JP6267590B2 - 繊維複合シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨パッド、詳しくは、半導体ウエハ,半導体デバイス,シリコンウエハ,ハードディスク,ガラス基板,光学製品,または、各種金属等を研磨するための研磨パッドの研磨層として好ましく用いられる繊維複合シートに関する。
半導体ウエハに形成される集積回路は、高集積化及び多層配線化されている。このような半導体ウエハには、高い平坦性が求められている。
半導体ウエハを研磨するための研磨方法として、ケミカルメカニカル研磨(CMP)が知られている。CMPは、被研磨基材表面を、砥粒を含む研磨スラリー(以下、単にスラリーとも称する)を滴下しながら、研磨パッドで研磨する方法である。
CMPに用いられる研磨パッドとしては、独立発泡構造を有する高分子発泡体からなる研磨パッドが知られている。高分子発泡体は、2液硬化型ポリウレタンを注型発泡成形して製造される。高分子発泡体から製造された研磨パッドは、後述する不織布タイプの研磨パッドに比べて剛性が高い。そのために、高い平坦性が要求される半導体ウエハの研磨に好ましく用いられている。
高分子発泡体からなる研磨パッドは剛性が高い。そのために、被研磨基材の凸部に選択的に荷重を掛ける。その結果、比較的高い研磨レートが得られる。しかしながら、凝集した砥粒が研磨面に存在する場合、凝集した砥粒にも荷重が選択的に掛かる。そのために、研磨面にスクラッチが発生しやすかった。特に、銅配線を有する基材や、界面の接着性が弱い低誘電率材料を研磨する場合、スクラッチや界面剥離が発生しやすくなる。また、注型発泡成形においては、高分子弾性体が不均質に発泡しやすいために、被研磨基材の平坦性や研磨時の研磨レートが不均質になりやすい。さらに、高分子発泡体の独立孔に砥粒や研磨屑が徐々に目詰まりすることにより、研磨レートが徐々に低下する。
高分子発泡体からなる研磨パッドの問題点を解決した研磨パッドとして、下記特許文献1は、平均繊度が0.0001〜0.01dtexのポリエステル極細繊維束が絡合してなる不織布にポリウレタンを主成分とした高分子弾性体を含浸させたシート状物からなる研磨パッドを開示する。そして、このような研磨パッドが従来よりも高精度な研磨加工を実現したことを開示する。しかしながらこのような不織布は、見掛け密度が低いために剛性が低かった。そのために、研磨面の表面形状に追従して研磨パッドが変形するために、平坦化性能が低かった。
特開2007−54910号公報
特許文献1に開示されたような、不織布にポリウレタンを主成分とした高分子弾性体を含浸させたシート状物からなる研磨パッドの見掛け密度を高めるために、シート状物を熱プレスすることにより圧縮させる方法が考えられる。しかしながら、シート状物中のポリウレタンの含有割合が高い場合には、圧縮性が低下して見掛け密度を高めにくくなるという問題がある。また、熱プレス工程を設けることにより生産性が低下するという問題がある。本発明は、このような問題を解決することを目的とする。
本発明は、研磨パッドの素材として好ましく用いられる繊維複合シートの製造において、繊維複合シートの見掛け密度を容易に向上させることができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、(a)不織布を含む繊維シートを準備する工程と、(b)繊維シートに感熱ゲル化性を有する第1のポリウレタンエマルジョンを含浸させる工程と、(c)繊維シートに含浸させた第1のポリウレタンエマルジョンを、湿球温度が60〜85℃で且つ相対湿度が25〜83RH%に調湿調温された雰囲気でゲル化させる工程と、(d)ゲル化した第1のポリウレタンエマルジョンから第1のポリウレタンを凝固させる工程と、を備え、第1のポリウレタンの100%モジュラスが10MPa以上である繊維複合シートの製造方法である。このような製造方法によれば、第1のポリウレタンエマルジョンを、湿球温度が60〜85℃で且つ相対湿度が25〜83RH%に調湿調温された雰囲気でゲル化させることにより、第1のポリウレタンエマルジョンのエマルジョン粒子を繊維シート内で小さい塊が多数分散したような状態で凝集させることができる。そして、第1のポリウレタンエマルジョンから凝固されるポリウレタンの100%モジュラスが10MPa以上である場合には、ポリウレタンの高い凝集力により不織布を形成する繊維を引っ張るようにして不織布を大きく収縮させ、空隙率を低減させる。それにより、熱プレスによらず、見掛け密度を高めた繊維複合シートが得られる。
また、繊維シートは、不織布と第2のポリウレタンとを含み、不織布は0.5dtex以下の繊度を有する極細繊維を含み、工程(b)が、不織布との合計量に対して第1のポリウレタンが10質量%以上含有されるように、繊維シートに第1のポリウレタンエマルジョンを含浸させる工程である場合には、見掛け密度のより高い繊維複合シートが得られる点から好ましい。
また、工程(a)が、(a1)極細繊維化処理により極細繊維を含む不織布を形成しうる、極細繊維発生型繊維の長繊維の繊維ウェブを形成する工程と、(a2)繊維ウェブを複数層重ねて絡合処理することにより、長繊維絡合体を形成する工程と、(a3)長繊維絡合体を湿熱収縮処理することにより、緻密化する工程と、(a4)緻密化された長繊維絡合体に、第2のポリウレタンエマルジョンを含浸させた後、第2のポリウレタンを凝固させる工程と、(a5)工程(a4)の後、極細繊維発生型繊維を極細繊維化処理することにより、繊維シートを形成する工程と、を備えることが、より見掛け密度の高い繊維複合シートが得られる点から好ましい。
研磨パッドの素材として好ましく用いられる、見掛け密度の高い繊維複合シートを容易に得ることができる。
図1は実施形態の製造方法における、第1のポリウレタンエマルジョンをゲル化させる工程(c)以降の工程における、繊維シート中の不織布及びポリウレタンエマルジョンの変化の過程を模式的に説明するための説明図である。 図2は実施例の結果における、湿球温度と見掛け密度との関係を示したグラフである。
はじめに、本発明に係る繊維複合シートの製造方法の作用について、図1を参照して簡単に説明する。図1は本実施形態の製造方法における、繊維シートに含浸させた第1のポリウレタンエマルジョンを所定の雰囲気でゲル化させる工程(c)以降の工程における、不織布及び第1のポリウレタンエマルジョンの変化の過程を模式的に説明するための説明図である。
図1中、1は不織布であり、2は第1のポリウレタンエマルジョン中のエマルジョン粒子であり、3はゲル化して適度に凝集したエマルジョン粒子であり、4はエマルジョン粒子3を凝固させて形成された第1のポリウレタンであり、10は第1のポリウレタン4と不織布1とを含む繊維複合シートである。
本実施形態の製造方法においては、図1(a)に示すように、不織布1を含む繊維シートにエマルジョン粒子2を含む感熱ゲル化性を有する第1のポリウレタンエマルジョンを含浸させた後、湿球温度が60℃以上で、相対湿度が10〜90RH%に調湿調温された雰囲気で第1のポリウレタンエマルジョンをゲル化させる。このような雰囲気下において第1のポリウレタンエマルジョン中のエマルジョン粒子をゲル化させることにより、エマルジョン粒子が不織布1中で小さい塊が多数分散したような状態で凝集する(図1(b))。そして、不織布1中で第1のポリウレタンエマルジョンを適度に凝集させた後、ゲル化した第1のポリウレタンエマルジョンから第1のポリウレタンを凝固させる。このとき、第1のポリウレタンが、100%モジュラスが10MPa以上のポリウレタンであることにより、その高い凝集力により、不織布1を形成する繊維が引っ張られて繊維シートが大きく収縮する。その結果、図1(c)に示すように、不織布1が緻密になることにより繊維複合シート10の空隙が減少し、見掛け密度が高くなる。
以下、本発明に係る繊維複合シートの製造方法の一実施形態について、工程順に詳しく説明する。
(a)不織布を含む繊維シートを準備する工程
本工程においては、不織布を含む繊維シートを準備する。不織布を含む繊維シートとしては、不織布のみからなる繊維シートであっても、不織布にポリウレタン等の高分子弾性体を付与したようなものであってもよい。また、不織布を形成する繊維の繊度は特に限定されない。本実施形態においては、繊維複合シートを研磨パッドの素材として用いる場合に好ましい形態である、極細繊維の不織布とポリウレタンとを含む繊維シートを製造する工程を代表例として挙げて説明する。
極細繊維の不織布の製造においては、海島型複合繊維のような極細繊維発生型繊維の繊維絡合体を形成し、極細繊維発生型繊維を極細繊維化する方法が挙げられる。具体的には、例えば、以下のような方法が挙げられる。
はじめに、水溶性熱可塑性樹脂を海成分とし、非水溶性熱可塑性樹脂を島成分とする海島型複合繊維からなるウェブを製造する。海島型複合繊維は海成分を溶解することにより島成分の樹脂からなる極細繊維を発生させる、極細繊維発生型繊維である。なお、本実施形態においては、海島型複合繊維を用いる例について説明するが、海島型複合繊維の代わりに多層積層型断面繊維等の公知の極細繊維発生型繊維を用いてもよい。
水溶性熱可塑性樹脂としては、水,アルカリ性水溶液,酸性水溶液等により溶解除去または分解除去される熱可塑性樹脂であり、溶融紡糸が可能な樹脂が用いられる。水溶性熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA),PVA共重合体等のPVA系樹脂;ポリエチレングリコール及び/又はスルホン酸アルカリ金属塩を共重合成分として含有する変性ポリエステル;ポリエチレンオキシド等が挙げられる。これらの中ではPVA系樹脂が好ましく用いられる。本実施形態においては、海成分としてPVA系樹脂を用いる例を挙げて説明する。
一方、極細繊維を形成する島成分の非水溶性熱可塑性樹脂としては、水、アルカリ性水溶液、酸性水溶液等により、溶解除去または分解除去されない熱可塑性樹脂であって、溶融紡糸が可能な樹脂が用いられる。
繊維複合シートを研磨パッドの素材として用いる場合には、極細繊維を形成する非水溶性熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上、さらには60℃以上の熱可塑性樹脂から形成されていることが好ましい。熱可塑性樹脂のTgが低すぎる場合には、研磨の際に、剛性が不足して平坦化性能が低下し、また、経時的に剛性が低下して研磨安定性や研磨均一性が低下する傾向がある。なお、研磨過程では吸水状態となることから、Tgは50℃の温水に濡らせた後、濡れたままの状態で測定したTgが50℃以上であることが、さらに好ましい。また、熱可塑性樹脂の吸水率は、4質量%以下、さらには2質量%以下であることが好ましい。吸水率が4質量%を超える場合には、研磨の際に、スラリー中の水分を徐々に吸収することにより剛性が経時的に低下する。このような場合には、平坦化性能が経時的に低下したり、研磨レートや研磨均一性が変動したりしやすくなる。吸水率は0〜2質量%であることが好ましい。
このような非水溶性熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET、Tg77℃、吸水率1質量%),イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(Tg67〜77℃、吸水率1質量%),スルホイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(Tg67〜77℃、吸水率1〜4質量%),ポリブチレンナフタレート(Tg85℃、吸水率1質量%),ポリエチレンナフタレート(Tg124℃、吸水率1質量%)等の芳香族ポリエステル系樹脂;テレフタル酸とノナンジオールとメチルオクタンジオール共重合ナイロン(Tg125〜140℃、吸水率1〜4質量%)等の半芳香族ポリアミド系樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレートが、剛性、耐水性、及び耐磨耗性を充分に維持しうる点からも好ましい。特に、PETおよびイソフタル酸変性PET等の変性PETは、後述する海島型複合繊維から極細繊維を形成する湿熱処理工程において大幅に捲縮するために、より高密度の繊維複合シートが得られる点、研磨パッドの素材として用いる場合には研磨の際に水分による経時変化を発生しにくい点から好ましい。
海島型複合繊維は、水溶性熱可塑性樹脂と非水溶性熱可塑性樹脂とを、それぞれ溶融紡糸した後、複合化させる紡糸法を用いて製造できる。また、海島型複合繊維は、短繊維に切断した後カーディング等の工程を得て絡合させてウェブ化されてもよいが、好ましくはスパンボンド法等により長繊維のまま堆積させてウェブ化されることが好ましい。長繊維である場合には、繊維密度を高めやすく、また、研磨の際に極細繊維が脱落しにくくなる。
なお、長繊維とは、短繊維を製造するときのような切断工程を経ずに製造された連続的な繊維を意味する。具体的には平均繊維長が100mm以上、さらには、200mm以上であることが好ましい。平均繊維長の上限は、特に限定されないが、例えば、数m、数百m、数kmあるいはそれ以上の長さの繊維を含んでもよい。
以下、海島型複合繊維の長繊維のウェブの製造方法の一例について、以下に詳しく説明する。はじめに、水溶性熱可塑性樹脂及び非水溶性熱可塑性樹脂をそれぞれ別々の押出機で溶融混練し、それぞれ異なる紡糸口金から溶融樹脂を同時に吐出させる。そして、吐出された溶融樹脂を複合ノズルで複合させた後、紡糸ヘッドのノズル孔から吐出させることにより海島型複合繊維が形成される。
海島型複合繊維中の水溶性熱可塑性樹脂と非水溶性熱可塑性樹脂との質量比は特に限定されないが、5/95〜50/50、さらには、10/90〜40/60であることが好ましい。水溶性熱可塑性樹脂と非水溶性熱可塑性樹脂との質量比がこのような範囲である場合には、高密度の不織布が得られ、また、極細繊維の形成性にも優れる点から好ましい。また、溶融複合紡糸においては、海島型複合繊維中の島数は4〜4000島/繊維、さらには10〜1000島/繊維にすることが好ましい。また、海島型複合繊維の繊度は特に限定されないが、工業性の観点から0.5〜4dtex程度であることが好ましい。
紡糸された海島型複合繊維は冷却装置で冷却された後、エアジェット・ノズルなどの吸引装置を用いて目的の繊度となるように1000〜6000m/minの引き取り速度に相当する速度の高速気流により延伸される。その後、延伸された海島型複合繊維を移動式の捕集コンベア等の上に堆積することにより長繊維のウェブが形成される。このとき、必要に応じて、堆積された長繊維のウェブを部分的に圧着してもよい。
次に、ウェブをクロスラッピング等により複数層重ねた後、絡合させる。ウェブを絡合させることにより繊維密度が向上する。ウェブの絡合処理は、ニードルパンチや高圧水流処理等を用いて行うことができる。代表例として、ニードルパンチによる絡合処理について詳しく説明する。
はじめに、針折れ防止油剤、帯電防止油剤、絡合向上油剤などのシリコーン系油剤または鉱物油系油剤をウェブに付与する。そして、ニードルパンチにより複数層重ねられたウェブを絡合させる。絡合されたウェブの目付は、100〜1500g/m2の範囲であることが取扱い性に優れる点から好ましい。
また、必要に応じて、絡合されたウェブを湿熱収縮させることにより繊維密度をさらに高めてもよい。湿熱収縮処理はスチーム加熱などを行うことが好ましい。スチーム加熱条件は特に限定されないが、例えば、雰囲気温度が60〜130℃の範囲で、10〜80%RHの条件で、60〜600秒間加熱処理するような条件が挙げられる。なお、長繊維のウェブは短繊維のウェブよりも湿熱収縮処理により大きく収縮する。また、必要に応じて、絡合されたウェブを加熱ロールや加熱プレスすることにより繊維密度をさらに高めてもよい。
湿熱収縮処理は、絡合された長繊維のウェブを面積収縮率が35%以上、さらには、40%以上になるように収縮させることが好ましい。このように高い収縮率で収縮させることにより、繊維密度が極めて高くなる。面積収縮率の上限は、収縮の限度や処理効率の点から80%程度であることが好ましい。なお、面積収縮率(%)は、下記式により計算される。
(収縮処理前の絡合されたウェブの面積−収縮処理後の絡合されたウェブの面積)/収縮処理前の絡合されたウェブの面積×100
このようにして、海島型複合繊維の長繊維のウェブを絡合した長繊維絡合体が得られる。長繊維絡合体中の海島型複合繊維は、後に極細繊維に変換される。
次に、長繊維絡合体に高分子弾性体を付与する。高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリウレタン、ポリアミド系弾性体、(メタ)アクリル酸エステル系弾性体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン系弾性体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル系弾性体、(メタ)アクリル酸エステル−オレフィン系弾性体、(メタ)アクリル酸系エステル−(水添)イソプレン系弾性体、(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン系弾性体、スチレン−ブタジエン系弾性体、スチレン−水添イソプレン系弾性体、アクリロニトリル−ブタジエン系弾性体、アクリロニトリルーブタジエンースチレン系弾性体、酢酸ビニル系弾性体、(メタ)アクリル酸エステル−酢酸ビニル系弾性体、エチレン−酢酸ビニル系弾性体、エチレン−オレフィン系弾性体、シリコーン系弾性体、フッ素系弾性体、及び、ポリエステル系弾性体等が挙げられる。
以下に、長繊維絡合体に高分子弾性体を付与する方法について、ポリウレタン(以下、第2のポリウレタンとも称する)を付与する例を挙げて、詳しく説明する。長繊維絡合体に第2のポリウレタンを付与する方法としては、長繊維絡合体に第2のポリウレタンのエマルジョンを含浸させたり、第2のポリウレタンの溶液を含浸させたりした後、第2のポリウレタンを凝固させる方法が挙げられる。
なお、第2のポリウレタン及び後述する第1のポリウレタンは、ポリウレタンのエマルジョンを凝固して形成される非多孔質状のポリウレタンであることがとくに好ましい。非多孔質状とは、多孔質状、または、スポンジ状の高分子弾性体が有するような空隙(独立気泡)を実質的に有さないことを意味する。例えば、溶剤系ポリウレタンを凝固させて得られるような、独立気泡を多数有するような高分子弾性体でないことを意味する。高分子弾性体が非多孔質状である場合には、高い研磨安定性が得られ、摩耗しにくく、また、スラリー屑やパッド屑が空隙に残りにくくなる。そのために、高い研磨レートを長時間維持することができる。また、極細繊維に対する接着性が高いために繊維の抜けが起こりにくくなる。さらに、高い剛性が得られるために平坦化性能が優れる。本実施形態においては、長繊維絡合体に第2のポリウレタンのエマルジョンを含浸させた後、第2のポリウレタンを凝固させる方法を代表例として挙げて詳しく説明する。
第2のポリウレタンのエマルジョンを調製する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基などの親水性基を有する単量体成分を第2のポリウレタンを形成するモノマーの共重合成分として用いることにより、水に対する自己乳化性をポリウレタンに付与する方法、または、第2のポリウレタンに界面活性剤を添加して乳化させる方法が挙げられる。親水性基を有する単量体単位を共重合成分として含むポリウレタンは、水に対する濡れ性に優れるために、多量のスラリーを保持できる。
なお、100%モジュラスを制御したり、ポリウレタンの吸水率を調整するために、ポリウレタンを形成するモノマー単位が有する官能基と反応し得る官能基を分子内に2個以上含有する架橋剤や、ポリイソシアネート系化合物、多官能ブロックイソシアネート系化合物等の自己架橋性の化合物を添加することのより、架橋構造を形成することが好ましい。
ポリウレタンを形成するモノマー単位の官能基と架橋剤の官能基との組み合わせとしては、カルボキシル基とオキサゾリン基、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とシクロカーボネート基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボニル基とヒドラジン誘導体、ヒドラジド誘導体などが挙げられる。これらの中では、カルボキシル基を有するモノマー単位とオキサゾリン基、カルボジイミド基またはエポキシ基を有する架橋剤と組み合わせ、水酸基またはアミノ基を有するモノマー単位とブロックイソシアネート基を有する架橋剤との組み合わせ、およびカルボニル基を有するモノマー単位とヒドラジン誘導体またはヒドラジド誘導体との組み合わせが、架橋形成が容易であり、100%モジュラスを調整しやすい点から好ましい。なお、架橋構造は、長繊維絡合体にポリウレタンを付与した後の熱処理工程において形成することが、エマルジョンの安定性を維持できる点から好ましい。架橋剤の配合量としては、ポリウレタンに対して、架橋剤の有効成分が1〜20質量%であることが好ましく、1.5〜10質量%であることがより好ましく、2〜10質量%であることがさらに好ましい。
また、乳化に用いられる界面活性剤の具体例としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム,ラウリル硫酸アンモニウム,ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム,ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム,アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム,ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンラウリルエーテル,ポリオキシエチレンステアリルエーテル,ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体などのノニオン性界面活性剤などが挙げられる。また、反応性を有する、いわゆる反応性界面活性剤を用いてもよい。また、界面活性剤の曇点を適宜選ぶことにより、エマルジョンに感熱ゲル化性を付与することもできる。
エマルジョンの固形分濃度としては、15〜40質量%、さらには、20〜
30質量%であることが、繊維シートにポリウレタンを均質に高充填できる点から好ましい。また、エマルジョンの粒子径としては、0.01〜1μm、さらには、0.03〜0.5μmであることが好ましい。
長繊維絡合体中に含浸されたエマルジョン中の水分は表面から乾燥する。そのために、水分を乾燥させてポリウレタンを凝固させる際には、蒸発の進行に伴い、長繊維絡合体中のエマルジョンが表層に移動するマイグレーションを引き起こしやすい。不織布中のエマルジョンがマイグレーションした場合には、長繊維絡合体の表層付近にポリウレタンが偏在し、中層付近のポリウレタンが少なくなり、中層付近に空隙が残りやすい。中層付近に空隙が残った場合には中層における硬度が低下し、また、硬度が不均質になる。このようなマイグレーションは、エマルジョンにゲル化剤を配合することにより、ポリウレタンを凝固させる前に、ゲル化させることにより抑制される。
ゲル化剤としては、エマルジョンを加熱によりゲル化させる水溶性の塩が好ましく用いられる。その具体例としては、一価または二価の無機塩類である、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、酸化亜鉛、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化カリウム、炭酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸鉛等が挙げられる。
エマルジョン中のゲル化剤の含有割合としては、ポリウレタン(固形分)100質量部に対して0.5〜5質量部、さらには0.6〜4質量部であることがゲル化性を適度に付与することができる点から好ましい。
またエマルジョンは、浸透剤,消泡剤,滑剤,撥水剤,撥油剤,増粘剤,増量剤,硬化促進剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,蛍光剤,防黴剤,発泡剤,ポリビニルアルコールやカルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子化合物,染料,顔料,無機微粒子などをさらに含有してもよい。
エマルジョンを長繊維絡合体に含浸させる方法は特に限定されず、例えば、ディップ・ニップ、ナイフコート、バーコート、又はロールコート等の方法が用いられうる。
長繊維絡合体にゲル化剤を含むエマルジョンを含浸させた場合、加熱することにより、長繊維絡合体中でエマルジョンがゲル化する。このようなゲル化のための加熱条件は特に限定されないが、例えば、40〜100℃、さらには50〜90℃で、10〜90%RHの条件で、0.5〜5分間程度保持するような条件が好ましく用いられる。また、表層からの急激な水分の蒸発によるエマルジョンのマイグレーションを抑制しながら、内層も均質に加熱することができる点から、スチームで加熱することも好ましい。
長繊維絡合体に含浸された第2のポリウレタンのエマルジョンをゲル化させた後、加熱することにより第2のポリウレタンが凝固する。
加熱条件としては、熱風乾燥機中で加熱する方法や、赤外線加熱の後に乾燥機中で加熱乾燥する方法等が挙げられる。加熱条件は適宜選択されるが、例えば、最高温度が130〜160℃、さらには135〜150℃になるように、2〜10分間で加熱するような条件が挙げられる。加熱により、エマルジョン中のポリウレタンが凝固する。
そして、第2のポリウレタンを付与された、長繊維絡合体に含まれる海島型複合繊維を極細繊維化処理することにより、極細繊維の不織布と第2のポリウレタンとを含有する繊維シートが形成される。
極細繊維化処理は、海島型複合繊維を、水,アルカリ性水溶液,酸性水溶液等で熱水加熱処理することにより、海成分を形成する水溶性熱可塑性樹脂を除去する処理である。熱水加熱処理の条件は特に限定されず適宜選択されるが、例えば、海成分がPVA系樹脂の場合には、第2のポリウレタンを付与された長繊維絡合体を、65〜100℃の熱水中で100〜1000秒間処理するような方法が好ましく用いられる。また、溶解効率を高めるために、必要に応じて、ロールでのニップ処理、高圧水流処理、超音波処理、シャワー処理、攪拌処理、揉み処理等を行ってもよい。
第2のポリウレタンを付与された長繊維絡合体を熱水加熱処理して海島型複合繊維から水溶性熱可塑性樹脂を溶解除去することにより、極細繊維の不織布と第2のポリウレタンとを含む繊維シートが形成される。極細繊維が形成されるときに、極細繊維は大きく捲縮し、繊維密度が緻密になる。とくに、海成分としてPVA系樹脂を含む海島型複合繊維からPVA系樹脂を溶解させるとき、島成分である極細繊維が大きく捲縮する。その結果、繊維密度のより高い極細繊維の不織布が形成される。なお、海島型複合繊維から水溶性熱可塑性樹脂が除去されることにより、水溶性熱可塑性樹脂が存在していた部分に空隙が形成される。この空隙には、後の工程で100%モジュラスが10MPa以上の第1のポリウレタンが付与される。
このようにして形成される極細繊維の繊度は、0.5dtex以下、さらには、0.0001〜0.5dtex、とくには0.001〜0.1dtexの繊度を有することが好ましい。極細繊維の繊度が高すぎる場合には、表面が粗くなって研磨レートが低下し、また、極細繊維の表面で砥粒が凝集しやすくなる傾向がある。
海島型複合繊維を経て形成される極細繊維は、繊維束状に存在する。繊維束は、研磨の際に分繊またはフィブリル化する。その結果、研磨面に高い繊維密度の極細繊維が露出する。露出した極細繊維は、広い面積で被研磨基材と接触し、また、多量のスラリーを保持できる。さらに、露出した極細繊維は、研磨パッドの表面をソフトにするために、砥粒の凝集物に荷重が選択的に掛かることを抑制する。その結果、スクラッチの発生が抑制される。
繊維束を形成する極細繊維が集束されていない場合には、極細繊維が柔軟性を帯びるために高い平坦化性能が得られにくくなる。また、研磨中に極細繊維が抜けやすくなり、抜けた繊維に砥粒が凝集してスクラッチを発生させやすくする。後の工程で100%モジュラスが10MPa以上の第1のポリウレタンが付与されることにより、繊維束内部の空隙に第1のポリウレタンが侵入して、繊維束を形成する極細繊維が集束される。
極細繊維の不織布と第2のポリウレタンとを含む繊維シート中の、第2のポリウレタンの含有割合としては、不織布と第2のポリウレタンとの合計量に対して、第2のポリウレタンが5〜20質量%、さらには10〜15質量%含有されることが好ましい。極細繊維の不織布と第2のポリウレタンとを含む繊維シート中の、第2のポリウレタンの含有割合が上記範囲である場合には、得られる繊維複合シートの見掛け密度を高めやすくなる。
以上のようにして、長繊維の極細繊維の不織布と第2のポリウレタンとを含む繊維シートが得られる。このようにして得られる繊維シートの見掛け密度は、0.40〜0.65g/cm3、さらには、0.45〜0.60g/cm3であることが、得られる繊維複合シートの見掛け密度が高くなりやすい点から好ましい。また、繊維シートの厚さは0.8〜2.5mm、さらには、1.0〜2.0mmであることが好ましい。また、繊維シートの目付は1000〜1300g/m2、さらには、1000〜1250g/m2であることが好ましい。
(b)繊維シートに感熱ゲル化性を有する100%モジュラスが10MPa以上のポリウレタンのエマルジョン(以下、第1のポリウレタンとも称する)を含浸させる工程
本工程においては、繊維シート内に存在する空隙に100%モジュラスが10MPa以上の第1のポリウレタンを付与するためのエマルジョンを含浸させる。繊維シート内に存在する空隙に第1のポリウレタンを付与することにより、繊維シートの見掛け密度が高くなる。また、100%モジュラスが10MPa以上である第1のポリウレタンは凝集性が高いために、後述するゲル化工程及び第1のポリウレタンを凝固させる工程を経ることにより、その高い凝集力により不織布を大きく収縮させて、得られる繊維複合シートの見掛け密度を向上させることができる。
第1のポリウレタンエマルジョンは、エマルジョンの凝固により形成されるポリウレタンの100%モジュラスが10MPa以上であること以外は、第2のポリウレタンエマルジョンに関して説明したものと同様のものが用いられる。また、第1のポリウレタンと第2のポリウレタンとは同じものであってもよい。
第1のポリウレタンの100%モジュラスは10MPa以上であり、11〜20MPa、さらには12〜15MPaであることが好ましい。第1のポリウレタンの100%モジュラスが10MPa未満の場合には、ポリウレタンが充分に高い凝集力を保持しないために、不織布を大きく収縮させない。
第1のポリウレタンエマルジョン中のゲル化剤の含有割合としては、第1のポリウレタン100質量部に対して0.5〜5質量部、さらには0.6〜4質量部であることがゲル化性を適度に付与することができる点から好ましい。
繊維シートに、含浸させる第1のポリウレタンエマルジョンの量は、繊維シート中の不織布との合計量に対して、第1のポリウレタンが5質量%以上、さらには10質量%以上、とくには15質量%以上、ことには20質量%以上含有されるようになる量であることが好ましい。不織布との合計量に対して、第1のポリウレタンが5質量%以上含有される場合には、第1のポリウレタンの凝集力により、不織布が大きく収縮され、得られる繊維複合シートの見掛け密度が特に高くなる。繊維シートに付与される第1のポリウレタンの量の上限は付与可能である限り特に限定されないが、繊維シート中の不織布との合計量に対して、第1のポリウレタンが35質量%以下、さらには30質量%以下になるような量であることが好ましい。
(c)繊維シートに含浸させた第1のポリウレタンエマルジョンを、湿球温度が60℃以上で且つ相対湿度が10〜90RH%に調湿調温された雰囲気でゲル化させる工程
本工程は、第1のポリウレタンエマルジョンを含浸させた繊維シートを湿球温度が60℃以上で且つ相対湿度が10〜90RH%の調湿調温された雰囲気で加熱することにより、第1のポリウレタンエマルジョンを感熱ゲル化させる工程である。このような条件に調湿調温された雰囲気中で、第1のポリウレタンエマルジョンを含浸させた繊維シートを処理した場合、繊維シート表面からの水分の急速な蒸発が抑制されてマイグレーションが抑制され、また、第1のポリウレタンエマルジョン中のエマルジョン粒子が繊維シート内で適度に凝集した状態でゲル化する。
調湿調温された雰囲気における湿球温度は60℃以上であり、好ましくは75℃以上である。60℃よりも低い場合には、第1のポリウレタンエマルジョンのゲル化後に小さい塊が多数分散した状態となるため、後の乾燥で塊同士が周囲の不織布を引っ張るほどの凝集を起こしにくくなる。また、湿球温度の上限としては、90℃以下、さらには85℃以下であることが好ましい。
また、調湿調温された雰囲気の相対湿度は10〜90RH%であり、20〜80RH%、とくには50〜80RH%であることが好ましい。調湿調温された雰囲気の相対湿度が10RH%未満の場合には、第1のポリウレタンエマルジョン中の水分の蒸発が速くなるためにマイグレーションを生じやすくなる。また、90RH%を超える場合には、調湿調温された雰囲気周辺に水滴が発生し、この水滴が繊維シートの表面に落下して汚染したり、均一なゲル化を阻害しやすくなる。
本工程においては、上述したような調湿調温された雰囲気で所定の時間の処理を行う。処理時間としては、例えば、30〜300秒間、さらには60〜240秒間処理することが好ましい。
このように調湿調温された雰囲気で加熱することにより、繊維シートに含浸された第1のポリウレタンエマルジョンがマイグレーションすることなく、小さい塊が多数分散したような状態で感熱ゲル化する。
(d)ゲル化した第1のポリウレタンエマルジョンを加熱して第1のポリウレタンを凝固させる工程
本工程は、感熱ゲル化された第1のポリウレタンエマルジョンを含む繊維シートを加熱することにより第1のポリウレタンを凝固させる工程である。このとき、上述したように、第1のポリウレタンが100%モジュラスが10MPa以上のポリウレタンであるために、凝固する際の凝集力により、繊維を引っ張るようにして不織布を含む繊維シートを大きく収縮させる。その結果、得られる繊維複合シートの見掛け密度が高くなる。
加熱処理としては、熱風乾燥機等の乾燥装置中で加熱する方法や、赤外線加熱の後に乾燥機中で加熱する方法等が挙げられる。加熱の条件としては、例えば、最高温度が130〜160℃、さらには135〜150℃になるように、2〜10分間で加熱するような条件が挙げられる。加熱により、エマルジョンを破壊して第1のポリウレタンを凝固させ、乾燥する。なお、第1のポリウレタンが架橋性を有する場合には、加熱処理は架橋を促進させるためのキュア工程を兼ねる。
以上のような工程を経て、本実施形態の繊維複合シートが得られる。繊維複合シートの見掛け密度は、0.70〜0.90g/cm3、さらには、0.75〜0.85g/cm3であることが高い剛性を保持する点から好ましい。また、繊維複合シート中の第1のポリウレタン及び第2のポリウレタンを含む高分子弾性体の合計の含有割合としては、不織布と高分子弾性体との合計量に対して、高分子弾性体が10〜35質量%、さらには15〜30質量%含有されることが好ましい。高分子弾性体の合計の含有割合が上記範囲である場合には、得られる繊維複合シートの見掛け密度を高めやすくなる。
なお、繊維シートに含まれる不織布が、海島型複合繊維を経て形成される繊維束状の極細繊維を含む場合、第1のポリウレタンエマルジョンが繊維束間に侵入することにより、極細繊維が第1のポリウレタンで集束される。また、複数の繊維束同士は、繊維束の外側に存在する第1のポリウレタンエマルジョンを含む高分子弾性体によって結着され、最終的に塊(バルク)状になることが好ましい。複数の繊維束同士が結着されることにより、繊維複合シートの形態安定性が向上して研磨安定性が向上する。
本実施形態の繊維複合シートは研磨パッドの研磨層として好ましく用いられる。具体的には、繊維複合シートに必要に応じて所望の加工を施すことにより研磨層を形成することができる。例えば、所望の厚みにスライスし、サンドペーパーまたは針布、ダイヤモンド等によって起毛処理したり、逆シールのブラッシング処理、熱プレス処理やエンボス加工等が施される。また、繊維複合シートの表面に格子状、同心円状、渦巻き状などの溝や孔を形成してもよい。
また、必要に応じて、繊維複合シートを研磨層とし、編物、織物、不織布、弾性樹脂フィルムまたは弾性スポンジ体等の弾性体層を積層してもよい。弾性フィルムや弾性スポンジ体としては、現在汎用的に使用されているポリウレタンを含浸した不織布(例えば、"Suba400"(ニッタ・ハース(株)製))の他、天然ゴム、ニトリルゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴムなどのゴム;ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー;発泡プラスチック;ポリウレタンなどが挙げられる。このように弾性体層を積層することにより、被研磨面のローカル平坦性(ウエハの局所的な平坦性)を向上させることもできる。なお、研磨パッドは、研磨層と弾性体層とが溶融接着等により直接接合しているものの他、接着剤や両面粘着テープ等により両層が接着されたものや、さらに、両層の間にさらに別の層が存在するものも含む。
本実施形態の製造方法により得られる繊維複合シートを用いた研磨パッドは、公知のCMP用装置を使用し、スラリーを介して被研磨面と研磨パッドを、加圧下、一定速度で、一定時間接触させるケミカルメカニカル研磨(CMP)に使用することができる。スラリーは、例えば、水やオイルなどの液状媒体;シリカ、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素などの研磨剤;塩基、酸、界面活性剤などの成分を含有している。また、CMPを行うに際し、必要に応じ、スラリーと共に、潤滑油、冷却剤などを併用してもよい。
研磨の対象となる物品は特に限定されず、例えば、水晶、シリコン、ガラス、光学基板、電子回路基板、多層配線基板、ハードディスクなどが挙げられる。特に、研磨の対象としては、シリコンウエハや半導体ウエハであることが好ましい。半導体ウエハの具体例としては、例えば、酸化シリコン、酸化フッ化シリコン、有機ポリマーなどの絶縁膜、銅、アルミニウム、タングステンなどの配線材金属膜、タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタンなどのバリアメタル膜等を表面に有するものが挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
はじめに、本実施例で用いた評価方法を以下にまとめて説明する。
(1)ポリウレタンの100%モジュラス
厚さが400μmのポリウレタンのフィルムを作製した。このフィルムからJIS K6251に従い試験片を作成し、JISL1096の8.12.1「引張強度試験」に記載の測定方法に準じて応力−歪み曲線を得た。そして、応力−歪み曲線から100%伸びたときの応力を読み取り、100%モジュラスを求めた。
(2)繊維複合シートの見掛け密度
繊維複合シートの単位面積あたりの質量(g/cm2)を厚さ(cm)で除した値を見掛け密度(g/cm3)とした。そして、繊維複合シートの任意の10箇所について見掛け密度を測定して算術平均した値を見掛け密度とした。なお、厚さは、JISL1096に準じて荷重240gf/cm2で測定した。
[実施例1]
水溶性PVAを海成分、変性度6モル%のイソフタル酸変性PETを島成分として用いた。水溶性PVA及びイソフタル酸変性PETを25/75(質量比)になるように、260℃で溶融複合紡糸用口金(島数:25島/繊維)から吐出した。そして、紡糸速度が3700m/minとなるようにエジェクター圧力を調整し、繊度3dtexの長繊維をネット上に捕集し、目付35g/m2のウェブを得た。
ウェブをクロスラッピングにより16枚重ねて、総目付480g/m2の重ね合わせたウェブを作製した。そして、重ね合わせたウェブに、針折れ防止油剤をスプレーした。そして、バーブ数1個でニードル番手42番のニードル針、及びバーブ数6個でニードル番手42番のニードル針を用いて、重ね合わせたウェブを3150パンチ/cm2でニードルパンチ処理することにより絡合させたウェブを得た。絡合させたウェブの目付量は770g/m2、層間剥離力は9.6kg/2.5cmであった。また、ニードルパンチ処理による面積収縮率は25.8%であった。
次に、絡合させたウェブを110℃、23.5%RHの条件で70秒間スチーム加熱処理した。このときの面積収縮率は44%であった。そして、90〜110℃のオーブン中で乾燥させた後、さらに、115℃で熱プレスすることにより、目付1312g/m2、見掛け密度0.544g/cm3、厚さ2.41mmの緻密化されたウェブを得た。
次に、緻密化されたウェブに、第2のポリウレタンエマルジョンを含浸させた。第2のポリウレタンエマルジョンは、ポリウレタン形成成分A1100質量部に対してカルボジイミド系架橋剤4.6質量部及びゲル化剤として硫酸アンモニウム1.8質量部を含有し、ポリウレタンの固形分が20%となるよう調整したものである。
ポリウレタン形成成分A1は、ポリカーボネート系無黄変型ポリウレタンであって、熱処理することにより架橋構造を形成する。このような第2のポリウレタンエマルジョンから形成される第2のポリウレタンの100%モジュラスは14MPaであった。
第2のポリウレタンエマルジョンが含浸された緻密化されたウェブを90℃、30%RH雰囲気下で加熱することにより第2のポリウレタンエマルジョンをゲル化させ、さらに、150℃で加熱処理することにより第2のポリウレタンを凝固させた。このようにして、目付1403g/m2、見掛け密度0.716g/cm3、厚さ1.96mmの、第2のポリウレタンを付与された、海島型複合繊維の長繊維絡合体を得た。
次に、ニップ処理及び高圧水流処理を用いて、第2のポリウレタンが付与された長繊維絡合体を95℃の熱水中に600秒間浸漬することにより、水溶性PVAを溶解除去して繊度0.09dtexの極細繊維に変換し、さらに乾燥した。このようにして、目付1009g/m2,見掛け密度0.574g/cm3,及び厚さ1.87mmである、極細繊維の不織布と第2のポリウレタンとの合計量に対して、第2のポリウレタンを12.5質量%含む繊維シートAを得た。
次に、繊維シートAに、繊維シートAの重量に対してピックアップ率86%になるように第1のポリウレタンエマルジョン(固形分30質量%)を含浸させた。
なお、第1のポリウレタンエマルジョンは、上述したポリウレタン形成成分A1100質量部に対してカルボジイミド系架橋剤4.6質量部及び硫酸アンモニウム1.0質量部を含有し、ポリウレタンの固形分が30%となるよう調整したものである。第1のポリウレタンの100%モジュラスも14MPaであった。
第1のポリウレタンエマルジョンが含浸された繊維シートAを調湿温風装置で、湿球温度75℃、乾球温度90℃、56%RH雰囲気下で60秒間加熱することにより第1のポリウレタンエマルジョンをゲル化させ、さらに、熱風乾燥機で150℃で6分間乾燥処理することにより繊維複合シートを得た。得られた繊維複合シートは、見掛け密度0.834g/cm3、目付1368g/m2、厚さ1.64mmであり、JIS−D硬度は60であった。
また、極細繊維の不織布と第1のポリウレタンとの合計量に対して、第1のポリウレタンを22.8質量%含んでいた。また、繊維複合シート中の第1のポリウレタン及び第2のポリウレタンを含むポリウレタンの合計の含有割合としては、不織布とポリウレタンとの合計量に対して、30.4質量%であった。結果を表1に示す。
Figure 0006267590
[実施例2〜4、比較例1]
実施例1において、第1のポリウレタンエマルジョンが含浸された繊維シートAを調湿温風装置で湿球温度75℃、乾球温度90℃、56%RH雰囲気下で加熱する代わりに、表1に記載した雰囲気下で加熱した以外は同様にして第1のポリウレタンエマルジョンをゲル化させ、さらに、熱風乾燥機で150℃で乾燥処理することにより繊維複合シートを得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例5〜8]
実施例1と同様にして繊維シートAを製造した。そして、繊維シートAの重量に対してピックアップ率86%になるように第1のポリウレタンエマルジョンを含浸させる代わりに、実施例1〜4のそれぞれにおいて、ピックアップ率59%になるように第1のポリウレタンエマルジョンを含浸させた以外は同様にして第1のポリウレタンエマルジョンを含浸及びゲル化させ、さらに、150℃で乾燥処理することにより実施例5〜8の繊維複合シートを得、実施例1と同様に評価した。なお、付与された第1のポリウレタンは、極細繊維の不織布との合計量に対して16.8質量%であった。また、繊維複合シート中の第1のポリウレタン及び第2のポリウレタンを含むポリウレタンの合計の含有割合としては、不織布とポリウレタンとの合計量に対して、25.1質量%であった。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、第1のポリウレタンエマルジョンが含浸された繊維シートAを調湿温風装置で湿球温度75℃、乾球温度90℃、56%RH雰囲気下で加熱してゲル化させ、さらに、熱風乾燥機で150℃で乾燥処理する代わりに、ゲル化及び加熱乾燥させずに常温(25℃)で湿度30〜70%の条件で自然乾燥させた以外は同様にして繊維複合シートを得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、第1のポリウレタンエマルジョンが含浸された繊維シートAを調湿温風装置で湿球温度75℃、乾球温度90℃、56%RH雰囲気下で加熱するゲル化処理を省略し、熱風乾燥機のみで150℃で乾燥処理した以外は同様にして繊維複合シートを得、実施例1と同様に評価した。ゲル化処理を省略し、熱風乾燥機のみで150℃で乾燥処理した場合には、エマルジョンがマイグレーションしたために、繊維複合シートの内層に多数の空隙が残った。
[比較例4]
実施例1において、第1のポリウレタンエマルジョンが含浸された繊維シートAを湿球温度75℃、乾球温度90℃、56%RH雰囲気下で加熱する代わりに、温度110℃、100%RHのスチームを60秒間当てることにより、第1のポリウレタンエマルジョンを感熱ゲル化させ、第1のポリウレタンを凝固させた以外は同様にして繊維複合シートを得、実施例1と同様に評価した。温度110℃、100%RHのスチームを当てた場合には、繊維複合シートが著しく濡れた状態になり、乾燥機を汚染したり、乾燥に時間が掛かるという問題が発生した。
[比較例5]
実施例5において、第1のポリウレタンエマルジョンが含浸された繊維シートAを調湿温風装置で湿球温度75℃、乾球温度90℃、56%RH雰囲気下で加熱してゲル化させ、さらに、熱風乾燥機で150℃で乾燥処理する代わりに、ゲル化及び加熱乾燥させずに常温(25℃)で湿度30〜70%の条件で自然乾燥させた以外は同様にして繊維複合シートを得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例6〜8]
実施例1〜3において、第1のポリウレタンエマルジョン及び第2のポリウレタンエマルジョンとして、ポリウレタン形成成分A1の代わりに、100%モジュラスが4.6MPaであるポリカーボネート系無黄変ポリウレタン形成成分A3を用いた以外は実施例1と同様にして繊維複合シートを得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例9]
比較例2において、第1のポリウレタンエマルジョン及び第2のポリウレタンエマルジョンとして、ポリウレタン形成成分A1の代わりに、上記ポリウレタン形成成分A3を用いた以外は比較例2と同様にして繊維複合シートを得、評価した。結果を表1に示す。
[比較例10〜12]
実施例5〜7において、第1のポリウレタンエマルジョン及び第2のポリウレタンエマルジョンとして、ポリウレタン形成成分A1の代わりに、100%モジュラスが4.6MPaであるポリカーボネート系無黄変ポリウレタン形成成分A3を用いた以外は実施例1と同様にして繊維複合シートを得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例13]
比較例5において、第1のポリウレタンエマルジョン及び第2のポリウレタンエマルジョンとして、ポリウレタン形成成分A1の代わりに、100%モジュラスが4.6MPaであるポリカーボネート系無黄変ポリウレタン形成成分A3を用いた以外は実施例1と同様にして繊維複合シートを得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
図2に実施例の結果として、湿球温度と見掛け密度の関係を示したグラフを示す。図2を参照すれば、第1のポリウレタンが14MPaの実施例1〜4で得られた繊維複合シートは、第1のポリウレタンが4.6MPaである以外は同様の条件で製造された比較例6〜8で得られた繊維複合シートに比べて、見掛け密度が顕著に高くなっていることがわかる。また、「湿球温度60℃以上」の調温調湿条件で第1のポリウレタンエマルジョンをゲル化させた実施例1〜4と、「湿球温度55℃」の比較例1との結果を比較すると、「湿球温度60℃以上」でゲル化させた実施例1〜4で得られた繊維複合シートは見掛け密度が顕著に向上していることがわかる。さらに、実施例1〜4で「湿球温度60℃以上」でゲル化させる代わりに、エマルジョンを自然乾燥させた比較例2を比較すると、第1のポリウレタンを同じ含有量(22.8質量%)で含有させたにもかかわらず、実施例1〜4では見掛け密度が著しく大きくなっていることがわかる。これは、実施例1〜4の繊維複合シートは比較例2の繊維複合シートに比べて、不織布の収縮により空隙が少なくなったことにより、見掛け密度が高くなったことを示している。さらに、第1のポリウレタンの含有量が22.8質量%の実施例1〜4と第1のポリウレタンの含有量が16.8質量%の実施例5〜8を比べると、含有割合の多い実施例1〜4では、見掛け密度が顕著に高くなっている。さらに表1に示した、「100%モジュラス14MPa」の第1のポリウレタンを凝固させた実施例2と、「100%モジュラス4.6MPa」の第1のポリウレタンを凝固させた比較例7とを比べると、100%モジュラスが高いほど繊維複合シートは顕著に見掛け密度が高いことがわかる。
1 不織布
2 第1のポリウレタンエマルジョン中のエマルジョン粒子
3 凝集したエマルジョン粒子
4 第1のポリウレタン
10 繊維複合シート

Claims (4)

  1. (a)不織布を含む繊維シートを準備する工程と、
    (b)前記繊維シートに感熱ゲル化性を有する第1のポリウレタンエマルジョンを含浸させる工程と、
    (c)前記繊維シートに含浸させた前記第1のポリウレタンエマルジョンを、湿球温度が60〜85℃で且つ相対湿度が25〜83RH%に調湿調温された雰囲気でゲル化させる工程と、
    (d)ゲル化した前記第1のポリウレタンエマルジョンから第1のポリウレタンを凝固させる工程と、を備え、
    前記第1のポリウレタンの100%モジュラスが10MPa以上であることを特徴とする繊維複合シートの製造方法。
  2. 前記湿球温度が75℃以上である請求項1に記載の繊維複合シートの製造方法。
  3. 前記繊維シートは前記不織布と第2のポリウレタンとを含み、
    前記不織布は0.5dtex以下の繊度を有する極細繊維を含み、
    工程(b)が、前記不織布との合計量に対して前記第1のポリウレタンが10質量%以上含有されるように、前記繊維シートに前記第1のポリウレタンエマルジョンを含浸させる工程である請求項1または2に記載の繊維複合シートの製造方法。
  4. 前記工程(a)が、
    (a1)極細繊維化処理により前記極細繊維を含む不織布を形成しうる、極細繊維発生型繊維の長繊維の繊維ウェブを形成する工程と、
    (a2)前記繊維ウェブを複数層重ねて絡合処理することにより、長繊維絡合体を形成する工程と、
    (a3)前記長繊維絡合体を湿熱収縮処理することにより、緻密化する工程と、
    (a4)緻密化された前記長繊維絡合体に、前記第2のポリウレタンエマルジョンを含浸させた後、前記第2のポリウレタンを凝固させる工程と、
    (a5)工程(a4)の後、前記極細繊維発生型繊維を極細繊維化処理することにより、前記繊維シートを形成する工程と、を備える請求項3に記載の繊維複合シートの製造方法。
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