JP6269920B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一方側の面が複数のレンズにより構成されるレンズ層であり、他方側の面が記録ヘッドにより記録が可能な記録層により構成された被記録媒体に記録を行う記録装置に関する。
被記録媒体に記録を行う記録装置の一例としてのプリンター、その中でも特にインクジェットプリンターでは、被記録媒体と記録ヘッドとが相対的に所定方向に移動する期間と前記所定方向とは逆方向に移動する期間との双方において記録ヘッドからインクを吐出させる双方向記録モードと、被記録媒体と記録ヘッドとが相対的に所定方向に移動する期間のみ記録ヘッドからインクを吐出させる単方向記録モードと、を選択可能なものがある(特許文献1参照)。
特開2011−240536号公報
ところで、レンチキュラーレンズを利用して、例えば記録された画像を立体的に見せたり(3D効果)、或いは見る角度を変えることにより異なる画像を見せたり(チェンジング効果)、或いは見る角度を少しずつ変えることにより画像に動きを与えたり(モーション効果)など、これら各種の視覚効果を得ることが可能な媒体は従来から知られている。
レンチキュラーレンズは、半円筒状の細長いレンズ要素を複数配列したレンズの集合体を言い、これを通して画像を見たとき、観察者の左右の眼にそれぞれ異なる画像を与えることで、上述の各種視覚効果が得られる。そしてこの様な視覚効果を得る為の画像の記録方法の一例として、レンチキュラーレンズの形成面と反対側の面がインク吸収層で構成された媒体の前記インク吸収層に対し、直接インクジェット記録を行う方法がある。
ここで、レンチキュラーレンズを備えた被記録媒体は、コシが強く、可撓性が通常の用紙に比べて低い為、曲率の大きい搬送経路では搬送できないなど、搬送経路に制約が生じる。しかしながら、例えば装置の前方から背面側に向けて、或いは背面側から前方に向けて、直線状に一方向に延びる搬送経路を形成すると、被記録媒体の給送側と排出側とが異なることとなり、記録を行う際のハンドリング性が低下する。
また、レンチキュラーレンズを備えた被記録媒体は、大判のシートから所望のサイズに裁断して作成されることがある。この場合、被記録媒体のエッジを形成するレンズが、完全な半円筒状に裁断されず、欠損状態となる場合がある。より具体的には、裁断位置がレンズ要素とレンズ要素の間の谷間にちょうど位置するときは、エッジを形成するレンズ要素は完全な半円筒形となる。しかしながら、裁断位置がレンズ要素の途中に位置する場合は、当該切断位置におけるレンズ要素は完全な半円筒形とならない。
したがって、この不完全な半円筒形のレンズ要素の切断面を基準位置として記録を開始すると、本来一つのレンズ要素に記録されるべき画像が隣接する他のレンズ要素に跨がって記録されてしまい、その結果上述の各種視覚効果が良好に得られなくなる。
そこで、レンチキュラーレンズを備えた被記録媒体に対し、簡易な方法により精度良く記録を行うことが望まれていた。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、ハンドリング性良好に、レンズを備えた被記録媒体に対して記録を行うことにあり、また更には、より簡易な方法により精度良く記録を行うことにある。
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様に係る記録装置は、第1の被記録媒体、及び当該第1の被記録媒体とは異なる種類の被記録媒体であって第1方向に延びるレンズが前記第1方向と直交する方向である第2方向に複数並列に配置されて成るレンズ層を有するシート状の第2の被記録媒体に対し記録を行う記録ヘッドと、記録が行われた前記第1の被記録媒体が排出される排出部と、前記記録ヘッドによる記録領域に対し前記排出部と同じ側に設けられた、記録開始前の前記第2の被記録媒体が載置される載置部と、を備え、前記第2の被記録媒体は、前記載置部から前記記録領域に搬送されて記録が行われ、前記載置部に向けて排出されることを特徴とする。
本態様によれば、レンズを有する第2の被記録媒体について記録を行う際、給送する側(上記載置部の設けられた側)と排出する側(上記第2の排出部が設けられた側)とが同じ側であるので、ハンドリング性良好に、レンズを有する第2の被記録媒体に対して記録を行うことができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記記録ヘッドを制御する制御手段は、前記第1の被記録媒体に記録を行う際に、前記第1の被記録媒体と前記記録ヘッドとが相対的に所定方向に移動する期間と前記所定方向とは逆方向に移動する期間との双方において前記記録ヘッドからインクを吐出させる双方向記録モードと、前記第1の被記録媒体と前記記録ヘッドとが相対的に所定方向に移動する期間のみ前記記録ヘッドからインクを吐出させる単方向記録モードと、のいずれかを選択し、前記制御手段は、前記第2の被記録媒体に記録を行う際に、前記第2の被記録媒体と前記記録ヘッドとが相対的に所定方向に移動する期間のみ前記記録ヘッドからインクを吐出させる単方向記録モードを選択するとともに、前記複数のレンズの各レンズに対応する画像を形成する様に前記記録ヘッドから前記第2の被記録媒体に向けてインクを吐出させる際、前記第2の被記録媒体において前記第2方向における一方側のエッジに設定された基準の側から、他方側のエッジに向かって記録を行う様に前記記録ヘッドを制御することを特徴とする。
本態様によれば、記録装置の制御手段は、第2の被記録媒体において前記第2方向における一方側のエッジに設定された基準の側から、他方側のエッジに向かって記録を行う様に前記記録ヘッドを制御するので、複雑な制御を行うことなく、簡易に精度良く各レンズに対して記録すべき画像を記録することができる。
尚、第2の被記録媒体において搬送方向と交差する方向における両エッジについて、一方側のエッジが他方側のエッジより精度良く形成された場合、当該精度良く形成されたエッジの側が、基準の側となる。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記第2の被記録媒体は、前記基準の側のエッジを形成するレンズの前記第2方向における幅が、当該エッジを形成するレンズに隣接するレンズの前記第2方向における幅に相当することを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記第1方向は、前記第2の被記録媒体の搬送方向であることを特徴とする。
また本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記記録ヘッドは、前記第2方向に移動しながら記録を行うことを特徴とする。
本発明の第6の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記第1方向は、前記第2の被記録媒体の搬送方向と直交する方向であることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記記録ヘッドは固定的に設けられ、前記第2の被記録媒体が搬送される過程において記録を行うことを特徴とする。
本発明の第8の態様は、第1から第7の態様のいずれかにおいて、前記記録ヘッドは、前記第2の被記録媒体の搬送方向に沿って所定の色材を吐出する複数の液体吐出孔が配置されて成るノズル列を有することを特徴とする。
本発明の第9の態様は、第1から第7の態様のいずれかにおいて、前記記録ヘッドは、前記第2の被記録媒体の搬送方向と直交する方向に沿って所定の色材を吐出する複数の液体吐出孔が配置されて成るノズル列を有することを特徴とする。
本発明の第10の態様は、第1から第9の態様のいずれかにおいて、前記基準とされたエッジを識別する、前記第2の被記録媒体に形成された識別マークを検出する検出手段を備え、前記制御手段は、前記検出手段による前記識別マークの検出に基づき、前記基準の側から他方側のエッジに向かって記録を行う様に前記記録ヘッドを制御することを特徴とする。
本態様によれば、第2の被記録媒体には識別マークが形成されており、記録装置はこの識別マークの検出に基づいて前記基準の側から他方側のエッジに向かって記録を行うので、記録装置内に第2の被記録媒体を送り込む際に前記基準の側がどの様な向きであっても、確実に前記基準の側から記録を開始することができる。
本発明の第11の態様は、第10の態様において、前記識別マークは、前記第2の被記録媒体の一の角部が切り欠かれた切り欠きであることを特徴とする。
本態様によれば、前記識別マークは、前記第2の被記録媒体の一の角部が切り欠かれた切り欠きであるので、前記識別マークを簡易且つ低コストに形成することができる。
本発明の第12の態様は、第1から第11の態様のいずれかにおいて、前記基準とされたエッジを識別する、前記第2の被記録媒体に形成された識別マークを検出する検出手段を備え、前記制御手段は、前記識別マークの検出に基づいた内容を前記表示部に表示させることを特徴とする。
本態様によれば、第2の被記録媒体には識別マークが形成されており、記録装置はこの識別マークの検出に基づいた内容を前記表示部に表示させるので、必要な処理をユーザーに促すことで、適切な記録を行うことができる。
本発明の第13の態様は、第1から第12の態様のいずれかにおいて、前記第2の被記録媒体を保持するトレイを搬送可能に構成され、前記第2の被記録媒体は、前記トレイに保持された状態で前記記録ヘッドにより記録が行われることを特徴とする。
本態様によれば、前記第2の被記録媒体を保持するトレイを搬送可能に構成され、前記第2の被記録媒体は、前記トレイに保持された状態で前記記録ヘッドにより記録が行われるので、前記第2の被記録媒体のサイズが小さい場合であっても、記録装置内の搬送経路を安定して搬送することができる。
本発明の第14の態様は、第1から第13の態様のいずれかにおいて、前記第2の被記録媒体の両端部領域に向けて前記記録ヘッドから吐出される液体の粒径は、前記両端部領域の間の領域に向けて吐出される液体の粒径より大きいことを特徴とする。
第2の被記録媒体の端部に余白なく記録を行う所謂縁なし記録を行う場合、第2の被記録媒体の端部から外れた領域に打ち捨てられる液体の一部がミストとなって浮遊し、第2の被記録媒体に付着して汚損したり、装置の構成要素に付着して悪影響を及ぼす虞がある。
そこで本態様においては、第2の被記録媒体の両端部領域に向けて吐出される液体の粒径を、前記両端部領域の間の領域に向けて吐出される液体の粒径より大きくした。これにより、第2の被記録媒体の端部から外れた領域に打ち捨てられる液体が落下し易くなり、液体がミストとなって浮遊することを抑制できる。
(A)は本発明に係る被記録媒体の一例としてのレンズシートをレンズ層側から見た平面図、(B)はレンズシートをインク吸収層側から見た平面図。 レンズシートをx−z平面で切断した断面図。 レンズシートのx方向における一方側端面をx−z平面で切断した断面図。 (A)、(B)、(C)はレンズシートにラベルシートを貼り付ける工程を示す図。 レンズシートに記録を行うプリンターの要部構成を示す斜視図。 プリンターの外観斜視図。 プリンターの制御部の構成を示すブロック図。 プリンターにおける媒体搬送経路を示す側断面図。 プリンターにおける搬送経路を示す側断面図。 レンズシート記録時の制御内容を示すフローチャート。 レンズシート、記録ヘッド、PWセンサー、のこれらの位置関係を示す図。 レンズシートに対して吐出するインク滴の大きさを模式的に示す図。 レンズシートを載置するトレイを示す平面図。 (A)、(B)は支持部材の他の実施形態を示す図。 (A)、(B)は支持部材の他の実施形態を示す図。 (A)、(B)は記録ヘッドの異なる実施形態を示す図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は、以下説明する実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることを前提として、以下本発明の一実施形態を説明するものとする。
図1(A)は本発明に係る被記録媒体の一例としてのレンズシート80をレンズ層83側から見た平面図、図1(B)はレンズシート80をインク吸収層86側から見た平面図、図2はレンズシート80をx−z平面で切断した断面図、図3はレンズシート80のx方向における一方側端面をx−z平面で切断した断面図、図4(A)、(B)、(C)はレンズシート80にラベルシート90を貼り付ける工程を示す図である。
図5はレンズシート80に記録を行う記録装置の一例であるインクジェットプリンター(以下「プリンター」)1の要部構成を示す斜視図、図6はプリンター1の外観斜視図、図7はプリンター1の制御部30の構成を示すブロック図、図8及び図9はプリンター1における媒体搬送経路を示す側断面図である。また図10はレンズシート80への記録時の制御内容を示すフローチャート、図11はレンズシート80、記録ヘッド9、PWセンサー27、のこれらの位置関係を示す図である。
尚、各図に示すx−y−z直交座標系は、x方向及びy方向が水平方向であり、このうちx方向は記録時における媒体幅方向(用紙搬送方向と直交する方向)となり、またプリンター1の装置左右方向でもある。またy方向は媒体搬送方向であり、またプリンター1の装置奥行き方向でもある。更に、z方向は重力方向であり、プリンター1の装置高さ方向でもある。図1〜図3のx−y−z座標系は、レンズシート80がプリンター1内で搬送される際の、当該レンズシート80の向きに対応している。尚、x方向は本発明の「第2方向」の一例であり、y方向は「第1方向」の一例である。
以下では、始めに本発明の被記録媒体の一実施形態に係るレンズシート80について図1〜図4を参照しつつ詳説し、次いで、図5以降を参照しつつ、レンズシート80に対してインクジェット記録を行う記録装置の一例としてのプリンター1の構成およびプリンター1によるレンズシート80への記録について説明する。
■■■1.レンズシート■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
レンズシート80は、断面が半円筒状であるとともにy方向に延びるレンズGk(kは1からnまでの整数)が、x方向に複数配置されて成る、レンチキュラーレンズであるレンズ層83と、レンズ層83により構成された面に対し反対側の面を構成する、記録層であるインク吸収層86と、を備えている。
レンズシート80は、全体として矩形を成し、一例としてハガキサイズに形成されている。尚、図1〜図4では、x方向の一方側エッジを符号81Aで示し、他方側エッジを符号81Bで示す。またy方向の一方側エッジを符号82Aで示し、他方側エッジを符号82Bで示し、四辺を構成する各辺(エッジ)を区別するものとする。
図2においてレンズ層83とインク吸収層86との間には、中間層として、レンズ層83からインク吸収層86に向かって順に接着層84とベース層85とが設けられ、これらの各層が、貼り合わせ(ラミネート)によって、全体の厚みが精密に制御されて積層されている。ラミネート方式は、全体の厚み管理が容易であるとともに、ロールからシートを繰り出してこれにインク吸収層を形成する方式に比してレンズ層83の厚みに依存せず、レンズ層83が厚い場合であっても各層を積層させることができる。
インク吸収層86に対して吐出された、液体の一例としてのインク滴は、インク吸収層86に付着してその中を浸透し、ベース層85との境界で定着され、画像を形成する。
図3の(1)〜(8)は、後述するプリンター1によってインクが吐出されて形成される画像の一例であり、一つのレンズGkに対して(1)〜(8)の異なる画像が形成される。この様に一つのレンズGkに対して複数の異なる画像が形成されることで、レンズ層83の側から見た際に右眼と左眼との間に視差を与え、3D効果やモーション効果などの所定の視覚効果を生じさせる。
ここで、インク吸収層86に対して吐出されたインクは、上述の通りインク吸収層86とベース層85との境界付近に定着する。これをレンズ層83の側から見る為に、レンズ層83、接着層84、ベース層85、のこれらは透明であり、ほぼ同じ屈折率である。
図3において符号rはレンズGkの曲率半径、fは焦点距離である。焦点距離fは、以下の式(A)により与えられる。
1/f=[n−1]×[(1/r)×(1/R)]・・・・(A)
ここで、nはレンズGkの屈折率、RはレンズGkの後面側(インク吸収層86側)の曲率半径である。
本実施例ではRは無限大であるので、式(A)は以下(A)’の様に変形できる。
f=r/(n−1)・・・・(A)’
図3において符号h4は、レンズ層83、接着層84、ベース層85、のこれらを合わせた厚みに相当する。符号h3は、レンズシート80の全体の厚みである。本実施例において厚みh4は、焦点距離fに相当する。即ち、ベース層85とインク吸収層86との間に焦点位置が設定されることから、インク吸収層86の側からインクが吐出されて形成された画像を、レンズ層83の側から良好に視認することができる。
レンズ層83はレンチキュラーレンズの機能を備える限り、材質は限定されないが、樹脂、例えばPET、PETG、APET、PP、PS、PVC、アクリル、UV硬化樹脂などを用いることができる。
インク吸収層86は、インクを吸収・定着できる組成であれば特に限定されないが、例えば、アクリル系、ウレタン系等の吸水性の樹脂が挙げられる。
ベース層85は、レンズシート80全体に対し適度な剛性(コシ)を与えるとともに、光透過率の高いものであれば、材質は限定されないが、樹脂、例えばPET、PETG、APET、PP、PS、PVC、アクリルなどを用いることができる。
接着層84は、ベース層85とレンズ層83とを良好に接着できるとともに、光透過率の高いものであれば、材質は限定されないが、本実施例では高透明性の両面テープを用いる。両面テープは、基材があってもなくても良く、例えばアクリル系粘着材のみによって構成された両面テープを用いることができる。
尚、インク吸収層86の表面に、インク透過層を設けても良い。即ち、インクジェット記録方法によって吐出されたインク滴が、インク透過層に付着し、その中を浸透してインク吸収層86に至る様に構成しても良い。
このインク透過層は、インク吸収層86にインク滴を導く機能を有する限り、その材質は特に限定されないが、好ましくは水非吸収性の多孔質構造を有する材料が好適である。
また、インク吸収層86または上記インク透過層のいずれかまたは両方を非透明とすることで、背景が白色の被記録媒体とすることができる。
各層の具体的な実施例として、レンズピッチ(図2、図3の寸法W1)は、60lpi(lens
per inch)である。また、レンズ層83の厚みは0.43mm、屈折率は0.1575である。また、接着層84は厚み0.25mmである。またベース層85は厚み0.10mmである。またインク吸収層86は厚み0.025mmである。
尚、以上説明したレンズシート80を構成する層、材質、厚み、屈折率、レンズGkの形状、ピッチなどは一例であり、本発明がこれに限定されないことは言うまでもない。
続いて、レンズシート80は、x方向の一方側エッジ81Aと他方側エッジ81Bとが非対称に形成されている。具体的には、エッジ81Bは一部が切り欠かれており(符号87で示す部分)これによりエッジ81Aとエッジ81Bは非対称の形態を成している。この切り欠き部87が目印(識別マーク)となり、後に説明するプリンター1により記録を行う際に、一方側端面即ち基準とすべき端面(本実施例ではエッジ81A)を適正な方向に合わせる際、それを容易に且つ確実に行うことができ、その結果より確実に良好な記録結果を得ることができる。
尚、切り欠き部87は一例としてx方向及びy方向に対し45°の角度を成す様に、所謂「C面状」に形成されているが、これに限定されず、「R面状」に形成されていても良いし、その他種々の形態を採用し得る。即ち、基準となるエッジ81Aがいずれの側であるかをユーザーが識別できるものであれば、どのような形状、位置、大きさでも良い。
次いで図4(A)〜(C)を参照しつつラベルシート90について説明する。ラベルシート90はレンズシート80の記録面、即ちインク吸収層86を保護する為に、インク吸収層86に対して貼り付ける。
より詳しくは、ラベルシート90は基材91の一方側の面に接着層を有し、当該接着層に剥離シート92、93が貼り付けられた状態となっている(図4(A))。
剥離シート92は剥離シート93より長さが短く形成されており、ラベルシート90をレンズシート80に貼り付ける場合、先ず長さの短い剥離シート92を剥がして接着層を露出させる。次いで、露出させた接着層をレンズシート80のインク吸収層86に対向させ、密着はさせずに、軽く重ねた状態にして下部のエッジ82Aを机などの平らな面に当て、即ちエッジ82Aを基準にしてラベルシート90をレンズシート80に対して位置合わせする(図4(B))。
次いで、剥離シート92を剥がすことで接着層が露出した領域を指で挟み、図4(B)においてラベルシート90とレンズシート80の上部領域を接着させて、両者の位置を固定する。次いで、図4(B)において下側の剥離シート93を剥がして残りの接着層を露出させ、既に貼り合わせた上部領域と同様に指で挟み、ラベルシート90をレンズシート80に対して完全に貼り合わせる。
以上の様にしてラベルシート90をレンズシート80に貼り付けることで、位置ずれなく容易にラベルシート90をレンズシート80に貼り付けることができる。
尚、ラベルシート90は4つの角部がいずれも切り欠かれておらず、レンズシート80に貼り合わせた際にラベルシート90の角部がレンズシート80の切り欠き部87から突出しない様に、ラベルシート90の長さL2はレンズシート80の長さL1よりも短く、且つ、ラベルシート90の幅M2がレンズシート80の幅M1よりも短く形成されている。
続いて、レンズシート80のx方向一方側のエッジ81Aと他方側のエッジ81Bについて説明する。レンズシート80のx方向一方側のエッジ81Aにおけるレンズ層83の厚みは、図2において符号h1で表されており、また当該エッジ81Aを形成するレンズG1の幅は符号w1で表されている。同様に、他方側のエッジ81Bにおけるレンズ層83の厚みは、図2において符号h2で表されており、また当該エッジ81Bを形成するレンズGnの幅は符号w2で表されている。
レンズシート80を形成(裁断)する裁断装置、およびその裁断刃は図示を省略するが、本発明において隣り合うレンズGkの谷間にちょうど合う位置に裁断刃が入る様に精密に管理されて、裁断が行われた際の裁断面が、エッジ81Aとなる。他方側のエッジ81Bは、裁断位置が厳密に管理されないで裁断された際の切断面である。
従って、エッジ81Aにおけるレンズ層83の厚みh1はエッジ81Bにおけるレンズ層83の厚みh2より薄い。尚、レンズ層83を除く他の各層の厚みは均一であるので、エッジ81Aの全体の厚みは、エッジ81Bの全体の厚みより薄いこととなる。
また、エッジ81Aを形成するレンズG1の幅w1は、他方側のエッジ81Bを形成するレンズGnの幅w2より広く、レンズG1の幅w1は、当該レンズG1に隣接するレンズG2の幅(w1)に相当する。尚、端部以外のその他のレンズGkの幅はw1である。
即ち、一方側のエッジ81Aを形成する際の裁断位置を精密に管理すれば足り、他方側のエッジ81Bを形成する際の裁断位置を厳密に管理する必要が無い。従って裁断装置の複雑化とコストアップを抑えることができ、ひいてはレンズシート80のコストアップを防止することができる。
そして、このレンズシート80について、精密に切断されて形成されたエッジ81Aを基準にして記録を行えば、一つのレンズGkに記録されるべき画像が隣接する他のレンズに跨がって記録されてしまうことを防止できる。即ち、図3の例では(1)〜(8)の画像を、全て正確にレンズG1に収めることができ、良好な視覚効果を得ることができる。尚、レンズシート80へのインクジェット記録については後に、詳説する。
以上説明したようにレンズシート80は、第1方向としてのy方向に延びるレンズGkが、第1方向と直交する方向である第2方向としてのx方向に複数並列に配置されて成るレンズ層83と、レンズ層83により構成された面に対し反対側の面を構成するインク吸収層86とを備え、レンズ層83のx方向における一方側端面であるエッジ81Aを形成するレンズ(G1)の幅は、当該一方側端面を形成するレンズ(G1)に隣接するレンズ(G2)の幅(W1)に相当する。
換言すれば、一方側端面であるエッジ81Aの厚みは、他方側端面であるエッジ81Bの厚みよりも薄い。更に換言すれば、エッジ81Aを形成するレンズG1の幅W1は、エッジ81Bを形成するレンズGnの幅W2より広い。
尚、「エッジ81Aを形成するレンズG1の幅が、隣接するレンズG2の幅に相当する」とは、必ずしもレンズG1の幅とレンズG2の幅とが完全に同一であることのみを意味するものではなく、多少の寸法誤差をも含み、レンズG1の幅とレンズG2の幅とがほぼ同一であることを意味する。
以上により、レンズシート80を形成するに際し、一方側のエッジ81Aを形成する際の裁断位置を精密に管理すれば足り、他方側のエッジ81Bを形成する際の裁断位置を厳密に管理する必要が無く、レンズシート80の大幅なコストアップを防止することができる。
尚、上記本実施形態に係るレンズシート80の特徴に任意的に付加することのできる特徴として、レンズシート80を、全体が矩形を成すとともに、x方向またはy方向の一方側エッジと他方側エッジとが非対称の形態を成す様に形成することができる。即ち、基準となるエッジ81Aを識別する為に、上記実施例では切り欠き部87を形成し、エッジ81Aとエッジ81Bとが非対称の形態を成す様に形成している。
これにより、レンズシート80に記録を行う際に(レンズシート80をトレイ4にセットする際に)基準とすべきエッジ81Aを適正な方向に合わせる際、それを容易に且つ確実に行うことができ、その結果より確実に良好な記録結果を得ることができる。
また、レンズ層83とインク吸収層86との間に、層同士を接着させる接着層84を設けることができる。
また、接着層84とインク吸収層86との間にベース層85を設けることができる。
また、レンズ層83側からの入射光に対する焦点距離fが、レンズ層83、接着層84、ベース層85、のこれらを合わせた厚みh4に相当する様に形成することができる。これにより、インク吸収層86の側からインクが吐出されて形成された画像を、レンズ層83の側から良好に視認することができる。
■■■2.プリンター構成及びレンズシートへの記録■■■■■■■■■■■■■■■
以下、図5以降をも参照しつつプリンター1の構成及びレンズシート80への記録について詳説する。
===プリンター構成===
本実施形態に係るプリンター1は、複数種類の被記録媒体に対して記録を行う。本実施例では、上述したレンズを有しない、「第1の被記録媒体」としての、普通紙や専用紙等の単票紙と、「第2の被記録媒体」としての、レンズシート80に対して記録を行う。尚、以下では上記「第1の被記録媒体」を適宜「用紙P」と言うこととする。また、レンズシート80と用紙Pを特に区別する必要の無い場合には、これらを総称して適宜「媒体」と言うこととする。
図5において符号9は液体の一例としてのインクを媒体に対して吐出するインクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」)を示している。記録ヘッド9はキャリッジ7の底部に設けられ、キャリッジ7は、x方向に延びるキャリッジガイド軸15にガイドされながらx方向に往復動する。
キャリッジ7はインクカートリッジ8A、8B、8C、8D、のこれらを着脱自在に備えており、各インクカートリッジ8A〜8Dから、記録ヘッド9へとインクが供給される。インクカートリッジ8A〜8Dは、異なる色のインク、例えばマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色に対応する。
符号10はキャリッジ7の駆動源となるモーター(以下「CRモーター」と言う)であり、符号11はCRモーター10の駆動軸に取り付けられる駆動プーリーを示している。符号12は従動回転可能な従動プーリーを示しており、駆動プーリー11及び従動プーリー12には無端ベルト13が係回されている。キャリッジ7は無端ベルト13の一部に固定され、以上によりCRモーター10の駆動軸が回転すると無端ベルト13が稼働し、キャリッジ7がx方向に移動する。
符号14はキャップであり、キャリッジ7がキャップ14の上部に移動することでキャップ14が記録ヘッド9をキャップし、インクを吐出するノズル開口(不図示)の乾燥が防止され、或いはノズル開口からのインク吸引等のメンテナンスが行われる。尚、プリンター1ではキャリッジ7の往復動領域においてキャップ14が設けられた側(x−側)がホームポジション側である。
符号28はリニアスケールであるが、これについては後に説明する。
次に、図6に示す様にプリンター1は筐体2によって装置外観が構成されている。符号2aは筐体2の周囲を構成する面のうち前面(以下「装置前面」)を示し、符号2bは上面(以下「装置上面」)を示し、符号2cは背面(以下「装置背面」)を示している。
装置上面2bには、装置奥行方向において装置前面2a寄りの位置、また、装置手前側から見て右側の位置には、操作部3が設けられている。操作部3は電源ボタンや各種印刷設定ボタン等からなる操作ボタン類3a、及び設定内容や装置の状態等の各種内容を示す表示部3bを備えて成る。
装置前面には「排出部」としての排紙口2dが形成されており、当該排紙口2dから、記録の行われた用紙P及びレンズシート80を排出する。装置背面2cには開口部は形成されていない。図6、図8、図9において矢印Aは装置背面2cから装置前面2aに向かう方向であり、矢印Bはその反対方向、即ち装置前面2aから装置背面2cに向かう方向である。
符号4は記録が行われてA方向に排出される用紙Pを受けるトレイを示している。トレイ4は、本実施例では記録開始前のレンズシート80を載置する載置部を兼用する。トレイ4は、本実施例では水平に設けられたトレイである。トレイ4にはx方向に所定の間隔を空けて、エッジガイド4a、4bが設けられている。
本実施例では、媒体は幅方向中央基準で給送及び搬送される。エッジガイド4a、4bは、媒体サイズに合わせて、媒体幅方向(x方向)に同期してスライドする様に設けられている。また、後述する、媒体を搬送する各ローラー類は幅方向中央を基準とし左右対称に配置されており、媒体の幅方向中心に対して左右均等にローラー荷重が掛かり、これによりスキューの防止が図られている。
次に、本実施例では、用紙Pは後述する用紙カセット18から給送され、記録が行われ、トレイ4に向けてA方向に排出され、トレイ4に支持される。レンズシート80は、載置部として機能するトレイ4からB方向に送り出され、記録が行われ、A方向に排出され、再びトレイ4に支持される。
尚、トレイ4に設けられたエッジガイド4a、4bは、本実施例では専ら記録前(及び記録後)のレンズシート80のエッジをガイドするが、可撓性の低い(撓み難い)厚手の用紙Pなどを、レンズシート80と同様に、トレイ4からB方向に送り出し、記録を行い、再びトレイ4に向けてA方向に排出しても良い。
また、トレイ4が排出された用紙Pを支持する場合、エッジガイド4a、4bの上流側部分は傾斜面に形成されているので、排出される用紙Pはエッジガイド4a、4bを乗り越えることができる。尚、トレイ4に用紙Pを排出する際、エッジガイド4a、4bを、用紙幅より外側に退避させても良い。
続いてプリンター1の媒体搬送経路について図8及び図9を参照しつつ説明する。装置底部には用紙Pを収容する用紙カセット18が設けられている。用紙カセット18に収容された用紙Pに対して給送ローラー20が進退可能に設けられており、給送ローラー20の回転により用紙Pが装置背面側方向に送り出され、湾曲反転させられて、媒体搬送手段を構成する第1駆動ローラー22と第1従動ローラー23に到達する。図8において破線Ptは、用紙Pの搬送軌跡を示している。
用紙Pは、回転駆動される第1駆動ローラー22と、従動回転する第1従動ローラー23にニップされて、記録ヘッド9と対向する位置(記録領域)に搬送される。符号21は、媒体を支持する支持部材である。また符号21aは、支持部材21に形成された、媒体を支持するリブである。リブ21aは、y方向に延びるとともに、x方向に適宜の間隔を空けて複数設けられている。
記録ヘッド9に対し装置前面2a側には、記録の行われた用紙Pをトレイ4に向けて搬送する、媒体搬送手段を構成する第2駆動ローラー24と第2従動ローラー25とが設けられている。用紙Pは、回転駆動される第2駆動ローラー24と、従動回転する第2従動ローラー25にニップされて、トレイ4に向けてA方向に排出される。
一方、レンズシート80は、図9に示す様にトレイ4から第2駆動ローラー24と従動回転する第2従動ローラー25とにニップされて記録ヘッド9と対向する位置に送られ、記録が行われる。そして第2駆動ローラー24と第2従動ローラー25とにニップされて、トレイ4に向けてA方向に排出される。
以上の通り、プリンター1においては、レンズシート80は、載置部としてのトレイ4から、記録ヘッド9と対向する領域(記録領域)に搬送され、記録が行われ、トレイ4に向けて排出される。尚、記録が行われる際のレンズシート80の搬送方向は、図9のA方向であっても良いし、その反対方向であるB方向であっても良い。
尚、記録が行われる際のレンズシート80の搬送方向がA方向の場合において、レンズシート80の後端が第1駆動ローラー22と第1従動ローラー23との間から外れる際、両ローラー間からシート後端が押し出されることで一時的に搬送量が増える現象(蹴飛ばし)が発生し、記録品質が低下する場合がある。しかしながら、レンズシート80のレンズGkの延在方向とシート搬送方向とは平行であるので、上記蹴飛ばしが発生しても、図3の各画像(1)〜(8)の各レンズGkへの位置決めに対しては影響がなく、良好な記録結果が得られる。
次いで、各種の制御を行う制御手段としての制御部30およびその周辺構成について図7を参照しつつ説明する。キャリッジ7の背面側には、キャリッジ速度を検出する手段を構成するリニアセンサー29が設けられている。リニアセンサー29は、発光部(不図示)と受光部(不図示)とを備えて成り、x方向に沿って延びるリニアスケール28(図5も参照)を、発光部と受光部とで挟み込むように設けられている。キャリッジ7の移動に伴い、リニアセンサー29はリニアスケール28に多数形成されたスリットの通過に伴う矩形波信号を制御部30へ送信し、これにより制御部30は、キャリッジ7のx方向における位置、及び速度を検知できる様になっている。
次に、上述した第1駆動ローラー22、第2駆動ローラー24、給送ローラー20、のこれらはPFモーター42により駆動される。このうち、PFモーター42により回転駆動される駆動対象、即ち上記ローラー或いは上記ローラーに対し動力を伝達する歯車やプーリー等のうち少なくとも一つに、回転検出手段を構成する、円盤状のロータリースケール(不図示)が設けられ、このロータリースケールをロータリーエンコーダー43が読み取る。尚、符号39はPFモーター42を制御するPFモータードライバーである。
PFモーター42の回転に伴い、ロータリーエンコーダー43はロータリースケールに多数形成されたスリットの通過に伴う矩形波信号を制御部30へ送信し、これにより制御部30は、PFモーター42により駆動される各種駆動対象の回転量、及び回転速度を検知できる様になっている。
キャリッジ7の下面、即ち媒体と対向可能な面には媒体を検出する手段としてのPWセンサー27が設けられている。PWセンサー27は、図7の拡大図に示す様に媒体に対して発光する発光部27aと、媒体からの反射光を受光する受光部27bとを備えている。PWセンサー27は支持部材21と対向し、支持部材21の上面は媒体とは反射率が異なる為、受光部27bの受光強度を示す信号が制御部30に送出されると、制御部30は、媒体の有無、媒体のエッジ(y方向エッジ、x方向エッジ)位置、媒体表面の反射率などを検知できる様になっている。
続いて制御部30のシステムバスには、RAM32、ROM33、ASIC31、CPU35、EEPROM(不揮発性メモリ)34、のこれらが接続されている。CPU35には、ASIC31を介してロータリーエンコーダー43、リニアエンコーダー29、操作部3、などからの出力信号が入力される。CPU35は、各センサーやスイッチ類の出力信号等に基づいて、プリンター1の記録制御を実行するための演算処理やその他必要な演算処理を行う。
ROM33には、CPU35によるプリンター1の制御に必要な記録制御プログラム(ファームウェア)等が格納されており、記録制御プログラムの処理に必要な各種データ等がEEPROM34に記憶されている。RAM32は、CPU35の作業領域や記録データ等の一時格納領域として用いられる。
ASIC31は、DCモーターであるPFモーター42及びCRモーター10の回転制御並びに記録ヘッド9の駆動制御を行う為の制御回路を有している。このうち符号37はCRモーター10の回転制御を行うCR制御部であり、CR制御部37は、リニアエンコーダー29から出力されるパルス信号(パルス周期)に基づいて、現在のキャリッジ7の速度を演算するとともに、この速度が、予め決められた速度プロファイルに沿ったものとなるように、微小な時間(制御ステップ。PID制御周期とも言う)毎に、CRモーター10の駆動をPID制御(フィードバック制御)する。尚、符号40はCRモーター10を制御するCRモータードライバーである。
PF制御部38も同様に、ロータリーエンコーダー43から出力されるパルス信号(パルス周期)に基づいて、現在の各駆動対象の回転速度(回転量に比例する値)を演算するとともに、この速度が、予め決められた速度プロファイルに沿ったものとなるように、PFモーター42の駆動をPID制御(フィードバック制御)する。
また、ASIC31は、CPU35から送出される記録データ等に基づいて、記録ヘッド9の制御信号を演算生成してヘッドドライバー41へ送出して記録ヘッド9を駆動制御する。更にASIC31は、情報処理装置としての外部コンピューター100等との情報伝送を実現するIF36を有している。
===レンズシート記録時の制御===
以上がプリンター1の構成であり、次いで図10及びその他の図を参照しつつ、レンズシート80に記録を行う際の制御について説明する。
レンズシート80がトレイ4に載置され、シート先端が第2駆動ローラー24第2従動ローラー25との間に所定量差し込まれた状態でユーザー操作により記録の実行が指示されると、レンズシート80が記録ヘッド9と対向する位置にまで送られる。
次いでPWセンサー27により、レンズシート80を全幅方向(x方向)に横切る様にセンシングする(ステップS101)。このセンシングにより、先ずレンズシート80からの反射光により記録ヘッド9と対向する上面がインク吸収層86であるか否かを判断する。その結果、上面がインク吸収層86でない場合(ステップS102においてNo)には、表示部3bにアラート表示を出し(ステップS109)、ユーザーに対しレンズシート80の表裏を反転させる様に促す。尚、反射光強度はインク吸収層86に比してレンズ層83が高い。
次いで、レンズシート80において記録ヘッド9と対向する上面がインク吸収層86であると判断できる場合(ステップS102においてYes)、センシングにより得られた用紙幅が適正か否かを判断する(ステップS103)。即ち、レンズシート80のセットの向きが縦方向か横方向かを判断し、そのセットの向きが今回の印刷内容を示すドライバ情報に照らして適正か否かを判断する。その結果、レンズシート80が適正な向きにセットされていないと判断できる場合には(ステップS103においてNo)、表示部3bにアラート表示を出し(ステップS109)、ユーザーに対しレンズシート80を適正にセットする様に促す。
尚、レンズシート80には、図1に示した様な、シートの縦方向(長さの長い方向)に沿ってレンズGkが延在するシートの他、シートの横方向(長さの短い方向)に沿ってレンズGkが延在するタイプのシートもある。いずれの場合でも、シート搬送方向とレンズ延在方向とは平行となる為、後者のタイプの場合、図1に示したレンズシート80とは異なり用紙セットの向きが異なる。従ってステップS103によるシートセット向きの検出は、同じシートにおけるセットの向きの間違いを防止するのみならず、シート種類の間違いをも防止できる。
レンズシート80が適正な向きにセットされていると判断できる場合には(ステップS103においてYes)、切り欠き部87の検出を行う(ステップS104)。この切り欠き部87の検出は、例えばエッジ81A、81Bのエッジ位置をy方向に沿って順次センシングすることで検出する。
ここで、本実施例においてレンズシート80の適切なセットの向きは、図6に示す様にキャリッジ7のホームポジション側にエッジ81A(基準となるエッジ)が位置し、その反対側に切り欠き部87が形成されたエッジ81Bが位置する向きである。
切り欠き部87が検出された結果、切り欠き部87がホームポジション側に位置する場合、即ちレンズシート80が適正な向きにセットされていないと判断できる場合には(ステップS105においてNo)、表示部3bにアラート表示を出し(ステップS109)、ユーザーに対しレンズシート80を適正にセットする様に促す。切り欠き部87がホームポジションとは反対側に位置する場合、即ちレンズシート80が適正な向きにセットされていると判断できる場合には(ステップS105においてYes)、レンズシート80の傾き検出を行う(ステップS106)。
レンズシート80の傾き検出は、レンズシート80のエッジ81A〜81Dのうち少なくとも一つのエッジについて、エッジ方向に沿った少なくとも2点のエッジ位置を検出することで、x−y平面内でのレンズシート80の傾きを算出することができる。尚、ステップS104の切り欠き部センシングにおいて既に所定のエッジのエッジ位置を2点以上検出している場合には、それを用いてレンズシート80の傾きを算出しても良い。
レンズシート80の傾きが予め定められた許容値を超えている場合(ステップS107においてNo)、表示部3bにアラート表示を出し(ステップS109)、ユーザーに対しレンズシート80のセットのやり直しを促す。レンズシート80の傾きが予め定められた許容値以下である場合(ステップS107においてYes)、レンズシート80への記録を実行する(ステップS108)。レンズシート80への記録は、キャリッジ7の移動動作に伴う記録ヘッド9からのインク吐出と、レンズシート80の所定量の送り動作と、を交互に実行して行う。
尚、ステップS109のアラート表示の後にユーザー操作によりリトライ指示が出された場合には(ステップS110においてYes)、再度ステップS101から処理を行う。リトライ指示が出されない場合(印刷中止処理の場合)には、処理を終了する(ステップS110においてNo)。
以上がレンズシート80に対する記録動作の流れの一例であり、以下、記録動作における本発明の特徴について説明する。
先ず、制御部30は、媒体と記録ヘッド9とが相対的に所定方向に移動する期間と前記所定方向とは逆方向に移動する期間との双方において記録ヘッド9からインクを吐出させる双方向記録モードと、媒体と記録ヘッド9とが相対的に所定方向に移動する期間のみ記録ヘッド9からインクを吐出させる単方向記録モードと、を基本的に実行可能である。普通紙や専用紙等の、レンズを有しない用紙Pを媒体とした場合には上記2つの記録モードを選択可能であり、各記録モードは、印刷画質、印刷速度等のドライバ情報に基づいて印刷ジョブ毎に選択される。
これに対し、レンズシート80に記録を行う場合、単方向記録モードのみが選択される。
尚、普通紙や専用紙等の、レンズを有しない用紙Pを媒体とした場合の、双方向記録モード及び単方向記録モードにおける上記「所定方向」とは、キャリッジ7のホームポジション側からその反対方向へ向けた移動方向であっても良いし、その逆方向であっても良い。
レンズシート80を媒体とした場合の、単方向記録モードにおける上記「所定方向」についても、基本的にはキャリッジ7のホームポジション側からその反対方向へ向けた移動方向であっても良いし、その逆方向であっても良いが、レンズシート80に対しては、以下の通り移動方向が制限される。
即ち、本発明に係るプリンター1の制御部30は、複数のレンズGkの各レンズに対応する画像を形成する様に記録ヘッド9からインクを吐出させる際、搬送方向と交差する方向であるx方向における一方側のエッジに設定された基準の側から、他方側のエッジに向かって記録を行う様に記録ヘッド9を制御する。
図3及び図11においてSk(kは1以上の整数)は、記録ヘッド9によるインク吐出時のパス(走査)とその方向を示している。図示する様に、制御部30は精密に切断されて形成されたエッジ81Aを基準にして記録を行う。
即ち、パスSkは全て、基準側であるエッジ81Aから、他方側のエッジ81Bに向けて行われ、図3の例では画像(1)から(8)の順に形成される。他方側のエッジ81Bから基準側のエッジ81Aに向けてキャリッジ7が移動するときは、インクの吐出は行われない。
つまり、本実施例において「媒体と記録ヘッド9とが相対的に所定方向に移動する期間のみ記録ヘッド9からインクを吐出させる単方向記録モード」における、「所定方向」とは、基準側のエッジ81Aから他方側のエッジ81Bに記録ヘッド9が移動する方向である。
エッジ81Aは、上述の通りレンズGkの谷間位置で精度良く切断されて形成されたエッジであり、従ってエッジ81Aを基準にして記録を行うことで、一つのレンズGkに記録されるべき画像(1)〜(8)が隣接する他のレンズに跨がって記録されてしまうことを防止でき、良好な視覚効果を得ることができる。
また、基準側であるエッジ81Aから他方側のエッジ81Bに向かって記録を行う事で精度良く記録を行うことができる為、複雑な制御を行うことなく、簡易に精度良く各レンズに対して記録すべき画像を記録することができる。
尚、制御部30はパスSkの前にパスRk(kは1以上の整数)を行う。即ち記録動作開始時、記録ヘッド及びPWセンサーはそれぞれ図11において符号9’、27’で示す位置(基準となるエッジ81Aに対し反対側)にあり、この位置から記録ヘッド及びPWセンサーが符号9、27で示す位置(基準となるエッジ81Aの側)に移動する際に(パスR1)、PWセンサー27を用いて基準側となるエッジ81Aの位置を検出し、検出したエッジ位置を、次のパス(パスS1)の記録開始位置として設定する。
以降、同様にパスRkにおいてエッジ81Aの位置を検出し、検出されたエッジ位置を、次のパスSkの記録開始位置として設定する。これにより、レンズシート80が多少傾いていても、精度よく記録を行うことができる。
尚、本実施例においてPWセンサー27は、記録ヘッド9に対しx方向ではホームポジション側とは反対側(図11において右側)、y方向ではA方向寄りの位置(図11において上側)に設けられている。しかしながらこれは一例であり、その他の位置に設けられていても良い。
尚、レンズシート80に記録を行う場合、インク吐出時(パスSk)のキャリッジ7(記録ヘッド9)の移動速度を、普通紙等の用紙Pに記録を行う際のキャリッジ7(記録ヘッド9)の移動速度よりも低速としても良い。これにより、各レンズGkに対し精度良くインク滴を着弾させることができる。
また、エッジ検出時のパスRkの際のキャリッジ7の移動速度も同様に、普通紙等の用紙Pに記録を行う際のキャリッジ7(記録ヘッド9)の移動速度よりも低速としても良い。これにより、基準となるエッジ81Aのエッジ位置を、精度良く検出することができる。また更に、同様の理由により、エッジ検出時のパスRkの際のキャリッジ7の移動速度を、インク吐出時のパスSkの際のキャリッジ7の移動速度よりも低速としても良い。尚、エッジ検出時のパスRkの際のキャリッジ7の移動速度は、エッジ81Aを横切る前後のみ上記の様に低速とし、その他の領域は高速としても良い。これにより、スループットの低下を抑えつつ、基準となるエッジ81Aのエッジ位置を、精度良く検出することができる。
また、図10に示した制御では、ステップS104の切り欠き部87の検出の結果、基準となるエッジ81Aの向きが適正でない場合には、ユーザーに対しレンズシート80のセットのやり直しを促したが、切り欠き部87の検出によって基準となるエッジ81Aがいずれの側であるか(ホームポジション側であるか、或いはその反対側であるか)が判明するので、切り欠き部87の検出結果に基づいて、判明したエッジ81Aの側から記録を行う様に制御しても良い。
■■■3.その他の実施例■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
以下、上述の実施例に、更に任意的に付加することのできる特徴(1)〜(5)を図12以降を参照しつつ説明する。図12はレンズシート80に対して吐出するインク滴の大きさを模式的に示す図、図13はレンズシート80を載置するトレイ95を示す平面図、図14(A)、(B)及び図15(A)、(B)は支持部材の他の実施形態を示す図である。また、図16は記録ヘッドの異なる実施形態を示す図である。
===(1)===
図12に示す様に、レンズシート80の両端部領域に向けて記録ヘッド9から吐出されるインクDbの粒径を、両端部領域の間の領域に向けて吐出されるインクDsの粒径より大きくすることができる。
即ち、レンズシート80の端部に余白なく記録を行う所謂縁なし記録を行う場合、レンズシート80の端部から外れた領域に打ち捨てられるインクの一部がミストとなって浮遊し、レンズシート80に再付着して汚損したり、装置の構成要素に付着して悪影響を及ぼす虞がある。尚、ここでのレンズシート80の端部とは、幅方向(x方向)の端部及び搬送方向(y方向)端部の少なくともいずれかを意味するものである。
そこで、上述のようにレンズシート80の両端部領域に向けて記録ヘッド9から吐出されるインクDbの粒径を、両端部領域の間の領域に向けて吐出されるインクDsの粒径より大きくすることで、レンズシート80の端部から外れた領域に打ち捨てられるインクDbが落下し易くなり、ミストとなって浮遊することを抑制できる。
===(2)===
図13に示す様に、レンズシート80をトレイ95にセットし、当該トレイ95にセットした状態でプリンター内を搬送し、記録を行っても良い。
図13において符号95bはレンズシート80の外形状に対応した形状に形成された凹部を示している。この凹部95bは、レンズシート80の切り欠き部87に対応した位置に切り欠き部95cを有している。
また凹部95bは、レンズシート80の厚みに対応した深さに形成され、レンズシート80が凹部95bにセットされた状態でトレイ95の上面95aとインク吸収層86の上面とが面一となるように構成されている。
以上のようにレンズシート80がトレイ95に保持された状態で記録ヘッド9により記録を行う構成にあっては、レンズシート80のサイズが小さい場合であっても、プリンター1の搬送経路を安定して搬送することができる。
===(3)===
図14(A)、(B)及び図15(A)、(B)に示す様に、エッジガイド4a’、4b’の変位に連動してリブ21bが上下し、レンズシート80の両エッジをガイドする様に構成しても良い。尚、トレイ4と支持部材21’はz方向(高さ方向)において略同じ位置に設けられているが、説明の便宜上、図14及び図15ではトレイ4と支持部材21’とを(A)、(B)の2つの図に分けて説明する。但し、(A)、(B)の2つの図においてx方向の位置は一致している。
支持部材21’においてx方向に沿って適宜の間隔で複数設けられたリブのうち、符号21aで示すリブは固定的に設けられ、符号21bで示すリブは、高さ方向にスライド変位可能に設けられている。レンズシート80と異なる幅の用紙Pに記録を行う場合、リブ21a、21bは、図14に示す様にその頂部が同じ高さ位置にある。
レンズシート80を載置するトレイ4においてx方向にスライド変位可能に設けられたエッジガイド4a’、4b’には、それぞれカム4cが連結されている。カム4cはリブ21bの下部においてx方向にスライド変位可能に設けられており、図14及び図15では図示を省略する、トレイ4の下側から支持部材21’の下側にまで延びるリンクロッドにより、エッジガイド4a’、4b’と連結されている。
図14の状態から、レンズシート80に記録を行う為にエッジガイド4a’、4b’をレンズシート80のエッジ位置にスライド変位させると、図15に示す様にカム4cがリブ21bの下端部21cと係合し、リブ21bを上方に押し上げる。
これにより、リブ21bはレンズシート80の両側をガイド可能となる。
即ち、トレイ4に設けられたエッジガイド4a’、4b’に加え、リブ21b、21bがレンズシート80のエッジをガイドする為、特に記録実行中にレンズシート80を適切に位置決めすることができ、良好な記録結果を得ることができる。
===(4)===
上記実施例においては、プリンター1は記録ヘッド9が図16(A)に示す様にx方向に移動しながら記録を行う、シリアル式のプリンターであるが、図16(B)に示す様に、用紙幅方向全体をカバーする大きさを有すると共に固定的に設けられた記録ヘッド9’を備えたラインヘッド式のプリンターであっても良い。
尚、図16(A)においてx方向に移動しながらインクを吐出する記録ヘッド9は、レンズシート80の搬送方向に沿って複数のインク吐出孔が配置されて成るノズル列9aが、x方向に沿って所定の間隔を空けて複数設けられている。即ちノズル列9aの延びる方向とレンズGkの延在方向とは平行である。また、ノズル列9aの延びる方向とレンズシート80の搬送方向とは平行である。尚、一つの(一列の)ノズル列9aは、所定の色材(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのうちの一色)を吐出するノズル列である。
これに対し図6(B)に示す記録ヘッド9’は、レンズシート80の搬送方向と直交する方向に沿って複数のインク吐出孔が配置されて成るノズル列9aを、レンズシート80の搬送方向に沿って所定の間隔を空けて複数備えているが、レンズGkの延在方向はx方向であり、基準となるエッジ81Aを先端にして搬送する。この実施例における単方向記録モードは、上述した実施例とは異なり、記録ヘッドではなく媒体が移動することによって、媒体と記録ヘッドとが相対的に移動する。
尚、図16(A)において、ノズル列9aの延びる方向とレンズGkの延在方向とが交差(例えば、直交)していても良い。また、図16(B)においてノズル列9aの延びる方向とレンズGkの延在方向とが交差(例えば、直交)していても良い。
===(5)===
記録ヘッド9から吐出する液体として、レンズシート80のインク吸収層86に対しインクを吐出した後の当該インク吸収層86を保護するコーティング剤や、画像を形成した後のインク吸収層86に対し例えば宛名などを印刷する為の下地を形成する白色インクなどを追加することができる。
この場合、装置背面のトレイ4からレンズシート80を送り出し、A方向に搬送する過程において画像を形成する為のインク吐出を行い、その後、B方向に搬送する過程において上記コーティング剤吐出或いは白色インク吐出などの、後工程処理を行っても良い。
更に、以上説明した各構成要素について、開示した内容に限定されないことは言うまでもなく、適宜変更可能であることは言うまでもない。
例えば、レンズシート80のレンズ層83はレンチキュラーレンズを用いるものとしたが、フライアレイレンズなど、複数のレンズ体が並列に配置されて成る他のレンズ層であっても良い。
加えて、本実施形態ではキャリッジ7にインクカートリッジ8A〜8Dを搭載する、所謂オンキャリッジタイプであるが、インクカートリッジ8A〜8Dがキャリッジ7から独立して設けられ、インクカートリッジ8A〜8Dと記録ヘッド9とがインクチューブで接続された、所謂オフキャリッジタイプであっても良い。その場合、インク収容部としてのインクカートリッジ8A〜8Dは、筐体2の内側に設けても、筐体2の外側に設けても、いずれであっても良い。
1 インクジェットプリンター、2 筐体、2a 前面、2b 上面、2c 背面、2d 排紙口、3 操作パネル、3a 操作部、3b 表示部、4 トレイ、4a、4b エッジガイド、7 キャリッジ、8A〜8D インクカートリッジ、9 インクジェット記録ヘッド、10 CRモーター、11 駆動プーリー、12 従動プーリー、13 無端ベルト、14 キャップ、15 キャリッジガイド軸、18 用紙カセット、20 給送ローラー、21 支持部材、21a、21b リブ、22 第1駆動ローラー、23 第1従動ローラー、24 第2駆動ローラー、25 第2従動ローラー、27 PWセンサー、27a 発光部、27b 受光部、28 リニアスケール、29 リニアエンコーダー、30 制御部、31 ASIC、32 RAM、33 ROM、34 EEPROM、35 CPU、36 IF、37 CR制御部、38 PF制御部、39 PFモータードライバ−、40 CRモータードライバ−、41 ヘッドドライバー、42 PFモーター、43 ロータリーエンコーダー、80 レンズシート、81A エッジ(基準側)、81B エッジ、82A エッジ、82B エッジ、83 レンズ層、84 接着層、85 ベース層、86 吸収層、87 切り欠き部、90 ラベルシート、91 基材、92 剥離シート、93 剥離シート、95 トレイ、95a 上面、95b 凹部、95c 切り欠き部、100 外部コンピューター、P 記録用紙

Claims (13)

  1. 第1の被記録媒体、及び当該第1の被記録媒体とは異なる種類の被記録媒体であって第1方向に延びるレンズが前記第1方向と直交する方向である第2方向に複数並列に配置されて成るレンズ層を有するシート状の第2の被記録媒体に対し記録を行う記録ヘッドと、
    記録が行われた前記第1の被記録媒体が排出される排出部と、
    前記記録ヘッドによる記録領域に対し前記排出部と同じ側に設けられた、記録開始前の前記第2の被記録媒体が載置される載置部と、を備え、
    前記第2の被記録媒体が、前記載置部から前記記録領域に搬送されて記録が行われ、前記載置部に向けて排出される構成を備え、
    前記記録ヘッドを制御する制御手段は、前記第1の被記録媒体に記録を行う際に、前記第1の被記録媒体と前記記録ヘッドとが相対的に所定方向に移動する期間と前記所定方向とは逆方向に移動する期間との双方において前記記録ヘッドからインクを吐出させる双方向記録モードと、
    前記第1の被記録媒体と前記記録ヘッドとが相対的に所定方向に移動する期間のみ前記記録ヘッドからインクを吐出させる単方向記録モードと、のいずれかを選択し、
    前記制御手段は、前記第2の被記録媒体に記録を行う際に、前記第2の被記録媒体と前記記録ヘッドとが相対的に所定方向に移動する期間のみ前記記録ヘッドからインクを吐出させる単方向記録モードを選択するとともに、
    前記複数のレンズの各レンズに対応する画像を形成する様に前記記録ヘッドから前記第2の被記録媒体に向けてインクを吐出させる際、前記第2の被記録媒体において前記第2方向における一方側のエッジに設定された基準の側から、他方側のエッジに向かって記録を行う様に前記記録ヘッドを制御する、
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 請求項に記載の記録装置において、前記第2の被記録媒体は、前記基準の側のエッジを形成するレンズの前記第2方向における幅が、当該エッジを形成するレンズに隣接するレンズの前記第2方向における幅に相当する、
    ことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の記録装置において、前記基準とされたエッジを識別する、前記第2の被記録媒体に形成された識別マークを検出する検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記検出手段による前記識別マークの検出に基づき、前記基準の側から他方側のエッジに向かって記録を行う様に前記記録ヘッドを制御する、
    ことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項に記載の記録装置において、前記識別マークは、前記第2の被記録媒体の一の角部が切り欠かれた切り欠きである、
    ことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の記録装置において、前記基準とされたエッジを識別する、前記第2の被記録媒体に形成された識別マークを検出する検出手段と、
    情報を表示する表示部と、を備え、
    前記制御手段は、前記識別マークの検出に基づいた内容を前記表示部に表示させる、
    ことを特徴とする記録装置。
  6. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の記録装置において、前記第1方向は、前記第2の被記録媒体の搬送方向である、
    ことを特徴とする記録装置。
  7. 請求項に記載の記録装置において、前記記録ヘッドは、前記第2方向に移動しながら記録を行う、
    ことを特徴とする記録装置。
  8. 第1の被記録媒体、及び当該第1の被記録媒体とは異なる種類の被記録媒体であって第1方向に延びるレンズが前記第1方向と直交する方向である第2方向に複数並列に配置されて成るレンズ層を有するシート状の第2の被記録媒体に対し記録を行う記録ヘッドと、
    記録が行われた前記第1の被記録媒体が排出される排出部と、
    前記記録ヘッドによる記録領域に対し前記排出部と同じ側に設けられた、記録開始前の前記第2の被記録媒体が載置される載置部と、を備え、
    前記第2の被記録媒体が、前記載置部から前記記録領域に搬送されて記録が行われ、前記載置部に向けて排出される構成を備え、
    前記第1方向は、前記第2の被記録媒体の搬送方向と直交する方向である、
    ことを特徴とする記録装置。
  9. 請求項に記載の記録装置において、前記記録ヘッドは固定的に設けられ、前記第2の被記録媒体が搬送される過程において記録を行う、
    ことを特徴とする記録装置。
  10. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の記録装置において、前記記録ヘッドは、前記第2の被記録媒体の搬送方向に沿って所定の色材を吐出する複数の液体吐出孔が配置されて成るノズル列を有する、
    ことを特徴とする記録装置。
  11. 第1の被記録媒体、及び当該第1の被記録媒体とは異なる種類の被記録媒体であって第1方向に延びるレンズが前記第1方向と直交する方向である第2方向に複数並列に配置されて成るレンズ層を有するシート状の第2の被記録媒体に対し記録を行う記録ヘッドと、
    記録が行われた前記第1の被記録媒体が排出される排出部と、
    前記記録ヘッドによる記録領域に対し前記排出部と同じ側に設けられた、記録開始前の前記第2の被記録媒体が載置される載置部と、を備え、
    前記第2の被記録媒体が、前記載置部から前記記録領域に搬送されて記録が行われ、前記載置部に向けて排出される構成を備え、
    前記記録ヘッドは、前記第2の被記録媒体の搬送方向と直交する方向に沿って所定の色材を吐出する複数の液体吐出孔が配置されて成るノズル列を有する、
    ことを特徴とする記録装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の記録装置において、前記第2の被記録媒体を保持するトレイを搬送可能に構成され、
    前記第2の被記録媒体は、前記トレイに保持された状態で前記記録ヘッドにより記録が行われる、
    ことを特徴とする記録装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の記録装置において、前記第2の被記録媒体の両端部領域に向けて前記記録ヘッドから吐出される液体の粒径は、前記両端部領域の間の領域に向けて吐出される液体の粒径より大きい、
    ことを特徴とする記録装置。
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