した。この期間、水を1日2回交換し、次いでシート試料を水から取り出し、換気フード中でぶら下げて、室温で3日間空気乾燥させた。
Figure 0006270218
1明示された試験期間が経過した後でも、燃焼が自発的に停止した時に最終状態で測定された
表2に、2つの基材に適用された、g/m2の硬化性組成物の量、および火炎が達した平均高さ、ならびに上記実施例の試料上で実行されたEN ISO 11925−2火炎伝搬試験の試験結果を示す。これらの結果は、織物の面積重量に基づき十分量の本発明の硬化性組成物の適用によって、いずれの硬化性組成物も欠如している比較例1および9と比較して、火炎遅延を改善することができたことを実証する。しかしながら、比較例7および8の硬化性組成物は、水に感応性であり、そして両方ともクラスEによるEN ISO 11925−2試験に合格するが、4日間水に浸漬した後の比較実8は、水への曝露前の比較例7と比較して15cmを越えて燃焼する試料の割合において、および燃焼液滴を生じる試料の割合において、平均燃焼高さの著しい増加を示す。本発明のリン含有難燃性添加剤に基づくコーティング組成物を有する実施例10および11は、4日間水に浸漬した後のEN ISO 11925−2試験において、挙動の変化をほとんど示さず、より過酷なクラスD試験条件でさえもそれらの性能を保持した。本発明のリン含有難燃性添加剤によって示された高度の耐水性は、添加剤は硬化の間に固体コーティング中に重合して、周囲条件で加水分解に感応性ではない結合によってそのリン含有部分が固体ポリマーに永久的に結合するという事実に由来すると考えてもよい。
比較例12
Tyvek(登録商標)1073D(基材4)、E.I.du Pont de Nemoursから市販品として入手可能な、75g/m2の面積密度を有するフラッシュスパンポリエチレン不織布を、さらなる処理をせずに試験した。
実施例13
欧州特許第1370603号明細書の実施例10に従って調製された、55.2%のリン含有難燃性添加剤と、13.8%の1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、13.8%のトリメチロールプロパントリアクリレートと、14.2%のアミン相乗剤と、3%の光重合開始剤とからなる硬化性コーティング組成物を調製した。この硬化性コーティング組成物の最終リン含有量は、約2.75重量%であった。この混合物に、1.5重量%の着色染料を添加した。適用されたコーティング調合物の量が約7g/m2であり、そして正方形がシートの表面積の25%を被覆するように、正方形の規則的パターンをスクリーン印刷することによって、基材1の片面にコーティング組成物を適用した。次いで、コーティングされた基材を、約500mJ/cm2のUV線量を提供するような速度で、120W/cmのエネルギーの水銀蒸気UVランプ下を通過させ、調合物を迅速に硬化させ、固体コーティングを形成した。
実施例14
欧州特許第1370603号明細書の実施例10に従って調製された、60%のリン含有難燃性添加剤と、39%のジプロピレングリコールジアクリレートと、1%のカーボンブラックからなる硬化性コーティング組成物を調製した。この硬化性コーティング組成物の最終リン含有量は、約3重量%であった。混合物を50℃まで加熱し、次いで、適用されたコーティング調合物の量が約4g/m2であり、そしてパターンがシートの表面積の42%を被覆するように、異方性のラビリンスパターンをグラビア印刷することによって、基材3の片面に適用した。次いで、コーティングされたシートを、窒素雰囲気中、2MRadの線量を提供するように90kVの加速電圧によって生じた電子ビームに暴露し、調合物を迅速に硬化させ、固体の黒色着色コーティングを形成した。
Figure 0006270218
表3に、基材に適用された、g/m2の硬化性組成物の量、および火炎が達した平均高さ、ならびに上記実施例の試料上で実行されたEN ISO 11925−2火炎伝搬試験の試験結果を示す。これらの結果は、有効な着色され、かつUV硬化された難燃剤コーティング組成物を調製するために、本発明のリン含有難燃性添加剤を使用することができることを実証する。
次に、本発明の好ましい態様を示す。
1. a.少なくとも1層の可撓性基材と、
b.少なくとも1層の硬化性組成物と
を含んでなる難燃性可撓性基材であって、前記硬化性組成物が、
i.リン含有、放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体である、少なくとも1種のリン含有難燃性添加剤を含んでなり、
ii.少なくとも1種のモノエチレン系またはポリエチレン系不飽和モノマー
を含んでもよい、難燃性可撓性基材。
2. 前記硬化性組成物を硬化状態で含んでなる、上記1に記載の難燃性可撓性基材。
3. 前記リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体が、少なくとも1種の不飽和ジカルボキシルおよび/またはポリカルボン酸、少なくとも1種のポリオール、ならびに少なくとも1種のリン含有モノマーを含んでなる化合物から得られ、前記化合物が、さらに少なくとも1種の飽和ジカルボン酸を含んでもよい、上記1または2に記載の難燃性可撓性基材。
4. 前記少なくとも1種のリン含有モノマーが、式I:
1 2 3 P=O (I)
(式中、少なくともR 1 およびR 2 は、独立して、1個またはそれ以上のヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基で置換されるC 1~20 有機基を表し、
かつR 3 は、水素原子、あるいは1個またはそれ以上のヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基で置換されていてもよい有機基を表す)の化合物を含んでなるモノマー;
ならびに/あるいはそれらの有効な異性体、塩および/または混合物、
ならびに/あるいは式II
Figure 0006270218
(式中、前記リン原子は、少なくとも1個の炭素原子で置換され、少なくとも1個のP−C結合を形成し、
前記P−O結合は、有機環の一部を形成し、
前記有機環は、1個またはそれ以上の他の有機基で置換されていてもよく、かつ/または1個またはそれ以上の他の有機環に縮合していてもよい)の化合物を含んでなるモノマー;
ならびに/あるいはそれらの有効な異性体、塩および/または混合物
から選択される、上記3に記載の難燃性可撓性基材。
5. 前記リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体がリン含有放射線硬化性ポリエステル(メタ)アクリレートである、上記1〜4のいずれか一項に記載の難燃性可撓性基材。
6. 前記硬化性組成物が、前記硬化性組成物の全重量に基づき、20重量パーセント〜100重量パーセントの前記少なくとも1種のリン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体を含んでなる、上記1〜5のいずれか一項に記載の難燃性可撓性基材。
7. 前記硬化性組成物が、前記硬化性組成物の全重量に基づき、40重量パーセント〜99重量パーセントの前記少なくとも1種のリン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体を含んでなる、上記6に記載の難燃性可撓性基材。
8. 前記リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体のリン含有量が、前記リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体の全重量に基づき、0.5重量パーセント〜約10重量パーセントである、上記1〜7のいずれか一項に記載の難燃性可撓性基材。
9. 前記リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体のリン含有量が、前記リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体の全重量に基づき、3重量パーセント〜約6重量パーセントである、上記8に記載の難燃性可撓性基材。
10. 前記硬化性組成物が、追加的な難燃性添加剤をさらに含んでなる、上記1〜9のいずれか一項に記載の難燃性可撓性基材。
11. 前記可撓性基材が多孔性基材である、上記1〜10のいずれか一項に記載の難燃性可撓性基材。
12. 前記可撓性基材が織物または不織布である、上記1〜11のいずれか一項に記載の難燃性可撓性基材。
13. 前記可撓性基材がポリオレフィン系不織布である、上記1〜12のいずれか一項に記載の難燃性可撓性基材。
14. 前記可撓性基材が、2種以上の可撓性基板層の組み合わせである、上記1〜13のいずれか一項に記載の難燃性可撓性基材。
15. 前記可撓性基材が、前記可撓性基材の少なくとも片面上に金属層をさらに含んでなる、上記1〜14のいずれか一項に記載の難燃性可撓性基材。
16. 上記1〜15のいずれか一項に記載の難燃性可撓性基材の製造方法であって、
I.少なくとも1つの可撓性基材を提供する工程と、
II.前記可撓性基材の少なくとも片面上に硬化性組成物の層を適用する工程と、
III.前記硬化性組成物を硬化させる工程と
を含んでなる方法。
17. 適用される硬化性組成物の量が、布の面積重量に基づき、2重量パーセント〜100重量パーセントである、上記16に記載の方法。
18. 前記硬化性組成物が、前記可撓性基材の前記少なくとも片面の面積の15パーセント〜100パーセントを被覆する、上記16または17に記載の方法。
19. 前記硬化性組成物が、前記可撓性基材の片面の表面を被覆するが、前記可撓性基材の反対面の表面が前記硬化性組成物を含まないままである、上記16〜18のいずれか一項に記載の方法。
20. 前記硬化性組成物が、前記可撓性基材の前記少なくとも片面の面積の15パーセント〜99パーセントを被覆する、上記16〜19のいずれか一項に記載の方法。
21. 前記硬化性組成物が、規則的または不規則的パターンの形態で前記可撓性基材に適用される、上記20に記載の方法。
22. 前記硬化性組成物が、UV放射線および/または電子ビームによって硬化される、上記16〜21のいずれか一項に記載の方法。
23. 建築および建設用途、衣服用途もしくは個人保護用途、グラフィック用途、光反射器用途、および/またはカーカバー用途のための、上記1〜15のいずれか一項に記載の難燃性可撓性基材の使用。

Claims (3)

  1. a.少なくとも1層の可撓性基材と、
    b.少なくとも1層の硬化性組成物と
    を含んでなる難燃性可撓性基材であって、前記可撓性基材が不織布であり、前記硬化性組成物が、
    i.リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体である、少なくとも1種のリン含有難燃性添加剤を含んでなり、
    ii.少なくとも1種のモノエチレン系またはポリエチレン系不飽和モノマー
    を含んでもよく、
    前記リン含有放射線硬化性ポリエステルポリマー前駆体が、少なくとも1種の不飽和ジカルボン酸および/またはポリカルボン酸、少なくとも1種のポリオール、ならびに少なくとも1種のリン含有モノマーを含んでなる化合物から得られ、前記化合物が、さらに少なくとも1種の飽和ジカルボン酸を含んでもよく、
    前記少なくとも1種のリン含有モノマーが、式II:
    Figure 0006270218
    (式中、前記リン原子は、少なくとも1個の炭素原子で置換され、少なくとも1個のP−C結合を形成し、
    前記P−O結合は、有機環の一部を形成し、
    前記有機環は、1個またはそれ以上の他の有機基で置換されていてもよく、かつ/または1個またはそれ以上の他の有機環に縮合していてもよい)の化合物を含んでなるモノマー、ならびに/あるいはそれらの有効な異性体、塩および/または混合物から選択され、
    硬化性組成物の量が基材の面積重量に基づき5〜40重量パーセントである、難燃性可撓性基材。
  2. 請求項1に記載の難燃性可撓性基材の製造方法であって、
    I.少なくとも1つの可撓性基材を提供する工程と、
    II.前記可撓性基材の少なくとも片面上に硬化性組成物の層を適用する工程と、
    III.前記硬化性組成物を硬化させる工程と
    を含んでなる方法。
  3. 建築および/または建設用途、衣服用途もしくは個人保護用途、グラフィック用途、光反射器用途、および/またはカーカバー用途のための、請求項1に記載の難燃性可撓性基材の使用。
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