JP6261752B2 - 給電用接続板 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、研究、医療、工業分野に用いられる加速器等における電磁石において、給電に用いる接続板に関するものである。
従来の加速器では、電磁石の種類別に電源と接続するため、加速器の周囲に種類別にケーブルを敷設しており、例えば電源と偏向電磁石を並列して接続していたため、偏向電磁石の数に比例するケーブル数が必要で、全体として多量のケーブルを使用しなければならなかった。また、従来、加速器等の電磁石同士を直列的に接続するため、電源ケーブルを使用しているものがあった。また、上記いずれの例においても、電源と電磁石との接続にはケーブルが用いられていた。(例えば、特許文献1、2参照)
特開平7−176400号公報(図3) 特開2000−340400号公報(図1)
従来の電磁石の接続の際には、以上のように構成されているので、現地で電磁石へ電源ケーブルを接続する作業の際、特に大電流を必要とする大型電磁石の場合には、大口径の電源ケーブルを多数敷設する必要があり、敷設時における接続作業が煩雑となり、大口径の電源ケーブルは曲げ難いなど取り扱いが容易でない点もあり、作業負荷も非常に大きく、非効率的であり、また非経済的であるなどの問題点があった。
また、電源ケーブルは地面上に敷設されるために設置場所が制約されることや、他の機器の配線や冷房設備の配管との干渉を避けるために、設置ルートの制約が大きいなどの問題点があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の電磁石への接続に際して、複数の接続板を用いて前記複数の電磁石に給電することにより、現地工事の省力化、据付スペースの有効活用を実現する接続板を提供することを目的としている。
ここで接続板とは、加速器に用いられる電磁石と電磁石の間を電気的に接続する板のことで、材質には導電性に優れた金属(例えば銅)を使用するものである。
本発明に係る給電用接続板は、
環状に配置された複数の電磁石の外周位置に、径方向に2枚が間隔を置いて一組として、長手方向に複数組並べて配置された給電用接続板であって、
前記一組の接続板の内の1枚と、隣接する別組の接続板の内の1枚とが接続板の長手方向の端で接続されるとともに、
前記一組の接続板の1枚の一端と前記別組の接続板の1枚の一端とが、ともに前記一組の接続板の他の1枚とは離隔するように前記径方向に折り曲げられ、この折り曲げた部分で前記一組の接続板の1枚と前記別組の接続板の1枚とを直列に接続して前記複数の電磁石へ給電するものである。
粒子線を加速する加速器等の電磁石と電源とを接続する際に、複数の接続板を使用する場合において、導電性の接続板を直列的に接続することにより、ケーブルを使用した場合に比較して、接続作業の作業負荷の軽減を図ることができ、効率的に接続作業を行える。また、少ない設置面積で接続することができるため、設置のための費用を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る接続板を含んだ加速器システムの一例を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る接続板を含んだ加速器の一例を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る接続板の接続方法を説明するための図である。 図2のA部(接続エリア)拡大図である。 図4のCC断面を示す図である。 図4のD矢視を示す図である。 本発明の実施の形態1による偏向電磁石接続部の一部拡大図である。 本発明の実施の形態1による接続板とケーブルとの取合い接続部の一部拡大図である。 本発明の実施の形態1に係る接続板により電磁石に印加される電流パターンの一例を示す図である。 ケーブルを用いた場合の、加速器における電源と偏向電磁石間の一般的な接続方法を示す概念図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態1による加速器であるシンクロトロン1が用いられている装置、例えば粒子線治療装置など、の平面図を示す。入射器100のイオン源で発生した水素イオン(陽子)、あるいは炭素イオンの集合である粒子線は、入射器100の直線加速器によって所定のエネルギーまで予備的に加速される。予備的に加速された粒子線は入射器から出射され、各種の電磁石によって偏向、収束と発散、軌道補正を受けながらシンクロトロン1へと導かれる。シンクロトロン1は、粒子線が、加速器であるシンクロトロン1内で周回軌道を周回するように、偏向電磁石2、軌道補正用電磁石3、収束または発散用電磁石4などの各種の電磁石を備えており、高周波加速空洞5が形成する加速電界を繰り返し受ける。この場合、粒子線は高周波加速空洞5の加速電界によって繰り返し加速されるため、その運動エネルギーが加速とともに高くなる。運動エネルギーが高くなるにつれ、粒子線の偏向などに必要な磁場強度が変化するため、シンクロトロン1を構成する各種の電磁石2〜4、および高周波加速空洞5に加速電界を与えるための高周波源などは、時間によって印加する電流などの運転パラメータを変化させて運転、すなわちパターン運転させる必要がある。これらパターン運転させる機器を加速機器群10と以下称する。
シンクロトロン1中の粒子線が設定エネルギーまで到達し、粒子線の取り出しが可能となったタイミングで、加速機器群10を出射運動パターンで運転することにより、出射用電極41によって、粒子線は出射軌道へと導かれる。出射軌道の粒子線は、出射用電磁石42で運動の向きを偏向され、シンクロトロン外の粒子線輸送部43へと送り出される。ここで、出射させる粒子線を出射軌道に導く出射用電極41、および出射軌道から粒子線輸送部43に向けて粒子線の運動の向きを偏向させる出射用電磁石42を出射機器群40と以下称する。これらの出射機器群40は加速機器群10の各機器とは異なり、パターン運転するのではなく、出射させる粒子線のエネルギーに対応した設定値に設定される。
また、粒子線輸送部43に導かれた粒子線は、別の偏向電磁石43a、43bなどにより、走査器50a、線量を計測する線量モニタ50bなどを備えた粒子線治療装置50など、シンクロトロン1外の装置へ誘導され、使用に供される。
図2は、加速器であるシンクロトロン1、およびこれに使用されている各種電磁石2〜4に電流を印加する接続板群20の構成を説明する平面図である。この図において、接続板群20は、シンクロトロン1を環状に構成する各種電磁石の外周を囲うように2枚1組を単位とする複数組で構成された、材質が例えばCuの接続板(ブスバーとも呼ばれる。以下同様)21によって構成され、略八角形の辺状に配置されている。なお、ここでは接続板群20の構成を略八角形の辺の形として説明したが、接続板群が各種電磁石の外周を囲うように構成されていれば、必ずしも八角形状である必要はなく、八角形状以外の多角形の辺状であってもよい。また、図示しないが、各種電磁石冷却用の冷却設備は、上記接続板群20を囲うように、この接続板群20のさらに外周に同様の形状で設置される。
次に上記接続板群20の役割を説明するため、図2を用いて、さらに詳しく説明する。この接続板群20の接続板21は、シンクロトロン1の偏向電磁石2、軌道補正用電磁石3、収束または発散用電磁石4などの各種電磁石に電流を印加するため、電流供給部6の構成要素である電磁石電源7からケーブル8、および取合い接続部9を介して、偏向電磁石2などへ直列に接続されている(なお、電磁石電源は磁石の種類毎に別々に設置されているが、この図では偏向電磁石2へ接続される電磁石電源7を代表して記載し、その他の電磁石電源等については、簡略化するため図示せず)。また、この接続板群20は、組立作業の容易さなどを考慮して2枚1組の複数組の接続板21に分割し接続板の長手方向に直列に並べて構成するようにするため(詳細は後述)、一続きの八角形状の辺の途中に複数箇所の接続のための折り曲げ接続部22、および偏向電磁石との接続部である偏向電磁石接続部23を設けている。さらに、上記接続板21が配置されている経路中において自重により撓まないようにするため、途中、複数箇所で上記接続板21を固定、または支持するため、中間固定板24、挟持板25が複数、設けられている。上述したように図2では簡略化のため、各種電磁石と接続板との接続は、シンクロトロン1の主電磁石である偏向電磁石2との接続のみを図示するものを示した。偏向電磁石2以外の他の電磁石である軌道補正用電磁石3、収束または発散用電磁石4に電源から接続板を用いて電流を供給する場合も、印加電流等の運転パラメータが異なるだけであり、各電磁石電源から複数の各電磁石へ、ケーブルを介して電流を供給する構成は同様である。なお、印加電流等については後ほど詳述する。
次に上記接続板群20の作用機能について、図3を用いて説明する。図3は、シンクロトロン1の電磁石として代表的な電磁石である偏向電磁石2を採り上げ、この電磁石と接続板群20とを接続した場合の概念説明図であり、このような構成にした場合について、以下説明する。図中、電磁石電源7にケーブル8が出口側(例えば右側)に2本、入口側に2本、の計4本接続され、取合い接続部9を介して左右の偏向電磁石2に接続されている。この偏向電磁石2は、図2に示すように計4台で構成されているが、この4台の偏向電磁石の隣接する偏向電磁石同士は、各偏向電磁石の偏向電磁石接続部23で、接続板群20の分割された(1)(2)(3)で示した各接続板により、互いに直列に接続される。従って、接続板21は全部で12個必要なことがわかる。
一方、従来のケーブルを用いた方式では、必要なケーブルの数は電源から取合い接続部9までは上記接続板群を用いた場合と同じ計4本であるが、図10に示すように、取合い接続部9と各偏向電磁石の偏向電磁石接続部23間は、それぞれ4本のケーブルが用いられているため(図中太い曲線部分に(1)〜(4)と記載したのは、これらの部分のケーブルは各1本ずつ配置されているのではなく、各箇所とも計4本のケーブルが使用されていることを示している)、全部で20本となるので本数も接続板に比較して多い。これは、1本のケーブルのみに電流を流すとすると流すべき電流値が大きいため、さらに太いケーブルが必要となり、作業性が非常に悪くなるためである。従って、この図に示すように複数本で構成している。また、偏向電磁石2には1000アンペアオーダーの大電流を流す必要があるため、上記のように、各箇所に4本ずつ計20本のケーブルを配置した場合でも、各ケーブルのサイズ(例えば直径に代表されるサイズ)が上記接続板のサイズより大きくなり、結果としてケーブルの設置に必要な敷地面積比換算で、接続板を使用した場合の2〜3倍となる。逆に言えば、接続板を用いた場合には、接続板を設置するのに必要な敷地面積(接続板だけの設置に必要な面積)は、従来のケーブルを用いた場合の半分以下で済むということになる。
そこで、次に、複数の接続板からなる接続板群20を、各電磁石の周りに、具体的にどのように設置するかについて、上記接続板21、および折り曲げ接続部22の接続部の詳細構造を説明しつつ、図4を用いて説明する。図4は図2のA部(接続エリア)拡大図である。接続板群20は組立作業等の取扱いを容易にするため、複数の接続板に分割して構成されている。図4はこれら複数の接続板を直列に接続する接続エリアの平面構成を示している。図において、2枚の接続板21aと21bが、この接続エリアの右端側に配置された中間固定板24、および左側に配置された挟持板25でそれぞれ、固定、または挟持されるとともに、合わせ板26aを用いて、ねじ締結部27を用いx方向(接続板の長手方向。以下同様)に接続されている。同様に、2つの折り曲げ接続部22aと22bが、この接続エリアの右端側に配置された中間固定板24、および左側に配置された挟持板25でそれぞれ、固定、または挟持されるとともに、合わせ板26bを用いて、ねじ締結部27を用いてx方向に接続されている。なお、合わせ板は構成上、必須の要素ではなく、2枚の接続板を直接重ね合わせて接続してもよい。なおy方向は、シンクロトロン1を構成する各種電磁石の環状設置位置の径方向(以下同様)であり、本図では上側がその内周側に当たる。
このような接続部で接続される接続板が、これら接続部を境として、隣接する2台の偏向電磁石間に3組づつ直列に接されて構成され(隣接する2台の偏向電磁石2c、2d間で分割された接続板を図2中の符号(1)、(2)、(3)として代表的に示す。他の隣接する2台の偏向電磁石間でも同様)、全部で3×4個、すなわち12個の接続板が使用されている。
このように、接続エリアにおいて、S字状に折り曲げた折り曲げ接続部22を接続板の一部に設けたことで、分割された接続板を直列に接続する接続状態を強固なものとし、かつ作業を容易にする狙いがある。なお、2枚の接続板の接続部分のうち、内側の接続部分である折り曲げ接続部22を折り曲げた理由は、2枚の接続板が近接している場合においても、ねじ締結部27による締結作業を容易になしうるようにするためである。
図5は、図4のCC断面を示す図である。厚さh、幅hの隣接する2組のセットである接続板21a、21c(この2組セットで上記各1枚(上記図2の各(1)、(2)、(3)に対応する)の接続板に相当する)が中間固定板(材質:ガラスエポキシ積層板)24により、厚さhの絶縁材で構成される絶縁スペース(材質:ガラスエポキシ積層板)28を隔てて固定されている。この図において、z方向は接続板の幅方向であり、高さ方向に相当する(以下の図でも同様)。接続板の厚さh、幅hは、接続板に流す電流の電流密度の許容値により規定される。また、接続板の長さLは、取り付け時の作業をスムーズに進めるため、重量を適正な範囲に保つ目的もあり、1m〜2m程度(例えば、厚さh=10mm、幅h=125mm)の長さに設定される。このように、接続板の固定に中間固定板を用いた場合には、接続板の下方向(z方向と逆方向で重力方向)への曲げ量を、中間固定板を用いない場合に比較して10分の1程度に抑えることができる。
また、通常、接続板の厚さh、絶縁板の厚さhなどはシンクロトロン1の外周のサイズに比較して0.01以下の無視できる値であり、平面的には、接続板の設置位置は、シンクロトロン1のほぼ外周上にあるとも言える。従って、接続板のサイズ(特に厚さ方向のサイズ(2h+h))に対して外径サイズが2倍以上となるケーブルを設置する場合、特に、ケーブルをシンクロトロン1の各電磁石の外側の地上に設置する必要がある場合には、必要設置面積はさらに大きくなる。言い換えると接続板を用いた場合には、必要な敷地面積はケーブルを用いた場合に比較してケーブルサイズ分、減らすことができる効果がある。
さらに、通常これらの接続板は設置基準面から高さhの位置に設置されるため、接続板(あるいは中間固定板)の下部空間Sが形成されるので、敷地面積に制約がある場合などにおいては特に、ケーブルを使用する場合に比較して下部空間Sが有効利用できる効果(例えば冷却設備配管の設置スペースとして一部を利用できるなど)がある。なお、ケーブルの場合は、通常は設置基準面(例えば地上)に直に設置されるため、上記下部空間Sは無い。
図6は図4のD矢視を示す図である。幅hの接続板21(詳しくは、2枚の接続板21a、21bがねじ締結部27を用いて直列に接続される)は、設置基準面から高さ(設置基準高さ。以下同じ)hの位置に、中間固定板24により固定され、挟持板25に挟持されて設置される。29a、29b、29cは締結用ボルトである。
図7は、図2の偏向電磁石接続部23の一部拡大図であり、偏向電磁石に電流を供給するため、接続板21と偏向電磁石の接続端30の接続状態を模式的に示したものである(実際にはボルトナットを用いてねじ締結している)。通常、偏向電磁石2などの電磁石は、設置基準面から高さhの位置より、接続板21の幅hの距離以上の、さらに高い位置(>h+h)に設置されるため、図に示したように、この部分で接続板はL字形状を有し、上方(図のz方向)に折れ曲がった構造となっている(接続板21d、21e参照)。このような形状とすることにより、偏向電磁石への電流を供給する接続板の接続作業を容易にすることができる。なお、ここでは例として偏向電磁石2を採り上げて説明したが、この電磁石に限らず、軌道補正用電磁石3、または収束または発散用電磁石4などでも同様の議論が成り立つことは言うまでもない。
次に、図2の記号Bで示した取合い接続部エリアの取合い接続部9について説明する。この取合い接続部9は、電磁石電源7から電磁石に電流を供給するためのケーブル8と、以上説明してきた接続板群20とが接続される部分である。この取合い接続部の一部拡大図である、ケーブル8との接続部分の図を図8に示す。この図でケーブル8は電磁石電源7から2本ずつに分かれて(図中の8a、8bおよび8c、8d参照)、ケーブル端で各々、圧着端子31を介して、中間固定板24に固定された2つの接続板21f、21gに接続される(図3の説明参照)。なお、この場合も、設置基準面からの接続板の中間固定板24への取り付け位置(目標設置高さ)はhで、図5〜図7の場合と同様である。
以上図5〜図8に示したように、接続板の中間固定板24への取り付け位置(高さ)は常にhで統一されているため、これを設置する作業において、取り付け作業者が、例えばクレーンなどを用いて所定位置に接続板を取り付ける場合において、作業の標準化も容易であり設置作業の効率を上げることが可能となる。
以上説明したように、少ない設置面積でシンクロトロン1の設備全体を設置するには、従来のケーブルを用いた方式よりも、上記接続板群20を用いた方式がより有利であることがわかる。また、シンクロトロン1を稼働させるためには、電流の供給設備である接続板群20の他に、上述の冷却設備も必要となることから、冷却設備のための敷地もさらに必要となる。このような場合においても、上記下部空間Sの利用などを考慮すると、ケーブル方式より、接続板群20を用いる方式がより有利であることがわかる。
次に、接続板の形状を決める要素の1つである印加電流等の運転パラメータについて、図9を用いて以下説明する。この図は偏向電磁石など、シンクロトロンに用いられる電磁石に流す電流の運転パターンの一例を示す模式図である。偏向電磁石は図2に示したように複数設置されるため、陽子などを加速するに当たっては、これらを同期させて運転する必要がある。そのため、これらの電磁石に印加する電流パターンは図9に示すように、台形状の電流を1サイクルとしてパターン化したものを使用する。
この図において、縦軸は印加する電流値を示し、横軸は経過時間を示す。また、時間軸上tで示した電流が上昇する部分(記号Eで示した部分)の電流値の単位時間当たりの変化量と、時間軸上tで示した電流が下降する部分(記号Gで示した部分)の電流値の単位時間当たりの変化量は同じである。また、記号F1、F2で示した部分(それぞれ時間軸上t、tで示した部分)は電流値が一定の部分であり、F1部分では最大電流値A、F2部分では最小電流値Aにパターン化されている。ここで、F2の部分を設けた理由は、記号Gで示した部分(傾きがマイナスの部分)から、直接記号Eで示した部分(傾きがプラスの部分)に電流値を急激に変化させることは、現実には難しく、F2部分のような電流変化のないフラットな部分を設ける必要があるためである。
以上において、偏向電磁石では、A1は1000Aのオーダの電流値であり、A2は10分の1のオーダの電流値が通常設定される。また、収束または発散用電磁石4などでは、最大電流値A1が1桁程度小さい値となり、最小電流値A2も1/4以下の値に設定されるなど電磁石の種類によって印加電流のパターンは異なるものとなっている。そして、これらの印加電流に対応して決まる単位断面積当たりの許容電流値を1つの基準として、使用する接続板のサイズ、すなわち、h1、h2が決定される。すなわち、最大電流値A 1
許容電流値以下となるように接続板h1、h2のサイズを決定する必要がある。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形省略することが可能である。例えば、以上の説明においては、折り曲げ接続部はシンクロトロンの内周側に位置する場合を例に説明したが、この場合に限らず、折り曲げ接続部はシンクロトロンの外周側に位置する場合でも、同様の効果を奏する。
1 シンクロトロン、2、2a、2b、2c、2d 偏向電磁石、
3 軌道補正用電磁石、4 収束または発散用電磁石、
5 高周波加速空洞、6 電流供給部、7 電磁石電源、8 ケーブル、
9 取合い接続部、20 接続板群、
21、21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g
接続板、22、22a、22b 折り曲げ接続部、
23 偏向電磁石接続部、24 中間固定板、25 挟持板、
26 合わせ板、27 ねじ締結部、30 接続端、A 接続エリア、
B 取合い接続部エリア、h1(接続板の)厚さ、h2(接続板の)幅、
h4 設置基準面からの高さ、L 接続板の長さ、
x 長手方向、y 径方向、z 幅方向。

Claims (3)

  1. 環状に配置された複数の電磁石の外周位置に、径方向に2枚が間隔を置いて一組として、長手方向に複数組並べて配置された給電用接続板であって、
    前記一組の接続板の内の1枚と、隣接する別組の接続板の内の1枚とが接続板の長手方向の端で接続されるとともに、
    前記一組の接続板の1枚の一端と前記別組の接続板の1枚の一端とが、ともに前記一組の接続板の他の1枚とは離隔するように前記径方向に折り曲げられ、この折り曲げた部分で前記一組の接続板の1枚と前記別組の接続板の1枚とを直列に接続して前記複数の電磁石へ給電することを特徴とする給電用接続板。
  2. 前記給電用接続板は、前記一組の接続板の長手方向であって前記直列に接続した部分の反対側に前記一組の接続板を固定する中間固定板を配置し、前記別組の接続板の長手方向であって前記直列に接続した部分の反対側に前記別組の接続板を挟持する挟持板を配置することにより、前記複数の電磁石が設置される設置基準面より高い位置に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の給電用接続板。
  3. 前記給電用接続板は、L字状に折り曲げられた端部を備え、前記端部で各電磁石の接続端である電磁石接続部と接続されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の給電用接続板。
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