JP6270118B2 - カチオン電着塗料組成物 - Google Patents

カチオン電着塗料組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6270118B2
JP6270118B2 JP2013258179A JP2013258179A JP6270118B2 JP 6270118 B2 JP6270118 B2 JP 6270118B2 JP 2013258179 A JP2013258179 A JP 2013258179A JP 2013258179 A JP2013258179 A JP 2013258179A JP 6270118 B2 JP6270118 B2 JP 6270118B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
epoxy resin
compound
parts
amino group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013258179A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015113439A (ja
Inventor
根本 幸宏
幸宏 根本
松田 英樹
英樹 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2013258179A priority Critical patent/JP6270118B2/ja
Publication of JP2015113439A publication Critical patent/JP2015113439A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6270118B2 publication Critical patent/JP6270118B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、仕上がり性及び防食性に優れ、特に、化成処理が施された金属被塗物の化成処理状態が良好でない場合であっても、下地敏感性が良好な電着塗膜を形成し得るカチオン電着塗料組成物及びそれを用いた塗装物品に関する。
カチオン電着塗料組成物は、塗装作業性に優れ、且つ形成される塗膜の防食性が良好なことから、これらの性能が要求される自動車ボディ、自動車部品、電気機器部品及びその他の機器等などの導電性金属製品向け下塗り塗料として広く使用されている。
上記の金属被塗物は、カチオン電着塗料を電着塗装する前に、下地処理として防食性や付着性の向上を目的に化成処理が行われているが、該金属被塗物の化成処理状態における電気抵抗差によって、電着塗装後の塗膜外観がムラ状になり、仕上がり性が低下する(いわゆる「下地敏感性」の低下)場合があった。
また、化成処理後の水洗工程を短縮又は省略した場合、化成処理液の各種イオン成分が上記金属被塗物に残り、その状態でカチオン電着塗料を用いて電着塗装をすると、仕上がり性、防食性などに悪影響を及ぼすことがわかっている。
特許文献1には、特定のアミノ基含有エポキシ樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤、顔料分散ペースト、4級アンモニウム塩型エポキシ樹脂を含有するカチオン電着塗料組成物によって、耐侯性、密着性、下地敏感性、防食性に優れ、かつ60度鏡面光沢度が30〜70の塗膜が得られることが開示されている。しかしながら、特許文献1は、上塗り塗料を塗装しない1回の電着塗装のみの製品であり、耐候性及び防食性を重視するため、下地敏感性が劣る場合があった。
特許文献2には、脂肪酸変性アクリル樹脂及び/又はエポキシ樹脂で変性された脂肪酸変性アクリル樹脂、有機溶剤、防錆剤及び/又はビスマス化合物を含有する常温硬化型電着塗料、並びに上記電着塗料を塗装する工程によって、仕上がり性、防食性、下地敏感性、塗料安定性に優れることが開示されている。しかしながら、特許文献2は、常温硬化型の電着塗料であり、硬化が不十分な場合は防食性が劣ることがあった。
特許文献3には、粗面を有する金属素材にシリカ微粒子を含有するカチオン電着塗料を用いて塗装し、無水洗又は水洗後、焼き付けることを特徴とする防食方法が開示されている。しかしながら、特許文献3に挙げられた電着塗料では防食性が不十分な場合があった。
特開2013−203966号公報 特開2004―277805号公報 特開2005−272952号公報
仕上がり性及び防食性に優れ、特に化成処理が施された金属被塗物の化成処理状態が良好でない場合であっても、下地敏感性が良好な電着塗膜を形成し得るカチオン電着塗料組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アミノ基含有エポキシ樹脂(A)、ブロックイソシアネート化合物(B)及び金属イオン交換シリカ(C)を含有するカチオン電着塗料組成物、によって達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のカチオン電着塗料組成物及び塗装物品を提供するものである。
項1.アミノ基含有エポキシ樹脂(A)、ブロックイソシアネート化合物(B)並びに金属イオン交換シリカ(C)を含有するカチオン電着塗料組成物であって、アミノ基含有エポキシ樹脂(A)とブロックイソシアネート化合物(B)の固形分合計100質量部に対して、金属イオン交換シリカ(C)の含有量が、0.1〜100質量部であり、かつ金属イオン交換シリカ(C)の金属イオンが、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、リチウムイオンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするカチオン電着塗料組成物。
項2.アミノ基含有エポキシ樹脂(A)のアミン濃度が、1.0mol/kg未満であることを特徴とする前記項1に記載のカチオン電着塗料組成物。
項3.アミノ基含有エポキシ樹脂(A)が、エポキシ樹脂(a1)及びアミノ基含有化合物(a2)を反応させることにより得られ、該エポキシ樹脂(a1)が、下記式(1)
Figure 0006270118
[式中、m+n個のR1は同一又は相異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、m及びnはそれぞれ0又は1〜20の整数であり且つm+nは1〜20である]
で示されるジエポキシ化合物(a1−2)及び下記式(2)
Figure 0006270118
[式中、y個のR2は同一又は相異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、xは1〜9の整数であり、yは1〜50の整数である]
で示されるジエポキシ化合物(a1−3)から選ばれる少なくとも1種のジエポキシ化合物(a1−1)と、必要に応じて、エポキシ当量が170〜500のエポキシ化合物並びに/若しくはポリフェノール化合物とを反応させることにより得られる少なくとも1種のエポキシ樹脂からなることを特徴とする前記項1又は2に記載のカチオン電着塗料組成物。
項4.アミノ基含有エポキシ樹脂(A)が、エポキシ樹脂(a1)、アミノ基含有化合物(a2)、及び変性剤(a3)を反応させることにより得られる少なくとも1種のアミノ基含有エポキシ樹脂からなることを特徴とする前記項1〜3のいずれか1種に記載のカチオン電着塗料組成物。
項5.変性剤(a3)が、少なくとも1種のキシレンホルムアルデヒド樹脂(a3−1)であることを特徴とする前記項4に記載のカチオン電着塗料組成物。
項6.変性剤(a3)が、少なくとも1種の脂肪酸(a3−2)であることを特徴とする前記項4に記載のカチオン電着塗料組成物。
項7.アミン価が0.1〜200mgKOH/g、かつ重量平均分子量が2,000〜100,000の範囲であるアミノ基含有アクリル樹脂(D)を、樹脂固形分の総量100質量部に対して、1〜30質量部含有することを特徴とする前記項1〜6のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料組成物。
項8.酸価が0.01〜100mgKOH/g、かつ数平均分子量が1,000〜10,000の範囲であるポリエステル樹脂(E)を、樹脂固形分の総量100質量部に対して、1〜30質量部含有することを特徴とする前記項1〜7のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料組成物。
項9.前記項1〜8のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料組成物を含有する電着塗料浴中に、金属被塗物を浸漬し電着塗装して得られた塗装物品。
本発明のカチオン電着塗料組成物により、仕上がり性及び防食性に優れ、特に化成処理が施された金属被塗物の化成処理状態が良くない場合であっても、下地敏感性が良好な電着塗膜を得ることができる。
本発明は、エポキシ樹脂(a1)及びアミノ基含有化合物(a2)を反応させることにより得られるアミノ基含有エポキシ樹脂(A)、ブロックイソシアネート化合物(B)並びに金属イオン交換シリカ(C)を含有するカチオン電着塗料組成物であって、アミノ基含有エポキシ樹脂(A)とブロックイソシアネート化合物(B)の固形分合計100質量部に対して、金属イオン交換シリカ(C)の含有量が、0.1〜100質量部であり、かつ金属イオン交換シリカ(C)の金属イオンが、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、リチウムイオンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするカチオン電着塗料組成物である。以下、詳細に述べる。
アミノ基含有エポキシ樹脂(A)
本発明のカチオン電着塗料組成物で用いるアミノ基含有エポキシ樹脂(A)は、エポキシ樹脂(a1)と、アミノ基含有化合物(a2)と、さらに必要に応じて変性剤(a3)とを反応せしめて得ることができ、例えば、(1)エポキシ樹脂と第1級アミン化合物、第2級アミン化合物又は第1、2級混合アミン化合物との付加物(例えば、米国特許第3,984,299号明細書参照);(2)エポキシ樹脂とケチミン化されたアミン化合物との付加物(例えば、米国特許第4,017,438号 明細書参照);(3)エポキシ樹脂とケチミン化された第1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化により得られる反応物(例えば、特開昭59−43013号公報参照)等のアミノ基含有エポキシ樹脂を挙げることができる。
エポキシ樹脂(a1)
上記アミノ基含有エポキシ樹脂(A)の製造に使用されるエポキシ樹脂(a1)は、1分子中にエポキシ基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物であり、その分子量は一般に少なくとも300、好ましくは400〜4,000、さらに好ましくは800〜2,500の範囲内の数平均分子量及び少なくとも160、好ましくは180〜2,500、さらに好ましくは400〜1,500の範囲内のエポキシ当量を有するものが適しており、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂を用いることができる。
上記エポキシ樹脂(a1)の形成のために用いられるポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン[水添ビスフェノールF]、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン[水添ビスフェノールA]、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどを挙げることができ、これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂(a1)としては、中でも、ビスフェノールAから誘導される下記式(3)の樹脂が好適である。
Figure 0006270118
ここで、n=0〜8で示されるものが好適である。
かかるエポキシ樹脂(a1)の市販品としては、例えば、三菱化学(株)から、jER828EL、jER1002、jER1004、jER1007なる商品名で販売されているものが挙げられる。
また、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、例えばエピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に高分子量まで縮合させてなる樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に、縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とし、この低分子量エポキシ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させることにより得られた樹脂のいずれであってもよい。
なお、本明細書において、数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。具体的には、ゲルパーミュエーションクロマトグラフとして、「HLC8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」及び「TSKgel G−2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の4本を使用し、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min及び検出器RIの条件下で測定することができる。
また、上記エポキシ樹脂(a1)が、下記式(1)
Figure 0006270118
[式中、m+n個のR1は同一又は相異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、m及びnはそれぞれ0又は1〜20の整数であり且つm+nは1〜20である]
で示されるジエポキシ化合物(a1−2)及び下記式(2)
Figure 0006270118
[式中、y個のR2は同一又は相異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、xは1〜9の整数であり、yは1〜50の整数である]
で示されるジエポキシ化合物(a1−3)から選ばれる少なくとも1種のジエポキシ化合物(a1−1)と、必要に応じて、エポキシ当量が170〜500のエポキシ化合物並びに/若しくは前記ポリフェノール化合物とを反応させることにより得られる少なくとも1種のエポキシ樹脂であることが、塗料安定性及び/又は仕上がり性の観点から好ましい。
上記のエポキシ当量が170〜500のエポキシ化合物としては、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有する化合物であり、一般に340〜1,500、特に340〜1,000の範囲内の数平均分子量、及び一般に170〜500、特に170〜400の範囲内のエポキシ当量を有するものが好適であり、中でも、ポリフェノール化合物をエピハロヒドリンと反応させるによって製造されるものが好ましい。
ジエポキシ化合物(a1−2)
上記ジエポキシ化合物(a1−2)としては、下記式(1)
Figure 0006270118
[式中、m+n個のR1は同一又は相異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、好ましくはメチル基を表し、m及びnはそれぞれ0又は1〜20、好ましくは1〜15の整数であり且つm+nは1〜20、好ましくは1〜18である]
で示されるジエポキシ化合物を用いることができる。上記式(1)において、R1はメチル基であることが特に好ましい。
ジエポキシ化合物(a1−2)は、例えば、ビスフェノールAに下記式(4)
Figure 0006270118
[式中、R1は上記定義のとおりである]
で示されるアルキレンオキシドを付加させてヒドロキシル末端ポリエーテル化合物を得た後、該ポリエーテル化合物にエピハロヒドリンを反応させてジエポキシ化することにより製造することができる。
上記式(4)のアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられ、中でも、エチレンオキシド(式(4)のR1が水素原子である化合物)及びプロピレンオキシド(式(4)のR1がメチルである化合物)が好適である。
ジエポキシ化合物(a1−3)
上記ジエポキシ化合物(a1−3)として、下記式(2)
Figure 0006270118
[式中、y個のR2は同一又は相異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、好ましくはメチル基を表し、xは1〜9、好ましくは1〜5の整数であり、yは1〜50、好ましくは1〜25の整数である]
で示されるジエポキシ化合物を用いることができる。上記式(2)において、R2はメチル基であることが特に好ましい。
ジエポキシ化合物(a1−3)は、例えば、アルキレングリコールを開始剤として前記式(4)のアルキレンオキシドを開環重合させることにより得られるヒドロキシル末端ポリアルキレンオキシドにエピハロヒドリンを反応させてジエポキシ化するか、下記式(5)
Figure 0006270118
[式中、R2は及びxは上記定義のとおりである]
で示されるアルキレングリコール又は少なくとも2個の該アルキレングリコール分子を脱水縮合させることにより得られるポリエーテルジオールにエピハロヒドリンを反応させてジエポキシ化することにより製造することができる。
上記式(5)のアルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールなどの炭素数2〜10のアルキレングリコールが挙げられる。
前記式(1)又は式(2)のジエポキシ化合物としては、具体的には、例えば、デナコールEX−850、デナコールEX−821、デナコールEX−830、デナコールEX−841、デナコールEX−861、デナコールEX−941、デナコールEX−920、デナコールEX−931(以上、ナガセケムテックス株式会社製、商品名)、グリシエールPP−300P、グリシエールBPP−350(以上、三洋化成工業株式会社製、商品名)などが挙げられる。また、ジエポキシ化合物(a1−1)として、化合物(a1−2)と化合物(a1−3)を混合して用いることもできる。
アミノ基含有化合物(a2)
上記アミノ基含有化合物(a2)としては、エポキシ樹脂(a1)にアミノ基を導入して、エポキシ樹脂をカチオン化するためのカチオン性付与成分であり、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個含有するものが用いられる。
そのような目的で使用されるアミノ基含有化合物(a2)としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノ−もしくはジ−アルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノールなどのアルカノールアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアルキレンポリアミン;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのアルキレンイミン;ピペラジン、モルホリン、ピラジンなどの環状アミンなどが挙げられる。また、これら上記のアミンと、1級アミンをケチミン化したアミンとを併せて用いることもできる。
変性剤(a3)
本発明で用いるアミノ基含有エポキシ樹脂(A)は、エポキシ樹脂(a1)とアミノ基含有化合物(a2)とを反応せしめる際に、必要に応じて、変性剤(a3)により変性を図ることができる。このような変性剤は、エポキシ樹脂との反応性を有する樹脂又は化合物であれば特に限定されず、例えばポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアミドアミン、ポリカルボン酸、脂肪酸、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物を反応させた化合物、ε−カプロラクトンなどのラクトン化合物、アクリルモノマー、アクリルモノマーを重合反応させた化合物、キシレンホルムアルデヒド樹脂、エポキシ化合物も変性剤として用いることができ、1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
中でも、変性剤(a3)として、キシレンホルムアルデヒド樹脂(a3−1)及び/又は脂肪酸(a3−2)を用いることが好ましい。キシレンホルムアルデヒド樹脂(a3−1)及び/又は脂肪酸(a3−2)を反応せしめる方法としては、エポキシ樹脂(a1)とアミノ基含有化合物(a2)の反応と同時又は前後に反応することができる。
上記の変性剤の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができるが、仕上り性及び防食性向上の観点から、アミノ基含有エポキシ樹脂の固形分質量を基準にして、通常1〜50質量%、好ましくは2〜30質量%、より好ましくは3〜20質量%の範囲内が適当である。
キシレンホルムアルデヒド樹脂(a3−1)
上記キシレンホルムアルデヒド樹脂(a3−1)は、塗膜の防食性を低下させることなく、アミノ基含有エポキシ樹脂(A)を内部可塑化(変性)するのに役立つものであり、例えば、キシレン、ホルムアルデヒド及びフェノール類を、酸性触媒の存在下に縮合反応させることにより製造することができる。
上記のホルムアルデヒドとしては、例えば、工業的に入手容易なホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサンなどのホルムアルデヒドを発生する化合物を使用することができる。なお、本明細書において、ホルムアルデヒドとしてパラホルムアルデヒド、トリオキサンなどの重合体を用いる場合、その使用量の規定は、ホルムアルデヒド1分子を基準に規定するものとする。
また、上記のフェノール類には、2個又は3個の反応サイトを持つ1価もしくは2価のフェノール性化合物が包含され、具体的には、例えば、フェノール、クレゾール類、パラ−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールプロパン、ビスフェノールメタン、レゾルシノール、ピロカテコール、ハイドロキノン、パラ−tert−ブチルフェノール、ビスフェノールスルホン、ビスフェノールエーテル、パラ−フェニルフェノールなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上の組合せて用いることができる。
中でも特に、フェノール及びクレゾール類が好適である。
キシレン、ホルムアルデヒド及びフェノール類の縮合反応に使用される酸性触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸などが挙げられるが、一般的には、硫酸が特に好適である。その使用量は、通常、ホルムアルデヒド水溶液中の水により希釈されるので、水溶液中の濃度として10〜50質量%の範囲内が適当である。
縮合反応は、例えば、反応系に存在するキシレン、フェノール類、水、ホルマリンなどが還流する温度、通常、約80〜約100℃の温度に加熱することにより行うことができ、通常、2〜6時間程度で終了させることができ、それによって、液状キシレンホルムアルデヒド樹脂を得ることができる。
かくして得られるフェノール性水酸基を有するキシレンホルムアルデヒド樹脂(a3)は、一般に20〜50,000mPa・s(25℃)、好ましくは25〜30,000mPa・s(25℃)、さらに好ましくは30〜15,000mPa・s(25℃)の範囲内の粘度を有することができ、そして一般に100〜50,000、特に150〜30,000、さらに特に200〜10,000の範囲内の水酸基当量を有していることが好ましい。
脂肪酸(a3−2)
上記脂肪酸(a3−2)としては、少なくとも1種の飽和及び/又は不飽和脂肪酸を用いることが、つきまわり性及び/又は防食性の観点から好ましい。使用しうる脂肪酸としては、特に制限はないが、炭素数8〜22の長鎖脂肪酸が好ましく、例えば、カプリル酸、カプリン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明のカチオン電着塗料組成物に含有されるアミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)は、エポキシ樹脂(a1)、アミノ基含有化合物(a2)、さらに必要に応じて変性剤(a3)をそれ自体既知の方法で付加反応させることにより製造することができる。
上記の付加反応は溶媒中で行うことができ、使用しうる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの炭化水素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールなどのアルコール系溶媒;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物;あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
上記の付加反応は、通常、約80〜約170℃、好ましくは約90〜約150℃の温度で、1〜6時間程度、好ましくは1〜5時間程度行うことができる。
このようなアミノ基含有エポキシ樹脂(A)のアミン濃度としては、通常、1.0mol/kg未満の範囲、好ましくは、0.3mol/kg以上、かつ0.95mol/kg未満の範囲、より好ましくは、0.5mol/kg以上、かつ0.90mol/kg未満、特に好ましくは、0.75mol/kg以上、かつ0.90mol/kg未満とすることが、下地敏感性、水分散性、防食性向上の点から好ましい。
ここで、本明細書のアミン濃度とは、樹脂固形分1kg当たりに対して、アミノ基含有エポキシ樹脂(A)が有するアミノ基のモル数のことである。
ブロックイソシアネート化合物(B)
ブロックイソシアネート化合物(B)は、イソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤とのほぼ化学理論量での付加反応生成物である。ブロックイソシアネート化合物(B)で使用されるイソシアネート化合物としては、公知のものを使用することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI[ポリメチレンポリフェニルイソシアネート]、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族又は脂環族イソシアネート化合物;これらのイソシアネート化合物の環化重合体又はビゥレット体;又はこれらの組合せを挙げることができる。
特に、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI等(好ましくはクルードMDI等)の芳香族イソシアネート化合物が防食性の為により好ましい。
一方、前記イソシアネートブロック剤は、イソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約100〜約200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生することが望ましい。
ブロックイソシアネート化合物(B)で使用されるブロック剤としては、例えば、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール系化合物;ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物等(好ましくは、アルコール系化合物等)が挙げられる。
金属イオン交換シリカ(C)
本発明のカチオン電着塗料組成物は、金属イオン交換シリカ(C)を含有する。
金属イオン交換シリカ(C)を含有することで下地敏感性に優れた電着塗膜が得られるほか、防食性の向上も期待できる。
上記金属イオン交換シリカ(C)は、シリカ担体にイオン交換によって金属イオンが導入されたシリカであり、金属イオンの種類としては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、リチウムイオンから選ばれる少なくとも1種であることが下地敏感性及び/又は防食性向上の観点から好ましい。
中でもカルシウムイオン交換されたシリカが好ましく、カルシウムイオン交換されたシリカの市販品としては、シールデックスC303(富士デビィソン社製)、SHIELDEX AC−3、SHIELDEX AC−5、SHIELDEX SY710(以上、いずれもW.R.Grace&Co.社製)、サイロマスク52、サイロマスク55(以上、いずれも富士シリシア化学社製)、HEUCOSIL CTF(ホイバッハ社製)などを挙げることができる。
上記金属イオン交換シリカ(C)が下地敏感性及び防食性を向上させる理由としては、詳しいことはわかっていないが、以下のように考えられる。まず、ムラ状になった金属被塗物の凹部に、適正な平均粒子径のシリカ微粒子が入り込むことで下地敏感性を向上させると考えられる。また、金属被塗物にCaSiO、MgSiOなどの水に強い酸化被膜が形成されて防食性が向上し、さらに塗膜焼き付け時に上記ケイ酸化合物の金属イオンが溶出し、塗膜がより平滑化できると考えられる。
金属イオン交換シリカ(C)の粒子径としては、通常、平均粒子径8μm以下、好ましくは3〜8μm、更に好ましくは3〜5μmの範囲であることが好適である。平均粒子径が8μmを超えると貯蔵安定性が低下して浴塗料に沈降するシリカ成分が多くなり、浴塗料中に含まれるシリカ成分濃度と電着された塗膜に含まれるシリカ成分濃度とのバランスが崩れて安定した下地敏感性及び防食性に優れた塗膜が形成できない。
また、平均粒子径として、下限は電着浴塗料の粘度が高くなり電着浴から塗装物を引き上げる際に塗装物に付着する浴塗料が多くなり、その余分に付着した塗料は通常水洗して除去されるが、その水洗水に含まれる浴塗料が多くなりその廃水処理が大変であることや塗装作業性なども低下するので、3μmを超えることが好ましい。
本発明において、金属イオン交換シリカ(C)の含有量は、アミノ基含有エポキシ樹脂(A)とブロックイソシアネート化合物(B)の固形分合計100質量部に対して、通常、0.1〜100質量部であり、より好ましくは0.5〜30質量部であり、さらに好ましくは1.0〜10質量部である。
金属イオン交換シリカ(C)の含有量は、上記範囲内であることが、下地敏感性、長期間の防食性及び塗料安定性に優れた塗膜を得るために好ましい。上記範囲よりも多くなると、顔料濃度が上がるため、塗料安定性、特に塗料連続使用時の塗料安定性が悪化することがある。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、前述の成分(A)、成分(B)及び成分(C)を必須成分とするものであり、さらに樹脂成分として、アミノ基含有アクリル樹脂(D)及び/又はポリエステル樹脂(E)を含有することができる。
アミノ基含有アクリル樹脂(D)
本発明のカチオン電着塗料組成物に含有することが出来るアミノ基含有アクリル樹脂(D)は、そのアクリル樹脂を構成するモノマー成分として、水酸基含有アクリルモノマー、アミノ基含有アクリルモノマー及びその他のモノマーをラジカル共重合することによって得られる。
水酸基含有アクリルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンとの付加生成物(例えばダイセル株式会社製の商品名としてプラクセルFA−2、及びFM−3)等が挙げられる。これらは単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
アミノ基含有アクリルモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
その他のモノマーとしては、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニルモノマー、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アクリル樹脂は、上記のモノマーを公知の方法によりラジカル共重合反応することによって得ることができる。
なおアクリル樹脂の水酸基価は、通常10〜300mgKOH/g、好ましくは50〜200mgKOH/g、重量平均分子量は、通常2,000〜100,000、好ましくは、3,000〜50,000、アミン価は、通常0.1〜200mgKOH/gの範囲内、好ましくは1〜150mgKOH/g、より好ましくは5〜70mgKOH/gの範囲内が適当である。
また、グリシジル(メタ)アクリレートを含むラジカル重合性不飽和モノマーの共重合体のグリシジル基に、活性水素を含有するアミン化合物を付加してアクリル樹脂に水分散性を付与することができる。上記アミン化合物としては、1級モノ−及びポリアミン、2級モノ−及びポリアミン又は1、2級混合ポリアミン、ケチミン化された1級アミノ基を有する2級モノ−及びポリアミン、ケチミン化された1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物等が挙げられ、具体的には、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルトリアミンのケチミン化物などを用いるのが好ましい。
上記アミノ基含有アクリル樹脂(D)は、本発明のカチオン電着塗料組成物中に、樹脂固形分の総量100質量部に対して、1〜30質量部含有されることが好ましく、3〜20質量部含有されることがより好ましい。
ポリエステル樹脂(E)
本発明で用いるポリエステル樹脂(E)としては、酸成分(e1)とアルコール成分(e2)のエステル化反応及び/又はエステル交換反応によって製造することができる。
酸成分(e1)
上記酸成分(e1)は、ポリエステル樹脂の製造に際して、酸成分として通常使用される化合物を使用することができる。上記酸成分(e1)としては、例えば、脂環族多塩基酸、脂肪族多塩基酸、芳香族多塩基酸、芳香族モノカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、これらの酸の低級アルキルエステル化物等を使用することができる。
脂環族多塩基酸は、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個以上のカルボキシル基を有する化合物、該化合物の酸無水物及び該化合物のエステル化物である。該脂環族多塩基酸としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;これら脂環族多価カルボン酸の無水物;これら脂環族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。脂環族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。脂環族多塩基酸としては、特に、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物を好適に使用することができる。上記のうち、耐加水分解性の観点から、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物を特に好適に使用することができる。
脂肪族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物、該脂肪族化合物の酸無水物であって、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸等の脂肪族多価カルボン酸;これら脂肪族多価カルボン酸の無水物;等が挙げられる。脂肪族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。脂肪族多塩基酸としては、炭素数4〜18のアルキル鎖を有するジカルボン酸を使用することが好ましい。上記炭素数4〜18のアルキル鎖を有するジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸等が挙げられ、なかでも、アジピン酸、ドデカン二酸、オクタデカン二酸を好適に使用することができる。
芳香族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、該芳香族化合物の酸無水物及び該芳香族化合物のエステル化物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;これら芳香族多価カルボン酸の無水物;等が挙げられる。芳香族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。芳香族多塩基酸のうち、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からなる群より選択される少なくとも一種のフタル酸系化合物又はその無水物が好ましい。
また、必要に応じて、芳香族モノカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸などを使用することもできる。上記芳香族モノカルボン酸は、例えば、安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸などが挙げられる。上記脂肪族モノカルボン酸は、例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ブラシジン酸、リノール酸、リノレン酸、ロジン酸などが挙げられる。上記脂環族モノカルボン酸は、例えば、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘプタンカルボン酸、4−エチルシクロヘキサンカルボン酸、4−へキシルシクロヘキサンカルボン酸、4−ラウリルシクロヘキサンカルボン酸などが挙げられる。
上記で挙げた酸成分(e1)は、1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
アルコール成分(e2)
上記アルコール成分(e2)としては、脂環族ジオール、脂肪族ジオール、芳香族ジオールなどの2価アルコール及び3価以上の多価アルコールを含むものが好ましく、例えば、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコ−ル、1,2−ブチレングリコ−ル、2,3−ブチレングリコ−ル、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、3−エトキシプロパン−1,2−ジオール、3−フェノキシプロパン−1,2−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−フェノキシプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−フェニルプロパン−1,3−ジオール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2−エチル−1,3―オクタンジオール、1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ブタンジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ジメチロ−ルシクロヘキサン、トリシクロデカンジメタノール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート(ヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコールとのエステル化物)、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)−2,2−プロパン、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)メタン、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール化合物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニット、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ソルビトール、上記の多価アルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、必要に応じて、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等のモノアルコール;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル(商品名「カージュラE10」HEXION Specialty Chemicals社製)等のモノエポキシ化合物と酸とを反応させて得られたアルコール化合物等も使用することができる。
上記で挙げたアルコール成分(e2)は、1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明に使用するポリエステル樹脂(E)の製造方法は、特に限定されるものではなく、通常の方法に従って行なうことができる。例えば、前記酸成分(e1)とアルコール成分(e2)とを窒素気流中、150〜250℃の温度で5〜10時間反応させて、エステル化反応及び/又はエステル交換反応を行なうことにより製造することができる。上記エステル化反応及び/又はエステル交換反応では、上記酸成分(e1)及びアルコール成分(e2)を一度に添加してもよいし、数回に分けて添加してもよい。
また、はじめにカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を合成した後、上記アルコール成分を用いて、該カルボキシル基含有ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の一部をエステル化してもよい。さらに、はじめに水酸基含有ポリエステル樹脂を合成した後、酸無水物を反応させて、水酸基含有ポリエステル樹脂をハーフエステル化させてもよい。
前記エステル化及び/又はエステル交換反応の際には、反応を促進させるために、触媒を用いてもよい。触媒としては、ジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の既知の触媒を使用することができる。
また、前記ポリエステル樹脂(E)は、該樹脂の調製中、もしくはエステル化反応後及び/又はエステル交換反応後に、脂肪酸、油脂、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物等で変性することもできる。
上記脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等の脂肪酸等(好ましくは、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸等)を挙げられ、上記油脂としては、例えば、ヤシ油、綿実油、麻実油、米ぬか油、魚油、トール油、大豆油、アマニ油、桐油、ナタネ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油等(好ましくは、大豆油、アマニ油等)が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;リジントリイソシアネート等の3価以上のポリイソシアネート等の有機ポリイソシアネートそれ自体、又はこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した各有機ジイソシアネート同士の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビゥレット型付加物等を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
上記エポキシ化合物としては、「カージュラE10」(商品名、HEXION Specialty Chemicals社製、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)等が挙げられる。
ポリエステル樹脂(E)の数平均分子量としては、仕上り性の観点から、通常、1,000〜10,000であり、好ましくは1,050〜5,000、さらに好ましくは1,100〜3,000の範囲内の数平均分子量を有することが好適である。
ポリエステル樹脂(E)の酸価としては、塗料安定性の観点から、0.01〜100mgKOH/g、好ましくは0.1〜50mgKOH/g、さらに好ましくは0.5〜15mgKOH/gの範囲内であることが好適である。
ポリエステル樹脂(E)の水酸基価としては、得られる塗膜の硬化性の観点から10〜300mgKOH/gであり、好ましくは30〜250mgKOH/g、さらに好ましくは50〜180mgKOH/gの範囲内であることが好適である。
上記ポリエステル樹脂(E)は、本発明のカチオン電着塗料組成物中に、樹脂固形分の総量100質量部に対して、1〜30質量部含有されることが好ましく、3〜20質量部含有されることがより好ましい。
カチオン電着塗料組成物
本発明のカチオン電着塗料組成物は、アミノ基含有エポキシ樹脂(A)、ブロックイソシアネート化合物(B)及び金属イオン交換シリカ(C)を含有するカチオン電着塗料組成物である。アミノ基含有エポキシ樹脂(A)及びブロックイソシアネート化合物(B)の含有割合としては、(A)成分及び(B)成分の固形分合計質量を基準にして、成分(A)を通常10〜90質量部、好ましくは50〜80質量部、成分(B)を通常10〜90質量%、好ましくは20〜50質量%の範囲内である。
また、金属イオン交換シリカ(C)の配合は、予め顔料分散樹脂や顔料分散剤とシリカ微粒子とを分散機を使用して分散させたシリカペーストを用いることが好ましい。この場合、他の着色顔料、防錆顔料及び/又は体質顔料などと共に分散することができる。
カチオン電着塗料組成物は、上記成分を常法に従い塗料化することで製造することができる。具体的には、上記樹脂成分を界面活性剤、表面調整剤などの各種塗料用添加剤や有機溶剤などと共に十分に混合した後、酸、例えば、酢酸、ギ酸、乳酸又はこれらの混合物などの水溶性有機カルボン酸で中和して水溶化又は水分散化し、得られるエマルションにシリカペースト及び顔料分散ペーストを加え、さらに水を加えて濃度を調整することにより製造することができる。
顔料分散ペーストは、着色顔料、防錆顔料及び体質顔料などをあらかじめ微細粒子に分散したものであり、例えば、顔料分散剤、中和剤及び顔料を、ボールミル、サンドミル、ペブルミルなどの分散混合機中で分散処理することによって調製することができる。
上記顔料分散剤としては、それ自体既知のものを使用することができ、例えば、水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂;界面活性剤;3級アミン型エポキシ樹脂、4級アンモニウム塩型エポキシ樹脂、3級スルホニウム塩型エポキシ樹脂などの顔料分散用樹脂が挙げられる。該顔料分散剤は、顔料100質量部あたり、通常1〜150質量部、特に10〜100質量部の範囲内で使用することができる。
上記顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラなどの着色顔料;クレー、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、シリカなどの体質顔料;リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、酸化亜鉛(亜鉛華)などの防錆顔料が挙げられる。
本発明のカチオン電着塗料組成物には、腐食抑制又は防錆を目的として、必要に応じて、ビスマス化合物を含有させることができる。該ビスマス化合物としては、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス、有機酸ビスマスなどが挙げられる。
本発明のカチオン電着塗料組成物には、また、塗膜硬化性の向上を目的として、ジブチル錫ジベンゾエート、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイドなどの有機錫化合物を配合することができるが、前記の酸化亜鉛(亜鉛華)などの防錆顔料及び/又はビスマス化合物の添加量を増やすか及び/又は微細化することによって、これらの有機錫化合物を配合しなくても、塗膜の硬化性の向上を図ることができる。
以上に述べた顔料、ビスマス化合物及び有機錫化合物の合計配合量は、樹脂固形分100質量部あたり、通常1〜100質量部、特に10〜70質量部の範囲内が好ましい。
本発明のカチオン電着塗料組成物に使用し得る有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール系溶剤、;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトンなどのケトン系溶剤;エチレングルコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;これらの混合物が挙げられる。
本発明のカチオン電着塗料組成物を適用することができる被塗物としては、例えば、冷延鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−鉄二層めっき鋼板、有機複合めっき鋼板、Al材、Mg材などの金属素材、さらにこれらの金属素材に必要に応じてアルカリ脱脂などの処理を施した後、リン酸塩化成処理、クロメート処理などの表面処理を行ったもの;これらの金属素材から成形された自動車ボディ、2輪車部品、家庭用機器、その他の機器などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を含む被塗物が好適である。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、電着塗装によって上記の如き被塗物の表面に塗装することができる。カチオン電着塗装は、一般に、脱イオン水などで希釈して固形分濃度を約5〜約40重量%とし、さらにpHを5.5〜9.0の範囲内に調整した本発明のカチオン電着塗料組成物からなる電着塗料浴を、通常、浴温約15〜約35℃に調整し、負荷電圧100〜400Vの条件で被塗物を陰極として通電することによって行うことができる。電着塗装後、通常、余分に付着したカチオン電着塗料を落とすために、限外濾過液(UF濾液)、逆浸透透過水(RO水)、工業用水、純水等で十分に水洗することができる。
電着塗膜の厚さは、特に制限されるものではないが、硬化塗膜に基づいて一般に5〜40μm、好ましくは12〜30μmの範囲内とすることができる。また、塗膜の焼付けは、電着塗膜を、例えば、電気熱風乾燥機、ガス熱風乾燥機などの乾燥設備を用いて、塗装物表面の温度で通常110〜200℃、好ましくは140〜180℃にて、通常10〜180分間、好ましくは20〜50分間加熱することにより行うことができる。上記焼付けにより塗膜を硬化させることができる。
以下、製造例、実施例及び比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明
はこれらのみに限定されるものではない。各例中の「部」は質量部、「%」は質量%を示
す。
製造例1 アミノ基含有エポキシ樹脂No.1溶液の製造例
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、jER828EL(商品名、ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ樹脂、エポキシ当量190、数平均分子量380) 1200部に、ビスフェノールA 500部及びジメチルベンジルアミン 0.2部を加え、130℃でエポキシ当量850になるまで反応させた。
次に、ジエタノールアミン 158部及びジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンとのケチミン化物 65部を加え、120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテル 480gを加え、固形分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.1を得た。アミノ基含有エポキシ樹脂No.1は、アミン濃度1.04mol/kg、数平均分子量2,100であった。
製造例2 アミノ基含有エポキシ樹脂No.2溶液の製造例
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、jER828EL 1200部に、ビスフェノールA 500部及びジメチルベンジルアミン 0.2部を加え、130℃でエポキシ当量850になるまで反応させた。
次に、ジエタノールアミン 137部及びジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンとのケチミン化物 65部を加え、120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテル 480gを加え、固形分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.2を得た。アミノ基含有エポキシ樹脂No.2は、アミン濃度0.94mol/kg、数平均分子量2,100であった。
製造例3 アミノ基含有エポキシ樹脂No.3溶液の製造例
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、jER828EL 1200部に、ビスフェノールA 500部及びジメチルベンジルアミン 0.2部を加え、130℃でエポキシ当量850になるまで反応させた。
次に、プラクセル212(商品名、ダイセル化学(株)製、ポリカプロラクトンジオール) 23部、ジエタノールアミン 119部及びジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンとのケチミン化物 65部を加え、120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテル 480gを加え、固形分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.3を得た。アミノ基含有エポキシ樹脂No.3は、アミン濃度0.85mol/kg、数平均分子量2,100であった。
製造例4 アミノ基含有エポキシ樹脂No.4溶液の製造例
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、jER828EL 1200部に、ビスフェノールA 500部及びジメチルベンジルアミン 0.2部を加え、130℃でエポキシ当量850になるまで反応させた。
次に、プラクセル212 46部、ジエタノールアミン 98部及びジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンとのケチミン化物 65部を加え、120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテル 480gを加え、固形分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.4を得た。アミノ基含有エポキシ樹脂No.4は、アミン濃度0.74mol/kg、数平均分子量2,100であった。
製造例5 アミノ基含有エポキシ樹脂No.5溶液の製造例
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、デナコールEX−931(商品名、ナガセケムテックス社製、ジエポキシ化合物(a1−1)、エポキシ当量471) 352部、jER828EL 938部、ビスフェノールA 456部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド 0.8部を加え、160℃でエポキシ当量930になるまで反応させた。
次いで、メチルイソブチルケトン 450部を加え、ジエタノールアミン 147部及びジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンのケチミン化物 74部を加えて120℃で4時間反応させ、樹脂固形分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂No.5溶液を得た。アミノ基含有エポキシ樹脂No.5は、アミン濃度0.95mol/kg、数平均分子量2,200であった。
製造例6 アミノ基含有エポキシ樹脂No.6溶液の製造例
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、50%ホルマリン 480部、フェノール 110部、98%工業用硫酸 202部及びメタキシレン 424部を仕込み、84〜88℃で4時間反応させる。反応終了後、静置して樹脂相と硫酸水相とを分離した後、樹脂相を3回水洗し、20〜30mmHg/120〜130℃の条件で20分間未反応メタキシレンをストリッピングして、粘度1050PaS(25℃)のフェノール変性の液状キシレンホルムアルデヒド樹脂 480部を得た。
次いで、別のフラスコに、jER828EL 1000部、ビスフェノールA 400部及びジメチルベンジルアミン 0.2部を加え、130℃でエポキシ当量700になるまで反応させた。次に、液状キシレンホルムアルデヒド樹脂 300部、ジエタノールアミン 130部及びジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンとのケチミン化物 75部加え120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテル 480部加え、固形分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂No.6溶液を得た。アミノ基含有エポキシ樹脂No.6は、アミン濃度0.95mol/kg、数平均分子量2,000であった。
製造例7 アミノ基含有エポキシ樹脂No.7溶液の製造例
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、jER828EL 1140部、ビスフェノールA 456部及びジメチルベンジルアミン 0.2部を加え、130℃でエポキシ当量820になるまで反応させた。
続いてメチルイソブチルケトン 420部、製造例6と同様の工程にて得た液状キシレンホルムアルデヒド樹脂 300部を加え、次いで、ジエタノールアミン 95部及びジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンのケチミン化物 107部を加えて120℃で4時間反応させ、樹脂固形分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂No.7溶液を得た。アミノ基含有エポキシ樹脂No.7は、アミン濃度0.84mol/kg、数平均分子量2,500であった。
製造例8 アミノ基含有エポキシ樹脂No.8溶液の製造例
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、jER828EL 940部、大豆油脂肪酸140部、ビスフェノールA 340部及びジメチルベンジルアミン 0.2部を加え、130℃でエポキシ当量930になるまで反応させた。次に、ジエタノールアミン 115部及びジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンとのケチミン化物 53部加え120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテル 400部加え、固形分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂No.8溶液を得た。アミノ基含有エポキシ樹脂No.8は、アミン濃度0.96mol/kg、数平均分子量1,700であった。
製造例9 アミノ基含有エポキシ樹脂No.9溶液の製造例
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、グリシエールBPP−350(商品名、三洋化成工業社製、ジエポキシ化合物(a1−1)、エポキシ当量340) 340部、jER828EL 938部、ビスフェノールA 456部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド 0.8部を加え、160℃でエポキシ当量870になるまで反応させた。
次いで、メチルイソブチルケトン 456部を加え、次いで、製造例6と同様の工程にて得たキシレンホルムアルデヒド樹脂 180部、ジエタノールアミン 136部及びジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンのケチミン化物 80部を加えて120℃で4時間反応させ、固形分80%のアミノ基含有変性エポキシ樹脂No.9溶液を得た。アミノ基含有変性エポキシ樹脂No.9は、アミン濃度0.91mol/kg、数平均分子量2,200であった。
製造例10 アミノ基含有エポキシ樹脂No.10溶液の製造例
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、グリシエールPP−300P(商品名、三洋化成工業社製、ジエポキシ化合物(a1−1)、エポキシ当量約296) 120部、ビスフェノールA 230部、メチルイソブチルケトン 100部、及びジメチルベンジルアミン 0.2部を加え、エポキシ基が消失するまで反応させた。次に、jER828EL 690部、大豆油脂肪酸 170部を加え、130℃でエポキシ当量850になるまで反応させた。続いてジエタノールアミン 98部、及びジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンとのケチミン化物 45部加え120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテル 250部加え、固形分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂No.10溶液を得た。アミノ基含有エポキシ樹脂No.10は、アミン濃度0.95mol/kg、数平均分子量1,200であった。
製造例11 アミノ基含有アクリル樹脂溶液の製造例
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル 246部を仕込み、窒素置換後、110℃に保った。この中に、以下に示す混合物を3時間かけて滴下した。
スチレン 240部
n−ブチルアクリレート 160部
メチルメタクリレート 80部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 240部
グリシジルメタクリレート 80部
ジエチルアミン 40部
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 40部
滴下終了後から1時間経過後、この中に2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 5部をプロピレングリコールモノメチルエーテル56部に溶かした溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、これをさらに1時間110℃に保持したのち、メチルイソブチルケトンで調整し、固形分70%のアミノ基含有アクリル樹脂溶液を得た。アミノ基含有アクリル樹脂は、水酸基価120mgKOH/g、アミン価35mgKOH/g、重量平均分子量6,000であった。
製造例12 ポリエステル樹脂溶液の製造例
加熱装置、攪拌機、窒素導入管及び分留塔を有する反応装置に、無水フタル酸 335部、ヘキサヒドロフタル酸 357部、グリセリン 42部、エチレングリコール 190部、ネオペンチルグリコール 159部を仕込み、乾燥窒素下で加熱を開始し、230℃まで徐々に昇温してエステル化反応を行った。230℃を保持し、樹脂酸価5mgKOH/gとなるまでエステル化反応を行った後、170℃まで冷却し、エチレングリコールモノブチルエーテルを加えて、固形分80%のポリエステル樹脂溶液を得た。得られたポリエステル樹脂は、酸価5mgKOH/g、水酸基価81mgKOH/g、数平均分子量1,840であった。
製造例13 ブロックイソシアネート化合物の製造例
反応容器中に、コスモネートM−200(商品名、三井化学社製、クルードMDI) 270部及びメチルイソブチルケトン 127部を加え70℃に昇温した。この中にエチレングリコールモノブチルエーテル 236部を1時間かけて滴下し、その後、100℃に昇温し、この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアナト基の吸収がなくなったことを確認し、樹脂固形分が80%のブロックイソシアネート化合物を得た。
製造例14 顔料分散用樹脂溶液の製造例
jER828EL 1010部に、ビスフェノールA 390部、プラクセル212 240部及びジメチルベンジルアミン 0.2部を加え、130℃でエポキシ当量が約1090になるまで反応させた。次に、ジメチルエタノールアミン 134部及び90%の乳酸水溶液 150部を加え、120℃で4時間反応させた。さらに、メチルイソブチルケトンを加えて固形分を調整し、固形分60%のアンモニウム塩型樹脂系の顔料分散用樹脂溶液を得た。
製造例15 顔料分散ペーストの製造例
製造例14で得た固形分60%の顔料分散用樹脂 8.3部(固形分5部)、酸化チタン14.5部、精製クレー 7.0部、カーボンブラック 0.3部、ジオクチル錫オキサイド 1部、水酸化ビスマス 1部、カルシウムイオン交換シリカ 3部(注2)及び脱イオン水 20.3部を加え、ボールミルにて20時間分散し、続いて脱イオン水を加えて固形分を調整して、固形分50%の顔料分散ペーストP−1を得た。
製造例16〜24
下記表1に示す種類及び配合量のシリカとする以外は製造例15と同様にして、固形分50%の顔料分散ペーストP−2〜P−10を製造した。
Figure 0006270118

尚、上記表中の配合量は、固形分(質量部)を表す。
(注1)シリカ:「サイリシア710」(商品名、富士シリシア化学社製、シリカ)
(注2)カルシウムイオン交換シリカ:「SHIELDEX C303」(商品名、W.R.Grace & Co.社製)、
(注3)マグネシウムイオン交換シリカ:濃度5質量%の塩化マグネシウム水溶液10000質量部中に10質量部の「サイリシア710」(富士シリシア化学(株)製、商品名、シリカ微粒子)を5時間攪拌混合した後、ろ過して固形分を取り出し、固形分をよく水洗し乾燥してマグネシウムイオン交換シリカを得た。
(注4)コバルトイオン交換シリカ:上記(注3)において、塩化マグネシウムを塩化コバルト(II)に置き換える以外は(注3)と同様にしてコバルトイオン交換シリカを得た。
(注5)ニッケルイオン交換シリカ:上記(注3)において、塩化マグネシウムを塩化ニッケル(II)にする以外は同様にしてニッケルイオン交換シリカを得た。
(注6)リチウムイオン交換シリカ:上記(注3)において、塩化マグネシウムを塩化リチウムにする以外は同様にしてリチウムイオン交換シリカを得た。
カチオン電着塗料組成物の製造
実施例1
製造例1で得たアミノ基含有エポキシ樹脂No.1溶液 83.8部(固形分67部)、製造例13で得たブロックイソシアネート化合物 35部(固形分28部)を混合し、さらに10%酢酸 13部を配合して均一に攪拌した後、脱イオン水を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下して固形分34%のエマルションを得た。
次に、上記エマルション 279.4部(樹脂固形分95部)、製造例14で得た固形分50%の顔料分散ペースト 63.6部(固形分31.8部、樹脂固形分5部、シリカ配合量3部)、脱イオン水を加え、固形分20%のカチオン電着塗料組成物Y−1を製造した。
実施例2〜21、比較例1〜2
下記表2で示す組成とする以外は、実施例1と同様に樹脂固形分が100部となるように配合を行い、カチオン電着塗料組成物を製造し、固形分20%のカチオン電着塗料組成物Y−2〜Y−23を製造した。
また、後述する方法で評価を行った。表2に、防食性、仕上がり性、下地敏感性の評価結果を示す。
Figure 0006270118
尚、上記表中の配合量は、固形分(質量部)を表す。
評価試験
<防食性>
化成処理(商品名、パルボンド#3020、日本パーカライジング社製、リン酸亜鉛処理剤)を施した冷延鋼板(150mm(縦)×70mm(横)×0.8mm(厚))を被塗物として、実施例及び比較例で得た各々のカチオン電着塗料を用いて乾燥膜厚17μmとなるように電着塗装し、170℃で20分間焼付け乾燥して試験板を得た。
続いて、上記試験板の素地に達するように塗膜にカッターナイフでクロスカット傷を入れ、これをJIS Z−2371に準じて、35℃ソルトスプレー試験を840時間行い、カット部からの片側での錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
評価は、A〜Cが合格であり、Dが不合格である。
A:錆及びフクレの最大幅がカット部より片側で2.0mm以下、
B:錆及びフクレの最大幅がカット部より片側で2.0を超え、かつ3.0mm以下、
C:錆及びフクレの最大幅がカット部より片側で3.0mmを超え、かつ3.5mm以下、
D:錆及びフクレの最大幅がカット部より片側で3.5mmを超える。
<仕上がり性>
化成処理(商品名、パルボンド#3020、日本パーカライジング社製、リン酸亜鉛処理剤)を施した冷延鋼板(150mm(縦)×70mm(横)×0.8mm(厚))を被塗物として、実施例及び比較例で得た各々のカチオン電着塗料を用いて乾燥膜厚17μmとなるように電着塗装し、170℃で20分間焼付け乾燥して試験板を得た。
続いて、上記試験板の塗面をサーフテスト301(商品名、株式会社ミツトヨ製、表面粗度計)を用いて、表面粗度値(Ra)をカットオフ0.8mmにて測定し、以下の基準で評価した。評価は、A〜Cが合格であり、Dが不合格である。
A:表面粗度値(Ra)が0.20未満、
B:表面粗度値(Ra)が0.20以上でかつ0.25未満、
C:表面粗度値(Ra)が0.25以上でかつ0.30未満、
D:表面粗度値(Ra)が0.30以上、を示す。
<下地敏感性>
化成処理(商品名、パルボンド#3020、日本パーカライジング社製、リン酸亜鉛処理剤)を施した冷延鋼板(150mm(縦)×70mm(横)×0.8mm(厚))の左半分(0.8mm×35mm×150mm)をサンドペーパー(#400)で研いだ。実施例及び比較例で得た各カチオン電着塗料を用いて、乾燥膜厚が17μmとなるように電着塗装を施し、170℃20分間焼付け乾燥して得られた塗膜における左半分と右半分の外観を観察した。評価は、A〜Cが合格であり、D及びEが不合格である。
A:左半分塗膜と右半分塗膜の外観の違いがなく、非常に良好である。
B:左半分塗膜と右半分塗膜の外観の違いが僅かにあるものの、良好である。
C:左半分塗膜と右半分塗膜の外観の違いがあるものの、電着塗膜上に乾燥膜厚20μmの上塗り塗料を塗装することで外観の違いがなくなる。
D:左半分塗膜と右半分塗膜の外観の違いが大きく、電着塗膜上に乾燥膜厚20μmの上塗り塗料を塗装しても僅かに外観の違いがある。
E:左半分塗膜と右半分塗膜の外観の違いが著しく大きく、電着塗膜上に乾燥膜厚20μmの上塗り塗料を塗装しても外観の違いが大きい。

Claims (8)

  1. アミノ基含有エポキシ樹脂(A)、ブロックイソシアネート化合物(B)並びに金属イオン交換シリカ(C)を含有するカチオン電着塗料組成物であって、アミン濃度が、0.75mol/kg以上、かつ0.90mol/kg未満であるアミノ基含有エポキシ樹脂(A)とブロックイソシアネート化合物(B)の固形分合計100質量部に対して、金属イオン交換シリカ(C)の含有量が、0.1〜100質量部であり、かつ金属イオン交換シリカ(C)の金属イオンが、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、リチウムイオンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするカチオン電着塗料組成物。
  2. アミノ基含有エポキシ樹脂(A)が、エポキシ樹脂(a1)及びアミノ基含有化合物(a2)を反応させることにより得られ、該エポキシ樹脂(a1)が、下記式(1)
    Figure 0006270118
    [式中、m+n個のR1は同一又は相異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、m及びnはそれぞれ0又は1〜20の整数であり且つm+nは1〜20である]
    で示されるジエポキシ化合物(a1−2)及び下記式(2)
    Figure 0006270118
    [式中、y個のR2は同一又は相異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、xは1〜9の整数であり、yは1〜50の整数である]
    で示されるジエポキシ化合物(a1−3)から選ばれる少なくとも1種のジエポキシ化合物(a1−1)と、必要に応じて、エポキシ当量が170〜500のエポキシ化合物並びに/若しくはポリフェノール化合物とを反応させることにより得られる少なくとも1種のエポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のカチオン電着塗料組成物。
  3. アミノ基含有エポキシ樹脂(A)が、エポキシ樹脂(a1)、アミノ基含有化合物(a2)、及び変性剤(a3)を反応させることにより得られる少なくとも1種のアミノ基含有エポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のカチオン電着塗料組成物。
  4. 変性剤(a3)が、少なくとも1種のキシレンホルムアルデヒド樹脂(a3−1)であることを特徴とする請求項に記載のカチオン電着塗料組成物。
  5. 変性剤(a3)が、少なくとも1種の脂肪酸(a3−2)であることを特徴とする請求項に記載のカチオン電着塗料組成物。
  6. アミン価が0.1〜200mgKOH/g、かつ重量平均分子量が2,000〜100,000の範囲であるアミノ基含有アクリル樹脂(D)を、樹脂固形分の総量100質量部に対して、1〜30質量部含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料組成物。
  7. 酸価が0.01〜100mgKOH/g、かつ数平均分子量が1,000〜10,000の範囲であるポリエステル樹脂(E)を、樹脂固形分の総量100質量部に対して、1〜30質量部含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料組成物を含有する電着塗料浴中に、金属被塗物を浸漬し電着塗装して得られた塗装物品。
JP2013258179A 2013-12-13 2013-12-13 カチオン電着塗料組成物 Active JP6270118B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013258179A JP6270118B2 (ja) 2013-12-13 2013-12-13 カチオン電着塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013258179A JP6270118B2 (ja) 2013-12-13 2013-12-13 カチオン電着塗料組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015113439A JP2015113439A (ja) 2015-06-22
JP6270118B2 true JP6270118B2 (ja) 2018-01-31

Family

ID=53527549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013258179A Active JP6270118B2 (ja) 2013-12-13 2013-12-13 カチオン電着塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6270118B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020166657A1 (ja) * 2019-02-15 2020-08-20 関西ペイント株式会社 カチオン電着塗料の塗装方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0275670A (ja) * 1988-09-12 1990-03-15 Kansai Paint Co Ltd 含窒素アルキド樹脂系カチオン電着塗料
JP5105789B2 (ja) * 2006-07-26 2012-12-26 関西ペイント株式会社 顔料分散ペーストおよびカチオン電着塗料
JP2009138126A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Nippon Paint Co Ltd カチオン電着塗料組成物およびその製造方法
JP5091102B2 (ja) * 2008-12-19 2012-12-05 日産自動車株式会社 カチオン電着塗料組成物及びそれを用いた電着塗装方法
JP2013203966A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Kansai Paint Co Ltd カチオン電着塗料組成物
JP6076187B2 (ja) * 2012-04-26 2017-02-08 関西ペイント株式会社 カチオン電着塗料組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015113439A (ja) 2015-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6076187B2 (ja) カチオン電着塗料組成物
JP5612252B2 (ja) カチオン電着塗料組成物
JP5441802B2 (ja) カチオン電着塗料組成物
JP5610785B2 (ja) カチオン電着塗料組成物
JP6058113B2 (ja) カチオン電着塗料組成物
WO2013008640A1 (ja) 塗料組成物及びそれを用いた塗膜形成方法
JP5110962B2 (ja) カチオン電着塗料組成物及び当該電着塗料を用いて塗装した物品
US8728626B2 (en) Method for forming coating film and coated article
JP5639729B1 (ja) カチオン電着塗料組成物
JP6012744B2 (ja) カチオン電着塗料組成物
JP2008266400A (ja) カチオン電着塗料組成物
JP6270118B2 (ja) カチオン電着塗料組成物
JP5105789B2 (ja) 顔料分散ペーストおよびカチオン電着塗料
JP5701442B1 (ja) カチオン電着塗料組成物
WO2012147437A1 (ja) カチオン電着塗料組成物
WO2016080483A1 (ja) 熱硬化性塗料組成物
JP6714752B1 (ja) カチオン電着塗料組成物
JP6461618B2 (ja) カチオン電着塗料組成物
JP5342135B2 (ja) カチオン電着塗料組成物及び当該電着塗料を用いて塗装した物品
JP5832709B2 (ja) カチオン電着塗料組成物
JP2008222751A (ja) カチオン電着塗料組成物
JP5697789B1 (ja) カチオン電着塗料組成物
JP5329814B2 (ja) カチオン電着塗料組成物及び当該電着塗料を用いて塗装した物品
JP2008308591A (ja) カチオン電着塗料組成物
JP2008239689A (ja) 顔料分散ペースト及びカチオン電着塗料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6270118

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250