JP6266023B2 - 黄斑変性症の処置における新規トラップ - Google Patents

黄斑変性症の処置における新規トラップ Download PDF

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Description

関連出願への相互参照
本出願は、2013年1月25日に出願された米国仮特許出願第61/756,778号の優先権および利益を主張し、この米国仮特許出願の内容がそのまま、本明細書において参考として援用される。
発明の背景
黄斑変性症は、進行性視覚喪失の主要原因である。黄斑は、網膜の中央領域であり、高い明瞭度の中心視が処理される中心窩を含有する。黄斑変性症は、黄斑の神経変性疾患であり、それは、中心窩錐体光受容体によって処理される中心視、桿体光受容体によって処理される暗視、および昼光(錐体)および暗闇(桿体)の両方の条件下での暗順応において支障をきたす欠陥を徐々に引き起こす。
複数の形態の黄斑変性症がある。ドライ型加齢黄斑変性症(AMD)は、初期の、かつ最も一般的な形態であり、中年以後に最初に出現する。その臨床徴候は、眼底自発蛍光(FAF)および軟性ドルーゼンと呼ばれる細胞外沈着物の形成の増大を含み、ともに、以下に論じられるように網膜色素上皮(RPE)細胞内のリポフスチンの蓄積によって引き起こされる。ドライ型AMD患者の約40%は、RPE細胞および隣接する網膜光受容細胞の限局性の死によって引き起こされる1種または複数の委縮性網膜病変によって特徴付けられる、ドライ型AMDに続発し、地図状萎縮(GA)と呼ばれる疾患の進行型に進行する。ドライ型AMD患者の別の10%は、網膜組織を混乱させ、それによって視覚機能を破壊する、脈絡膜から網膜への新生血管増殖によって特徴付けられるウェット型AMDに進行する。最後に、シュタルガルト病と呼ばれる早期発症型の黄斑変性症があり、これは、十代の若者および若年成人において最初に出現する。シュタルガルト病は、ドライ型AMDと同じ病因を有すると考えられているが、それが進行する際に脈絡膜血管新生を伴わない。
複数の証拠は、黄斑変性症が、A2Eと呼ばれる天然に存在するビスレチノイド化合物のRPE細胞内の徐々の蓄積によって引き起こされることを示す(Sparrow J.R.ら、Phospholipid meets all−trans−retinal: the making of RPE bisretinoids、J. Lipid Res.、2009年8月7日)。A2Eは、オールトランスレチンアルデヒド(RAL)と、光受容体外節の円板膜内に見つかる膜リン脂質であるホスファチジルエタノールアミン(PE)との反応からの細胞傷害性生成物である。PEと反応するRALは、眼の後部内の代謝経路である視覚サイクル(図1中のステップ3b)から逃れる。視覚サイクルは、(i)ビタミンAをアルコール(レチノール)から光受容細胞外節内のオプシンタンパク質による光伝達で使用するための光反応性アルデヒド(11−cis−レチンアルデヒド)に変換し、(ii)光伝達後にRALをレチノールに変換する。RALが視覚サイクルを逃れる際に、A2E前駆体が光受容体外節内で可逆的に形成し、これらは、日周期性の脱落(diurnal shedding)後に近接するRPE細胞によって摂取される。A2Eの生合成における最終的な非可逆性のステップは、RPE細胞リソソームの酸性環境内で起こる。
A2Eは、RPE細胞内に蓄積するにつれて、リソソーム欠損および酸化的ストレスを含めた複数の機構によってこれらを徐々に毒する。リソソーム欠損は、リポフスチンと呼ばれる未消化の細胞残屑を蓄積し、リポフスチンは、A2Eを含有し、FAFイメージングによって臨床的に検出されうる。酸化的ストレスは、GA内でアポトーシス機構によってRPE細胞死をもたらし、RPE細胞によってVEGFシグナル伝達を誘発し、これは、ウェット型AMDのホールマークである脈絡膜新生血管増殖を引き起こす。補体カスケードは、ドルーゼン内の酸化されたA2Eによって活性化され、炎症経路によってさらなる病理を引き起こす。RPE細胞が劣化するにつれて、これらは、視覚サイクルに参加するその能力を失い、正常な視覚機能に必要とされる代謝サポートを光受容体に提供することができない。この代謝サポートが絶たれるので、光受容体は、その脱落した外節を新しくすることができず、視覚機能が徐々に失われる。薬理学的にA2Eの形成を低減することによって、RPE細胞は、A2E毒性から回復し、光受容体細胞のその正常な代謝サポートを再開することができる。
PCT公開第WO2006/127945号には、A2Eの形成を低減することが示された化合物および組成物が開示されている。これらの化合物は、光受容体外節内のPEとの反応に利用可能な遊離RALの量を低減することによってA2E生合成を阻害するように設計されている。しかし、改善された効力および/または薬理学的半減期などの望ましい特性を有する化合物の必要性が依然として存在する。本願は、その必要性に対処するものである。
国際公開第2006/127945号
Sparrow J.R.ら、Phospholipid meets all−trans−retinal: the making of RPE bisretinoids、J. Lipid Res.、2009年8月7日
発明の概要
本発明は、網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達が関与する網膜疾患または障害を処置し、その症状を低減し、あるいはそれを発症するリスクを低減するための化合物、医薬組成物、および方法に関する。
本発明は、式(A)
の化合物またはその薬学的に許容される塩に関し、式中R’、A’、R、R、T、およびnのそれぞれは、以下で本明細書に定義されている。
本発明は、本明細書に記載の式のそれぞれの化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤または担体を含む医薬組成物にも関する。
本発明は、網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達が関与する網膜疾患または障害を処置し、その症状を低減し、あるいはそれを発症するリスクを低減するための方法にも関する。
別段の定義のない限り、本明細書で使用するすべての科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書が、定義を含めて規制する。本明細書では、単数形は、文脈による別段の明らかな要求のない限り、複数形も含む。本明細書に記載のものと同様のまたは等価の方法および材料が本発明の実行および試験において使用されうるが、適当な方法および材料を以下に記載する。本明細書中で述べられるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照により組み込まれている。本明細書に引用される参考文献は、本発明に対する先行技術であると認められていない。さらに、材料、方法、および実施例は、単に例示的であるに過ぎず、限定的であることは意図されていない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなる。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
式(A)

の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
A’およびR’は、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、1個の窒素原子および1個の酸素原子を含有する5員ヘテロアリール環を形成し、前記ヘテロアリール環は、X’で置換されており、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、および「6」は、前記ヘテロアリール環の前記フェニル環への結合点を表すが、ただし、前記ヘテロアリール環が、

であるとき、R はC(D) OHであり、R は存在せず、かつX’は存在せず、そして、前記ヘテロアリール環が、

であるとき、R は存在せず、R はNH であり、かつX’は存在せず、
は、C(D) OHであるか、またはR は、A’およびR’が、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、

形成するとき、存在せず、
は、NH であるか、またはR は、A’およびR’が、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、

を形成するとき、存在せず、
各Dは独立して、C 〜C アルキルもしくはC 〜C シクロアルキルであるか、または2個のDは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C 〜C 炭素環式環、もしくは



および

から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「 」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表し、
X’は、C 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキルで置換されたC 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキル、アリール、C 〜C アルキルで置換されたアリール、もしくはC 〜C アルコキシであるか、またはX’は、A’およびR’が、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、

もしくは

を形成するとき、存在せず、
nは、0、1、または2であるが、ただし、X’がフェニルであるとき、nは、0でなく、
各Tは独立して、ハロゲン、C 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキルで置換されたC 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキル、またはシアノである、
化合物またはその薬学的に許容される塩。
(項目2)
A’およびR’が、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、1個の窒素原子および1個の酸素原子を含有する5員ヘテロアリール環を形成し、前記ヘテロアリール環が、X’で置換されており、X’が、C 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキルで置換されたC 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキル、アリール、C 〜C アルキルで置換されたアリール、またはC 〜C アルコキシである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
X’が、C 〜C シクロアルキル、アリール、またはC 〜C アルキルで置換されたアリールである、項目2に記載の化合物。
(項目4)
X’が、C 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキルで置換されたC 〜C 10 アルキル、またはC 〜C アルコキシである、項目2に記載の化合物。
(項目5)
A’およびR’が、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、

を形成し、R が存在せず、R がNH であり、X’が存在しないか、または

を形成し、R がC(D) OHであり、R が存在せず、X’が存在しない、項目1に記載の化合物。
(項目6)
各Dが独立して、C 〜C アルキルである、項目5に記載の化合物。
(項目7)
nが0である、項目6に記載の化合物。
(項目8)
式(I)

の化合物である項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
AおよびRは、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、1個の窒素原子および1個の酸素原子を含有する5員ヘテロアリール環を形成し、前記ヘテロアリール環は、Xで置換されており、
Xは、C 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキルで置換されたC 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキル、アリール、C 〜C アルキルで置換されたアリール、またはC 〜C アルコキシであり、
は、1または2であり、
各T は独立して、ハロゲン、C 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキルで置換されたC 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキル、またはシアノであり、
各Dは独立して、C 〜C アルキルもしくはC 〜C シクロアルキルであるか、または2個のDは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C 〜C 炭素環式環、もしくは



および

から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「 」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表す、化合物またはその薬学的に許容される塩。
(項目9)
Xが、C 〜C シクロアルキル、アリール、またはC 〜C アルキルで置換されたアリールである、項目8に記載の化合物。
(項目10)
各Dが独立して、C 〜C アルキルである、項目8に記載の化合物。
(項目11)
が1である、項目8に記載の化合物。
(項目12)
各T が独立して、ハロゲンである、項目8に記載の化合物。
(項目13)
式(Ia)、(Ib)、(Ic)、もしくは(Id)

の化合物である項目8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
Xは、C 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキルで置換されたC 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキル、アリール、C 〜C アルキルで置換されたアリール、またはC 〜C アルコキシであり、
は、1または2であり、
各T は独立して、F、Cl、C 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキル、C 〜C シクロアルキルで置換されたC 〜C 10 アルキル、またはシアノであり、
各Dは独立して、C 〜C アルキルもしくはC 〜C シクロアルキルであるか、または2個のDが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C 〜C 炭素環式環、もしくは



および

から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「 」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表す、化合物またはその薬学的に許容される塩。
(項目14)
Xが、C 〜C シクロアルキル、アリール、またはC 〜C アルキルで置換されたアリールであり、各T が独立して、F、Cl、メチル、シクロプロピル、シクロブチル、またはシアノであり、各Dがメチルである、項目13に記載の化合物。
(項目15)
Xが、アリール、メチルで置換されたアリール、シクロプロピルであり、n が1であり、T がClである、項目14に記載の化合物。
(項目16)




および

からなる群から選択される、項目15に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
(項目17)
式(II)

の化合物である項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
UおよびZの一方はC(D) OHであり、他方はNH であり、
各Dは独立して、C 〜C アルキルもしくはC 〜C シクロアルキルであるか、または2個のDが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C 〜C 炭素環式環、もしくは



および

から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「 」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表し、
は、0、1、または2であり、
各T は独立して、ハロゲン、C 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキルで置換されたC 〜C 10 アルキル、C 〜C シクロアルキル、またはシアノである、
化合物またはその薬学的に許容される塩。
(項目18)
各Dが独立して、C 〜C アルキルである、項目17に記載の化合物。
(項目19)
が0である、項目17に記載の化合物。
(項目20)
各T が独立して、ハロゲンである、項目17に記載の化合物。
(項目21)
ZがC(D) OHであり、UがNH であり、各Dがメチルであり、n が0である、項目17に記載の化合物。
(項目22)
ZがNH であり、UがC(D) OHであり、各Dがメチルであり、n が0である、項目17に記載の化合物。
(項目23)






および

からなる群から選択される、項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
(項目24)
項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
(項目25)






および

からなる群から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む、項目24に記載の医薬組成物。
(項目26)




および

からなる群から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む、項目24に記載の医薬組成物。
(項目27)
網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達が関与する網膜疾患または障害の処置、その症状の低減、あるいはそれを発症するリスクの低減を、それを必要とする被験体において行う方法であって、前記被験体に治療有効量の項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
(項目28)
前記網膜疾患または障害が黄斑変性症である、項目27に記載の方法。
(項目29)
網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達が関与する網膜疾患または障害の処置、その症状の低減、あるいはそれを発症するリスクの低減を、それを必要とする被験体において行う方法で使用するための組成物であって、項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、組成物。
(項目30)
前記網膜疾患または障害が黄斑変性症である、項目29に記載の組成物。
(項目31)
網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達が関与する網膜疾患または障害の処置、その症状の低減、あるいはそれを発症するリスクの低減を、それを必要とする被験体において行うための医薬の製造における、項目1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
(項目32)
前記網膜疾患または障害が黄斑変性症である、項目31に記載の使用。
図1は、視覚サイクルを示すスキームである。
発明の詳細な説明
本発明は、本明細書に記載の式のヘテロアリール化合物を提供する。これらの化合物は、望ましい特性、例えば、RALを捕捉し、A2E形成を低減することにおける改善された効力(例えば、様々な公知の化合物より有効な)、および/または増大した薬理学的半減期(例えば、様々な公知の化合物より長い)などを有する。
単離桿体光受容体外節のin vitro調製物における外因性RALとの反応において、本発明の代表的な化合物は、より好都合な反応エネルギー特性、およびかなりの程度までイミンおよびオキサミナール(oxaminal)生成物形成に向かってシフトした平衡定数(Kapp)を有し、したがって本発明の化合物をより有効なRALトラップにする(表1)。
本発明は、網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達が関与する網膜疾患または障害を処置し、その症状を低減し、あるいはそれを発症するリスクを低減するための化合物、医薬組成物、および方法に関する。例えば、本発明は、網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積によって、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達によって引き起こされる黄斑変性症および他の網膜疾患または障害を処置し、それらの症状を低減し、あるいはそれらを発症するリスクを低減するための化合物、医薬組成物、および方法に関する。
一実施形態では、本発明は、式(A)
の化合物またはその薬学的に許容される塩を対象とし、式中、
A’およびR’は、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、1個の窒素原子および1個の酸素原子を含有する5員ヘテロアリール環を形成し、ヘテロアリール環は、X’で置換されており、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、および「6」は、ヘテロアリール環のフェニル環への結合点を表すが、ただし、ヘテロアリール環が、
であるとき、Rは、C(D)OHであり、Rは、存在せず、X’は、存在せず、ヘテロアリール環が、
であるとき、Rは、存在せず、Rは、NHであり、X’は、存在せず、
は、C(D)OHであるか、またはRは、A’およびR’が、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、
を形成するとき、存在せず、
は、NHであるか、またはRは、A’およびR’が、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、
を形成するとき、存在せず、
各Dは独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルであるか、あるいは2個のDは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C〜C炭素環式環または
および
から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表し、
X’は、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、C〜Cアルキルで置換されたアリール、またはC〜Cアルコキシであるか、あるいはA’およびR’が、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、
または
を形成するとき、X’は、存在せず、
nは、0、1、または2であるが、ただし、X’がフェニルであるとき、nは0ではなく、
各Tは独立して、ハロゲン、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、またはシアノである。
一例では、A’およびR’は、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、1個の窒素原子および1個の酸素原子を含有する5員ヘテロアリール環を形成し、ヘテロアリール環は、X’で置換されている。一例では、X’は、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)、アリール(例えば、フェニル)、またはC〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)で置換されたアリール(例えば、フェニル)である。さらなる例では、X’は、フェニル、メチルで置換されたフェニル、シクロプロピル、またはシクロブチルである。別の例では、X’は、C〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、またはC〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)で置換されたC〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。別の例では、X’は、C〜Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、およびプロポキシ)である。
一例では、Rは、C(D)OHであり、Rは、NHである。一例では、各Dは独立して、C〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。さらなる例では、各Dは、メチルである。
一例では、A’およびR’は、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、
を形成する。別の例では、A’およびR’は、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、
を形成する。一例では、各Dは独立して、C〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。さらなる例では、各Dは、メチルである。
一例では、nは、1または2である。さらなる例では、nは、1である。
一例では、各Tは独立して、ハロゲン(例えば、F、Cl、およびBr)である。さらなる例では、各Tは独立して、FまたはClである。別の例では、各Tは独立して、C〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、またはC〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)で置換されたC〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。別の例では、各Tは独立して、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)である。
一例では、A’およびR’は、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、1個の窒素原子および1個の酸素原子を含有する5員ヘテロアリール環を形成し、ヘテロアリール環は、X’で置換されており、X’は、アリール、メチルで置換されたアリール、またはシクロプロピルであり、nは、1であり、Tは、Clであり、Rは、C(D)OHであり、Rは、NHであり、各Dは、メチルである。
式(A)のさらなる例では、A’およびR’は、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、
を形成し、Rは、NHであり、各Dは、メチルであり、nは、0である。式(A)の別のさらなる例では、A’およびR’は、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、
を形成し、Rは、C(D)OHであり、各Dは、メチルであり、nは、0である。
一態様では、式(A)の化合物は、式(I)
の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
AおよびRは、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、1個の窒素原子および1個の酸素原子を含有する5員ヘテロアリール環を形成し、ヘテロアリール環は、Xで置換されており、
Xは、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、C〜Cアルキルで置換されたアリール、またはC〜Cアルコキシであり、
は、1または2であり、
各Tは独立して、ハロゲン、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、またはシアノであり、
各Dは独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルであるか、あるいは2個のDは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C〜C炭素環式環または
および
から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表す。
一例では、Xは、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)、アリール(例えば、フェニル)、またはC〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)で置換されたアリール(例えば、フェニル)である。さらなる例では、Xは、フェニル、メチルで置換されたフェニル、シクロプロピル、またはシクロブチルである。なお別の例では、Xは、C〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、またはC〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)で置換されたC〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。別の例では、Xは、C〜Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、およびプロポキシ)である。
一例では、各Dは独立して、C〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。さらなる例では、各Dは、メチルである。
一例では、nは、1である。
一例では、各Tは独立して、ハロゲン(例えば、F、Cl、およびBr)である。さらなる例では、各Tは独立して、FまたはClである。別の例では、各Tは独立して、C〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、またはC〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)で置換されたC〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。別の例では、各Tは独立して、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)である。
式(I)のさらなる例では、Xは、アリール、メチルで置換されたアリール、またはシクロプロピルであり、nは、1であり、Tは、Clであり、各Dは、メチルである。
本態様の一クラスは、式(Ia)
の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
Xは、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、C〜Cアルキルで置換されたアリール、またはC〜Cアルコキシであり、
は、F、Cl、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、またはシアノであり、
各Dは独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルであるか、あるいは2個のDは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C〜C炭素環式環または
および
から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表す。
一例では、Xは、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)、アリール(例えば、フェニル)、またはC〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)で置換されたアリール(例えば、フェニル)である。さらなる実施形態では、Xは、フェニル、メチルで置換されたフェニル、シクロプロピル、またはシクロブチルである。さらなる実施形態では、Xは、フェニル、またはメチルで置換されたフェニルである。別の例では、Xは、C〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、またはC〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)で置換されたC〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。別の例では、Xは、C〜Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、およびプロポキシ)である。
一例では、各Dは独立して、C〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。さらなる例では、各Dは、メチルである。
一例では、Tは、Clである。別の例では、Tは、C〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、またはC〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)で置換されたC〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。別の例では、Tは独立して、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)である。
式(Ia)のさらなる例では、Xは、アリールまたはメチルで置換されたアリールであり、Tは、Clであり、各Dは、メチルである。
式(Ia)の化合物をさらに定義するものは、
Xが、C〜Cシクロアルキル、アリール、またはC〜Cアルキルで置換されたアリールであり、
が、F、Cl、メチル、シクロプロピル、シクロブチル、またはシアノであり、
各Dが独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルである化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
1つのサブクラスは、TがF、Cl、メチル、またはシアノであり、Dがメチルである化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
式(Ia)の化合物をさらに例示するものは、化合物2および3
および
またはその薬学的に許容される塩である。
本態様の別のクラスは、式(Ib)もしくは(Ic)
の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
Xは、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、C〜Cアルキルで置換されたアリール、またはC〜Cアルコキシであり、
は、1または2であり、
各Tは独立して、F、Cl、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、またはシアノであり、
各Dは独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルであるか、あるいは2個のDは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C〜C炭素環式環または
および
から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表す。
一例では、Xは、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)、アリール(例えば、フェニル)、またはC〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)で置換されたアリール(例えば、フェニル)である。さらなる実施形態では、Xは、フェニル、メチルで置換されたフェニル、シクロプロピル、またはシクロブチルである。さらなる実施形態では、Xは、シクロプロピルまたはシクロブチルである。別の例では、Xは、C〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、またはC〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)で置換されたC〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。別の例では、Xは、C〜Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、およびプロポキシ)である。
一例では、各Dは独立して、C〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。さらなる例では、各Dは、メチルである。
一例では、nは、1である。
一例では、各Tは、Clである。別の例では、各Tは独立して、C〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、またはC〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)で置換されたC〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。別の例では、各Tは独立して、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)である。
式(Ib)または(Ic)のさらなる例では、Xは、シクロプロピルであり、nは、1であり、Tは、Clであり、各Dは、メチルである。
式(Ib)および(Ic)の化合物をさらに定義するものは、
XがC〜Cシクロアルキル、アリール、またはC〜Cアルキルで置換されたアリールであり、
が1であり、
がF、Cl、メチル、シクロプロピル、シクロブチル、またはシアノであり、
各Dが独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
式(Ib)もしくは(Ic)の化合物をさらに例示するものは、式(Ib−1)もしくは(Ic−1)
の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式中、X、T、およびDは、式(Ib)もしくは(Ic)において上で定義されている。
式(Ib−1)もしくは(Ic−1)の化合物をさらに定義するものは、
Xが、C〜Cシクロアルキル、アリール、またはC〜Cアルキルで置換されたアリールであり、
が、F、Cl、メチル、シクロブチル、シクロプロピル、またはシアノであり、
各Dが独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルである化合物
またはその薬学的に許容される塩である。
例えば、Xは、シクロプロピルまたはシクロブチルであり、Tは、FまたはClであり、各Dは独立して、C〜Cアルキルである。
式(Ib)もしくは(Ic)の化合物をさらに例示するものは、化合物4および5
および
またはその薬学的に許容される塩である。
本態様の第3のクラスは、式(Id)
の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
Xは、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、C〜Cアルキルで置換されたアリール、またはC〜Cアルコキシであり、
は、1または2であり、
各Tは独立して、F、Cl、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、またはシアノであり、
各Dは独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルであるか、あるいは2個のDは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C〜C炭素環式環または
および
から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表す。
一例では、Xは、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)、アリール(例えば、フェニル)、またはC〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)で置換されたアリール(例えば、フェニル)である。さらなる実施形態では、Xは、フェニル、メチルで置換されたフェニル、シクロプロピル、またはシクロブチルである。さらなる実施形態では、Xは、シクロプロピルまたはシクロブチルである。別の例では、Xは、C〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、またはC〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)で置換されたC〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。別の例では、Xは、C〜Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、およびプロポキシ)である。
一例では、各Dは独立して、C〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。さらなる例において、各Dは、メチルである。
一例では、nは、1である。
一例では、各Tは、Clである。別の例では、各Tは独立して、C〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、またはC〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)で置換されたC〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。別の例では、各Tは独立して、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)である。
式(Id)のさらなる例では、Xは、シクロプロピルであり、nは、1であり、Tは、Clであり、各Dは、メチルである。
式(Id)の化合物をさらに定義するものは、
XがC〜Cシクロアルキル、アリール、またはC〜Cアルキルで置換されたアリールであり、
が1であり、
がF、Cl、メチル、シクロプロピル、シクロブチル、またはシアノであり、
各Dが独立してC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルである化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
このクラスをさらに例示するものは、化合物6
またはその薬学的に許容される塩である。
第2の態様では、式(A)の化合物は、式(II)
の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
UおよびZの1つは、C(D)OHであり、他方は、NHであり、
各Dは独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルであるか、あるいは2個のDは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C〜C炭素環式環または
および
から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表し、
は、0、1、または2であり、
各Tは独立して、ハロゲン、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、またはシアノである。
一例では、各Dは独立して、C〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。さらなる例では、各Dは、メチルである。
一例では、nは、0または1である。さらなる例では、nは、0である。
一例では、各Tは独立して、ハロゲン(例えば、F、Cl、およびBr)である。さらなる例では、各Tは独立して、FまたはClである。別の例では、各Tは独立して、C〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、またはC〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)で置換されたC〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。別の例では、各Tは独立して、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)である。
式(II)のさらなる例では、nは、0であり、各Dは、メチルである。
本態様の一クラスは、式(IIa)もしくは(IIb)
の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
は、0、1、または2であり、
各Tは独立して、F、Cl、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、またはシアノである。
一例では、nは、0または1である。さらなる例では、nは、0である。
一例では、各Tは、Clである。別の例では、各Tは独立して、C〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)、またはC〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)で置換されたC〜C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル)である。別の例では、各Tは独立して、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプロピルおよびシクロブチル)である。
式(IIa)または(IIb)の化合物のさらなる例示は、化合物7および8
および
である。
代表的な本発明の化合物としては、以下の表に列挙された化合物がある。
本発明の化合物は、望ましい特性を有する。例えば、本発明の化合物は、少なくとも5,000、10,000、12,500、15,000、20,000、25,000、26,000、または30,000(M−1・h−1)のRAL枯渇の見かけ上の二次速度定数、kappを有する。さらなる例では、本発明の化合物は、少なくとも12,500、20,000、または26,000(M−1・h−1)のkappを有する。別の例では、本発明の化合物は、少なくとも1.3×10、1.4×10、1.5×10、1.6×10、1.7×10、1.8×10、1.9×10、または2.0×10のRAL枯渇の見かけ上の平衡定数、Kappを有する。さらなる例では、本発明の化合物は、少なくとも1.5×10、1.6×10、1.7×10、1.8×10、1.9×10、または2.0×10のKappを有する。別の例では、本発明の化合物は、−8.7、−8.8、−8.9、−9.0、−9.1、−9.2、−9.3、−9.4、−9.5、−9.6、−9.7、−9.8、−9.9、−10.0kcal/mol未満のRAL枯渇の見かけ上の自由エネルギー変化、ΔGappを有する。さらなる例では、本発明の化合物は、−8.8、−9.0、−9.1、または−9.2kcal/mol未満のΔGappを有する。kapp、Kapp、およびΔGappは、本明細書に記載のものなどの様々な公知の方法によって測定されうる。
本発明の第2の実施形態は、網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達が関与する網膜疾患または障害を処置し、その症状を低減し、あるいはそのリスクを低減する方法を対象とする。例えば、本発明は、ドライ型加齢黄斑変性症(AMD)、ドライ型AMDに続発する地図状萎縮(GA)、ウェット型AMD、およびシュタルガルト病を含めた、網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積によって、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達によって引き起こされる黄斑変性症および他の網膜疾患または障害を処置し、その症状を低減し、あるいはそのリスクを低減する方法を対象とする。本方法は、式(A)、(I)、および(II)の化合物などの本発明の化合物を含む医薬組成物を、それを必要とする被験体に、例えば、網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達が関与する黄斑変性症、または網膜疾患もしくは障害を有する、あるいはこれらを発症するリスクにある患者などに投与するステップを含む。本態様を例証するものは、黄斑変性症、ドライ型AMD、またはドライ型AMDに続発するGAを処置し、それらの症状を低減し、またはそれらのリスクを低減する方法である。やはり本態様を例証するものは、ウェット型AMDを処置し、その症状を低減し、またはそのリスクを低減する方法である。本態様は、シュタルガルト病を処置し、その症状を低減し、またはそのリスクを低減する方法によっても例証される。
本発明の方法では、A2Eのレベルは、式(A)、(I)、および(II)の化合物などの本発明の化合物を含む組成物を投与する前の被験体(例えば、患者)のものと比べて低下するはずである。より具体的には、本方法は、化合物が、
および
から選択されるまたはその薬学的に許容される塩である組成物を投与するステップを含む。
本方法は、化合物が、
および
から選択されるまたはその薬学的に許容される塩である組成物を投与することによってさらに例示される。
本方法は、化合物が、
および
から選択されるまたはその薬学的に許容される塩である組成物を投与することによってなおさらに例示される。
本方法は、化合物が、
および
から選択される組成物を投与することによってさらに例示される。
各型の黄斑変性症は、本発明の方法で処置されうることが理解されるべきである。
本発明の化合物は、当業者によって容易に調製されうる。特に、本発明の化合物は、以下に例示したスキームに従って調製されうる。
一般的な合成スキーム1
一般的な合成スキーム2
T=Clであるとき、本発明の化合物(例えば、式(Ia))は、スキーム2に示すように調製することができる。
一般的な合成スキーム3
本発明の化合物(例えば、式(Ib)および(Id))は、スキーム3に示すように調製することができる。
一般的な合成スキーム4
本発明の化合物(例えば、式(Ic))は、スキーム4に示すように調製することができる。
一般的な合成スキーム5−1および5−2
本発明の化合物(例えば、式(IIa)および(IIb))は、スキーム5−1および5−2に示すように調製することができる。
スキーム5−1
スキーム5−2
本明細書において、以下の定義が適用可能である。
「アルキル」は、直鎖状または分岐状でありうる炭素鎖を意味する。C〜Cアルキルには、直鎖C〜Cアルキルおよび分岐状C〜Cアルキルが含まれ、C〜C10アルキルには、直鎖C〜C10アルキルおよび分岐状C〜C10アルキルが含まれる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−、iso−、sec−、およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどがある。アルキルがメチルであるとき、ジュウテロメチルもメチルの定義および本発明の範囲内に含まれることが理解されるべきである。
「シクロアルキル」、「炭素環」、または「炭素環式の」は、指定数の炭素原子を有する飽和炭素環式環を意味し、例えば、C〜Cシクロアルキルは、3、4、5、または6個の炭素原子を含有する環であり、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル(cyclcohexyl)を含む。
「ハロゲン」には、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が含まれる。
「アリール」は、芳香族部分、例えば、フェニル、ナフチル、およびトリルなどを意味する。
「ヘテロアリール」基は、環構造において1〜4個のヘテロ原子を有する上記に定義されているようなアリール基であり、また「アリール複素環」または「複素環式芳香族化合物」と称しうる。本明細書において使用する場合、用語「ヘテロアリール」は、炭素原子、ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から独立に選択される、1個もしくは複数のヘテロ原子、例えば、1個または1〜2個または1〜3個または1〜4個または1〜5個または1〜6個のヘテロ原子からなる、安定的な5員、6員、もしくは7員単環式、または7員、8員、9員、10員、11員もしくは12員二環式の芳香族複素環式環を含むことを意図する。窒素原子は、置換されていてもよく、または非置換でもよい(すなわち、NまたはNR、式中、Rは、Hまたは定義されているような他の置換基である)。窒素および硫黄ヘテロ原子は、任意選択で酸化しうる(すなわち、N→OおよびS(O)、式中、p=1または2である)。芳香族複素環におけるSおよびO原子の総数は、1以下であることに留意すべきである。
用語「アルコキシ」または「アルコキシル」は、酸素原子に共有結合した置換および非置換のアルキル基を含む。アルコキシ基またはアルコキシルラジカルの例には、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プロポキシ、ブトキシおよびペントキシ基が含まれる。置換アルコキシ基の例には、ハロゲン化アルコキシ基が含まれる。
本発明の範囲内の化合物は、不斉中心を含有する場合があり、したがって、ラセミ体、ラセミ混合物、ジアステレオマー、および単一鏡像異性体として存在することができる。すべてのこのような形態は、本発明の範囲内であると理解されるべきである。
用語「置換された」は、本明細書において使用する場合、指定された原子上の任意の1個もしくは複数の水素が、示された基から選択されたもので置き換えられているが、ただし、指定された原子の通常の原子価を超えておらず、置換によって安定的な化合物がもたらされることを意味する。置換基がケト(すなわち、=O)であるとき、原子上の2個の水素が置き換えられている。環二重結合は、本明細書において使用する場合、2個の隣接する環原子間に形成される二重結合である(例えば、C=C、C=NまたはN=N)。
用語「薬学的に許容される塩」は、当技術分野で認識されており、限定することなく、本発明の化合物、賦形剤、担体などを含む組成物の比較的無毒性の無機および有機酸付加塩を含む。薬学的に許容される塩の例としては、鉱酸、例えば、塩酸および硫酸から誘導されるもの、有機酸、例えば、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などから誘導されるものなどが挙げられる。塩を形成するのに適当な無機塩基の例としては、アンモニア、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などの水酸化物、炭酸塩、および炭酸水素塩が挙げられる。塩は、無毒性で、そのような塩を形成するのに十分強いものを含めて、適当な有機塩基を用いて形成されてもよい。例示目的で、このような有機塩基のクラスとして、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、およびトリアルキルアミン、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、およびトリエチルアミンなど;モノヒドロキシアルキルアミン、ジヒドロキシアルキルアミン、またはトリヒドロキシアルキルアミン、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミンなど;アミノ酸、例えば、アルギニンおよびリシンなど;グアニジン;N−メチルグルコサミン;N−メチルグルカミン;L−グルタミン;N−メチルピペラジン;モルホリン;エチレンジアミン;N−ベンジルフェネチルアミン;(トリヒドロキシメチル)アミノエタンなどを挙げることができる。例えば、J. Pharm. Sci.、66巻:1〜19頁(1977年)を参照。
本発明の化合物は、親形態で、または薬学的に許容される塩として投与されうる。本発明の化合物なる用語は、両方を含むと理解されるべきである。薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって塩基性または酸性部分を含有する親化合物から調製されうる。酸付加塩としては、以下に限らないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−ナフトエート])が挙げられる。本発明のある特定の化合物は、様々なアミノ酸と薬学的に許容される塩を形成することができる。適当な塩基塩としては、以下に限らないが、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛、およびジエタノールアミンの塩が挙げられる。薬学的に許容される塩の概説については、参考として本明細書に援用される、S. M. Berge、L. D. Bighley、およびD. C. Monkhouse、Pharmaceutical Salts、J. Pharm. Sci.、66巻、(1977年)、1〜19頁、ならびにP. H. StahlおよびC. G. Wermuth(編)、Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use、Weinheim、Germany:WileyおよびZurich:Verlag Helvetica Chimica Acta、2002年[ISBN3−906390−26−8]を参照。親化合物またはその塩への言及は、上記化合物のすべての水和物および溶媒和物ならびに親化合物のすべての多形を含むと理解されるべきである。
本方法によって処置される「患者」、「被験体」、または「宿主」は、ヒトまたは非ヒト動物、例えば、霊長類、哺乳動物、および脊椎動物などを意味しうる。
本発明は、網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達が関与する網膜疾患または障害を処置し、その症状を低減し、そのリスクを低減するための化合物、組成物、および方法を提供する。例えば、本発明は、網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積によって、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達によって引き起こされる黄斑変性症または他の網膜疾患もしくは障害を処置し、それらの症状を低減し、それらのリスクを低減するための化合物、組成物、および方法を提供する。具体的には、化合物は、ドライ型AMD、ドライ型AMDに続発するGA、ウェット型AMD、およびシュタルガルト病を含めたすべての型の黄斑変性症を処置するのに有用である。複数の証拠は、疾患のすべてのこのような型の根本的原因が、リソソーム欠損および酸化的ストレスを引き起こす、RPE細胞内部のA2Eおよびリポフスチンの蓄積から生じる細胞傷害性であることを示す。これはひいては、GAのアポトーシス、RPE細胞内のVEGFシグナル伝達を誘発し、それは、ウェット型AMDの脈絡膜血管新生、およびA2E−オキシラン誘導体が相補体活性化を誘発するドルーゼンの形成をもたらす。A2E合成および蓄積は、薬理学的に低減することができ、それはひいては、A2E生合成経路の第1のステップであるPEとの反応に利用可能なRALの量、およびドライ型AMDからGAおよびウェット型AMDへの進行を制限することによって、ドライ型AMDおよび他の型の黄斑変性症を含めた黄斑変性症を処置し、またはそのリスクを低下させる。PCT公開第WO2006/127945号では、RALと不可逆的に化学的に反応することによって光受容体外節内のRAL濃度を低減し、したがって、患者における黄斑変性症を処置し、またはそのリスクを低下させるのに有用である化合物が記載されている。本発明の化合物は、WO2006/127945に記載されたものより強力であり、代謝性酸化に対する感受性の低下、ならびにin vivoでの薬物動態および薬力学の改善を示しうる。
用語「処置する」は、当技術分野で認識されており、被験体における疾患、障害、または状態を阻害すること、例えば、その進行を妨害すること、および疾患、障害、または状態を軽減すること、例えば、疾患、障害、および/または状態の後退を引き起こすことを含む。疾患、障害、または状態を処置することには、基礎をなす病態生理が影響されていない場合でも、特定の疾患、障害、または状態の少なくとも1つの症状を寛解させることが含まれる。
用語「予防する」は、当技術分野で認識されており、疾患、障害、および/または状態に罹りやすい場合があるが、まだそれを有すると診断されていない被験体において、疾患、障害、または状態が発生するのを停止することを含む。疾患に関連した状態を予防することには、疾患が診断された後であるが、状態が診断される前に状態が発生するのを停止することが含まれる。
用語「〜のリスクを低減する」は、疾患、障害、または状態を罹患する被験体の可能性が、例えば、50%から100%の間から、0から90%の間、0から80%の間、0から70%の間、0から60%の間、もしくは0から50%の間に減少し、または10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%減少することを意味する。
本発明は、網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達が関与する網膜疾患または障害の処置、その症状の低減、あるいはそれを発症するリスクの低減を、それを必要とする被験体において行うための医薬の製造であって、組成物は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、製造も対象とする。一例示では、本発明は、患者における黄斑変性症を処置し、その症状を低減し、またはそのリスクを低減するための医薬を製造するための方法を対象とする。より具体的には、本発明のこの態様は、ドライ型AMD、ドライ型AMDに続発するGA、ウェット型AMD、およびシュタルガルト病を含めた患者における黄斑変性疾患を処置し、またはそのリスクを低減するための医薬の製造を対象とする。
本発明は、網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達が関与する網膜疾患または障害の処置、その症状の低減、あるいはそれを発症するリスクの低減を、それを必要とする被験体において行う方法で使用するための組成物であって、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、組成物も対象とする。一例示では、本発明は、黄斑変性症を処置し、その症状を低減し、またはそれを発症するリスクを低減するための方法で使用するための組成物を対象とする。より具体的には、本発明のこの態様は、ドライ型AMD、ドライ型AMDに続発するGA、ウェット型AMD、およびシュタルガルト病を含めた患者における処置、症状を低減し、または発症するリスクを低減するための方法で使用するための組成物を対象とする。
本発明の化合物は、医薬組成物中の薬学的に許容される担体とともに投与されうる。本発明の医薬組成物は、治療有効量の本発明の化合物を薬学的に許容される担体と混ぜることによって作製される任意の組成物を包含する。投与は、経口、非経口、局部的、または眼内の手段によるものでありうる。局部投与は、滴薬、またはフィルムおよび粘着剤を含む制御放出局部製剤の形態でありうる。眼内投与は、結膜下、テノン嚢下、眼球後、または硝子体内の注射、デポー、またはインプラントの形態をとりうる。これらのルートによって投与される化合物は、溶液または懸濁液形態でありうる。デポー注射による化合物の投与は、薬学的に許容される担体または賦形剤を含有する場合があり、これらは、天然または合成の、生分解性または非生分解性であり得、制御された様式での薬物放出を促進しうる。化合物の制御放出に使用されるインプラントは、天然または合成の、生分解性または非生分解性材料で構成されうる。担体は、これが組成物の他の成分と適合性であり、患者に対して傷害性でない点で許容される。担体のいくつかの例としては、(1)糖、例えば、ラクトース、グルコース、およびスクロースなど、(2)デンプン、例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプンなど、(3)セルロース、ならびに(4)シクロデキストリンがある。有用な局部製剤は、PCT公開第WO2011/072141号に記載されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
一事例では、本発明の医薬組成物は、治療有効量の本発明の化合物を、オリゴマーまたはポリマー担体、例えば、シクロデキストリン、またはトリメチル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、3−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、およびβ−シクロデキストリンスルホブチルエーテルナトリウム塩(もしくはカリウム塩)を含めた化学修飾されたシクロデキストリンなどと混和することによって作製される組成物を包含する。オリゴマーまたはポリマー担体を例示するものは、β−シクロデキストリンスルホブチルエーテルナトリウム塩である。組成物中のβ−シクロデキストリンスルホブチルエーテルナトリウム塩の量は、約0.01重量/体積%〜30重量/体積%の範囲でありうる。一例示では、β−シクロデキストリンスルホブチルエーテルナトリウム塩の濃度は、5〜25重量/体積%である。β−シクロデキストリンスルホブチルエーテルナトリウム塩の濃度をさらに例示するものは、6〜20重量/体積%である。一事例では、β−シクロデキストリンスルホブチルエーテルの濃度は、6〜12重量/体積%である。β−シクロデキストリンスルホブチルエーテルの濃度をさらに例示するものは、9.5重量/体積%を含めた9〜10重量/体積%である。組成物中の本発明の化合物の量は、0.01〜20%、0.02〜15%、0.04〜10%、0.06〜5%、0.08〜1%、または0.09〜0.5%(重量/体積)の範囲でありうる。より具体的には、組成物は、0.1%などの0.09〜0.5%(重量/体積)の濃度で本発明の化合物を含有しうる。本発明の化合物およびシクロデキストリンを含む効果的なレベルの組成物は、眼の後部、具体的にはRPEおよび網膜に送達されうる。組成物は、生理食塩水をさらに含み得、例えば、リン酸塩緩衝液で緩衝されている場合があり、その結果組成物のpHは、5.5〜8.5のpH範囲、またはより具体的には、6.5〜7.5のpH範囲にされる。防腐剤を組成物中に任意選択で含めてもよい。このような防腐剤は、抗酸化剤などの化学安定剤、および消毒剤の両方を含みうる。
点眼剤製剤では、組成物は、0.01〜20%、0.02〜15%、0.04〜10%、0.06〜5%、0.08〜1%、または0.09〜0.5%(重量/体積)の濃度で活性化合物を含有しうる。より具体的には、点眼剤製剤は、0.1%などの0.09〜0.5%(重量/体積)の濃度で本発明の化合物を含有する。
活性構成要素を含有する医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末、または顆粒剤、エマルジョン、硬もしくは軟カプセル剤、またはシロップ、またはエリキシル剤のような経口使用に適した形態でありうる。経口使用を意図した組成物は、医薬組成物の製造のための技術分野で公知の任意の方法によって調製することができ、このような組成物は、薬学的に洗練された口当たりのいい調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、および保存剤からなる群から選択される1種または複数種の薬剤を含有しうる。
錠剤は、錠剤の製造に適している無毒性の薬学的に許容される賦形剤と混和した活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性な希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなど、顆粒化剤および崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸、結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、またはアカシア、ならびに潤滑剤(lubricating agent)、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクでありうる。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、またはこれらは、胃腸管内での崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長い期間にわたる持続的作用をもたらすように、公知の技法によってコーティングされていてもよい。
経口製剤中の本発明の化合物の治療有効用量は、1日当たり、0.01mg/kg患者体重から50mg/kg患者体重まで、より具体的には、0.01mg/kg〜10mg/kgで変動してもよく、これは、1日に単回または複数回用量で投与されうる。経口投与について、薬物は、1mg〜500mgの活性成分、具体的には、1mg、5mg、10mg、20mg、50mg、100mg、250mg、および500mgを含有する錠剤もしくはカプセル剤の形態で、または少なくとも1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%(w/w)の活性成分を含有する錠剤(table)もしくはカプセル剤の形態で送達されうる。例えば、カプセル剤は、50mgの活性成分、または5〜10%(w/w)の活性成分を含有しうる。例えば、錠剤は、100mgの活性成分、または20〜50%(w/w)の活性成分を含有しうる。例えば、錠剤は、活性成分に加えて、崩壊剤(例えば、クロスカルメロースまたはそのナトリウム塩、およびメチルセルロース)、希釈剤(例えば、微結晶性セルロース)、ならびに滑沢剤(例えば、ステアリン酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)を含有しうる。薬物は、1日ベースで、1日当たり1回、2回、またはそれより多い回数で投与されうる。
本発明の化合物を含む非経口製剤は、水性の等張液または懸濁液中で調製することができ、坐剤は、脂肪エマルジョンまたは懸濁液から有利に調製される。製剤は、滅菌することができ、かつ/またはアジュバント、例えば、保存剤、安定化剤、湿潤剤、もしくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩、および/もしくは緩衝剤を含有することができる。さらに、これらは、他の治療的に価値のある物質も含有しうる。組成物は、従来法によって調製され、約0.1〜75%、好ましくは約1〜50%の本発明の化合物を含有しうる。
語句「非経口投与」および「非経口的に投与される」は、当技術分野で認識されている用語であり、注射などの、経腸および局部投与以外の投与の方式を含み、これらに限定されないが、静脈内、筋肉内、胸膜内、血管内、心膜内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、および胸骨内の注射および注入が含まれる。
「医薬組成物」は、被験体に投与するのに適した形態で開示した化合物を含有する製剤である。好適な実施形態では、医薬組成物は、バルクまたは単位剤形である。単位剤形は、例えば、カプセル剤、IVバッグ、錠剤、エアロゾル吸入器上の単一ポンプ、またはバイアルを含めた様々な形態のいずれかである。組成物の単位用量中の活性構成要素(例えば、開示した化合物またはその塩の製剤)の分量は、有効量であり、関与する特定の処置によって変動する。患者の年齢および状態に応じて投与量に慣例的なバリエーションを行うことが時に必要であることを当業者は理解するであろう。投与量は、投与ルートにも依存することになる。経口、非経口、局部的、眼内などを含めた様々なルートが企図されている。本発明の化合物の局部投与のための剤形としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション剤、ゲル、溶液、パッチ、および吸入剤がある。好適な実施形態では、活性化合物は、薬学的に許容される担体と、かつ任意選択で、必要とされうる任意の防腐剤、緩衝液、または噴霧剤と滅菌条件下で混合される。
本発明の化合物は、治療用組成物で提供される。化合物は、治療上有効である量で存在し、その量は、使用される特定の化合物に大部分は広く依存して変動する。医薬組成物または薬理学的組成物の調製は、本開示を踏まえると当業者に分かることになる。
用語「〜の投与」または「〜を投与する」は、本発明の化合物またはそのプロドラッグを処置またはリスクの低減の必要のある患者に提供することを意味すると理解されるべきである。
製剤化されると、治療剤は、投与製剤と適合性の様式で、かつ薬理学的に有効な量で投与されることになる。製剤は、上述した形態などの様々な剤形で容易に投与される。
この脈絡では、投与される活性構成要素の分量および組成物の体積は、処置される宿主動物に依存する。投与に要求される活性化合物の正確な量は、開業医の判断に依存し、各個体に特有である。
活性化合物を分散させるのに要求される組成物の最低体積が典型的に利用される。投与に適したレジームも多様であるが、化合物を最初に投与し、結果を監視し、次いでさらなる間隔でさらに制御された用量を与えることによって典型化されるはずである。組成物中に組み込まれる化合物の量も、所望の放出プロファイル、生物学的効果に要求される化合物の濃度、および生物学的活性物質が処置のために放出されなければならない時間の長さに依存する。ある特定の実施形態では、生物学的活性物質は、様々な装填レベルで、一実施形態では、室温で、有機溶媒を必要とすることなく、ポリマーマトリックスとブレンドされうる。他の実施形態では、組成物は、ミクロスフェアとして製剤化されうる。一部の実施形態では、化合物は、徐放用に製剤化されうる。
錠剤またはカプセル剤(例えば、ゼラチンカプセル)の形態での経口投与については、活性薬物成分を、経口無毒性の薬学的に許容される不活性な担体、例えば、エタノール、グリセロール、水などと組み合わせることができる。さらに、所望される、または必要な場合、適当な結合剤、滑剤、崩壊剤、および着色剤も、混合物中に組み込むことができる。適当な結合剤としては、デンプン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン、天然糖、例えば、グルコースもしくはベータ−ラクトースなど、トウモロコシ甘味料、天然および合成ゴム、例えば、アカシア、トラガカント、もしくはアルギン酸ナトリウムなど、ポリエチレングリコール、ワックスなどがある。これらの剤形で使用される滑剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩、および/またはポリエチレングリコールなどがある。崩壊薬としては、限定することなく、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムデンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡性混合物、クロスカルメロースもしくはそのナトリウム塩などがある。希釈剤としては、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、および/またはグリシンがある。
本発明の化合物は、持続放出および徐放錠剤またはカプセル剤、ピル、粉末、顆粒剤、エリキシル剤(elixer)、チンキ、懸濁液、シロップ、およびエマルジョンのような経口剤形で投与することもできる。
本発明の化合物は、眼に直接的になど局部的に、例えば、点眼剤または眼軟膏として投与することもできる。点眼剤は典型的に、有効量の本発明の少なくとも1種の化合物、および眼に安全に適用されうる担体を含む。例えば、点眼剤は、等張液の形態であり、溶液のpHは、眼に刺激がまったくないように調整される。多くの場合、上皮バリアは、眼の中への分子の浸透を妨げる。したがって、最も現在使用されている点眼薬は、ある形態の浸透エンハンサーを補充されている。これらの浸透エンハンサーは、最も上方の上皮細胞のタイトジャンクションを緩めることによって働く(Burstein、1985年、Trans Ophthalmol Soc UK、104巻(パート4):402〜9頁;Ashtonら、1991年、J Pharmacol Exp Ther、259巻(2号):719〜24頁;Greenら、1971年、Am J Ophthalmol、72巻(5号):897〜905頁)。最も一般に使用されている浸透エンハンサーは、塩化ベンザルコニウムであり(Tangら、1994年、J Pharm Sci、83巻(1号):85〜90頁;Bursteinら、1980年、Invest Ophthalmol Vis Sci、19巻(3号):308〜13頁)、これは、微生物汚染に対する防腐剤としても働く。
語句「薬学的に許容される」は、当技術分野で認識されている。ある特定の実施形態では、この用語は、合理的な利益/リスク比に見合った、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずにヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適した、妥当な医学的判断の範囲内である組成物、ポリマー、ならびに他の材料および/または剤形を含む。
語句「薬学的に許容される担体」は、当技術分野で認識されており、例えば、1つの臓器または体の部分から別の臓器または体の部分に任意の本組成物を搬送または輸送することに関与する薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクル、例えば、液体もしくは固体増量剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、または封入材料などを含む。各担体は、本組成物の他の構成要素と適合性であり、患者に傷害性でないという意味で「許容され」なければならない。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される担体は、非発熱性である。薬学的に許容される担体として機能を果たしうる材料のいくつかの例としては、(1)糖、例えば、ラクトース、グルコース、およびスクロースなど;(2)デンプン、例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプンなど;(3)セルロースおよびその誘導体、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、および酢酸セルロースなど;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えば、カカオバターおよび坐剤ワックスなど;(9)油、例えば、ラッカセイ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびダイズ油など;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなど;(12)エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなど;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなど;(15)アルギン酸;(16)無発熱物質水;(17)等張食塩水;(18)リンガー液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;ならびに(21)医薬製剤中に使用される他の無毒性適合性物質がある。
実施例1
2−(5−アミノ−7−クロロ−2−p−トリルベンゾオキサゾール−6−イル)プロパン−2−オール(2)の合成
3−メトキシ−4−(トリフルオロアセチルアミノ)安息香酸(2−1)
4−アミノ−3−メトキシ安息香酸5.0gのEtOAc 200mL懸濁液に、撹拌しながらEtOAc 50mL中の(CFCO)O 5.0mLの溶液を添加した。完全に添加した後、反応混合物を室温にて2時間さらに撹拌した。溶液を濾過し、濾液を蒸発乾固した。残留物をEtOAc中に溶解して蒸発させることを2回行った。最終残留物を高真空下にて乾燥させ、純粋な(2−1)を白色固体として得た。
5−メトキシ−2−ニトロ−4−(トリフルオロアセチルアミノ)安息香酸(2−2)
96%HSO 80mL中の(2−1)7.55gの懸濁液を、均質な溶液が形成されるまで室温にて撹拌した。96%HSO 20mL中の90.6%発煙HNO 2.03gの溶液を冷却しながら滴下する一方、溶液を撹拌しながら氷浴で冷却した。温度を10℃未満に維持した。完全に添加した後、混合物を10分間さらに撹拌し、次いで、200gの氷上に活発に撹拌しながらゆっくりと添加した。混合物をNaClで飽和させ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、次いで、蒸発させ、純粋な(2−2)を薄茶色固体として得た。
4−アミノ−5−ヒドロキシ−2−ニトロ安息香酸(2−3)
20%NaOH水溶液35mL中の(2−2)6.94gの混合物をアルゴン下にて100℃で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却した。これに、12NのHCl 20mLを氷浴による冷却下で滴下した。完全に添加した後、溶液を蒸発させ、残留物を無水EtOH 200mLで抽出した。固体NaClを濾別し、濾液を蒸発させ、(2−3)の粗製HCl塩を濃灰色固体として得た。
4−アミノ−5−ヒドロキシ−2−ニトロ安息香酸エチルエステル(2−4)
上記の(2−3)の粗製HCl塩6.95gを、無水EtOH 250mLに溶解した。この溶液を乾燥HClで殆ど飽和までパージし、次いで、80℃で36時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAc 200mLとブライン200mLとの間で分配した。水層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、2mLのHOAcで酸性化し、次いで、短いシリカゲルカラムに通過させた。カラムを1%HOAc/EtOAcで溶出させた。合わせた黄色画分を蒸発させ、粗製(2−4)を赤色粘性油として得た。
5−ヒドロキシ−4−(4−メチルベンゾイルアミノ)−2−ニトロ安息香酸エチルエステル(2−5)
1,4−ジオキサン25mL中の粗製(2−4)2.26およびp−トルオイルクロリド(p−toluoyl chloride)2.1gの混合物を、95℃で1.5時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物をEtOHで2回蒸発させ、次いで、EtOAcで2回蒸発させた。最終残留物を60℃で高真空下にて乾燥させ、粗製(2−5)を黄褐色固体として得た。
2−クロロ−3−ヒドロキシ−4−(4−メチルベンゾイルアミノ)−6−ニトロ安息香酸エチルエステル(2−6)
ジオキサン100mL中の(2−5)3.35gの懸濁液を、透明な溶液が形成されるまで撹拌し、次いで、ジイソプロピルアミン(DIPA)70μLを添加した。SOCl 1.96mLを添加する一方で、溶液を50℃で撹拌した。反応混合物をアルゴン下にて50℃で1時間撹拌し、室温に冷却し、EtOAc 200mLで希釈し、水(3×100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させ、残留物を60℃で高真空下にて乾燥させ、粗製(2−6)を茶色固体として得た。
7−クロロ−5−ニトロ−2−(p−トリル)ベンゾオキサゾール−6−カルボン酸エチルエステル(2−7)
乾燥THF 50mL中の粗製(2−6)4.35gおよびPhP 3.93gの混合物を、室温にて溶液が形成されるまで撹拌した。それに、40%DEAD/トルエン6.7mLを添加し、混合物を70℃で1時間撹拌した。混合物をEtOH 50mLで希釈し、蒸発させた。残留物を、溶離液としてヘキサン−EtOAcを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離し、純粋な(2−7)を白色固体として得た。
5−アミノ−7−クロロ−2−(p−トリル)ベンゾオキサゾール−6−カルボン酸エチルエステル(2−8)
(2−7)1.17g、鉄粉1.07gおよび氷HOAc 25mLの混合物を、60℃で活発に撹拌しながら3時間加熱した。反応混合物をEtOAc 200mLで希釈した。スラリーをセライトペレットに通過させ、セライトをEtOAcで洗浄した。合わせた濾液を短いシリカゲルカラムに通過させ、カラムをEtOAcで溶出させた。合わせた黄色画分を蒸発させ、残留物をヘキサン−EtOAcから結晶化し、純粋な(2−8)を鮮黄色固体として得た。
2−(5−アミノ−7−クロロ−2−(p−トリル)ベンゾオキサゾール−6−イル)プロパン−2−オール(2)
3.0MのMeMgCl/THF 7.0mLおよびTHF 6mLの混合物を、アルゴン下で保護し、活発に撹拌しながら氷浴中で冷却した。これに、THF 50mL中の(2−8)886mgの溶液を滴下した。完全に添加した後、混合物を0℃で5分間撹拌した。混合物に、氷浴で冷却し、活発に撹拌しながら飽和NHCl 100mLを添加した。有機層を分離し、水層をCHCl(DCM)(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を溶離液としてMeOH−DCMを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、ヘプタン/DCMから結晶化し、純粋な(2)をオフホワイト色固体として得た。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.89 (s, 6H), 2.41 (s, 3H), 4.45 (br, 3H, NHおよびOH), 6.81 (s, 1H), 7.27 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 8.07 (d, 1H, J = 8.4 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ: 21.7, 31.0, 76.9, 106.2, 113.5, 124.0, 126.8, 127.6, 129.6, 140.9, 142.2, 142.9, 145.3, 164.1.
LC−MS:317.0(MH)、319.0[(M+2)H]
RAL枯渇の見かけ上の二次速度定数:kapp:24,700(M−1・h−1
RAL枯渇の見かけ上の平衡定数:Kapp:2.29×10
RAL枯渇の見かけ上の自由エネルギー変化:ΔGapp:−9.0(kcal/mol)
実施例2
2−(5−アミノ−7−クロロ−2−フェニルベンゾオキサゾール−6−イル)プロパン−2−オール(3)の合成
4−ベンゾイルアミノ−5−ヒドロキシ−2−ニトロ安息香酸エチルエステル(3−1)
1,4−ジオキサン25mL中の粗製4−アミノ−5−ヒドロキシ−2−ニトロ安息香酸エチルエステル(2−4)2.26gおよび塩化ベンゾイル1.91gの混合物を、95℃で1時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物をEtOHで2回蒸発させた。残留物をさらにEtOAcで2回蒸発させ、次いで、高真空下にて60℃で乾燥させ、粗製(3−1)を黄褐色固体として得た。
4−ベンゾイルアミノ−2−クロロ−3−ヒドロキシ−6−ニトロ安息香酸エチルエステル(3−2)
透明な溶液が形成されるまで、ジオキサン100mL中の(3−1)3.23gの懸濁液を撹拌した。それに、DIPA 70μLを添加し、溶液を50℃にまで撹拌し、それに続いてSOCl 2.03mLを添加した。反応混合物をアルゴン下にて50℃で1時間撹拌し、室温に冷却し、200mLのEtOAcで希釈し、水(3×100mL)で洗浄し、次いで、MgSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させ、残留物を60℃で高真空下にて乾燥させ、粗製(3−2)を茶色固体として得た。
7−クロロ−5−ニトロ−2−フェニルベンゾオキサゾール−6−カルボン酸エチルエステル(3−3)
溶液が形成されるまで、乾燥THF 50mL中の粗製(3−2)3.74gおよびPhP 3.93gの混合物を室温にて撹拌した。それに、40%DEAD/トルエン6.7mLを添加し、混合物を70℃で1時間撹拌した。混合物をEtOHで希釈し、蒸発させた。残留物を、溶離液としてヘキサン−EtOAcを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離し、(3−3)を白色固体として得た。
5−アミノ−7−クロロ−2−フェニルベンゾオキサゾール−6−カルボン酸エチルエステル(3−4)
(3−3)0.89g、鉄粉2.0gおよび氷HOAc 25mLの混合物を、60℃で活発に撹拌しながら1.5時間加熱した。混合物をEtOAc 200mLで希釈した。スラリーをセライトペレットに通過させ、セライトをEtOAcで洗浄した。合わせた濾液を短いシリカゲルカラムに通過させ、カラムをEtOAcで溶出させた。合わせた黄色画分を蒸発させ、残留物をヘキサン−EtOAcから結晶化し、純粋な(3−4)を鮮黄色固体として得た。
2−(5−アミノ−7−クロロ−2−フェニルベンゾオキサゾール−6−イル)プロパン−2−オール(3)
3.0MのMeMgCl/THF 6mLおよびTHF 6mLの混合物を、アルゴン下で保護し、活発に撹拌しながら氷浴中で冷却した。これに、THF 50mL中の(3−4)638mgの溶液を滴下した。完全に添加した後、混合物を0℃で5分間撹拌した。混合物に、冷却し、活発に撹拌しながら飽和NHCl 100mLを添加した。有機層を分離し、水層をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を溶離液としてMeOH−DCMを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、ヘプタン−DCMから結晶化し、純粋な(3)を淡黄色固体として得た。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.92 (s, 6H), 4.69 (br, 3H, NHおよびOH), 6.87 (s, 1H), 7.48−7.54 (3H), 8.21 (m, 2H).
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ: 31.0, 77.0, 106.3, 113.6, 126.8, 126.9, 127.7, 128.9, 131.6, 140.9, 143.0, 145.4, 163.9.
LC−MS:303.1(MH)、305.0[(M+2)H]
RAL枯渇の見かけ上の二次速度定数:kapp:21,600(M−1・h−1
RAL枯渇の見かけ上の平衡定数:Kapp:7.14×10
RAL枯渇の見かけ上の自由エネルギー変化:ΔGapp:−9.7(kcal/mol)
実施例3
2−(6−アミノ−4−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−5−イル)プロパン−2−オール(4)の合成
(2−クロロ−4,6−ジメトキシフェニル)シクロプロピルメタノン(4−1)
1−クロロ−3,5−ジメトキシベンゼン28.28gおよびシクロプロパンカルボニルクロリド17.8mLの乾燥1,2−ジクロロエタン(DCE)300mL溶液をアルゴンで保護し、ドライアイス/アセトン浴中で−30〜−40℃まで冷却した。これに、AlCl粉末32.4gを活発に撹拌しながら少しずつ添加した。完全に添加した後、溶液を−30〜−40℃で30分間撹拌し、次いで、室温まで加温した。室温にて20分間さらに撹拌した後、混合物を1kgの氷上に撹拌しながら添加した。混合物をエーテル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、蒸発させた。残留物を溶離液としてヘキサン/EtOAcを用いたカラムクロマトグラフィーによって分離し、純粋な(4−1)を白色固体として得た。
(2−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)シクロプロピルメタノン(4−2)
乾燥DCM 100mL中の(4−1)13.45gの溶液をアルゴンで保護し、−78℃(ドライアイス/アセトン浴)にて撹拌しながら冷却した。これに、1MのBBr/DCM 62mLを添加した。完全に添加した後、混合物を−78℃で1時間さらに撹拌した。混合物に、ドライアイス/アセトン浴によって冷却し、活発に撹拌しながらMeOH 50mLをゆっくりと注入した。完全な注入の後、混合物を−78℃で10分間さらに撹拌し、次いで、室温まで加温した。混合物をDCM 500mLとブライン500mLとの間で分配した。有機層を分離し、ブライン(2×100mL)で洗浄し、次いで、水300mL中のNaOH 4.0gの溶液と混合した。室温にて1時間撹拌した後、混合物を撹拌しながら12NのHCl水溶液10mLで酸性化した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。残留物を、溶離液としてヘキサン−EtOAcを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離し、(4−2)を白色固体として得た。
(E)−および(Z)−(2−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)シクロプロピルメタノンオキシム(4−3)
乾燥ピリジン150mL中の(4−2)10.38gおよびNHOH・HCl 15.95gの混合物を、アルゴン下で保護し、80℃で20時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を0.1NのHCl/ブライン400mLとEtO 400mLとの間で分配した。有機層を分離し、水(2×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。残留物をヘプタン−EtOAcから結晶化し、純粋な(4−3)を白色固体として得た。
(E)−および(Z)−(2−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)シクロプロピルメタノンO−アセチルオキシム(4−4)
EtOAc 40mL中の(4−3)9.75gの懸濁液に、AcO 6.5mLを撹拌しながら室温にて添加した。完全に添加した後、混合物を室温にて1時間撹拌した。それに、MeOH 50mLおよびピリジン20mLを添加し、混合物を室温にて30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を1NのHCl/ブライン300mLとEtOAc 300mLとの間で分配した。有機層を分離し、水(2×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させ、粗製(4−4)を薄茶色油として得た。
4−クロロ−3−シクロプロピル−6−メトキシベンゾイソオキサゾール(4−5)
粗製(4−4)を、アルゴン下で保護し、油浴中で150℃で3時間加熱した。粗生成物を溶離液としてヘキサン−EtOAcを使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、純粋な(4−5)を淡褐色固体として得た。
4−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−6−オール(4−6)
乾燥DCM 75mL中の(4−5)7.61gの溶液を、アルゴン下で保護し、ドライアイス/アセトン浴中で−78℃に冷却した。これに、DCM中の1MのBBr 80mLを活発に撹拌しながら滴下した。完全に添加した後、混合物を室温に加温し、次いで、室温にて1時間撹拌した。混合物を、ドライアイス/アセトン浴中で−78℃に再び冷却した。それに、活発に撹拌しながらMeOH 20mLを添加した。完全に添加した後、反応混合物を室温に加温し、次いで、ブライン1.5LとEtOAc 1.5Lとの間で分配した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、短いシリカゲルカラムに通過させ、これをEtOAcで溶出させた。合わせた画分を蒸発させ、純粋な(4−6)を薄茶色油として得、これは、静置すると固化した。
4−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−6−イルトリフルオロメタンスルホネート(4−7)
DCM 50mL中の(4−6)6.88gおよびピリジン4mLの混合物を、アルゴン下で保護し、0℃で氷浴中で撹拌した。これに、TfO 6.73mLを活発に撹拌しながら滴下した。完全に添加した後、混合物を室温まで加温した。室温にて10分間さらに撹拌した後、混合物を1NのHCl 200mLとDCM 300mLとの間で分配した。有機層を分離し、1NのHCl 100mL、ブライン100mL、5%NaHCO水溶液100mLおよびブライン100mLで順次洗浄し、MgSOで乾燥させ、次いで、蒸発させた。残留物を溶離液としてヘキサン−EtOAcを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し、純粋な(4−7)をオフホワイト色固体として得た。
tert−ブチル(4−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−6−イル)カルバメート(4−8)
乾燥トルエン120mL中の(4−7)8.02g、カルバミン酸tert−ブチル2.87g、tBuONa 2.37g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pddba)1.08g、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(t−ブチルXphos)2.0gおよび4Å分子篩7gの混合物を、アルゴンでパージし、次いで、110℃で活発に撹拌しながら20分間加熱した。反応混合物をEtOAc 300mLで希釈し、セライトペレットに通過させ、これを次いでEtOAcで洗浄した。合わせた溶液を蒸発させ、残留物を、溶離液としてヘキサン−EtOAcを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離し、粗製(4−8)を薄茶色油として得た。
6−アミノ−4−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール(4−9)
粗製(4−8)4.09gをDCM 10mLに溶解し、それに続いてTFA 10mLを添加した。混合物を室温にて30分間撹拌した。溶媒を除去し、残留物をDCM 200mLと10%NaHCO 200mLとの間で分配した。有機層を分離し、水(2×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。残留物を、溶離液としてヘキサン−EtOAcを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離し、純粋な(4−9)を白色固体として得た。
5−ブロモ−4−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−6−イルアミン(4−10)および7−ブロモ−4−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−6−イルアミン(6−1)
DCM 100mL中の(4−9)1.96gの溶液に、固体NBS 1.67gを活発に撹拌しながら室温にて少しずつ添加した。完全に添加した後、混合物を室温にて30分間さらに撹拌し、DCM 100mLで希釈し、10%NaHSO水溶液(200mL)および水(2×200mL)で順次洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させ、(4−10)および(6−1)の1:1混合物を黄褐色油として得て、これは、静置すると固化した。
6−アミノ−4−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−5−カルボニトリル(4−11)および6−アミノ−4−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−7−カルボニトリル(6−2)
乾燥DMF 25mL中の(4−10)および(6−1)の混合物2.72g、CuCN 1.70gならびにCuI 3.62gの懸濁液を、アルゴンでパージし、次いで、油浴中で活発に撹拌しながら110℃で15時間加熱した。混合物を室温に冷却した。これに、30%NH水溶液100mLを添加した。室温にて1時間撹拌した後、混合物を水300mLで希釈し、EtOAc(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を水(3×200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。残留物を、溶離液としてヘキサン−EtOAcを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離し、(4−11)を淡黄色固体として、および(6−2)を淡褐色固体として得た。
4−クロロ−5−シアノ−3−シクロプロピル−6−(トリチルアミノ)ベンゾイソオキサゾール(4−12)
DCM 20mL中の(4−11)435mgおよびTEA 700μLの混合物に、固体塩化トリチル1.09gを撹拌しながら室温にて少しずつ添加した。完全に添加した後、混合物を室温にて30分間さらに撹拌した。反応混合物をDCM 300mLで希釈し、水(4×200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、次いで、蒸発させた。残留物を溶離液としてDCMを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離し、純粋な(4−12)を白色固体として得た。
4−クロロ−3−シクロプロピル−6−(トリチルアミノ)ベンゾイソオキサゾール−5−カルボアルデヒド(4−13)
乾燥THF 13mL中の(4−12)481mgの溶液を、氷浴中で撹拌しながら冷却した。それに、1MのDIBAL/トルエン7mLを滴下した。完全に添加した後、反応混合物を0℃で2.5時間撹拌した。反応を1%酒石酸水溶液100mLでクエンチし、混合物をDCM(3×100mL)で抽出した。有機層を水(3×100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。残留物をDCMに溶解し、シリカゲル上に吸着させた。混合物を空気乾燥させ、溶離液としてヘキサン−EtOAcを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離し、粗製(4−13)を黄色固体として得た。
1−[4−クロロ−3−シクロプロピル−6−(トリチルアミノ)ベンゾイソオキサゾール−5−イル]エタノール(4−14)
上記の粗製(4−13)257.8mgを乾燥THF 10mLに溶解し、溶液を3MのMeMgCl/THF 2.0mLおよび乾燥THF 2mLの混合物に0℃で(氷浴)撹拌しながら添加した。完全に添加した後、混合物を0℃で5分間さらに撹拌し、次いで、氷浴による冷却下で5%NHCl 100mLでクエンチした。混合物をDCM(3×100mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。残留物を、溶離液としてヘキサン−EtOAcを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離し、純粋な(4−14)を白色固体として得た。
1−[4−クロロ−3−シクロプロピル−6−(トリチルアミノ)ベンゾイソオキサゾール−5−イル]エタノン(4−15)
乾燥DCM 20mL中の(4−14)150.5mgの溶液に、固体デス−マーチンペルヨージナン(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン、DMP)271mgを室温にて活発に撹拌しながら少しずつ添加した。完全に添加した後、反応混合物を室温にて10分間さらに撹拌した。反応混合物をDCM 300mLで希釈し、水(4×200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。残留物を、溶離液としてヘキサン−EtOAcを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離し、純粋な(4−15)を淡黄色固体として得た。
1−(6−アミノ−4−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−5−イル)エタノン(4−16)
乾燥DCM 20mL中の(4−15)182mgの溶液に、TFA 2mLを撹拌しながら室温にて滴下した。溶液を室温にて10分間撹拌し、DCM 200mLで希釈し、水(4×100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させ、粗製(4−16)を白色固体として得た。
2−(6−アミノ−4−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−5−イル)プロパン−2−オール(4)
粗製(4−16)174.7mgを乾燥THF 20mLに溶解し、溶液を3MのMeMgCl/THF 2.5mLおよびTHF 2mLのよく撹拌した混合物に0℃(氷浴)で滴下した。完全に添加した後、混合物を0℃で5分間さらに撹拌した。これに、氷浴によって冷却し、撹拌しながら5%NHCl水溶液100mLを滴下で添加した。混合物をDCM(3×100mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を溶離液としてMeOH−DCMを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、ヘプタン−DCMから結晶化し、純粋な(4)を白色固体として得た。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.10 (m, 2H), 1.20 (m, 2H), 1.91 (s, 6H), 2.18 (m, 1H), 4.28 (br, 2H, NH), 6.57 (s, 1H).
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ: 8.68, 9.35, 30.0, 77.4, 97.4, 121.2, 125.1, 133.1, 145.7, 149.3, 166.4.
LC−MS:266.9(MH)、269.0[(M+2)H]
RAL枯渇の見かけ上の二次速度定数:kapp:31,700(M−1・h−1
RAL枯渇の見かけ上の平衡定数:Kapp:2×10
RAL枯渇の見かけ上の自由エネルギー変化:ΔGapp:−10(kcal/mol)未満
実施例4
2−(6−アミノ−4−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−7−イル)プロパン−2−オール(6)の合成
1−(6−アミノ−4−クロロ−3−シクロプロピル−ベンゾイソオキサゾール−7−イル)エタノン(6−3)
撹拌し、氷浴によって冷却しながら、(6−2)636mgおよびCuI 43mgの混合物に、3MのMeMgCl/THF 8.16mLをゆっくりと添加した。懸濁液をアルゴン下で保護し、油浴中で70℃で15分間加熱した。混合物を氷浴中で0℃に冷却した。これに、MeOH 136mL、それに続いて固体NHCl 2.17gおよび水13.6mLを添加した。混合物を撹拌しながら室温に加温し、透明な溶液を得て、これをシリカゲル上に吸着させ、空気乾燥させ、溶離液としてヘキサン−EtOAcを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離し、(6−3)を黄色固体として得た。
2−(6−アミノ−4−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−7−イル)プロパン−2−オール(6)
3MのMeMgCl/THF 1.54mLおよび乾燥THF 5mLの混合物を、アルゴン下で保護し、氷浴によって冷却しながら撹拌した。これに、乾燥THF 15mL中の(6−3)387.1mgの溶液を活発に撹拌しながら添加した。完全に添加した後、溶液を0℃で20分間さらに撹拌した。それに、氷浴によって冷却し、活発に撹拌しながら飽和NHCl水溶液100mLを添加した。混合物を室温に加温し、DCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を溶離液としてMeOH−DCMを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、ヘプタン−DCMから結晶化し、純粋な(6)を淡褐色固体として得た。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.12 (m, 2H), 1.18 (m, 2H), 1.78 (s, 6H), 2.17 (m, 1H), 4.86 (br, 2H, NH), 6.60 (s, 1H).
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ: 8.81, 9.26, 30.1, 74.1, 112.7, 114.4, 121.8, 131.3, 143.8, 148.6, 166.1.
LC−MS:267.0(MH)、268.9[(M+2)H]
RAL枯渇の見かけ上の二次速度定数:kapp:12,700(M−1・h−1
RAL枯渇の見かけ上の平衡定数:Kapp:3.35×10
RAL枯渇の見かけ上の自由エネルギー変化:ΔGapp:−9.2(kcal/mol)
(実施例5)
2−(5−アミノ−7−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−6−イル)プロパン−2−オール(5)の合成。
シクロプロパンカルボン酸メトキシメチルアミド(5−1)
DCM 200mL中のN,O−ジメチルヒドロキシルアミンヒドロクロリド9.75gおよびピリジン9.7mLの懸濁液を室温で10分間撹拌し、次いで撹拌しながら氷浴中で冷却した。これに、DCM 40mL中のシクロプロパンカルボニルクロリド9.03mLの溶液を、活発に撹拌しながら滴下した。添加が完了した後、混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで室温で1時間撹拌した。溶液をDCM 100mLで希釈し、ブライン(3×200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させ、残留物を真空蒸留した。43〜45℃/1mmHgで収集した画分により、(5−1)を無色液体として得た。
2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(5−2)
乾燥THF 100mL中の3−クロロ−4−フルオロアニリン7.3gの溶液をアルゴン下で保護し、−78℃(ドライアイス/アセトン浴)で冷却した。これに、ヘキサン中2.5M nBuLi 21mLを活発に撹拌しながらゆっくりと添加した。添加が完了した後、懸濁液を−78℃で10分間さらに撹拌した。後者に、クロロトリメチルシラン(TMSCl)6.65mLを活発に撹拌しながらゆっくりと添加した。添加が完了した後、混合物を−78℃で30分間さらに撹拌した。後者に、2.5M nBuLi 24mL、その後TMSCl 7.65mLを活発に撹拌しながら再び添加した。混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで室温まで加温させた。溶媒を除去し、残留物を真空蒸留した。95℃/1mmHg未満で収集した画分をプールして、(5−2)を無色液体として得た。
(5−アミノ−3−クロロ−2−フルオロフェニル)(シクロプロピル)メタノン(5−3)
乾燥THF 100mL中の(5−2)9.11gの溶液を、アルゴン下でドライアイス/アセトン浴中で−78℃に冷却した。これに、ヘキサン中の2.5M nBuLi 15.7mLを活発に撹拌しながら滴下した。添加が完了した後、混合物を−78℃で2時間撹拌した。これに、(5−1)5.2gを撹拌しながらゆっくりと添加した。添加が完了した後、反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで室温まで加温させた。反応混合物を、冷えた1:1のMeOH/1N HCl 400mL中に撹拌しながら注いだ。30分間さらに撹拌した後、混合物をDCM(3×200mL)で抽出した。組み合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、蒸発させて粗製の(5−3)を淡褐色油状物として得た。
N−[3−クロロ−5−(シクロプロピルカルボニル)−4−フルオロフェニル]アセトアミド(5−4)
粗製の(5−3)(6.09g)をDCM 100mL中に溶解させた。これに、無水酢酸(AcO)6mLおよびトリエチルアミン(TEA)9.6mLを、氷浴で冷却し、活発に撹拌しながら順次添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温で1時間さらに撹拌し、DCM 200mLで希釈し、0.1N HCl(3×200mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、溶離液としてヘキサン−EtOAcを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いでヘキサン−EtOAcから結晶化して純粋な(5−4)を白色固体として得た。
(E)−および(Z)−N−{3−クロロ−5−[シクロプロピル(ヒドロキシイミノ)メチル]−4−フルオロフェニル}アセトアミド(5−5)
(5−4)2.28g、NHOH・HCl 3.1g、ピリジン30mL、およびEtOH 30mLの混合物を50℃で22時間撹拌した。EtOHを蒸発させ、残留物をEtO 200mLと1N HCl/ブライン200mLとの間で分配した。有機層を分離し、水(2×20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させて純粋な(5−5)をオフホワイト色非晶質固体として得た。
N−(7−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−5−イル)アセトアミド(5−6)
乾燥DMF 40mL中の(5−5)2.01gの溶液をアルゴンで保護し、氷浴で冷却しながら撹拌した。これに、鉱油中の60%NaH 1.48gを活発に撹拌しながら少しずつ添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、次いで、撹拌しながら飽和NaHCO 300mLおよびEtOAc 300mLの混合物中に慎重に添加した。有機層を分離し、水(3×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。残留物を、溶離液としてヘキサン−EtOAcを用いたカラムクロマトグラフィーによって分離して純粋な(5−6)を白色固体として得た。
tert−ブチルアセチル(7−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−5−イル)カルバメート(5−7)
乾燥DCM 40mL中の(5−6)789.3mg、BocO 808mg、およびDMAP 38mgの混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させて粗製の(5−7)を白色固体として得た。
tert−ブチル(7−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−5−イル)カルバメート(5−8)
上記粗製の(5−7)をMeOH 100mL中に溶解させた。溶液を25wt.% NaOMe/MeOH 0.1mLで塩基性化し、次いで室温で30分間撹拌した。溶液に固体NHCl 1gを添加し、溶媒を蒸発させた。残留物を0.1N HCl/ブライン300mLとEtOAc 300mLとの間で分配した。有機層を分離し、0.1N HCl/ブライン100mL、水100mL、飽和NaHCO 100mL、および水100mLで順次洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。残留物をヘプタン−EtOAcから結晶化させて純粋な(5−8)を白色固体として得た。
5−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−7−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−6−カルボン酸(5−9)
乾燥THF 50mL中の(5−8)770mgの溶液をアルゴン下で保護し、ドライアイス/アセトン浴で冷却しながら撹拌した。これに、1.7M tBuLi/ペンタン5.9mLを活発に撹拌しながら滴下した。添加が完了した後、混合物を−78℃で5分間さらに撹拌した。後者に、新たに粉砕したドライアイス7.2gを活発に撹拌しながらすべて一度に添加した。混合物を−78℃で5分間撹拌し、次いで室温まで加温させた。反応混合物を1N HCl/ブライン300mLとEtOAc300mLとの間で分配した。有機層を分離し、0.1N HCl/ブライン100mLで洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。残留物を溶離液としてヘキサン/EtOAc/HOAcを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離して(5−9)をオフホワイト色発泡体として得た。
メチル5−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−7−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−6−カルボキシレート(5−10)
DCM 10mL中の(5−9)815mgおよびMeOH 5mLの溶液を、氷浴で冷却しながら撹拌した。これに、ヘキサン中の2Mトリメチルシリルジアゾメタン(TMSCHN)2.31mLを撹拌しながら滴下した。添加が完了した後、溶液を室温で10分間撹拌し、蒸発させた。残留物をDCM 100mL中に溶解させ、溶液を短いシリカゲルカラムに通過させた。カラムをMeOH−DCMで溶出し、組み合わせた画分を蒸発させて(5−10)をオフホワイト色固体として得た。
メチル5−アミノ−7−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−6−カルボキシレート(5−11)
DCM 10mL中の(5−10)813mgの溶液を、氷浴で冷却しながら撹拌した。これに、TFA 10mLを撹拌しながら滴下した。添加が完了した後、混合物を室温で30分間撹拌し、蒸発させた。残留物を飽和NaHCO 200mLとEtOAc 200mLとの間で分配した。有機層を分離し、水(2×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させて、(5−11)を黄色油状物として得、これは、静置した状態で固化した。
2−(5−アミノ−7−クロロ−3−シクロプロピルベンゾイソオキサゾール−6−イル)プロパン−2−オール(5)
乾燥THF 6mL中の3M MeMgCl/THF 7.73mLの溶液をアルゴン下で保護し、氷浴で冷却しながら撹拌した。これに、乾燥THF 50mL中の(5−11)620mgの溶液を活発に撹拌しながら滴下した。添加が完了した後、混合物を加温させ、次いで室温で1時間撹拌した。混合物をNHCl飽和水溶液300mL中に、撹拌し、氷浴で冷却しながら慎重に添加した。混合物をDCM(3×100mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を溶離液としてMeOH−DCMを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いでヘプタン−DCMから結晶化させて純粋な(5)をオフホワイト色固体として得た。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.10 (m, 2H), 1.15 (m, 2H), 1.91 (s, 6H), 2.09 (m, 1H), 4.33 (br, 3H, NHおよびOH), 6.70 (s, 1H).
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ: 7.11, 7.25, 30.7, 77.1, 105.6, 113.7, 120.4, 132.5, 144.4, 155.4, 160.5.
LC−MS:267.1(MH)、269.1[(M+2)H]
RAL枯渇の見かけ上の二次速度定数:kapp:35,300(M−1・h−1
RAL枯渇の見かけ上の平衡定数:Kapp:2×10
RAL枯渇の見かけ上の自由エネルギー変化:ΔGapp:−10(kcal/mol)未満
(実施例6)
速度論的パラメータおよび平衡パラメータの定義
RAL枯渇化学に関連したパラメータは、以下の通りである。
app:薬物によるRAL枯渇の見かけ上の二次速度定数。
app:薬物によるRAL枯渇の見かけ上の平衡定数。
ΔGapp:薬物によるRAL枯渇の見かけ上の自由エネルギー変化。
ring:イミンからオキサミナール(環が閉じている)への互変異性の平衡定数。
ΔGring:イミンからオキサミナール(環が閉じている)への互変異性の自由エネルギー変化。
(実施例7)
桿体外節内のkapp、Kapp、およびΔGappの判定。
凍結ウシ桿体外節標本(64μMのオプシン)を解凍し、徹底的にボルテックスする。この試料のアリコート200μLを0.5mLのエッペンドルフチューブ内に移す。これにEtOH中20mM薬物原液を10μL添加し、混合物を1分間ボルテックスする。チューブを37℃にてThermo Scientificマイクロプロセッサー制御280シリーズ水浴内で3分間インキュベートした後、新たに調製したEtOH中2.4mM RAL溶液を5μL添加する(薬物およびRALの名目上の出発濃度はそれぞれ、1.00mMおよび60μMである)。1分間ボルテックスした後、チューブを37℃で時間をかけてインキュベートする。反応混合物のアリコート(それぞれ25μL)を定期的に採取し、0.5mLのエッペンドルフチューブ内の固体NaBH 10mg上に添加する。後者に2:1(v/v)EtOH/HOAc 400μLを慎重に添加する。還元混合物を1分間ボルテックスし、遠心分離する。上清を分離し、標準的なHPLC法を使用してHPLCによって分析する。
計測器:HPLC−PE−97
カラム:Waters Sunfire C18 3.5μm/4.6×100mmカラム(カタログ番号186002553)
溶媒A:0.05% HCOOH/95% HPLCグレード水/5% HPLCグレードMeCN
溶媒B:0.05% HCOOH HPLCグレードMeCN
ポンププログラム:0〜3分 5〜100%B、3〜30分 100%B、31〜32分 100%〜5%B、32〜35分 5%B
流量:1mL/分
検出器波長:329および250nm
参照波長:400nm
注入量:50μL。
RAL枯渇百分率をROLおよびRe−RAL−薬物のピーク積分の正規化によって計算し、次いでこれらを反応時間に対してプロットする。疑一次速度式によってRAL枯渇プロットを最小二乗フィットすると、観察された一次速度定数kobsdが得られ、kappは、kobsd=kapp[薬物]によって計算する。Kappは、式(1)によって遊離RAL、遊離薬物、およびRAL−薬物の平衡濃度から計算する。ΔGappは、式(2)によって計算した。
均等物
当業者は、本明細書に記載の特定の実施形態および方法の多くの均等物を認識するか、または単なる日常の実験を使用して確認することができる。このような均等物は、本発明の範囲に包含されることが意図されている。
本明細書に引用したすべての特許、特許出願、および文献参照は、参照により本明細書に明白に組み込まれている。

Claims (30)

  1. 式(A)

    の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
    A’およびR’は、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、1個の窒素原子および1個の酸素原子を含有する5員ヘテロアリール環を形成し、前記ヘテロアリール環は、X’で置換されており、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、および「6」は、前記ヘテロアリール環の前記フェニル環への結合点を表すが、ただし、前記ヘテロアリール環が、

    であるとき、RはC(D)OHであり、Rは存在せず、かつX’は存在せず、そして、前記ヘテロアリール環が、

    であるとき、Rは存在せず、RはNHであり、かつX’は存在せず、
    は、C(D)OHであるか、またはRは、A’およびR’が、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、

    形成するとき、存在せず、
    は、NHであるか、またはRは、A’およびR’が、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、

    を形成するとき、存在せず、
    各Dは独立して、C〜CアルキルもしくはC〜Cシクロアルキルであるか、または2個のDは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C〜C炭素環式環、もしくは



    および

    から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表し、
    X’は、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、C〜Cアルキルで置換されたアリール、もしくはC〜Cアルコキシであるか、またはX’は、A’およびR’が、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、

    もしくは

    を形成するとき、存在せず、
    nは、0、1、または2であるが、ただし、X’がフェニルであるとき、nは、0でなく、
    各Tは独立して、ハロゲン、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、またはシアノである、
    化合物またはその薬学的に許容される塩。
  2. A’およびR’が、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、1個の窒素原子および1個の酸素原子を含有する5員ヘテロアリール環を形成し、前記ヘテロアリール環が、X’で置換されており、X’が、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、C〜Cアルキルで置換されたアリール、またはC〜Cアルコキシである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  3. X’が、C〜Cシクロアルキル、アリール、またはC〜Cアルキルで置換されたアリールである、請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  4. X’が、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、またはC〜Cアルコキシである、請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  5. A’およびR’が、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、

    を形成し、Rが存在せず、RがNHであり、X’が存在しないか、または

    を形成し、RがC(D)OHであり、Rが存在せず、X’が存在しない、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  6. 各Dが独立して、C〜Cアルキルである、請求項5に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  7. nが0である、請求項6に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  8. 式(I)

    の化合物である請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
    AおよびRは、これらが結合している2個の隣接する炭素原子と一緒に、1個の窒素原子および1個の酸素原子を含有する5員ヘテロアリール環を形成し、前記ヘテロアリール環は、Xで置換されており、
    Xは、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、C〜Cアルキルで置換されたアリール、またはC〜Cアルコキシであり、
    は、1または2であり、
    各Tは独立して、ハロゲン、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、またはシアノであり、
    各Dは独立して、C〜CアルキルもしくはC〜Cシクロアルキルであるか、または2個のDは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C〜C炭素環式環、もしくは



    および

    から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表す、化合物またはその薬学的に許容される塩。
  9. Xが、C〜Cシクロアルキル、アリール、またはC〜Cアルキルで置換されたアリールである、請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  10. 各Dが独立して、C〜Cアルキルである、請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  11. が1である、請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  12. 各Tが独立して、ハロゲンである、請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  13. 式(Ia)、(Ib)、(Ic)、もしくは(Id)

    の化合物である請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
    Xは、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、C〜Cアルキルで置換されたアリール、またはC〜Cアルコキシであり、
    は、1または2であり、
    各Tは独立して、F、Cl、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、またはシアノであり、
    各Dは独立して、C〜CアルキルもしくはC〜Cシクロアルキルであるか、または2個のDが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C〜C炭素環式環、もしくは



    および

    から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表す、化合物またはその薬学的に許容される塩。
  14. Xが、C〜Cシクロアルキル、アリール、またはC〜Cアルキルで置換されたアリールであり、各Tが独立して、F、Cl、メチル、シクロプロピル、シクロブチル、またはシアノであり、各Dがメチルである、請求項13に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  15. Xが、アリール、メチルで置換されたアリール、シクロプロピルであり、nが1であり、TがClである、請求項14に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩




  16. および

    からなる群から選択される、請求項15に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  17. 式(II)

    の化合物である請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
    UおよびZの一方はC(D)OHであり、他方はNHであり、
    各Dは独立して、C〜CアルキルもしくはC〜Cシクロアルキルであるか、または2個のDが、これらが結合している炭素原子と一緒に、C〜C炭素環式環、もしくは



    および

    から選択される飽和複素環を形成し、ここで、「」は、2個のDが結合している炭素原子の位置を表し、
    は、0、1、または2であり、
    各Tは独立して、ハロゲン、C〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキルで置換されたC〜C10アルキル、C〜Cシクロアルキル、またはシアノである、
    化合物またはその薬学的に許容される塩。
  18. 各Dが独立して、C〜Cアルキルである、請求項17に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  19. が0である、請求項17に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  20. 各Tが独立して、ハロゲンである、請求項17に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  21. ZがC(D)OHであり、UがNHであり、各Dがメチルであり、nが0である、請求項17に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
  22. ZがNHであり、UがC(D)OHであり、各Dがメチルであり、nが0である、請求項17に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩






  23. および

    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  24. 請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。






  25. および

    からなる群から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む、請求項24に記載の医薬組成物。




  26. および

    からなる群から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む、請求項24に記載の医薬組成物。
  27. 網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達が関与する網膜疾患または障害の処置、その症状の低減、あるいはそれを発症するリスクの低減を、それを必要とする被験体において行う方法で使用するための組成物であって、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、組成物。
  28. 前記網膜疾患または障害が黄斑変性症である、請求項2に記載の組成物。
  29. 網膜組織内のA2Eおよび/もしくはリポフスチンの蓄積、または酸化的ストレスに応答したRPE細胞によるVEGFシグナル伝達が関与する網膜疾患または障害の処置、その症状の低減、あるいはそれを発症するリスクの低減を、それを必要とする被験体において行うための医薬の製造における、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
  30. 前記網膜疾患または障害が黄斑変性症である、請求項29に記載の使用。
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