以下、本発明の一形態に係る燃料改質システムについて詳細に説明する。また、本発明の燃料改質システムは、例えば、内燃機関の排気ガス循環流路において、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムであることが好適である。そこで、本発明の一形態に係る燃料改質システムについては、内燃機関の排気ガス循環流路において、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムを例に挙げて説明する。
(第1の形態)
まず、第1の形態に係る燃料改質システムについて図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、第1の形態に係る燃料改質システムの概略を示す説明図である。
図1に示すように、本形態の燃料改質システム1Aは、往復動型内燃機関の一例である4サイクルのエンジン10と、吸気路(以下「吸気パイプ」という。)20と、排気路(以下「排気パイプ」という。)30と、改質供給流路の一例である排気ガス循環流路(以下「EGR(Exhaust Gas Recirculation)パイプ」という。)40と、コントローラ50とを備えている。そして、エンジン10と吸気パイプ20とは、気筒(以下「シリンダ」という。)11の燃焼室12の吸気口12aで連結されている。また、エンジン10と排気パイプ30とは、燃焼室12の排気口12bで連結されている。更に、EGRパイプ40は、排気パイプ30と吸気パイプ20とを連結している。
また、エンジン10には、吸気口12aの開閉を行う吸気バルブ13と、排気口12bの開閉を行う排気バルブ14と、シリンダ11内で往復動するピストン15と、燃焼室12内で混合気に電気火花をとばすスパークプラグ16とが配設されている。
更に、吸気パイプ20には、吸気口12a近傍に主燃料供給装置21が配設されており、主燃料供給装置21の吸気方向上流側に吸気パイプ20内を燃焼室12に向かって流通する空気の空気量を制御するための吸気制御バルブ22が更に配設されている。ここで、主燃料供給装置21は、燃焼室12内又は吸気パイプ20内に主燃料を噴射する機能を有するものである。
また、排気パイプ30には、排気パイプ30内を流通する排気の排気量を制御するための排気制御バルブ31が配設されている。
更に、EGRパイプ40には、排気ガスの流通方向(図中矢印αで示す。)の上流側から下流側に向かう方向に、燃料供給手段の一例である改質用燃料噴射装置41と、燃料改質触媒42と、EGRクーラ43と、EGRバルブ44とが順次配設されている。EGRパイプ40は、排気パイプ30から吸気パイプ20に排気の一部を分流、すなわち還流させるためのものである。例えば、燃料改質システム1Aにおいては、燃焼室12内でストイキ燃焼させた排気の一部を排気パイプ30からEGRパイプ40に分流させ、排気に改質用燃料噴射装置41により改質用燃料を添加し、燃料改質触媒42で改質用燃料を水素を含む改質ガスに改質して、吸気パイプ20に還流することができる。
ここで、改質用燃料噴射装置41は、燃料改質触媒42又はEGRパイプ40内を燃料改質触媒42に向かって流通する排気中に改質用燃料を噴射する機能を有するものである。なお、改質用燃料は、上記主燃料と同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、燃料改質触媒42は、改質用燃料と排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する機能を有するものである。なお、通常、排気は熱や水分を含むため、改質用燃料を添加することにより、燃料改質触媒は、熱分解反応、水蒸気改質反応、水性ガスシフト反応の少なくとも1つを促進して、水素を含む改質ガスを生成する。
更に、EGRクーラ43は、排気や改質ガスを冷却する機能を有するものである。
また、EGRバルブ44は、排気や改質ガスの流量を制御する機能を有するものである。
更に、中央演算処理装置(CPU)やインターフェース回路等からなるコントローラ50は、主燃料供給装置21や吸気制御バルブ22、排気制御バルブ31、改質用燃料噴射装置41、EGRバルブ44、更には吸気バルブ13や排気バルブ14、ピストン15などの制御部(図示せず。)と接続され、制御に関する信号の入出力を行い、所定のプログラムの実行により、これらを適宜作動させるようになっている。
そして、本形態の燃料改質システム1Aにおいては、圧力差を利用するガス流れ制御手段により、EGRパイプ40における燃料改質触媒42より上流側領域(図中の破線で示す断面B付近)の圧力を燃料改質触媒42より下流側領域(図中の破線で示す断面A付近)の圧力より低くする。すなわち上流側領域を一時的に負圧にする。これにより、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れが生じ、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスを供給することができる。この結果、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離を促進することができる。また、燃料改質触媒の性能低下や性能劣化を検知する手段を配設することなく、再生することが可能であるため、車載システムが簡素化されるという副次的な利点もある。
ガス流れ制御手段は、燃料改質システム1Aにおいて生じる様々な負圧を利用するものを適用すればよいため、特に限定されるものではない。例えば、主燃料供給装置21と、改質用燃料噴射装置41と、吸気バルブ13や排気バルブ14、ピストン15などの制御部と、コントローラ50とを協働させることにより、上述したガス流れ制御手段として機能させることが好適である。具体的には、改質用燃料噴射装置41を停止させているときに、エンジン10の全部又は一部の主燃料供給装置21を停止したシリンダ11を利用すればよい。つまり、このシリンダ11の排気バルブ14を開状態とし、吸気バルブ13を閉状態とし、更にピストン15を上死点から下死点に向かう方向に移動させることにより、図中の破線で示す断面B付近を負圧にして、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスを供給することができる。この結果、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離を促進することができる。また、ガス流れ制御手段を適時作動させることができるため、燃料改質触媒の劣化をより抑制することができる。なお、ピストン15を連続的に往復動させてもよいことは言うまでもない。
また、本形態の燃料改質システム1Aにおいては、例えば、主燃料供給装置21と、吸気制御バルブ22と、排気制御バルブ31と、改質用燃料噴射装置41と、EGRバルブ44と、吸気バルブ13や排気バルブ14、ピストン15などの制御部と、コントローラ50とを協働させることにより、上述したガス流れ制御手段として機能させることがより好適である。具体的には、改質用燃料噴射装置41を停止させているときに、エンジン10の全部又は一部の主燃料供給装置21を停止したシリンダ11を利用すればよい。つまり、排気制御バルブ31を開状態とし、停止したシリンダ11の排気バルブ14を開状態とし、吸気バルブ13を閉状態とし、EGRバルブ44を開状態とし、吸気制御バルブ22とを全開状態とし、更にピストン15を上死点から下死点に向かう方向に移動させることにより、図中の破線で示す断面B付近を負圧にして、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスをより多く供給することができる。この結果、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離をより促進することができる。また、排気制御バルブ31を閉状態とすることによっても逆方向のガス流れを生じさせることは可能であるが、排気制御バルブ31を開状態として逆方向のガス流れを生じさせることによって、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離反応が進行しやすい程度に改質ガスの空間速度が制御されるという利点がある。また、排気制御バルブ31を開状態として逆方向のガス流れを生じさせることによって、ピストン15の往復動が妨げられる可能性を低くできるという利点もある。
ここで、本形態の燃料改質システムにおける制御フローについて図面を用いて説明する。図2は、本形態の燃料改質システムにおける制御フローの一例を示すフロー図である(図1参照。)。
例えば、エンジン10の全部又は一部の主燃料供給装置21を停止したシリンダ11を利用することができるときに、制御フローを開始する。
図2に示すように、ステップ1(図中では「S1」と記載する。また、以下の記載においても同様である。)においては、改質用燃料噴射装置41が停止しているか否かを判断する。S1において改質用燃料噴射装置41が停止していると判断した場合には、S2に進む。一方、S1において改質用燃料噴射装置41が停止していないと判断した場合には、S1に戻る。
S2においては、排気制御バルブ31が開状態であるか否かを判断する。S2において排気制御バルブ31が開状態であると判断した場合には、S3に進む。一方、S2において排気制御バルブ31が開状態でないと判断した場合には、S2に戻る。
S3においては、EGRバルブ44が開状態であるか否かを判断する。S3においてEGRバルブ44が開状態であると判断した場合には、S4に進む。一方、S3においてEGRバルブ44が開状態でないと判断した場合には、S3に戻る。
S4においては、吸気制御バルブ22が開状態であるか否かを判断する。S4において吸気制御バルブ22が開状態であると判断した場合には、S5に進む。一方、S4において吸気制御バルブ22が開状態でないと判断した場合には、S4に戻る。
S5においては、吸気バルブ13を閉状態として、S6に進む。
S6においては、排気バルブ14を開状態として、S7に進む。
S7においては、ピストン15を上死点から下死点に向かう方向に移動させて、S8に進む。
S8においては、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスを供給するように、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れを生じさせ、S9に進む。
S9においては、供給された改質ガスにより、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離をさせて、S10に進む。
S10においては、排気バルブ14を閉状態として、S11に進む。
S11においては、吸気制御バルブ22を閉状態として、S12に進む。
S12においては、EGRバルブ44を閉状態として、制御フローを終了する。
(第2の形態)
次に、第2の形態に係る燃料改質システムについて図面を参照しながら詳細に説明する。図3は、第2の形態に係る燃料改質システムの概略を示す説明図である。なお、上記形態と同一の構成については、同一の符号を付すことにより重複する説明を省略する。
図3に示すように、本形態の燃料改質システム1Bは、EGRパイプ40に、排気ガスの流通方向(図中矢印αで示す。)上流側から下流側に向かう方向に、燃料供給手段の一例である改質用燃料噴射装置41と、燃料改質触媒42と、EGRクーラ43と、空気供給手段の一例として機能する機械式過給機45と、EGRバルブ44とが順次配設されている構成が、上記形態に係る燃料改質システムと相違している。
また、本形態の燃料改質システム1Bにおいては、コントローラ50が、機械式過給機45と接続され、制御に関する信号の入出力を行い、所定のプログラムの実行により、これを適宜作動させるようになっている構成が、上記形態に係る燃料改質システムと相違している。
なお、本形態の燃料改質システム1Bにおいては、コントローラ50が、主燃料供給装置21や吸気制御バルブ22、排気制御バルブ31、改質用燃料噴射装置41、EGRバルブ、更には吸気バルブ13や排気バルブ14、ピストン15などの制御部(図示せず。)との間で接続されていなくてもよい。一方で、上記形態に係る燃料改質システムと同様に接続され、制御に関する信号の入出力を行い、所定のプログラムの実行により、これらを適宜作動させるようになっていてもよい。
ここで、機械式過給機45は、EGRパイプにおける燃料改質触媒より下流側領域に空気を供給する機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、近年、燃費向上を図るために過給機を搭載した小型エンジンが盛んに開発されている。本形態の燃料改質システム1Bにおいては、過給機を搭載した小型エンジンに適用される既に搭載された過給機を利用することができ、構成が簡易であるためコスト増を免れることができるという利点もある。過給機の種類には、いくつかあるが、駆動の際、電力を必要としないという観点から、機械式過給機を適用することが好適である。つまり、エンジンの始動時にスターターをオンにすることによって、機械式過給機の作動が可能である。
そして、本形態の燃料改質システム1Bにおいては、圧力差を利用するガス流れ制御手段により、EGRパイプ40における燃料改質触媒42より下流側領域(図中の破線で示す断面A付近)の圧力を燃料改質触媒42より上流側領域(図中の破線で示す断面B付近)の圧力より高くする。すなわち下流側領域を一時的に正圧にする。これにより、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れが生じ、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスを供給することができる。この結果、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離を促進することができる。また、燃料改質触媒の性能低下や性能劣化を検知する手段を配設することなく、再生することが可能であるため、車載システムが簡素化されるという副次的な利点もある。
ガス流れ制御手段は、燃料改質システム1Bにおいて生じる様々な正圧を利用するものを適用すればよいため、特に限定されるものではない。例えば、改質用燃料噴射装置41と、機械式過給機45と、コントローラ50とを協働させることにより、上述したガス流れ制御手段として機能させることが好適である。具体的には、改質用燃料噴射装置41を停止させているときに、機械式過給機45によって下流側領域に空気を供給することにより、図中の破線で示す断面A付近を正圧にして、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスを供給することができる。この結果、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離を促進することができる。また、ガス流れ制御手段を適時作動させることができるため、燃料改質触媒の劣化をより抑制することができる。
また、本形態の燃料改質システム1Bにおいては、例えば、主燃料供給装置21と、吸気制御バルブ22と、排気制御バルブ31と、改質用燃料噴射装置41と、EGRバルブ44と、機械式過給機45と、コントローラ50とを協働させることにより、上述したガス流れ制御手段として機能させることがより好適である。具体的には、エンジン10を始動させるためにスタータをオンにするときのような改質用燃料噴射装置41を停止させているときに、排気制御バルブ31を開状態とし、EGRバルブ44を閉状態とし、吸気制御バルブ22を閉状態とし、機械式過給機45によって下流側領域に空気を供給することにより、図中の破線で示す断面A付近を正圧にして、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れを生じさせやすく、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスをより供給することができる。この結果、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離をより促進することができる。
ここで、本形態の燃料改質システムにおける制御フローについて図面を用いて説明する。図4は、本形態の燃料改質システムにおける制御フローの一例を示すフロー図である(図3参照。)。
例えば、エンジン10を始動させるときに、制御フローを開始する。
図4に示すように、S21においては、スターターがオンになっているか否かを判断する。S21においてスターターがオンになっていると判断した場合には、S22に進む。一方、S21においてスターターがオンになっていないと判断した場合には、S21に戻る。
S22においては、排気制御バルブ31が開状態であるか否かを判断する。S22において排気制御バルブ31が開状態であると判断した場合には、S23に進む。一方、S22において排気制御バルブ31が開状態でないと判断した場合には、S22に戻る。
S23においては、EGRバルブ44が閉状態であるか否かを判断する。S23においてEGRバルブ44が閉状態であると判断した場合には、S24に進む。一方、S23においてEGRバルブ44が閉状態でないと判断した場合には、S23に戻る。
S24においては、吸気制御バルブ22が閉状態であるか否かを判断する。S24において吸気制御バルブ22が閉状態であると判断した場合には、S25に進む。一方、S24において吸気制御バルブ22が閉状態でないと判断した場合には、S24に戻る。
S25においては、機械式過給機45の作動を開始させ、空気を供給して、S26に進む。
S26においては、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスを供給するように、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れを生じさせて、S27に進む。
S27においては、供給された改質ガスにより、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離をさせて、S28に進む。
S28においては、機械式過給機45の作動を停止させて、制御フローを終了する。
(第3の形態)
次に、第3の形態に係る燃料改質システムについて図面を参照しながら詳細に説明する。図5は、第3の形態に係る燃料改質システムの概略を示す説明図である。なお、上記形態と同一の構成については、同一の符号を付すことにより重複する説明を省略する。
図5に示すように、本形態の燃料改質システム1Cは、EGRパイプ40に、排気ガスの流通方向(図中矢印αで示す。)上流側から下流側に向かう方向に、燃料供給手段の一例である改質用燃料噴射装置41と、燃料改質触媒42と、EGRクーラ43と、改質ガス吸蔵放出手段の一例として機能する改質ガスアキュムレータ46と、EGRバルブ44とが順次配設されている構成が、上記形態に係る燃料改質システムと相違している。
なお、本形態の燃料改質システム1Cにおいては、コントローラ50が、主燃料供給装置21や吸気制御バルブ22、排気制御バルブ31、改質用燃料噴射装置41、EGRバルブ、更には吸気バルブ13や排気バルブ14、ピストン15などの制御部(図示せず。)との間で接続されていなくてもよい。一方で、上記形態に係る燃料改質システムと同様に接続され、制御に関する信号の入出力を行い、所定のプログラムの実行により、これらを適宜作動させるようになっていてもよい。
ここで、改質ガスアキュムレータ46は、EGRパイプにおける燃料改質触媒より下流側領域の圧力に応じて改質ガスを吸蔵又は放出するものであり、下流側領域の圧力が所定値より低下したときに、下流側領域に改質ガスを放出する機能を有するものであれば、特に限定されることなく適用することができる。なお、上記所定値は、適用されるエンジンを用いた予備実験などで適宜設定することができる。また、本発明においては、下流側領域の圧力が所定値より低下する制御に連動させるようにしてもよい。
また、本形態の燃料改質システム1Cにおいては、図示しないが、コントローラ50が、改質ガスアキュムレータ46や下流側領域の圧力センサ(図示せず)との間で接続され、制御に関する信号の入出力を行い、所定のプログラムの実行により、これらを適宜作動させるようになっていてもよい。
そして、本形態の燃料改質システム1Cにおいては、EGRバルブ44と、改質ガスアキュムレータ46と、コントローラ50とを協働させることにより、上述したガス流れ制御手段として機能させることが好適である。具体的には、EGRバルブ44を閉状態とすると、下流側領域の温度が低下して、下流側領域の圧力が低下する。そのため、改質ガスアキュムレータ46によって下流側領域に改質ガスを供給することにより、図中の破線で示す断面A付近を正圧にして、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れを生じさせやすく、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスをより多く供給することができる。これにより、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離をより促進することができる。
また、本形態の燃料改質システム1Cにおいては、改質用燃料噴射装置41と、EGRバルブ44と、改質ガスアキュムレータ46と、コントローラ50とを協働させることにより、上述したガス流れ制御手段として機能させることが好適である。具体的には、エンジン10を始動させるためにスタータをオンにするときのような改質用燃料噴射装置41を停止させているときに、EGRバルブ44を閉状態とすると、下流側領域の温度が低下して、下流側領域の圧力が低下する。そのため、改質ガスアキュムレータ46によって下流側領域に改質ガスを供給することにより、図中の破線で示す断面A付近を正圧にして、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れを生じさせやすく、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスをより多く供給することができる。これにより、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離をより促進することができる。
なお、下流側領域の圧力を低下させるために、上記第1の形態で説明した負圧を利用することもできる。
ここで、本形態の燃料改質システムにおける制御フローについて図面を用いて説明する。図6は、本形態の燃料改質システムにおける制御フローの一例を示すフロー図である(図5参照。)。
図6に示すように、S31においては、燃料を改質しているか否かを判断する。S31において燃料を改質していると判断した場合には、S32に進む。一方、S31において燃料を改質していないと判断した場合には、S31に戻る。
S32においては、改質ガスアキュムレータ46により改質ガスを吸蔵して、S33に進む。
S33においては、改質ガスアキュムレータ46自体が下流側領域の圧力が所定値より低下したか否かを判断する。S33において改質ガスアキュムレータ46自体が下流側領域の圧力が所定値より低下していると判断した場合には、S34に進む。一方、S33において改質ガスアキュムレータ46自体が下流側領域の圧力が所定値より低下していないと判断した場合には、S33に戻る。
S34においては、改質ガスアキュムレータ46により改質ガスを放出して、S35に進む。
S35においては、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスを供給するように、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れを生じさせて、S36に進む。
S36においては、供給された改質ガスにより、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離をさせて、制御フローを終了する。
(第4の形態)
次に、第4の形態に係る燃料改質システムについて図面を参照しながら詳細に説明する。図7は、第4の形態に係る燃料改質システムの概略を示す説明図である。なお、上記形態と同一の構成については、同一の符号を付すことにより重複する説明を省略する。
図7に示すように、本形態の燃料改質システム1Dは、EGRパイプ40に、排気ガスの流通方向(図中矢印αで示す。)上流側から下流側に向かう方向に、燃料供給手段の一例である改質用燃料噴射装置41と、燃料改質触媒42と、EGRクーラ43と、リード弁47と、EGRバルブ44とが順次配設されている構成が、上記形態に係る燃料改質システムと相違している。
なお、本形態の燃料改質システム1Dにおいては、コントローラ50が、主燃料供給装置21や吸気制御バルブ22、排気制御バルブ31、改質用燃料噴射装置41、EGRバルブ、更には吸気バルブ13や排気バルブ14、ピストン15などの制御部(図示せず。)との間で接続されていなくてもよい。一方で、上記形態に係る燃料改質システムと同様に接続され、制御に関する信号の入出力を行い、所定のプログラムの実行により、これらを適宜作動させるようになっていてもよい。
ここで、リード弁47は、圧力差に応じて一方向にのみガスを流すことができるものであり、EGRパイプにおける燃料改質触媒より下流側領域の圧力が所定値より低下したときに下流側領域に外部の空気を取り込む機能を有するものであれば、特に限定されることなく適用することができる。このようなリード弁は、特別な制御をする必要がないという利点がある。また、上記所定値は、適用されるエンジンを用いた予備実験などで適宜設定することができる。更に、本発明においては、下流側領域の圧力が所定値より低下する制御に連動させるようにしてもよい。
そして、本形態の燃料改質システム1Dにおいては、EGRバルブ44と、リード弁47とを協働させることにより、上述したガス流れ制御手段として機能させることが好適である。具体的には、EGRバルブ44を閉状態とすると、下流側領域の温度が低下して、下流側領域の圧力が低下する。そのため、リード弁47から外部の空気が取り込まれ下流側領域に空気が供給されることにより、図中の破線で示す断面A付近を正圧にして、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れを生じさせやすく、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスをより多く供給することができる。これにより、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離をより促進することができる。
また、本形態の燃料改質システム1Dにおいては、改質用燃料噴射装置41と、EGRバルブ44と、リード弁47と、コントローラ50とを協働させることにより、上述したガス流れ制御手段として機能させることが好適である。具体的には、エンジン10を始動させるためにスタータをオンにするときのような改質用燃料噴射装置41を停止させているときに、EGRバルブ44を閉状態とすると、下流側領域の温度が低下して、下流側領域の圧力が低下する。そのため、リード弁47から外部の空気が取り込まれて下流側領域に空気が供給されることにより、図中の破線で示す断面A付近を正圧にして、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れを生じさせやすく、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスをより多く供給することができる。これにより、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離をより促進することができる。
なお、下流側領域の圧力を低下させるために、上記第1の形態で説明した負圧を利用することもできる。
ここで、本形態の燃料改質システムにおける制御フローについて図面を用いて説明する。図8は、本形態の燃料改質システムにおける制御フローの一例を示すフロー図である(図7参照。)。
図8に示すように、S41においては、燃料を改質しているか否かを判断する。S41において燃料を改質していると判断した場合には、S42に進む。一方、S41において燃料を改質していないと判断した場合には、S41に戻る。
S42においては、リード弁47自体が下流側領域の圧力が所定値より低下したか否かを判断する。S42においてリード弁47自体が下流側領域の圧力が所定値より低下していると判断した場合には、S43に進む。一方、S42においてリード弁47自体が下流側領域の圧力が所定値より低下していないと判断した場合には、S42に戻る。
S43においては、リード弁47により外部から空気を取り込んで、S44に進む。
S44においては、燃料改質触媒42にEGRパイプ40内に残存している水素を含む改質ガスを供給するように、EGRパイプ40に排気ガスの流通方向とは逆方向(図中矢印βで示す。)のガス流れを生じさせて、S45に進む。
S45においては、供給された改質ガスにより、燃料改質触媒42に吸着した硫黄成分の脱離をさせて、制御フローを終了する。
本発明においては、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、改質供給流路と、改質供給流路に配設される燃料改質触媒と、改質供給流路に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、改質供給流路に逆方向のガス流れを生じさせるガス流れ制御手段とを備え、ガス流れ制御手段が、改質供給流路に逆方向のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒に改質ガスを供給する構成とした。そのため、燃料改質触媒の劣化を抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る燃料改質システムを提供することができる。
また、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせるガス流れ制御手段とを備え、ガス流れ制御手段が、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒に改質ガスを供給する構成が好適である。これにより、燃料改質触媒の劣化を抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
更に、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせるガス流れ制御手段とを備え、ガス流れ制御手段が、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側領域の圧力を燃料改質触媒より下流側領域の圧力より低くし、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒に改質ガスを供給する構成が好適である。これにより、燃料改質システムにおいて生じる様々な負圧を利用して、燃料改質触媒の劣化を抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
また、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせるガス流れ制御手段とを備え、ガス流れ制御手段が、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側領域の圧力を燃料改質触媒より下流側領域の圧力より低くするために、燃料供給手段を停止させているときに、往復動型内燃機関の全部又は一部の燃料供給を停止した気筒を利用するものであって、気筒の吸気バルブを閉状態とし、かつ、気筒の排気バルブを開状態とし、かつ、気筒のピストンを上死点から下死点に向かう方向に移動させ、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒に改質ガスを供給する構成が好適である。これにより、燃料改質システムにおいて簡易な構成で発生させることができる負圧を利用して、燃料改質触媒の劣化を適時抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
更に、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせるガス流れ制御手段とを備え、ガス流れ制御手段が、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側領域の圧力を燃料改質触媒より下流側領域の圧力より低くするために、燃料供給手段を停止させているときに、往復動型内燃機関の全部又は一部の燃料供給を停止した気筒を利用するものであって、気筒の吸気バルブを閉状態とし、かつ、気筒の排気バルブを開状態とし、かつ、往復動型内燃機関の吸気路の吸気制御バルブを全開状態とし、かつ、気筒のピストンを上死点から下死点に向かう方向に移動させ、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒に改質ガスを供給する構成が好適である。これにより、燃料改質システムにおいて簡易な構成で発生させることができる負圧を利用して、燃料改質触媒の劣化を適時効率的に抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
また、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせるガス流れ制御手段とを備え、ガス流れ制御手段が、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より下流側領域の圧力を燃料改質触媒より上流側領域の圧力より高くし、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒に改質ガスを供給する構成が好適である。これにより、燃料改質システムにおいて生じる様々な正圧を利用して、燃料改質触媒の劣化を抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
更に、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせるガス流れ制御手段とを備え、ガス流れ制御手段が、排気ガス循環流路における燃料改質触媒の下流側領域に空気を供給する空気供給手段を有し、燃料供給手段を停止させているとき、空気供給手段が、下流側領域に空気を供給し、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より下流側領域の圧力を燃料改質触媒より上流側領域の圧力より高くし、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒に改質ガスを供給する構成が好適である。これにより、燃料改質システムにおいて簡易な構成で発生させることができる正圧を利用して、燃料改質触媒の劣化を抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。また、構成が簡易であるためコスト増を免れることができるという利点もある。
また、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせるガス流れ制御手段とを備え、ガス流れ制御手段が、排気ガス循環流路における燃料改質触媒の下流側領域に空気を供給する空気供給手段を有し、燃料供給手段を停止させているときであって、かつ、内燃機関を始動させるときに、空気供給手段が、下流側領域に空気を供給し、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より下流側領域の圧力を燃料改質触媒より上流側領域の圧力より高くし、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒に改質ガスを供給する構成が好適である。これにより、燃料改質システムにおいて簡易な構成で発生させることができる正圧を利用して、燃料改質触媒の適時劣化を抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。また、構成が簡易であるためコスト増を免れることができるという利点もある。
本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせるガス流れ制御手段とを備え、ガス流れ制御手段が、排気ガス循環流路における燃料改質触媒の下流側領域の圧力に応じて改質ガスを貯蔵又は放出する改質ガス吸蔵放出手段を有し、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側領域の圧力を燃料改質触媒より下流側領域の圧力より低くし、改質ガス吸蔵放出手段が、下流側領域の圧力が所定値より低下したときに、下流側領域に改質ガスを放出し、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒に改質ガスを供給する構成が好適である。これにより、燃料改質システムにおいて生じる様々な負圧を利用して、燃料改質触媒の劣化をより抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせるガス流れ制御手段とを備え、ガス流れ制御手段が、排気ガス循環流路における燃料改質触媒の下流側領域の圧力に応じて改質ガスを貯蔵又は放出する改質ガス吸蔵放出手段を有し、燃料供給手段を停止させているとき、及び内燃機関を始動させるときの少なくとも一方のときに、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側領域の圧力を燃料改質触媒より下流側領域の圧力より低くし、改質ガス吸蔵放出手段が、下流側領域の圧力が所定値より低下したときに、下流側領域に改質ガスを放出し、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒に改質ガスを供給する構成が好適である。これにより、燃料改質システムにおいて生じる様々な負圧を利用して、燃料改質触媒の劣化をより効率的に抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせるガス流れ制御手段とを備え、ガス流れ制御手段が、排気ガス循環流路の燃料改質触媒より下流側領域の圧力が所定値より低下したときに下流側領域に外部の空気を取り込むリード弁を有し、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側領域の圧力を燃料改質触媒より下流側領域の圧力より低くし、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒に改質ガスを供給する構成が好適である。これにより、燃料改質システムにおいて生じる様々な負圧を利用して、リード弁のような簡易な構成を設けるだけで、燃料改質触媒の劣化を抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせるガス流れ制御手段とを備え、ガス流れ制御手段が、排気ガス循環流路の燃料改質触媒より下流側領域の圧力が所定値より低下したときに下流側領域に外部の空気を取り込むリード弁を有し、燃料供給手段を停止させているとき、及び内燃機関を始動させるときの少なくとも一方のときに、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側領域の圧力を燃料改質触媒より下流側領域の圧力より低くし、排気ガス循環流路に逆方向のガス流れを生じさせ、燃料改質触媒に改質ガスを供給する構成が好適である。これにより、燃料供給手段を停止させているとき、及び内燃機関を始動させるときの少なくとも一方のときに、燃料改質システムにおいて生じる様々な負圧を利用して、リード弁のような簡易な構成を設けるだけで、燃料改質触媒の劣化を抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
以上、本発明を若干の形態によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
すなわち、上述した各形態の燃料改質システムに記載した構成は、各形態毎に限定されるものではなく、例えば、各形態の構成を上述した各形態以外の組み合わせにしたり、構成の細部を変更したりすることができる。
また、例えば、上述した各形態においては、燃料供給対象や排気回収対象として内燃機関を例示したが、これに限定されるものではなく、燃料電池などについても適用することができる。
更に、例えば、上述した各形態においては、内燃機関として往復動型内燃機関を例示したが、これに限定されるものではなく、従来公知の内燃機関などについても適用することができる。