JP6269707B2 - 樹脂粒子分散液、樹脂粒子分散液の製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像剤、画像形成方法、及び、画像形成装置 - Google Patents

樹脂粒子分散液、樹脂粒子分散液の製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像剤、画像形成方法、及び、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂粒子分散液、樹脂粒子分散液の製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像剤、画像形成方法、及び、画像形成装置に関する。
特許文献1には、少なくとも1つのポリエステル樹脂と可塑剤とを接触させ、予備混合した混合物を作成することと;前記予備混合した混合物を中和剤で中和することと;前記予備混合した混合物と界面活性剤とを接触させることと;押出機中で、前記予備混合した混合物を溶融混合することと;押出機中で、前記溶融混合した混合物を複数間隔に分けて脱イオン水と接触させ、ラテックス粒子を含む水中油エマルションを作成することと;前記ラテックス粒子を連続的に回収することとを含む、プロセスが開示されている。
特許文献2には、スチレンアクリル樹脂と、一分子のグリセロールの3つの水酸基のうち、少なくとも一つの水酸基が置換若しくは無置換の炭素数11以上21以下のアルキル基を持つアルキルモノカルボン酸でエステル化されたアシルグリセロールであって、同一の炭素数のアルキル基を持つアルキルモノカルボン酸でエステル化されたものが全体の95質量%以上で含まれるアシルグリセロールと、を含むトナー粒子と外添剤と、を有する静電荷像現像用トナーが開示されている。
特許5687139号公報 特開2015−81954号公報
本発明が解決しようとする課題は、樹脂粒子に含まれる不純物が少なく、かつ、樹脂粒子の粒度分布に優れた樹脂粒子分散液、及びその製造方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、転写性に優れた静電荷像現像用トナー、及びその製造方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>〜<7>に記載の手段により解決された。
<1> ポリエステル樹脂と、塩基性物質と、界面活性剤と、アシルグリセロールとを含む樹脂粒子が分散し、前記アシルグリセロールが、アルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸のモノ、ジ、又は、トリエステル化合物であることを特徴とする樹脂粒子分散液、
<2> ポリエステル樹脂と、塩基性物質と、界面活性剤と、アシルグリセロールとを混合して混合物を得る混合工程、及び、前記混合物と水系媒体とを乳化分散し樹脂粒子分散液を得る乳化工程を含み、前記アシルグリセロールが、アルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸のモノ、ジ、又は、トリエステル化合物であることを特徴とする樹脂粒子分散液の製造方法、
<3> ポリエステル樹脂と、アシルグリセロールとを含むトナー母粒子を含み、前記アシルグリセロールが、アルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸のモノ、ジ、又は、トリエステル化合物であることを特徴とする静電荷像現像用トナー、
<4> <2>に記載の樹脂粒子分散液の製造方法により得られた樹脂粒子分散液中で、樹脂粒子を凝集させ、凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、前記凝集粒子が分散した凝集粒子分散液を加熱し、前記凝集粒子を融合・合一してトナー粒子を形成する、融合・合一工程を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法、
<5> <3>に記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含む、静電荷像現像剤、
<6> 像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記トナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着工程、を含み、前記現像剤として、<3>に記載の静電荷像現像用トナー、又は、<5>に記載の静電荷像現像剤を用いる画像形成方法、
<7> 像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記像保持体を露光して前記像保持体表面に静電潜像を形成させる露光手段と、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記像保持体から被転写体表面に転写する転写手段と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤として、<3>に記載の静電荷像現像用トナー、又は、<5>に記載の静電荷像現像剤を備えた画像形成装置。
上記<1>に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、樹脂粒子に含まれる不純物量の少ない樹脂粒子分散液が提供される。
上記<2>に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、樹脂粒子に含まれる不純物量の少ない樹脂粒子分散液が提供される。
上記<3>に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、転写性に優れた静電荷像現像用トナーが提供される。
上記<4>に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、転写性に優れた静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
上記<5>に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、転写性に優れた静電荷像現像剤が提供される。
上記<6>に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、転写性に優れた画像形成方法が提供される。
上記<7>に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、転写性に優れた画像形成装置が提供される。
本実施形態に用いられる二軸押出機の好適な一例を示す模式図である。 本実施形態に用いられるニーダーの好適な一例を示す模式図である。 本実施形態に好適に使用される画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に好適に使用されるプロセスカートリッジの一例を示す概略構成
以下に、本実施形態について説明する。
なお、本実施形態において、「A〜B」との記載は、AからBの間の範囲だけでなく、その両端であるA及びBも含む範囲を表す。例えば、「A〜B」が数値範囲であれば、「A以上B以下」又は「B以上A以下」を表す。
また、「質量%」及び「質量部」は、それぞれ「重量%」及び「重量部」と同義である。
(樹脂粒子分散液)
本実施形態の樹脂粒子分散液は、ポリエステル樹脂と、塩基性物質と、界面活性剤と、アシルグリセロールとを含む樹脂粒子が分散し、前記アシルグリセロールが、アルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸のモノ、ジ、又は、トリエステル化合物であることを特徴とする。
また、本実施形態の樹脂粒子分散液は、後述する本実施形態の樹脂粒子分散液の製造方法により得られることが好ましい。
本実施形態の樹脂粒子分散液は、静電荷像現像用トナー製造用樹脂粒子分散液として好適に用いられる。
<樹脂粒子>
本実施形態の樹脂粒子分散液が含有する樹脂粒子は、ポリエステル樹脂と、塩基性物質と、界面活性剤と、アシルグリセロールとを含む。
以下、上記樹脂粒子が含有する各成分の詳細について説明する。
〔ポリエステル樹脂〕
本実施形態における樹脂粒子に含まれるポリエステル樹脂としては、樹脂粒子分散液の製造時に、混合物を得る際に使用される公知のポリエステル樹脂であれば特に限定されず、特に静電画像現像用トナー製造用の樹脂粒子分散液の製造時に、混合物を得る際に使用される公知のポリエステル樹脂であれば、好適に使用可能である。樹脂としては、カルボン酸基(カルボキシル基)やスルホン酸基等の酸基を有する樹脂であることが好ましく、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂であることが更に好ましい。
上記態様であると、乳化工程における水系媒体への分散がより容易である。
また、本実施形態に用いられるポリエステル樹脂は、非結晶性ポリエステル樹脂及び/又は結晶性ポリエステル樹脂のいずれでもよく、各々単独で乳化分散してもよく、混合してもよい。更に、本実施形態に用いられるポリエステル樹脂は、静電荷像現像用トナー用結着樹脂であることが好ましい。
また、本実施形態に用いられるポリエステル樹脂は、重縮合性単量体としてポリカルボン酸とポリオールと含む組成物を用いて得られた重縮合樹脂であることが好ましい。
本実施形態に用いることのできる重縮合性単量体としては、例えば、多価カルボン酸、ポリオール、ヒドロキシカルボン酸、又は、それらの混合物が挙げられる。特に、重縮合性単量体としては、多価カルボン酸とポリオールと更にはこれらのエステル化合物(オリゴマー及び/又はプレポリマー)であることが好ましく、直接エステル反応、又は、エステル交換反応を経て、ポリエステル樹脂を得るものが好ましい。
本実施形態において、上記重縮合樹脂は、重縮合性単量体、それらのオリゴマー及びプレポリマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種を重縮合して得られるが、これらの中でも重縮合性単量体を使用することが好ましい。
多価カルボン酸は、1分子中にカルボキシル基を2個以上含有する化合物である。このうち、ジカルボン酸は1分子中にカルボキシル基を2個含有する化合物であり、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−カルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、マロン酸、ピメリン酸、スペリン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレン二酢酸、o−フェニレン二酢酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸、イタコン酸、グルタコン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸等、更にまたこれらの低級エステルなどが挙げられる。更にまた、これらの酸ハロゲン化物、酸無水物も用いられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、低級エステルとは、エステルのアルコキシ部分の炭素数が1〜8であることを示す。具体的には、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル及びイソブチルエステル等が挙げられる。
ポリオールは、1分子中に水酸基を2個以上含有する化合物である。このうち、ジオールは1分子中に水酸基を2個含有する化合物であり、具体的には例えば、ジオールとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、ポリテトラメチレングリコール、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及び、これと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
また、水分散性を容易にするため、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸等が例示される。
三価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミン、ソルビトール、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、上記三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、これらの重縮合性単量体の組み合わせにより非結晶性樹脂や結晶性樹脂を容易に得ることができる。
また、ヒドロキシカルボン酸を用いることもできる。前記ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸、ヒドロキシデカン酸、ヒドロキシウンデカン酸、リンゴ酸、酒石酸、粘液酸、クエン酸等を挙げることができる。
また、重縮合性単量体を重縮合して得られるポリエステル樹脂の重量平均分子量は、10,000〜150,000が好ましく、16,000〜120,000がより好ましい。また、単量体のカルボン酸価数、アルコール価数の選択などによって一部枝分かれや架橋などを有していてもよい。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー(株)製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー(株)製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cn)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出する。
また、得られるポリエステル樹脂の酸価は、1mg・KOH/g以上50mg・KOH/g以下であることが好ましい。この第一の理由は、高画質トナーとして実用に供するためには、水系媒体中でのトナーの粒径、分布の制御が必要不可欠であり、酸価が1mg・KOH/g以上であると、造粒工程において、十分な粒径及び分布が達成でき、更にトナーに使用した場合、十分な帯電性を得られることである。また重縮合されるポリエステルの酸価が50mg・KOH/g以下であると、重縮合の際トナーとして画質強度を得るための十分な分子量を得られ、また、トナーの高湿度下での帯電性の環境依存も小さく、画像信頼性に優れる。
酸価の測定方法としては、特に制限はないが、JIS K0070に従い測定することが好ましい。
非結晶性ポリエステル樹脂を使用する場合、該非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgは、50℃〜80℃であることが好ましく、50℃〜65℃であることがより好ましい。Tgが50℃以上であると、高温度域での樹脂自体の凝集力が良好であるため、定着の際のホットオフセット性に優れる。また、Tgが80℃以下であると、十分な溶融が得られず、最低定着温度が上昇しにくい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度とは、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値をいう。
〔その他の樹脂〕
本実施形態における樹脂粒子は、ポリエステル樹脂以外のその他の樹脂を更に含んでもよい。
その他の樹脂としては、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂などが挙げられる。
本実施形態に用いられる樹脂粒子において、ポリエステル樹脂、及び、その他の樹脂をまとめて結着樹脂ともいい、結着樹脂の全質量とは、ポリエステル樹脂、及び、その他の樹脂の合計質量をいう。
樹脂粒子がその他の樹脂を含む場合、ポリエステル樹脂の含有量は、結着樹脂の全質量に対し、60質量%以上であることが好ましい。
また、結着樹脂の含有量としては、例えば,樹脂粒子の全質量に対し、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上90質量%以下が更に好ましい。
〔塩基性物質〕
本実施形態における樹脂粒子に含まれる塩基性物質としては、樹脂粒子分散液の製造時に、混合物を得る際に使用される公知の塩基性物質であれば特に限定されず、特に静電画像現像用トナー製造用の樹脂粒子分散液の製造時に、混合物を得る際に使用される公知の塩基性物質であれば、好適に使用可能であるが、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、又は、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の酸化物若しくは水酸化物等が挙げられる。中でも、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、アルカリ金属の水酸化物がより好ましく、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムが更に好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
本実施形態に用いられる樹脂粒子における塩基性物質の含有量は、結着樹脂の全質量に対し、0.01〜2質量%であることが好ましく、0.05〜1質量%であることがより好ましい。上記範囲であると、乳化分散性により優れ、また、トナーの転写性により優れる。
本実施形態に用いられる樹脂粒子は、上記塩基性物質を、1種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
〔界面活性剤〕
本実施形態における樹脂粒子に含まれる界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び、ノニオン性界面活性剤の各種界面活性剤が挙げられる。中でも、アニオン性界面活性剤が好ましく、硫酸エステル型又はスルホン酸型のアニオン性界面活性剤がより好ましく、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムが特に好ましい。
なお、後述するアシルグリセロールに該当する化合物は、界面活性剤には含まないものとする。
アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤としては、特に制限なく、公知のアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び/又は、ノニオン性界面活性剤を使用することが可能である。
本実施形態に用いられる樹脂粒子における界面活性剤の含有量は、結着樹脂の全質量に対し、1〜10質量%であることが好ましく、1.5〜15質量%であることがより好ましい。上記範囲であると、乳化分散性により優れ、また、トナーの転写性により優れる。
本実施形態に用いられる樹脂粒子は、上記界面活性剤を、1種単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
〔アシルグリセロール〕
本実施形態における樹脂粒子に含まれるアシルグリセロールは、アルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸のモノ、ジ、又は、トリエステル化合物であり、アルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸のジ、又は、トリエステル化合物であることが好ましく、アルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸のトリエステル化合物であることがより好ましい。
アシルグリセロールがアルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸のモノエステル化合物であるとは、グリセリンの3つの水酸基のうち、1つの水酸基が炭素数11〜21のアルキルモノカルボン酸とエステル結合を形成した構造の化合物をいい、グリセリンの他の2つの水酸基は、水酸基のままであってもよいし、アルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸以外のカルボン酸とエステル結合を形成していてもよく、いずれも水酸基であることが好ましい。
また、上記アルキルモノカルボン酸のアルキル基の炭素数は、11〜21であり、11〜21であることが好ましく、11〜17であることがより好ましい。上記態様によれば、含まれる不純物量がより少ない樹脂粒子が得られる。
上記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、環構造を含んでいてもよいが、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。
また、上記アルキル基は、置換基を有していてもよいが、無置換のアルキル基であることが好ましい。
アシルグリセロールとして、具体的には、下記式(AG)に記載の化合物が好ましい。
Figure 0006269707
式(AG)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は、下記式(Ac)で表される基を表し、3つのRのうち少なくとも1つは、下記式(Ac)で表される基を表す。
Figure 0006269707
式(Ac)中、Raは炭素数11〜21のアルキル基を表す。
式(AG)中、3つのRのうち少なくとも2つが、式(Ac)で表される基であることが好ましく、3つのRの全てが式(Ac)で表される基であることがより好ましい。
式(Ac)中、Raは炭素数11〜21のアルキル基であることが好ましく、炭素数11〜17のアルキル基であることがより好ましい。上記態様によれば、含まれる不純物量がより少ない樹脂粒子が得られる。
上記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれでもよいが、直鎖状、又は、分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。
また、上記アルキル基は、置換基を有していてもよいが、無置換のアルキル基であることが好ましい。
直鎖状のアルキル基としては、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−ステアリル、n−ノナデシル、n−エイコシル、n−ヘンエイコシル、n−ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基としては、イソドデシル、s−ドデシル、t−ドデシル、トリデシル、s−トリデシル、t−トリデシル、イソテトラデシル、s−イソテトラデシル、t−イソテトラデシル、イソペンタデシル、s−ペンタデシル、t−ペンタデシル、ヘキシルデシル、イソヘキサデシル、s−ヘキサデシル、t−ヘキサデシル、イソヘプタデシル、s−ヘプタデシル、t−ヘプタデシル、イソステアリル、s−ステアリル、t−ステアリル、イソノナデシル、s−ノナデシル、t−ノナデシル、イソイコシル、s−イコシル、t−イコシル、イソエイコシル、s−エイコシル、t−エイコシル、イソヘンイコシル、s−ヘンイコシル、t−ヘンイコシル、イソドコシル、s−ドコシル、t−ドコシル等が挙げられる。
アシルグリセロールの具体例としては、特に限定されないが、トリパルミチングリセロール、ジパルミチングリセロール、モノパルミチングリセロール、トリラウリングリセロール、ジラウリングリセロール、モノラウリングリセロール、トリミリスチングリセロール、ジミリスチングリセロール、モノミリスチングリセロール、トリステアリングリセロール、ジステアリングリセロール、モノステアリングリセロール、トリベヘニングリセロール、ジベヘニングリセロール、モノベヘニングリセロール等が挙げられる。
本実施形態に用いられる樹脂粒子におけるアシルグリセロールの含有量は、結着樹脂の全質量に対し、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。上記態様であると、樹脂粒子分散液中の樹脂粒子の粒度分布が狭く、得られる樹脂粒子からアルカリ金属イオン等のアルカリ金属元素をより除去することができ、また、樹脂粒子分散液を使用して製造されたトナーの転写性により優れる。
〔その他の成分〕
本実施形態における樹脂粒子は、その他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤などが挙げられるが、これに限定されない。
〔樹脂粒子の特性等〕
樹脂粒子の体積平均粒径としては、10〜500nmが好ましく、20〜300nmがより好ましい。
また、樹脂粒子分散液中の樹脂粒子の体積平均粒度分布は1.00〜1.35であることが好ましく、1.10〜1.30であることがより好ましく、1.10〜1.25であることが更に好ましい。
得られた樹脂粒子分散液中の粒子の体積平均粒径及び体積平均粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定機(LA−700、(株)堀場製作所製)を用いて測定される樹脂粒子分散液の粒度分布をもとにして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積を小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径とし、累積16%となる粒径を体積D16v、累積84%となる粒径を体積D84vと定義して、体積平均粒度分布(GSDv)を(D84v/D16v1/2として求めることが可能である。
<分散媒>
本実施形態の樹脂粒子分散液は、上記樹脂粒子が分散媒に分散された分散液である。
分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、及び、アルコール類等が挙げられ、蒸留水及びイオン交換水等の水が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記乳化工程における水系媒体の使用量としては、特に制限はないが、得られる樹脂粒子分散液の固形分濃度に応じて、適宜選択すればよい。
<樹脂粒子分散液の特性>
〔固形分濃度〕
得られる樹脂粒子分散液の固形分濃度は、必要に応じ適宜選択すればよいが、1〜60質量であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましく、10〜50質量%であることが更に好ましい。
(樹脂粒子分散液の製造方法)
本実施形態の樹脂粒子分散液の製造方法は、ポリエステル樹脂と、塩基性物質と、界面活性剤と、アシルグリセロールとを混合して混合物を得る混合工程、及び、前記混合物と水系媒体とを乳化分散し樹脂粒子分散液を得る乳化工程を含み、前記アシルグリセロールが、アルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸のモノ、ジ、又は、トリエステル化合物であることを特徴とする。
また、本実施形態の樹脂粒子分散液の製造方法により得られた樹脂粒子分散液は、静電荷像現像用トナー製造用樹脂粒子分散液として好適に用いられる。
従来の製造方法によれば、樹脂の乳化分散時に使用する塩基性物質や界面活性剤などに由来するイオン等の状態のアルカリ金属元素等の不純物が樹脂粒子分散液中の樹脂粒子中に多く残留する。
本発明者は、このようなアルカリ金属元素等の不純物が多く残留する樹脂粒子を静電荷像現像用トナーの原料に用いた場合に、静電荷像現像用トナーの転写性が悪化するといった課題が生じることを見出した。
しかしながら、本発明者が詳細な検討を行ったところ、詳細なメカニズムは不明であるが、混合工程中において特定のアシルグリセロールを混合することにより、樹脂の溶融粘度が下がることで塩基性物質使用量を少なくした場合においても、乳化分散性が悪化することなく、樹脂粒子中のアルカリ金属元素等の不純物量が少なくなることを見出した。
また、本実施形態の樹脂粒子分散液の製造方法により得られた樹脂粒子分散液を静電荷像現像用トナーの原料に用いることにより、転写性に優れた静電荷像現像用トナーが得られることを本発明者は見出した。
以下、本実施形態の樹脂粒子分散液が含む各工程について詳述する。
<混合工程>
本実施形態の樹脂粒子分散液の製造方法は、ポリエステル樹脂と、塩基性物質と、界面活性剤と、アシルグリセロールとを混合して混合物を得る混合工程を含む。
上記混合工程においては、上述のポリエステル樹脂以外のその他の樹脂等、その他の成分を更に混合してもよい。
混合工程においてその他の樹脂を使用する場合、ポリエステル樹脂の使用量は、結着樹脂の全質量に対し、60質量%以上であることが好ましい。
なお、本実施形態における混合工程において、使用されるポリエステル樹脂、及び、その他の樹脂をまとめて結着樹脂ともいい、結着樹脂の全質量とは、使用されるポリエステル樹脂、及び、その他の樹脂の合計質量をいう。
上記混合工程において使用されるポリエステル樹脂、その他の樹脂、塩基性物質、界面活性剤、及び、アシルグリセロールは、上述した本実施形態の樹脂粒子分散液における樹脂粒子に含まれるポリエステル樹脂、その他の樹脂、塩基性物質、界面活性剤、及び、アシルグリセロールとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
前記混合工程における塩基性物質の使用量は、結着樹脂の全質量に対し、0.01〜2質量%であることが好ましく、0.05〜1質量%であることがより好ましい。上記範囲であると、乳化分散性により優れ、また、トナーの転写性により優れる。
前記混合工程における界面活性剤の使用量は、結着樹脂の全質量に対し、1〜10質量%であることが好ましく、1.5〜15質量%であることがより好ましい。上記範囲であると、乳化分散性により優れ、また、トナーの転写性により優れる。
前記混合工程においては、結着樹脂と塩基性物質と界面活性剤とを有機溶剤を用いずに混合することが好ましい。なお、本実施形態における「有機溶剤」は、結着樹脂を溶かす有機溶剤であり、アルコール等の水系媒体以外の有機溶剤である。
前記混合工程におけるアシルグリセロールの使用量は、使用される結着樹脂の全質量に対して0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。上記態様であると、樹脂粒子分散液中の樹脂粒子の粒度分布が狭く、より不純物の含有量が少ない樹脂粒子分散液が得られ、また、トナーの転写性により優れる。
また、前記混合工程において、アシルグリセロールは、溶媒に溶解させて添加してもよいし、固体粉末状で添加してもよいが、固体粉末状で添加することが好ましい。上記態様であると、アシルグリセロールが混合物中に均一に分散しやすく、より効率的に混合物の溶融粘度が低下する。
前記混合工程における混合温度は、特に制限はないが、混合の均一性や乳化工程における乳化分散性の観点から、50℃〜150℃であることが好ましく、50℃〜100℃であることがより好ましい。
また、前記混合工程における混合温度は、混合を容易に行うため、ポリエステル樹脂が非晶性(非結晶性)樹脂である場合、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度であることが好ましい。ポリエステル樹脂が結晶性樹脂である場合、ポリエステル樹脂の樹脂軟化点(Tm)−40℃以上の温度であることが好ましく、ポリエステル樹脂のTm−10℃以上の温度であることがより好ましい。
前記混合工程に用いられる混合手段としては、特に制限はなく、公知の混合装置等が用いられる。混合装置としては、例えば、ロールミル、ニーダー、加圧ニーダー、バンバリミキサー、ラボプラストミル、一軸又は二軸の押出機等が挙げられる。
中でも、押出機やニーダーが好ましく挙げられる。
<乳化工程>
本実施形態の樹脂粒子分散液の製造方法は、前記混合物と水系媒体とを乳化分散し樹脂粒子分散液を得る乳化工程を含む。
前記乳化工程における乳化分散は、転相乳化により行われることが好ましい。すなわち、前記乳化工程においては、前記混合物に水系媒体を連続的又は逐次的に添加し乳化分散することが好ましい。
また、前記乳化工程における乳化分散は、剪断力を前記混合物及び水系媒体に加えることにより行うことが好ましい。また、前記乳化工程には、押出機やニーダーを用いることが好ましい。
本実施形態に用いられる水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水や、エタノール、メタノール等のアルコール類などが挙げられる。これらの中でも、蒸留水及びイオン交換水等の水が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記乳化工程における水系媒体の使用量としては、特に制限はないが、得られる樹脂粒子分散液の固形分濃度に応じて、適宜選択すればよい。
得られる樹脂粒子分散液の固形分濃度は、必要に応じ適宜選択ればよいが、1〜60質量であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましく、10〜50質量%であることが更に好ましい。
前記乳化工程における乳化温度は、特に制限はないが、乳化工程における乳化分散性の観点から、50℃〜150℃であることが好ましく、50℃〜100℃であることがより好ましい。
また、前記乳化工程における乳化温度は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度であることが好ましい。また、ポリエステル樹脂が結晶性樹脂である場合、前記乳化工程における乳化温度は、ポリエステル樹脂の樹脂軟化点(Tm)−40℃以上の温度であることが好ましく、ポリエステル樹脂のTm−10℃以上の温度であることがより好ましい。
前記乳化工程に用いられる乳化手段としては、特に制限はなく、公知の分散機や乳化装置を用いればよく、例えば、ニーダー、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機、一軸又は二軸の押出機等が挙げられる。
中でも、押出機やニーダーが好ましく挙げられる。
前記乳化工程に用いられる乳化装置としては、特にバッチ、連続式限定されないが、図1に例示するような二軸押出機を好ましく挙げることができる。
図1に示す二軸押出機10は、シリンダー12内部に二軸のスクリュー(不図示)を備えており、シリンダー12は、原料投入口14、塩基性水溶液投入口16、界面活性剤投入口18、水系媒体投入口20〜22、並びに、排出口24を有している。各投入口には、原料を供給する供給ライン26が接続されており、また、各供給ライン26には、必要に応じ、供給量を調整可能なポンプ28が備えられている。原料投入口14上部には、樹脂供給機30が設置されている。原料投入口14の側壁には、塩基性水溶液投入口16が設けられており、塩基性水溶液投入口16には、供給ライン26により塩基性水溶液タンク32が接続されている。界面活性剤投入口18には、供給ライン26により界面活性剤水溶液タンク34が接続されており、界面活性剤水溶液タンク34には、恒温槽等のような温度調節装置36が設けられている。水系媒体投入口20〜22にはそれぞれ、供給ライン26により純水タンク38が接続されており、純水タンク38には、ヒーター40が設けられている。
図1に示す二軸押出機10におけるシリンダー12は、樹脂供給バレル42と呼ばれる区画を有しており、例えば、各バレル毎に二軸のスクリューの構造を変更したり、温度調節を変更したりすることができる。樹脂供給バレル42以外のシリンダー部分44の各バレルには、水系媒体投入口20〜22を所望に応じ設けることができる。なお、図1において、シリンダー12内の各バレルは、点線にて区分けされた各区画である。また、二軸押出機10は、温度調節装置(不図示)を備えている。図1に示すシリンダー12内部に備え付けられたスクリュー(不図示)は、特に制限はないが、ニーディングディスクエレメント及びスクリューエレメントからなり、複数種のニーディングディスクエレメント及びスクリューエレメントを組み合わせることで構成されていることが好ましい。
また、図2に例示するようなニーダーを好ましく挙げることができる。図2に示すニーダー50は、ケーシング54内部に羽根51を有しており、モーター52により羽根を回転させることができ、ギアボックス53内にあるギア(不図示)により回転数を変更することができる。また、ケーシング54には水系媒体、塩基性物質、界面活性剤を貯留する貯留部55、ポンプ56、供給ライン57が接続されている。ケーシング54にはケーシング54の周囲にヒーター(不図示)が設けられており、任意の温度に加温することができる。
<その他の工程>
本実施形態の樹脂粒子分散液の製造方法は、前記混合工程及び前記乳化工程以外のその他の工程を含んでいてもよい。
その他の工程としては、特に制限はなく、必要に応じて、公知の工程を行うことができ、例えば、得られた樹脂粒子分散液を冷却する工程等が挙げられる。
(静電荷像現像用トナー)
本実施形態の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、ポリエステル樹脂と、アシルグリセロールとを含むトナー母粒子を含み、前記アシルグリセロールが、アルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸のモノ、ジ、又は、トリエステル化合物であることを特徴とする。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、本実施形態の樹脂粒子分散液に分散された樹脂粒子に由来する樹脂を含むトナー母粒子を含むトナーであることが好ましい。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、本実施形態の樹脂粒子分散液の製造方法により得られた樹脂粒子分散液に分散された樹脂粒子に由来する樹脂を含むトナー母粒子を含むトナーであることが好ましい。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、本実施形態の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られたトナーであることが好ましい。
また、本実施形態の静電荷像現像用トナーは、ケミカルトナーであることが好ましく、融合・合一法により製造された融合・合一トナーであることがより好ましい。
<トナー母粒子>
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、ポリエステル樹脂と、アシルグリセロールとを含むトナー母粒子を含む。
上記トナー母粒子は、塩基性物質と、界面活性剤とを更に含んでもよい。
本実施形態に用いられるトナー母粒子は、ポリエステル樹脂以外のその他の樹脂を更に含んでもよい。
本実施形態に用いられるトナー母粒子において、ポリエステル樹脂、及び、その他の樹脂をまとめて結着樹脂ともいい、結着樹脂の全質量とは、ポリエステル樹脂、及び、その他の樹脂の合計質量をいう。
樹脂粒子がその他の樹脂を含む場合、ポリエステル樹脂の含有量は、結着樹脂の全質量に対し、60質量%以上であることが好ましい。
また、本実施形態の静電荷像現像用トナーにおける結着樹脂の含有量は、トナーの全質量に対し、10〜95質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましく、50〜90質量%であることが更に好ましい。
本実施形態の静電荷像現像用トナーにおけるポリエステル樹脂、その他の樹脂、塩基性物質、界面活性剤、及び、アシルグリセロールは、上述した本実施形態の樹脂粒子分散液における樹脂粒子に含まれるポリエステル樹脂、その他の樹脂、塩基性物質、界面活性剤、及び、アシルグリセロールとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
前記トナー母粒子における界面活性剤の含有量は、結着樹脂の全質量に対し、1〜20質量%であることが好ましく、1.5〜15質量%であることがより好ましい。上記範囲であると、トナーの転写性により優れる。
前記トナー母粒子におけるアシルグリセロールの含有量は、使用される結着樹脂の全質量に対して0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。上記態様であると、トナーの転写性により優れる。
〔着色剤〕
本実施形態のトナーは、必要に応じ、着色剤を含有してもよい。
着色剤としては、公知のものを用いることができ、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から任意に選択すればよい。
具体的には、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドCローズベンガル、などの種々の顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種着色剤などが例示できる。
また、前記着色剤として、具体的には、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、アニリンブルー(C.I.No.50405)、カルコオイルブルー(C.I.No.azoic Blue3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリンブルー(C.I.No.77103)、デュポンオイルレッド(C.I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メチレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No.42000)、ランプブラック(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45435)、これらの混合物などを好ましく用いることができる。
着色剤の使用量は、トナーの全質量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。また、着色剤として、これらの顔料や染料等を1種単独で使用する、又は、2種以上を併せて使用することができる。
着色剤の分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、何ら制限されるものではない。また、これらの着色剤粒子は、その他の粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段階で添加してもよい。
〔離型剤〕
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、離型剤を含有することが好ましい。
離型剤の具体例としては、例えば、エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンとポリプロピレンの共重合物、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベフェニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。これらの中でも、ワックス類が好ましい。
前記離型剤は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
前記離型剤の含有量は、結着樹脂の全質量に対して、1〜20質量%の範囲で含有することが好ましく、3〜15質量%の範囲で含有することがより好ましい。上記範囲であると、良好な定着及び画質特性の両立が可能である。
〔その他の成分〕
トナーには、上記成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を添加してもよい。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。上記磁性体等を含有させて磁性トナーとして用いる場合、これらの強磁性体は平均粒子が2μm以下が好ましく、0.1〜0.5μm程度のものがより好ましい。トナー中に含有させる量としては結着樹脂の全質量に対し20〜200質量%が好ましく、40〜150質量%がより好ましい。また、10Kエルステッド印加での磁気特性が保磁力(Hc)が20〜300エルステッド、飽和磁化(σs)が50〜200emu/g、残留磁化(σr)が2〜20emu/gのものが好ましい。
帯電制御剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物の様な含金属染料、マレイン酸を単量体成分として含む重合体の如き高分子酸、四級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジン系染料等が挙げられる。
トナーは、粘弾性調整を目的として、無機粉体を含んでもよい。無機粉体としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸カルシウム、酸化セリウム等の下記に詳細に列挙する、通常トナー表面の外添剤として使用されるすべての無機粒子が挙げられる。
<外添剤>
トナーは、必要に応じて外添剤が表面に外添されていてもよい。表面に外添される外添剤としては、無機粒子や有機粒子が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
無機粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用される。前記無機粒子の平均一次粒径としては、1〜200nmの範囲が好ましい。無機粒子の添加量としては、トナーの全質量に対して、0.01〜20質量%の範囲が好ましい。
前記無機粒子は、表面が予め疎水化処理されていることが好ましい。この疎水化処理によりトナーの粉体流動性改善のほか、帯電の環境依存性、耐キャリア汚染性に対してより効果的である。
前記疎水化処理は、疎水化処理剤に前記無機粒子を浸漬等することにより行ってもよい。前記疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シランカップリング剤が好適に挙げられる。
有機粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用され、具体的には例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、流動性や帯電特性を良好にする観点から、チタニアやシリカ等の無機酸化物を用いることが好ましい。
また、外添剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
外添前のトナー母粒子に外添される外添剤の割合は、トナー母粒子の全質量に対し0.01〜5質量%の範囲が好ましく、0.1〜3.0質量%の範囲がより好ましい。
<トナーの態様及び物性>
本実施形態のトナーの体積平均粒径(D50v)は、2μm以上20μm以下が好ましく、3μm以上15μm以下がより好ましく、3μm以上12μm以下が更に好ましい。
トナーの粒度分布としては狭いほうが好ましく、より具体的にはトナーの個数粒径の小さい方から換算して16%径(D16p)と84%径(D84p)との比を平方根として示したもの(GSDp)、すなわち、下式で表されるGSDpが1.40以下であることが好ましく、1.31以下であることがより好ましく、1.27以下であることが特に好ましい。
GSDp={(D84p)/(D16p)}0.5
体積平均粒径、GSDpともに上記範囲であれば、極端に小さな粒子が存在しないため、小粒径トナーの帯電量が過剰になることによる現像性の低下を抑制できる。
トナー等の粒子の平均粒径測定には、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いることができる。この場合、粒子の粒径レベルにより、最適なアパーチャーを用いて測定することができる。測定した粒子の粒径は体積平均粒径で表す。
本実施形態において、トナーの形状係数SF1は、110以上160以下の範囲が好ましく、120以上150以下の範囲がより好ましい。上記範囲であると、高温高湿環境下における転写むらがより抑制される。
形状係数SF1は、粒子表面の凹凸の度合いを示す形状係数であり、以下の式により算出される。
Figure 0006269707
式中、MLは粒子の最大長を示し、Aは粒子の投影面積を示す。
SF1の具体的な測定方法としては、例えば、まずスライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じて画像解析装置に取り込み、50個のトナーについてSF1を計算し、平均値を求める方法が挙げられる。
(静電荷像現像用トナーの製造方法)
本実施形態の静電荷像現像用トナーの製造方法は、本実施形態の樹脂粒子分散液の製造方法により得られた樹脂粒子分散液中で、樹脂粒子を凝集させ、凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、前記凝集粒子が分散した凝集粒子分散液を加熱し、前記凝集粒子を融合・合一してトナー粒子を形成する、融合・合一工程を含む。
<凝集粒子形成工程>
本実施形態の静電荷像現像用トナーの製造方法は、本実施形態の樹脂粒子分散液の製造方法により得られた樹脂粒子分散液中で、樹脂粒子を凝集させ、凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程を含む。
前記凝集粒子形成工程においては、互いに混合された、本実施形態の樹脂粒子分散液の製造方法により得られた樹脂粒子分散液、及び、必要に応じて、その他の樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液中の各粒子を水系媒体中において凝集させて、凝集体における所望の体積平均粒径の凝集粒子を形成する。前記凝集粒子はヘテロ凝集等により形成され、凝集粒子の安定化、粒度/粒度分布制御を目的として、界面活性剤や凝集剤を添加してもよい。
前記凝集工程における凝集法としては、特に限定されるものではなく、従来よりトナーの凝集合一法において用いられている凝集法、例えば、昇温、pH変化、凝集剤添加等によってエマルジョンの安定性を低減化させてディスパーザー等で撹拌する方法等が用いられる。
本実施形態においては、目的に応じて、前記樹脂粒子分散液、前記その他の樹脂粒子分散液、前記着色剤分散液及び前記離型剤分散液の少なくともいずれかに、内添剤、帯電制御剤、無機粒体、有機粒体、滑剤、研磨材などのその他の成分(粒子)を分散させてもよい。また、例えば、樹脂粒子分散液、その他の樹脂粒子分散液、着色剤分散液及び離型剤分散液の少なくともいずれかの中に、その他の成分(粒子)を分散させてもよいし、樹脂粒子分散液、その他の樹脂粒子分散液、着色剤分散液及び離型剤分散液を混合してなる混合液中に、その他の成分(粒子)を分散させてなる分散液を混合してもよい。
前記その他の樹脂粒子分散液、前記着色剤分散液、前記離型剤分散液等の分散液における分散媒としては、例えば、水系媒体などが挙げられる。
本実施形態に用いられる水系媒体としては、前述したものが挙げられる。これらの中でも、エタノールや水であることが好ましく、蒸留水及びイオン交換水等の水が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、水系媒体は、水混和性の有機溶媒を含んでいてもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、アセトンや酢酸等が挙げられる。
〔その他の樹脂粒子分散液の作製方法〕
その他の樹脂粒子分散液は、本実施形態の樹脂粒子分散液の製造方法により得られた樹脂粒子分散液以外の樹脂粒子分散液である。
樹脂を水系媒体中に分散、粒子化する方法としては、例えば、強制乳化法、自己乳化法、転相乳化法など、既知の方法から選択することができる。これらのうち、乳化に要するエネルギー、得られる乳化物の粒径制御性、安定性等を考慮すると、自己乳化法、転相乳化法が好ましく適用される。また、乳化重合法及びそれに類似の不均一分散系における重合法で容易に得ることもできる。
自己乳化法、転相乳化法に関しては、「超微粒子ポリマーの応用技術(シーエムシー出版)」に記載されている。自己乳化に用いる極性基としては、カルボキシ基、スルホン基等が用いられる。
その他の樹脂粒子分散液に含まれる樹脂としては、本実施形態の樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子におけるポリエステル樹脂、及び、その他の樹脂と同義であり、好ましい態様も同様である。
その他の樹脂粒子分散液を形成する際に用いる分散機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。また、これらの分散機は、その他の樹脂粒子分散液と離型剤粒子分散液との混合及び凝集にも使用される。
〔着色剤分散液の作製方法〕
前記着色剤分散液は、少なくとも着色剤を分散させてなる。
着色剤分散液に含まれる着色剤は、上述の、本実施形態のトナーにおいて使用可能である着色剤と同義であり、好ましい態様も同様である。
着色剤は、公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。また、着色剤は、極性を有するイオン性界面活性剤を用い、既述したようなホモジナイザーを用いて水系溶媒中に分散し、着色剤粒子分散液を作製してもよい。着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記着色剤の体積平均粒径D50vとしては、1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましく、0.01〜0.5μmが特に好ましい。
着色剤分散液中の粒子、及び、離型剤分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは、マイクロトラックを用いて、体積を小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径として測定した。マイクロトラックにて5回測定した内の、最大値と最小値を除いた3回の測定値の平均値を用いた。
また、着色剤の水系媒体中での分散安定性をより安定化させ、トナー中での着色剤のエネルギーを低くするために添加する分散剤として、ロジン、ロジン誘導体、カップリング剤、高分子分散剤などが挙げられる。
〔離型剤分散液の作製方法〕
前記離型剤分散液は、少なくとも離型剤を分散させてなる。
離型剤分散液に含まれる離型剤は、上述の、本実施形態のトナーにおいて使用可能である離型剤と同義であり、好ましい態様も同様である。
離型剤は、公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。また、離型剤は、極性を有するイオン性界面活性剤を用い、既述したようなホモジナイザーを用いて水系溶媒中に分散し、離型剤粒子分散液を作製してもよい。本実施形態において、離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記離型剤粒子の体積平均粒径D50vとしては、1μm以下が好ましく、0.01〜1μmがより好ましい。
<融合・合一工程>
本実施形態の静電荷像現像用トナーの製造方法は、前記凝集粒子を融合・合一してトナー粒子を形成する、融合・合一工程を含む。
前記融合工程においては、前記凝集粒子中の結着樹脂が、その融点又はガラス転移温度以上の温度条件で溶融し、凝集粒子は不定形からより球形へと変化する。
前記融合工程における加熱温度としては、(使用した結晶性ポリエステル樹脂の融解温度+0〜50)℃又は(使用した非晶性ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度+0〜50)℃の範囲であることが好ましく、(使用した結晶性ポリエステル樹脂の融解温度+0〜40)℃又は(非結晶性ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度+10〜40)℃の範囲であることがより好ましい。
前記加熱の時間としては、粒子間での融合が行われる程度に時間をかければよく、0.5〜10時間が好ましい。
凝集粒子の融合後に冷却し、融合粒子を得る。また冷却の工程で、離型剤や結着樹脂の融解温度近傍(融解温度±10℃の範囲)で冷却速度を上げる、いわゆる急冷をすることで離型剤や結着樹脂の再結晶化を抑制して表面露出を抑制してもよい。
<その他の工程>
融合工程の終了後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程、外添工程等を経て所望のトナーを得てもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から十分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが好ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引ろ過、加圧ろ過等が好ましく用いられる。更に、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。本実施形態のトナーは、乾燥後の含水分率を、1.0質量%以下に調整することが好ましく、0.5質量%以下に調整することがより好ましい。
外添工程におけるトナー母粒子の表面にシリカ、チタニアなどの無機粒子を外添する方法としては、特に制限はなく、公知の方法が用いられ、例えば、機械的方法、又は、化学的方法で付着させる方法が挙げられる。
(静電荷像現像剤)
本実施形態の静電荷像現像剤(以下、「現像剤」という場合がある。)は、本実施形態の静電荷像現像用トナーを含有するものであれば特に制限はなく、また、トナーを単独で用いる一成分系の現像剤であってもよく、トナーとキャリアとを含む二成分系の現像剤であってもよい。なお、一成分系の現像剤の場合には、磁性金属粒子を含むトナーであっても磁性金属粒子を含まない非磁性一成分トナーであっても構わない。
キャリアは、公知のキャリアであれば特に制限されるものではなく、鉄粉系キャリア、フェライト系キャリア、表面コートフェライトキャリア等が使用される。また、それぞれの表面添加粉末は所望の表面処理を施して用いてもよい。
キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30〜200μmであることが好ましい。
また、上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマー;などの単独重合体、又は2種類以上のモノマーからなる共重合体、更に、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100質量部に対して0.1〜10質量部程度の範囲が好ましく、0.5〜3.0質量部の範囲がより好ましい。
キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどが使用され、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどが使用される。
キャリアとして、フェライト粒子を核体としてアクリル酸メチル又はアクリル酸エチル及びスチレン等に導電剤としてカーボンブラック等及び/又は帯電制御剤としてメラミンビーズ等を分散した樹脂をコートしたキャリアを用いると、コート層を厚膜化しても抵抗制御性に優れるため、画質及び画質維持性に優れ、より好ましい。
現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて選択される。
(画像形成方法)
本実施形態のトナーを用いた画像形成方法について説明する。本実施形態のトナーは、公知の電子写真方式を利用した画像形成方法に利用される。具体的には以下の工程を有する画像形成方法において利用される。
すなわち、好ましい画像形成方法は、像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記トナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着工程、を含み、前記現像剤として、本実施形態の静電荷像現像用トナー、又は、本実施形態の静電荷像現像剤を用いる画像形成方法である。
本実施形態の画像形成方法は、転写後の前記静電荷像保持体表面の残留トナーを除去するクリーニング工程を更に有してもよい。
前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、本実施形態の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
前記静電潜像形成工程は、像保持体(感光体)上に静電潜像を形成する工程である。
前記現像工程は、現像剤保持体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程である。前記現像剤層としては、本実施形態の静電荷像現像用トナーを含んでいれば特に制限はない。
前記転写工程は、前記トナー画像を被転写体上に転写する工程である。また、転写工程における被転写体としては、中間転写体や紙等の被記録媒体が例示できる。
前記定着工程では、例えば、加熱ローラの温度を一定温度に設定した加熱ローラ定着器により、転写紙上に転写したトナー像を定着して複写画像を形成する方式が挙げられる。
前記クリーニング工程は、像保持体上に残留する静電荷像現像剤を除去する工程である。
被転写体としては、中間転写体や紙等の被記録媒体を使用することができる。
被記録媒体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される紙、OHPシート等が挙げられ、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
本実施形態の画像形成方法においては、更にリサイクル工程をも含む態様でもよい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像用トナーを現像剤層に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施される。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムに適用してもよい。
(画像形成装置)
本実施形態の画像形成装置は、本実施形態の静電荷像現像用トナーを用いた画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記像保持体を露光して前記像保持体表面に静電潜像を形成させる露光手段と、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記像保持体から被転写体表面に転写する転写手段と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記トナーが本実施形態の静電荷像現像用トナー又は本実施形態の静電荷像現像剤であることが好ましい。
なお、本実施形態の画像形成装置は、上記のような像保持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも含むものであれば特に限定はされないが、その他必要に応じて、クリーニング手段、除電手段等を含んでいてもよい。
前記転写手段では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよい。また、転写手段における被転写体としては、中間転写体や紙等の被記録媒体が例示できる。
前記像保持体、及び、前記の各手段は、前記の画像形成方法の各工程で述べた構成を好ましく用いることができる。前記の各手段は、いずれも画像形成装置において公知の手段が利用できる。また、本実施形態の画像形成装置は、前記した構成以外の手段や装置等を含むものであってもよい。また、本実施形態の画像形成装置は、前記した手段のうちの複数を同時に行ってもよい。
また、本実施形態の画像形成装置においては、像保持体上に残留する静電荷像現像剤を除去するクリーニング手段を備えることが好ましい。
クリーニング手段としては、例えば、クリーニングブレード、クリーニングブラシなどが挙げられるが、クリーニングブレードが好ましい。
なお、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、現像剤保持体を少なくとも備え、本実施形態の静電荷像現像剤を収容する本実施形態のプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図3は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図3に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1から第4の画像形成ユニット110Y、110M、110C、110K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する。)110Y、110M、110C、110Kは、水平方向に互いに離間して並設されている。なお、これらユニット110Y、110M、110C、110Kは、画像形成装置本体に対して脱着されるプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット110Y、110M、110C、110Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト120が延設されている。中間転写ベルト120は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ122及び中間転写ベルト120内面に接する支持ローラ124に巻回されて設けられ、第1ユニット110Yから第4ユニット110Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ローラ124は、図示しないバネ等により駆動ローラ122から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト120に張力が与えられている。また、中間転写ベルト120の像保持体側面には、駆動ローラ122と対向して中間転写体クリーニング装置130が備えられている。
また、各ユニット110Y、110M、110C、110Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
上述した第1から第4ユニット110Y、110M、110C、110Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット110Yについて代表して説明する。なお、第1ユニット110Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2から第4ユニット110M、110C、110Kの説明を省略する。
第1ユニット110Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電潜像を形成する露光装置3、静電潜像に帯電したトナーを供給して静電潜像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト120上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、及び1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
なお、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト120の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット110Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V〜−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
静電潜像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロー着色剤と結晶性樹脂及び非結晶性樹脂とを含む体積平均粒径が7μmのイエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で撹拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト120上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット110Yでは制御部(図示せず)によって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット110M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニット110Yに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット110Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト120は、第2から第4ユニット110M、110C、110Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1から第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト120は、中間転写ベルト120と中間転写ベルト120内面に接する支持ローラ124と中間転写ベルト120の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)126とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ126と中間転写ベルト120とが圧接されている隙間に給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ124に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト120から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト120上のトナー像が記録紙P上に転写される。なお、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)128へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト120を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
本実施携帯のプロセスカートリッジは、本実施形態の静電荷像現像用トナー、又は、本実施形態の静電荷像現像剤を収容しているプロセスカートリッジであればよく、像保持体表面上に形成された静電潜像を静電荷像現像用トナー又は静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、像保持体、像保持体表面を帯電させるための帯電手段、及び、像保持体表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、を備え、前記静電荷像現像用トナー又は前記静電荷像現像剤として、本実施形態の静電荷像現像用トナー、又は、本実施形態の静電荷像現像剤を収容しているプロセスカートリッジであることが好ましい。
図4は、本実施形態の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像剤保持体を備えた現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに、記録紙300に画像を形成する画像形成装置を構成するものである。
図4で示すプロセスカートリッジでは、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせられる。本実施形態のプロセルカートリッジは、現像剤保持体を備えた現像装置111を少なくとも備え、感光体107、帯電ローラ108、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備えてもよい。
次に、本実施形態のトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態のトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱されるように装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納するトナーカートリッジにおいて、前記トナーが本実施形態の静電荷像現像用トナーである。なお、本実施形態のトナーカートリッジには少なくとも本実施形態の静電荷像現像用トナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば本実施形態の静電荷像現像剤が収容されてもよい。
したがって、トナーカートリッジが着脱される構成を有する画像形成装置においては、本実施形態のトナーを収納したトナーカートリッジを利用することにより、本実施形態のトナーが容易に現像装置に供給される。
なお、図3に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kが着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換してもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本実施形態について更に詳述するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下に実施例において、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
<測定方法>
樹脂の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー(株)製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー(株)製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cn)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出した。
樹脂粒子の体積平均粒径及び体積平均粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定機(LA−700、(株)堀場製作所製)で測定される樹脂粒子分散液の粒度分布をもとにして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積を小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径、累積16%となる粒径を体積D16v、累積84%となる粒径を体積D84vと定義し、体積平均粒度分布(GSDv)を(D84v/D16v1/2として求めた。
離型剤分散液中の粒子、及び、着色剤分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは、マイクロトラックを用いて、体積を小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径として測定した。マイクロトラックにて5回測定した内の、最大値と最小値を除いた3回の測定値の平均値を用いた。
トナーの体積平均粒径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて測定した。
トナーの形状係数SF1は、まずスライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じて画像解析装置に取り込み、50個のトナーについてSF1を計算し、平均値を求めた。
<原料作製>
〔非晶性ポリエステル樹脂1の合成〕
・アジピン酸ジメチル:74部
・テレフタル酸ジメチル:192部
・ビスフェノールAエチレンオキシド付加物:216部
・エチレングリコール:38部
・テトラブトキシチタネート(触媒):0.037部、
上記成分を加熱乾燥した二口フラスコに入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち撹拌しながら昇温した後、160℃で15時間共縮重合反応させ、その後、10Torrまで徐々に減圧しながら220℃まで昇温し4時間保持した。一旦常圧に戻し、無水トリメリット酸9部を加え、再度10Torrまで徐々に減圧し220℃で1時間保持することにより結着樹脂を合成した。得られた非晶性樹脂の重量平均分子量は95,000であった。
〔非晶性ポリエステル樹脂2の合成〕
・アジピン酸ジメチル:74部
・テレフタル酸ジメチル:192部
・ビスフェノールAエチレンオキシド付加物:216部
・エチレングリコール:38部
・テトラブトキシチタネート(触媒):0.037部
上記成分を加熱乾燥した二口フラスコに入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち撹拌しながら昇温した後、160℃で12時間共縮重合反応させ、その後、10Torrまで徐々に減圧しながら220℃まで昇温し4時間保持した。一旦常圧に戻し、無水トリメリット酸9部を加え、再度10Torrまで徐々に減圧し220℃で1時間保持することにより結着樹脂を合成した。得られた非晶性樹脂の重量平均分子量は95,000であった。
〔結晶性ポリエステル樹脂1の合成〕
・1,10−ドデカン二酸:50モル%
・1,9−ノナンジオール:50モル%
上記モノマー成分を、撹拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、前記モノマー成分1,000部に対してチタンテトラブトキサイド(試薬)を2.5部投入して、窒素ガス気流下170℃で3時間撹拌反応させた。更に、温度を210℃に上げて反応容器内を3kPaまで減圧し、減圧下で13時間撹拌反応させて、結晶性ポリエステル樹脂を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂のTmは75℃であった。
〔結晶性樹脂分散液の製造〕
高温・高圧乳化装置(キャビトロンCD1010、スリット:0.4mm)の乳化タンクに、結晶性樹脂を2,200部、酢酸エチル2,200部、アンモニア水溶液10部、アニオン系界面活性剤(ドデシルべンゼンスルホン酸ナトリウム)250部、イオン交換水4,000部とともに加え、60℃に加熱して10,000回転で30分間分散させた。その後、酢酸エチルを留去させて、体積平均粒径160nmの結晶性樹脂粒子分散液を作製した。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度を40.0質量%に調整した。
〔離型剤分散液の製造〕
・離型剤(日本精鑞(株)製、商品名:FNP0090、融解温度Tw90℃):270質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK、有効成分量:60質量%):13.5質量部(有効成分として、離型剤に対して3.0質量%)
・イオン交換水:721.6質量部
上記成分を混合し、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で、内液温度120℃にて、離型剤を溶解した後、分散圧力5MPaで120分間、続いて、40MPaで360分間分散処理し、冷却して、離型剤分散液を得た。この分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは230nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度を20.0質量%に調整し、離型剤分散液を得た。
〔着色剤分散液の製造〕
・シアン顔料(大日精化(株)製:ECB 301):200質量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC):33質量部(有効成分60質量%。着色剤に対して10質量%)
・イオン交換水:750質量部
上記成分をすべて投入した際に液面の高さが容器の高さの1/3程度になる大きさのステンレス容器に、イオン交換水を280質量部とアニオン系界面活性剤33質量部とを入れ、充分に界面活性剤を溶解させた後、前記シアン顔料すべてを投入し、撹拌機を用いて濡れていない顔料がなくなるまで撹拌するとともに、充分に脱泡させた。脱泡後に残りのイオン交換水を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5,000回転で10分間分散した後、撹拌器で1昼夜撹拌させて脱泡した。続けて、分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は、トータル仕込み量と装置の処理能力とから換算して25パス相当行った。得られた分散液を72時間放置して沈殿物を除去し、イオン交換水を加えて、固形分濃度を15質量%に調整した。この着色剤分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは115nmであった。
〔硫酸アルミニウム水溶液の調製〕
・硫酸アルミニウム粉末(浅田化学工業(株)製:17質量%硫酸アルミニウム):35質量部
・イオン交換水:1,965質量部
上記各成分を容器へ投入し、30℃にて、沈殿物が消失するまで撹拌混合して硫酸アルミニウム水溶液を調製した。
表1中に記載の樹脂供給量は、二軸押出混練機のような連続式の装置の場合、1時間当たりに二軸押出混練機内に供給される樹脂の量であり、ニーダーのようなバッチ式の装置の場合、装置への樹脂の投入量を表す。
(実施例1〜7及び比較例1〜4)
<樹脂粒子分散液1の製造>
非晶性ポリエステル樹脂1を200質量部、トリパルミチン(東京化成工業(株)製)を20質量部、水酸化ナトリウム50質量%水溶液 1.4質量部、界面活性剤としてドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(三洋化成工業(株)製、エレミノールMON−7)4.1質量部を二軸押出混練機(TEM26SS、東芝機械製)に投入し、バレル温度95℃、スクリュー回転数400rpmで溶融した。更に90℃に調整したイオン交換水450質量部を二軸押出混練機に投入し、樹脂粒子分散液1を得た。
<樹脂粒子分散液2〜3の製造>
実施例1の非晶性ポリエステル樹脂1をそれぞれ、非晶性ポリエステル樹脂2、結晶性ポリエステル樹脂1に変更した以外は実施例1と同様に樹脂粒子分散液2〜3を製造した。
<樹脂粒子分散液4〜7の製造>
実施例1のトリパルミチンをそれぞれ、表1に示すアシルグリセロールに変更した以外は、実施例1と同様に樹脂粒子分散液4〜7を製造した。
なお、表1中、アシルグリセロールの欄のアルキル基の記載は、下記式(1)中のR1〜R3が表す−(C=O)−Rで表される一価の基に含まれるアルキル基を表しており、R2,R3=−Hの記載は、R2及びR3がいずれも水素原子であることを示している。
Figure 0006269707
式(1)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、水素原子又は−(C=O)−Rで表される一価の基を表し、Rはアルキル基を表す。
<樹脂粒子分散液8の製造>
実施例1のトリパルミチンを混合せずに乳化した以外は実施例1と同様に樹脂粒子分散液8を製造した。
<樹脂粒子分散液9の製造>
実施例1のトリパルミチンを混合せずに乳化し、水酸化ナトリウム50質量%水溶液を2.8質量部とした以外は実施例1同様に樹脂粒子分散液9を製造した。
<樹脂粒子分散液10〜11の製造>
実施例1のトリパルミチンをそれぞれ、表1に示すアシルグリセロールに変更した以外は、実施例1と同様に樹脂粒子分散液10〜11を製造した。
<評価>
〔体積平均粒径及び不純物量の測定〕
上記方法により製造した樹脂粒子分散液1〜11を用いて、体積平均粒径及び粒度分布を測定した。体積平均粒径及び粒度分布の測定方法は、上述の通りとした。測定結果は表1に記載した。
なお、表1中には粒度分布をA〜Cの3段階評価により評価した評価結果についても記載した。評価基準は下記の通りである。
A:粒度分布が1.15以上1.27未満である
B:粒度分布が1.27以上1.31未満である
C:粒度分布が1.31以上である
〔不純物量測定評価〕
上記方法により製造した樹脂粒子分散液1〜11を用いて、樹脂粒子分散液50gを透析膜(ダイアライシスメンブラン、サイズ36、和光純薬工業(株)製)に封入し、撹拌下で、10Lの純水に浸漬し、分散液中の不純物を除去した。次いで、凍結乾燥機を用いて透析処理を施した樹脂粒子分散液を乾燥した。乾燥した樹脂粒子を蛍光X線分析装置(走査型蛍光X線分析装置、ZSX PrimusII)を用いて、樹脂粒子中に含まれるNa量net強度を測定し、不純物量指標とした。なお、試料前処理としては、トナー0.1〜0.2gを加圧成型にてディスク成型し、測定条件は定性定量測定で、管電圧40KV、管電流70mA、測定時間15分で測定した。測定結果は表1に記載した。
なお、表1中には不純物量の測定結果をA〜Cの3段階評価により評価した評価結果についても記載した。評価基準は下記の通りである。
A:測定結果が0.1kcps以下
B:測定結果が0.1kcpsを超え、0.25kcps未満である
C:測定結果が0.25kcps以上である
(実施例8〜11及び比較例5)
<トナー1の製造>
・樹脂粒子分散液1:318質量部
・樹脂粒子分散液2:318質量部
・樹脂粒子分散液3:65質量部
・着色剤分散液:200質量部
・離型剤分散液:115質量部
・イオン交換水:1,500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):7.0質量部
上記各成分を、温度計、pH計、撹拌機を具備した反応容器に入れ、温度25℃にて、ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラックスT50)にて5,000rpmで分散しながら、調製した硫酸アルミニウム水溶液を125質量部添加して6分間分散した。その後、反応容器に撹拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に撹拌するように撹拌機の回転数を調整しながら、温度40℃までは0.2℃/分で、40℃を超えてからは0.05℃/分で昇温し10分ごとにマルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.0μmとなったところで温度を保持し、更に樹脂粒子分散液1と樹脂粒子分散液2を50:50で混合した追加用非結晶性樹脂分散液312質量部を5分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、4質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。15分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、1.0時間目で粒子の合一が確認されたので、冷却水にて容器を30℃まで5分間で冷却した。冷却後のスラリーを、目開き15μmのナイロンメッシュに通過させ粗大粉を除去した後、メッシュを通過したトナースラリーをアスピレータで減圧ろ過した。ろ紙上に残ったトナーを手でできるだけ細かく砕いて、温度30℃でトナー量の10倍のイオン交換水に投入し、30分間撹拌混合した後、再度アスピレータで減圧ろ過し、ろ液の伝導度を測定した。ろ液の伝導度が10μS/cm以下となるまでこの操作を繰り返し、トナーを洗浄した。洗浄したトナーを湿式乾式整粒機(コーミル)で細かく砕いてから、35℃のオーブン中で36時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル(株)製、RY50)1.0質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル(株)製、T805)0.8質量部とを加え、サンプルミルを用いて13,000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分して、トナー1を得た。
得られたトナー1は、体積平均粒径D50vが6.0μm、形状係数SF1は130であった。
<トナー2の製造>
樹脂粒子分散液1を樹脂粒子分散液4に変更した以外はトナー1と同様にして、トナー2を作製した。得られたトナー2は、体積平均粒径D50vが6.0μm、形状係数SF1は125であった。
<トナー3の製造>
樹脂粒子分散液1を樹脂粒子分散液5に変更した以外はトナー1と同様にして、トナー3を作製した。得られたトナー3は、体積平均粒径D50vが6.0μm、形状係数SF1は135であった。
<トナー4〜5の製造>
樹脂粒子分散液1を樹脂粒子分散液6〜7に変更した以外はトナー1と同様にして、トナー4を作製した。得られたトナー4は、体積平均粒径D50vが6.0μm、形状係数SF1は130、トナー5は、体積平均粒径D50vが6.0μm、形状係数SF1は130であった。
<トナー6の製造>
樹脂粒子分散液1を樹脂粒子分散液9に変更した以外はトナー1と同様にして、トナー6を作製した。得られたトナー6は、体積平均粒径D50vが6.3μm、形状係数SF1は130であった。
<樹脂被覆キャリアの製造>
・Mn−Mg−Sr系フェライト粒子(平均粒径40μm):100質量部
・トルエン:14質量部
・シクロヘキシルメタアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(共重合質量比99:1、重量平均分子量(Mw):8万):2.0質量部
・カーボンブラック(VXC72:キャボット社製):0.12質量部
フェライト粒子を除く上記成分及びガラスビーズ(φ1mm、トルエンと同量)を、関西ペイント(株)製サンドミルを用いて1,200ppm/30min撹拌し、樹脂被覆層形成用溶液とした。更に、この樹脂被覆層形成用溶液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ減圧し、トルエンを留去/乾燥することにより樹脂被覆キャリアを形成した。
<現像剤1〜6の作製>
上記樹脂被覆キャリア100部に対して、5質量部のトナー1〜6を混合して、V−ブレンダーを用いて40rpmで20分間撹拌し、目開き250μmで篩分して現像剤1〜6を得た。
<転写性の評価>
得られた現像剤について、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre−III C7600の改造機を用いて転写性の評価を行った。前記改造機は、トナー転写前に強制的にマシンを停止させ、感光体上、中間転写体上、紙上(未定着)のトナー量を測定できるようにしたものである。また定着ロール表面温度を130℃にしたものである。
転写性の評価では、30℃80%RHの環境で、富士ゼロックス(株)製C2紙を用いて、5cm×5cmのパッチを描き、10,000枚後の各トナー質量を測定し、下記式により1次転写効率、及び2次転写効率を算出した。なお、1次転写効率、2次転写効率の掛け合わせが85%以上であるものを許容レベルとした。上記転写効率に優れるほど、トナーの転写性が優れているといえる。
1次転写効率=(中間転写体上トナー質量)/(感光体上トナー質量)
2次転写効率=(紙上未定着トナー質量)/(中間転写体上トナー質量)
(転写効率)=(1次転写効率)×(2次転写効率)×100
A:転写効率が95%以上
B:転写効率が90%以上95%未満
C:転写効率が85%以上90%未満
D:転写効率が85%未満
Figure 0006269707
1Y,1M,1C,1K:感光体、2Y,2M,2C,2K:帯電ローラ、3Y,3M,3C,3K:レーザ光線、3:露光装置、4Y,4M,4C,4K:現像装置、5Y,5M,5C,5K:1次転写ローラ(1次転写手段)、6Y,6M,6C,6K:感光体クリーニング装置(クリーニング手段)、8Y,8M,8C,8K:トナーカートリッジ、10:二軸押出機、12:シリンダー、14:原料投入口、16:塩基性水溶液投入口、18:界面活性剤投入口、20,21,22:水系媒体投入口、24:排出口、26:供給ライン、28:ポンプ、30:樹脂供給機、32:塩基性水溶液タンク、34:界面活性剤水溶液タンク、36:温度調節装置、38:純水タンク、40:ヒーター、42:樹脂供給バレル、44:樹脂供給バレル42以外のシリンダー部分、50:ニーダー、51:羽根、52:モーター、53:ギアボックス、54:ケーシング、55:貯留部、56:ポンプ、57:供給ライン、107:感光体、108:帯電ローラ、110Y,110M,110C,110K:画像形成ユニット、111:現像装置、112:転写装置、113:感光体クリーニング装置(クリーニング手段)、115:定着装置、116:取り付けレール、117,118:開口部、120:中間転写ベルト、122:駆動ローラ、124:支持ローラ、126:2次転写ローラ(2次転写手段)、128:定着装置(定着手段)、130:中間転写体クリーニング装置、132:移送ローラ、200:プロセスカートリッジ、300,P:記録紙

Claims (7)

  1. ポリエステル樹脂と、塩基性物質と、界面活性剤と、アシルグリセロールとを含む樹脂粒子が分散し、
    前記アシルグリセロールが、アルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸のモノ、ジ、又は、トリエステル化合物であり、
    前記塩基性物質の含有量が、ポリエステル樹脂、及び、その他の樹脂の合計質量に対し、0.01〜2質量%である、
    樹脂粒子分散液。
  2. ポリエステル樹脂と、塩基性物質と、界面活性剤と、アシルグリセロールとを混合して混合物を得る混合工程、及び、
    前記混合物と水系媒体とを乳化分散し樹脂粒子分散液を得る乳化工程を含み、
    前記アシルグリセロールが、アルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸のモノ、ジ、又は、トリエステル化合物であることを特徴とする
    樹脂粒子分散液の製造方法。
  3. ポリエステル樹脂と、アシルグリセロールとを含み、
    前記ポリエステル樹脂を含む結着樹脂中に前記アシルグリセロールが分散したトナー母粒子を含み、
    前記アシルグリセロールが、アルキル基の炭素数が11〜21であるアルキルモノカルボン酸のモノ、ジ、又は、トリエステル化合物であることを特徴とする
    静電荷像現像用トナー。
  4. 請求項2に記載の樹脂粒子分散液の製造方法により得られた樹脂粒子分散液中で、樹脂粒子を凝集させ、凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、
    前記凝集粒子が分散した凝集粒子分散液を加熱し、前記凝集粒子を融合・合一してトナー粒子を形成する、融合・合一工程を含む、
    静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 請求項3に記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含む、静電荷像現像剤。
  6. 像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、
    前記像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、
    前記トナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、
    前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着工程、を含み、
    前記現像剤として、請求項3に記載の静電荷像現像用トナー、又は、請求項5に記載の静電荷像現像剤を用いる画像形成方法。
  7. 像保持体と、
    前記像保持体を帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記像保持体を露光して前記像保持体表面に静電潜像を形成させる露光手段と、
    トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、
    前記トナー像を前記像保持体から被転写体表面に転写する転写手段と、
    前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、
    前記現像剤として、請求項3に記載の静電荷像現像用トナー、又は、請求項5に記載の静電荷像現像剤を備えた画像形成装置。
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