JP6258720B2 - ハイドライド気相成長装置、およびこれを用いた基板処理方法 - Google Patents
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Description
基板を処理する反応炉と、前記反応炉内に設けられ、金属原料が収容される内部タンクと、前記内部タンクに設けられる第1の供給管と、前記第1の供給管に接続され、前記反応炉外に設けられる、前記内部タンクに前記金属原料を供給する供給部と、を備える、ハイドライド気相成長装置が提供される。
前記供給部は、前記第1の供給管の上流端に接続され、前記金属原料が貯留される外部タンクを備え、前記外部タンクは前記第1の供給管を介して前記内部タンクと連通する、第1の態様のハイドライド気相成長装置が提供される。
前記供給部は、前記外部タンクに設けられる第2の供給管と、前記第2の供給管に接続され、前記外部タンクに前記金属原料を供給する供給源と、前記第2の供給管に設けられるバルブ又は流量制御器と、を備える、第2の態様のハイドライド気相成長装置が提供される。
前記供給部は、前記第1の供給管の上流端に接続され、前記内部タンクに前記金属原料を供給する供給源と、前記第1の供給管に設けられるバルブ又は流量制御器と、を備える、第1の態様のハイドライド気相成長装置が提供される。
前記第1の供給管および前記供給部が、前記金属原料の融点よりも高い温度に保持される、第1〜第4の態様のいずれかのハイドライド気相成長装置が提供される。
前記第1の供給管は、前記第1の供給管の供給口よりも低位置を経由して流れる屈曲部を有する、第1〜第5の態様のいずれかのハイドライド気相成長装置が提供される。
第1〜第6の態様のいずれかのハイドライド気相成長装置を用いた基板処理方法であって、前記供給部から前記内部タンクに前記金属原料を供給しつつ、前記基板を処理する、基板処理方法が提供される。
HVPE装置100は、基板30を処理する反応炉120を備え、反応炉120内には、GaCl等の金属塩化物ガスを生成する内部タンク125が設けられている。原料部ヒータ122aにより加熱される内部タンク125内には、Ga、In、AlなどのIII族の金属原料Mが収容され、内部タンク125には、HClガスなどの塩素系ガスを含む塩素系含有ガスG1を供給する塩素系ガス供給管123が接続されている。塩素系ガス供給管123から内部タンク125内に供給された塩素系ガスと金属原料M(例えばGa)との反応により、内部タンク125内には金属塩化物ガス(例えばGaCl)が生成される。生成された金属塩化物ガスを含む金属塩化物含有ガスG2は、内部タンク125に接続された金属塩化物ガス排出管124から導出され、反応炉120内の成長部ヒータ122bにより加熱される成長部121bに設置された基板30(ウエハ30)へと送られる。また、反応炉120には、V族原料のアンモニアガス(NH3ガス)を含むNH3含有ガスG3を供給するNH3ガス供給管126と、ドーピング原料ガスを含むドーピング原料含有ガスG4を供給するドーピング原料ガス供給管127とが設けられている。基板30へと送られてきた金属塩化物ガス排出管124からの金属塩化物ガスと、NH3ガス供給管126からのNH3ガスとが反応して、基板30に窒化物半導体結晶が成長する。
以下、本発明の一実施形態について説明をする。
図1は、本発明の一実施形態に係るハイドライド気相成長装置1の概略図を示す。
また内部タンク25には、生成された金属塩化物ガスを含む金属塩化物含有ガスG2を導出する金属塩化物ガス排出管24が接続され、金属塩化物ガス排出管24は反応炉20の成長部21bの基板30に向けて配置される。金属塩化物ガス排出管24からは、内部タンク25内で生成した金属塩化物ガスを含む金属塩化物含有ガスG2が導出され、反応炉20の成長部21bの基板30上へ供給される。
このように、外部タンク12によれば、貯留する金属原料Mの液面の高さから、内部タンク25における金属原料Mの液面の高さを把握でき、内部タンク20における金属原料Mの残量を視認できる。また同様に、貯留する金属原料Mの液面の変位分(Δh)から、内部タンク25における金属原料Mの消費量を把握することができる。しかも、外部タンク12は、内部タンク25との間で金属原料Mが流通できるように構成されているため、金属原料Mを外部タンク12に供給することで内部タンク25にも供給することができる。すなわち、外部タンク12によれば、反応炉20の外から内部タンク25の金属原料Mの残量(もしくは消費量)をモニタリングできると共に、モニタリングされた金属原料Mの残量(もしくは消費量)に応じて金属原料Mを適宜供給することができる。
内部タンク25で生成する金属塩化物ガスの濃度(基板30上に供給される金属塩化物ガスの濃度)は、一般に、内部タンク25に供給される塩素系ガスと内部タンク25に収容される金属原料Mとの接触効率(例えば接触面積や接触時間など)により決定される。例えば、ある基板処理により金属原料Mを消費した場合には、次の基板処理では内部タンク25内の金属原料Mの液面が低下しており、金属原料Mの液面上部の空間が前回の基板処理よりも拡大することになる。この空間が拡大するほど、塩素系ガスと金属原料Mとの接触効率が損なわれるため、金属塩化物ガスの生成効率が低下し、その濃度が低下することになる。このように金属塩化物ガスの生成は、金属原料Mの液面の高さによって変動し、不安定である。この生成の不安定性により、基板処理における窒化物半導体結晶の成長速度が低下するばかりか、形成される窒化物半導体結晶の特性が変動する。この傾向は、基板処理の時間や回数が増えるほど金属原料Mの液面の高さが大きく変動するため、顕著となる。
具体的には、基板処理により、窒化物半導体結晶を厚く成長させて窒化物半導体自立基板を製造する場合、1回の基板処理の時間が長く、金属原料Mが大量に消費されるため、金属塩化物ガスの生成効率の低下による影響が生じる。つまり、窒化物半導体結晶を厚く成長させる途中において、金属塩化物ガスの生成効率が徐々に低下するため、所望の膜厚を得ることが困難となるばかりか、厚さ方向で特性がバラつくといったおそれがある。また、基板処理により、基板30上に窒化物半導体結晶を薄く成長させた窒化物半導体ウエハを製造する場合にも、同様に、金属塩化物ガスの生成効率の低下による影響が生じる。この場合では、1回の基板処理での金属原料Mの消費量が少ないため、数回程度の基板処理では金属塩化物ガスの生成効率が低下することはない。しかし、基板処理の回数を例えば数100回以上として窒化物半導体ウエハを量産すると、回数の増加と共に生成効率が低下するため、得られる窒化物半導体ウエハの間で特性にバラつきが生じるといったおそれがある。
次に、上述のハイドライド気相成長装置1を用いた基板処理方法について説明をする。以下の基板処理方法では、基板30としてのサファイア基板上に窒化物半導体層としてのGaN膜を成長させ、窒化物半導体ウエハを製造する場合を例として説明する。
まず、基板30としてのサファイア基板を反応炉20内に搬入し、成長部21bに位置するサセプタ33に載置する。
続いて、原料部ヒータ22aによって反応炉20の原料部21aを加熱すると同時に、成長部ヒータ22bによって反応炉20の成長部21bを加熱する。これにより、原料部21aに位置する内部タンク25に収容される金属原料Mとしてのガリウム(Ga)の温度を100〜900℃として、Gaを溶融状態として、成長部21bに位置するサファイア基板の温度を1000〜1200℃程度とする。原料部21aおよび成長部21bを加熱した状態で、各供給管24,26,27から水素含有ガスを反応炉内20に供給し、サファイア基板の表面をクリーニングする。
続いて、成長部21bの温度を低下させて、基板30としてのサファイア基板上に、例えば厚さ10〜200nm程度のGaNからなるバッファ層(いわゆる低温バッファ層)を形成する。具体的には、成長部21bの温度を400〜600℃に低下させる。そして、塩素系ガス供給管23から、Gaを収容する内部タンク25に、塩素系ガスとして例えばHClガスを供給する。内部タンク25において、HClガスとGaとの反応により、金属塩化物ガスとしての塩化ガリウム(GaCl)ガスを生成させる。生成したGaClガスを金属塩化物ガス排出管24から反応炉20内のサファイア基板上へと供給する。GaClガスの供給と併行して、アンモニアガス(NH3ガス)をNH3ガス供給管26から反応炉20内のサファイア基板上へと供給する。GaClガスとNH3ガスとを反応させることによって、サファイア基板上に、GaNからなる低温バッファ層を形成する。低温バッファ層の厚さが所定の厚さに達したら、HClガスの供給を停止する。
バッファ層形成工程が終了したら、バッファ層上に、窒化物半導体層としてのn型GaN層を形成する。具体的には、バッファ層形成工程が終了した後、成長部21bの温度を再度1000〜1200℃に昇温する。この昇温の際には、低温バッファ層の再蒸発防止のため、NH3ガスの供給は継続する。成長部21bの温度が成長温度に到達したら、再度、塩素系ガス供給管23から内部タンク25へとHClガスを供給し、内部タンク25においてGaClガスの生成を開始する。そして、金属塩化物ガス排出管24から、GaClガスを反応炉20内に供給する。この供給と併行して、NH3ガス供給管26からNH3ガスを、ドーピングガス供給管27からSiなどのn型不純物を含有するドーピング原料含有ガスを、反応炉20内にそれぞれ供給する。これらのガスを反応させることによって、低温バッファ層上に、窒化物半導体層としてのn型GaN層を形成する。n型GaN層の厚さが所定の厚さに達したら、反応炉20内へのガスの供給を停止する。これにより、サファイア基板上にn型GaN層が形成された窒化物半導体ウエハを形成する。
反応炉20内へのGaClガス、NH3ガス、およびドーピング原料含有ガスの供給を停止した後、塩素系ガス供給管23、NH3ガス供給管26およびドーピング原料ガス供給管27の少なくともいずれかから、例えばN2ガス等の不活性ガスの供給を開始する。これにより、反応炉20内をN2ガスによりパージし、反応炉20内に残留している残留ガスや反応生成物を除去する。また、原料部ヒータ22aおよび成長部ヒータ22bによる反応炉20内の加熱を停止し、反応炉20内、および窒化物半導体ウエハを降温させる。
パージ工程が終了し、窒化物半導体ウエハが所定の温度まで降温したら、サセプタ33から窒化物半導体ウエハを取り外し、HVPE装置1から窒化物半導体ウエハを搬出する。これにより、基板処理を終了する。
上述の実施形態では、供給部10が外部タンク12を備える場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、外部タンク12を省略し、内部タンク25に設けられる第1の供給管11の上流端に供給源14を直接設けることもできる。この場合、第1の供給管11にバルブ15又は流量制御器(図示略)を設け、基板処理量や処理時間に応じて金属原料Mを内部タンク25に供給することができる。これにより、反応炉20を分解することなく、金属原料Mを供給できるため、基板処理を連続的に行うことができる。
10 供給部
11 第1の供給管
12 外部タンク
Claims (6)
- 基板を処理する反応炉と、
前記反応炉内に設けられ、金属原料が収容される内部タンクと、
前記内部タンクに設けられる第1の供給管と、
前記第1の供給管に接続され、前記反応炉外に設けられる、前記内部タンクに前記金属原料を供給する供給部と、を備え、
前記第1の供給管は、前記第1の供給管の供給口よりも低位置を経由して流れる屈曲部を有する
ことを特徴とするハイドライド気相成長装置。 - 前記供給部は、
前記第1の供給管の上流端に接続され、前記金属原料が貯留される外部タンクを備え、
前記外部タンクは前記第1の供給管を介して前記内部タンクと連通する
ことを特徴とする請求項1に記載のハイドライド気相成長装置。 - 前記供給部は、
前記外部タンクに設けられる第2の供給管と、
前記第2の供給管に接続され、前記外部タンクに前記金属原料を供給する供給源と、
前記第2の供給管に設けられるバルブ又は流量制御器と、を備える
ことを特徴とする請求項2に記載のハイドライド気相成長装置。 - 前記供給部は、
前記第1の供給管の上流端に接続され、前記内部タンクに前記金属原料を供給する供給源と、
前記第1の供給管に設けられるバルブ又は流量制御器と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のハイドライド気相成長装置。 - 前記第1の供給管および前記供給部が、前記金属原料の融点よりも高い温度に保持される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハイドライド気相成長装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のハイドライド気相成長装置を用いた基板処理方法であって、
前記供給部から前記内部タンクに前記金属原料を供給しつつ、前記基板を処理する
ことを特徴とする基板処理方法。
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