JP6264944B2 - 2液性ポリウレタン系接着剤、それを用いた積層体及び太陽電池用保護シート - Google Patents

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Description

本発明は、接着性、低温エージング性、ポットライフに優れた2液性ポリウレタン系接着剤、積層体及び太陽電池用保護シートに関するものである。
2液性ポリウレタン系接着剤は、様々な材料を簡単に接着できることから広く利用されている。一般に、2液性ポリウレタン系接着剤は、イソシアネート化合物を含む硬化剤液、ポリオール成分を含む主剤液の2種の液から構成され、主剤液は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオールと有機溶剤を主成分とし、2液性ポリウレタン系接着剤の性能はポリオール成分に大きく依存する。
ポリオール成分にポリプロピレングリコール等のポリエーテル系ポリオールを使用した2液性ポリウレタン系接着剤は、耐湿熱性に優れるものの120℃を越える高温下では熱劣化してしまうという課題を有している。また、ポリオール成分にポリエステル等のポリエステル系ポリオールを使用した2液性ポリウレタン系接着剤は、耐熱性に優れるものの耐湿熱性に劣るため高温高湿下で放置しておくと劣化してしまなどの欠点がある。そこで、これら課題を解決するため水添ポリブタジエンポリオール等を使用した2液性ポリウレタン系接着剤(例えば特許文献1参照。)が提案されている。
特開2002−26346号公報(特許請求の範囲参照。)
しかしながら、特許文献1に提案された2液性ポリウレタン系接着剤は、低温エージング性に乏しく、接着性やポットライフも十分ではないという課題があった。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、イソシアネート化合物を含む液とケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液を含む2液性ポリウレタン系接着剤に特定の有機スズ系触媒と有機金属化合物を添加することにより、接着性、低温エージング性、ポットライフに優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、イソシアネート化合物を含む液(A)とケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)を含む2液性ポリウレタン系接着剤であって、有機スズ系触媒(C)及びZr、Ti、Alのいずれかの元素を含む有機金属化合物(D)を含み、A、B少なくとも一方にC及び/又はDを含むことを特徴とする2液性ポリウレタン系接着剤、それを用いた積層体、太陽電池用保護シートに関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の2液性ポリウレタン系接着剤は、イソシアネート化合物を含む液(A)とケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)を含む2液性ポリウレタン系接着剤であって、さらに有機スズ系触媒(C)及びZr、Ti、Alのいずれかの元素を含む有機金属化合物(D)を含むことを特徴とする2液性ポリウレタン系接着剤からなるものである。
ここで2液性とは、少なくとも2つの成分(主剤:ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)と硬化剤:イソシアネート化合物を含む液(A))に分かれていて使用直前に混合されることを意味し、使用直前に3つ以上の成分が混合されることも含む。
イソシアネート化合物を含む液(A)(以下単に、液(A)と称する場合もある)としては、イソシアネート化合物を含む液状物であれば如何なるものを用いることもでき、例えば、イソシアネート化合物と有機溶剤を含む溶液、イソシアネート化合物と水を含む水溶液,懸濁液、液状イソシアネート化合物等を挙げることができる。これらの中でも塗布性に優れることからイソシアネート化合物と有機溶剤を含む溶液であることが好ましい。
液(A)に含まれるイソシアネート化合物としては、−N=C=Oという部分構造を持つ化合物であれば特に制限は無く、例えば、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物、脂環族イソシアネート化合物、これらのポリイソシアネートの誘導体等が挙げられる。
芳香族イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(略称 TDI)、フェニレンジイソシアネート(m−またはp−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)(略称 MDI)、4,4’−トルイジンジイソシアネート(略称 TODI)、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(略称 XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(略称 TMXDI)、ω,ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、ナフタレンジイソシアネート(1,5−、1,4−または1,8−ナフタレンジイソシアネートもしくはその混合物)(略称NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプエート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族イソシアネート化合物としては、例えば、単環式脂環族ジイソシアネート、架橋環式脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
単環式脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート)、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4′−、2,4′−または2,2′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)もしくはこれらの混合物)(略称 水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物)(略称 水添XDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート(略称 水添TDI)、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート(略称 水添TMXDI)等を挙げることができる。
架橋環式脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、架橋環式炭化水素基に対応する架橋環式炭化水素が、飽和炭化水素、不飽和炭化水素である架橋環式脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。このような架橋環式炭化水素としては、例えば、ビシクロアルカン類(例えば、ノルボルナン、ノルピナン、ビシクロ[2.2.2]オクタンなどのC6−20ビシクロアルカン)、ビシクロアルケン類(ノルボルネンなどのC6−20ビシクロアルケン)、トリシクロアルカン類(アダマンタンなどのC8−20トリシクロアルカン)などの架橋2〜4環式炭化水素等が挙げられる。なお、前記架橋環式炭化水素は、通常、非隣接位に位置する炭素原子が直接結合、又は炭化水素基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロパン−2,2−ジイル基などのアルキレン又はアルキリデン基)を介して結合して環(炭化水素環)を形成した架橋環式炭化水素環を少なくとも含み、単に隣接する炭素原子が環を形成した縮合環のみを有する縮合環式炭化水素(例えば、デカリンなど)でない場合が多い。
前記架橋環式炭化水素は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのC1−6アルキル基、好ましくはC1−4アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、シクロへキシル基などのC5−10シクロアルキル基)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などのC6−10アリール基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基)などの炭化水素基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基などのC1−4アルコキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基などのC1−6アシル基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシカルボニル基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子など)、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。好ましい置換基には、アルキル基(C1−6アルキル基)等が挙げられる。置換基は、単独で又は2種以上組みあわせて架橋環式炭化水素に置換していてもよい。また、置換基の置換数は、0又は1以上の整数であってもよい。
また、架橋環式炭化水素は、少なくとも架橋環式炭化水素基(架橋環式炭化水素環ユニット)を有していればよく、隣接する炭素原子が縮合した環(縮合環)を1又は複数(例えば、2〜4程度)有していてもよい。
代表的な架橋環式炭化水素としては、置換基を有していてもよいビシクロアルカン類(例えば、ノルボルナン、2,2−ジメチルノルボルナン、ボルナンなどのアルキル基を有していてもよいビシクロアルカン)、縮合環を有するビシクロアルカン類(又は縮合環を形成したビシクロアルカン)(例えば、4,7−メタノパーヒドロインデン)等が挙げられる。
架橋環式脂環族ジイソシアネートにおいて、イソシアネート基は、前記架橋環式炭化水素に直接的に結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、二価の炭化水素基、例えば、アルキレン基又はアルキリデン基(例えば、メチレン基、エチレン基などのC1−10アルキレン又はアルキリデン基、好ましくはC1−6アルキレン又はアルキリデン基、さらに好ましくはC1−4アルキレン又はアルキリデン基など)などが挙げられる。
また、イソシアネート基(又はイソシアネート基が結合した連結基、例えば、イソシアネートメチル基など)の数は、複数(例えば、2〜4)であればよく、通常2〜3である。なお、イソシアネート基(又はその連結基)の置換位置は、特に限定されないが、通常、架橋環式炭化水素の橋頭位であってもよい。例えば、ノルボルナン環では、2,3,5,6,7位の少なくとも2つの炭素原子(例えば、2および5位、2および6位など)に置換している場合が多い。イソシアネート基としては、例えば、ノルボルネンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートメチル、ビシクロヘプタントリイソシアネート、ジイソシアナートメチルビシクロヘプタン、ジ(イソシアナートメチル)トリシクロデカン等が挙げられる。
これらのポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記イソシアネート化合物の多量体(2量体、3量体、5量体、7量体、ウレチジンジオン、ウレイトンイミン、イソシヌレート変性体、ポリカルボジイミド等)、ウレタン変性体(例えば、上記イソシアネート化合物又は多量体におけるイソシアネート基の一部をモノオールやポリオールで変性又は反応したウレタン変性体など)、ビウレット変性体(例えば、上記イソシアネート化合物と水との反応により生成するビウレット変性体など)、アロファネート変性体(例えば、上記イソシアネート化合物と、モノオール又はポリオール成分との反応より生成するアロファネート変性体など)、ウレア変性体(例えば、上記イソシアネート化合物とジアミンとの反応により生成するウレア変性体など)、オキサジアジントリオン(例えば、上記イソシアネート化合物と炭酸ガス等との反応により生成するオキサジアジントリオンなど)等を挙げることができる。
これらのポリイソシアネートの誘導体のうち、より低温エージング性、接着性に優れることから、脂肪族イソシアネート化合物の誘導体、例えば、イソシアヌレート変性体、アダクト変性体、アロファネート変性体が好ましい。
イソシアネート化合物は単独でもよいし、2種以上でもよい。
ポリイソシアネートの誘導体の具体的商品としては、例えば、「コロネートL」、「コロネートHX」、「コロネートHXR」、「コロネートHL」、「コロネート2030」、「コロネート2031」、「ミリオネートMR」、「ミリオネートMTL」(商品名、日本ポリウレタン株式会社製)、「タケネートD−102」、「タケネートD−110N」、「タケネートD−170N」、「タケネートD−200」、「タケネートD−202」、「タケネート300S」、「タケネート500」(商品名、武田薬品株式会社製)、「スミジュールN3300」、「スミジュール44S」、「スミジュールPF」、「スミジュールL」、「スミジュールN」、「デスモジュールL」、「デスモジュールIL」、「デスモジュールN」、「デスモジュールHL」、「デスモジュールT65」、「デスモジュール15」、「デスモジュールR」、「デスモジュールRF」、「デスモジュールSL」、「デスモジュールZ4273」(商品名、住化バイエルウレタン株式会社製)等が挙げられる。
脂肪族イソシアネート化合物の誘導体の中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の誘導体は、接着性に優れ、また入手しやすいために、特に好ましい。
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の誘導体の具体的商品としては、「コロネートHX」、「コロネートHXR」、「コロネートHL」(商品名、日本ポリウレタン株式会社製)、「タケネートD−170N」(商品名、三井化学株式会社製)、「スミジュールN3300」(商品名、住化バイエルウレタン株式会社製)等が挙げられる。
液(A)がイソシアネート化合物の溶液である場合の有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤を挙げることができ、これらは単独でもよいし、2種以上でもよい。中でも、より塗布性に優れることから、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、塩化メチレンが好ましく、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンがさらに好ましい。
液(A)中のイソシアネート化合物の濃度は、塗布性に優れることから1〜100重量%が好ましく、10〜100重量%がさらに好ましい。
液(A)の製造方法としては、特に制限は無く公知の方法を用いることができ、例えば、イソシアネート化合物、有機溶剤を室温混合する方法、加熱混合する方法等が挙げられ、室温混合する方法が好ましく用いられる。
ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)(以下単に、液(B)と称する場合もある)は、ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液であれば如何なるものを用いることもでき、例えば、ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体と有機溶剤を含む溶液、ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体と水の懸濁液、液状ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができ、その中でも塗布性に優れることからケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体と有機溶剤を含む溶液であることが好ましい。
液(B)に含まれるケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、例えば、エチレン残基単位及びビニルアルコール残基単位の共重合体、エチレン残基単位、ビニルアルコール残基単位及び酢酸ビニル残基単位の共重合体等を挙げることができ、これら共重合体であれば制限は無く用いることができる。これらの中でも、より接着性と耐電解液性に優れることから、ビニルアルコール残基単位は、0.01〜10モル%が好ましく、0.1〜5.0モル%がさらに好ましい。また、接着性と耐電解液性に優れることから、酢酸ビニル残基単位は、15〜80重量%が好ましく、より耐電解液性にも優れることから、20〜50重量%がさらに好ましく、20〜45重量%が特に好ましい。
ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体は、メルトマスフローレート(MFRと記すこともある。)が1〜20000g/10分であることが好ましく、10〜3000g/10分であることがさらに好ましい。
ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体は、例えば、高圧重合法、エマルジョン重合法または溶液重合法により製造されたエチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル残基単位を加水分解し、ビニルアルコール残基単位にケン化することにより得ることができる。この際、例えば、高圧法により製造されたエチレン−酢酸ビニル共重合体を加水分解する方法としては、アルカリ又は酸を触媒として加水分解反応を行う方法を挙げることができ、具体的には良溶媒にエチレン−酢酸ビニル共重合体を溶解させて均一系で反応を行う均一ケン化法、メタノール、エタノールのような貧溶媒中でペレット又は粉体のまま不均一系で反応を行う不均一ケン化法等が挙げられる。また、このようなケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体の具体的商品としては、例えば、「メルセンH 6410M」、「メルセンH 6210M」、「メルセンH H6960」、「メルセンH 3051R」(商品名、東ソー株式会社製)等が挙げられる。
液(B)を構成する場合もある有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤を挙げることができ、これらは単独でもよいし、2種以上でもよい。そして、より塗布性に優れることから、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、塩化メチレンが好ましく、トルエン、キシレン、酢酸エチルがさらに好ましい。
液(B)中のケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体の濃度は、塗布性に優れることから1〜90重量%が好ましく、10〜75重量%がさらに好ましい。
液(B)を製造するには、特に制限は無く公知の方法を用いることができ、例えば、ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体、有機溶剤を室温混合する方法、加熱混合する方法等が挙げられ、溶解が早いことから加熱混合する方法が好ましく用いられる。加熱混合する際の温度は30〜150℃が好ましく、50〜120℃がさらに好ましい。
本発明に用いられる接着剤は、イソシアネート化合物を含む液(A)とケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)からなるものであり、液(A)と液(B)を混合配合することにより接着剤として作用するものであり、その際の配合比は接着剤として作用することが可能であれば如何なるものでもよく、より接着性とポットライフに優れることからイソシアネート化合物を含む液(A)の量は、ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)100重量部に対し、0.01〜150重量部であることが好ましく、0.1〜100重量部であることがさらに好ましく、0.1〜60重量部であることが特に好ましい。
そして、これらを混合配合する際に、特に制限は無く公知の方法を用いることができ、例えば、イソシアネート化合物を含む液(A)とケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)を室温混合する方法、加熱混合する方法等が挙げられ、室温混合する方法が好ましく用いられる。
本発明に用いる有機スズ系触媒(C)は、ウレタン化反応に触媒として通常用いられる化合物であれば特に制限なく使用することができるが、例えば、オクチル酸スズ、モノメチルスズメルカプト酢酸塩、モノブチルスズトリアセテート、モノブチルスズモノオクチレート、モノブチルスズモノアセテート、モノブチルスズマレイン酸塩、モノブチルスズマレイン酸ベンジルエステル塩、モノオクチルスズマレイン酸塩、モノオクチルスズチオジプロピオン酸塩、モノオクチルスズトリス(イソオクチルチオグリコール酸エステル)、モノフェニルスズトリアセテート、ジメチルスズマレイン酸エステル塩、ジメチルスズビス(エチレングリコールモノチオグリコレート)、ジメチルスズビス(メルカプト酢酸)塩、ジメチルスズビス(3−メルカプトプロピオン酸)塩、ジメチルスズビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジブチルスズジメトキサイド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジオレート、ジブチルスズジステアレート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジアセトアセトネート、ジブチルスズジバーサテート、ジブチルスズマレイン酸塩、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジブチルスズマレイン酸エステル塩、ジブチルスズビス(メルカプト酢酸)、ジブチルスズビス(メルカプト酢酸アルキルエステル)塩、ジブチルスズビス(3−メルカプトプロピオン酸アルコキシブチルエステル)塩、ジブチルスズビスオクチルチオグリコールエステル塩、ジブチルスズ(3−メルカプトプロピオン酸)塩、ジオクチルスズマレイン酸塩、ジオクチルスズマレイン酸エステル塩、ジオクチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズオキサイド、ジオクチルスズジクロライド、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズバーサテート、ジオクチルジオクチルスズビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジオクチルスズビス(イソオクチルチオグリコール酸エステル)ジオクチルスズビス(3−メルカプトプロピオン酸)等のアシレート化合物、メルカプトカルボン酸塩などを挙げることができる。
有機スズ系触媒の具体的商品としては、例えば、「SCAT−47」、「STANN DOTO」、「STANN ODC」、「ネオスタンS−1」、「ネオスタンU−800P」、「ネオスタンU−810」、「ネオスタンU−820」、「ネオスタンU−830」、「SCAT−1W」、「SCAT−27」、「SCAT−28A」、「SCAT−2L」、「SCAT−31A」、「SCAT−8B」、「STANN BO」、「ネオスタンU−100」、「ネオスタンU−130」、「ネオスタンU−200」、「ネオスタンU−220H」、「ネオスタンU−280」、「ネオスタンU−303」、「ネオスタンU−340A」、「ネオスタンU−700」、「ネオスタンU−700ES」、「ネオスタンU−870」、「STANN OR−1」、「SCAT−24」、「STANN MBTO」(商品名、日東化成株式会社製)等が挙げられる。
これらの中でも、低温エージング性と安全性に優れることから、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズバーサテート等のジオクチルスズ化合物が好ましい。有機スズ系触媒(C)は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
有機スズ系触媒(C)の配合量としては、得られる2液性ポリウレタン系接着剤の速乾性が向上することから、2液性ポリウレタン系接着剤100重量部に対して0.1〜1,000ppm添加することが好ましく、1〜750ppmがさらに好ましく、5〜500ppmが特に好ましい。また、有機スズ系触媒(C)の添加方法としては、イソシアネート化合物を含む液(A)とケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)を混合配合する際に添加すればよい。そして、より簡便な取り扱いが可能となることから、該ウレタン化反応触媒は、イソシアネート化合物を含む液(A)及び/又はケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)に含まれることが好ましい。
有機スズ系触媒(C)は、均一分散性、作業性等の観点から、液状であることが望ましく、有機溶剤等で希釈した溶液が好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、塩化メチレン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等を挙げることができ、これらは単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明に用いる有機金属化合物(D)は、Zr、Ti、Alのいずれかの元素を含む有機金属化合物であればいずれでも構わないが、例えば、Zr、Ti、Alのいずれかの元素を含むアルコキシド化合物またはキレート化合物であることが好ましい。
アルコキシド化合物としては、例えば、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラn−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンt−ブトキシド、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムn−テトラブトキシド、ジルコニウムテトラt−ブトキシド、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリn−プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリn−ブトキシド、アルミニウムトリs−ブトキシド、アルミニウムトリt−ブトキシドなどが挙げられる。
キレート化合物としては、例えば、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムジイソプロポキシアルミニウムモノオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムビスオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノオレエートモノエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノラウリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノステアリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノイソステアリルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノ−N−ラウロイル−β−アラネートモノラウリルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(イソブチルアセトアセテート)キレート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(2−エチルヘキシルアセトアセテート)キレート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(ドデシルアセトアセテート)キレート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(オレイルアセトアセテート)キレート等などのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。このような有機金属化合物の具体的な商品として、例えば、「オルガチックスTA−10」、「オルガチックスTA−25」、「オルガチックスTA−22」、「オルガチックスTA−30」、「オルガチックスTC−100」、「オルガチックスTC−401」、「オルガチックスTC−750」、「オルガチックスすZA−45」、「オルガチックスZA−65」、「オルガチックスZA−150」、「オルガチックスZC−540」、「オルガチックスZC−700」(商品名、マツモトファインケミカル製)、「K−KAT4205」、「K−KAT5218」(商品名、キングインダストリーズ製)等を挙げることができる。
これらの中でも、接着性に優れることから、テトラオクチルチタネート等のチタンアルコキシド化合物、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシド化合物、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム等のジルコニウムキレート化合物が好ましい。中でも、接着性とポットライフに優れることから、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム等のジルコニウムキレート化合物が特に好ましい。
有機金属化合物(D)は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
有機金属化合物(D)の配合量としては、得られる2液性ポリウレタン系接着剤の接着性が向上することから、2液性ポリウレタン系接着剤100重量部に対して0.1〜10,000ppm添加することが好ましく、1〜1000ppmがさらに好ましく、5〜500ppmが特に好ましい。また、有機金属化合物(C)の添加方法としては、イソシアネート化合物を含む液(A)とケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)を混合配合する際に添加すればよい。そして、より簡便な取り扱いが可能となることから、該ウレタン化反応触媒は、イソシアネート化合物を含む液(A)及び/又はケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)に含まれることが好ましい。
有機金属化合物(D)は、均一分散性、作業性等の観点から、液状であることが望ましく、有機溶剤等で希釈した溶液が好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、塩化メチレン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等を挙げることができ、これらは単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明の2液性ポリウレタン系接着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤を含有していても良い。各種添加剤としては、例えば、染料、有機顔料、無機顔料、無機補強剤、可塑剤、アクリル加工助剤等の加工助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、ワックス、結晶核剤、可塑剤、離型剤、加水分解防止剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、防徽剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、無機充填材、有機充填材等を挙げることができる。
本発明の2液性ポリウレタン系接着剤は、各種フィルム、シート、成形体、発泡体のラミネート接着等の接着に有用であり、特にラミネート用接着剤に好ましい。
本発明の2液性ポリウレタン系接着剤は、例えば樹脂フィルム、発泡体、布、不織布、合成繊維、合成皮革、皮革、金属、金属酸化物、ゴム、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紙、木材、ガラス、石材、陶器、磁器からなる群から選ばれる基材層を貼り合わせることにより積層体を構成することが可能であり、中でも、利用範囲の広い積層体が得られることから樹脂フィルムとの積層体が好ましい。
樹脂フィルムとしては、例えばポリテトラフルオロエチレン、4−フッ化エチレン−パークロロアルコキシ共重合体、4−フッ化エチレン−6−フッ化プロピレン共重合体、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、及びポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム;ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエチレン系樹脂ケン化物フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム等の樹脂フィルム等を挙げることができる。そして、中でも耐熱性、耐久性に優れることからポリエステルフィルム、フッ素樹脂フィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフッ化ビニル樹脂フィルムが好ましい。
また、樹脂フィルムは、表面にシリコン処理、アクリル樹脂等のハードコート処理、易接着処理を施したり、アルミニウム、酸化アルミニウム及び/または酸化ケイ素等の金属及び/または金属酸化物の蒸着処理を行っても良い。金属としては、例えばアルミニウム、銅、ステンレス等の金属箔、金属フィルム、金属シート等の各種フィルム、必要に応じてこれら金属素材上にポリマーコーティングを施したもの、無機コーティングを施したものを例示することができる。
発泡体としては、例えばポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリウレタン発泡体等を挙げることができる。
本発明の2液性ポリウレタン系接着剤を用い積層体を製造する際には、例えば多層ドライラミネート成形法を挙げることができる。積層体の各層の接着強度を高めることができることから、ドライラミネート法により貼り合せて積層体とした後、エージングすることが好ましい。エージング温度としては、接着性、経済性に優れることから、10〜60℃が好ましく、10〜45℃が特に好ましい。
本発明の2液性ポリウレタン系接着は、例えば、レジャーシート、テント、ビニールハウス、ベランダ用シート、雨合羽、雨傘、幌、防水布、自動車用カバーシート、建築用カバーシート、太陽電池用保護シート等屋外環境で使用される屋外用積層体の積層に好適に用いられる。また、バリアフィルム、レトルト等の食品、飲料、医薬品および医薬部外品などの各種の産業分野における包装用積層体の積層にも好適に用いられる。
また、本発明の2液性ポリウレタン系接着剤は、例えばポリエステルフィルム;アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の無機物を蒸着したポリエステルフィルム、フッ素系樹脂フィルム等を接着することにより太陽電池用保護シートとすることが可能である。中でも、ポリエステルフィルムとアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の無機物を蒸着したポリエステルフィルムを本発明の2液性ポリウレタン系接着剤で接着した積層体を含む太陽電池用保護シートが好ましい。
太陽電池用保護シートは、太陽光が入射する太陽電池モジュールの表面の保護に用いる太陽電池用表面保護シート、太陽電池モジュールの裏面の保護に用いる太陽電池用バックシートとして用いることが好ましい。本発明の太陽電池用保護シートを用いた太陽電池モジュールの構成としては、例えば、表面保護シート/封止膜/太陽電池セル/封止膜/バックシート、表面ガラス/封止膜/太陽電池セル/封止膜/バックシート、表面保護シート/封止膜/太陽電池セル/裏面ガラス、表面ガラス/太陽電池セル/封止膜/バックシート等を挙げることができる。
本発明の2液性ポリウレタン系接着剤は、低温エージング性、接着性、ポットライフ性に優れており、様々な分野、特に、太陽電池バックシート等の電子デバイス分野において極めて有用である。
以下に実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明の理解を助けるための例であって本発明はこれらの実施例により何等の制限を受けるものではない。尚、用いた試薬等は断りのない限り市販品を用いた。
(試薬等)
実施例、比較例の中で用いた試薬等は、以下の略号を用いて表す。
<エチレン−酢酸ビニル共重合体>
EVA−1:ウルトラセン(登録商標)0B54F(酢酸ビニル残基単位含量33重量%、MFR=400g/10分)、東ソー株式会社製
EVA−2:ウルトラセン(登録商標)725(酢酸ビニル残基単位含量28重量%、MFR=1000g/10分)、東ソー株式会社製
EVA−3:ウルトラセン(登録商標)760(酢酸ビニル残基単位含量42重量%、MFR=70g/10分)、東ソー株式会社製
<イソシアネート化合物を含む液>
イソシアネート化合物溶液(A1):(商品名)コロネートL(TDI系イソシアネート、イソシアネート含量13.4重量%)、日本ポリウレタン工業株式会社製
イソシアネート化合物溶液(A2):(商品名)コロネートHXR(HDI系イソシアネート、イソシアネート含量21.8wt%)、日本ポリウレタン工業株式会社製
<有機スズ系触媒>
C1:(商品名)ネオスタンU−820(ジオクチルスズジアセテート)、日東化成株式会社製
C2:(商品名)ネオスタンU−810(ジオクチルスズジラウレート)、日東化成株式会社製
<有機金属化合物>
D1:(商品名)オルガチックスZC−150(ジルコニウムテトラアセチルアセトネート)、マツモトファインケミカル株式会社製
D2:(商品名)オルガチックスTA−30(テトラオクチルチタネート)、マツモトファインケミカル株式会社製
D3:アルミニウムイソプロポキシド(一般試薬)、和光純薬株式会社製
<基材>
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム、(商品名)ルミラーX10S(厚み:125μm),東レ株式会社製
(物性試験法)
<接着性>
積層体を25mm幅に切り出して試験片を作製し、引張試験機((商品名)テンシロンRTE−1210、オリエンテック製)を用いて初期接着強度を測定し、接着性の指標とした。
(判定基準)
○:15N/25mm以上の初期接着強度を有する。
△:10N/25mm以上、15N/25mm未満の初期接着強度を有する。
×:初期接着強度が10N/25mm未満である。
<低温エージング性>
積層体を23℃で7日間エージングした後、接着性試験の方法と同様に引張試験を行い、剥離状態よりエージングが終了しているかどうかを目視評価し、低温エージング性の指標とした。
○:界面剥離が生じ、接着剤がべたついておらず、ウレタン反応が完了している。
×:接着剤の凝集剥離が生じべたついており、ウレタン反応が完了していない。
<ポットライフ>
イソシアネート化合物を含む液(A)、ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)、有機スズ系触媒(C)及び有機金属化合物(D)を所定の割合で混合し、ブルックフィールド型粘度計(型式DV−II、Brookfield Engineering Laboratories製)を用いて25℃での粘度を測定し、混合直後の粘度から8時間経過後の粘度上昇率を評価し、ポットライフとした。
粘度上昇率(%)=[(8時間後の粘度)−(混合直後の粘度)]/(混合直後の粘度)×100
(判定基準)
○:粘度上昇率30%未満
△:粘度上昇率30%以上50%未満
×:粘度上昇率50%以上
製造例1<ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(B1)>
2リットルのセパラブルフラスコに、メタノールを1000ml、EVA−1を300g、水酸化ナトリウムを3.8g入れ、50℃で2時間ケン化反応を行った。反応後内容物をろ過し、メタノールで洗浄した後、中和、水洗、真空乾燥してケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAOH−1と記す。)を得た。EVAOH−1は、酢酸ビニル残基単位12.7モル%、ビニルアルコール残基単位1.1モル%、MFR=380g/10分であった。
0.5リットルのセパラブルフラスコに、トルエンを124g、EVAOH−1を41g入れ、撹拌しながら約110℃に加温して1時間かけて溶解し、ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(B1)を得た。
製造例2<ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(B2)>
EVA−2を300g、水酸化ナトリウムを4.7gとした以外は製造例1と同様の方法でEVAOH−2を得た。EVAOH−1は、酢酸ビニル残基単位10.0モル%、ビニルアルコール残基単位1.2モル%、MFR=950g/10分であった。その後、製造例1と同様の方法でEVAOH−1をトルエンに溶解し、ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(B2)を得た。
製造例3<ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(B3)>
EVA−3を300g、水酸化ナトリウムを12.3g、ケン化反応条件を温度40℃、2時間とした以外は製造例1と同様の方法でEVAOH−3を得た。EVAOH−3は、酢酸ビニル残基単位15.3モル%、ビニルアルコール残基単位3.8モル%、MFR=65g/10分であった。その後、製造例1と同様の方法でEVAOH−1をトルエンに溶解し、ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(B3)を得た。
実施例1
ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(B1)を100重量部に、有機スズ系触媒(C1)を100ppm、有機金属化合物(D1)を500ppmの比率で混合し主剤を調整した。その後、主剤100重量部とイソシアネート化合物溶液(A1)を1.0重量部の比率で混合し、2液性ポリウレタン系接着剤を調製した。
スピンコーター((商品名)1H−DX、ミカサ株式会社製)を用いて、得られた2液性ポリウレタン系接着剤を基材であるPETフィルムに塗布し、乾燥機((商品名)SPH−101、エスペック株式会社製)に入れて80℃で1分間乾燥後、もう一方のPETフィルムと貼り合せた。23℃で1週間エージングすることにより評価用の積層体を得た。
得られた積層体を用いて、接着性、低温エージング性、ポットライフの評価を行った。その結果を表1に示す。得られた積層体は、優れた接着性、低温エージング性、ポットライフを示した。
実施例2
ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(B2)を100重量部に、有機スズ系触媒(C1)を300ppm、有機金属化合物(D2)を500ppmの比率で混合し主剤を調整した。その後、主剤100重量部とイソシアネート化合物溶液(A2)を3.0重量部の比率で混合し、2液性ポリウレタン系接着剤を調製した。
得られた接着剤を用いて実施例1と同様の方法で、評価用の積層体を得た。
得られた積層体を用いて、接着性、低温エージング性、ポットライフの評価を行った。その結果を表1に示す。得られた積層体は、優れた接着性、低温エージング性、ポットライフを示した。
実施例3
ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(B3)を100重量部に、有機スズ系触媒(C2)を500ppm、有機金属化合物(D3)を500ppmの比率で混合し主剤を調整した。その後、主剤100重量部とイソシアネート化合物溶液(A1)を5.0重量部の比率で混合し、2液性ポリウレタン系接着剤を調製した。
得られた接着剤を用いて実施例1と同様の方法で、評価用の積層体を得た。
得られた積層体を用いて、接着性、低温エージング性、ポットライフの評価を行った。その結果を表1に示す。得られた積層体は、優れた接着性、低温エージング性、ポットライフを示した。
実施例4
ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(B1)を100重量部に、有機スズ系触媒(C2)を500ppm、有機金属化合物(D1)を1000ppmの比率で混合し主剤を調整した。その後、主剤100重量部とイソシアネート化合物溶液(A2)15.0重量部の比率で混合し、2液性ポリウレタン系接着剤を調製した。
得られた接着剤を用いて実施例1と同様の方法で、評価用の積層体を得た。
得られた積層体を用いて、接着性、低温エージング性、ポットライフの評価を行った。その結果を表1に示す。得られた積層体は、優れた接着性、低温エージング性、ポットライフを示した。
比較例1
ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(B1)を100重量部、イソシアネート化合物溶液(A1)を1.0重量部の比率で混合して2液性ポリウレタン系接着剤を調整した。
得られた接着剤を用いて実施例1と同様の方法で、評価用の積層体を得た。
得られた積層体を用いて、接着性、低温エージング性、ポットライフの評価を行った。その結果を表1に示す。得られた積層体は、接着剤の凝集剥離が生じウレタン化反応が完了しておらず、接着性、低温エージング性に劣るものであった。
比較例2
ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(B1)を100重量部に、有機スズ系触媒(C1)を100ppmの比率で混合し主剤を調整した。その後、主剤100重量部とイソシアネート化合物溶液(A1)1.0重量部の比率で混合し、2液性ポリウレタン系接着剤を調整した。
得られた接着剤を用いて実施例1と同様の方法で、評価用の積層体を得た。
得られた積層体を用いて、接着性、低温エージング性、ポットライフの評価を行った。その結果を表1に示す。得られた積層体は、接着性に劣るものであった。
比較例3
ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(B1)を100重量部に、有機金属化合物(D1)を500ppmの比率で混合し主剤を調整した。その後、主剤100重量部とイソシアネート化合物溶液(A1)1.0重量部の比率で混合し、2液性ポリウレタン系接着剤を調整した。
得られた接着剤を用いて実施例1と同様の方法で、評価用の積層体を得た。
得られた積層体を用いて、接着性、低温エージング性、ポットライフの評価を行った。その結果を表1に示す。得られたポットライフに劣るものであった。
Figure 0006264944
本発明の2液性ポリウレタン系接着剤は、接着性、低温エージング性、ポットライフに優れており、様々な分野、特に、太陽電池バックシート等の電子デバイス分野において極めて有用である。

Claims (8)

  1. イソシアネート化合物を含む液(A)、ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)を含む2液性ポリウレタン系接着剤であって、さらに有機スズ系触媒(C)及びZr、Ti、Alのいずれかの元素を含む有機金属化合物(D)を含むことを特徴とする2液性ポリウレタン系接着剤。
  2. 有機スズ系触媒(C)及び/又はZr、Ti、Alのいずれかの元素を含む有機金属化合物(D)が、イソシアネート化合物を含む液(A)及び/又はケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)に含まれること特徴とする請求項1に記載の2液性ポリウレタン系接着剤。
  3. 有機金属化合物(D)が、Zr、Ti、Alのいずれかの元素を含むアルコキシド化合物またはキレート化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の2液性ポリウレタン系接着剤。
  4. イソシアネート化合物を含む液(A)が、脂肪族イソシアネートのイソシアヌレート変性体を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の2液性ポリウレタン系接着剤。
  5. ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む液(B)が、酢酸ビニル残基単位15〜80重量%を含有するケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の2液性ポリウレタン系接着剤。
  6. ラミネート用接着剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の2液性ポリウレタン系接着剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の2液性ポリウレタン系接着剤により基材が接着されていることを特徴とする積層体。
  8. 請求項7に記載の積層体を含むことを特徴とする太陽電池用保護シート。
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