JP6257467B2 - 金型温度調節装置及び金型温度調節方法 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1には、ヒーターを内装した媒体タンク内の水媒体をポンプにより金型の媒体通路に送り、金型内で熱交換を終えた水媒体を媒体タンクに戻すようにした金型温度調節機が開示されている。この金型温度調節機は、冷却塔に接続された冷却水配管を、媒体タンク内でヒーターを囲むように設け、冷却水配管に設けられた冷却用電磁弁を開弁することにより、冷却塔からの冷却水によって媒体タンク内の水媒体を冷却する構成とされている。
また、本発明においては、吸込側が温調媒体供給源に接続され、前記温調媒体を所定圧力となるように加圧する加圧ポンプを備えた構成とし、前記冷却路を、当該冷却路に流通される冷却媒体が前記加圧ポンプによって加圧されないように設けるようにしてもよい。
また、前記目的を達成するために、本発明に係る金型温度調節装置は、金型に設けられた媒体流通路に、温調媒体を循環供給する金型温度調節装置であって、当該金型温度調節装置が定常運転状態において冷却媒体が常時、流通される冷却路及び該冷却路によって間接的に熱交換される前記温調媒体が流通される媒体路を有した熱交換器と、前記温調媒体を冷却する際には、前記媒体路に前記温調媒体を流通させる制御を実行させる制御部と、吸込側が温調媒体供給源に接続され、前記温調媒体を所定圧力となるように加圧する加圧ポンプと、を備えており、前記冷却路は、当該冷却路に流通される冷却媒体が前記加圧ポンプによって加圧されないように設けられていることを特徴とする。
なお、図1では、温調媒体等が通過する経路となる管路(配管)等を、実線にて模式的に示している。
また、図2における概略タイムチャートでは、各機器のON/OFF動作や開閉動作、制御動作等を模式的に示している。
本実施形態に係る金型温度調節装置1は、図1に示すように、金型3に設けられた媒体流通路4に媒体タンク10からの温調媒体を循環供給する構成とされている。
金型3は、例えば、固定型と可動型とを有した構成とされており、これら固定型及び可動型には、温調媒体を流通させる媒体流通路4,4がそれぞれに設けられている。これら媒体流通路4,4の入口(送媒接続口)側には、送媒路としての金型側分岐管路14が接続され、媒体流通路4,4の出口(返媒接続口)側には、返媒路としての返媒管路18が接続されている。
また、返媒管路18と媒体流通路4の出口側とも略同様、単一の返媒管路18を複数に分岐させるマニホールド部やこのマニホールド部の複数の接続口に接続されたホースやチューブ等の可撓性を有した管路を構成する配管材を介して接続した構成としてもよい。また、マニホールド部や管路等の適所に、媒体流通路4から返媒される温調媒体を通過許容または遮断する返媒バルブを設けた例を示している。
また、金型3に、当該金型3の温度を検出する検出手段としての温度センサーを設けるようにしてもよい。例えば、このような温度センサーを、媒体流通路4の出口近傍部位や出口の下流側近傍部位等の出口側の温調媒体の温度を検出するように設けるようにしてもよい。
また、この金型3の成形機としては、金型3の固定型と可動型とによって形成されるキャビティー等に、シリンダ等で溶融させた材料としての合成樹脂をノズル等から射出して充填し、成形品を逐次、成形する射出成形機等としてもよく、また、圧縮成形機等の他の成形機としてもよい。また、成形材料としては、合成樹脂材料に、炭素繊維やガラス繊維等の強化繊維を含有させた繊維強化合成樹脂材料等としてもよい。
また、本実施形態では、媒体タンク10からの温調媒体を循環させる循環ポンプ13の吐出側(下流側)の管路を、金型3の媒体流通路4側と熱交換器30の媒体路31側とに分岐させた構成としている。つまり、循環ポンプ13の吐出側を金型側分岐管路14と熱交換器側分岐管路16とに分岐させた構成としている。これら金型側分岐管路14及び熱交換器側分岐管路16は、媒体冷却弁17が開放された状態における熱交換器側分岐管路16を通過する温調媒体の流量が循環ポンプ13の吐出側の温調媒体の全流量の1/5〜4/5程度、好ましくは、1/3〜2/3程度、より好ましくは、1/2未満となるような構成としてもよい。
本実施形態では、金型温度調節装置1を、吸込側(上流側)が温調媒体供給源2に接続され、媒体タンク10と金型3の媒体流通路4とを循環される温調媒体を、所定圧力となるように加圧する加圧ポンプ22を備えた構成としている。温調媒体供給源2としては、温調媒体としての水(清水)を供給する水道(工業用水道、上水道)としてもよい。
この媒体タンク10には、循環ポンプ13の吸込側(上流側)に接続された吸込側管路12と熱交換器側分岐管路16と返媒管路18とが接続されている。非冷却時、つまり、媒体冷却弁17が閉鎖された状態で、循環ポンプ13を作動させれば、媒体タンク10からの温調媒体が吸込側管路12及び金型側分岐管路14を経て金型3の媒体流通路4に送媒され、返媒管路18を経て媒体タンク10に返媒される構成とされている。一方、冷却制御実行時、つまり、媒体冷却弁17が開放された状態で、循環ポンプ13を作動させれば、媒体タンク10からの温調媒体は、循環ポンプ13の下流側において一部が熱交換器側分岐管路16及び熱交換器30の媒体路31を経て媒体タンク10に返媒され、また、残余が上記同様、吸込側管路12及び金型側分岐管路14を経て金型3の媒体流通路4に送媒され、返媒管路18を経て媒体タンク10に返媒される構成とされている。なお、返媒管路18等の循環管路の適所に、適宜、ストレーナやフィルター等を設けるようにしてもよい。また、上記のように循環される温調媒体の温度を検出する温度センサー15や、圧力を検出する圧力計等を適宜、設けるようにしてもよい。図例では、温度センサー15及び圧力計を、金型側分岐管路14に設けた例を示している。
吐出側管路23には、加圧ポンプ22側から媒体タンク10側への温調媒体の流れを許容する一方、媒体タンク10側から加圧ポンプ22側への温調媒体の流れを阻止(遮断)する逆流防止部としての逆流防止弁(逆止弁、チェックバルブ)が設けられている。
この吐出側管路23が吐出側に接続された加圧ポンプ22の吸込側には、温調媒体供給源2に接続された媒体供給管路20,21が接続されている。
また、吐出側管路23の逆流防止弁の上流側部位と、加圧ポンプ22の上流側となる加圧側管路21と、を接続するように加圧循環管路23aを設けている。図例では、この加圧循環管路23aに圧力を維持する圧力調整弁を設けた例を示している。また、吐出側管路23に、圧力を検出する圧力計を設けた例を示している。
また、排出管路26における、空気抜き管路19との接続部位の下流側には、温調媒体を媒体タンク10に供給(補給)する際や媒体タンク10からオーバーフローする温調媒体を排出する際に開放される排出弁28が設けられている。また、この排出弁28よりも下流側における排出管路26の末端には、温調媒体供給源2から熱交換器30の冷却路32に向けて冷却媒体を送媒または遮断する冷却媒体弁29が設けられている。この冷却媒体弁29と排出弁28との間における排出管路26に、熱交換器30の冷却路32を経た冷却側管路25が接続されている。つまり、冷却媒体弁29を開放させれば、媒体供給源2からの冷却媒体が媒体供給管路20、熱交換器30の冷却路32に連通する冷却側管路25及び排出管路26を送媒される構成とされている。
なお、媒体タンク10には、媒体タンク10内の温調媒体を排出するドレン(ドレンバルブ)や、過温防止用のサーモスタット等が設けられている。また、図例では、媒体タンク10に、この媒体タンク10を含む系内(加圧ポンプ22よって加圧される管路23,12,14,16,4,18)の圧力の異常上昇を防止する開放リリーフ弁(安全弁)を設けた例を示している。
なお、図例では、この熱交換器30を、媒体タンク10外に設けた例を示しているが、媒体タンク10内に設けるようにしてもよい。
また、上記した熱交換器30としては、プレート型の熱交換器や、二重管型の熱交換器、シェルアンドチューブ型の熱交換器、クロスフィン型熱交換器等、種々の熱交換方式の熱交換器の採用が可能である。また、図例では、向流型のような熱交換器30を例示しているが、直交流型や並流型等の熱交換器を採用するようにしてもよい。
制御部34は、クロックタイマー等の計時手段や演算処理部等を備え、上記したヒーター11や循環ポンプ13、温度センサー15、加圧ポンプ22、各弁17,28,29、水位センサー27等に信号線等を介して接続されている。
また、温度センサー15の検出温度に基づいて、温調媒体の温度が上記した設定温度(設定閾値)となるように、制御部34によって、ヒーター11のPID制御等の通電制御がなされ、また、媒体冷却弁17のPID制御等の開閉制御がなされる。なお、この設定温度は、表示操作部36を介して入力、設定されるものとしてもよい。
また、温度センサー15の検出温度に基づいて、温調媒体の温度が、予め設定された加圧温度(加圧閾値)を超えれば、制御部34によって加圧ポンプ22の起動制御がなされる。この加圧温度は、温調媒体が沸騰しないよう適宜の温度としてもよく、例えば、75℃〜95℃程度としてもよい。
なお、図2のグラフでは、横軸を時間軸、縦軸を温度センサー15の検出温度とし、その推移を模式的に示している。
また、当該金型温度調節装置1が起動(ON)されれば、排出弁28を開放させ、水位センサー27が満レベル(所定レベル)を検出するまで媒体タンク10に温調媒体を供給し、満レベルとなれば、排出弁28を閉鎖する。また、水位センサー27が媒体タンク10内の温調媒体の貯留レベルの低下を検出すれば、排出弁28を開放させ、温調媒体を媒体タンク10に補給する。この際、循環ポンプ13を停止させるようにしてもよい。
また、温調媒体の温度が設定閾値を超えれば、ヒーター11の通電制御による加熱制御を停止し、また、媒体冷却弁17を開閉制御し冷却制御を実行する。つまり、温調媒体を冷却する際には、媒体タンク10と金型3の媒体流通路4とを循環される温調媒体の一部を熱交換器30の媒体路31に流通させるように循環管路12,14,4,18から分岐して媒体路31に連通するように設けられた熱交換器側分岐管路16に設けた媒体冷却弁17を開放させ、媒体路31に温調媒体を流通させて冷却する。
また、図例では、省略しているが、温調媒体の温度が設定閾値を下回れば、媒体冷却弁17の開閉制御による冷却制御を停止し、また、ヒーター11を通電制御し加熱制御を実行する。
なお、上記基本動作は、一例であり、適宜の変形動作の実行が可能である。例えば、上記した例では、加熱制御の設定閾値及び冷却制御の設定閾値を、同一の値とした例を示しているが、互いに異なる設定閾値等としてもよい。
つまり、当該金型温度調節装置が定常運転状態において冷却媒体が常時、流通される冷却路32を設けた熱交換器30の媒体路31に、温調媒体を冷却する際に温調媒体を流通させる制御を実行する構成としている。つまりは、従来のように、温調媒体を冷却する際に熱交換器に冷却媒体を流通させて冷却する構成ではなく、少なくとも金型温度調節を実行している際には、熱交換器30の冷却路32に冷却媒体を常時、流通させる構成とし、このように冷却媒体を流通させた状態で、温調媒体を冷却する際に熱交換器30の媒体路31に温調媒体を流通させて冷却する構成としている。従って、冷却路32内において冷却媒体が気化し難く、また、冷却媒体が流通する冷却路32や冷却側管路25におけるスケールの堆積を効果的に低減させることができる。
また、循環ポンプ13の吐出側を、金型3の媒体流通路4側と熱交換器30の媒体路31側とに分岐させているので、例えば、一般的に採用される場合が多い、吐出能力が大きい循環ポンプ13を採用すれば、吸込側を分岐させたような態様と比べて、温調媒体を効率的に送媒することができる。
また、冷却路32を、加圧ポンプ22によって加圧される管路23,12,14,16,4,18には連通しないように設けている。従って、例えば、加圧ポンプ22の吐出側を分岐させて冷却路に連通させたようなものと比べて、熱交換時における系内の圧力降下を生じ難くすることができる。
また、温調媒体供給源2の供給圧力(給水圧)や、上記した設定温度(設定閾値)によっては、加圧ポンプ22等を設けないようにしてもよい。
また、本実施形態では、熱交換器30の冷却路32に流通させる冷却媒体の供給源を、媒体タンク10に温調媒体を供給する温調媒体供給源2とした例を示しているが、異なる供給源としてもよい。
また、本実施形態では、熱交換器30の冷却路32に向けて冷却媒体を送媒または遮断する冷却媒体弁29を、排出管路26の末端に設けた例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、排出管路26の末端に冷却媒体弁29を設けた態様に代えて、バイパス管路24及び冷却側管路25のそれぞれを開閉する開閉弁を冷却媒体弁として設けたような態様としてもよい。さらには、例えば、このような冷却媒体弁を設けずに、冷却路32を、工場内のクーリングタワー等の冷却媒体循環供給源に連通させ、当該金型温度調節装置1の運転状態に関わらず、原則的に常時、冷却媒体が冷却路32に循環供給されるような態様等としてもよい。
また、当該金型温度調節装置1を、金型3の媒体流通路4に高温媒体を循環供給する高温媒体供給装置として把握し、別途、金型3の媒体流通路4に低温媒体を循環供給する低温媒体供給装置を設け、金型3における成形動作に応じて高温媒体と低温媒体とを切り替えて供給する金型加熱・冷却システムに当該金型温度調節装置1を組み込んだような態様等としてもよい。
また、本発明に係る金型温度調節方法は、上記した本実施形態に係る金型温度調節装置1に限られず、その他、種々の金型温度調節装置を用いて実行するようにしてもよい。
10 媒体タンク
12 吸込側管路(加圧ポンプによって加圧される管路)
13 循環ポンプ
14 金型側分岐管路(循環ポンプの吐出側で金型の媒体流通路側の管路、加圧ポンプによって加圧される管路)
16 熱交換器側分岐管路(循環ポンプの吐出側で熱交換器の媒体路側の管路、加圧ポンプによって加圧される管路)
18 返媒管路(加圧ポンプによって加圧される管路)
22 加圧ポンプ
23 吐出側管路(加圧ポンプによって加圧される管路)
30 熱交換器
31 媒体路
32 冷却路
34 制御部
2 温調媒体供給源
3 金型
4 媒体流通路(加圧ポンプによって加圧される管路)
Claims (4)
- 金型に設けられた媒体流通路に、温調媒体を循環供給する金型温度調節装置であって、
前記温調媒体を貯留する貯留部と、該貯留部内に設けられ前記温調媒体を加熱するヒーターと、前記貯留部と前記金型の媒体流通路とを接続するように設けられた循環管路と、前記金型の媒体流通路の入口側に接続される前記循環管路に設けられ前記温調媒体を循環させる循環ポンプと、当該金型温度調節装置が定常運転状態において冷却媒体が常時、流通される冷却路及び該冷却路によって間接的に熱交換される前記温調媒体が流通される媒体路を有した熱交換器と、前記循環管路を循環される前記温調媒体の一部が前記熱交換器の媒体路に流通されるように、前記循環ポンプの吐出側から分岐して設けられ前記熱交換器の媒体路に連通される分岐管路と、前記温調媒体を冷却する際には、前記媒体路に前記温調媒体を流通させる制御を実行させる制御部と、を備えていることを特徴とする金型温度調節装置。 - 請求項1において、
吸込側が温調媒体供給源に接続され、前記温調媒体を所定圧力となるように加圧する加圧ポンプを備えており、
前記冷却路は、当該冷却路に流通される冷却媒体が前記加圧ポンプによって加圧されないように設けられていることを特徴とする金型温度調節装置。 - 金型に設けられた媒体流通路に、温調媒体を循環供給する金型温度調節装置であって、
当該金型温度調節装置が定常運転状態において冷却媒体が常時、流通される冷却路及び該冷却路によって間接的に熱交換される前記温調媒体が流通される媒体路を有した熱交換器と、前記温調媒体を冷却する際には、前記媒体路に前記温調媒体を流通させる制御を実行させる制御部と、吸込側が温調媒体供給源に接続され、前記温調媒体を所定圧力となるように加圧する加圧ポンプと、を備えており、
前記冷却路は、当該冷却路に流通される冷却媒体が前記加圧ポンプによって加圧されないように設けられていることを特徴とする金型温度調節装置。 - 温調媒体を貯留する貯留部と金型に設けられた媒体流通路とを接続する循環管路における前記金型の媒体流通路の入口側に接続される管路に設けられた循環ポンプによって温調媒体を循環させ、前記貯留部内に設けられたヒーターによる前記温調媒体の加熱と、金型温度調節を実行している際に冷却媒体が常時、流通される冷却路及び該冷却路によって間接的に熱交換される前記温調媒体が流通される媒体路を有した熱交換器による前記温調媒体の冷却と、によって前記金型の温度を調節する構成とされており、
前記温調媒体を冷却する際には、前記循環管路を循環される前記温調媒体の一部が前記熱交換器の媒体路に流通されるように、前記循環ポンプの吐出側から分岐して設けられ前記熱交換器の媒体路に連通される分岐管路に前記温調媒体を流通させて冷却することを特徴とする金型温度調節方法。
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