JP6266325B2 - 画像解析装置、画像解析プログラム、及び、磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、画像解析装置、画像解析プログラム、及び、磁気共鳴イメージング装置に関する。
MRIは、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数のRFパルスで磁気的に励起し、この励起に伴って発生するMR信号から画像を再構成する撮像法である。なお、上記MRIは磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging)の意味であり、RFパルスは高周波パルス(radio frequency pulse)の意味であり、MR信号は磁気共鳴信号(magnetic resonance signal)の意味である。
MRIでは、血流量を算出する灌流解析ソフトウェア(Perfusion Analysis Software)が知られている。例えば造影剤投与を伴ったダイナミック撮像により得られた複数画像の画像データ等が入力されると、灌流解析ソフトウェアにより、複数画像の各画素値に基づいて局所血流量が算出される。上記ダイナミック撮像は、時相を変えつつ、時系列的な複数画像を同一断面から取得する手法である。
MRIの各画素値は、各画素位置で検出されるMR信号の強度におよそ相当し、一般には、組織中の造影剤濃度と線形関係にはない。なお、本明細書では特に断りのない限り、「組織」は、被検体における空気以外の領域を指し、血液、血管も含むものとする。従って、MRIにおいて血流量を正確に計測するためには、画素値を造影剤濃度に比例する値に変換することが望ましく、これに関する従来技術として非特許文献1が知られている。
Paul S. Tofts et al., Quantitative Analysis of Dynamic Gd-DTPA Enhancement in Breast Tumors Using a Permeability Model; MRM, vol. 33, pp564-568 (1995)
肺のように空気が多く含まれる組織では、一画素内に組織と空気が混在し、MR信号は組織領域から発生し、MR信号の強度は、組織領域のMR信号強度を反映した値となる。ここで、造影剤の緩和度を示すR値は、縦緩和時間の逆数である。従って、MRIにおける各画素のR値は、その画素内の平均値ではなく、画素内の組織領域のR値を反映した値となる。
そうすると、MRIにおいて、造影剤投与前のR値と、造影剤投与後の各時刻でのR値との差に基づいて算出される各画素の造影剤濃度は、空気を含む所定体積当たりの造影剤量ではなく、空気領域を除いた組織領域のみの所定体積当たりの造影剤量に近い値となる。このようにR値に基づいて算出される局所血流量(所定体積及び単位時間当たりの血液流入量)は、空気を含んだ所定体積当たりの値ではなく、画素内の空気を除いた所定体積当たりの値に近くなる。
一方、X線CT装置(X-ray Computed Tomography Apparatus)などの他の方法で計測される血流量は、空気を含む所定体積当たりの値であるため、MRIにより計測された局所血流量と、他の方法で計測される局所血流量とが大きく異なる値になる。
具体例で分かり易くするため、組織50%及び空気50%からなる画素Aと、組織100%の画素Bとを考える。X線CT装置の場合、例えばHU(Hounsfield Unit)値で与えられる画素値は、各画素の造影剤濃度の上昇にほぼ比例して上昇する。造影剤注入前において、画素Aでは画素値50、画素Bでは画素値100であり、造影剤投与後の時刻Cにおいて、全組織領域の造影剤濃度が均一に10%上昇したと仮定する。
この場合、例えば画素Aでは画素値55、画素Bでは画素値110となり、画素Aは所定体積及び所定時間当たりに5の造影剤の流入を示し、画素Bは所定体積及び所定時間当たりに10の造影剤の流入を示す。即ち、X線CT装置で計測される血流量(所定体積及び所定時間当たりの造影剤濃度の増分に相当)は、空気を含む所定体積当たりの値であり、画素Bの血流量は、画素Aの血流量の2倍値として計測される。
一方、MRIでは、造影剤投与前のR値と、投与後の各時刻でのR値との差に応じた造影剤濃度が算出されるので、画素Aの空気領域は測定に影響しない。従って、MRIでは、造影剤投与後の時刻Cにおいて、画素Aも画素Bも共には所定体積及び所定時間当たりに10の造影剤が流入したと計測される。混乱を避けるには、MRIにおいて算出される局所血流量が、他の方法で算出される局所血流量と同様の値になることが望ましい。
このため、MRIにおいて局所血流量を算出する場合に、造影剤濃度と信号値との非線形性を補正しつつ、空気を含む所定体積当たりの局所血流量に近い値を算出する新技術が要望されていた。
以下、本発明の実施形態が取り得る態様の数例を態様毎に説明する。
(1)一実施形態では、画像解析装置は、取得部と、解析部とを有する。
取得部は、各画素の画素値にMR信号の強度が反映されるように造影剤投与の前後にそれぞれ撮像された複数画像の画像データを取得する。
解析部は、造影剤投与の前後における画像データの各画素値と、造影剤投与前の縦緩和時間に関する値とに基づいて、縦緩和時間に関する値の造影剤投与前後の差分に比例するように、且つ、各画素位置に対応する被検体領域における空気領域割合が大きいほど小さくなる係数に比例するように、造影剤濃度の推定値を算出する。
(2)別の一実施形態では、画像解析装置は、取得部と、解析部とを有する。
取得部は、各画素の画素値にMR信号の強度が反映されるように被検体への造影剤投与前に撮像された画像の画像データと、造影剤投与前の縦緩和時間に関する値と、造影剤投与後の縦緩和時間に関する値とを取得する。
解析部は、画像データの各画素値と、造影剤投与前後の縦緩和時間に関する値とに基づいて、縦緩和時間に関する値の造影剤投与前後の差分と、画素値との積に比例するように、各画素位置での造影剤濃度の推定値を算出する。
(3)別の一実施形態では、MRI装置は、信号収集部と、画像再構成部と、上記(1)の画像解析装置とを有する。
信号収集部は、被検体に対する造影剤投与の前後においてそれぞれ、傾斜磁場を印加すると共にRFパルスを送信することで被検体の撮像領域からMR信号を収集する。
画像再構成部は、各画素の画素値に上記MR信号の強度が反映されるように、造影剤投与の前後における被検体の各画像の画像データを再構成する。
画像解析装置は、造影剤投与の前後における画像データの各画素値と、造影剤投与前の縦緩和時間に関する値とに基づいて、造影剤濃度の推定値を算出する。
(4)別の一実施形態では、画像解析プログラムは、以下の取得機能及び解析機能をコンピュータに実行させるものである。
取得機能は、各画素の画素値にMR信号の強度が反映されるように被検体への造影剤投与の前後にそれぞれ撮像された複数画像の画像データを取得する。
解析機能は、造影剤投与の前後における画像データの各画素値と、造影剤投与前の縦緩和時間に関する値とに基づいて、縦緩和時間に関する値の造影剤投与前後の差分に比例するように、且つ、各画素位置に対応する被検体領域における空気領域割合が大きいほど小さくなる係数に比例するように、造影剤濃度の推定値を算出する。
本実施形態のMRI装置の全体構成の一例を示すブロック図。 本スキャンで得られた胸部画像に対して設定される動脈領域の一例を示す模式図。 動脈領域、及び、組織領域における各造影剤濃度C(t)の時間変化の一例を示す模式図。 本実施形態の手法で算出される造影剤濃度から得られる灌流マップの一例を示す模式図。 本実施形態のMRI装置の動作の流れの一例を示すフローチャート。
以下、画像解析装置、画像解析方法、画像解析プログラム、及び、MRI装置の実施形態について、添付図面に基づいて説明する。以下では一例として、上記課題を解決する画像解析装置が組み込まれたMRI装置の実施形態を説明する。なお、各図において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
<本実施形態の構成>
図1は、本実施形態のMRI装置10の全体構成の一例を示すブロック図である。ここでは一例として、MRI装置10の構成要素を寝台装置20、ガントリ30、制御装置40の3つに分けて説明する。
第1に、寝台装置20は、支持台21と、天板22と、支持台21内に配置される天板移動機構23とを有する。
天板22の上面には、被検体Pが載置される。また、天板22の上面には、被検体Pに装着される胸部用のRFコイル装置100が接続される接続ポート25が配置される。
支持台21は、天板22を水平方向(装置座標系のZ軸方向)に移動可能に支持する。天板移動機構23は、天板22がガントリ30外に位置する場合に、支持台21の高さを調整することで、天板22の鉛直方向の位置を調整する。また、天板移動機構23は、天板22を水平方向に移動させることで天板22をガントリ30内に入れ、撮像後には天板22をガントリ30外に出す。
第2に、ガントリ30は、例えば円筒状に構成され、撮像室に設置される。ガントリ30は、静磁場磁石31と、シムコイルユニット32と、傾斜磁場コイルユニット33と、RFコイルユニット34とを有する。
静磁場磁石31は、例えば超伝導コイルであり、円筒状に構成される。静磁場磁石31は、後述の制御装置40の静磁場電源42から供給される電流により、撮像空間に静磁場を形成する。撮像空間とは例えば、被検体Pが置かれて、静磁場が印加されるガントリ30内の空間を意味する。なお、静磁場電源42を設けずに、静磁場磁石31を永久磁石で構成してもよい。
シムコイルユニット32は、例えば円筒状に構成され、静磁場磁石31の内側において、静磁場磁石31と軸を同じにして配置される。シムコイルユニット32は、後述の制御装置40のシムコイル電源44から供給される電流により、静磁場を均一化するオフセット磁場を形成する。
傾斜磁場コイルユニット33は、例えば円筒状に構成され、シムコイルユニット32の内側に配置される。傾斜磁場コイルユニット33は、X軸傾斜磁場コイル33xと、Y軸傾斜磁場コイル33yと、Z軸傾斜磁場コイル33zとを有する。
本明細書では、特に断りのない限り、X軸、Y軸、Z軸は装置座標系であるものとする。ここでは一例として、装置座標系のX軸、Y軸、Z軸を以下のように定義する。まず、鉛直方向をY軸方向とし、天板22は、その上面の法線方向がY軸方向となるように配置される。天板22の水平移動方向をZ軸方向とし、ガントリ30は、その軸方向がZ軸方向となるように配置される。X軸方向は、これらY軸、Z軸に直交する方向である。
X軸傾斜磁場コイル33xは、後述のX軸傾斜磁場電源46xから供給される電流に応じたX軸方向の傾斜磁場Gxを撮像領域に形成する。同様に、Y軸傾斜磁場コイル33yは、後述のY軸傾斜磁場電源46yから供給される電流に応じたY軸方向の傾斜磁場Gyを撮像領域に形成する。同様に、Z軸傾斜磁場コイル33zは、後述のZ軸傾斜磁場電源46zから供給される電流に応じたZ軸方向の傾斜磁場Gzを撮像領域に形成する。そして、スライス選択方向傾斜磁場Gss、位相エンコード方向傾斜磁場Gpe、及び、読み出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場Groは、装置座標系の3軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzの合成により、任意の方向に設定可能である。
上記撮像領域は、例えば、1画像又は1セットの画像の生成に用いられるMR信号の収集範囲の少なくとも一部であって、画像となる領域である。撮像領域は例えば、撮像空間の一部として装置座標系で3次元的に規定される。例えば折り返しアーチファクトを防止するために、画像化される領域よりも広範囲でMR信号が収集される場合、撮像領域はMR信号の収集範囲の一部である。一方、MR信号の収集範囲の全てが画像となり、MR信号の収集範囲と撮像領域とが合致する場合もある。また、上記「1セットの画像」は、例えばマルチスライス撮像などのように、1のパルスシーケンスで複数画像のMR信号が一括的に収集される場合の複数画像である。
RFコイルユニット34は、例えば円筒状に構成され、傾斜磁場コイルユニット33の内側に配置される。RFコイルユニット34は、例えば、RFパルスの送信及びMR信号の受信を兼用する全身用コイルを含む。
第3に、制御装置40は、静磁場電源42と、シムコイル電源44と、傾斜磁場電源46と、RF送信器48と、RF受信器50と、シーケンスコントローラ58と、演算装置(Operation Device)60と、画像解析装置65と、入力装置72と、表示装置74と、記憶装置76とを有する。
傾斜磁場電源46は、X軸傾斜磁場電源46xと、Y軸傾斜磁場電源46yと、Z軸傾斜磁場電源46zとを有する。X軸傾斜磁場電源46x、Y軸傾斜磁場電源46y、Z軸傾斜磁場電源46zは、傾斜磁場Gx、Gy、Gzを形成するための各電流を、X軸傾斜磁場コイル33x、Y軸傾斜磁場コイル33y、Z軸傾斜磁場コイル33zにそれぞれ供給する。
RF送信器48は、シーケンスコントローラ58から入力される制御情報に基づいて、核磁気共鳴を起こすラーモア周波数のRF電流パルスを生成し、これをRFコイルユニット34に送信する。このRF電流パルスに応じたRFパルスが、RFコイルユニット34から被検体Pに送信される。
RFコイルユニット34の全身用コイルや、被検体Pに装着されるRFコイル装置100は、被検体P内の原子核スピンがRFパルスによって励起されることで発生したMR信号を検出し、検出されたMR信号は、RF受信器50に入力される。
RF受信器50は、受信したMR信号に所定の信号処理を施した後、A/D(analog to digital)変換を施すことで、デジタル化されたMR信号の複素データである生データを生成する。RF受信器50は、MR信号の生データを演算装置60(の画像再構成部62)に入力する。
シーケンスコントローラ58は、演算装置60の指令に従って、傾斜磁場電源46、RF送信器48及びRF受信器50の駆動に必要な制御情報を記憶する。ここでの制御情報とは、例えば、傾斜磁場電源46に印加すべきパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報である。シーケンスコントローラ58は、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源46、RF送信器48及びRF受信器50を駆動させることで、傾斜磁場Gx、Gy、Gz及びRFパルスを発生させる。
演算装置60は、システム制御部61と、システムバスSBと、画像再構成部62と、画像データベース63と、画像処理部64とを有する。
システム制御部61は、本スキャンの撮像条件の設定、撮像動作及び撮像後の画像表示において、システムバスSB等の配線を介してMRI装置10全体のシステム制御を行う。上記撮像条件とは例えば、どの種類のパルスシーケンスにより、どのような条件でRFパルス等を送信し、どのような条件で被検体PからMR信号を収集するかを意味する。
撮像条件の例としては、撮像空間内の位置的情報としての撮像領域、フリップ角度α、繰り返し時間TR(Repetition Time)、スライス数、撮像部位、スピンエコー法やパラレルイメージング等のパルスシーケンスの種類などが挙げられる。上記撮像部位とは、例えば、頭部、胸部、腹部などの被検体Pのどの部分を撮像領域として画像化するかを意味する。
上記「本スキャン」は、プロトン密度強調画像などの、目的とする診断画像の撮像のためのスキャンであって、位置決め画像用のMR信号収集のスキャンや、較正スキャンを含まないものとする。スキャンとは、MR信号の収集動作を指し、画像再構成を含まないものとする。較正スキャンとは例えば、本スキャンの撮像条件の内の未確定のものや、画像再構成処理や画像再構成後の補正処理に用いられる条件やデータを決定するために、本スキャンとは別に行われるスキャンを指す。プレスキャンとは、較正スキャンの内、本スキャン前に行われるものを指す。
また、システム制御部61は、撮像条件の設定画面情報を表示装置74に表示させ、入力装置72からの指示情報に基づいて撮像条件を設定し、設定した撮像条件をシーケンスコントローラ58に入力する。また、システム制御部61は、撮像後には、生成された表示用画像データが示す画像を表示装置74に表示させる。
入力装置72は、撮像条件や画像処理条件を設定する機能をユーザに提供する。
画像再構成部62は、位相エンコードステップ数及び周波数エンコードステップ数に応じて、RF受信器50から入力されるMR信号の生データをk空間データとして配置及び保存する。k空間とは、周波数空間の意味である。画像再構成部62は、k空間データに2次元又は3次元のフーリエ変換を含む画像再構成処理を施すことで、被検体Pの画像データを生成する。画像再構成部62は、生成した画像データを画像データベース63に保存する。
なお、MRIの画像データは、例えば、各々の画素が画素値を有することで構成される。画素値は、例えば、その画素が表示される際の輝度レベル(その画素に対応する被検体領域から検出されたMR信号の強度を反映)を示す。スライスの場合、MRIの画像データは、縦横の画素数が例えば位相エンコードステップ数×周波数エンコードステップ数となる。
画像処理部64は、画像データベース63から画像データを取り込み、これに所定の画像処理を施し、画像処理後の画像データを表示用画像データとして記憶装置76に保存する。
記憶装置76は、上記の表示用画像データに対し、その表示用画像データの生成に用いた撮像条件や被検体Pの情報(患者情報)等を付帯情報として付属させて記憶する。
画像解析装置65は、造影剤濃度を解析することで灌流マップ等を生成する。灌流マップは、例えば、撮像断面における血流の多い位置の画素ほど画素値が大きくなるように生成され、画素値に応じて例えば有彩色で色分けされたマップ画像である。画像解析装置65は、演算装置60と共通のシステムバスSBと、取得部66と、解析部67とを有する。
取得部66は、灌流マップの生成に必要な撮像条件等を取得及び記憶する。
解析部67は、造影剤濃度の時間変化を算出し、灌流マップを生成する。
なお、演算装置60、入力装置72、表示装置74、記憶装置76の4つを1つのコンピュータとして構成し、例えば制御室に設置してもよい。
また、上記説明では、MRI装置10の構成要素をガントリ30、寝台装置20、制御装置40の3つに分類したが、これは一解釈例にすぎない。例えば、天板移動機構23は、制御装置40の一部として捉えてもよい。
或いは、RF受信器50は、ガントリ30外ではなく、ガントリ30内に配置されてもよい。この場合、例えばRF受信器50に相当する電子回路基盤がガントリ30内に配設される。そして、RFコイル装置100等によって電磁波からアナログの電気信号に変換されたMR信号は、当該電子回路基盤内のプリアンプで増幅され、デジタル信号としてガントリ30外に出力され、画像再構成部62に入力される。ガントリ30外への出力に際しては、例えば光通信ケーブルを用いて光デジタル信号として送信すれば、外部ノイズの影響が軽減されるので望ましい。
<本実施形態の原理>
次に、本実施形態における造影剤濃度の算出方法について説明する。ここでは一例として、FE(Field Echo)法のダイナミック撮像により同一の撮像領域に対して時系列的に画像が順次撮像され、時刻t=0(以下、時刻t0と表記)において造影剤が被検体Pに投与されるものとする。また、以下の説明で用いられるパラメータにおいて、(t)は、経過時間を示す時刻tの関数であることを意味するものとする。
ここでは一例として、どの画素の画素値も、その画素位置から検出されるMR信号の強度に等しいものとし、任意の一画素における、時刻tでの画素値をSI(t)とする。造影剤は、投与したら瞬間的に被検体内に行き亘るわけではないので、造影剤が投与される時刻t0での画素値SI(0)は、造影剤投与前の画素値(時刻t0よりも時間的に前の画素値)に等しい。
従って、本明細書では一例として、「造影剤投与前」とは、「MRIでの測定上、造影剤の効果が表れる前」の意味で用い、例えば造影剤投与の開始の瞬間から1フェムト秒経過した時刻も、造影剤の効果が測定上表れていなければ「造影剤投与前」に含まれるものとする。
また、パルスシーケンスにおける繰り返し時間をTR[second]とし、励起用RFパルスのフリップ角度をα[°]とする。[]内は、そのパラメータの単位を意味する。また、縦緩和時間をT(t)とし、時刻t0における縦緩和時間をT10とする。
FE法では磁場の不均一性の補正を行わないので、磁場の不均一性を加味した横緩和時間をT とする。そうすると、FE法での画素値は、次式で与えられる。
上記(1)式において、Mは、条件にもよるが、例えば水素原子核のスピンの磁気モーメントに相当する値である。また、TEは、エコー時間である。(1)式の定数部分をmとして、次式で定義する。
時系列の撮像中、mは一定であり、組織の密度(即ち、空気ではない領域の割合)に比例すると考えられる。実際には造影剤濃度により横緩和時間T が変化するが、エコー時間TE,繰り返し時間TRに小さな値を用いることで、横緩和時間T の変化に対するMR信号値に相当するSI(t)の変化を小さくすることができる。これにより、造影剤注入後、mは一定であるとみなすことができる。
また、造影剤投与前のR値をR10とし、造影剤投与後のR値を経過時間tの関数R(t)と表記する。R値は、造影剤の緩和度を示し、縦緩和時間の逆数である。
従って、R10=1/T10であり、R(t)=1/T(t)である。造影剤投与後の各時刻における、造影剤投与前との緩和度変化分をΔR(t)とする。緩和度変化分ΔR(t)は、次式で与えられる。
ΔR(t)=R(t)−R10
={1/T(t)}−{1/T10} …(3)
次に、時刻t=0における(1)式の右辺の一部をBとして以下の(4)式で定義し、Bの一部をEとして以下の(5)式で定義し、これらB,Eを用いて造影剤濃度の推定値C(t)を以下の(6)式で定義する。
上記のように造影剤濃度C(t)を定義すれば、R(t)又はT(t)を直接的に求めなくても、Eが求まれば造影剤濃度の推定値C(t)を算出できる。「造影剤濃度の推定値」は、ここでは一例として造影剤濃度そのものを示すものとし、以下の説明では単に「造影剤濃度C(t)」と記載する。但し、実際には造影剤投与の前後における造影剤濃度の増減の時間変化が分かれば十分であるため、C(t)は、造影剤濃度に比例する値として算出されるようにしてもよい。ここで、(1)式から次式の関係が成り立つ。
ここで、以下のように上記(7)式を数回変形することで、Eは、以下の最後の(8)式で表される。
(8)式において、Bは、繰り返し時間TR、フリップ角度α、造影剤投与前の縦緩和時間T10(又はR10)から求まる。その(8)式で求まるEを(6)式に代入すれば、例えば画素値で与えられるSI(t)、SI(0)を用いることで、R(t)又はT(t)を求めずに造影剤濃度C(t)を算出できる。
次に、(6)式で定義されるC(t)が、空気を含む所定体積当たりの造影剤濃度と実質的に等価となる理由について、以下に数式を変形しながら説明する。
SI(0)は、(1)式の右辺においてT(t)をT10に置換したものであるから、(2)式のm及び(4)式のBを(1)式に代入することで、次式で表される。
SI(0)=m×B …(9)
上記の(9)式を変形すれば、次式となる。
m=SI(0)/B …(10)
また、(1)式の右辺に(2)式のm及び(5)式のEを代入することで、SI(t)は次式で表せる。
上記(11)式に(10)式を代入すれば、SI(t)は次式で表せる。
また、Eを定義する(5)式を変形すると、次式が成り立つ。
次に、以下の(14)式のように、(6)式を変形する。即ち、(6)式に(12)式を代入することでSI(t)を消去し、次に(9)式を代入することでSI(0)を消去し、さらに(13)式を代入する。
上式においてT10・Bの部分は、造影剤注入前後に亘って一定値であるから、C(t)は組織密度に比例するmと、ΔRとの積に比例する。ここで第1に、1画素内で空気領域の割合が大きい程、組織領域の割合(m)が小さくなる。第2に、MRIにおけるΔR値は、(空気を含まない)組織領域の所定体積当たりの造影剤濃度の変化分である。このΔRに対し、『画素内の空気領域割合が大きいほど小さくなるm』が乗じられるから、その積であるC(t)は、空気を含む所定体積当たりの造影剤濃度に換算されている。
また、(14)式のように、ΔRに比例するように造影剤濃度C(t)が算出されているので、MR信号の強度(この例では画素値SI(t))と、造影剤濃度C(t)との非線形性が補正された状態で造影剤濃度C(t)が算出される。
ここで、別の観点から造影剤濃度C(t)を規定する(6)式を変形し、(6)式の物理的意味について考える。まず、上記(7)式から、以下の(15)式の関係が成り立つ。
また、(13)式を変形すれば、以下の(16)式が成り立つ。
次に、造影剤濃度C(t)を規定する(6)式の右辺において、SI(t)に乗じられている部分に(16)式を代入し、さらに(15)式を代入すると、以下の(17)式が得られる。
(6)式に(17)式を代入すれば、以下の(18)式が成り立つ。
従来の手法でR値が既に算出されている場合、(18)式に基づいて造影剤濃度C(t)を算出してもよい。従って、(6)式で造影剤濃度C(t)を算出することは、(18)で造影剤濃度C(t)を算出することと等価である。即ち、(6)式で造影剤濃度C(t)を算出することは、造影剤注入前のMR信号強度と、造影剤注入後のR値との積(R(t)×SI(0))を算出することで造影剤の体積濃度に比例する値を得ることを意味する。
図2は、本スキャンで得られた胸部画像に対して設定される動脈領域の一例を示す模式図である。図2に示すように、胸部画像200には、例えば心臓202、右肺204、左肺206、大動脈208が描出されている。ここでは一例として、大動脈208の一部が動脈領域210として設定される例を述べる。即ち、動脈以外の領域は、動脈領域210には一切含まれないように動脈領域が設定されるものとする。
図3は、動脈領域、及び、組織領域における各造影剤濃度C(t)の時間変化の一例を示す模式図である。図3の上段は、(6)式により算出される動脈領域における造影剤濃度C(t)の時間変化の一例であり、図3の下段は、(6)式により算出される組織領域における造影剤濃度C(t)の時間変化の一例である。図3の上段、下段のそれぞれにおいて、横軸は経過時間を示す時刻tであり、縦軸は造影剤濃度C(t)を示す。
前述のように、時刻t0で造影剤が投与されるので、時刻t0以前では、動脈領域、組織領域共に造影剤濃度はゼロで一定となる。造影剤投与後、動脈領域、組織領域において造影剤濃度C(t)は上昇し、ピークに達するが、その後、造影剤濃度C(t)は減少し、ゼロに近づいていく。
図4は、本実施形態の手法で算出される造影剤濃度から得られる灌流マップの一例を示す模式図である。図4では、血流量が多い画素程白くなるように、グレースケールで示すが、これは一例に過ぎない。例えば血流量の多い順に、赤、黄、緑、青、紫となるように有彩色で灌流マップを表示してもよい。図4は、ダイナミック撮像により図2と同一の撮像領域から得られる灌流マップであるから、図2の胸部画像200内の動脈領域は、白く描出されており、血流量が多いことを示す。
<本実施形態の動作説明>
図5は、本実施形態のMRI装置10の動作の流れの一例を示すフローチャートである。ここでは一例として、造影剤投与を伴った胸部のダイナミック撮像がFE法の本スキャンとして実行される場合について説明する。以下、前述した各図を適宜参照しながら、図5に示すステップ番号に従って、MRI装置10の動作を説明する。
[ステップS1]システム制御部61(図1参照)は、胸部のダイナミック撮像の本スキャンの撮像条件及び画像処理条件の設定画面情報を表示装置74に入力する。これにより、撮像条件及び画像処理条件の設定画面が表示装置74に表示される。
システム制御部61は、入力装置72に対して入力された撮像条件に基づいて、本スキャンの撮像条件の一部(例えば繰り返し時間TR、フリップ角度α等)を設定する。システム制御部61は、設定した撮像条件を画像解析装置65の取得部66に入力し、取得部66は入力された条件を記憶する。
また、画像処理条件として、造影剤注入前の緩和度R10の値が入力装置72に対して入力され、取得部66はR10を取得し、記憶する。なお、R10の値については、操作者により設定される構成に限定されるものではない。例えば、本スキャンの実行前に、造影剤投与前の縦緩和時間T10を測定するプレスキャンを撮像領域に実行し、その逆数のR10を取得部66に入力する構成でもよい。
そして、天板22上で被検体Pに胸部用のRFコイル装置100及び造影剤投与装置(図示せず)がセットされ、天板移動機構23は、システム制御部61の制御に従って、撮像部位としての胸部が磁場中心に位置するように、ガントリ30内に天板22を水平移動させる。
この後、ステップS2に進む。
[ステップS2]公知の手法で位置決め画像が撮像される。具体的には、静磁場電源42により励磁された静磁場磁石31によって撮像空間に静磁場が形成される。また、シムコイル電源44からシムコイルユニット32に電流が供給されて、撮像空間に形成された静磁場が均一化される。
そして、入力装置72からシステム制御部61に撮像開始指示が入力されると、システム制御部61は、パルスシーケンスを含む撮像条件をシーケンスコントローラ58に入力する。シーケンスコントローラ58は、入力されたパルスシーケンスに従って傾斜磁場電源46、RF送信器48及びRF受信器50を駆動させることで、被検体Pの撮像部位が含まれる撮像領域に傾斜磁場を形成させると共に、RFコイルユニット34からRFパルスを発生させる。
このため、被検体P内の核磁気共鳴により生じたMR信号がRFコイル装置100により検出されて、RF受信器50に入力される。RF受信器50は、MR信号に前述の処理を施すことでMR信号の生データを生成し、これら生データを画像再構成部62に入力する。画像再構成部62は、MR信号の生データをk空間データとして配置及び保存する。
画像再構成部62は、k空間データにフーリエ変換を含む画像再構成処理を施すことで実空間の画像データを再構成し、得られた画像データを画像データベース63に保存する。画像処理部64は、画像データベース63から画像データを取り込み、これに所定の画像処理を施すことで2次元の表示用画像データを生成し、この表示用画像データを表示装置74に入力し、位置決め画像として表示させる。
位置決め画像の表示後、入力装置72を介して、操作者により位置決め画像上で胸部の撮像領域が設定される。この後、ステップS3に進む。
[ステップS3]ここでは一例として、例えば造影剤投与の時刻t=−2から第1時相の画像が撮像された後、時相間の空き時間となる時刻t0のタイミングにおいて造影剤が被検体Pに投与され、第2時相以降の画像が撮像される。造影剤の投与は、システム制御部61の制御に従って、前述の造影剤投与装置(図示せず)により遠隔的且つ自動的に実行される。
なお、各時相は、例えば30スライスや40スライス等の複数の画像用のMR信号を収集するものである。時刻t=0からダイナミック撮像を開始してもよいが、造影剤投与前の画像を複数取得することで、造影剤投与前のデータを正確に取得すると共に動き補正を正確に実行する観点からは、上記手法が好ましい。時刻t0からダイナミック撮像を開始する場合、造影剤投与前の画像は、時刻t0のタイミングで撮像された1画像のみとなるからである。
従って、時刻t=−2から終了時刻まで、FE法のダイナミック撮像の本スキャンにより、ステップS2で選択された撮像領域(同一断面)からMR信号が時系列的に繰り返し収集される。MR信号の収集動作は、位置決め画像の場合と同様である。このようにして、各タイミングでの画像用のMR信号がk空間データに変換されて画像再構成部62に保存される。この後、ステップS4に進む。
[ステップS4]画像再構成部62は、ステップS3で収集された本スキャンのk空間データに画像再構成処理を施し、得られた(実空間の)画像データを画像データベース63に保存する。画像処理部64は、画像データベース63から本スキャンの画像データを取り込み、これに公知の動き補正処理等を施すことで動き補正後の画像データを生成し、動き補正後の画像データを記憶装置76に保存する。動き補正処理では、呼吸による右肺204、左肺206(図2参照)の変形や、拍動による心臓の変形等が補正される。
なお、後述のステップS6、S7における造影剤濃度C(t)の算出では、画像再構成部により再構成された直後の画像データの各画素値をSI(t)として用いてもよいが、フィルタ処理などの処理が加えられた画像データの画素値をSI(t)として用いてもよい。ここでは一例として、上記の動き補正後の画像データの各画素値がSI(t)として用いられる場合について説明する。
この後、ステップS5に進む。
[ステップS5]システム制御部61は、動き補正後の全画像データの内、例えばt=0のタイミングなどの代表的なタイミングでの画像データを表示装置74に画像表示させる。操作者は、画像を見ながら動脈領域を判断し、入力装置72を介して、動脈領域を関心領域(ROI:Region Of Interest)として選択する。
なお、動脈領域については、取得部66により自動選択される構成でもよい。この場合、取得部66は例えば、各臓器や骨の形状、大きさ等を含む標準的な人体モデルと、画像データとのテンプレートマッチングにより、画像内の各臓器や骨などの血管以外の特徴的な領域を抽出後、各臓器や骨の位置に基づいて、動脈領域を抽出する。
この後、ステップS6に進む。
[ステップS6]取得部66は、本スキャンの全画像の動き補正後の画像データを記憶装置76から取得して記憶する。
次に、解析部67は、本スキャン開始から本スキャン終了までの期間における動脈領域の造影剤濃度C(t)の時間変化を(6)式に基づいて算出する。一般には、動脈領域として選択される画素が単数の場合も、複数の場合も、動脈領域の造影剤濃度C(t)の時間変化は1つとして(画一的に)算出される。
具体例として、同一断面に対してt=−2からt=97まで等間隔で100画像が撮像され、50画素が(100画像に共通の位置で)動脈領域として選択された場合を考える。この場合、100画像(即ち、100通りの時刻)に対してそれぞれ、動脈領域の画素値が50画素で平均され、平均画素値をSI(t)とすることで、t=−2からt=97までの動脈領域の造影剤濃度C(t)が算出される。或いは、50画素それぞれについて、造影剤濃度C(t)を合計50個算出し、50個のC(t)の平均を動脈領域の造影剤濃度C(t)としてもよい。
解析部67は、動脈領域の造影剤濃度C(t)の時間変化曲線をグラフとして表示装置74に表示させる(図3の上段参照)。解析部67は、動脈領域の造影剤濃度C(t)の時間変化曲線のピーク高さ、時間積分値(面積)、最大傾斜、1次モーメントなどのカーブ特徴パラメータを算出し、その数値を表示装置74に表示させる。
この後、ステップS7に進む。
[ステップS7]解析部67は、本スキャン開始から本スキャン終了までの期間における組織領域の全画素の造影剤濃度C(t)の時間変化をそれぞれ算出する。組織領域としては血管領域を含めても除いてもよい。ここでは一例として、全画素を組織領域として処理する場合について説明する。例えば縦横の画素数が256×256の場合、組織領域の造影剤濃度C(t)は、256×256の全画素に対して個別に算出される。
解析部67は、これら256×256の組織領域の造影剤濃度C(t)の時間変化曲線に対してそれぞれ、ピーク高さ、時間積分値(面積)、最大傾斜、1次モーメントなどのカーブ特徴量を算出する。解析部67は、例えばピーク高さについて、256×256の組織領域のマップを生成して表示装置74に表示させる。このマップは、造影剤濃度C(t)の時間変化曲線においてピークが高い画素程明るく、ピークが低い画素程暗く表示されたマップである。
同様に、解析部67は、時間積分値(面積)、最大傾斜などの他のカーブ特徴パラメータについても組織領域のマップを生成して表示装置74に表示させる。
この後、ステップS8に進む。
[ステップS8]解析部67は、動脈領域の造影剤濃度C(t)の時間変化曲線(1つのみ算出)と、画素毎に存在する組織領域の造影剤濃度C(t)の時間変化曲線とに基づいて、公知の手法で全画素の局所血流量をそれぞれ算出する。具体的には、ある画素Qの組織領域としての造影剤濃度C(t)の時間変化曲線を、動脈領域の造影剤濃度C(t)時間変化曲線で逆畳込積分する。この逆畳込積分によって得られた関数の最大値が、当該画素Qの局所血流量として算出される。この処理が全画素に対して実行される。
この後、ステップS9に進む。
[ステップS9]解析部67は、ステップS8で得られた全画素の局所血流量を灌流マップとして生成し、表示装置74に表示させる(図4参照)。また、解析部67は、各画素に対して平均通過時間、分布体積(Distribution Volume)、容積輸送定数Ktransなど)等の関連パラメータをそれぞれ算出し、ステップS7と同様にパラメータ毎にマップを生成して表示装置74に表示させてもよい。
以上が本実施形態のMRI装置10の動作説明である。
<本実施形態の効果>
このように本実施形態では、造影剤濃度C(t)を示す(6)式から分かるように、『画素内の空気領域割合が大きいほど小さくなる係数m』と、ΔRとの積に比例するように造影剤濃度C(t)が算出されるので、この造影剤濃度C(t)は、空気を含む所定体積当たりの造影剤濃度に換算されている。
また、ΔRに比例するように造影剤濃度C(t)が算出されるので、MR信号の強度(画素値SI(t))と、造影剤濃度C(t)との非線形性が補正された状態で造影剤濃度C(t)が算出される。従って、MRIにおいて、例えば肺のように空気が含まれる領域の局所血流量を正確に算出できる。
さらに、(8)式でEを求め、これを(6)式に代入することで、繰り返し時間TR、フリップ角α等の撮像条件と、画像データの画素値と、T10とから造影剤濃度C(t)を算出する。即ち、R(t)を直接求めることなく、空気を含む所定体積当たりの造影剤濃度C(t)を算出できる。
以上説明した実施形態によれば、MRIにおいて局所血流量を算出する場合に、造影剤濃度と信号値との非線形性を補正しつつ、空気を含む所定体積当たりの局所血流量に近い値を算出できる。
<実施形態の補足事項>
[1]上記実施形態において、本スキャンの画像データが再構成された後、灌流マップが生成及び表示されるまでの画像解析処理(ステップS5〜S9)をプログラムコード化することで、画像解析プログラムを作成してもよい。上記実施形態の画像解析装置65は、そのような画像解析プログラムがインストールされたコンピュータとして捉えてもよい。
[2]上記実施形態では、本スキャンにおいてFE系のパルスシーケンスが用られ、FE法のMR信号強度モデルである(1)式に基づいて造影剤濃度C(t)が算出される例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。スピンエコー法などの他のパルスシーケンスでもMR信号強度を論理的に定義し、それに基づいて上記同様に造影剤濃度C(t)を算出してもよい。
[3]本実施形態では、MRI装置10内に画像解析装置65が配置され、MRI装置10内で血流量が算出及び表示される例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。例えば、モダリティの1つとしてMRI装置が接続される画像保管通信システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)のサーバ内に画像解析装置65が搭載されていてもよい。この場合、例えばサーバがMRI装置から画像データ等を取得し、サーバが上記同様に造影剤濃度C(t)を算出することで灌流マップを表示する。
[4]空気が含まれる領域の一例として、胸部用のRFコイル装置100が装着され、肺が含まれる撮像領域に対して(空気を含む所定体積当たりの)局所血流量が算出される例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。胃腸などの空気が含まれる他の領域の撮像においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
[5]上記実施形態のフローでは、ステップS6で動脈領域の造影剤濃度C(t)の時間変化を算出後、ステップS7で組織領域の造影剤濃度C(t)の時間変化を算出する例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。ステップS7の処理をステップS6の処理の前に実行してもよいし、解析部67内に演算装置を複数搭載することで、双方の処理を並行して実行してもよい。
[6]上記実施形態では、造影剤注入後の時系列的な複数画像のMR信号の強度を補正しつつ、造影剤濃度を算出する例を述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えばBBTI(Black Blood Traveling Time:撮像領域に流入する血液の移動時間に相当)を変化させる等の非造影の手法で撮像された画像から得られるT(t),T *を用いて、(18)式によりC(t)を血流量としてを算出してもよい。
[7]請求項の用語と実施形態との対応関係を説明する。なお、以下に示す対応関係は、参考のために示した一解釈であり、本発明を限定するものではない。
(2)式及び(14)式における係数mは、請求項記載の「各画素位置に対応する被検体の領域における空気領域割合が大きいほど小さくなる係数」の一例である。
ガントリ30内の各構成要素、及び、制御装置40の全体(図1参照)が、傾斜磁場及びRFパルスの印加を伴った撮像により被検体PからMR信号を収集する機能は、請求項記載の信号収集部の一例である。
[8]本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10:MRI装置,
20:寝台装置,22:天板,30:ガントリ,
31:静磁場磁石,32:シムコイルユニット,33:傾斜磁場コイルユニット,
34:RFコイルユニット,40:制御装置,60:演算装置,65:画像解析装置

Claims (9)

  1. 各画素の画素値に磁気共鳴信号強度が反映されるように被検体への造影剤投与の前後にそれぞれ撮像された複数画像の画像データを取得する取得部と、
    造影剤投与の前後における前記画像データの各画素値と、造影剤投与前の縦緩和時間に関する値とに基づいて、前記縦緩和時間に関する値の造影剤投与前後の差分に比例するように、且つ、各画素位置に対応する前記被検体の領域における空気領域割合が大きいほど小さくなる係数に比例するように、造影剤濃度の推定値を算出する解析部と
    を備えることを特徴とする画像解析装置。
  2. 請求項1記載の画像解析装置において、
    前記取得部は、前記縦緩和時間に関する値として、緩和度を示すR値を取得し、前記R値を前記解析部に入力する
    ことを特徴とする画像解析装置。
  3. 請求項2記載の画像解析装置において、
    前記取得部は、造影剤投与の前後の撮像条件である繰り返し時間及びフリップ角を取得し、
    前記解析部は、前記繰り返し時間及び前記フリップ角にも基づいて、前記造影剤濃度の推定値を算出する
    ことを特徴とする画像解析装置。
  4. 請求項2又は請求項3記載の画像解析装置において、
    前記取得部は、造影剤投与後に時系列的に複数回撮像された同一の撮像領域の各画像データと、造影剤投与前に撮像された前記同一の撮像領域の画像データとを取得し、
    前記解析部は、造影剤投与前に撮像された前記同一の撮像領域の画像データと、前記時系列的に複数回撮像された前記同一の撮像領域の各画像データとに基づいて、前記造影剤濃度の推定値の時間変化を算出する
    ことを特徴とする画像解析装置。
  5. 請求項4記載の画像解析装置において、
    前記取得部は、前記同一の撮像領域の一部領域として設定された動脈領域を取得し、
    前記解析部は、前記動脈領域に対しては前記造影剤濃度の推定値の時間変化を画一的に算出すると共に、全画素に対して前記造影剤濃度の推定値の時間変化をそれぞれ算出し、前記動脈領域の前記造影剤濃度の推定値の時間変化と、各画素での前記造影剤濃度の推定値の時間変化とに基づいて、各画素での血流量を示す灌流マップを生成する
    ことを特徴とする画像解析装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像解析装置において、
    前記取得部は、前記被検体の肺領域が含まれる複数画像の画像データを取得する
    ことを特徴とする画像解析装置。
  7. 各画素の画素値に磁気共鳴信号強度が反映されるように被検体への造影剤投与前に撮像された画像の画像データと、造影剤投与前の縦緩和時間に関する値と、造影剤投与後の縦緩和時間に関する値とを取得する取得部と、
    前記画像データの各画素値と、造影剤投与前後の前記縦緩和時間に関する値とに基づいて、前記縦緩和時間に関する値の造影剤投与前後の差分と、画素値との積に比例するように、各画素位置での造影剤濃度の推定値を算出する解析部と
    を備えることを特徴とする画像解析装置。
  8. 被検体に対する造影剤投与の前後においてそれぞれ、傾斜磁場を印加すると共にRFパルスを送信することで前記被検体の撮像領域から磁気共鳴信号を収集する信号収集部と、
    各画素の画素値に磁気共鳴信号強度が反映されるように、造影剤投与の前後における前記被検体の各画像の画像データを再構成する画像再構成部と、
    造影剤投与の前後における前記画像データの各画素値と、造影剤投与前の縦緩和時間に関する値とに基づいて、造影剤濃度の推定値を算出する請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像解析装置と
    を備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 各画素の画素値に磁気共鳴信号強度が反映されるように被検体への造影剤投与の前後にそれぞれ撮像された複数画像の画像データを取得する取得機能と、
    造影剤投与の前後における前記画像データの各画素値と、造影剤投与前の縦緩和時間に関する値とに基づいて、前記縦緩和時間に関する値の造影剤投与前後の差分に比例するように、且つ、各画素位置に対応する前記被検体の領域における空気領域割合が大きいほど小さくなる係数に比例するように、造影剤濃度の推定値を算出する解析機能と
    をコンピュータに実行させるための画像解析プログラム。
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