JP6265684B2 - 眼内レンズ用重合性紫外線吸収色素 - Google Patents
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ところが、本来の水晶体は紫外線を透過させない性質を有するのに対し、従前の眼内レンズ用ポリマーは紫外線を透過するため、網膜を損傷する危険性がある。
また、本来の水晶体は若干黄色味を帯びており、青色領域の光の一部を透過抑制する性質を有する。しかし従前の眼内レンズ用透明ポリマーはこの青色領域光をほぼ完全に透過させるため、眼内レンズ挿入術後に患者がまぶしさを訴える例が多かった。また、短波長で高エネルギーの青色領域光が眼内に到達すると黄斑変性症等の網膜由来の疾患を引き起こす危険性もあった。
そこで、眼内レンズ用材料には紫外線吸収能や黄色系色素による着色が求められるようになり、近年は安全性の観点から多くの眼内レンズ用ポリマーには紫外線吸収剤モノマーや黄色系色素モノマーが共重合されている。これまでにそのようなモノマー化合物が種々開発されており(特許文献1〜4)、一分子内にアゾ基等の発色団とベンゾフェノン骨格等の紫外線吸収部とを有する、他の眼内レンズ材料用モノマーとの共重合可能なモノマー化合物も開発されている(特許文献5、6)。
そこで、本発明は、溶解性に優れた重合性紫外線吸収色素モノマーを得ることを課題とする。
題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
本発明は、下記一般式(1)で表される化合物である(以降、本発明の色素化合物ともいう)。
一般式(1)において置換基R1は、製造方法における反応効率の観点から、水素原子、メチル基又はエチル基が好ましい。
また、一般式(2)〜(5)において置換基R3は水素原子またはメチル基であり、色素化合物の安定性の観点からmは0〜2の整数であることが好ましく、nは1〜4の整数であることが好ましい。また、一般式(1)において置換基R2はアゾフェニル基の3位又は4位に結合していることが好ましい。
置換基R2は一般式(2)〜(5)で表されるように、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、又はビニル基等の重合性基に、任意にスペーサーが結合した基であり、共重合に関与する。
ここで、スペーサーとしては、炭素数1〜4のアルキレン基、カルボニルオキシ炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数1〜4のアルキレンカルボニルオキシ炭素数1〜8のアルキレン基、オキシカルボニル炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数1〜4のアルキレンオキシカルボニル炭素数1〜8のアルキレン基、カルボニルアミノ炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数1〜4のアルキレンカルボニルアミノ炭素数1〜8のアルキレン基、アミノカルボニル炭素数1〜8のアルキレン基、又は炭素数1〜4のアルキレンアミノカルボニル炭素数1〜8のアルキレン基が挙げられる。
なお、(メタ)アクリロイルとはアクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
また、炭素数1〜4のアルキレンとは、具体的にはメチレン、エチレン、プロピレン、
又はブチレンを意味し、炭素数1〜8のアルキレンとは、前述の炭素数1〜4のアルキレンにさらにペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレンを候補に追加したものを意味する。
これらのスペーサーを導入することにより、本発明の色素化合物は他の重合性モノマーとの高い反応率及び高い溶解性を有する。
上記のように、本発明の色素化合物は、従来の色素化合物のようなウレタン結合を有する構造ではないため、他の重合性モノマーに対する溶解性がよい。
また本発明の色素化合物は、一分子中に紫外線吸収部と発色団とが存在するため、発色団が紫外線によりダメージを受けて色素が経時退色してしまうということが生じにくい。
あるいは、予め重合性基をエステル化反応またはアミド化反応等により導入したアミノアリール化合物をジアゾ化してジアゾニウム塩を得るジアゾ化工程、及び得られたジアゾニウム塩をベンゾフェノン化合物とジアゾカップリングして本発明の色素化合物を得るジアゾカップリング工程を含む合成方法によっても製造することができる。後者の合成方法の方が、生成物の収率が高いため好ましい。なお、アミノアリール化合物のアミノ基が保護基で保護されている場合は、酸処理等による脱保護の後にジアゾ化工程を行うことができる。また、前記ジアゾカップリング工程では、触媒として塩基を使用することができ、中でも炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、又は酢酸カリウム等の弱塩基を用いることが、ジアゾニウム塩の分解(重合性基の分解又は脱離)を防げるため好ましい。
下記反応式(1)に上記好ましい合成工程の概略を示す。
また、本発明の色素化合物は、発色団と重合性基が立体的に離れているので、重合を阻害することがない。そのため他の共重合モノマーとの反応性のよい共重合モノマーとして使用することができる。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、tert−ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート等の直鎖状、分岐鎖状及び環状のアルキル(メタ)アクリレート類;
ペンタメチルジシロキサニルメチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシロキサニルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、モノ(メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ)ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、モノ(メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ)ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルエチルテトラメチルジシロキサニルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシロキサニルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルエチルテトラメチルジシロキサニルメチル(メタ)アクリレート、テトラメチルトリイソプロピルシクロテトラシロキサニルプロピル(メタ)アクリレート、テトラメチルトリイソプロピルシクロテトラシロキシビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート等のシリコン含有(メタ)アクリレート類;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、テトラフルオロ−tert−ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロ−tert−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ペンチル(メタ)アクリレート、
ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシオクタフルオロ−6−トリフルオロメチルヘプチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシドデカフルオロ−8−トリフルオロメチルノニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキサデカフルオロ−10−トリフルオロメチルウンデシル(メタ)アクリレート等のフッ素含有(メタ)アクリレート類;
スチレン、ペンタフルオロスチレン、メチルスチレン、トリメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、(ペンタメチル−3,3−ビス(トリメチルシロキシ)トリシロキサニル)スチレン、(ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシトリシロキサニル)スチレン、ジメチルアミノスチレン等のスチレン誘導体類;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリル酸;
N−ビニルピロリドン、α−メチレン−N−メチルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)アクリロイルピロリドン等のビニルラクタム類;
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;
アミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類;
イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等のアルキル基、フッ素含有アルキル基、シロキサニルアルキル基で置換されていても良いアルキルエステル類;
グリシジル(メタ)アクリレート;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;
4−ビニルピリジン;
ビニルイミダゾール、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペリジン、N−ビニルサクシンイミド等のヘテロ環式N−ビニルモノマー;
N−(メタ)アクリロイルピペリジン;
N−(メタ)アクリロイルモルホリン
なお、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」または「メタクリレート」を意味し、これは(メタ)アクリル酸誘導体についても同様である。
また、上記の共重合モノマーを一種又は二種以上選択して重合してマクロモノマーとし、それをポリマー製造用の共重合モノマーの1つとして用いることもできる。
本発明のポリマーの共重合の際に、本発明の色素化合物を配合する割合は、ポリマーの用途、例えば眼内レンズであればその厚みにも影響されるが、全ての共重合モノマー混合物100重量部に対して、0.001〜5重量部であることが好ましく、0.005〜2重量部であることがより好ましく、0.01〜0.06重量部であることがさらに好ましい。0.001重量部未満ではポリマーの発色が悪くなるおそれがある。また、5重量部を超えると、ポリマーの着色が濃くなりすぎて透明性が低下したり、ポリマーの物性(た
とえば、強度等)が低下したり、本発明の色素化合物がポリマーから溶出しやすくなったりするおそれがある。
上記重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル等のラジカル重合開始剤が挙げられ、これらのうち一種又は二種以上を使用することができる。その使用量は、全ての共重合モノマー混合物100重量部に対して、約0.01〜1重量部の範囲で使用することが好ましい。また、光線等を利用して重合する場合には、光重合開始剤や増感剤をさらに添加することが好ましい。
本発明の色素化合物以外の紫外線吸収剤としては、特に制限されないが、例えば2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2’’−メタクリロイルオキシエトキシ)−3’−tert−ブチルフェニル]−5−メチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2’’−アクリロイルオキシエトキシ)−3’−tert−ブチルフェニル]−5−メチル−2H−ベンゾトリアゾール等の重合性基を有したものが使用できる。
また、本発明の色素化合物以外の色素としては、特に制限されないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等の重合性基を有する、アゾ系、アントラキノン系、ニトロ系またはフタロシアニン系等の重合性色素等公知のものが使用できる。
また、ポリマーの強度を高めたり硬度を調節したりする場合は、共重合モノマーとしてアルキル(メタ)アクリレート類やスチレンを含めたスチレン誘導体類または(メタ)アクリル酸等を選択すればよい。
また、共重合モノマーとしてフッ素含有アルキル(メタ)アクリレート類やフッ素含有スチレン誘導体類等のフッ素含有モノマーを選択すれば、後述のように本発明のポリマーを眼内レンズ用材料とする場合に抗脂質汚染機能が付与されたものとすることができる。
また、本発明のポリマーに親水性を付与する場合は、共重合モノマーとしてヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、アミノアルキル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリレート、N−ビニルラクタム類等の親水性基を有するモノマーを選択すればよく、後述のように本発明のポリマーを眼内レンズ用材料とする場合に含水性の柔軟な眼内レンズを得ることができる。
また、共重合モノマーとして芳香族環を含有するモノマー、例えば、スチレン系モノマーや芳香族環含有(メタ)アクリレート類等を選択すれば、本発明のポリマーを高屈折率のレンズ用材料とすることができる。
上記のように本発明のポリマーに種々の機能性を付与するための共重合モノマーを選択して配合する場合は、全ての共重合モノマー混合物100重量部に対して好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上とし、また全ての共重合モノマー混合物100重量部に対して好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下となるように適宜調整する。
架橋剤やマクロモノマーを配合する場合、その配合割合は全ての共重合モノマー混合物100重量部あたり、0.01〜10重量部の割合の範囲内で使用することが好ましい。0.01重量部未満ではその効果が得られにくく、また10重量部を超えると得られるポリマーが脆くなる傾向がある。
また、上記のようなマクロモノマーとしては、例えば、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフマレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アジピン酸ジアリル、トリアリルジイソシアネート、α−メチレン−N−ビニルピロリドン、4−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン等が挙げられる。
に変化が生じないことで確認することができる。
一般に色素化合物は硬く、ポリマーに添加した場合にその硬度を上げてしまうところ、本発明の色素化合物は柔軟性に優れるので、本発明のポリマーを眼内レンズ用材料として用いて成形した本発明の眼内レンズは柔軟性を保持することができ、施術時の取扱いが容易となる。
また、本発明のポリマーは、光や化学薬剤に優れた耐性を示し、堅牢性も高く、ポリマーから色素が溶出することもないため、安全性が高く、脱色や変色のない、優れた眼内レンズを得ることができる。
その他に、本発明のポリマーはサングラス、コンタクトレンズ等の材料とすることもでき、また、塗料や建材等にも使用できる。
また、眼内レンズの支持部を、眼内レンズとは別に作製して後から取り付けても良いし、眼内レンズと同時に(一体的に)成形しても差支えない。
本発明の色素化合物を合成するに際して用いた重合性基含有アミノアリール化合物の合成例を以下に示す。
を5%硫酸水素ナトリウム、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水の順で洗い、無水硫酸マグネシウム上で乾燥後減圧濃縮した。濃縮残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにてヘキサン−酢酸エチル(4:1v/v)を用いて精製し目的物を白色針状晶として得た。
収量:2.54g
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.52(s,9H),1.93(t,3H,J=1.2Hz),4.45−4.48(m,2H),4.52−4.54(m,2H),5.57(quintet,1H,J=1.6Hz),6.13(t,1H,J=0.8Hz),6.64(br.s,1H),7.42(dt,2H,J=8.8Hz,2.0Hz),7.96(dt,J=9.2Hz,2.0Hz).
収量:2.26g
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.51(s,9H),3.745(q,J=5.6Hz),4.37(t,2H,J=5.2Hz),5.87(dd,1H,J=10.8Hz,1.6Hz),6.14(dd,1H,J=17.6Hz,10.4Hz),6.44(dd,1H,J=18.0Hz,1.6Hz),6.62(s,1H),7.42(d,2H,J=8.8Hz),7.70(d,2H,J=8.8Hz).
−酢酸エチル(2:1v/v)を用いて精製し目的物を白色針状晶として得た。
収量:2.87g
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.51(s,9H),1.94(t,3H,J=1.2Hz),3.75(q,2H,J=4.8Hz),4.37(t,2H,J=5.6Hz),5.59(t,1H,J=1.6Hz),6.13(t,1H,J=0.8Hz),6.47(br.s,1H),6.62(br.s,1H),7.42(d,2H,J=8.8Hz),7.70(d,2H,J=8.8Hz).
収量:3.77g
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.53(s,9H),3.76(q,2H,J=5.4Hz),4.39(t,2H,J=5.4Hz),5.88(dd,1H,J=10.2Hz,1.0Hz),6.15(dd,1H,J=17.6Hz,10.2Hz),6.45(dd,1H,J=17.6Hz,1.0Hz),6.49(br.t,1H,J=5.4Hz),6.65(br.s,1H),7.29(d,2H,J=8.8Hz),7.72(d,2H,J=8.8Hz).
収量:3.23g
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.53(s,9H),1.95(t,3H,J=1.2Hz),4.47−4.51(m,2H),4.54−4.58(m,2H),5.59(quintet,1H,J=1.4Hz),6.15(t,1H,J=1.2Hz),6.56(br.s,1H),7.38(t,1H,J=7.8Hz),7.71(dt,2H,J=7.8Hz,1.0Hz),7.90(t,1H,J=2.0Hz).
収量:3.31g
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.53(s,9H),1.96(s,3H),3.77(q,2H,J=5.4Hz),4.37(t,2H,J=5.5Hz),5.61(t,1H,J=1.5Hz),6.16(s,1H),6.58(br.t,1H),6.65(br.s,1H),7.35(t,1H,J=7.8Hz),7.42(dt,1H,J=7.8Hz,1.5Hz),7.53(d,1H,J=8.3Hz),7.81(t,1H,J=1.9Hz).
収量:3.48g
1H−NMR(400MHz,CD3OD)δ:1.89(t,3H,J=1.2Hz),3.77(s,2H),4.33−4.39(m,4H),5.61(t,1H,J=1.4Hz),6.04(s,1H),7.29−7.51(m,4H).
上記重合性基含有アミノアリール化合物1〜7の合成にて得られた重合性基含有アミノアリール化合物を用い、目的物たる重合性紫外線吸収色素を合成した。以下、実施例1〜7として示す。また、本発明によらない重合性紫外線吸収色素を合成し、比較例1として示す。
M塩酸を滴下してpHを6に調節した。この混合物に水(40mL)を加え、析出物をろ
取し、水で洗浄した。この析出物を乾燥させることなくクロロホルムに溶解し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮した。この濃縮残査にメタノールを加えて4℃で一夜放置した後、析出した目的物を淡褐色結晶として得た。収量:392mg(41%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.94(s,3H),4.49−4.51(m,2H),4.58−4.60(m,2H),5.58(t,1H,J=1.2Hz),6.13(t,1H,J=1.6Hz),6.59(s,1H),7.56(tt,2H,J=7.6Hz,1.2Hz),7.64(tt,1H,J=7.6Hz,2.4Hz),7.72−774(m,2H),7.83(dt,2H,J=8.4Hz,2.0Hz),8.15(dt,2H,J=8.8Hz,2.0Hz),8.27(s,1H),12.93(s,1H),13.77(s,1H).
収量:294mg(32%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:4.52−4.54(m,2H),4.58−4.61(m,2H),5.87(dd,1H,J=10.8Hz,1.5Hz),6.16(dd,1H,J=17.6Hz,10.8Hz),6.46(dd,1H,J=17.6Hz,10.8Hz),6.60(s,1H),7.58(d,2H,J=7.8Hz),7.66(tt,1H,J=7.3Hz,1.5Hz),7.74−7.76(m,2H),7.85(d,2H,J=8.8Hz),8.16(d,2H,J=8.8Hz),8.28(s,1H),12.95(s,1H),13.74(s,1H).
ルアミノ)ベンゾイルアミノ]エチル(669mg)を酸処理の後にジアゾニウム塩化し、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(437mg)とジアゾカップリングを行い、目的物を得た。
収量:274mg(29%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.97(t,3H,J=1.2Hz),3.80(q,2H,J=5.4Hz),4.42(t,2H,J=5.4Hz),5.63(quintet,1H,J=1.7Hz),6.16(s,1H),6.60(s,1H),6.67(br.t,1H,J=5.4Hz),7.57(t,2H,J=7.3Hz),7.65(tt,1H,J=7.4Hz,2.0Hz),7.73−7.76(m,2H),7.87(dd,4H,J=17.6Hz,8.8Hz),8.21(s,1H),12.93(s,1H),13.79(s,1H).
収量:258mg(28%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:3.80(q,2H,J=5.4Hz),4.43(t,2H,J=5.4Hz),5.90(dd,1H,J=10.2Hz,1.5Hz),6.17(dd,1H,J=17.6Hz,10.2Hz),6.48(dd,1H,J=17.6Hz,1.5Hz),6.60(s,1H),6.67(br.t,1H,J=5.4Hz),7.58(t,2H,J=7.3Hz),7.66(t,1H,J=7.8Hz),7.74−7.76(m,2H),7.85(d,2H,J=8.8Hz),7.90(d,2H,J=8.8Hz),8.27(s,1H),12.94(s,1H),13.80(s,1H).
収量:228mg(24%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.93(s,3H),4.50−4.53(m,2H),4.61−4.63(m,2H),5.56(t,1H,J=1.3Hz),6.13(s,1H),6.61(s,1H),7.56−7.61(m,2H),8.00(d,1H,J=8.1Hz),8.12(d,1H,J=7.8Hz),8.28(s,1H),8.44(t,1H,J=1.5Hz),12.94(s,1H),13.71(s,1H).
収量:289mg(31%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ: 1.93(s,3H),3.80(q
,2H,J=5.4Hz),4.41(t,2H,J=5.4Hz),5.58(t,1H,J=2.0Hz),6.14(s,1H),6.60(s,1H),6.66(br.t,1H),7.56−7.60(m,3H),7.65(tt,1H,J=7.3Hz,2.0Hz),7.73−7.75(m,2H),7.84(dt,1H,J=7.8Hz,1.5Hz),7.93(d,1H,J=8.3Hz),8.19(t,1H,J=1.9Hz),8.27(s,1H),12.93(s,1H),13.72(s,1H).
収量:407mg(42%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.89(s,3H),3.73(s,2H),4.33−4.39(m,4H),5.5t3(t,1H,J=1.8Hz),6.05(s,1H),6.59(s,1H),7.38(d,1H,J=7.8Hz),7.45(t,1H,J=7.8Hz),7.55−7.59(m,2H),7.65(tt,1H,J=7.3Hz,2.4Hz),7.70−7.76(m,4H),8.24(s,1H),12.91(s,1H),13.89(s,1H).
実施例で合成された重合性ベンゾフェノン色素(HBZ−EMA)0.03重量部、アクリル酸2−フェノキシエチル60重量部、アクリル酸エチル40重量部、2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部を均一に配合し、80℃で40分間重合させ厚さ1mmのポリマーシートを作製した。得られたシートをサンプルとして、波長220〜800nmの光線透過率を測定した。結果を図1に示す。
さらに、このサンプルレンズを40℃のエタノールに24時間浸漬して溶出処理を行った後、再度、光線透過率を測定したところ、溶出処理前後でスペクトルは変化しなかった。このことは、重合性紫外線吸収色素が材料中に化学的に結合していることを示しており、本発明の色素化合物を他の紫外線吸収剤と併用してポリマー合成に用いても、重合後に溶出することはないことが確認できた。なお、光線透過率の測定には紫外可視分光光度計を用いた。
また、その他の実施例化合物においても同様にポリマーを合成し、光線透過率を測定したが、HBZ−EMAと同様のピークを示し、重合後の溶出もないことを確認した。
紫外線吸収剤として2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2’’−メタクリロイルオキシエトキシ)−3’−tert−ブチルフェニル]−5−メチル−2H−ベンゾトリアゾールをさらに0.15重量部配合した以外は、ポリマー合成例1と同様にポリマーシートを作製した。得られたシートをサンプルとして、ポリマー合成例1と同様に、波長220〜800nmの光線透過率を測定した。その結果を図2に示す。
溶出処理前後での光線透過率のスペクトルは変化せず、本発明の重合性ベンゾフェノン系色素を他の紫外線吸収剤と併用しても、重合後に溶出することはないことが確認できた。
また、その他の実施例化合物においても同様の結果が得られた。
BMAC、HBZ−EMA、HBZ−AMAをそれぞれ50mgずつ量り取り、アクリル酸エチル(250μL、500μL、1.0mL、2.5mL、5.0mL、10mL、25mL、50mL)と混合した。これらの混合物は、完全に溶解した場合はそれぞれ20w/v%、10w/v%、5w/v%、2w/v%、1w/v%、0.5w/v%、0.2w/v%、0.1w/v%アクリル酸エチル溶液に相当する。各混合物を5分間超音波処理した後、透明な溶液となったものは可溶、不溶物が残存しているものは不溶と判断した。以下、表1に結果をまとめる。カルバモイル誘導体であるHBZ−AMAは対象化合物であるBMACと同レベルの溶解度(0.2%)だった。一方、カルボニルオキシ誘導体であるHBZ−EMAはBMACの10倍の溶解度(2%)であった。
Claims (5)
- R1が水素原子、メチル基又はエチル基である請求項1に記載の化合物。
- 25℃におけるアクリル酸エチルへの溶解度が1w/v%以上である、請求項1または2に記載の化合物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物と、他の重合性モノマー一種又は二種以上とを共重合してなるポリマー。
- 請求項4に記載のポリマーを成形してなる眼内レンズ。
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