本発明の一態様によれば、提供される触角出力装置は、タッチ表面と、該タッチ表面における入力を感知するセンサと、該センサを読み取り、該入力の位置を識別し、読込みモードから書込みモードに切り替え、前記入力の位置に基づいて電圧を書き込んで静電出力を生成するコントローラとを含む。
前記触覚出力装置の一実施形態において、触覚出力装置は、タッチ表面からなるタッチ・スクリーンを含む。
前記触覚出力装置の一実施形態において、タッチ・スクリーンは容量性タッチ・スクリーンである。
前記触覚出力装置の一実施形態において、コントローラはタッチ・スクリーンの全領域に対して電圧を書き込む。
前記触覚出力装置の一実施形態において、コントローラは入力の位置に近接する領域に電圧を書き込む。
前記触覚出力装置の一実施形態において、センサは複数の入力を感知し、コントローラはタッチ表面に対する入力の位置を識別する。
前記触覚出力装置の一実施形態において、コントローラは入力の位置に対応する領域に電圧を書込み、複数の局所的な静電出力を生成する。
前記触覚出力装置の一実施形態において、容量性タッチ・スクリーンは、表面からなる絶縁性外層と、該絶縁性外層に近接する電極とからなり、該電極は静電出力を生成する。
前記触覚出力装置の一実施形態において、触覚出力装置は絶縁性外層に近接する複数の電極を含み、コントローラは該複数の電極のうちの入力の位置に最も近い少なくとも1つの電極をドライブして静電出力を生成する。
前記触覚出力装置の一実施形態において、触覚出力装置は絶縁性外層に近接する複数の電極を含み、コントローラは該複数の電極のうちの異なる電極をドライブしてマルチ・タッチの局所的な静電出力を生成する。
前記触覚出力装置の一実施形態において、触覚出力装置は絶縁性外層に近接する複数の電極を含み、コントローラは該複数の電極のうち第1の位置に近接する1つの電極に電圧を書き込み、その後入力が第1の位置から第2の位置に移動した際に、該複数の電極のうち第2の位置に近接する他の1つの電極に電圧を書き込んで、静電出力を第1の位置から第2の位置に移行させる。
前記触覚出力装置の一実施形態において、コントローラは、入力の現在位置に従って複数の電極のそれぞれによって出力される電力の全体を調整する。
前記触覚出力装置の一実施形態において、各電極によって出力される電力の全体は、入力の各電極に対する相対的な位置の関数である。
本発明の一態様によれば、タッチ表面を備えた触覚出力装置の表面において触覚効果を生成する方法が提供される。該方法は、センサによってタッチ表面に対する入力を感知する工程と、タッチ表面に対する入力を感知するセンサからの第1の電圧をコントローラによって読み取る工程と、コントローラによって入力の位置を判定する工程と、コントローラを読み取りモードから書き込みモードに切り替える工程と、感知された入力の位置に基づいてコントローラによって第2の電圧を書き込み、静電出力を生成する工程とを有する。
前記方法の一実施形態において、タッチ表面は容量性タッチ・スクリーンによって提供される。
前記方法の一実施形態において、書き込む工程は、容量性タッチ・スクリーンの全領域に対して第2の電圧を書き込むことを含む。
前記方法の一実施形態において、書き込む工程は、第2の位置に近接する領域に対して第2の電圧を書き込むことを含む。
前記方法の一実施形態において、感知する工程は、タッチ表面に対する複数の入力およびその位置を感知することを含む。
前記方法の一実施形態において、書き込む工程は、入力の位置に対応する領域に第2の電圧を書き込み、複数の局所的な静電出力を生成することを含む。
前記方法の一実施形態において、容量性タッチ・スクリーンは、タッチ表面を備える絶縁性外層と、該絶縁性外層に近接する電極とを備える。該電極は静電出力を生成する。
前記方法の一実施形態において、容量性タッチ・スクリーンは絶縁性外層に近接する複数の電極を含み、前記方法は、複数の電極のうちある特定の位置に最も近い少なくとも1つの電極をコントローラによってドライブし、静電出力を生成する工程を含む。
前記方法の一実施形態において、容量性タッチ・スクリーンは絶縁性外層に近接する複数の電極を含み、前記方法は、複数の電極のうち異なる電極をコントローラによってドライブし、マルチ・タッチの局所的な静電出力を生成する工程を含む。
前記方法の一実施形態において、容量性タッチ・スクリーンは絶縁性外層に近接する複数の電極を含み、前記方法は、第1の位置に近接する複数の電極のうちの1つに第2の電圧をコントローラによって書き込む工程と、センサによって第2の位置における第2の入力を感知する工程と、コントローラによって第2の位置を判定する工程と、入力が第1の位置から第2の位置に移動した際に、複数の電極のうち第2の位置に近接する他の1つの電極に第2の電圧を書き込んで、静電出力を第1の位置から第2の位置に移行させる工程とを含む。
前記方法の一実施形態において、該方法は入力の現在位置に従って各電極から出力される電力の全体をコントローラによって調整する工程を含む。
前記方法の一実施形態において、各電極によって出力される電力の全体は、入力の各電極に対する相対的な位置の関数である。
前記方法の一実施形態において、該方法は入力の位置におけるタッチ表面のインピーダンスを測定する工程と、第2の電圧を書き込む工程を調整して静電出力を調整する工程とを含む。
前記方法の一実施形態において、インピーダンスはセンサによって測定される。
本発明の一態様によれば、タッチ表面を備えた触覚出力装置の表面において触覚効果を生成する方法が提供される。該方法は、センサによってタッチ表面に対する入力を感知する工程と、タッチ表面に対する入力を感知するセンサからの第1の電圧をコントローラによって読み取る工程と、コントローラによって入力の位置を判定する工程と、感知された入力の位置に基づいて第2の電圧を書き込み、コントローラによって静電出力を生成する工程とを有する。
前記方法の一実施形態において、第2の電圧は第1の電圧と概ね一致する。
前記方法の一実施形態において、第2の電圧は動的な電圧値を有する。
前記方法の一実施形態において、タッチ表面は複数の電極を有する容量性タッチ・スクリーンによって提供され、第2の電圧を書き込む工程は入力の位置に近接する少なくとも1つの電極に第2の電圧を書き込むことを含む。
前記方法の一実施形態において、該方法は入力の位置におけるタッチ表面のインピーダンスを測定する工程と、第2の電圧を書き込む工程を調整して静電出力を調整する工程とを含む。
前記方法の一実施形態において、インピーダンスはセンサによって測定される。
本開示で説明される実施形態は様々な特徴および利点を有しており、それらは本明細書において必ずしも明確には開示されないが、以下の詳細な説明および添付の図面を検討すれば当技術分野の通常の技能を有する者には明らかとなるであう。これらの特徴および利点は本開示に含まれるものとする。
図1は触覚出力装置100の形態を有するユーザー・インターフェースの実施形態を示す。この触覚出力装置100は触覚出力装置100のユーザに対して触覚効果を提供する。触覚出力装置100は、例えば、タブレット、電話機、音楽プレイヤ、動画プレイヤ、グラフィック・ディスプレイ、電子書籍リーダ、ゲーム・パッド、タッチ・パッド、自動車ダッシュボード、ハンドル、上記の装置の組合せ、またはユーザーインターフェースを含む他の一般的な装置の一部であってよい。図1に示すように、触覚出力装置100は、タッチ表面112を有するタッチ・スクリーン110と、該タッチ・スクリーン110の下にあるディスプレイ120と、コントローラ130とを含み、これらは以下でさらに詳しく述べる。本明細書で述べる実施形態はタッチ・スクリーンを含む触覚出力装置100に関するものだが、本発明の範囲に含まれる他の実施形態は、ディスプレイおよびタッチ・スクリーンを含まない代わりにタッチ・スクリーンのないタッチ表面112を含む場合もあり得ることを理解されたい。本明細書で述べる図示された実施形態は、いかなる限定をも意味するものではない。
触覚効果とは刺激又は力を意味し、振動、引力もしくは斥力、電圧もしくは電流、これら以外の機械的な力もしくは電磁的な力、加熱もしくは冷却、又はこれら以外の刺激を含むがこれらには限られない。触覚効果は1つの力または刺激、あるいは複数の力および/または刺激の組合せからなる。複数の触覚効果を組み合わせて、総合的な触覚効果を形成することができる。触覚効果は、触覚出力装置100とインタラクトしているユーザまたは物体にフィードバックを提供するために出力される。触覚効果は静電出力を通してフィードバックを提供する。一実施形態において、静電出力はユーザー・インターフェースにおいて指のような物体に対して力を生成するために用いられ、それによりユーザー・インターフェースにおいて指が触覚出力装置と接触しながら動くときに摩擦力を刺激する。一実施形態において、静電出力は、指の神経やスタイラスのセンサなどの信号を感知できる物体に電圧または電流などの電気信号を送るために用いられ、それによってユーザに触感効果を提供することができる。
一実施形態において、タッチ・スクリーン110は、容量性タッチ・スクリーンである。一実施形態において、タッチ・スクリーンは、表面容量性タッチ・スクリーンである。一実施形態において、タッチ・スクリーン110は、投影型容量性タッチ・スクリーンである。
図1に示すように、タッチ・スクリーン110は導電層114および絶縁層116を含む。導電層114は、任意の半導体または銅、アルミニウム、金、銀、導電性ポリマー、カーボン・ナノチューブ等のの導電性材料を含む。導電層114はセンサ118または複数のセンサを含む。絶縁層116は、ガラス、プラスチック、ポリマー、又は前記以外の任意の絶縁物質であってもよい。
触覚出力装置100は、タッチ・スクリーン110のタッチ表面112に触れる物体である入力をセンサ118を用いて感知することによって、ユーザとインタラクトする。当該物体は、図1に示すようにユーザの指F、ユーザの手の平、又はこれら以外のユーザの体の触覚効果を感じることができる部分であってもよい。この物体はタッチ・スクリーン110のタッチ表面112に触れていることを感知され得るスタイラスまたはその他の装置であってもよい。触覚出力装置は、容量性、抵抗性、または誘導性の結合によってタッチ・スクリーン110のタッチ表面112に触れている物体の存在を感知するが、この技法には限定されない。
コントローラ130は導電層114に電気信号を提供する。この電気信号は、前記導電層114をタッチ・スクリーン110に近接又はタッチする物体と容量結合させる交流信号または時間変化信号であってもよい。この交流信号は、高電圧増幅器によって生成されてもよい。触覚出力装置100は、触覚効果を生成するために、容量結合に代えて、または容量結合に加えて他の原理を用いることもできる。容量結合は、タッチ・スクリーン110に近接し又はタッチしているユーザの指Fの肌にある機械的受容器や当該容量結合に応答できるスタイラスの構成部品等の物体の一部分を刺激することによって、触覚効果を生成することもできる。例えば、肌にある機械的受容器は刺激を受けて容量結合を振動またはより特殊な感覚として感知し、それによって、特に指Fがタッチ・スクリーンの表面112を横切って動くときに触感または摩擦力をシミュレートする。例えば、導電層114は、ユーザの指Fの導電性の部分と結合するコントローラ130からの交流電圧信号を印加されてもよい。
一実施形態において、容量結合は静電出力を生成するために提供されてもよい。一実施形態において、容量結合はタッチ・スクリーン110の表面112に対して摩擦力または触感をシミュレートするために提供されてもよい。タッチ・スクリーン110の表面112は滑らかであるが、容量結合によってタッチ・スクリーン110に近接する物体と導電層114の間に引力を生じるという点で、摩擦力はシミュレートされる。この引力は、当該表面112における物質の分布状態が変化しなくとも、当該表面112における摩擦を増加させる。当該物体と導電層との間の引力のレベルを変化させることにより、タッチ・スクリーン110の表面112を横切って動く物体の摩擦を変化させることができる。摩擦力を変化させることにより摩擦係数の変化をシミュレートすることができる。
ユーザがタッチ・スクリーン110に触れてその指Fを当該タッチ・スクリーン110上で動かすときに、当該ユーザは、とげとげした触感(プリックリネス、prickliness)、ざらざらした触感(グレインネス、graininess)、こぶのある触感(バンピネス、bumpiness)、でこぼこした触感(ラフネス、roughness)、ねばねばした触感(スティッキーネス、stickiness)、尖ったもの、ボタン、又はこれら以外の触感を、生成された静電出力を通して感じることができる。触感は表面112に対して摩擦変化の係数を有さないが、その代わりにユーザの肌の機械的受容器によって感知される特殊な感覚によって生成される。ユーザの肌にある機械的受容器は、指Fがタッチ・スクリーン110を横切って動くときに、一般的な感覚を感じるように刺激されてもよい。したがって、容量結合を用いて、タッチ・スクリーン110に近接し又はタッチしている物体と結合する信号を生成することによって、摩擦力や触感をシミュレートすることができる。
多くの異なる物体や人に対して同じ引力や同じレベルの刺激を提供するために、センサ118および/またはコントローラ130は、タッチ・スクリーン110の表面112におけるインピーダンスを測定してもよい。当該センサ118および/またはコントローラ130は、表面112全体にパルスを印加して表面電圧を測定することにより、又は、容量結合の強さを測定することにより、インピーダンスを測定することができる。当該センサ118および/またはコントローラ130は、インピーダンスを測定するために、上記以外の公知の技術を用いることができる。また、大気中の湿度や温度等の変化する環境条件を補正することができる。触覚効果は、人のインピーダンスに基づいて調整してもよい。例えば、高いインピーダンスを有する物体に対してはより力強い触覚効果を加え、低いインピーダンスを有する物体に対してはより弱い触覚効果を加えることができる。
一実施形態に係るタッチ・スクリーン110には、物体が導電層114に直接タッチできるように、絶縁層が備えられていなくてもよい。触覚効果は、導電層114から物体へ電流を通過させることにより生成され得る。
図2に示すように、一実施形態においては、絶縁層116は1つまたは複数の電極122を有してもよく、これらの電極122は、物体が絶縁層116を横切って動くときに電極122に近接した位置でタッチ・スクリーン110の表面112に触れている当該物体に電流を伝えることができる。
図1に示すように、一実施形態においては、導電層114は1つまたは複数の電極124を有してもよく、これらの電極124は、物体が絶縁層116を横切って動くときに電極124に近接した位置でタッチ・スクリーン110の表面112に触れている当該物体に静電出力を生成して伝えることができる。一実施形態において、センサ118の部分である電極が静電出力を生成してもよい。
図3に示すように、一実施形態において、1つまたは複数の電極126、126A、126Bは、導電層114と絶縁層116の間に配置されてもよい。前記1つまたは複数の電極126、126A、126Bは、物体が絶縁層116を横切って動くときに電極126、126A、126Bに近接した位置でタッチ・スクリーン110の表面112に触れている当該物体に静電出力を生成して伝えることができる。
コントローラ130は、読込みモードにあるときにセンサ118の電圧である出力を読み取り、センサ118の出力を介して、センサ118によって感知される入力の位置を識別する。コントローラ130はまた書き込みモードで動作するように構成されていおり、書き込みモードにおいて、コントローラ130は電圧である信号を導電層114の電極124(図1参照)、絶縁層116の電極122(図2参照)、または導電層114と絶縁層116の間の電極126(図3参照)に書き込むことによって、例えばユーザの指Fに静電荷を生成する。静電荷は静電出力として感じられるが、それによって触覚効果が得られる。静電出力の強度は、ユーザの指Fの肌から電極122、124、126を離す絶縁層116の厚さにとりわけ依存する。
図4に示す実施形態において、絶縁層116はタッチ・スクリーン110の強度および耐久性を向上させるための外部絶縁層116Aを含んでもよい。一実施形態において、外部絶縁層116Aはガラスからなる。一実施形態において、外部絶縁層116Aは熱可塑材からなる。一実施形態において、外部絶縁層116Aに加えて第2の絶縁層116Bが備えられる。一実施形態において、第2の絶縁層116Bはガラスからなる。一実施形態において、外部絶縁層116Aは厚さが0.5mm未満の熱可塑材からなり、、第2の絶縁層116Bはガラスからなる。一実施形態において、絶縁層116はガラスの単層である。一実施形態において、外部絶縁層116Aに近接する電極128を用いて静電出力を生成してもよい。さらに、電極128の静電出力をドライブし、また位置の読み込みおよび静電電極128への書き込みを整合させるための専用の電子回路を用いて、容量性の感知に関して発生し得る問題を極力低減する、さらには回避してもよい。
一実施形態において、コントローラ130は入力またはタッチを感知する読込みモードから電圧を書き込むまたは提供することによって触れている指Fに静電荷および静電出力を生成する書込みモードに切り替わるように構成されている。上述の電極122、124、126、128のうち少なくとも1つに電圧が書き込まれる。このように、触覚出力装置100は、タッチを感知すること、および触れている指Fに静電荷および静電出力を生成するために電圧を書き込むことを多重的に処理するように構成されている。
一実施形態において、静電出力は、タッチを感知するセンサ118の読取りと触覚効果を生成するための電圧の書込みとを多重的に処理することによって実現してもよい。上述の電極122、124、126、128のうち少なくとも1つに電圧が書き込まれる。これは表面容量性タッチ・スクリーンおよび投影型容量性タッチ・スクリーンのいずれにおいても一般的な技術である。
一実施形態において、タッチの感知とタッチしている指Fに対して静電荷を生成するための電圧の書込みとの間で多重化処理を用いてもよい。表面容量性タッチ・スクリーンにおいては、前記方法は、タッチを感知したセンサ118を読み取る工程と、読込みから書込みに切り替える工程と、感知されたタッチの位置に基づいて所望の電圧を書き込み、静電出力を生成する工程と、再びセンサ118の読込みに戻る工程などを含んでもよい。上述の電極122、124、126、128のうち少なくとも1つに電圧が書き込まれる。
投影型容量性タッチ・スクリーンにおいては、前記方法は、タッチを感知したセンサ118を読み取る工程と、タッチの位置を取得する工程と、読込みから書込みに(例えば、感知から駆動に)切り替える工程と、タッチの位置の周辺領域に所望の電圧を書き込む工程とを含んでもよい。投影型容量性タッチ・スクリーンの技術はマルチ・タッチを考慮に入れているため、複数の異なる位置を選択することが可能であり、タッチ表面の全領域に書き込むことなく特定の位置に静電出力を印加してもよい。前記方法は他のタッチの読込み等について反復されてもよい。
コントローラ120による読込みモードと書込みモード(感知と駆動)の切替えのタイミングは、信号の設定時間に依存してもよい。
タッチ・スクリーン110が複数の電極を備える実施形態において、読込みと書込みの順序は調整されてもよい。例えば、一実施形態において、第1の電極126Aからの読込みと第2の電極126B(図3参照)への書込みとは同時に行われてもよい。
一実施形態において、タッチを感知する際には高い電圧を用いることによって、読取り電圧と書込み電圧とを2つの異なるレベルに設定する必要性を極力低減、さらには回避してもよい。通常は、電子回路の駆動装置は感知には低電圧を用いるが、場合によってはこの電圧は静電出力を生成するのに十分である。表面容量性タッチ・スクリーンおよび投影型容量性タッチ・スクリーンにおいて、一実施形態における方法は、従来の電圧レベルを用いてタッチ位置を読み取る工程と、タッチの位置を判定する工程と、タッチの位置において、静電出力の電圧レベルを用いてタッチ位置を読み取る工程とを含んでもよい。静電出力において電圧レベルは動的であるため、感知処理はこの動的な値を用いて行われてもよい。この実施形態の利点として考えられるものは、読取りと書込みのサイクル間に電圧を設定するための待ち時間を極力低減できることである。
投影型容量性タッチ・スクリーンにおいては、出力は局所化される。というのは、複数の異なる位置が知られており、別々にアクセスできるからである。
一実施形態において、コントローラ130は能動的に読込みサイクルの現在の電圧レベルを追跡し、それに応じて値を調整して入力の正確な位置を判定してもよい。一実施形態において、電極140のいくつかは通常の電圧で読み取られ、その他の電極140は通常の電圧より高い電圧で読み取られてもよい。
投影型容量性タッチ・スクリーンの少なくとも1つの電極124を含む導電層114によって被覆される領域が小さすぎる場合、そのサイズは、静電出力を生成するためにより大きな領域を有するように変更されてもよい。触覚効果は電極によって被覆される領域の関数として、または電極の数の関数として調整されてもよい。例えば、異なる指のサイズを有する異なるユーザが同じタッチ・スクリーン110を用いた場合、または単一のユーザが異なる接触面積を有する複数の指、例えば小指と親指を用いてタッチ・スクリーン110にタッチした場合、接触面積情報を用いて触覚効果の大きさを調整し、どの指も同じ触覚効果を感知するようにすることができる。
一実施形態において、単一の電極ではなく複数の電極を用いて触覚効果を生成してもよい。一実施形態において、ユーザ入力が感知された後、電力を極力低減しまたは触角効果を特定の位置に分離するのに最適な出力位置を、コントローラ130を用いて判定してもよい。最適な出力位置を判定した後、コントローラ130は最適な出力位置に最も近い電極をドライブするための信号を送信してもよい。
一実施形態において、ユーザは例えばタッチ・スクリーン110の2つの異なる位置に2本以上の指を用いて複数の入力を与えてもよい。これらの入力が感知された後、コントローラ130を用いて異なる位置の異なる電極を別々にドライブし、マルチ・タッチの局所的な触覚効果を生成してもよい。例えば、局所的な触覚効果は、1本の指が他の指よりも強い触角効果を感じるように提供されてもよく、または、それらの指がタッチ・スクリーン110の表面112を横切って互いに近づくように動かされたときに、1本の指の他の指に対する相対的な位置に基づいて触覚効果が変化してもよい。
一実施形態において、コントローラ130は、ユーザの指が電極間を移動する際に触覚効果を1本の電極から他の電極に移行し、ユーザの指の現在の位置に従って各電極から出力される電力の全体を調整してもよい。例えば、各電極によって指に対して出力される電力は、当該電極に対する指の相対的な位置の関数として与えられる。指が第1の電極の上に置かれている場合、第1の電極から出力される電力はレベルXであり、それにより触覚効果Aが生成される。指が第2の電極の上に置かれている場合、第2の電極から出力される電力はレベルYであり、それにより触覚効果Bが生成される。指が第1の電極と第2の電極の間に置かれている場合、第1の電極に出力される電力はレベルXの半分であり、第2の電極に出力される電力はレベルYの半分であり、それにより触覚効果Cが生成される。一実施形態において、レベルXとレベルYは同等か実質的に同等であり、触覚効果A、B、およびCは同等か実質的に同等である。よって、ユーザが感じる触覚効果は、タッチ・スクリーン110の表面112の全体にわたって均一である。
当該触覚効果は、1つずつ生成されたものでもよく、組み合わされたものであってもよい。例えば、タッチ・スクリーン110に接触する指Fの肌を引き寄せるとともにその肌にある機械的受容器を刺激できるほど高い電圧を導電層114に加えることができる。この触覚効果と同時に、当該導電層114及び(電極を含む)絶縁層116に静電気力が生成され、これらの層における機械的な動きが生成される。
図5は本発明の実施形態にかかる触覚出力装置における触覚効果の生成方法500を示す。方法500は工程502から始まる。工程504において、タッチ・スクリーン110の表面112における入力がセンサ118で感知される。工程506において、コントローラ130により、タッチ・スクリーン110の表面112に対する入力を感知するセンサ118から電圧が読み込まれる。工程508において、コントローラ130により、入力の位置が判定される。工程510において、コントローラ130は読込みモードから書込みモードに切り替わる。工程512において、コントローラ130により、感知された入力の位置に基づく電圧が書き込まれ、静電出力が生成される。当該電圧は感知された入力の位置またはその近傍にある電極に書き込まれる。工程514において、この方法を継続するか終了するかを決定する。方法500を継続する場合、方法500は工程504に戻り、タッチ・スクリーン110の表面112に対する他の入力がセンサ118によって感知される。方法500を終了する場合、方法500は工程516で終了する。
図6は本発明の実施形態にかかる触覚出力装置における触覚効果の生成方法600を示す。方法600は工程602から始まる。工程604において、タッチ・スクリーン110の表面112における入力がセンサ118で感知される。工程606において、コントローラ130により、タッチ・スクリーン110の表面112に対する入力を感知するセンサ118から電圧が読み込まれる。工程608において、コントローラ130により、入力の位置が判定される。工程610において、コントローラ130により、感知された入力の位置に基づく電圧が書き込まれ、静電出力が生成される。コントローラ130によって書き込まれる電圧はコントローラ130によって読み込まれる電圧とほぼ同じである。工程612において、この方法を継続するか終了するかを決定する。方法600を継続する場合、方法600は工程604に戻り、タッチ・スクリーン110の表面112に対する他の入力がセンサ118によって感知される。方法600を終了する場合、方法600は工程614で終了する。
現時点で最も実用的であり好ましいと考えられる態様に基づいて、本発明を例示のために詳細に説明したが、このような詳細な説明は例示のみを目的としたものである。本発明は開示された実施形態に限定されるものではなく、むしろ添付された特許請求の範囲の趣旨及び範囲に入る変形や均等な配置も本発明に含められることが意図されている。例えば、本発明においては、あらゆる実施形態の一又は複数の特徴を他の実施形態の一又は複数の特徴と可能な限り結合することができる。