JP6258027B2 - 缶体の製造方法 - Google Patents
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Description
図1は本発明の一実施形態に係るエキスパンド成形装置1の構成を示す斜視図、図2はエキスパンド成形装置1の構成を示す斜視図、図3はエキスパンド成形装置1の要部構成、具体的には割型21の構成及び缶胴100の構成であって、エキスパンド成形前の状態を示す断面図、図4は割型21の構成及び缶胴100の構成であって、エキスパンド成形後の状態を示す断面図、図5は割型21の構成及び缶胴100の構成であって、エキスパンド成形前の状態を拡大して示す断面図、図6は割型21の構成及び缶胴100の構成であって、エキスパンド成形後の状態を拡大して示す断面図である。
0.6≦L2/L1≦1.8
に形成されている。
まず、長方形状の鋼板に防食処理を施す。具体的には、缶胴100としたときに内面となる面に、熱可塑性樹脂皮膜を形成する。次に、防食処理が施された長方形状の鋼板を円筒状に変形させる。次に、鋼板の端部同士をわずかに重ね合わせてその重合部を電気抵抗溶接等によって溶接し、円筒状の缶胴100を形成する。なお、この溶接によって、缶胴100には、図5及び図6に示すようなその厚さよりも若干厚い溶接部101が形成される。
次に、このように構成されたエキスパンド成形によって成形された缶胴100に対する評価方法の一である第1の評価試験について以下に説明する。第1の評価試験は、本実施の形態のエキスパンド成形装置1を用いたエキスパンド成形方法により形成した缶胴100を実施例とし、当該実施例と以下に示す従来例のエキスパンド成形装置を用いたエキスパンド成形方法により形成した缶胴である比較例と比較を行う。
実施例に用いるエキスパンド成形装置1は、可動型11として、割型21を12個用い、割型21の面取部28は半径が2.5mmに形成されている。また、可動型11は、最も縮径した状態の外径がφ51.3mm、成形前に缶胴100と接触する可動型11の外径(成形前の缶胴100の内径)がφ52.3mmに形成されている。このような可動型11は、接触領域長さL1に対する非接触領域長さL2の比率L2/L1=1.1に設定されている。
比較例に用いるエキスパンド成形装置は、可動型として、割型を12個用い、割型の面取部は半径が1.0mmに形成されている。また、可動型は、成形前に缶胴100と接触する可動型の外径(成形前の缶胴100の内径)がφ52.3mmに形成されている。このような可動型は、接触領域長さL1に対する非接触領域長さL2の比率L2/L1=0.5に設定されている。
缶胴100を成形後の缶胴100の内径の各狙い値となるまで樽型形状にエキスパンド成形する。次に、成形された缶胴100を目視確認し、缶胴100の破断の有無を確認する。なお、エキスパンド成形によって缶胴100が破断した場合には試験回数を10回行い、缶胴100が破断しない場合には試験回数を50回行う。
図7は、エキスパンド成形装置1の第1の評価試験の試験結果を示す表である。図7に示すように、実施例においては、第1材料の缶胴100は、缶胴100の内径の狙い値がφ60.00mm、φ60.20mm、φ60.50mm、φ60.75mmにおいて缶胴100の破断が生じなかった。なお、第1材料の缶胴100は、缶胴100の内径の狙い値がφ61.00mmの場合にのみ、缶胴100の破断が発生した。
次に、エキスパンド成形によって成形された缶胴100に対する評価方法の一である第2の評価試験について以下に説明する。第2の評価試験は、本実施の形態のエキスパンド成形装置1を、接触領域長さL1に対する非接触領域長さL2の比率L2/L1を0.6≦L2/L1≦1.8に設定した可動型11用いてエキスパンド成形方法により缶胴100を成形する実施例1乃至実施例4と、これらの比率L2/L1の上限及び下限から外れた可動型11を用いてエキスパンド成形方法により缶胴を成形する比較例1及び比較例2との比較を行う。
実施例1に用いるエキスパンド成形装置1の可動型11は、割型21を12個用い、拡径時の可動型11の外径(成形後の缶胴100の内径)の狙い値がφ59.5mmに形成されている。また、可動型11は、接触領域長さL1が9.6mmに形成され、非接触領域長さL2が6mmに形成され、L2/L1が0.6に設定されている。
実施例2に用いるエキスパンド成形装置1の可動型11は、割型21を12個用い、拡径時の可動型11の外径(成形後の缶胴100の内径)の狙い値がφ59.5mmに形成されている。また、可動型11は、接触領域長さL1が8.6mmに形成され、非接触領域長さL2が7mmに形成され、L2/L1が0.8に設定されている。
実施例3に用いるエキスパンド成形装置1の可動型11は、割型21を12個用い、拡径時の可動型11の外径(成形後の缶胴100の内径)の狙い値がφ59.5mmに形成されている。また、可動型11は、接触領域長さL1が7.6mmに形成され、非接触領域長さL2が8mmに形成され、L2/L1が1.1に設定されている。
実施例4に用いるエキスパンド成形装置1の可動型11は、割型21を12個用い、拡径時の可動型11の外径(成形後の缶胴100の内径)の狙い値がφ59.5mmに形成されている。また、可動型11は、接触領域長さL1が6.6mmに形成され、非接触領域長さL2が9mmに形成され、L2/L1が1.4に設定されている。
実施例5に用いるエキスパンド成形装置1の可動型11は、割型21を12個用い、拡径時の可動型11の外径(成形後の缶胴100の内径)の狙い値がφ59.5mmに形成されている。また、可動型11は、接触領域長さL1が5.6mmに形成され、非接触領域長さL2が10mmに形成され、L2/L1が1.8に設定されている。
比較例1に用いるエキスパンド成形装置の可動型は、割型を12個用い、拡径時の可動型の外径(成形後の缶胴100の内径)の狙い値がφ59.5mmに形成されている。また、可動型は、接触領域長さL1が10.6mmに形成され、非接触領域長さL2が5mmに形成され、L2/L1が0.5に設定されている。
比較例2に用いるエキスパンド成形装置の可動型は、割型を12個用い、拡径時の可動型の外径(成形後の缶胴100の内径)の狙い値がφ59.5mmに形成されている。また、可動型は、接触領域長さL1が4.6mmに形成され、非接触領域長さL2が11mmに形成され、L2/L1が2.4に設定されている。
缶胴100を成形後の缶胴100の内径の狙い値となるまで樽型形状にエキスパンド成形する。次に、成形された缶胴100を目視確認し、成形状態として缶胴100の破断の有無及び成形形状を確認する。破断が無く、且つ、成形形状が所定の樽型形状であれば良好と、破断が有るか又は成形形状が所定の形状でない場合は不良と判断する。
図8は、エキスパンド成形装置1の第2の評価試験の試験結果を示す表である。図8に示すように、実施例1乃至実施例5においては、缶胴100の破断が無く、また、成形形状も所定の樽型形状であり、成形状態が良好なエキスパンド成形ができた。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 軸心を中心に放射状に分割されるとともに、前記軸心から離間する径方向に移動可能に形成された複数の割型を具備し、前記割型を前記軸心から離間する径方向に移動させることで、前記複数の割型の外周面に対向して配置された缶胴を成形する可動型と、
前記割型を前記軸心から離間する径方向に移動させる駆動装置と、
を備え、
前記可動型は、前記缶胴の成形が行われたときの、前記缶胴に前記割型が接触する接触領域長さをL1とし、前記缶胴に前記割型が非接触な非接触領域長さをL2としたときに、前記接触領域長さL1に対する前記非接触領域長さL2の比率L2/L1が、
0.6≦L2/L1≦1.8
に形成されることを特徴とするエキスパンド成形装置。
[2] 前記割型は、前記缶胴と対向する外面及び隣り合う前記割型と対向する側面の稜部が曲面によって面取りされた面取部を備えることを特徴とする[1]に記載のエキスパンド成形装置。
[3] 前記面取部は、半径が1.5mm乃至3.5mmに形成されていることを特徴とする[2]に記載のエキスパンド成形装置。
[4] 前記缶胴は、その一部に溶接部が形成された溶接缶であることを特徴とする[1]に記載のエキスパンド成形装置。
[5] 軸心を中心に放射状に分割されるとともに、前記軸心から離間する径方向に移動可能に形成された複数の割型を具備し、前記割型により缶胴の成形が行われたときの、前記缶胴に前記割型が接触する接触領域長さをL1とし、前記缶胴に前記割型が非接触な非接触領域長さをL2としたときに、前記接触領域長さL1に対する前記非接触領域長さL2の比率L2/L1が、0.6≦L2/L1≦1.8に形成された可動型に、前記缶胴の内周面が前記割型と対向するように前記缶胴を配置し、
駆動装置によって前記割型を前記軸心から離間する径方向に移動させることを特徴とするエキスパンド成形方法。
[6] 前記割型は、前記缶胴と対向する外面及び隣り合う前記割型と対向する側面の稜部が曲面によって面取りされた面取部を備えることを特徴とする[5]に記載のエキスパンド成形方法。
[7] 前記面取部は、半径が1.5mm乃至3.5mmに形成されていることを特徴とする[6]に記載のエキスパンド成形方法。
[8] 前記缶胴は、その一部に溶接部が形成された溶接缶であることを特徴とする[5]に記載のエキスパンド成形方法。
[9] 鋼板の両端部を重ねて溶接することで缶胴を形成し、
軸心を中心に放射状に分割されるとともに、前記軸心から離間する径方向に移動可能に形成された複数の割型を具備し、前記割型によって前記缶胴の成形が行われたときの、前記缶胴に前記割型が接触する接触領域長さをL1とし、前記缶胴に前記割型が非接触な非接触領域長さをL2としたときに、前記接触領域長さL1に対する前記非接触領域長さL2の比率L2/L1が、0.6≦L2/L1≦1.8に形成された可動型に、前記缶胴の内周面が前記割型と対向するように前記缶胴を配置し、
駆動装置によって前記割型を前記軸心から離間する径方向に移動させることを特徴とする缶体の製造方法。
[10] 前記割型は、前記缶胴と対向する外面及び隣り合う前記割型と対向する側面の稜部が曲面によって面取りされた面取部を備えることを特徴とする[9]に記載の缶体の製造方法。
[11] 前記面取部は、半径が1.5mm乃至3.5mmに形成されていることを特徴とする[10]に記載の缶体の製造方法。
Claims (5)
- 缶胴としたときに内面となる面に熱可塑性樹脂被膜が設けられた板厚が0.17mm乃至0.22mmの鋼板の両端部を重ねて溶接することで、缶胴を形成し、
軸心を中心に放射状に分割されるとともに、前記軸心から離間する径方向に移動可能に形成された12個の割型を具備し、前記割型によって前記缶胴の内径を狙い値となるまで樽型形状にエキスパンド成形が行われたときの、前記缶胴に前記割型が接触する接触領域長さをL1とし、前記缶胴に前記割型が非接触な非接触領域長さをL2としたときに、前記接触領域長さL1に対する前記非接触領域長さL2の比率L2/L1が、0.6≦L2/L1≦1.8に形成された可動型に、前記缶胴の内周面が前記割型と対向するように前記缶胴を配置し、
駆動装置によって前記割型を前記軸心から離間する径方向に前記可動型の外径が前記狙い値となるまで移動させることを特徴とする缶体の製造方法。 - 前記割型は、前記缶胴と対向する外面及び隣り合う前記割型と対向する側面の稜部が曲面によって面取りされた面取部を備えることを特徴とする請求項1に記載の缶体の製造方法。
- 前記面取部は、半径が1.5mm乃至3.5mmに形成されていることを特徴とする請求項2に記載の缶体の製造方法。
- 前記狙い値は、φ59.5mm乃至φ60.50mmの範囲にある、請求項1に記載の缶体の製造方法。
- 前記割型は、外側面に凹部を有する、請求項1に記載の缶体の製造方法。
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