JP6252081B2 - プロジェクター及びその制御方法 - Google Patents

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本発明は、プロジェクター及びその制御方法に関する。
プロジェクターは、光源、光変調装置、及び投射レンズを備えており、光源から射出された光を光変調装置で変調し、変調した光を投射レンズでスクリーンに投射することにより、スクリーン上に画像を表示する。従来のプロジェクターは、光源としてハロゲンランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプを備えるが、最近はレーザーダイオードとか発光ダイオードとかの固体光源を備えるものの開発がされている。
特許文献1には、励起光を射出する固体光源と、上記励起光を蛍光に変換する蛍光体と、該蛍光体からの光を変調する光変調装置と、該光変調装置で変調された光をスクリーンに投射する投射光学系とを備えるプロジェクターが開示されている。また、特許文献1のプロジェクターにおいて、上記蛍光体を介した上記励起光及び上記蛍光体で変換された上記蛍光の少なくとも一方を検出する光センサーを備えることが開示されている。また、特許文献1のプロジェクターにおいて、上記光センサーの検出結果に応じて、上記固体光源及び上記光変調装置の少なくとも一方を制御する制御装置が開示されている。
特開2012−47951号公報
光源が劣化することにより、プロジェクターで表示する画像の明るさが所望の明るさとは異なってしまうという問題がある。
そこで本発明の一態様は、上記問題に鑑みてなされたものであり、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることを可能とするプロジェクター及びその制御方法を提供することを課題とする。
(1)本発明の一態様は、光源から射出された光の明るさに関する光明るさ情報を検出する光検出部と、温度を示す温度情報を検出する温度検出部と、前記温度検出部により検出された温度情報に基づいて前記光検出部により検出された光明るさ情報を補正し、補正後の前記光明るさ情報に基づいて前記光源の出力を調節する調節部と、を備えるプロジェクターである。これにより、プロジェクターは、温度情報に基づいて光明るさ情報を補正することで、光源の出力の調節の精度を向上させることができ、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
(2)また、本発明の一態様は、上述のプロジェクターであって、前記光源は、第1の光源と、第2の光源を含み、前記光検出部は、前記第1の光源に対応する第1の光検出部と、前記第2の光源に対応する第2の光検出部を含み、前記温度検出部は、前記第1の光源に対応する第1の温度検出部と、前記第2の光源に対応する第2の温度検出部を含み、前記調節部は、前記第1の温度検出部により検出された第1の温度情報に基づいて前記第1の光検出部により検出された第1の光明るさ情報を補正し、前記第2の温度検出部により検出された第2の温度情報に基づいて前記第2の光検出部により検出された第2の光明るさ情報を補正し、補正後の前記第1の光明るさ情報及び補正後の前記第2の光明るさ情報に基づいて、前記第1の光源の出力と前記第2の光源の出力のうちの一方または両方を調節する。これにより、プロジェクターは、第1の光源及び第2の光源について、温度情報に基づいて光明るさ情報を補正することで、光源の出力の調節の精度を向上させることができ、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
(3)また、本発明の一態様は、上述のプロジェクターであって、前記第1の光源に対応する第1の光変調素子と、前記第2の光源に対応する第2の光変調素子と、を更に備え、前記第1の光検出部は、前記第1の光源と前記第1の光変調素子との間の光の明るさに関する第1の光明るさ情報を検出し、前記第2の光検出部は、前記第2の光源と前記第2の光変調素子との間の光の明るさに関する第2の光明るさ情報を検出し、前記第1の温度検出部は、前記第1の光源の周辺の温度を示す第1の光源周辺温度情報を検出する第1の光源周辺温度検出部と、前記第1の光変調素子の周辺の温度を示す第1の光変調素子周辺温度情報を検出する第1の光変調素子周辺温度検出部を含み、前記第2の温度検出部は、前記第2の光源の周辺の温度を示す第2の光源周辺温度情報を検出する第2の光源周辺温度検出部と、前記第2の光変調素子の周辺の温度を示す第2の光変調素子周辺温度情報を検出する第2の光変調素子周辺温度検出部を含む。これにより、プロジェクターは、第1の光源及び第2の光源について、光源の周辺の温度情報及び光変調素子の周辺の温度情報に基づいて光明るさ情報を補正することで、光源の出力の調節の精度を向上させることができ、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
(4)また、本発明の一態様は、上述のプロジェクターであって、前記第1の光源は、Yの光源であり、前記第2の光源は、Bの光源であり、前記第1の光検出部及び前記第1の光変調素子周辺温度検出部は、R又はGのうちの一方または両方に対応して備えられる。これにより、プロジェクターは、第1の光源(Yの光源)及び第2の光源(Bの光源)について、光源の周辺の温度情報及び光変調素子の周辺の温度情報に基づいて光明るさ情報を補正することで、光源の出力の調節の精度を向上させることができ、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
(5)本発明の一態様は、光検出部が、光源から射出された光の明るさに関する光明るさ情報を検出する手順と、温度検出部が、温度を示す温度情報を検出する手順と、調節部が、前記温度検出部により検出された温度情報に基づいて前記光検出部により検出された光明るさ情報を補正し、補正後の前記光明るさ情報に基づいて前記光源の出力を調節する手順と、を有するプロジェクターの制御方法である。これにより、プロジェクターは、温度情報に基づいて光明るさ情報を補正することで、光源の出力の調節の精度を向上させることができ、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
一態様として、光源から射出された光の明るさに関する光明るさ情報を検出する光検出部と、温度を示す温度情報を検出する温度検出部と、前記温度検出部により検出された温度情報に基づいて前記光検出部により検出された光明るさ情報を補正し、補正後の前記光明るさ情報に基づいて前記光源の出力を調節する調節部と、を備え、前記光源は、第1の光源と、第2の光源を含み、前記光検出部は、前記第1の光源に対応する第1の光検出部と、前記第2の光源に対応する第2の光検出部を含み、前記温度検出部は、前記第1の光源に対応する第1の温度検出部と、前記第2の光源に対応する第2の温度検出部を含み、前記調節部は、前記第1の温度検出部により検出された第1の温度情報に基づいて前記第1の光検出部により検出された第1の光明るさ情報を補正し、前記第2の温度検出部により検出された第2の温度情報に基づいて前記第2の光検出部により検出された第2の光明るさ情報を補正し、補正後の前記第1の光明るさ情報及び補正後の前記第2の光明るさ情報に基づいて、前記第1の光源の出力と前記第2の光源の出力のうちの一方または両方を調節し、前記第1の光源に対応する第1の光変調素子と、前記第2の光源に対応する第2の光変調素子と、を更に備え、前記第1の光検出部は、前記第1の光源と前記第1の光変調素子との間の光の明るさに関する前記第1の光明るさ情報を検出し、前記第2の光検出部は、前記第2の光源と前記第2の光変調素子との間の光の明るさに関する前記第2の光明るさ情報を検出し、前記第1の温度検出部は、前記第1の光源の周辺の温度を示す第1の光源周辺温度情報を検出する第1の光源周辺温度検出部と、前記第1の光変調素子の周辺の温度を示す第1の光変調素子周辺温度情報を検出する第1の光変調素子周辺温度検出部を含み、前記第2の温度検出部は、前記第2の光源の周辺の温度を示す第2の光源周辺温度情報を検出する第2の光源周辺温度検出部と、前記第2の光変調素子の周辺の温度を示す第2の光変調素子周辺温度情報を検出する第2の光変調素子周辺温度検出部を含み、前記第1の光源と前記第1の光変調素子との間に配置される第1の偏光ビームスプリッターと、前記第2の光源と前記第2の光変調素子との間に配置される第2の偏光ビームスプリッターと、を更に備え、前記第1の偏光ビームスプリッターは、入射した光を互いに偏光方向が異なる2つの偏光に分離し、分離した一方の偏光を前記第1の光検出部に導き、他方の偏光を前記第1の光変調素子に入射させ、前記第2の偏光ビームスプリッターは、入射した光を互いに偏光方向が異なる2つの偏光に分離し、分離した一方の偏光を前記第2の光検出部に導き、他方の偏光を前記第2の光変調素子に入射させる、プロジェクターである。
一態様として、光検出部が、光源から射出された光の明るさに関する光明るさ情報を検出する手順と、温度検出部が、温度を示す温度情報を検出する手順と、調節部が、前記温度検出部により検出された温度情報に基づいて前記光検出部により検出された光明るさ情報を補正し、補正後の前記光明るさ情報に基づいて前記光源の出力を調節する手順と、を有し、前記光源は、第1の光源と、第2の光源を含み、前記光検出部は、前記第1の光源に対応する第1の光検出部と、前記第2の光源に対応する第2の光検出部を含み、前記温度検出部は、前記第1の光源に対応する第1の温度検出部と、前記第2の光源に対応する第2の温度検出部を含み、前記調節部は、前記第1の温度検出部により検出された第1の温度情報に基づいて前記第1の光検出部により検出された第1の光明るさ情報を補正し、前記第2の温度検出部により検出された第2の温度情報に基づいて前記第2の光検出部により検出された第2の光明るさ情報を補正し、補正後の前記第1の光明るさ情報及び補正後の前記第2の光明るさ情報に基づいて、前記第1の光源の出力と前記第2の光源の出力のうちの一方または両方を調節し、前記第1の光検出部は、前記第1の光源と前記第1の光源に対応する第1の光変調素子との間の光の明るさに関する前記第1の光明るさ情報を検出し、前記第2の光検出部は、前記第2の光源と前記第2の光源に対応する第2の光変調素子との間の光の明るさに関する前記第2の光明るさ情報を検出し、前記第1の温度検出部は、前記第1の光源の周辺の温度を示す第1の光源周辺温度情報を検出する第1の光源周辺温度検出部と、前記第1の光変調素子の周辺の温度を示す第1の光変調素子周辺温度情報を検出する第1の光変調素子周辺温度検出部を含み、前記第2の温度検出部は、前記第2の光源の周辺の温度を示す第2の光源周辺温度情報を検出する第2の光源周辺温度検出部と、前記第2の光変調素子の周辺の温度を示す第2の光変調素子周辺温度情報を検出する第2の光変調素子周辺温度検出部を含み、前記第1の光源と前記第1の光変調素子との間に配置される第1の偏光ビームスプリッターは、入射した光を互いに偏光方向が異なる2つの偏光に分離し、分離した一方の偏光を前記第1の光検出部に導き、他方の偏光を前記第1の光変調素子に入射させ、前記第2の光源と前記第2の光変調素子との間に配置される第2の偏光ビームスプリッターは、入射した光を互いに偏光方向が異なる2つの偏光に分離し、分離した一方の偏光を前記第2の光検出部に導き、他方の偏光を前記第2の光変調素子に入射させる、プロジェクターの制御方法である。
第1の実施形態におけるプロジェクターの構成を示す概略構成図である。 第1の実施形態における制御部の構成を示す概略ブロック図である。 第1の実施形態における信号処理部の構成を示す概略ブロック図である。 調節部による補正前と補正後における、光センサーの出力と光センサーの減衰率との関係を比較したグラフの一例である。 第1の実施形態における制御部の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるプロジェクターの構成を示す概略構成図である。 第2の実施形態における制御部の構成を示す概略ブロック図である。 第2の実施形態における信号処理部の構成を示す概略ブロック図である。 第2の実施形態における制御部の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態におけるプロジェクターの構成を示す概略構成図である。 第3の実施形態における制御部の構成を示す概略ブロック図である。 第3の実施形態における信号処理部の構成を示す概略ブロック図である。 第3の実施形態における制御部の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第4の実施形態におけるプロジェクターの構成を示す概略構成図である。 第4の実施形態における制御部の構成を示す概略ブロック図である。 第4の実施形態における光源の明るさとデューティー(Duty)との関係を表したグラフの一例である。 第4の実施形態における制御部の処理(光源初期確認処理)の流れの一例を示すフローチャートである。 第4の実施形態における制御部の処理(光源劣化確認処理)の流れの一例を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。レーザダイオード(以下、LDともいう)が劣化すると、光源の波長が変化する。具体的には、例えばLDが劣化して蛍光板に当たる光量が変わると(例えば、光量が落ちると)蛍光板から出射される光の波長が変化する。)ここで、LDの劣化前に光センサーが検出する光量を基準としてLDの劣化後に光センサーが検出する光量の割合をセンサー検出光量の割合(例えば、70%)とする。また、LDの劣化前に液晶パネルに入射する光量を基準として、LDの劣化後に液晶パネルに入射する光量の割合を実際の光量の割合(例えば、80%)とする。この場合、例えば、実際の光量の割合が80%の場合に、光源の波長がずれて光センサーの感度が落ちることでセンサー検出光量の割合が70%となる場合がある。このように光センサーの分光感度の影響で、センサー検出光量の割合が実際の光量の割合と異なってしまう。これにより、プロジェクターは画像を所望の明るさで表示できないという課題がある。それに対し、第1の実施形態におけるプロジェクター50は、センサー検出光量を補正し、補正した後のセンサー検出光量を参照して光源の出力を調節する。これにより、プロジェクター50は、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
図1は、第1の実施形態におけるプロジェクター50の構成を示す概略ブロック図である。プロジェクター50は、図1に示すように、青色光用照明装置51と、黄色光用照明装置52と、ダイクロイックミラー25と、導光光学系3Rと、導光光学系3Gと、導光光学系3Bと、反射型液晶パネル(光変調部)4Rと、反射型液晶パネル(光変調部)4Gと、反射型液晶パネル(光変調部)4Bと、赤色光用光センサー36Rと、緑色光用光センサー36Gと、青色光用光センサー36Bと、クロスダイクロイックプリズム5と、投写光学系6とを備える。青色光用照明装置51は、一例として主にP偏光の青色光LBを射出する。黄色光用照明装置52は、一例として主にP偏光の黄色光LYを射出する。
ダイクロイックミラー25は、所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が基板上に形成された光学素子である。本実施形態では、ダイクロイックミラー25は、一例として、黄色光用照明装置52が射出した黄色光LYのうち、予め決められた基準波長より波長が長い赤色光LRを透過させ、予め決められた基準波長以下の波長の緑色光LGを反射する。
導光光学系3Rは、ダイクロイックミラー25が透過した赤色光LRのうち、偏光ビームスプリッター26で反射したS偏光の赤色光を赤色光用光センサー36Rへ導く。一方、導光光学系3Rは、ダイクロイックミラー25が透過した赤色光LRのうち、偏光ビームスプリッター26を透過したP偏光の赤色光を反射型液晶パネル4Rへ導く。また、導光光学系3Rは、反射型液晶パネル4Rから反射された赤色光のうち、偏光ビームスプリッター26で反射したS偏光の赤色光をクロスダイクロイックプリズム5へ導く。
導光光学系3Gは、ダイクロイックミラー25が反射した緑色光LGのうち、偏光ビームスプリッター27で反射したS偏光の緑色光を緑色光用光センサー36Gへ導く。導光光学系3Gは、ダイクロイックミラー25が反射した緑色光LGのうち、偏光ビームスプリッター27を透過したP偏光の緑色光を反射型液晶パネル4Gへ導く。また、導光光学系3Gは、反射型液晶パネル4Gから反射された緑色光のうち、偏光ビームスプリッター27で反射したS偏光の緑色光をクロスダイクロイックプリズム5へ導く。
導光光学系3Bは、青色光用照明装置51が射出した青色光LBのうち、偏光ビームスプリッター28で反射したS偏光の青色光を青色光用光センサー36Bへ導く。導光光学系3Bは、青色光用照明装置51が射出した青色光LBのうち、偏光ビームスプリッター28を透過したP偏光の青色光を反射型液晶パネル4Bへ導く。また、導光光学系3Bは、反射型液晶パネル4Bから反射された青色光のうち、偏光ビームスプリッター28で反射したS偏光の青色光をクロスダイクロイックプリズム5へ導く。
反射型液晶パネル4Rは、導光光学系3Rにより導かれた赤色光を画像信号に応じて変調する。同様に、反射型液晶パネル4Gは、導光光学系3Gにより導かれた緑色光を画像信号に応じて変調する。同様に、反射型液晶パネル4Bは、導光光学系3Bにより導かれた青色光を画像信号に応じて変調する。
クロスダイクロイックプリズム5は、導光光学系3Rが導いた赤色光、導光光学系3Gが導いた緑色光、導光光学系3Bが導いた青色光を合成する。投写光学系6は、クロスダイクロイックプリズム5によって合成された光をスクリーンSCR等の投写面に投写する。
赤色光用光センサー36Rは、導光光学系3Rが導いたS偏光の赤色光の明るさ(本実施形態では、一例として光強度)を検出する。赤色光用光センサー36Rは、検出した赤色光の光強度を示す赤色光強度信号を制御部64へ出力する。同様に、青色光用光センサー36Bは、導光光学系3Bが導いたS偏光の青色光の明るさ(本実施形態では、一例として光強度)を検出する。青色光用光センサー36Bは、検出した青色光の光強度を示す青色光強度信号を制御部64に出力する。また同様に、緑色光用光センサー36Gは、導光光学系3Gが導いたS偏光の緑色光の強度を検出する。緑色光用光センサー36Gは、検出した緑色光の強度を示す緑色光強度信号を制御部64に出力する。
青色光用照明装置51は、青色レーザーダイオードアレイ53と、平行化レンズ54と、集光レンズ55と、拡散板56と、ピックアップレンズ57と、平行化レンズ58と、第1レンズアレイ9と、第2レンズアレイ10と、偏光変換素子11と、重畳レンズ12とを備える。
青色レーザーダイオードアレイ53は、例えば12個の青色レーザーダイオード59が4個×3個のアレイ状に配列されたものである。平行化レンズ54は、個々の青色レーザーダイオード59に対応する位置に、個々の青色レーザーダイオード59と同じ数だけ設けられている。第1レンズアレイ9は、平行化レンズ58から射出される照明光束を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズ13を有する。第2レンズアレイ10は、第1レンズアレイ9の複数の第1小レンズ13に対応する複数の第2小レンズ14を有する。偏光変換素子11は、第2レンズアレイ10からの各部分光束を偏光方向の揃った略1種類の直線偏光に変換して射出する。重畳レンズ12は、偏光変換素子11から射出される各部分光束を被照明領域で重畳させる。
青色レーザーダイオード59から射出された青色光LBは、平行化レンズ54により平行化された後、集光レンズ55により集光され、拡散板56上に照射されることで点光源が形成される。拡散板56上の各点光源からの青色の拡散光は、ピックアップレンズ57を透過して平行化レンズ58により平行化された後、第1レンズアレイ9に入射する。
第1レンズアレイ9は、平行化レンズ58からの平行光を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有する。第1レンズアレイ9は、複数の第1小レンズ13が照明光軸51axと直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。図示による説明は省略するが、第1小レンズ13の外形形状は、反射型液晶パネル4Bの画像形成領域の外形形状に関して相似形である。
第2レンズアレイ10は、重畳レンズ12とともに、第1レンズアレイ9の各第1小レンズ13の像を反射型液晶パネル4Bの画像形成領域近傍に結像させる機能を有する。第2レンズアレイ10は、第1レンズアレイ9と同様、複数の第2小レンズ14が照明光軸51axに直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。
偏光変換素子11は、第1レンズアレイ9により分割された各部分光束の偏光方向を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光として射出する。偏光変換素子11は、青色レーザーダイオード59からの照明光のうち、一方の偏光(例えばP偏光)を透過し、他方の偏光(例えばS偏光)を照明光軸51axに垂直な方向に向けて反射する偏光分離層と、偏光分離層で反射された他方の偏光成分を有する光を照明光軸51axに平行な方向に反射する反射層と、偏光分離層を透過した一方の偏光成分を有する光を他方の偏光成分を有する光に変換する位相差板とを有する。なお、偏光変換素子11を透過した光は、概ねP偏光となるが、全てがP偏光となるわけではなく、S偏光も混在している。
重畳レンズ12は、第1レンズアレイ9、第2レンズアレイ10および偏光変換素子11を経た複数の部分光束を集光して反射型液晶パネル4Bの画像形成領域近傍に重畳させるための光学素子である。重畳レンズ12は、重畳レンズ12の光軸と青色光用照明装置51の照明光軸51axとが略一致するように配置されている。なお、重畳レンズ12は、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
黄色光用照明装置52は、励起用レーザーダイオードアレイ60と、平行化レンズ54と、集光レンズ55と、蛍光体基板61と、ピックアップレンズ57と、平行化レンズ58と、第1レンズアレイ9と、第2レンズアレイ10と、偏光変換素子11と、重畳レンズ12とを備える。励起用レーザーダイオードアレイ60は、例えば30個の励起用レーザーダイオード62が6個×5個のアレイ状に配列されたものである。励起用レーザーダイオード62は、蛍光体を励起させるための励起光として、紫外光もしくは青色光を射出するものである。平行化レンズ54は、個々の励起用レーザーダイオード62に対応して設けられている。蛍光体基板61は、紫外光、青色光等の励起光を受けて黄色光を発する蛍光体層が基板上に形成されたものである。
励起用レーザーダイオード62から射出された各励起光は、平行化レンズ54により平行化された後、集光レンズ55により集光され、蛍光体基板61上に照射されることで点光源が形成される。蛍光体基板61上の各点光源から発光した黄色光LYは、ピックアップレンズ57を透過して平行化レンズ58により平行化された後、第1レンズアレイ9に入射する。
黄色光用照明装置52内の第1レンズアレイ9、第2レンズアレイ10、偏光変換素子11及び重畳レンズ12はそれぞれ、青色光用照明装置51内の第1レンズアレイ9、第2レンズアレイ10、偏光変換素子11及び重畳レンズ12と同じ構成であるので、その説明を省略する。但し、黄色光用照明装置52では、青色光用照明装置51の照明光軸51axが照明光軸52axに変更されている点が異なる。
導光光学系3Bは、集光レンズ32Bと、第1の絞り(入射角制限部材)37と、偏光ビームスプリッター(偏光分離素子)28と、第2の絞り38と、偏光板34Bとを備える。
集光レンズ32Bは、重畳レンズ12で集光された青色光LBの各部分光束を各主光線に対して略平行な光束に変換する。第1の絞り37は、集光レンズ32Bが変換した略平行な光束を絞る。これにより、重畳レンズ12で集光された青色光LBは、集光レンズ32Bおよび第1の絞り37を介して偏光ビームスプリッター28に入射する。このとき、青色光用照明装置51からの照明光束は偏光変換素子11によって概ね偏光方向の揃った略1種類の直線偏光(例えば、P偏光)に揃えられていることから、集光レンズ32Bを通過した光は、偏光ビームスプリッター28を通過して青色光用の反射型液晶パネル4Bに入射する。なお、他の集光レンズ32R、集光レンズ32Gも、集光レンズ32Bと同様に構成されている。
偏光ビームスプリッター28は、プレートタイプの偏光ビームスプリッターであって、透光性の基板に偏光分離膜を設けた構成からなる。偏光ビームスプリッター28は、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射する機能を有する。本実施形態の場合、偏光ビームスプリッター28は、一例としてP偏光を透過し、S偏光を反射する機能を有する。第2の絞り38は、偏光ビームスプリッター28が反射したS偏光の青色光の光束を絞る。これにより、第2の絞り38により絞られた光が、青色光用光センサー36Bに導かれる。
また、偏光ビームスプリッター28は、反射型液晶パネル4Bから反射された青色光のうちS偏光の青色光を反射し、P偏光の青色光を透過させる。これにより、偏光ビームスプリッター28で反射したS偏光の青色光が偏光板34Bへ導かれる。偏光板34Bは、導かれた青色光のうち、所定の方向に偏光した光だけを通過させる。これにより、所定の方向に偏光した青色光がクロスダイクロイックプリズム5へ導かれる。
なお、他の偏光ビームスプリッター(偏光分離素子)26、偏光ビームスプリッター(偏光分離素子)27も、上述の偏光ビームスプリッター28と同様に構成されている。
上述したように、青色光用照明装置51からの照明光束は偏光変換素子11によって概ねP偏光に揃えられており、青色のP偏光は偏光ビームスプリッター28を透過して青色光用の反射型液晶パネル4Bに入射する。ところが、実際には偏光変換素子11を透過した光が全てP偏光に変換されているのではなく、S偏光も混在している。よって、偏光ビームスプリッター28に入射したS偏光は、偏光ビームスプリッター28で反射する。青色光の光路において、偏光ビームスプリッター28で反射するS偏光の光路上に青色光用光センサー36Bが備えられている。
導光光学系3Rは、集光レンズ32Rと、第1の絞り37と、偏光ビームスプリッター(偏光分離素子)26と、第2の絞り(入射角制限部材)38と、偏光板34Rとを備える。
集光レンズ32Rは、ダイクロイックミラー25を透過した赤色光LRの各部分光束を各主光線に対して略平行な光束に変換する。第1の絞り37は、集光レンズ32Rが変換した略平行な光束を絞る。これにより、ダイクロイックミラー25を透過した赤色光LRは、集光レンズ32Rおよび第1の絞り37を介して偏光ビームスプリッター26に入射する。このとき、黄色光用照明装置52からの照明光束は偏光変換素子11によって概ね偏光方向の揃った略1種類の直線偏光(例えば、P偏光)に揃えられていることから、集光レンズ32Rを通過した光は、偏光ビームスプリッター28を通過して緑色光用の反射型液晶パネル4Bに入射する。
また、偏光ビームスプリッター26は、一例としてP偏光を透過し、S偏光を反射する機能を有する。第2の絞り38は、偏光ビームスプリッター28が反射したS偏光の青色光の光束を絞る。これにより、第2の絞り38により絞られた光が、赤色光用光センサー36Rへ導かれる。
また、偏光ビームスプリッター26は、反射型液晶パネル4Rから反射された赤色光のうちS偏光の赤色光を反射し、P偏光の赤色光を透過させる。これにより、偏光ビームスプリッター26で反射したP偏光の赤色光が偏光板34Rへ導かれる。偏光板34Rは、導かれた赤色光のうち、所定の方向に偏光した光だけを通過させる。これにより、所定の方向に偏光した赤色光がクロスダイクロイックプリズム5へ導かれる。
導光光学系3Gは、集光レンズ32Gと、第1の絞り37と、偏光ビームスプリッター(偏光分離素子)27と、第2の絞り(入射角制限部材)38と、偏光板34Gとを備える。
集光レンズ32Gは、ダイクロイックミラー25が反射した緑色光LGの各部分光束を各主光線に対して略平行な光束に変換する。第1の絞り37は、集光レンズ32Gが変換した略平行な光束を絞る。これにより、ダイクロイックミラー25が反射した緑色光LGは、集光レンズ32Gおよび第1の絞り37を介して偏光ビームスプリッター26に入射する。このとき、黄色光用照明装置52からの照明光束は偏光変換素子11によって概ね偏光方向の揃った略1種類の直線偏光(例えば、P偏光)に揃えられていることから、集光レンズ32Gを通過した光は、偏光ビームスプリッター27を通過して緑色光用の反射型液晶パネル4Gに入射する。
また、偏光ビームスプリッター27は、一例としてP偏光を透過し、S偏光を反射する。第2の絞り38は、偏光ビームスプリッター27が反射したS偏光の緑色光の光束を絞る。これにより、第2の絞り38により絞られた光が、緑色光用光センサー36Gに導かれる。
また、偏光ビームスプリッター27は、反射型液晶パネル4Gから反射された緑色光のうちS偏光の緑色光を反射し、P偏光の緑色光を透過させる。これにより、偏光ビームスプリッター26で反射したS偏光の緑色光が偏光板34Gへ導かれる。偏光板34Gは、導かれた緑色光のうち、所定の方向に偏光した光だけを通過させる。これにより、所定の方向に偏光した緑色光がクロスダイクロイックプリズム5へ導かれる。
反射型液晶パネル4R、反射型液晶パネル4G、反射型液晶パネル4Bは、画像信号に応じて照明光を変調するものである。反射型液晶パネル4Rおよび反射型液晶パネル4Gは、黄色光用照明装置52の被照明対象となる光変調部である。反射型液晶パネル4Bは、青色光用照明装置51の被照明対象となる光変調部である。
反射型液晶パネル4R、反射型液晶パネル4G、及び反射型液晶パネル4Bは、液晶層を挟持する一対の基板と、光入射側の基板と対向する基板側に配置された反射層(もしくは反射電極)と、を備えている。また、反射型液晶パネル4R、反射型液晶パネル4G、反射型液晶パネル4Bの光入射側と反対側の面には、図1に示すように、それぞれ放熱フィン33R、放熱フィン33G、放熱フィン33Bが配設されている。
クロスダイクロイックプリズム5は、偏光板34R、偏光板34G、及び偏光板34Bから射出された色光毎に変調された光学像を合成し、カラー画像を形成する光学素子である。クロスダイクロイックプリズム5は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は青色光LBを反射し、他方の界面に形成された誘電体多層膜は赤色光LRを反射する。これらの誘電体多層膜によって青色光LBおよび赤色光LRは曲折され、クロスダイクロイックプリズム5を透過する緑色光LGの進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。
クロスダイクロイックプリズム5から射出された光によって形成されるカラー画像は、投写光学系6によって拡大投写され、スクリーンSCR上で画像を形成する。
制御部64は、赤色光用光センサー36Rが検出した赤色光の強度に応じて、励起用レーザーダイオード62の光量を調節する。制御部64は、青色光用光センサー36Bが検出した青色光の強度に応じて、青色レーザーダイオード59の光量を調節する。また、制御部64は、入力される映像を示す映像信号に応じて反射型液晶パネル4R、4G、4Bの各画素の反射率を制御する。
なお、制御部64に入力される映像信号は、連続するフレームの画像を示す複数の画像信号でもよいし、一フレームの画像を示す画像信号でもよい。
なお、各実施形態の光学構成は図1、後述する図6及び図10の光学構成に限ったものではない。すなわち、蛍光体基板61は反射型のものでも良いし、拡散板の有無など細かな光学構成は単なる設計事項であって、これらには限定されない。また、赤(R)緑(G)青(B)3つのLEDを光源とした構成であっても良い。また光変調部は、透過型液晶パネルやDMD(Digital Mirror Device、ディジタルミラーデバイス)であっても良い。また、赤色光用光センサー36R、緑色光用光センサー36G及び青色光用光センサー36Bの配置は図1、後述する図6及び図10の位置に限定するものではなく、Y光源およびB光源の光量が検出できる場所であればよい。
図2は、第1の実施形態における制御部64の構成を示す概略ブロック図である。なお、同図では、制御部64の他に、青色レーザーダイオード59及び励起用レーザーダイオード62を備える光源71が示され、また赤色光用光センサー36R、不図示の緑色光用光センサー36G及び青色光用光センサー36Bを備える光検出部72が示されている。
制御部64は、液晶駆動部66R、66G、66Bと、調節部70とを備える。
調節部70は、映像信号に応じて光源71の出力を調節する。出力は、例えば、明るさである。明るさは、例えば光強度、輝度、または明度である。ここで、調節部70は、信号処理部65と、PWM信号生成部67と、励起用レーザーダイオード駆動部68と、青色レーザーダイオード駆動部69とを備える。
信号処理部65は、映像信号と制御信号を受け取る。信号処理部65は、受け取った映像信号に対して各種の画質補正処理を適用し、画質補正処理後の信号を液晶駆動部66R、66G、66Bへ出力する。これにより、液晶駆動部66R、66G、66Bは、信号処理部65から入力された信号を用いて、それぞれ反射型液晶パネル4R、4G、4Bの反射率を制御する。
また、信号処理部65は、受け取った制御信号に応じて、光源71の調光制御のための処理を行う。ここで、制御信号とは、スクリーンSCR(図1)に表示されるメニュー画面(図示せず)で、ユーザーが入力したユーザー設定、またはカラーモードの表示に係る情報を含む信号である。これにより、光源71の光量は、ユーザー設定、またはカラーモードに連動した明るさ及び色設定に基づいて制御される。さらに、信号処理部65は、受け取った映像信号の明るさ(階調値)に適応して調光制御のための処理を行う。
続いて、信号処理部65における調光制御のための処理の具体例について説明する。信号処理部65は、赤色光用光センサー36Rから赤色光強度信号を受け取る。そして、信号処理部65は、例えば、赤色光強度信号が示す赤色光用光センサー現在値を補正する。信号処理部65は、補正して得た補正後の赤色光用光センサー値を参照して励起用レーザーダイオード62の発光のデューティーを示す励起用デューティー値DutyYを決定する。信号処理部65は、決定した励起用デューティー値DutyYを示す情報をPWM信号生成部67へ出力する。
信号処理部65は、青色光用光センサー36Bから青色光強度信号を受け取る。そして、信号処理部65は、例えば、青色光強度信号が示す青色光用光センサー現在値を補正する。信号処理部65は、補正して得た補正後の青色光用光センサー値を参照して青色レーザーダイオード59の発光のデューティーを示す青色デューティー値DutyBを決定する。信号処理部65は、決定した青色デューティー値DutyBを示す情報をPWM信号生成部67へ出力する。
また、信号処理部65は、励起用レーザーダイオード62を定電流駆動する場合、駆動電流の振幅Yを示す駆動電流振幅情報を励起用レーザーダイオード駆動部68へ出力する。これにより、励起用レーザーダイオード駆動部68は、PWM駆動の他に、振幅Yの定電流駆動でも励起用レーザーダイオード62を駆動することができる。
また、同様に、信号処理部65は、青色レーザーダイオード59を定電流駆動する場合、駆動電流の振幅Bを示す駆動電流振幅情報を青色レーザーダイオード駆動部69へ出力する。これにより、青色レーザーダイオード駆動部69は、PWM駆動の他に、振幅Bの定電流駆動でも青色レーザーダイオード59を駆動することができる。
PWM信号生成部67は、励起用デューティー値DutyYから励起用レーザーダイオード62の明滅と対応したPWMY信号を生成する。PWM信号生成部67は、生成したPWMY信号を励起用レーザーダイオード駆動部68へ出力する。
同様に、PWM信号生成部67は、青色デューティー値DutyBから青色レーザーダイオード59の明滅と対応したPWMB信号を生成する。PWM信号生成部67は、生成したPWMB信号を青色レーザーダイオード駆動部69へ出力する。
励起用レーザーダイオード駆動部68は、PWMY信号の波形に基づいた励起用レーザーダイオード62のON/OFF制御を行う。なお、励起用レーザーダイオード駆動部68は、信号処理部65から入力された駆動電流振幅情報が示す振幅Yで、励起用レーザーダイオード62の定電流駆動を行ってもよい。
また、青色レーザーダイオード駆動部69は、PWMB信号の波形に基づいた青色レーザーダイオード59のON/OFF制御を行う。なお、青色レーザーダイオード駆動部69は、信号処理部65から入力された駆動電流振幅情報が示す振幅Bで、青色レーザーダイオード59の定電流駆動を行ってもよい。
図3は、第1の実施形態における信号処理部65の構成を示す概略ブロック図である。信号処理部65は、予め決められたタイミングで、赤色光用光センサー値と青色光用光センサー値を補正する。ここで信号処理部65は、波長変化推定部80と、赤色光用乗算部84と、デューティー決定部85と、偏光変化推定部90と、青色光用乗算部94とを備える。
波長変化推定部80は、赤色光LRの波長変化を推定する。ここで、波長変化推定部80は、赤色光用光センサー基準値記憶部81と、赤色光減衰比算出部82と、赤色光用補正係数決定部83とを備える。赤色光用光センサー基準値記憶部81には、赤色光用光センサー基準値が記憶されている。赤色光用光センサー基準値は、例えばプロジェクター50出荷時の赤色光用光センサー値である。
赤色光減衰比算出部82は、赤色光用光センサー基準値記憶部81から赤色光用光センサー基準値を読み出す。赤色光減衰比算出部82は、赤色光用光センサー現在値を赤色光用光センサー基準値で割ることで赤色光減衰比を算出する。そして、赤色光減衰比算出部82は赤色光減衰比を示す情報を赤色光用補正係数決定部83へ出力する。
赤色光用補正係数決定部83は、赤色光減衰比に応じて赤色光用補正係数を決定する。具体的には、例えば赤色光用補正係数決定部83は、赤色光減衰比と赤色光用補正係数とが関連付けられたテーブルが記憶されているものとする。その場合に、赤色光用補正係数決定部83は、例えば、赤色光減衰比算出部82から入力された情報が示す赤色光減衰比に対応する赤色光用補正係数をテーブルから読み出すことで赤色光用補正係数を決定する。これにより、赤色光減衰比に応じた赤色光用補正係数が決定される。赤色光用補正係数決定部83は、決定した赤色光用補正係数を示す情報を赤色光用乗算部84へ出力する。
赤色光用乗算部84は、赤色光用光センサー現在値に赤色光用補正係数決定部83から入力された情報が示す赤色光用補正係数を乗じることで補正後の赤色光用光センサー値を算出する。これにより、黄色光用照明装置52(図1)が出射する黄色光LYの波長変化による赤色光用光センサー現在値の誤差が補正される。
このように、波長変化推定部80は、赤色光用光センサー値が低下した際には、蛍光体基板61に入射される光量が減り、蛍光体基板61から出力される光の波長が変化したものと推定する。その結果、波長変化推定部80は、赤色光用光センサー36Rの分光感度特性と、人間の目の分光感度特性である比視感度関数との違いによって生じる、投写画像の赤色光(またはG光、Y光)の輝度値と、赤色光用光センサー36Rの出力との誤差を補正する赤色光用補正係数を求める。この赤色光用補正係数は、偏光分離素子などの光学素子の波長特性に起因して生じる、投写画像の赤色光(またはG光、Y光)の輝度値と、赤色光用光センサー36Rの出力との誤差も含めて補正することができる。そして、波長変化推定部80は、補正係数を赤色光用光センサー現在値に乗算することで補正後の赤色光用光センサー値を得ることができる。
デューティー決定部85は、補正後の赤色光用光センサー値と補正後の青色光用光センサー値に応じて励起用デューティー値DutyYと青色デューティー値DutyBを決定する。その際、デューティー決定部85は、赤の光強度と青の光強度が予め決められた目標の比率になるように、励起用デューティー値DutyYと青色デューティー値DutyBを決定する。その際、デューティー決定部85は、例えば、弱い光強度のレーザーダイオードにあわせて強い光強度のレーザーダイオードの強度を変更するように、励起用デューティー値DutyYと青色デューティー値DutyBを決定する。デューティー決定部85は、励起用デューティー値DutyYを示す情報と青色デューティー値DutyBを示す情報をPWM信号生成部67へ出力する。これにより、デューティー決定部85は、励起用レーザーダイオード62の発光量と青色レーザーダイオード59の発光量を制御することができる。
なお、青色レーザーダイオード59の光出力に余裕を持たせておいて、青色レーザーダイオード59の光量が下がった場合に、デューティー決定部85が青色レーザーダイオード59の光強度を強くするように青色デューティー値DutyBを決定してもよい。
また、デューティー決定部85は、例えば、強い光強度のレーザーダイオードにあわせて弱い光強度のレーザーダイオードの強度を変更するように、励起用デューティー値DutyYと青色デューティー値DutyBを決定してもよい。
なお、本実施形態では、一例として光源71の色バランス補正のために光センサー値を取得する際には、予め決められたシーケンスが適用されることを前提としており、映像信号に適応した調光制御などは実施されないものとする。
偏光変化推定部90は、青色光LBの偏光変化を推定する。ここで、偏光変化推定部90は、青色光用光センサー基準値記憶部91と、青色光減衰比算出部92と、青色光用補正係数決定部93とを備える。
青色光用光センサー基準値記憶部91は、青色光用光センサー基準値が記憶されている。青色光用光センサー基準値は、例えばプロジェクター50出荷時の青色光用光センサー値である。
青色光減衰比算出部92は、青色光用光センサー基準値記憶部91から青色光用光センサー基準値を読み出す。青色光減衰比算出部92は、青色光用光センサー現在値を青色光用光センサー基準値で割ることで青色光減衰比を算出する。そして、青色光減衰比算出部92は青色光減衰比を示す情報を青色光用補正係数決定部93へ出力する。
青色光用補正係数決定部93は、青色光減衰比算出部92から入力された情報が示す青色光減衰比に応じて青色光用補正係数を決定する。具体的には、例えば青色光用補正係数決定部93には、青色光減衰比と青色光用補正係数とが関連付けられたテーブルが記憶されているものとする。その場合に、青色光用補正係数決定部93は、例えば、青色光減衰比算出部92から入力された情報が示す青色光減衰比に対応する青色光用補正係数を読み出すことで青色光用補正係数を決定する。これにより、青色光減衰比に応じた青色光用補正係数が決定される。青色光用補正係数決定部93は、決定した青色光用補正係数を示す情報を青色光用乗算部94へ出力する。
青色光用乗算部94は、青色光用光センサー現在値に青色光用補正係数決定部93から入力された情報が示す青色光用補正係数を乗じることで補正後の青色光用光センサー値を算出する。これにより、青色光LBの偏光変化に起因する青色光用光センサー現在値の誤差が補正される。
このように、偏光変化推定部90は、青色光用センサー値が低下した際には、偏光変換素子11(図1)の温度特性等により、偏光変換後の偏光状態が変化したものと推定する。そして、偏光変化推定部90は、青色レーザーダイオード59の発光量の変化以上に青色光用光センサー現在値が変化する誤差を補正する補正係数を決定する。そして、偏光変化推定部90は、決定した補正係数を青色光用光センサー現在値に乗算することで、補正後の青色光用光センサー値を得ることができる。
本実施形態では、波長変化推定部80および偏光変化推定部90の双方ともに、光センサー値の減衰率に基づいて光センサー値を補正しているので、これらの光センサーの誤差要因を一つのテーブルに統合し、当該一つのテーブルを用いて各補正値を求めてもよい。また、本実施形態では、一例として基準値からの減衰率を用いて補正値を決定したが、光センサー値の絶対値を用いて補正値を決定してもよい。上述の補正により、プロジェクター50は光センサー出力と対応する照明装置(例えば、青色光用照明装置51)からの出射光量とを高い精度で対応付けることができる。
図4は、調節部70(図2)による補正前と補正後における、光センサーの出力と光センサーの減衰率との関係を比較したグラフの一例である。同図の縦軸は光センサー出力で、横軸は光センサーの減衰率である。ここで、光センサーの減衰率は、光センサー出力の現在値を光センサー出力の基準値で割った値に100を乗じた値である。同図の例では、調節部70が光センサーの値を補正する前は、下に凸の曲線L41を示すのに対し、補正後は、直線L42を示す。すなわち、補正後には、光センサーの出力が減衰率に対し線形となる。
図5は、第1の実施形態における制御部の処理の流れの一例を示すフローチャートである。制御部64は、ステップS101〜S106と、ステップS107〜S112の処理を並行して行う。
(ステップS101)まず、赤色光減衰比算出部82は、赤色光用光センサー現在値を赤色光用光センサー基準値で割ることで、赤色光減衰比を算出する。
(ステップS102)次に、赤色光用補正係数決定部83は、赤色光減衰比に応じて赤色光用補正係数を決定する。
(ステップS103)次に、赤色光用乗算部84は、赤色光用光センサー現在値に赤色光用補正係数を乗算して、補正後の赤色光用光センサー値を生成する。
(ステップS104)次に、デューティー決定部85は、補正後の赤色光用光センサー値から、励起用デューティー値DutyYを算出する。
(ステップS105)次に、PWM信号生成部67は、励起用デューティー値DutyYを用いて、励起用レーザーダイオード62の明滅と対応したPWMY信号を生成する。
(ステップS106)次に、励起用レーザーダイオード駆動部68は、PWMY信号を用いて、励起用レーザーダイオード62を駆動する。
(ステップS107)まず、青色光減衰比算出部92は、青色光用光センサー現在値を青色光用光センサー基準値で割ることで、青色光減衰比を算出する。
(ステップS108)次に、青色光用補正係数決定部93は、青色光減衰比に応じて青色光用補正係数を決定する。
(ステップS109)次に、青色光用乗算部94は、青色光用の光センサー値に青色光用補正係数を乗算して、補正後の青色光用光センサー値を生成する。
(ステップS110)次に、デューティー決定部85は、補正後の青色光用光センサー値から、青色デューティー値DutyBを算出する。
(ステップS111)次に、PWM信号生成部67は、青色デューティー値DutyBを用いて、青色レーザーダイオード59の明滅と対応したPWMB信号を生成する。
(ステップS112)次に、青色レーザーダイオード駆動部69は、PWMB信号を用いて、青色レーザーダイオード59を駆動する。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
以上、赤色光用光センサー36Rは、励起用レーザーダイオード62の発光量を検出することはできるが、色度変化を検出することはできない。よって、励起用レーザーダイオード62の波長が変化した場合に、光センサーの分光感度特性の影響により、励起用レーザーダイオード62の発光量の変化割合とは異なる変化割合で光センサー出力変化割合が得られる。その結果、画像を所望の明るさで表示できないという課題があった。
それに対し、第1の実施形態において、波長変化推定部80(図3)が、励起用レーザーダイオード62の波長変化による光センサー出力変化割合の誤差を補正する赤色光用補正係数を算出する。そして、赤色光用乗算部84は、赤色光用光センサー現在値に算出された赤色光用補正係数を乗じることで赤色光用光センサー現在値を補正する。これによって、補正後の赤色光用光センサー値に応じて励起用デューティー値DutyYが決定されるので、励起用レーザーダイオード62が補正後の赤色光用光センサー値に応じたデューティーで駆動される。このようにして調節部70は、励起用レーザーダイオード62の光量を調節することで、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
また、光学素子の温度特性等の影響により、光の偏光状態が変化することで、青色レーザーダイオード59の発光量の変化割合とは異なる光センサー出力変化割合が得られる。その結果、画像を所望の明るさで表示できないという課題があった。
それに対し、第1の実施形態において、偏光変化推定部90が、青色レーザーダイオード59の偏光変化による光センサー出力変化割合の誤差を補正する青色光用補正係数を算出する。そして、青色光用乗算部94は、青色光用光センサー現在値に算出された青色光用補正係数を乗じることで青色光用光センサー現在値を補正する。これによって、補正後の青色光用光センサー値に応じて青色デューティー値DutyBが決定されるので、青色レーザーダイオード59が補正後の青色光用光センサー値に応じたデューティーで駆動される。このようにして調節部70は、青色レーザーダイオード59の光量を調節することで、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
以上のことから、第1の実施形態において、調節部70は、光の状態(例えば、波長、偏光)を示す光状態情報を推定し、該推定した光状態情報に基づいて、光源71の出力を調節する。偏光ビームスプリッター26は、励起用レーザーダイオード62から入射された光を異なる偏光の光に分離する。また、光検出部72が備える赤色光用光センサー36Rは、偏光ビームスプリッター26が分離した光のうち、スクリーンに投影する光とは異なる光の明るさに関する光明るさ情報を検出する。また、偏光ビームスプリッター28は、青色レーザーダイオード59から入射された光を異なる偏光の光に分離する。同様に、光検出部72が備える青色光用光センサー36Bは、偏光ビームスプリッター28が分離した光のうち、スクリーンに投影する光とは異なる光の明るさに関する光明るさ情報を検出する。これにより、プロジェクター50は、光検出部72がスクリーンに投影されない偏光の光について光明るさ情報を検出するので、スクリーンに投影する光の光量を下げずに光明るさ情報を検出することができる。また、偏光ビームスプリッター26はP偏光の光のみを透過させてP偏光の光のみを投影するためにプロジェクター50が備えているものである。そのため光検出部72は、偏光ビームスプリッター26が反射し、投影には用いないS偏光の光を検出するように構成することで、プロジェクター50は光明るさ情報を検出するためだけに新たな構成を付加せずに光明るさ情報を検出することができる。
調節部70は、光状態情報に基づいて、光検出部72が検出した光明るさ情報を補正し、該補正した光明るさ情報を参照して光源71の出力を調節する。また、調節部70は、光検出部72が検出した光明るさ情報を参照して光の波長変化を推定し、該推定した光の波長変化に基づいて光源71の出力を調節する。これにより、調節部70は、光の波長変化による光源の出力のずれを調整することで、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
また、調節部70は、光検出部72が検出した光明るさ情報を参照して光の偏光状態の変化を推定し、該推定した光の偏光状態の変化に基づいて光源71の出力を調節する。これにより、プロジェクター50は、光の偏光変化による光源の出力のずれを調整することで、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
<第2の実施形態>
続いて、第2の実施形態について説明する。光源71の波長変化の特性は、発光デューティー値を制御したときと光源71の出力が低下したときとで異なる。例えば、発光デューティー値を制御することで、蛍光体基板61の温度が変化するが、ピーク光量(光密度)は変化しない。励起用レーザーダイオード62の出力が低下した際には、蛍光体基板61の温度とピーク光量の両方が変化する。これによって、発光デューティー値を制御したときと光源71の出力が低下したときとで光の波長変化の現れ方が変わる。
そこで、第2の実施形態によるプロジェクター50bは、第1の実施形態におけるプロジェクター50に対し、以下の点で異なる。プロジェクター50bは励起用レーザーダイオード62の発光デューティー値(以下、黄色光源発光Dutyともいう)に基づいて第1の補正係数を決定する。その上で、プロジェクター50bは発光デューティー値による光量変化以外の光量変化割合を、(センサー現在値/センサー基準値)/Duty比で求める。ここで、Duty比は、発光デューティー値の100分の1である。例えば発光デューティー値が50%の場合、0.5である。プロジェクター50bは発光デューティー値による光量変化以外の光量変化割合に応じて第2の補正係数を決定する。プロジェクター50bは、第1の補正係数と第2の補正係数を加算した値を光センサー値に乗じることで光センサー値を補正する。このような構成とすることで、プロジェクター50bは第1の実施形態よりもさらに高精度に光センサー出力を補正することができる。
なお、Duty比で割っているが、これはDuty比と明るさの関係が線形とみなせる場合に適用可能である。より正確には、プロジェクター50bはDuty比と明るさ比の関係を表すテーブルから、Duty比に対応した明るさ比を求め、明るさ比で規格化することが好ましい。これにより、より高精度に光センサー出力を補正することができる。
図6は、第2の実施形態におけるプロジェクター50bの構成を示す概略構成図である。なお、図1と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第2の実施形態におけるプロジェクター50bの構成は、第1の実施形態におけるプロジェクター50の構成に対して、制御部64が制御部64bに変更されたものとなっている。
図7は、第2の実施形態における制御部64bの構成を示す概略ブロック図である。なお、図2と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第2の実施形態における制御部64bの構成は、第1の実施形態における制御部64の構成に対して、調節部70の信号処理部65が調節部70bの信号処理部65bに変更されたものとなっている。
図8は、第2の実施形態における信号処理部65bの構成を示す概略ブロック図である。図3と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。信号処理部65bは、第1の実施形態の信号処理部65と異なり、一例としてリアルタイムで、赤色光用光センサー値と青色光用光センサー値を補正する。ここで信号処理部65bは、波長変化推定部80bと、赤色光用乗算部84と、デューティー決定部85と、偏光変化推定部90bと、青色光波長変化推定部100と、青色光用加算部102と、青色光用乗算部94とを備える。
波長変化推定部80bは、赤色光用光センサー基準値記憶部81と、赤色光減衰比算出部82bと、第1補正係数決定部86と、第2補正係数決定部87と、赤色光用加算部88とを備える。
赤色光減衰比算出部82bは、例えば(赤色光用光センサー現在値/赤色光用光センサー基準値)/Duty比に従って、発光デューティー値による赤色光量変化以外の赤色光量変化割合を算出する。赤色光減衰比算出部82bは、算出した上記赤色光量変化割合を示す情報を第2補正係数決定部87に出力する。
第1補正係数決定部86は、入力された黄色光源発光Dutyに応じて第1補正係数を決定する。黄色光源発光Dutyは、励起用レーザーダイオード62のデューティーである。第1補正係数は、黄色光源発光Dutyに対して概ね線形な関係である。これは波長変化の要因が温度のみのためである。第1補正係数決定部86は、決定した第1補正係数を示す情報を赤色光用加算部88へ出力する。
続いて、第1補正係数決定部86の具体的な処理の一例について説明する。第1補正係数決定部86は例えば黄色光源発光Dutyと第1補正係数とが関連付けられたテーブルT1を記憶している。そして、第1補正係数決定部86は、例えば入力された黄色光源発光Dutyに応じた第1補正係数をテーブルT1から読み出すことで第1補正係数を決定する。
ここでテーブルT1は、例えば実際に励起用レーザーダイオード62のデューティーを変えながら赤色光用光センサー現在値とスクリーン輝度との誤差を評価することで求められる。このとき、第1補正係数と後述する第2補正係数とが加算された値を用いて赤色光用光センサー現在値を補正するため、第1補正係数を用いて赤色光用光センサー現在値を補正しない場合、第1補正係数が0となるようにテーブルT1が作成される。
第2補正係数決定部87は、赤色光減衰比算出部82bから入力された情報が示す赤色光量変化割合に応じて第2補正係数を決定する。ここで、第2補正係数は、赤色光用光センサー現在値に対して2次関数的な関係を持つ。これは波長変化の要因が温度と光密度の二つにあるためである。第2補正係数決定部87は、決定した第2補正係数を示す情報を赤色光用加算部88へ出力する。
続いて、第2補正係数決定部87の具体的な処理の一例について説明する。第2補正係数決定部87は例えば発光デューティー値による赤色光量変化以外の赤色光量変化割合と第2補正係数とが関連付けられたテーブルT2を記憶しているものとする。そして、第2補正係数決定部87は、例えば入力された上記赤色光量変化割合に応じた第2補正係数をテーブルT2から読み出すことで第2補正係数を決定する。
ここで、第2補正係数よりも第1補正係数の方が大きい。第1補正係数は2要因の誤差の打消し効果がないからである。
赤色光用加算部88は、第1補正係数決定部86から入力された情報が示す第1補正係数と第2補正係数決定部87から入力された情報が示す第2補正係数とを加算する。赤色光用加算部88は、加算して得た加算補正係数を示す情報を赤色光用乗算部84へ出力する。
赤色光用乗算部84は、赤色光用光センサー現在値に赤色光用加算部88から入力された情報が示す加算補正係数を乗じ、乗じることで得られた値を補正後の赤色光用光センサー値とする。これにより、信号処理部65bは、赤色光用光センサー現在値に黄色光源発光Dutyに応じた補正と、黄色光源発光Dutyによる赤色光量変化以外の赤色光量変化割合に応じた補正を施すことができる。そして、赤色光用乗算部84は、得た補正後の赤色光用光センサー値を示す情報をデューティー決定部85へ出力する。
偏光変化推定部90bは、青色光LBの偏光変化を推定する。ここで、偏光変化推定部90bは、青色光用光センサー基準値記憶部91と、青色光減衰比算出部92bと、第4補正係数決定部96とを備える。
青色光減衰比算出部92bは、例えば(青色光用光センサー現在値/青色光用光センサー基準値)/青色光源Duty比に従って、発光デューティー値による青色光量変化以外の青色光量変化割合を算出する。ここで、青色光源Duty比は、青色レーザーダイオード59のデューティー値(以下、青色光源発光Dutyともいう)を100で割った値である。青色光減衰比算出部92bは、算出した上記青色光量変化割合を示す情報を第4補正係数決定部96へ出力する。
第4補正係数決定部96は、青色光減衰比算出部92bから入力された情報が示す青色光量変化割合に応じた第4補正係数を決定する。ここで、第4補正係数は、赤色光用光センサー値に対して2次関数的な関係を持つ。これは偏光状態変化が支配的であるためである。第2補正係数決定部87は、決定した第4補正係数を示す情報を青色光用加算部102へ出力する。
第4補正係数決定部96の具体的な処理の一例について説明する。第4補正係数決定部96は例えば発光デューティー値による青色光量変化以外の青色光量変化割合と第4補正係数とが関連付けられたテーブルT4を記憶しているものとする。そして、第4補正係数決定部96は、例えば入力された上記青色光量変化割合に応じた第4補正係数をテーブルT4から読み出すことで第4補正係数を決定する。
青色光波長変化推定部100は、青色光源発光Dutyに基づいて青色光LBの波長変化を推定する。青色光波長変化推定部100は、第3補正係数決定部101を備える。
第3補正係数決定部101は、青色光源発光Dutyに応じて、第3補正係数を算出する。ここで、第3補正係数は、青色光源発光Dutyに対して2次関数的な関係を持つ。これは波長変化と偏光状態変化の2要因が複合しているからである。第3補正係数決定部101は、算出した第3補正係数を示す情報を青色光用加算部102へ出力する。
ここで、第4補正係数よりも第3補正係数が大きい。これはPWM調光時は温度変化による波長変化が大きいからである。
第3補正係数決定部101の具体的な処理の一例について説明する。第3補正係数決定部101は例えば青色光源発光Dutyと第3補正係数とが関連付けられたテーブルT3を記憶しているものとする。そして、第3補正係数決定部101は、例えば入力された上記青色光量変化割合に応じた第3補正係数をテーブルT3から読み出すことで第3補正係数を決定する。
ここでテーブルT3は、例えば実際に青色レーザーダイオード59のデューティーを変えながら青色光用光センサー値とスクリーン輝度との誤差を評価することで求められる。このとき、第3補正係数と後述する第4補正係数との加算した値を用いて補正するため、第3補正係数を用いて青色光用光センサー値を補正しない場合、第3補正係数が0となるようにテーブルT3が作成される。
青色光用加算部102は、第3補正係数決定部101から入力された情報が示す第3補正係数と第4補正係数決定部96から入力された情報が示す第4補正係数を加算する。青色光用加算部102は、加算して得た第2の加算補正係数を青色光用乗算部94へ出力する。
青色光用乗算部94は、青色光用光センサー現在値に青色光用加算部102から入力された情報が示す第2の加算補正係数を乗じ、乗じることで得た値を補正後の青色光用光センサー値とする。そして、青色光用乗算部94は、得た補正後の青色光用光センサー値をデューティー決定部85へ出力する。
図9は、第2の実施形態における制御部64bの処理の流れの一例を示すフローチャートである。制御部64bは、ステップS201〜S207と、ステップS208〜S214の処理を並行して行う。
(ステップS201)まず、赤色光減衰比算出部82bは、発光デューティー値による赤色光量変化以外の赤色光量変化割合を算出する。
(ステップS202)次に、第1補正係数決定部86は、黄色光源発光Dutyに応じて第1補正係数を決定する。それと並行して第2補正係数決定部87は、赤色光量変化割合に応じて第2補正係数を決定する。
(ステップS203)次に、赤色光用加算部88は第1補正係数と第2補正係数を加算することで加算補正係数を算出する。
(ステップS204)次に、赤色光用乗算部84は、赤色光用光センサー現在値に加算補正係数を乗じることで、補正後の赤色光用光センサー値を算出する。
ステップS205〜ステップS207の処理は、ステップS104〜S106の処理と同じであるので、その説明を省略する。
(ステップS208)次に、青色光減衰比算出部92bは、発光デューティー値による青色光量変化以外の青色光量変化割合を算出する。
(ステップS209)次に、第3補正係数決定部101は、青色光源発光Dutyに応じて第3補正係数を決定する。それと並行して、第4補正係数決定部96は、青色光量変化割合に応じて第4補正係数を決定する。
(ステップS210)次に、青色光用加算部102は第3補正係数と第4補正係数を加算して第2の加算補正係数を算出する。
(ステップS211)次に、青色光用乗算部94は、青色光用光センサー現在値に第2の加算補正係数を乗じることで補正後の青色光用光センサー値を算出する。
ステップS212〜ステップS214の処理は、ステップS110〜S112の処理と同じであるので、その説明を省略する。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
以上、第2の実施形態において、信号処理部65bは、黄色光源発光Dutyに応じた補正と、黄色光源発光Dutyによる赤色光量変化以外の赤色光量変化割合に応じた補正を赤色光用光センサー現在値に施すことができる。同様に、信号処理部65bは、青色光源発光Dutyに応じた補正と、青色光源発光Dutyによる青色光量変化以外の青色光量変化割合に応じた補正を青色光用光センサー現在値に施すことができる。
これにより、プロジェクター50bは第1の実施形態よりもさらに高精度に光センサー出力を補正することができる。その結果、第1の実施形態よりも高精度に、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。また、プロジェクター50bは映像に適応して発光デューティーを変更させる制御中であっても、赤色光用光センサー現在値または青色光用光センサー現在値を用いて光源光量を補正することができる。
<第3の実施形態>
続いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態におけるプロジェクター50cは、温度センサー(温度検出部)110を備える。プロジェクター50cは、温度センサー値の基準値からの変化に応じて、光センサー出力を補正する。プロジェクター50cは、温度センサーを用いることにより、光源71の出力の劣化による温度変化以外の温度変化である環境温度変化も含めて、光源71の色バランスを補正することができる。
図10は、第3の実施形態におけるプロジェクター50cの構成を示す概略構成図である。なお、図1と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第3の実施形態におけるプロジェクター50cの構成は、第1の実施形態におけるプロジェクター50の構成に対して、温度センサー110が追加され、制御部64が制御部64cに変更されたものとなっている。
温度センサー110は、一例として冷却用ファン(図示せず)の排気流の排気口付近に配置されているものとする。なお、温度センサーは、吸気口付近に配置されていてもよい。温度センサー110は、周囲の環境温度を計測し、計測した環境温度(以下、温度センサー現在値ともいう)を示す温度情報を制御部64cへ出力する。
図11は、第3の実施形態における制御部64cの構成を示す概略ブロック図である。なお、図2と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第3の実施形態における制御部64cの構成は、第1の実施形態における制御部64の構成に対して、調節部70の信号処理部65が調節部70cの信号処理部65cに変更されたものとなっている。
図12は、第3の実施形態における信号処理部65cの構成を示す概略ブロック図である。図3と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。信号処理部65cは、第1の実施形態の信号処理部65と同様に、一例として予め決められたタイミングで、赤色光用光センサー値と青色光用光センサー値を補正する。第3の実施形態における信号処理部65cの構成は、第1の実施形態における信号処理部65の構成に対して、波長変化推定部80が波長変化推定部80cに、偏光変化推定部90が偏光変化推定部90cに変更されたものになっている。
波長変化推定部80cは、赤色光用温度センサー基準値記憶部89と、第1温度変化比算出部82cと、赤色光用補正係数決定部83cとを備える。
赤色光用温度センサー基準値記憶部89には、赤色光用温度センサー基準値が記憶されている。
第1温度変化比算出部82cは、赤色光用温度センサー基準値記憶部89から赤色光用温度センサー基準値を読み出す。また、第1温度変化比算出部82cは、温度センサー110から温度情報を取得する。第1温度変化比算出部82cは、温度情報が示す温度センサー現在値を赤色光用温度センサー基準値で割り、割ることで得た値を第1温度変化比として算出する。第1温度変化比算出部82cは、算出した第1温度変化比を示す情報を赤色光用補正係数決定部83cへ出力する。
赤色光用補正係数決定部83cは、第1温度変化比算出部82cから入力された情報が示す第1温度変化比に応じて赤色光用補正係数を決定する。具体的には、例えば赤色光用補正係数決定部83cには、第1温度変化比と赤色光用補正係数とを関連付けたテーブルが予め記憶されているものとする。そして、赤色光用補正係数決定部83cは、例えば第1温度変化比算出部82cから入力された第1温度変化比に対応する赤色光用補正係数をそのテーブルから読み出すことで赤色光用補正係数を決定する。そして、赤色光用補正係数決定部83cは、決定した赤色光用補正係数を示す情報を赤色光用乗算部84へ出力する。
偏光変化推定部90cは、青色光用温度センサー基準値記憶部95と、第2温度変化比算出部92cと、青色光用補正係数決定部93cとを備える。
青色光用温度センサー基準値記憶部95には、青色光用温度センサー基準値が記憶されている。
第2温度変化比算出部92cは、青色光用温度センサー基準値記憶部95から青色光用温度センサー基準値を読み出す。また、第2温度変化比算出部92cは、温度センサー110から温度情報を取得する。第1温度変化比算出部82cは、温度情報が示す温度センサー現在値を青色光用温度センサー基準値で割り、割ることで得た値を第2温度変化比として算出する。第2温度変化比算出部92cは、算出した第2温度変化比を示す情報を青色光用補正係数決定部93cへ出力する。
青色光用補正係数決定部93cは、第2温度変化比算出部92cから入力された情報が示す第2温度変化比に応じて青色光用補正係数を決定する。具体的には、例えば青色光用補正係数決定部93cには、第2温度変化比と青色光用補正係数とを関連付けたテーブルが予め記憶されているものとする。そして、青色光用補正係数決定部93cは、例えば第2温度変化比算出部92cから入力された第2温度変化比に対応する青色光用補正係数をそのテーブルから読み出すことで青色光用補正係数を決定する。そして、青色光用補正係数決定部93cは、決定した青色光用補正係数を示す情報を青色光用乗算部94へ出力する。
図13は、第3の実施形態における制御部64cの処理の流れの一例を示すフローチャートである。制御部64は、ステップS301〜S306と、ステップS307〜S312の処理を並行して行う。
(ステップS301)まず、第1温度変化比算出部82cは、温度センサー現在値を赤色光用温度センサー基準値で割ることで第1温度変化比を得る。
(ステップS302)次に、赤色光用補正係数決定部83cは、第1温度変化比に応じて赤色光用補正係数を算出する。
ステップS303〜ステップS306の処理は、ステップS103〜S106の処理と同じであるので、その説明を省略する。
(ステップS307)次に、第2温度変化比算出部92cは、温度センサー現在値を赤色光用温度センサー基準値で割ることで第2温度変化比を得る。
(ステップS308)次に、青色光用補正係数決定部93cは、第2温度変化比に応じて青色光用補正係数を算出する。
ステップS309〜ステップS312の処理は、ステップS109〜S112の処理と同じであるので、その説明を省略する。以上で、本フローチャートの処理を終了する。
以上、第3の実施形態において、信号処理部65cは、温度センサー現在値に応じて赤色光用光センサー現在値を補正する。同様に、信号処理部65cは、温度センサー現在値に応じて青色光用光センサー現在値を補正する。信号処理部65cは、補正後の赤色光用光センサー値と補正後の青色光用光センサー値とを参照して、励起用デューティー値DutyYと青色デューティー値DutyBを決定する。そして、調節部70cは、決定した励起用デューティー値DutyYと青色デューティー値DutyBとを参照して、光源71の出力を調節する。
これにより、プロジェクター50cは、環境温度変化に起因した光の波長シフトによる光センサー出力誤差を補正することができる。調節部70cは、その補正後の光センサー出力に応じて光源71の出力を調節するので、第1の実施形態と同様に、プロジェクター50cは、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
以上のことから、第3の実施形態において、プロジェクター50cは、環境温度を示す環境温度情報を検出する温度検出部を更に備える。調節部70cは、温度検出部が検出した環境温度情報を参照して、上記光状態情報を推定し、該推定した光状態情報に基づいて光源71の出力を調節する。これにより、プロジェクター50は、温度情報を参照して光状態情報を推定することができるので、温度変化に起因した光の波長シフトによる光明るさ情報の誤差を補正することができる。
なお、第1の実施形態または第2の実施形態のプロジェクターは、それぞれの構成に加えて、補正部73cを備える構成であってもよい。その場合、第1の実施形態におけるプロジェクター50は、例えば、補正部73の前後に補正部73cが接続され、補正部73cが赤色光用光センサー値及び青色光用光センサー値を更に補正してもよい。また、第2の実施形態におけるプロジェクター50bは、例えば、補正部73bの前後に補正部73cが接続され、補正部73cが赤色光用光センサー値及び青色光用光センサー値を更に補正してもよい。すなわち、調節部(70または70b)は、光検出部が検出した光明るさ情報と温度センサー110が検出した環境温度情報とを参照して、光状態情報を推定する。これにより、光源71の発光量に起因した波長シフトによる光センサー出力誤差を補正しつつ、環境温度変化に起因した光源71から出射する光の波長シフトによる光センサー出力誤差を補正することができる。そのため、第1の実施形態または第2の実施形態よりも更に高精度に光センサー出力を補正することができる。その結果、第1の実施形態または第2の実施形態よりも更に高精度に、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
また、本実施形態では、温度センサー110が環境温度を検出したが、これに限ったものではない。プロジェクター50cは、第1の温度センサーと第2の温度センサーを備えてもよい。第1の温度センサーは、励起用レーザーダイオード62(以下、Y光源ともいう)については、蛍光体基板61周辺の温度を検出してもよい。蛍光体基板61の温度によって光の波長シフト量が変化するからである。第2の温度センサーは、青色レーザーダイオード59(以下、B光源ともいう)については、偏光変換素子11周辺の温度を検出してもよい。偏光変換素子11の温度によって光の偏光状態が変化するからである。その場合、第1の温度センサーは、蛍光体基板61周辺の温度の現在値を第1温度変化比算出部82cに出力する。また、赤色光用温度センサー基準値記憶部89には、例えば蛍光体基板61周辺の温度の基準値が予め記憶されている。第1温度変化比算出部82cは、蛍光体基板61周辺の温度の現在値を蛍光体基板61周辺の温度の基準値で割ることで赤色光用補正係数を算出してもよい。また、第2の温度センサーは、偏光変換素子11周辺の現在値を第2温度変化比算出部92cに出力する。また、青色光用温度センサー基準値記憶部95には、例えば偏光変換素子11周辺の温度の基準値が予め記憶されている。第2温度変化比算出部92cは、偏光変換素子11周辺の温度の現在値を偏光変換素子11周辺の温度の基準値で割ることで青色光用補正係数を算出してもよい。
また、第1の温度センサーは、Y光源については、蛍光体基板61周辺の温度に限らず、励起用レーザーダイオード62、偏光変換素子11、偏光ビームスプリッター26、または偏光ビームスプリッター27などの光学素子周辺の温度を検出してもよい。
また、第2の温度センサーは、B光源については、偏光変換素子11周辺の温度に限らず、青色レーザーダイオード59、蛍光体基板61、または偏光ビームスプリッター28などの光学素子周辺の温度を検出してもよい。
<第4の実施形態>
続いて、第4の実施形態について説明する。
図14は、第4の実施形態におけるプロジェクター50dの構成を示す概略構成図である。なお、図1と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を割愛または省略する。第4の実施形態におけるプロジェクター50dの構成は、第1の実施形態におけるプロジェクター50の構成に対して、4個の温度センサー(励起用LD用温度センサー201、青色LD用温度センサー202、赤色光用パネル用温度センサー211R、青色光用パネル用温度センサー211B)が追加され、制御部64が制御部64dに変更されたものとなっている。
まず、本実施形態に係るプロジェクター50dについて、図1と共通する要素であるが、本実施形態に関係する要素の概要を説明しておく。
本実施形態に係るプロジェクター50dでは、励起用レーザーダイオードアレイ60から射出された光で蛍光体基板61を励起し、Y光に変換する。このY光が、ピックアップレンズ57、平行化レンズ58で平行光とされ、マルチレンズで均一化された後に、R光用の反射型液晶パネル4R及びG光用の反射型液晶パネル4Gを照明する。
また、青色レーザーダイオードアレイ53から射出された光が、拡散板56で均一化された後に、R光路やG光路と同様に、B光用の反射型液晶パネル4Bを照明する。
そして、色合成後の光が、投写光学系6(例えば、投写レンズなど)を経て、スクリーンSCRに投影される。
また、Y光源用の光センサー(赤色光用光センサー36Rや緑色光用光センサー36G)が、Y光用の反射型液晶パネル(R光用の反射型液晶パネル4RやG光用の反射型液晶パネル4G)の付近に配置されている。B光源用の光センサー(青色光用光センサー36B)が、B光用の反射型液晶パネル4Bの付近に配置されている。それぞれの光センサー36R、36G、36Bは、それぞれの反射型液晶パネル4R、4G、4Bの手前に配置された偏光ビームスプリッター26、27、28により分離された光を検出する。この光は、更に手前に配置されたそれぞれの偏光変換素子11により偏光方向が整流された光であるが、一部の整流しきれない成分がそれぞれの光センサー36R、36G、36Bにより検出されることになる。
なお、各光センサー36R、36G、36Bの配置としては、例えば、Y光源の光量及びB光源の光量を検出することができる場所であればよく、本実施形態の配置には限定されない。
次に、本実施形態に係るプロジェクター50dについて、図1とは異なる要素である温度センサー(励起用LD用温度センサー201、青色LD用温度センサー202、赤色光用パネル用温度センサー211R、青色光用パネル用温度センサー211B)について説明する。
本実施形態では、プロジェクター50dの温度状態を把握して温度に関する補正を行うための温度センサー(励起用LD用温度センサー201、青色LD用温度センサー202、赤色光用パネル用温度センサー211R、青色光用パネル用温度センサー211B)を、励起用レーザーダイオード62(励起用レーザーダイオードアレイ60)の周囲と、青色レーザーダイオード59(青色レーザーダイオードアレイ53)の周囲と、R光用の反射型液晶パネル4Rの周囲と、B光用の反射型液晶パネル4Bの周囲に、それぞれ取り付けて備えている。
より具体的には、本実施形態では、励起用LD用温度センサー201を励起用レーザーダイオードアレイ60に取り付けてあり、青色LD用温度センサー202を青色レーザーダイオードアレイ53に取り付けてあり、赤色光用パネル用温度センサー211Rを放熱フィン33Rに取り付けてあり、青色光用パネル用温度センサー211Bを放熱フィン33Bに取り付けてある。
ここで、赤色光用パネル用温度センサー211Rや青色光用パネル用温度センサー211Bは、一例として、冷却用ファンの排気流の排気口付近に配置されてもよく、他の例として、冷却用ファンの排気流の吸気口付近に配置されてもよい。
各温度センサー(励起用LD用温度センサー201、青色LD用温度センサー202、赤色光用パネル用温度センサー211R、青色光用パネル用温度センサー211B)は、サーミスタなどを用いて構成される。
本実施形態では、反射型液晶パネル4R、4Bの付近に取り付けられた温度センサー(赤色光用パネル用温度センサー211R、青色光用パネル用温度センサー211B)により、偏光ビームスプリッター26、28等の温度特性を考慮した補正を行うことが可能である。また、LDの付近に取り付けられた温度センサー(励起用LD用温度センサー201、青色LD用温度センサー202)により、光源(励起用レーザーダイオード62、青色レーザーダイオード59)の温度特性を考慮した補正を行うことが可能である。
なお、本実施形態では、Y光用の温度センサーとして、R光用の温度センサー(本実施形態では、赤色光用パネル用温度センサー211R)をR光用の反射型液晶パネル4Rの周囲に備える構成を示すが、他の構成例として、R光用の温度センサーの代わりに、G光用の温度センサー(例えば、図示しない緑色光用パネル用温度センサー211G)をG光用の反射型液晶パネル4Gの周囲に備える構成が用いられてもよく、または、これらのようなR光用の温度センサーとG光用の温度センサーの両方を備える構成が用いられてもよい。
ここで、R光用の温度センサーとG光用の温度センサーの両方を備える構成では、例えば、本実施形態におけるR光用の温度センサーの検出結果の代わりに、これら両方の温度センサーの検出結果の平均値などを用いることが可能である。
また、通常のプロジェクターにおいては、各反射型液晶パネルや放熱フィンにもともと温度監視用の温度センサーが備えられていることが多く、本実施形態では、このような温度センサーを利用することも可能である。
ここで、プロジェクター50dの構成としては、様々な構成が用いられても良い。
例えば、蛍光体基板61は反射型のものであっても良い。光源としては、RGBの3つのLDまたはLEDであっても良い。光変調部(光変調素子)としては、透過型液晶パネルまたはDMDであっても良い。また、拡散板56の有無なども任意であって良い。このように、詳細な光学構成については、本実施形態の構成に限定されない。
図15は、第4の実施形態における制御部64dの構成を示す概略ブロック図である。なお、図2と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を割愛または省略する。第4の実施形態における制御部64dの構成は、第1の実施形態における制御部64の構成に対して、調節部70の信号処理部65が調節部70dの信号処理部65dに変更されたものとなっている。
また、図15には、各温度センサー(励起用LD用温度センサー201、青色LD用温度センサー202、赤色光用パネル用温度センサー211R、青色光用パネル用温度センサー211B)が信号処理部65dに接続されている様子を示してある。
また、図15には、温度センサー(励起用LD用温度センサー201、青色LD用温度センサー202、赤色光用パネル用温度センサー211R、青色光用パネル用温度センサー211B)を含む温度検出部301を示してある。
本実施形態に係る制御部64dにおいて行われる処理の概要を説明する。
なお、本実施形態では、温度センサー(励起用LD用温度センサー201、青色LD用温度センサー202、赤色光用パネル用温度センサー211R、青色光用パネル用温度センサー211B)に関する処理以外は、第1実施形態の場合と同様である。
信号処理部65dが映像信号に対して各種の画質補正処理を適用し、その映像がRGBの各液晶駆動部66R、66G、66Bを経て各反射型液晶パネル4R、4G、4BによりスクリーンSCRに表示される。
信号処理部65dは、光源の調光制御のための処理も行う。光源の光量は、例えば、メニュー画面からのユーザー設定やカラーモードに連動した明るさ、色設定に基づいて制御される。更に、光源の光量は、映像信号の明るさ(階調値)に適応して調光制御される場合もある。
信号処理部65dは、光源の明るさとデューティー(発光のデューティー値)との関係を示すテーブルを記憶しており、該テーブルを参照することにより、設定された明るさを実現するデューティー値(励起用デューティー値DutyY、青色デューティー値DutyB)を求めて、PWM信号生成部67へ出力する。
PWM信号生成部67は、信号処理部65dから入力されたデューティー値から、光源の明滅に対応したPWM信号(PWMY信号、PWMB信号)を生成して、LD駆動部(励起用レーザーダイオード駆動部68、青色レーザーダイオード駆動部69)へ送る。
LD駆動部(励起用レーザーダイオード駆動部68、青色レーザーダイオード駆動部69)は、信号処理部65dから指定された電流値(PWMY信号、PWMB信号)に応じてLD(励起用レーザーダイオード62、青色レーザーダイオード59)の駆動(本実施形態では、定電流駆動)を実行して、発光制御を行う。
更に、PWM信号(PWMY信号、PWMB信号)の波形に基づいて、LD(励起用レーザーダイオード62、青色レーザーダイオード59)のオン/オフ制御を行う。
ここで、このような光源の発光制御は、各光センサー(赤色光用光センサー36R、青色光用光センサー36B)から信号処理部65dへ送られる各光センサーからの出力(光センサー値)に基づく補正処理が為された制御値を用いて行われる。
また、本実施形態では、各温度センサー(励起用LD用温度センサー201、青色LD用温度センサー202、赤色光用パネル用温度センサー211R、青色光用パネル用温度センサー211B)からの出力(温度センサー値)が、信号処理部65dへ送られて、光センサーに対する補正処理に用いられる。
図16は、第4の実施形態における光源の明るさとデューティー(Duty)との関係を表したグラフの一例である。
本実施形態では、このようなグラフで表される情報を信号処理部65dが記憶して参照する。この情報は、例えば、ルックアップテーブル(LUT:Look Up Table)などとして、予め記憶される。
図16のグラフでは、横軸は光源の明るさ(所定の基準値に対して0%〜100%)を表わしており、縦軸はデューティー(所定の基準値に対して0%〜100%)を表わしている。
図16の例では、光源の明るさとデューティーとが1対1となる線形の直線1001で表される。
図17は、第4の実施形態における制御部64dの処理(光源初期確認処理)の流れの一例を示すフローチャートである。光源初期確認処理は、例えば、プロジェクター50dの出荷検査時などに行われる。
なお、本実施形態では、調光制御を行わない状態(調光オフの状態)で、光源初期確認処理が行われる。
(ステップS401)まず、信号処理部65dは、液晶パネル(本実施形態では、反射型液晶パネル4R、4G、4B)を黒表示にするように制御する。
(ステップS402)次に、信号処理部65dは、照明系に配置された光学絞り(本実施形態では、第1の絞り37、第2の絞り38)を全開の状態に設定し、照明系に配置された光学フィルターを全開の状態に設定する。
(ステップS403)次に、上記したステップS401〜S402の設定状態において、信号処理部65dは、各温度センサーの基準値を取得する。具体的には、信号処理部65dは、励起用LD用温度センサー201の温度検出値をその基準値YLSとして設定し、青色LD用温度センサー202の温度検出値をその基準値BLSとして設定し、赤色光用パネル用温度センサー211Rの温度検出値をその基準値RPAとして設定し、青色光用パネル用温度センサー211Bの温度検出値をその基準値BPAとして設定する。また、信号処理部65dは、これらの基準値YLS、BLS、RPA、BPAを記憶する。
(ステップS404)次に、上記したステップS401〜S402の設定状態において、信号処理部65dは、各光センサーの基準値を取得する。具体的には、信号処理部65dは、赤色光用光センサー36Rの光検出値をその基準値RSEとして設定し、青色光用光センサー36Bの光検出値をその基準値BSEとして設定する。また、信号処理部65dは、これらの基準値RSE、BSEを記憶する。
この場合、信号処理部65dは、励起用レーザーダイオード62の電流値を、予め定められた一定値(例えば、2.0A)に設定し、青色レーザーダイオード59の電流値を、予め定められた一定値(例えば、1.2A)に設定して、各光センサーの基準値を取得する。
なお、各光センサーの基準値を測定して取得するときにおける、励起用レーザーダイオード62及び青色レーザーダイオード59の点灯の態様としては、例えば、間欠点灯が用いられてもよく、または、連続点灯が用いられてもよい。
ここで、上記したステップS401〜S402の設定状態は、一例であり、他の設定状態が用いられてもよい。例えば、液晶パネルは黒表示でなくてもよく、光学絞りや光学フィルターは全開でなくてもよい。
以上のように、制御部64dは、光源初期確認処理として、プロジェクター50dにおける各種の画像調整が行われるタイミングなどで、光源の初期状態を光センサーを用いて確認し、これを基準状態として記憶する。以降は、制御部64dは、この基準状態を維持するように、光源の状態を制御する。また、制御部64dは、光源の発光状態を高精度に確認するために、光センサーの受光量に影響を与える要因(本実施形態では、液晶パネルの表示や、光学絞りや、光学フィルター)については所定の決められた状態に設定する。
図18は、第4の実施形態における制御部の処理(光源劣化確認処理)の流れの一例を示すフローチャートである。光源劣化確認処理は、出荷検査時に計測された光源状態を維持するために行われる。光源劣化確認処理は、例えば、光源初期確認処理または前回の光源劣化確認処理が行われたときから予め決められた使用時間(例えば、100時間など)が経過した後における終了シーケンス(電源オフ時のシーケンス)において、行われる。なお、他の構成例として、ユーザーがメニュー画面から光源劣化確認処理を選択してその実行を指示したことに応じて行われてもよい。また、他の構成例として、起動時などのように、本実施形態とは異なるタイミングで光源劣化確認処理が行われてもよい。
なお、本実施形態では、調光制御を行わない状態(調光オフの状態)で、光源劣化確認処理が行われる。
(ステップS451)まず、信号処理部65dは、液晶パネル(本実施形態では、反射型液晶パネル4R、4G、4B)を黒表示にするように制御する。
(ステップS452)次に、信号処理部65dは、照明系に配置された光学絞り(本実施形態では、第1の絞り37、第2の絞り38)を全開の状態に設定し、照明系に配置された光学フィルターを全開の状態に設定する。
(ステップS453)次に、上記したステップS451〜S452の設定状態において、信号処理部65dは、各温度センサーの検出値を取得する。具体的には、信号処理部65dは、励起用LD用温度センサー201の温度検出値YLSを取得し、青色LD用温度センサー202の温度検出値BLSを取得し、赤色光用パネル用温度センサー211Rの温度検出値RPAを取得し、青色光用パネル用温度センサー211Bの温度検出値BPAを取得する。また、信号処理部65dは、これらの検出値YLS、BLS、RPA、BPAを記憶する。
(ステップS454)次に、上記したステップS451〜S452の設定状態において、信号処理部65dは、各光センサーの検出値を取得する。具体的には、信号処理部65dは、赤色光用光センサー36Rの光検出値RSEを取得し、青色光用光センサー36Bの光検出値BSEを取得する。また、信号処理部65dは、これらの検出値RSE、BSEを記憶する。
ここで、上記したステップS451〜S452の設定状態としては、図17に示される光源初期確認処理におけるステップS401〜S402の設定状態と同じにする。このように、光源初期確認処理及び光源劣化確認処理では、光源劣化以外で光センサーの受光量に影響を与える要因(本実施形態では、液晶パネルの表示や、光学絞りや、光学フィルター)を排除することができるように、予め決められた状態に設定する。
また、上記したステップS454の処理において、信号処理部65dは、励起用レーザーダイオード62の電流値及び青色レーザーダイオード59の電流値を、光源初期確認処理において設定した予め定められた一定値に設定する。なお、信号処理部65dは、各光センサーの基準値を測定して取得するときにおける、励起用レーザーダイオード62及び青色レーザーダイオード59の点灯の態様(例えば、間欠点灯、または、連続点灯)を、光源初期確認処理において設定した態様と同じ態様に設定する。
(ステップS455)次に、信号処理部65dは、式(1)及び式(2)を用いて、温度補正係数(Y光)及び温度補正係数(B光)を導出して求める。
[数1]
温度補正係数(Y光)=1+{Yα × (検出値YLS−基準値YLS)
+Yβ × (検出値RPA−基準値RPA)}
・・(1)
[数2]
温度補正係数(B光)=1+{Bα × (検出値BLS−基準値BLS)
+Bβ × (検出値BPA−基準値BPA)}
・・(2)
ここで、式(1)において、検出値YLS及び基準値YLSは、それぞれ、励起用LD用温度センサー201の光源劣化確認処理における温度検出値YLS及び光源初期確認処理における基準値YLSであり、また、検出値RPA及び基準値RPAは、それぞれ、赤色光用パネル用温度センサー211Rの光源劣化確認処理における温度検出値RPA及び光源初期確認処理における基準値YLSである。
また、式(2)において、検出値BLS及び基準値BLSは、それぞれ、青色LD用温度センサー202の光源劣化確認処理における温度検出値BLS及び光源初期確認処理における基準値BLSであり、また、検出値BPA及び基準値BPAは、それぞれ、青色光用パネル用温度センサー211Bの光源劣化確認処理における温度検出値BPA及び光源初期確認処理における基準値BPAである。
また、式(1)におけるYα、Yβ及び式(2)におけるBα、Bβは、それぞれ、予め決められた係数であり、例えば、温度特性が変わらないと仮定して、事前の評価で決められた一定値である。
(ステップS456)次に、信号処理部65dは、式(3)及び式(4)を用いて、補正後の光センサー値(Y光)及び補正後の光センサー値(B光)を導出して求める。
[数3]
補正後の光センサー値(Y光)=温度補正係数(Y光) × 検出値RSE
・・(3)
[数4]
補正後の光センサー値(B光)=温度補正係数(B光) × 検出値BSE
・・(4)
ここで、式(3)において、検出値RSEは、赤色光用光センサー36Rの光源劣化確認処理における光検出値RSEである。
また、式(4)において、検出値BSEは、青色光用光センサー36Bの光源劣化確認処理における光検出値BSEである。
このように、温度に関する補正後の光センサー値は、取得した光センサー値に温度補正係数を乗算することで求められる。光センサー値に温度補正係数を演算することで、光センサー値の取得時における光源温度や光学素子温度に依存した受光量の変化により光源劣化状態となって誤った判断を改善することができる。
(ステップS457)次に、信号処理部65dは、式(5)及び式(6)を用いて、光源バランス補正値(Y光)及び光源バランス補正値(B光)を導出して求める。なお、光源バランス補正値(Y光)及び光源バランス補正値(B光)のうちの一方のみを用いる場合には、その一方のみを導出して求めればよい。
[数5]
光源バランス補正値(Y光)
=LSB_Y
× (基準値RSE/基準値BSE)/(検出値RSE/検出値BSE)
・・(5)
[数6]
光源バランス補正値(B光)
=LSB_B
× (検出値RSE/検出値BSE)/(基準値RSE/基準値BSE)
・・(6)
ここで、式(5)において、検出値RSE及び基準値RSEは、それぞれ、赤色光用光センサー36Rの光源劣化確認処理における光検出値RSE及び光源初期確認処理における基準値RSEである。本実施形態では、検出値RSEとして、式(3)により温度に関する補正が行われた補正後の光センサー値(Y光)を用いる。
また、式(6)において、検出値BSE及び基準値BSEは、それぞれ、青色光用光センサー36Bの光源劣化確認処理における光検出値BSE及び光源初期確認処理における基準値BSEである。本実施形態では、検出値BSEとして、式(4)により温度に関する補正が行われた補正後の光センサー値(B光)を用いる。
また、式(5)におけるLSB_Yは、励起用レーザーダイオード62の現在における明るさである。この明るさは、例えば、最大の出力に対する割合(%表示)で表される。
また、式(6)におけるLSB_Bは、青色レーザーダイオード59の現在における明るさである。この明るさは、例えば、最大の出力に対する割合(%表示)で表される。
このように、Y光のセンサー値(本実施形態では、R光のセンサー値を用いている。)とB光のセンサー値との比率を一定に保つように制御する。
一例として、(基準値RSE/基準値BSE)<(検出値RSE/検出値BSE)である場合には、基準よりもY光が強いまたはB光が弱いと考えられる。この場合、信号処理部65dは、例えば、B光をそのままの強度で制御し、式(5)にしたがって、Y光を弱める制御を行う。
他の例として、(基準値RSE/基準値BSE)>(検出値RSE/検出値BSE)である場合には、基準よりもY光が弱いまたはB光が強いと考えられる。この場合、信号処理部65dは、例えば、Y光をそのままの強度で制御し、式(6)にしたがって、B光を弱める制御を行う。
ここで、一方の光が強いまたは他方の光が弱い場合には、一方の光を弱める制御または他方の光を強める制御のうちの任意の方が用いられてもよいが、本実施形態では、光源の劣化に対して光源の光量を強める制御は熱的な負担を増やし信頼性を悪化させる場合があり得るため、光源の光量を弱める制御を行う構成としている。
本実施形態では、光源バランス補正値を求めたところで、光源劣化確認処理が終了する。
終了シーケンスで光源劣化確認処理を実行した場合には、信号処理部65dは、該処理の結果を記憶して、プロジェクター50dの次回の起動時から新しい制御量(光源バランス補正値)を適用する。
このような処理を行って、光源の劣化状態を高精度に把握して補正制御を行うことで、劣化にともなうホワイトバランスの変動を最小限に抑えることができる。
ここで、図17に示される光源初期確認処理における、温度センサー基準値取得の処理(ステップS403)と、光センサー基準値取得の処理(ステップS404)とは、順序が逆であってもよい。同様に、図18に示される光源劣化確認処理における、温度センサー値取得の処理(ステップS453)と、光センサー値取得の処理(ステップS454)とは、順序が逆であってもよい。但し、図17に示される光源初期確認処理と図18に示される光源劣化確認処理とで、温度センサー値の取得の処理と光センサー値の取得の処理の順序が同じである方が好ましい。
また、図17に示される光源初期確認処理及び図18に示される光源劣化確認処理において、光源の所望の明るさに対する光源バランス補正値を求める場合に、例えば、該所望の明るさ(同じ明るさ)を用いて光源バランス補正値を求めてもよく、または、異なる明るさを用いて光源バランス補正値を求めて、求めた光源バランス補正値を所望の明るさに応じて変換して使用する構成が用いられてもよい。
また、図17に示される光源初期確認処理及び図18に示される光源劣化確認処理において、例えば、光源バランス補正値を用いない状態でそれに対する光源バランス補正値を求めてもよく、または、光源バランス補正値を用いた状態でそれに対する光源バランス補正値(更なる光源バランス補正値)を求める構成が用いられてもよい。
信号処理部65dは、図18に示される光源劣化確認処理において求められた光源バランス補正値(Y光)または光源バランス補正値(B光)を用いて、励起用レーザーダイオード62または青色レーザーダイオード59を制御する。
具体的には、信号処理部65dは、図16に示されるような光源の明るさとデューティーとの対応情報を参照して、光源バランス補正値(Y光)に対応するデューティー値を求め、求めたデューティー値を用いて、励起用レーザーダイオード駆動部68を介して励起用レーザーダイオード62を制御する。同様に、信号処理部65dは、図16に示されるような光源の明るさとデューティーとの対応情報を参照して、光源バランス補正値(B光)に対応するデューティー値を求め、求めたデューティー値を用いて、青色レーザーダイオード駆動部69を介して青色レーザーダイオード59を制御する。
このような制御を行うタイミングとしては、様々なタイミングが用いられてもよく、例えば、プロジェクター50dの起動時などのタイミングを用いることができる。
なお、図16に示されるような光源の明るさとデューティーとの対応情報は、例えば、それぞれの光源(本実施形態では、励起用レーザーダイオード62、青色レーザーダイオード59)毎に用意されてもよく、または、複数の光源に共通に用意されてもよい。
一例として、高輝度設定で映像適応調光がオンであった場合、高輝度設定用の明るさ(例えば、100%)に適応調光の明るさ(例えば、70%)を乗算し、更に光源バランス補正値を乗算して得られる結果を、現在の明るさの設定値とする。
具体例として、光源バランス補正値(Y光)=100%、光源バランス補正値(B光)=80%で、Y光が劣化した場合には、Y光については100%×70%×100%=70%の明るさになるように制御し、B光については100%×70%×80%=56%の明るさになるように制御する。
以上のように、本実施形態では、光センサーの検出結果により光源の劣化を検出し、検出した光源の劣化に応じて光源の出力を調整することが可能なプロジェクター50dにおいて、温度センサーの検出結果に応じて光センサーの検出結果を補正する。
具体的には、本実施形態に係るプロジェクター50dでは、複数の光源(例えば、励起用レーザーダイオード62、青色レーザーダイオード59)と、各光源からの光を変調し画像光を生成する複数の光変調素子(例えば、反射型液晶パネル4R、4B)と、各光源と各光変調素子との間の光を検出する複数の光センサー(例えば、赤色光用光センサー36R、青色光用光センサー36B)と、各光源や各光変調素子の周辺の温度を検出する複数の温度センサー(例えば、励起用LD用温度センサー201、青色LD用温度センサー202、赤色光用パネル用温度センサー211R、青色光用パネル用温度センサー211B)と、温度センサーの検出値に基づいて光センサーの検出値を補正し、補正した光センサーの検出値に基づいて光源の劣化状態を確認して、光源の劣化状態に基づいて光源の制御(光源の出力の調整)を行う信号処理部65dを備える。これにより、Y光の光源の出力とB光の光源の出力とのバランス(比)が劣化等で変わったか否かを判定するときに、温度変化により劣化等で変わった成分を除外して、温度変化以外により劣化等で変わった成分を検出し、その検出結果を用いて明るさを補正し、その補正した明るさからデューティー値を求めて、光源を制御する。
以上のように、本実施形態に係るプロジェクター50dによると、光源や光変調素子などの温度特性によって生じる光センサーの受光量の変化を補正し、該補正した光センサーの検出値を用いて光源の劣化状態を検出することで、例えば、光源の劣化状態を短時間かつ高精度に把握し、初期状態を維持した光源制御を実現することができる。このような効果は、例えば、調光を行う構成において、温度センサーにより検出される温度が低くなる画面の表示(例えば、暗い画面の表示)を行った後に、特に有効である。
なお、従来の技術では、例えば、光センサーで光源の劣化状況を検出するためには、光源や介在する光学素子の温度特性などによる瞬間的な発光量の変化を切り分けて制御する必要があった。また、従来の技術では、光源の駆動電流を制御したときにおける光センサー値を取得する際には、連続的に光源を制御した条件と制御後に温度が安定した条件との受光量の違いを考慮する必要があった。従来の技術では、これらの原因によって、光源の劣化状況を正確に把握できないという問題が発生していた。
これに対して、本実施形態では、このような問題を解消することができる。
ここで、各温度センサーとしては、それぞれ、様々な場所に配置されてもよい。
具体例として、励起用レーザーダイオード62に関する温度センサー(本実施形態では、励起用LD用温度センサー201)としては、蛍光体基板61或いはその周辺や、偏光変換素子11或いはその周辺や、偏光ビームスプリッター26或いはその周辺や、偏光ビームスプリッター27或いはその周辺などに配置されてもよい。
また、青色LD用温度センサー202としては、蛍光体基板61或いはその周辺や、偏光変換素子11或いはその周辺や、偏光ビームスプリッター28或いはその周辺などに配置されてもよい。
また、本実施形態では、光源と光変調素子のそれぞれに関する温度を温度センサーにより検出して温度に関する補正を行う構成を示したが、他の構成例として、光源のみに関する温度を温度センサーにより検出して温度に関する補正を行う構成や、または、光変調素子のみに関する温度を温度センサーにより検出して温度に関する補正を行う構成が用いられてもよい。
本実施形態に係る構成例を示す。
一構成例として、本実施形態に係るプロジェクター50dは、光源(本実施形態では、光源71)から射出された光の明るさに関する光明るさ情報(本実施形態では、光検出値)を検出する光検出部(本実施形態では、光検出部72)と、温度を示す温度情報を検出する温度検出部(本実施形態では、温度検出部301)と、前記温度検出部により検出された温度情報に基づいて前記光検出部により検出された光明るさ情報を補正し、補正後の前記光明るさ情報に基づいて前記光源の出力を調節する調節部(本実施形態では、調節部70dであり、式(1)〜式(6)を用いる)と、を備える。
一構成例として、本実施形態に係るプロジェクター50dでは、前記光源は、第1の光源(本実施形態では、励起用レーザーダイオード62)と、第2の光源(本実施形態では、青色レーザーダイオード59)を含み、前記光検出部は、前記第1の光源に対応する第1の光検出部(本実施形態では、赤色光用光センサー36R、または、他の構成例として、緑色光用光センサー36G)と、前記第2の光源に対応する第2の光検出部(本実施形態では、青色光用光センサー36B)を含み、前記温度検出部は、前記第1の光源に対応する第1の温度検出部(本実施形態では、励起用LD用温度センサー201と、赤色光用パネル用温度センサー211Rまたは他の構成例として緑色光用パネル用温度センサー)と、前記第2の光源に対応する第2の温度検出部(本実施形態では、青色LD用温度センサー202と、青色光用パネル用温度センサー211B)を含み、前記調節部は、前記第1の温度検出部により検出された第1の温度情報に基づいて前記第1の光検出部により検出された第1の光明るさ情報を補正し、前記第2の温度検出部により検出された第2の温度情報に基づいて前記第2の光検出部により検出された第2の光明るさ情報を補正し、補正後の前記第1の光明るさ情報及び補正後の前記第2の光明るさ情報に基づいて、前記第1の光源の出力と前記第2の光源の出力のうちの一方または両方を調節する。
一構成例として、本実施形態に係るプロジェクター50dでは、前記第1の光源に対応する第1の光変調素子(本実施形態では、R光用の反射型液晶パネル4R、または、他の構成例として、G光用の反射型液晶パネル4G)と、前記第2の光源に対応する第2の光変調素子(本実施形態では、B光用の反射型液晶パネル4B)と、を更に備え、前記第1の光検出部は、前記第1の光源と前記第1の光変調素子との間の光の明るさに関する第1の光明るさ情報を検出し、前記第2の光検出部は、前記第2の光源と前記第2の光変調素子との間の光の明るさに関する第2の光明るさ情報を検出し、前記第1の温度検出部は、前記第1の光源の周辺の温度を示す第1の光源周辺温度情報を検出する第1の光源周辺温度検出部(本実施形態では、励起用LD用温度センサー201)と、前記第1の光変調素子の周辺の温度を示す第1の光変調素子周辺温度情報を検出する第1の光変調素子周辺温度検出部(本実施形態では、赤色光用パネル用温度センサー211R、または、他の構成例として、緑色光用パネル用温度センサー)を含み、前記第2の温度検出部は、前記第2の光源の周辺の温度を示す第2の光源周辺温度情報を検出する第2の光源周辺温度検出部(本実施形態では、青色LD用温度センサー202)と、前記第2の光変調素子の周辺の温度を示す第2の光変調素子周辺温度情報を検出する第2の光変調素子周辺温度検出部(本実施形態では、青色光用パネル用温度センサー211B)を含む。
一構成例として、本実施形態に係るプロジェクター50dでは、前記第1の光源は、Yの光源であり、前記第2の光源は、Bの光源であり、前記第1の光検出部及び前記第1の光変調素子周辺温度検出部は、R又はGのうちの一方または両方に対応して備えられる。
一構成例として、本実施形態に係るプロジェクター50dの制御方法は、光検出部が、光源から射出された光の明るさに関する光明るさ情報を検出する手順と、温度検出部が、温度を示す温度情報を検出する手順と、調節部が、前記温度検出部により検出された温度情報に基づいて前記光検出部により検出された光明るさ情報を補正し、補正後の前記光明るさ情報に基づいて前記光源の出力を調節する手順と、を有する。
なお、各実施形態の制御部(64、64b、64cまたは64d)の各処理を実行するためのプログラムをコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませ、実行することにより、制御部(64、64b、64cまたは64d)に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピューターシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリー等の書き込み可能な不揮発性メモリー、CD−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではない。各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
<以下、構成例>
(1)本発明の一態様は、光源から射出された光の状態を示す光状態情報を推定し、該推定した光状態情報に基づいて、前記光源の出力を調節する調節部を備えるプロジェクターである。これにより、光源が劣化することにより光源から出射される光の特性が変化しても、プロジェクターは、光状態情報に基づいて光源の出力を調節することで、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
(2)また、本発明の一態様は、上述のプロジェクターであって、前記光源から射出された光の明るさに関する光明るさ情報を検出する光検出部を更に備え、前記調節部は、前記光状態情報に基づいて、前記光検出部が検出した光明るさ情報を補正し、該補正した光明るさ情報を参照して前記光源の出力を調節する。これにより、プロジェクターは、光検出部が検出した光明るさ情報の誤差を補正し、補正した光明るさ情報を参照して光源の出力を調節することで、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
(3)また、本発明の一態様は、上述のプロジェクターであって、前記調節部は、前記光検出部が検出した光明るさ情報を参照して、前記光状態情報を推定する。これにより、プロジェクターは、光明るさ情報を参照して、光状態情報を推定し、該推定した光状態情報に基づいて、光検出部が検出した光明るさ情報を補正し、該補正した光明るさ情報を参照して光源の出力を調節することができる。
(4)また、本発明の一態様は、上述のプロジェクターであって、前記調節部は、前記光検出部が検出した光明るさ情報を参照して、前記光の波長変化を推定し、該推定した光の波長変化に基づいて前記光源の出力を調節する。これにより、プロジェクターは、光の波長変化による光源の出力のずれを調整することで、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
(5)また、本発明の一態様は、上述のプロジェクターであって、前記調節部は、前記光検出部が検出した光明るさ情報を参照して、前記光の偏光状態の変化を推定し、該推定した光の偏光状態の変化に基づいて前記光源の出力を調節する。これにより、プロジェクターは、光の偏光変化による光源の出力のずれを調整することで、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
(6)また、本発明の一態様は、上述のプロジェクターであって、前記光検出部は、スクリーンに投影する光とは異なる光の明るさに関する光明るさ情報を検出する。これにより、プロジェクターは、スクリーンに投影する光とは異なる光の明るさに関する光明るさ情報を光状態情報に基づいて補正し、補正した光明るさ情報を参照して光源の出力を調節することができる。これにより、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
(7)また、本発明の一態様は、上述のプロジェクターであって、前記光源から入射された光を異なる偏光の光に分離する偏光分離素子を更に備え、前記光検出部は、偏光分離素子が分離した光のうち、スクリーンに投影する光とは異なる光の明るさに関する光明るさ情報を検出する。これにより、プロジェクターは、光検出部がスクリーンに投影されない偏光の光について光明るさ情報を検出するので、スクリーンに投影する光の光量を下げずに光明るさ情報を検出することができる。
(8)また、本発明の一態様は、上述のプロジェクターであって、温度を示す温度情報を検出する温度検出部を更に備え、前記調節部は、前記温度検出部が検出した温度情報を参照して、前記光状態情報を推定し、該推定した光状態情報に基づいて前記光源の出力を調節する。これにより、プロジェクターは、温度情報を参照して光状態情報を推定することができるので、温度変化に起因した光の波長シフトによる光明るさ情報の誤差を補正することができる。
(9)また、本発明の一態様は、温度を示す温度情報を検出する温度検出部を更に備え、前記調節部は、前記光検出部が検出した光明るさ情報と前記温度検出部が検出した温度情報とを参照して、前記光状態情報を推定する。これにより、プロジェクターは、光明るさ情報と前記温度検出部が検出した温度情報の双方を参照して光状態情報を推定するので、光状態情報の精度を向上させることができる。それにより、表示する画像の明るさを所望の明るさにより近づけることができる。
(10)また、本発明の一態様は、調節部が、光源から射出された光の状態を示す光状態情報を推定し、該推定した光状態情報に基づいて、前記光源の出力を調節する手順を有するプロジェクターの制御方法である。これにより、光源が劣化することにより光源から出射される光の特性が変化しても、調節部が光状態情報に基づいて光源の出力を調節することで、表示する画像の明るさを所望の明るさに近づけることができる。
<以上、構成例>
3R、3G、3B 導光光学系 4R、4G、4B 反射型液晶パネル(光変調部) 5 クロスダイクロイックプリズム 6 投写光学系 9 第1レンズアレイ 10 第2レンズアレイ 11 偏光変換素子 12 重畳レンズ 13 第1小レンズ 14 第2小レンズ 25 ダイクロイックミラー 26、27、28 偏光ビームスプリッター(偏光分離素子) 32R、32G、32B 集光レンズ 33R、33G、33B 放熱フィン 34R、34G、34B 偏光板 36R 赤色光用光センサー 36G 緑色光用光センサー 36B 青色光用光センサー 37 第1の絞り(入射角制限部材) 38 第2の絞り(入射角制限部材) 50、50b、50c、50d プロジェクター 51 青色光用照明装置 52 黄色光用照明装置 53 青色レーザーダイオードアレイ 54 平行化レンズ 55 集光レンズ 56 拡散板 57 ピックアップレンズ 58 平行化レンズ 59 青色レーザーダイオード 60 励起用レーザーダイオードアレイ 61 蛍光体基板 62 励起用レーザーダイオード 64、64b、64c、64d 制御部 65、65b、65c 信号処理部 66R、66G、66B 液晶駆動部 67 PWM信号生成部 68 励起用レーザーダイオード駆動部 69 青色レーザーダイオード駆動部 70、70b、70c、70d 調節部 71 光源 72 光検出部 73、73b、73c 補正部 80、80b、80c 波長変化推定部 81 赤色光用光センサー基準値記憶部 82、82b 赤色光減衰比算出部 82c 第1温度変化比算出部 83、83c 赤色光用補正係数決定部 84 赤色光用乗算部 85 デューティー決定部 86 第1補正係数決定部 87 第2補正係数決定部 88 赤色光用加算部 89 赤色光用温度センサー基準値記憶部 90、90b、90c 偏光変化推定部 91 青色光用光センサー基準値記憶部 92、92b 青色光減衰比算出部 92c 第2温度変化比算出部 93、93c 青色光用補正係数決定部 94 青色光用乗算部 95 青色光用温度センサー基準値記憶部 96 第4補正係数決定部 100 青色光波長変化推定部 101 第3補正係数決定部 102 青色光用加算部 110 温度センサー(温度検出部) 201 励起用LD用温度センサー 202 青色LD用温度センサー 211R 赤色光用パネル用温度センサー 211B 青色光用パネル用温度センサー 301 温度検出部

Claims (3)

  1. 光源から射出された光の明るさに関する光明るさ情報を検出する光検出部と、
    温度を示す温度情報を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部により検出された温度情報に基づいて前記光検出部により検出された光明るさ情報を補正し、補正後の前記光明るさ情報に基づいて前記光源の出力を調節する調節部と、を備え
    前記光源は、第1の光源と、第2の光源を含み、
    前記光検出部は、前記第1の光源に対応する第1の光検出部と、前記第2の光源に対応する第2の光検出部を含み、
    前記温度検出部は、前記第1の光源に対応する第1の温度検出部と、前記第2の光源に対応する第2の温度検出部を含み、
    前記調節部は、前記第1の温度検出部により検出された第1の温度情報に基づいて前記第1の光検出部により検出された第1の光明るさ情報を補正し、前記第2の温度検出部により検出された第2の温度情報に基づいて前記第2の光検出部により検出された第2の光明るさ情報を補正し、補正後の前記第1の光明るさ情報及び補正後の前記第2の光明るさ情報に基づいて、前記第1の光源の出力と前記第2の光源の出力のうちの一方または両方を調節し、
    前記第1の光源に対応する第1の光変調素子と、
    前記第2の光源に対応する第2の光変調素子と、を更に備え、
    前記第1の光検出部は、前記第1の光源と前記第1の光変調素子との間の光の明るさに関する前記第1の光明るさ情報を検出し、
    前記第2の光検出部は、前記第2の光源と前記第2の光変調素子との間の光の明るさに関する前記第2の光明るさ情報を検出し、
    前記第1の温度検出部は、前記第1の光源の周辺の温度を示す第1の光源周辺温度情報を検出する第1の光源周辺温度検出部と、前記第1の光変調素子の周辺の温度を示す第1の光変調素子周辺温度情報を検出する第1の光変調素子周辺温度検出部を含み、
    前記第2の温度検出部は、前記第2の光源の周辺の温度を示す第2の光源周辺温度情報を検出する第2の光源周辺温度検出部と、前記第2の光変調素子の周辺の温度を示す第2の光変調素子周辺温度情報を検出する第2の光変調素子周辺温度検出部を含み、
    前記第1の光源と前記第1の光変調素子との間に配置される第1の偏光ビームスプリッターと、
    前記第2の光源と前記第2の光変調素子との間に配置される第2の偏光ビームスプリッターと、を更に備え、
    前記第1の偏光ビームスプリッターは、入射した光を互いに偏光方向が異なる2つの偏光に分離し、分離した一方の偏光を前記第1の光検出部に導き、他方の偏光を前記第1の光変調素子に入射させ、
    前記第2の偏光ビームスプリッターは、入射した光を互いに偏光方向が異なる2つの偏光に分離し、分離した一方の偏光を前記第2の光検出部に導き、他方の偏光を前記第2の光変調素子に入射させる、
    プロジェクター。
  2. 前記第1の光源は、Yの光源であり、
    前記第2の光源は、Bの光源であり、
    前記第1の光検出部及び前記第1の光変調素子周辺温度検出部は、R又はGのうちの一方または両方に対応して備えられる、
    請求項に記載のプロジェクター。
  3. 光検出部が、光源から射出された光の明るさに関する光明るさ情報を検出する手順と、
    温度検出部が、温度を示す温度情報を検出する手順と、
    調節部が、前記温度検出部により検出された温度情報に基づいて前記光検出部により検出された光明るさ情報を補正し、補正後の前記光明るさ情報に基づいて前記光源の出力を調節する手順と、を有し、
    前記光源は、第1の光源と、第2の光源を含み、
    前記光検出部は、前記第1の光源に対応する第1の光検出部と、前記第2の光源に対応する第2の光検出部を含み、
    前記温度検出部は、前記第1の光源に対応する第1の温度検出部と、前記第2の光源に対応する第2の温度検出部を含み、
    前記調節部は、前記第1の温度検出部により検出された第1の温度情報に基づいて前記第1の光検出部により検出された第1の光明るさ情報を補正し、前記第2の温度検出部により検出された第2の温度情報に基づいて前記第2の光検出部により検出された第2の光明るさ情報を補正し、補正後の前記第1の光明るさ情報及び補正後の前記第2の光明るさ情報に基づいて、前記第1の光源の出力と前記第2の光源の出力のうちの一方または両方を調節し、
    前記第1の光検出部は、前記第1の光源と前記第1の光源に対応する第1の光変調素子との間の光の明るさに関する前記第1の光明るさ情報を検出し、
    前記第2の光検出部は、前記第2の光源と前記第2の光源に対応する第2の光変調素子との間の光の明るさに関する前記第2の光明るさ情報を検出し、
    前記第1の温度検出部は、前記第1の光源の周辺の温度を示す第1の光源周辺温度情報を検出する第1の光源周辺温度検出部と、前記第1の光変調素子の周辺の温度を示す第1の光変調素子周辺温度情報を検出する第1の光変調素子周辺温度検出部を含み、
    前記第2の温度検出部は、前記第2の光源の周辺の温度を示す第2の光源周辺温度情報を検出する第2の光源周辺温度検出部と、前記第2の光変調素子の周辺の温度を示す第2の光変調素子周辺温度情報を検出する第2の光変調素子周辺温度検出部を含み、
    前記第1の光源と前記第1の光変調素子との間に配置される第1の偏光ビームスプリッターは、入射した光を互いに偏光方向が異なる2つの偏光に分離し、分離した一方の偏光を前記第1の光検出部に導き、他方の偏光を前記第1の光変調素子に入射させ、
    前記第2の光源と前記第2の光変調素子との間に配置される第2の偏光ビームスプリッターは、入射した光を互いに偏光方向が異なる2つの偏光に分離し、分離した一方の偏光を前記第2の光検出部に導き、他方の偏光を前記第2の光変調素子に入射させる、
    プロジェクターの制御方法。
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