JP6263514B2 - 水処理方法、及び、水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水処理方法、及び、水処理装置に関する。
従来、湖沼等から採取した原水を精密ろ過膜(MF膜)又は限外ろ過膜(UF膜)で膜処理することにより、上水が得られている。
ところで、湖沼等から採取した原水にはシネドラアクス(Synedra acus)が含有されていることがあるが、シネドラアクスが含有されている原水を精密ろ過膜(MF膜)又は限外ろ過膜(UF膜)で膜処理すると、シネドラアクスによって膜が目詰まりしやすくなるという問題がある。
このような問題から、原水に紫外線を照射することによりシネドラアクスの外殻を破壊し、紫外線が照射された原水に凝集剤を添加することによりシネドラアクスが凝集したフロックを形成し、該フロックを有する原水から加圧浮上法によってフロックを除去し、フロックが除去された原水を膜処理する方法及び装置が提案されている(特許文献1)。
特開平8−99083号公報
しかしながら、特許文献1のような方法及び装置以外には、シネドラアクスを含有する原水を膜処理しても膜が目詰まりし難い方法が十分に検討されておらず、膜の目詰まりを抑制できる、さらなる方法及び装置が望まれうる。
本発明は、上記要望点に鑑み、膜の目詰まりを抑制し得る、水処理方法及び水処理装置を提供することを課題とする。
本発明に係る水処理方法は、シネドラアクスを含有する原水に次亜塩素酸ナトリウムを1回又は複数回添加する添加工程と、
前記次亜塩素酸ナトリウムが添加された前記原水を膜ユニットに供給し該膜ユニットで膜処理する膜処理工程とを備えている。
斯かる水処理方法によれば、前記次亜塩素酸ナトリウムが添加された前記原水を前記膜ユニットに供給して前記膜処理を実施することにより、膜の目詰まりを抑制し得る。
本発明に係る水処理方法では、前記膜ユニットが、精密ろ過膜又は限外ろ過膜を有してもよい。
さらに、本発明に係る水処理方法において、前記添加工程では、前記原水に対する前記次亜塩素酸ナトリウムの添加量を1mg/L以上とし、
前記膜処理工程では、前記添加量が1mg/L以上となった時点から10分以上経過した前記原水を前記膜ユニットに供給して前記膜処理を実施してもよい。
斯かる水処理方法によれば、前記次亜塩素酸ナトリウムの添加量が1mg/L以上となった時点から10分以上経過した前記原水を前記膜ユニットに供給して前記膜処理を実施することにより、膜の目詰まりをより一層抑制し得る。
また、本発明に係る水処理装置は、シネドラアクスを含有する原水に次亜塩素酸ナトリウムを1回又は複数回添加する添加部と、
前記次亜塩素酸ナトリウムが添加された前記原水を膜処理する膜ユニットとを備えている。
本発明によれば、膜の目詰まりを抑制し得る、水処理方法及び水処理装置を提供し得る。
一実施形態に係る水処理装置の概略図。 他実施形態に係る水処理装置の概略図。 他実施形態に係る水処理装置の概略図。 他実施形態に係る水処理装置の概略図。 他実施形態に係る水処理装置の概略図。 槽の平面図(数値は、表1に示す数値に対応し、原水を採取した位置を示す。)。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る水処理方法は、シネドラアクスを含有する原水に次亜塩素酸ナトリウムを1回又は複数回添加する添加工程と、前記次亜塩素酸ナトリウムが添加された前記原水を膜ユニットに供給し該膜ユニットで膜処理する膜処理工程とを備えている。
また、本実施形態に係る水処理方法は、前記膜ユニットの膜を洗浄水によって逆洗する逆洗工程をさらに備えている。
前記膜ユニットは、膜を有する。前記膜としては、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)等が挙げられる。
MF膜、UF膜としては、有機膜、無機膜が挙げられる。
前記有機膜としては、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、セルロース、ポリアミド、ポリビニールアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。前記セルロースとしては、酢酸セルロース等が挙げられる。前記ポリアミドとしては、芳香族ポリアミド等が挙げられる。
前記無機膜としては、セラミック等が挙げられる。
前記添加工程では、前記原水に対する前記次亜塩素酸ナトリウムの添加量を1mg/L以上とし、前記膜処理工程では、前記次亜塩素酸ナトリウムの添加量が1mg/L以上となった時点から10分以上経過した前記原水を前記膜ユニットに供給して前記膜処理を実施することが好ましい。また、前記膜処理工程では、前記次亜塩素酸ナトリウムの添加量が1mg/L以上となった時点から30分以上経過した前記原水を前記膜ユニットに供給して前記膜処理を実施することがより好ましい。
また、本実施形態に係る水処理装置は、シネドラアクスを含有する原水に次亜塩素酸ナトリウムを1回又は複数回添加する添加部と、前記次亜塩素酸ナトリウムが添加された前記原水を膜処理する膜ユニットとを備えている。
本実施形態に係る水処理方法では、水処理装置を用いる。
本実施形態に係る水処理装置は、原水に次亜塩素酸ナトリウムを添加する添加部と、前記供給部で次亜塩素酸ナトリウムが添加された原水を収容する槽と、該槽で収容された原水をMF膜又はUF膜によってろ過することにより透過水を得る膜ユニットとを備えている。前記槽は、原水を10分以上滞留し得る槽であることが好ましく、原水を30分以上滞留し得る槽であることがより好ましい。
具体的には、図1に示すように、前記水処理装置1は、原水を収容する第1槽10と、次亜塩素酸ナトリウムが添加された原水を収容する第2槽20と、原水を第1槽10から第2槽20に移送しつつ次亜塩素酸ナトリウムを添加する添加部たる移送経路50と、該第2槽20で収容された原水をMF膜又はUF膜によってろ過することにより透過水を得る膜ユニット60と、該透過水を収容する第3槽30と、前記膜ユニット60の膜を逆洗するための薬液を貯留する第4槽40とを備えている。
また、前記水処理装置1は、前記薬液と前記透過水とを混合して洗浄水を得、該洗浄水で逆洗するように構成されている。
さらに、前記水処理装置1は、前記第2槽20内の原水を撹拌する撹拌部21をさらに備えている。
前記膜ユニット60は、MF膜又はUF膜を有する浸漬型膜モジュール61と、該浸漬型膜モジュール61及び原水を収容し該浸漬型膜モジュール61を原水に浸漬させる第5槽62と、前記浸漬型膜モジュール61に散気する散気装置63と、第5槽62内の底部に接続され、該第5槽62の原水を水処理装置1外に移送する移送経路65とを有する。
前記散気装置63は、前記浸漬型膜モジュール61に散気するための散気管63aと、該散気管63aに空気を供給するコンプレッサー63bとを有する。
本実施形態に係る水処理方法では、前記移送経路50により第1槽10から第2槽20に原水を移送しつつ、原水に次亜塩素酸ナトリウムAを1回又は複数回添加する(添加工程)。
該原水としては、例えば、湖水(例えば、ダム湖水等)、沼水、河川水などが挙げられる。該原水は、シネドラアクスを1×10cells/mL以上含有し、より具体的には、1×10〜1×10cells/mL含有し、さらに具体的には、1×10〜1×10cells/mL含有する。
なお、原水におけるシネドラアクス濃度は、顕微鏡と細胞計数盤とを用いて測定することができる。
前記原水1Lに添加する次亜塩素酸ナトリウムの量(mg)は、1mg/L以上であることが重要であり、好ましくは、1〜10mg/L、より好ましくは1〜4mg/Lである。
本実施形態に係る水処理方法では、前記膜処理工程の前に、原水に凝集剤Bを添加してもよい。具体的には、前記移送経路50での原水の移送の際に、原水に凝集剤Bを添加してもよい。
シネドラアクスは活性が低下すると凝集剤による凝集性が良好となるので(上記引用文献1参照)、活性が低下したシネドラアクスと、凝集剤とが接触することにより凝集効果を高めることができる。その結果、より一層膜の詰まりを抑制できる。
該凝集剤としては、無機凝集剤や、高分子凝集剤が挙げられる。前記無機凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄等が挙げられる。前記高分子凝集剤としては、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリルアミド部分加水分解物等が挙げられる。
前記原水1Lに添加する凝集剤の量(mg)は、好ましくは1mg/L以上であり、より好ましくは、1〜20mg/L、さらにより好ましくは1〜5mg/Lである。
前記凝集剤Bの添加は、前記次亜塩素酸ナトリウムAの添加の後に実施するのが好ましい。シネドラアクスは活性が低下すると凝集剤による凝集性が良好となるので(上記引用文献1参照)、シネドラアクスの活性を低下させた後に、この原水に凝集剤を添加することによって凝集効果をより一層高めることができる。その結果、より一層膜の詰まりを抑制できる。
次に、本実施形態に係る水処理方法では、次亜塩素酸ナトリウムが添加された原水を膜ユニット60に供給する前に第2槽20に一時的に収容する。これにより、原水を膜ユニット60に供給するまでの、シネドラアクスと次亜塩素酸ナトリウムとの接触時間を長くすることができる。
また、本実施形態に係る水処理方法では、第2槽20に収容される原水を撹拌部21で撹拌する。これにより、次亜塩素酸ナトリウムと原水とが十分に混合され、原水に含まれるシネドラアクスが次亜塩素酸ナトリウムと接触しやすくなる。
そして、本実施形態に係る水処理方法では、前記第2槽20で収容された原水を前記膜ユニット60に移送する。言い換えれば、前記第2槽20で収容された原水を前記第5槽62に移送する。
その後、前記原水を前記膜ユニット60で膜ろ過することにより浄化水たる透過水を得る(前記膜処理工程)。
前記膜処理工程は、前記次亜塩素酸ナトリウムの添加量が1mg/L以上となった時点から10分以上経過した前記原水を前記膜ユニットに供給して前記膜処理を実施することが好ましい。
言い換えれば、本実施形態に係る水処理方法では、前記次亜塩素酸ナトリウムの添加量が1mg/L以上となった時点から前記原水を前記膜ユニット60に供給するまでの時間を10分以上とすることが好ましい。
なお、“原水を膜ユニット60に供給するまで”とは、“原水が膜ユニット60に到達する時(“原水が第5槽62に到達する時”)まで”を意味する。
前記膜処理工程は、前記次亜塩素酸ナトリウムの添加量が1mg/L以上となった時点から30分以上経過した前記原水を前記膜ユニットに供給して前記膜処理を実施することがより好ましい。
本実施形態に係る水処理方法に用いる前記水処理装置1は、原水に次亜塩素酸ナトリウムを供給する地点から膜ユニット60(第5槽62)に到達するまでの時間を10分以上確保させる上において、原水に次亜塩素酸ナトリウムを供給する地点から膜ユニット60(第5槽62)直前までの原水の収容量(L)が、膜ユニット60(第5槽62)に供給する原水の平均流速(L/分)に10分を乗じた量よりも大きくなるように構成されていることが好ましく、膜ユニット60(第5槽62)に供給する原水の平均流速(L/分)に30分を乗じた量よりも大きくなるように構成されていることがより好ましい。
また、前記水処理装置1は、膜ユニット60に供給する原水の流速に時間変動が生じるような場合において、原水に次亜塩素酸ナトリウムを供給する地点から膜ユニット60(第5槽62)直前までの原水の収容量(L)が、膜ユニット60(第5槽62)に供給する原水の最大流速(L/分)に10分を乗じた量よりも大きくなるように構成されていることがより好ましく、膜ユニット60(第5槽62)に供給する原水の最大流速(L/分)に30分を乗じた量よりも大きくなるように構成されていることがさらにより好ましい。
また、前記膜処理工程で膜を透過させる水の流束は、0.8〜5.0m/dが好ましい。前記膜が有機膜である場合には、前記流束は、0.8〜1.5m/dが好ましく、0.8〜1.0m/dがより好ましい。前記膜が無機膜である場合には、前記流束は、2.0〜5.0m/dが好ましい。
さらに、前記膜処理工程では、第2槽20での原水の平均滞留時間が10分以上であることが好ましく、30分以上であることがより好ましい。また、第2槽20で貯留する原水の最小の量が、前記膜ユニット60の膜を透過させる水の最大流束に10分を乗じた水の量よりも大きいことが好ましく、前記膜ユニット60の膜を透過させる水の最大流束に30分を乗じた水の量よりも大きいことが好ましい。
さらに、前記膜処理工程では、前記膜処理をしつつ、浸漬型膜モジュール61に空気を供給することにより浸漬型膜モジュール61の膜表面に付着した付着物を剥離してもよい。
前記空気の供給は、前記散気装置63によって行う。具体的には、コンプレッサー63bにより散気管63aを介して空気を浸漬型膜モジュール61に供給する。
前記逆洗工程では、前記透過水と前記薬液とを混合して洗浄水を得、該洗浄水で膜ユニットの膜を逆浄する。
前記薬液に含まれる洗浄剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、硫酸、クエン酸、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
洗浄剤として次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合には、洗浄水における次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、1〜5mg/Lが好ましい。
本実施形態に係る水処理方法は、上記のように構成されているので、以下の利点を有するものである。
即ち、本実施形態に係る水処理方法は、シネドラアクスを含有する原水に次亜塩素酸ナトリウムAを1回又は複数回添加する添加工程と、前記次亜塩素酸ナトリウムAが添加された前記原水を膜ユニット60に供給し該膜ユニット60で膜処理する膜処理工程とを備えている。
斯かる水処理方法によれば、前記次亜塩素酸ナトリウムが添加された前記原水を前記膜ユニット60に供給して前記膜処理を実施することにより、膜の目詰まりを抑制し得る。
斯かる水処理方法のように、原水と次亜塩素酸ナトリウムとを接触させると膜が目詰まりし難くなるのは、シネドラアクスが次亜塩素酸ナトリウムと接触することによりシネドラアクスの活性が低下することによるものと考えられる。シネドラアクスの活性を低下させることが膜の目詰まりの抑制に具体的にどのように作用しているかまでは十分に解明できていないが、シネドラアクスの活性を低下させることによりシネドラアクスから代謝物質(粘性物質)が分泌され難くなり、その結果、膜表面にシネドラアクスが固着し難くなることが要因のひとつとして考えられる。
また、本実施形態に係る水処理方法では、前記膜ユニットは、精密ろ過膜又は限外ろ過膜を有する。
斯かる水処理方法は、精密ろ過膜又は限外ろ過膜を用いる態様において好適に用いられる。
さらに、本実施形態に係る水処理方法は、前記添加工程で、前記原水に対する前記次亜塩素酸ナトリウムAの添加量を1mg/L以上とし、前記膜処理工程で、前記添加量が1mg/L以上となった時点から10分以上経過した前記原水を前記膜ユニット60に供給して前記膜処理を実施する。
斯かる水処理方法によれば、前記次亜塩素酸ナトリウムの添加量が1mg/L以上となった時点から10分以上経過した前記原水を前記膜ユニット60に供給して前記膜処理を実施することにより、膜の目詰まりをより一層抑制し得る。
斯かる水処理方法のように、原水と次亜塩素酸ナトリウムとの接触時間が長いと膜が目詰まりし難くなるのは、シネドラアクスが次亜塩素酸ナトリウムと長時間接触することによりシネドラアクスの活性が低下することによるものと考えられる。シネドラアクスの活性を十分に低下させることによりシネドラアクスから代謝物質(粘性物質)が分泌され難くなり、その結果、膜表面にシネドラアクスがより一層固着し難くなることが要因のひとつとして考えられる。
なお、本発明に係る水処理方法は、上記実施形態に限定されるものではない。また、本発明に係る水処理方法は、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明に係る水処理方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
すなわち、本実施形態に係る水処理方法及び水処理装置では、膜が浸漬されるタイプの膜ユニット60を用いるが、本発明に係る水処理方法では、膜が浸漬されるタイプ以外の膜ユニットを用いてもよい。すなわち、図2に示すように、本発明に係る水処理方法及び水処理装置1では、MF膜又はUF膜の膜71と、該膜を収容する筐体72とを備える膜ユニット70を用いる態様であってもよい。
この場合は、“原水を膜ユニット70に供給するまで”とは、“原水が膜ユニット70に到達する時(“原水が筐体71に到達する時”)まで”を意味する。
また、本実施形態に係る水処理方法及び水処理装置では、移送経路50で原水に次亜塩素酸ナトリウムAを添加するが、図3に示すように、本発明に係る水処理方法及び水処理装置1では、第1槽10で原水に次亜塩素酸ナトリウムAを添加してもよい。この場合、前記水処理装置1は、前記第1槽10内の原水を撹拌する撹拌部11をさらに備えている。
さらに、本実施形態に係る水処理方法及び水処理装置では、移送経路50で原水に凝集剤Bを添加するが、図4に示すように、本発明に係る水処理方法及び水処理装置1では、次亜塩素酸ナトリウムが添加された原水を第2槽20で所定時間(例えば、10分以上)滞留させた後(次亜塩素酸ナトリウムとシネドラアクスとを第2槽20で所定時間接触させた後)、第2槽20で原水に凝集剤Bを添加してもよい。この場合、凝集剤Bの添加後に、第2槽20内を撹拌し、第2槽20でシネドラアクスを添加剤Bで凝集させる。
シネドラアクスは活性が低下すると凝集剤による凝集性が良好となるので(上記引用文献1参照)、シネドラアクスの活性を低下させた後に、この原水に凝集剤を添加することにより凝集効果を高めることができる。その結果、より一層膜の詰まりを抑制できる。よって、この実施形態のように、次亜塩素酸ナトリウムが添加された原水を第2槽20で所定時間滞留させた後(次亜塩素酸ナトリウムとシネドラアクスとを第2槽20で所定時間接触させた後)、第2槽20で凝集剤Bを添加することにより、シネドラアクスを十分に凝集させることができ、膜の目詰まりをより一層抑制することができる。次亜塩素酸ナトリウムと原水を接触させる際、撹拌を行っても良い。
本実施形態においては、前記次亜塩素酸ナトリウムの添加量が1mg/L以上となった時点から10分以上経過した前記原水に添加剤Bを添加するのが好ましい。
また、図5に示すように、他の実施形態に係る水処理装置1は、第2槽20とは別に、原水に添加剤Bを添加する槽80を備えてもよい。前記第2槽20を用いて原水と次亜塩素酸ナトリウムAとを所定時間(例えば、10分以上)接触させた後、槽80で原水に凝集剤Bを添加し、槽80内を撹拌し、槽80でシネドラアクスを添加剤Bで凝集させてもよい。この場合、前記水処理装置1は、前記槽80内の原水を撹拌する撹拌部81をさらに備えている。また、前記第1槽10が前記第2槽20を兼ねてもよい。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
(原水の作製)
ダム湖から採取した水1mと、培養したシネドラアクスを含有する水(シネドラアクス濃度:約1×10個/mL)10Lとを槽(正面視:台形状、側面視:台形状、平面視:長方形状、底面視:長方形状)(上部開口部:124cm(縦)×148cm(横))(底面部:112cm(縦)×138cm(横))(高さ:64cm)に入れ、ポンプ2台を用いて混合することにより、シネドラアクス約1×10個/mLを含有する原水を作製した。
そして、図6と表1とに示す槽内の位置から原水を採取し、顕微鏡と細胞計数盤とを用いて各位置における原水のシネドラアクス濃度を測定した。なお、原水の採取は、原水の調整直後、及び、調整後11.5時間経過時に行った。
結果を下記表1に示す。
Figure 0006263514
表1に示すように、槽内における原水のシネドラアクス濃度が均一となっていることが確認できた。
(実施例1)
図1に示す水処理装置を用い、表2に示す条件で上記原水から透過水を1.0日間得た。
また、膜間差圧を4秒ごとに測定し、膜間差圧上昇速度を算出した。結果を表2に示す。
なお、膜間差圧上昇速度は、膜処理終了時の膜間差圧から膜処理開始時の膜間差圧を引き、その値を膜処理時間で割った値を意味する。
また、表2の接触時間とは、“原水に次亜塩素酸ナトリウムを1mg/L以上添加した時”から、“原水が膜ユニット60に到達する時”(“原水が第5槽62に到達する時”)までの時間を意味する。
また、第2槽の仕様は以下の通りである。
寸法:200mm(縦)×200mm(横)×400mm(高さ)(有効高さ:325mm)
容量:14L
さらに、膜ユニットの仕様は以下の通りである。
膜ユニットの槽(第5槽):1.2m(縦)×1.2m(横)×1.9m(高さ)
浸漬型膜モジュールの寸法:φ38mm×550mm
浸漬型膜モジュールの膜面積:0.62m
浸漬型膜モジュールの膜の材質:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
(実施例2)
第2槽を除いた水処理装置を用い、表2に示す条件で水処理したこと以外は、実施例1と同様にして原水から透過水を1.0日間得た。また、膜間差圧を4秒ごとに測定し、膜間差圧上昇速度を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0006263514
表2に示すように、実施例1の水処理方法は、実施例2の水処理方法に比べて、膜間差圧上昇速度が小さかった。
よって、シネドラアクスと次亜塩素酸ナトリウムとの接触時間を長くすれば、膜の目詰まりをより一層抑制し得ることがわかる。
(試験例)
上記原水(シネドラアクス濃度:約1×10個/mL)に次亜塩素酸ナトリウムを有効塩素濃度1mg/Lで添加し、該添加前、並びに、該添加から5分後、10分後、15分後、及び、30分後のシネドラアクスの活性の状態を、蛍光顕微鏡を用いてG励起法で観察した。
G励起法によれば、活性がある部分には赤い発色が見られる。シネドラアクスの活性の状態を以下の基準で0〜3段階で評価した。
評価0:ほとんどの部分が赤く発色した。
評価1:発色していない部分があったが、ある程度の領域が赤く発色した。
評価2:極一部のみが赤く発色した。
評価3:赤い発色が確認されなかった。
<結果>
添加前:評価0
添加5分後:評価1
添加10分後:評価2
添加15分後:評価3
添加30分後:評価3
上記試験例の結果から、シネドラアクスと次亜塩素酸ナトリウムとの接触時間が長くなるに従い、シネドラアクスの活性が低下することがわかる。
原水と次亜塩素酸ナトリウムとを接触させると膜が目詰まりし難くなるのは、シネドラアクスが次亜塩素酸ナトリウムと接触することによりシネドラアクスの活性が低下することによるものと考えられる。
また、上記試験例の結果から、シネドラアクスを次亜塩素酸ナトリウムと長時間接触させることでシネドラアクスの活性を顕著に低下させることができることがわかる。
さらに、上記試験例の結果から、シネドラアクスと次亜塩素酸ナトリウムとの接触時間は、10分以上が好ましく、15分以上が特に好ましいことがわかる。
なお、上記実施例においては、次亜塩素酸ナトリウムと凝集剤とをほぼ同時に原水に添加しているが、本発明においては、次亜塩素酸ナトリウムを原水に添加して、所定時間(例えば、10分)経過後に凝集剤を添加することが好ましい。シネドラアクスは活性が低下すると凝集剤による凝集性が良好となるので(上記引用文献1参照)、シネドラアクスの活性を低下させた後に、この原水に凝集剤を添加することにより凝集効果を高めることができる。その結果、より一層膜の詰まりを抑制できる。
A:次亜塩素酸ナトリウム、B:凝集剤、
1:水処理装置、10:第1槽、11:撹拌部、20:第2槽、21:撹拌部、30:第3槽、40:第4槽、50:移送経路、60:膜ユニット、61:浸漬型膜モジュール、62:第5槽、63:散気装置、63a:散気管、63b:コンプレッサー、65:移送経路、70:膜ユニット、71:膜、72:筐体、80:槽、81:撹拌部

Claims (3)

  1. 水処理方法であって、
    シネドラアクスを1×10 〜1×10 cells/mL含有する原水に次亜塩素酸ナトリウム及び凝集剤を添加する添加工程を備え、
    前記原水が、湖水、沼水、および、河川水からなる群より選ばれた1種以上の水を含み、
    前記次亜塩素酸ナトリウム及び前記凝集剤が添加された前記原水を膜ユニットに供給し該膜ユニットで膜処理する膜処理工程を更に備えており、
    前記添加工程では、前記原水に前記次亜塩素酸ナトリウムを1回又は複数回添加し、前記原水に対する前記次亜塩素酸ナトリウムの添加量を1mg/L以上とし、
    前記膜処理工程では、前記次亜塩素酸ナトリウムの添加量が1mg/L以上となった時点から10〜31分経過した前記原水を前記膜ユニットに供給して前記膜処理を実施する、水処理方法。
  2. 前記膜ユニットが、精密ろ過膜又は限外ろ過膜を有する、請求項1記載の水処理方法。
  3. 水処理装置であって、
    シネドラアクスを1×10 〜1×10 cells/mL含有する原水に次亜塩素酸ナトリウム及び凝集剤を添加する添加部を備え、
    前記原水が、湖水、沼水、および、河川水からなる群より選ばれた1種以上の水を含み、
    前記次亜塩素酸ナトリウム及び前記凝集剤が添加された前記原水を膜処理する膜ユニットを更に備えており、
    前記添加部は、前記原水に前記次亜塩素酸ナトリウムを1回又は複数回添加し、前記原水に対して前記次亜塩素酸ナトリウムを1mg/L以上添加する添加部であり、
    前記膜ユニットは、前記次亜塩素酸ナトリウムの添加量が1mg/L以上となった時点から10〜31分経過した前記原水を膜処理する膜ユニットである、水処理装置。
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