JP6260045B2 - 欠陥検査システム、及びマーキング方法 - Google Patents
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Description
(1)微小な欠陥をペン先の細いマーキングペンで欠陥にマークを施すため、マーキングに際して、X方向及びY方向に対するマーキング精度が低い。なお、X方向とは、検査対象の移動方向に対して垂直方向をいい、Y方向とは検査対象の移動方向に対して平行方向をいう。
(2)検査対象の走行速度が検査中に変更される場合、例えば検査中にペンが乾燥しやすいため、例えばペンを交換する場合が生じて検査ラインを一時停止することにより検査対象の走行速度が変化した場合、マーク位置、マーク長にずれが発生してしまう。
図1は、本実施形態の装置構成の一例を示す図である。
欠陥検査システム10は、撮像部2及び検査部3(マーキング目標位置取得装置)、マーキング制御部4(制御装置)、マーキング装置5(マーキング装置)から構成される。
欠陥検査システム10の検査対象である検査対象1(検査対象)は、矢印で示すように、撮像部2側からマーキング装置5側に向かう搬送方向に走行している連続シート状(帯状)のものであり、例えばフィルムである。以下、搬送方向において、撮像部2側を上流側、マーキング装置5側を下流側ともいう。また、図1に示すように、搬送方向をY方向、このY方向と垂直方向、すなわち検査対象1の幅方向をX方向ともいう。
また、マーキング装置5において、マーキング装置51は撮像部2から距離L1の位置に、マーキング装置52は撮像部2から距離L2の位置に、マーキング装置53は撮像部2から距離L3の位置に、マーキング装置54は撮像部2から距離L4の位置に、それぞれ撮像部2からの距離が異なるように配置されている。
図2は、本実施形態のマーキングの処理ステップを示す図である。図3は、欠陥をマーキングする際の所要時間について説明するための図である。
検査部3は、欠陥(他の欠陥と区別するため欠陥No.(N)とする)を撮像部2からの画像信号に基づいて検出し、欠陥中心座標(x(N),y(N))を取得する(ステップS1)。
次に、マーキング制御部4は、検査対象1の走行速度、ヘッドのX方向における現在位置からX方向における目標の位置までの距離に応じたマーカー移動時間などから、マーキング可否を判断する。この判断の際、前提となる条件は下記の(1)〜(3)である。
(1)マーキングぺンを、マーキングぺン81〜83まで順番に選択すること。
(2)検査時の検査対象1の最高速度をS(mm/秒)として判断すること。
(3)マーキングぺン81〜83のうちの一つのマーキングぺンで前回選択した欠陥No.(N−C)が印字済みの場合は、このマーキングぺンを用いてマーキングを行うことは可能であるが、欠陥No.(N−C)が印字前の場合は、マーキング可否の判定を行う。ここで、Cは、駆動マーカーの台数であり、本実施形態において3である。
(a)欠陥No.(N−C)のx座標x(N−C)から欠陥No.(N)のx座標x(N)へのマーカー移動時間。このマーカー移動時間は、マーカーを設置した単軸ロボット(ヘッド61〜63)の走行速度によって求まる。
(b)検査対象1の速度検出時間。この速度検出時間は、所定時間の速度パルス(所定時間のエンコーダパルスの増加量)から速度を検出するための時間である。
(e)その他の時間To。なお、その他の時間とは、例えばマーキングペンが乾燥防止のためキャップを有する構成の場合に、キャップを開いてペン先を出すための時間であり、予め決められた時間を用いることができる。
図3に示すように、マーカー移動時間(上記(a))は、x座標で1000mm移動する場合、単軸ロボットの走行速度より、一例として1秒と求まる。
シートの速度検出時間(上記(b)は、一例として0.2秒である。
マーカーの応答時間Tq(上記(c))、マーカーの応答時間は、最高速度50mm/秒として、オンタイミングでマーキングする場合、タイミング制御は不要となり、一例として0.1秒と求まる。
マーク長の1/2の走行時間(上記(d))は、マーク長さを3mmにしたい場合、3mm×1/2÷50mm/秒=30ms(m秒)と求まる。
その他の時間(上記(e))は、一例として0.2秒である。
一方、マーキング制御部4は、ステップS2においてマーキング不可と判断した場合、
指示を出しているマーカーは欠陥No.(N)に印字できないので、固定マーカーであるマーキングぺン84を選択して、検査対象1の幅方向の端部に印字させる(ステップS3)。
実際の検査対象1の速度は、マーキング可否の判断に用いた最高速度Sより低いので、検査対象1の最高速度S(mm/秒)×M(秒)で求まる距離以上離れた位置における検査対象1の速度(S’とする)を用いて、理論上(S/S’−1)×M秒の時間だけ、マーク信号がONとする時刻からペン先が検査対象に接触する時刻まで時間を伸ばすことにより、オンタイミングでペン先を押し付けることが可能となる。もちろん、検査対象1の速度の検出位置は、上で述べた理論上の位置より上流側であっても構わない。
なお、マーキング制御部4は、検査対象1の任意のy座標における速度を、エンコーダパルスの入力時刻を記憶しておき、(2つのエンコーダパルスが示すy座標の間隔)/(2つのエンコーダパルスの間の時間)により、求めることができる。
図4は、横軸に時間tをとり、縦軸に主要信号のON、OFFの切替りのタイミング、または主要動作の開始時刻及び終了時刻のタイミングを示している。図4における欠陥検出は、検査部3が欠陥を検出した時刻を示している。マーカー移動は、マーキングぺン81〜83のいずれか一つのマーカーが移動を開始した開始時刻と移動を終了した終了時刻を示している。速度検出は、マーキング制御部4が行う検査対象1の速度検出の開始時刻及び終了時刻のタイミングを示している。マーク信号ONは、マーキング制御部4がヘッド61〜63のいずれか一つのヘッドに送るマーク信号のON時刻、OFF時刻を示している。マークは、マーキングぺン81〜83のいずれか一つのマーカーが検査対象1に接触している接触時間(当接時間)の開始時刻及び終了時刻を示している。
なお、時刻T2で始まり時刻T4で終了するマーク信号ON、及び時刻T3で始まり時刻T5で終了するマークは、欠陥No.(N−C)へのマーキングを示している。
欠陥No.(N−C)へのマーキングの予定がない場合は、マーカーを即時に移動させるため、マーカーの移動開始時刻T6は、時刻T1の直後にくる。一方、欠陥No.(N−C)へのマーキングの予定がある場合は、マーク終了時刻T5の後にマーカーを即時に移動させるため、マーカーの移動開始時刻T6は、図4に示すように、時刻T5の直後にくる。
上述したマーキング制御部4が行う検査対象1の速度検出は、時刻T10のマーク信号ONの直前の時刻T8〜時刻T9において行われる。マーク信号ONは、時刻T10からT12までであるが、実際に欠陥No.(N)がマークされる時間は、時刻T11から時刻T13までの時間である。
つまり、マーキング制御部4は、欠陥No.(N)に施したいマーク長(目標値)に応じて、マーク信号をONしている時間(時刻T10〜時刻T12の時間)の長さを制御することにより、検査対象1にマーカーが接触している時間(時刻T11〜時刻T13の時間)を決定している。
欠陥検査システム10のマーキング制御部4が行う、マーカーによるマーキングのタイミング制御により、図5に示すように、欠陥No.(N)(図5において欠陥8で示す)の直上に、幅1mm、長さ3mmの大きさのマーク9が施される。
図6は、検査対象、装置構成、マーキング条件を説明するための図である。また、図7は、マーキングの結果を説明するための図である。
比較例では、図6(a)に示すように、上記説明の検査対象1として、幅700mmの光学フィルムを選択し、検査対象1が図1に示す搬送方向に速度5m/分から17m/分の間で走行しているものとした。
検査装置本体(検査部3及びマーキング制御部4)は、株式会社メック製検査装置(機種名:LSC−6000)を使用した。
マーキング装置5を構成するヘッド及びガイドとしては、可動式ヘッド3式(図1に示すヘッド61〜63、ガイド71〜73に対応する)、固定式ヘッド1式(図1に示すヘッド64及びガイド74に対応する)を用いた。マーカーのマーキング長(目標値)の可変範囲は8mmから50mmまでの間である。
図7においては、検査対象1を速度5m/分で走行させた場合のマーク位置、マーク長、検査対象1を速度5m/分で走行させた場合のマーク位置、マーク長を示している。
ここで、マーク位置は、マーキング信号ONからフィルムにマーカが接触するまでの時間によるフィルムの走行距離を示している。マーク長は、フィルムとマーカの接触時間によるフィルムの走行距離を示している。
マーク長については、フィルムとマーカの接触時間を28msとしたため、ライン速度17m/分の場合、フィルムは7.9mm走行する。一方、ライン速度が5m/分の場合は、フィルムは2.5mm走行する。従って、検査対象1の走行速度が異なる条件での差は、図7に示すように5.5mmとなった。
図8は、本実施形態でのマーキング条件を説明するための図であり、図9は、本実施形態でのマーキングの結果を説明するための図である。
実施例では、比較例と同様に、図6(a)に示す検査対象、図6(b)に示す装置構成を用いた。また、マーキング条件は、図8に示す条件を用いた。比較例と同様に、検査対象1を速度5m/分から17m/分の間で走行させる。マーキング信号ONからフィルム(検査対象1)にマーキングペンのペン先が接触するまでの時間(図4に示す時刻T10から時刻T11までの時間)を調整する。上述の通り、本実施形態では検査対象1の最高速度等を用いて、マーキングの可否を判断し、マーキング可と判断した場合、マーキングの直前で検査対象1の速度に基づいて、調整時間を設ける。
この1.2秒には、マーキングペン及びヘッドが有する装置としての最短応答時間30ms(図6(c)参照)が含まれている。
なお、マーキング信号ONからフィルムにマーカのペン先が接触するまでの時間を調整する際の調整時間の精度は±5msである。
また、マーキング長の目標値を、比較例と同じく8mmとした。
図9においては、図7と同様に、検査対象1を速度5m/分で走行させた場合のマーク位置、マーク長、検査対象1を速度17m/分で走行させた場合のマーク位置、マーク長を示している。
図9に示すように、マーク位置とマーク長には、比較例のときのような走行速度によるズレは発生しなくなった。なお、マーク位置はばらつき量のみを示しているが、中心値は比較例と同じく8mmである。ばらつき量は速度の速い方が調整精度が同じであるので大きくなるが、走行速度が17m/分の場合であっても、マーク長のバラツキ、座標ズレとも±1.5mm以内で、マーキングを行う事ができた。
Claims (2)
- 搬送方向の上流側から下流側に向かって移動する帯状の検査対象にあるマーキング目標の位置を取得するマーキング目標位置取得装置と、
前記検査対象の搬送方向において前記マーキング目標位置取得装置より下流側に設置され、マーキングの指示信号が入力されると、前記マーキング目標に前記検査対象の直上方向からマーキングを施すマーキング装置と、
前記マーキングをする場合に、前記検査対象の前記搬送方向における走行速度に応じたタイミングで前記マーキングの指示信号を出力する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
C(C≧2の整数)をマーキングペンの本数、Noをマーキング目標の選択番号を表わす欠陥番号、Sを検査時の検査対象の最高速度、S’を検査対象の実際の速度、Tmを欠陥No(N−C)から欠陥No(N)までの走行時間、Tnを欠陥No(N)のマーキングをするための所要時間、Mをマーキングペンの最短応答時間としたときに、
C本のマーキングペンを順番に選択し、
前回選択した欠陥No(N−C)が印字前の場合は、Tn>Tmであることで欠陥No(N)をマーキング可と判定し、
欠陥No(N)がS×Mの距離以上マーキングペンの手前に位置したとき、マーキングの指示信号をONとし、この位置でS’を検出し、
当該S’に基づいて、マーキングの指示信号ONから、マーキングペンが検査対象に接触するまでの時間を(S/S’−1)×Mだけ伸ばす
ことを特徴とする欠陥検査システム。 - マーキング目標位置取得装置が搬送方向の上流側から下流側に向かって移動する帯状の検査対象にあるマーキング目標の位置を取得するマーキング目標位置取得工程と、
前記検査対象の搬送方向において前記マーキング目標位置取得装置より下流側に設置されたマーキング装置が、マーキングの指示信号が入力されると、前記マーキング目標に前記検査対象の直上方向からマーキングを施すマーキング工程と、
制御装置が、前記マーキングをする場合に、前記検査対象の前記搬送方向における走行速度に応じたタイミングで前記マーキングの指示信号を出力する制御工程と、
を備え、
前記制御装置は、
C(C≧2の整数)をマーキングペンの本数、Noをマーキング目標の選択番号を表わす欠陥番号、Sを検査時の検査対象の最高速度、S’を検査対象の実際の速度、Tmを欠陥No(N−C)から欠陥No(N)までの走行時間、Tnを欠陥No(N)のマーキングをするための所要時間、Mをマーキングペンの最短応答時間としたときに、
C本のマーキングペンを順番に選択し、
前回選択した欠陥No(N−C)が印字前の場合は、Tn>Tmであることで欠陥No(N)をマーキング可と判定し、
欠陥No(N)がS×Mの距離以上マーキングペンの手前に位置したとき、マーキングの指示信号をONとし、この位置でS’を検出し、
当該S’に基づいて、マーキングの指示信号ONから、マーキングペンが検査対象に接触するまでの時間を(S/S’−1)×Mだけ伸ばす
ことを特徴とするマーキング方法。
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