JP6267070B2 - 冷却システムの冷媒漏洩検知方法 - Google Patents
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Description
このため、サーバルーム内を冷却するための空調機を運転する空調動力(空調機の負荷)が大幅に増加しているのが実情であり、企業経営におけるコスト削減の観点のみならず、地球環境の保全の観点からも空調動力の削減が急務となっている。
このような背景から、特許文献1や特許文献2にみられるように、熱搬送に冷媒を用いた冷却システムの冷媒漏洩検知技術が提案されている。
圧縮機を用いない冷却システムでは、冷媒減少による変化量が小さく、冷媒漏洩を判定できない恐れがある。さらに、これらの測定値が冷媒漏洩を判定できるほど変化した場合、冷却能力の低下が発生し、電子機器の温度上昇を引き起こす恐れがある。
本発明は、熱搬送に冷媒を用いた冷却システムの冷媒の漏洩検知方法に係り、特に電子機器からの高温の排熱を効率的に冷却するために圧縮機を用いることなく冷媒ポンプにより熱搬送を行う冷媒の漏洩検知方法である。
図1に本発明の実施形態1に係る冷却システムを示す。
実施形態1の冷却システムS1は、冷却対象室80内に載置される冷却対象のサーバなどの電子機器(図示せず)を所望の温度に冷却するシステムである。
なお、冷却システムS1には、制御装置Cが設けられており、制御装置Cにより以下説明する冷却システムS1の機器の制御が遂行される。制御装置Cは、コンピュータと周辺回路とを有する、例えば、PLC(programmable logic controller)などである。
冷却対象室80内には冷却対象であるサーバなどの電子機器(図示せず)が載置されている。電子機器は連続稼働されるため、電子機器からは高温の排気(高温排気23a、23b)が排出されている。
冷却システムS1には、冷却対象室80内の冷却対象の電子機器からの高温排気23a、23bをそれぞれ冷却する冷却装置20a、20bが設置されている。
冷却システムS1は、ガス化した冷媒を冷却して液化するため、冷水を作る冷熱源40と該冷水を送る冷水ポンプ41と凝縮器10とを有している。熱媒体の水は、冷水配管42を介して、冷熱源40、冷水ポンプ41、および凝縮器10間を循環されている。
凝縮器10では、蒸発器21a、21bでガス化した冷媒が冷水と熱交換して、液化温度以下に冷却され液化する。なお、凝縮器10は他の構成を採用してもよいのは勿論である。
液化した冷媒は、バッファタンクである液タンク12に貯留された後、冷媒ポンプ11に供給され蒸発器21a、21bに送られる。冷媒ポンプ11の上流、下流には、不図示の圧力計が設けられており、冷媒ポンプ11の上流、下流の差圧が測定され、差圧が一定になるように制御されている。
液タンク12には、冷媒の液面が所定の高さ(所定値)以上あるか否かを測定する液面センサ13が設置されている。
冷媒配管31には、バイパス配管32とバイパス流量制御バルブ14が設置されており、冷媒ポンプ11の吐出側が閉塞状態となる閉め切り運転を防止している。バイパス流量制御バルブ14は、冷媒ポンプ11の上流と下流との差圧が一定となるように、換言すると、冷媒ポンプ11の吐出流量が一定になるように、その開度が制御されている。
ここで、液タンク12内の冷媒の液面レベル(液面高さ)は系内の冷媒循環量に依存し、所定レベルの液面高さ以上で運転する時間の割合は冷却装置20a、20bの冷却熱量により一意的に決まる。
次に、バイパス流量制御バルブ14の開度と液タンク12内の冷媒の液面レベルが所定値以上で運転する割合との関係を説明する。
図2に、バイパス流量制御バルブの開度に対する液タンク内の冷媒の液面レベル(液面高さ)を示す。図2の横軸にバイパス流量制御バルブ14の開度(%)を示し、図2の縦軸に液タンク内の冷媒の液面レベル(液面高さ)を示す。
バイパス流量制御バルブ14の開度(%)が大きくなるということは、冷媒流量制御バルブ25a、25bの開度が小さく冷媒のバイパス配管32を通しての冷媒の戻り量(バイパス量)が多いので、冷媒が冷却装置20a、20bでの冷却で用いられておらず、冷却の負荷が小さいことを意味する。
次に、上述の図3の関係を用いた冷媒漏洩検知手法の制御の流れについて、図4を用いて説明する。
図4に、冷媒漏洩検知手法の制御のフローチャートを示す。
計画量の冷媒とは、冷媒を冷却システムS1の管路(冷媒ガス管30、冷媒液管31、バイパス配管32など)に循環させるための液量を少し上回る量である。換言すれば、管路(冷媒ガス管30、冷媒液管31、バイパス配管32など)に冷媒を入れ、液タンク12内の冷媒の液面レベル(液面高さ)に安全率をとったものであり、冷媒ポンプ11が確実に再起動できる量とする。
そして、バイパス流量制御バルブ14の開度を測定するとともに、液面タンク12内の冷媒の液面レベル(液面高さ)を液面センサ13で測定して、電子機器の冷却運転中に液面タンク12内の液面レベルが、液面センサ13で測定される所定値以上で運転する時間の割合を測定する(S104)。
一方、S106で、閾値以上と判定される場合には(S105でNo)、冷媒が漏洩していないと判定され(S108)、S103に移行する。
次に、冷却装置20a、20bでの負荷率(%)と液面レベル(液面高さ)との関係について説明する。
図5に、冷却装置での負荷率(%)と液タンク内の冷媒の液面レベルとの関係を示す。図5の横軸に冷却装置20a、20bでの負荷率(%)を示し、図5の縦軸に液タンク12内の冷媒の液面レベルを示す。
一方、冷媒の漏洩がある場合には、冷媒量が減少するため、図5の実線で示すように、閾値より液タンク12内の冷媒の液面レベルは低くなる。
また、バイパス流量制御バルブ14の開度や冷却負荷毎に判定すれば、冷却負荷が変化した場合にも、冷媒の漏洩を検知できる。
従って、冷媒による熱搬送に冷媒ポンプ11を用いた場合においても冷却能力が低下する前に冷媒の漏洩の判定が可能となる。
図7に本発明の実施形態2に係る冷却システムを示す。
実施形態2の冷却システムS2は、実施形態1の冷却システムS1において、1または複数台設置された冷却装置20a、20abに、電子機器を冷却する冷却熱量を測定する冷却熱量測定手段を設けたものである。
その他の構成は、実施形態1と同様であるから、同様な構成要素には同一の符号を付して示し、説明は省略する。
詳細には、冷却装置20aには、高温排気23aの温度を検出する高温排気温度センサ27aが設けられている。また、冷却装置20aには、高温排気23aが蒸発器21aを通過して冷媒と熱交換して冷却された空気の温度を検出する冷却空気温度センサ26aが設けられている。
また、冷却装置20bでは、高温排気温度センサ27bで高温排気23bの温度t21が検出される。そして、冷却空気温度センサ26bでは、高温排気23bの冷却後の空気の温度t22が検出される。高温排気23bを冷却した温度ΔT2は、次式で表わされる。
ΔT2=t21−t22 (2)
Q = CΔT (3)
熱容量Cは、空気の質量m(g)、比熱c(J/g・K)とすると、
C =mc (4)
と表わされる。
Q = mcΔT (5)
と表わされる。
冷却装置20a、20bのそれぞれの冷却熱量Q1(J)、Q2(J)は、それぞれ式(5)から、
Q1 = m1・c・ΔT1 (6)
Q2 = m2・c・ΔT2 (7)
Qs = Q1+Q2 (8)
と表わされる。
従って、簡単な構成で容易に、冷却システムS2の冷媒の漏洩を検知することが可能である。
実施形態2の冷却システムS2では、冷却装置20a、20bの冷却熱量を測定する冷却熱量測定手段として、蒸発器21a、21bにそれぞれ供給される高温排気23a、23bの温度を測定する高温排気温度センサ27a、27bと、それぞれ冷却空気の温度を測定する冷却空気温度センサ26a、26bを挙げて説明した。
ここで、冷却熱量測定手段は1または複数台設置された冷却装置20a、20bの冷却熱量が測定されていればよい。
そこで、変形例の冷却システムS21では、冷媒ガス管30を流れる冷媒を冷却する冷水が流れる凝縮器10の一次側の冷水配管42の上流側に冷水往温度センサ43を設け、下流側に冷水還温度センサ44を設ける。
冷却システムS21では、凝縮器10の2次側を流れる冷媒の出口での状態は同じ温度の液状態の冷媒となるように、熱源装置40が制御されている。
ΔT21=t32−t31 (7)
と求める。
ここで、体積を 体積=冷水流量×時間 の関係から求めて、重さ=比重×体積 の関係より、冷水の質量m3を求める。冷水の比熱c1(J/g・K)とすると、式(5)から、冷水往・還温度差ΔT21を用いて、冷却熱量Q3が
Q3 = m3・c1・ΔT21
と求められる。
そして、冷媒が漏洩しているか否かの判定に際しては、まず、冷却システムS21において、予め、正常運転時に、ある冷却熱量における液タンク12内の冷媒の液面レベル(液面高さ)が、液面センサ13で測定される所定値以上で運転する時間(頻度(%))を測定して、冷媒が漏洩しているか否かを判定する時間(頻度(%))を決定して閾値に設定する。
そのため、冷却装置20a、20bの冷却能力が低下する前に冷媒の漏洩を検知することが可能となり、信頼性が高い空調設備を提供できる。
1.なお、前記実施形態1、2、変形例では、冷却装置20a、20bが2つの場合を例示して説明したが、冷却装置の数は、単数でも、2以外の複数でもよくその数は任意に選択できる。
11 冷媒ポンプ
12 液タンク
13 液面センサ
14 バイパス流量制御バルブ
20a、20b 冷却装置
21a、21b 蒸発器
22a、22b 送風機
23a、23b 高温排気(高温の排気)
25a、25b 冷媒流量制御バルブ
26a、26b 冷却空気温度センサ(冷却熱量測定手段、冷却負荷測定手段、高温排気温度検出手段)
27a、27b 高温排気温度センサ(冷却熱量測定手段、冷却負荷測定手段、高温排気温度検出手段)
32 バイパス配管
43 冷水往温度センサ(冷却負荷測定手段、熱媒体往温度検出手段)
44 冷水還温度センサ (冷却負荷測定手段、熱媒体還温度検出手段)
C 制御装置
S1、S2、S21 冷却システム
Claims (7)
- 電子機器から排出される高温の排気を冷却する熱交換によって冷媒を気化する蒸発器と、前記蒸発器に供給される冷媒液の流量を調整する冷媒流量制御バルブと、前記蒸発器に前記高温の排気を供給する送風機とを有する1または複数台設置される冷却装置と、
前記蒸発器で気化した冷媒ガスを液化させる凝縮器と、
前記凝縮器で液化した冷媒液を前記蒸発器へ送る冷媒ポンプと、
前記冷媒ポンプの吸込側に設置され前記冷媒液を一時貯留する液タンクと、
前記冷媒ポンプにより送られる冷媒のうち前記冷媒流量制御バルブにより調整された過剰な冷媒を前記凝縮器へ戻すためのバイパス配管と、
前記バイパス配管上に設けられ前記凝縮器へ戻す冷媒量を調整するバイパス流量制御バルブと、
前記液タンク内の前記冷媒液の液面高さを測定する液面センサと、
制御装置とを備える冷却システムの冷媒漏洩検知方法において、
前記制御装置は、
前記液面高さが所定の高さ以上で運転している時間の割合を算出し、該算出した時間の割合が、前記冷媒の漏洩がない際の前記液面高さが所定の高さ以上で運転している時間の割合より、低い場合に前記冷媒が漏洩していると判定する
ことを特徴とする冷却システムの冷媒漏洩検知方法。 - 請求項1に記載の冷却システムの冷媒漏洩検知方法において、
前記冷却システムは、前記冷却装置での冷却負荷を測定する冷却負荷測定手段を備え、
前記制御装置は、
実際の運転時に、前記冷却負荷測定手段により前記冷却装置での冷却負荷を求めるとともに前記液面高さが前記所定の高さ以上で運転している時間の割合を算出し、
前記時間の割合が、予め求めた同じ冷却負荷での冷媒漏洩があるか否かを判定する閾値未満である場合に冷媒が漏洩していると判定する
ことを特徴とする冷却システムの冷媒漏洩検知方法。 - 請求項1に記載の冷却システムの冷媒漏洩検知方法において、
前記冷却システムは、前記バイパス流量制御バルブの開度を測定する測定器を備え、
前記制御装置は、
実際の運転時に前記測定器で前記バイパス流量制御バルブの開度を測定するとともに前記液面センサで測定される前記液面高さが所定値以上で運転している時間の割合を算出し、該時間の割合が、予め求めた同じ前記バイパス流量制御バルブの開度での冷媒漏洩があるか否かを判定する閾値未満である場合に前記冷媒が漏洩していると判定する
ことを特徴とする冷却システムの冷媒漏洩検知方法。 - 請求項1に記載の冷却システムの冷媒漏洩検知方法において、
前記冷却システムは、前記バイパス流量制御バルブの開度を測定する測定器を備え、
前記制御装置は、
前記バイパス流量制御バルブの様々な開度での冷媒漏洩があるか否かを判定するための閾値である冷媒の漏洩がない際に前記液タンク内の液面高さが所定値以上で運転している時間の割合を表わす閾値が予め設定され、
前記冷却システムの系内に計画量の冷媒が充填されている状態で、冷却運転中の前記冷却装置に様々な負荷が与えられ前記液タンク内の液面高さと前記バイパス流量制御バルブの開度を測定し、前記液タンク内の液面高さが所定値以上で運転している時間の割合を算出し、
前記冷却運転中の該時間の割合が、前記バイパス流量制御バルブの同じ開度での前記閾値未満である場合に冷媒が漏洩していると判定する
ことを特徴とする冷却システムの冷媒漏洩検知方法。 - 請求項1に記載の冷却システムの冷媒漏洩検知方法において、
前記冷却システムは、前記冷却装置での冷却熱量を測定する冷却熱量測定手段を備え、
前記制御装置は、
前記冷却熱量測定手段で冷却熱量を測定し、その時の前記液面センサで測定した前記液面レベルが所定値以上で運転している割合が、予め求めた同じ冷却熱量での冷媒漏洩があるか否かを判定する閾値未満である場合に前記冷媒の漏洩があると判定する
ことを特徴とする冷却システムの冷媒漏洩検知方法。 - 請求項1に記載の冷却システムの冷媒漏洩検知方法において、
前記冷却システムは、
前記冷却装置での冷却熱量を測定する冷却熱量測定手段を備え、
前記冷却熱量測定手段は、前記蒸発器を通過前の高温の排気の温度を測る高温排気温度検出手段と前記蒸発器を通過して冷却された後の排気の温度を測る冷却空気温度検出手段とを有し、
前記制御装置は、
前記冷却熱量測定手段で冷却熱量を測定し、その時の前記液面センサで測定した前記液面レベルが所定値以上で運転している割合が、予め求めた同じ冷却熱量での冷媒漏洩があるか否かを判定する閾値未満である場合に前記冷媒の漏洩があると判定する
ことを特徴とする冷却システムの冷媒漏洩検知方法。 - 請求項1に記載の冷却システムの冷媒漏洩検知方法において、
前記冷却システムは、前記冷却装置での冷却熱量を測定する冷却熱量測定手段を備え、
前記凝縮器は、一次側と二次側とで熱交換を行い、前記一次側は前記冷媒を冷却する熱媒体が流れ前記冷媒は前記二次側を流れ、
前記冷却熱量測定手段は、前記凝縮器の一次側を流れる手前の前記熱媒体の温度を測る熱媒体往温度検出手段と、前記凝縮器の一次側を流れた後の前記熱媒体の温度を測る熱媒体還温度検出手段とを有し、
前記制御装置は、
前記冷却熱量測定手段で冷却熱量を測定し、その時の前記液面センサで測定した前記液面レベルが所定値以上で運転している割合が、予め求めた同じ冷却熱量での冷媒漏洩があるか否かを判定する閾値未満である場合に前記冷媒の漏洩があると判定する
ことを特徴とする冷却システムの冷媒漏洩検知方法。
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