JP7035992B2 - 光量調整方法、光量調整装置、及び投射装置 - Google Patents
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Description
本発明は、スクリーン等の被投射媒体へ投射される画像光の光量を経時的に安定化させる光量調整方法、光量調整装置、及び投射装置に関する。
投射装置は、光源から照明光を射出し、複数の光学部品が配置されている照明光学系を介して、例えば反射型の光変調素子に照射する。光変調素子は、画像データに基づいて照明光を画素ごとに光変調し、画像光を生成する。投射装置は、画像光を投射レンズからスクリーン等の被投射媒体へ投射する。特許文献1には、光変調素子の近傍に配置された光センサにより、光変調素子に照射される照明光の光量を検出する投射装置(プロジェクタ)が記載されている。
通常、投射装置は、その限られた内部空間に複数の光学部品が配置されている。そのため、光センサを光変調素子の近傍に配置することは現実的に困難である。光センサを光変調素子の近傍に配置できたとしても、光センサが照明光を検出するためには照明光の照射領域を本来必要のない範囲まで拡張しなければならない。これにより、画像光の光量が減少するため、被投射媒体へ投射される画像は、目的の明るさよりも暗くなる。
本発明は、スクリーン等の被投射媒体に投射される画像の明るさを経時的に安定化させることができる光量調整方法、光量調整装置、及び投射装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1の時点において、光変調素子が、光源部から照明光学系を介して照射された照明光を、第1の表示画像レベル及び前記第1の表示画像レベルよりも低い第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調し、光センサが、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第1の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第1の光量、及び、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第2の光量を検出し、光量算出部が、前記第1及び第2の光量に基づいて、前記照明光に対する前記照明光学系の第1の透過率を算出し、前記第1の時点より後の第2の時点において、前記光変調素子が、前記照明光を前記第1及び第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調し、前記光センサが、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第1の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第3の光量、及び、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第4の光量を検出し、前記光量算出部が、前記第3及び第4の光量に基づいて、前記照明光に対する前記照明光学系の第2の透過率を算出し、光量調整部が、前記第1及び第2の透過率に基づいて、前記照明光が光変調されることにより生成される画像光の光量を調整する光量調整方法を提供する。
本発明は、第1の時点において、光源部から照明光学系を介して照射される照明光と光変調素子が前記照明光を第1の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第1の光量、及び、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第1の表示画像レベルよりも低い第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第2の光量を検出し、前記第1の時点より後の第2の時点において、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第1の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第3の光量、及び、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第4の光量を検出する光センサと、前記第1及び第2の光量に基づいて前記照明光に対する前記照明光学系の前記第1の時点の第1の透過率を算出し、かつ、前記第3及び第4の光量に基づいて前記照明光に対する前記照明光学系の前記第2の時点の第2の透過率を算出する光量算出部と、前記第1及び第2の透過率に基づいて、前記照明光が光変調されることにより生成される画像光の光量を調整する光量調整部とを備える光量調整装置を提供する。
本発明は、照明光を射出する光源部と、前記光源部から前記照明光が入射され、かつ、前記照明光を射出する照明光学系と、前記照明光学系から射出された前記照明光を第1の表示画像レベル及び前記第1の表示画像レベルよりも低い第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調する光変調素子と、第1の時点において、前記光源部から照射される照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第1の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第1の光量、及び、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第2の光量を検出し、前記第1の時点より後の第2の時点において、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第1の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第3の光量、及び、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第4の光量を検出する光センサと、前記第1及び第2の光量に基づいて前記照明光に対する前記照明光学系の前記第1の時点の第1の透過率を算出し、かつ、前記第3及び第4の光量に基づいて前記照明光に対する前記照明光学系の前記第2の時点の第2の透過率を算出する光量算出部と、
前記第1及び第2の透過率に基づいて、前記照明光が光変調されることにより生成される画像光の光量を調整する光量調整部とを備える投射装置を提供する。
前記第1及び第2の透過率に基づいて、前記照明光が光変調されることにより生成される画像光の光量を調整する光量調整部とを備える投射装置を提供する。
本発明の光量調整方法、光量調整装置、及び投射装置によれば、スクリーン等の被投射媒体に投射される画像の明るさを経時的に安定化させることができる。
[第1実施形態]
図1を用いて、第1実施形態の投射装置の構成例を説明する。投射装置1は、光源部2と、照明光学系3と、光変調素子4と、投射光学系5と、光量調整装置6とを備える。第1実施形態では、後述する他の実施形態の投射装置1及び光量調整装置6と区別するため、投射装置1を投射装置1aとし、光量調整装置6を光量調整装置6aとする。
図1を用いて、第1実施形態の投射装置の構成例を説明する。投射装置1は、光源部2と、照明光学系3と、光変調素子4と、投射光学系5と、光量調整装置6とを備える。第1実施形態では、後述する他の実施形態の投射装置1及び光量調整装置6と区別するため、投射装置1を投射装置1aとし、光量調整装置6を光量調整装置6aとする。
図2を用いて、光源部2の構成例を説明する。光源部2は、光源10と、集光レンズ11、12、及び13と、分割ミラー14と、ダイクロイックミラー15(第1のダイクロイックミラー)と、レンズ16及び17と、ミラー18、19、及び20と、蛍光体部21とを有する。
光源10及び蛍光体部21は照明光源を構成する。光源10は、例えば複数の青色レーザ素子BEが配列されたレーザアレイで構成されている。光源10は青色レーザ光を射出する。
図2~図3を用いて、蛍光体部21の構成例を説明する。蛍光体部21は、蛍光体ホイール22と、蛍光体23と、回転軸24と、ホイール駆動部25とを有する。蛍光体ホイール22は例えば円板形状を有する。蛍光体23は、蛍光体ホイール22の鏡面である表面の外周部に形成されている。青色レーザ光BLが蛍光体23に照射されることにより、蛍光体23は励起され、赤色成分と緑色成分とを含む黄色光を発光する。
ホイール駆動部25は、回転軸24を中心として蛍光体ホイール22を回転させる。蛍光体ホイール22を回転させた状態で青色レーザ光BLを蛍光体23に照射することにより、青色レーザ光BLが照射されることによって発生する局部的な温度上昇を、蛍光体ホイール22の外周部全体に分散させることができる。これにより、蛍光体23の温度上昇を抑制することができる。
集光レンズ11~13は、入射光である青色レーザ光BLを集光する。分割ミラー14は、入射光である青色レーザ光BLを分割する。具体的には、分割ミラー14は、入射した青色レーザ光BLの一部を反射し、残りを透過させる。分割ミラー14を透過した青色レーザ光BLを青色レーザ光BL1(第1の青色レーザ光)とし、分割ミラー14で反射した青色レーザ光BLを青色レーザ光BL2(第2の青色レーザ光)とする。
分割ミラー14を透過した青色レーザ光BL1は、ダイクロイックミラー15に入射する。ダイクロイックミラー15は、青色成分を含む青色光を反射し、赤色成分と緑色成分とを含む黄色光を透過させる。青色レーザ光BL1は、ダイクロイックミラー15で反射し、さらに集光レンズ12及び13により集光されて蛍光体23に照射される。
蛍光体23は、青色レーザ光BL1によって励起され、赤色成分と緑色成分とを含む黄色光を発光する。蛍光体部21は、青色レーザ光BL1が照射されることにより、黄色光を黄色照明光YLLとして射出する。黄色照明光YLLは、集光レンズ12及び13とダイクロイックミラー15とを介して照明光学系3に入射する。
分割ミラー14で反射した青色レーザ光BL2は、レンズ16及び17とミラー18~20とを有するリレー光学系を介して、ダイクロイックミラー15に照射される。青色レーザ光BL2は、ダイクロイックミラー15で反射し、照明光学系3に青色照明光BLLとして入射する。即ち、照明光学系3には、光源部2から黄色照明光YLLと青色照明光BLLとの混合光である白色の照明光WLLが入射する。
光源部2は、上記の構成に限定されるものではなく、白色の照明光WLLを発光する光源であればよい。例えば、光源部2として白色LED光源や白色ランプ光源を用いてもよい。
図1に示すように、照明光学系3は、反射ミラー30~32と、フライアイレンズ33及び34と、偏光変換素子35と、レンズ36~39とを有する。さらに照明光学系3は、クロスダイクロイックミラー40(第2のダイクロイックミラー)と、ダイクロイックミラー41(第3のダイクロイックミラー)と、反射型偏光板42とを有する。
反射ミラー30は、照明光学系3に入射した照明光WLLをフライアイレンズ33及び34に向けて反射する。フライアイレンズ33及び34は、均一照明光学系を構成する。フライアイレンズ33及び34は、光変調素子4に照射される照明光WLLの照明分布を均一化する。
偏光変換素子35は、照明光WLLを、p偏光及びs偏光のうちのいずれか一方の偏光に揃える。偏光変換素子35は、照明光WLLを、例えばs偏光に揃える。s偏光に揃えられた照明光WLLは、レンズ36を介してクロスダイクロイックミラー40へ入射する。クロスダイクロイックミラー40は、照明光WLLを黄色照明光YLLと青色照明光BLLとに分離する。
クロスダイクロイックミラー40によって分離された黄色照明光YLLは、反射ミラー31で反射し、ダイクロイックミラー41に入射する。ダイクロイックミラー41は、黄色照明光YLLを、赤色成分を含む赤色照明光RLLと、緑色成分を含む緑色照明光GLLとに分離する。ダイクロイックミラー41は、赤色照明光RLLを透過させ、緑色照明光GLLを反射する。反射型偏光板42は、p偏光及びs偏光のうちのいずれか一方を透過させ、他方を反射する。反射型偏光板42は、例えばs偏光を透過させ、p偏光を反射する。反射型偏光板42は、例えばワイヤグリッドで構成することができる。
光変調素子4及び反射型偏光板42を色ごとに区別するために、赤色照明光RLLが照射される光変調素子4及び反射型偏光板42を光変調素子4R及び反射型偏光板42Rとする。緑色照明光GLLが照射される光変調素子4及び反射型偏光板42を光変調素子4G及び反射型偏光板42Gとする。青色照明光BLLが照射される光変調素子4及び反射型偏光板42を光変調素子4B及び反射型偏光板42Bとする。
ダイクロイックミラー41を透過した赤色照明光RLLは、レンズ37を介して反射型偏光板42Rへ入射する。s偏光の赤色照明光RLLは、反射型偏光板42Rを透過して光変調素子4Rに照射される。光変調素子4Rは、赤色成分の画像データに基づいて、赤色照明光RLLを画素ごとに光変調し、p偏光の赤色画像光RMLを生成する。赤色画像光RMLは、反射型偏光板42Rで反射し、投射光学系5へ入射する。
ダイクロイックミラー41で反射した緑色照明光GLLは、レンズ38を介して反射型偏光板42Gへ入射する。s偏光の緑色照明光GLLは、反射型偏光板42Gを透過して光変調素子4Gに照射される。光変調素子4Gは、緑色成分の画像データに基づいて、緑色照明光GLLを画素ごとに光変調し、p偏光の緑色画像光GMLを生成する。緑色画像光GMLは、反射型偏光板42Gで反射し、投射光学系5へ入射する。
クロスダイクロイックミラー40によって分離された青色照明光BLLは、反射ミラー32で反射し、レンズ39を介して反射型偏光板42Bへ入射する。s偏光の青色照明光BLLは、反射型偏光板42Bを透過して光変調素子4Bに照射される。光変調素子4Bは、青色成分の画像データに基づいて、青色照明光BLLを画素ごとに光変調し、p偏光の青色画像光BMLを生成する。青色画像光BMLは、反射型偏光板42Bで反射し、投射光学系5へ入射する。
投射光学系5は、色合成プリズム43と投射レンズ44とを有する。投射光学系5へ入射した赤色画像光RML、緑色画像光GML、及び、青色画像光BMLは、色合成プリズム43によって合成され、投射レンズ44によってフルカラー画像の表示画像としてスクリーン等の被投射媒体へ拡大投射される。
図4、及び、図5A~図5Cを用いて、光量調整装置6aを説明する。図4は、第1実施形態の投射装置1aにおける光量調整装置6aの構成例を示している。図4の反射型偏光板42は、図1の反射型偏光板42(42R、42G、及び42B)を簡略化して示している。図4に示す符号LL1は、各反射型偏光板42(42R、42G、及び42B)に入射する各色光(RLL、GLL、BLL)を示している。図4の光変調素子4は、図1の光変調素子4(4R,4G,4B)を簡略化して示している。図4の投射光学系5は、図1の投射光学系5を簡略化して示している。
光量調整装置6aは、光センサ7と、光量算出部51と、光源駆動制御部52と、光源駆動部53と、光量記憶部54とを有する。光センサ7は、例えば赤色成分、緑色成分、及び、青色成分を含む白色光の光量を検出するセンサである。なお、図1には光センサ7のみを示している。光量算出部51、光源駆動制御部52、及び、光源駆動部53は、光量調整装置6aが搭載するCPU(Central Processing Unit)上でプログラムが動作することにより構成してもよいし、一部または全部を互いに協働して動作するハードウエア回路により構成してもよい。光量記憶部54は、RAM等の不揮発性メモリで構成され、光量算出部51により算出された結果を記憶する。
光センサ7は、照明光WLLが光源部2から射出され、かつ、クロスダイクロイックミラー40に入射するまでの範囲における光路の近傍に配置されている。光センサ7は、各色光が混合している光路に配置されていることが望ましい。光センサ7は、例えば偏光変換素子35の近傍に配置されており、照明光WLLを光路から離れた位置で、かつ、偏光変換素子35の漏れ光を効率よく検出できる位置に配置されている。
光センサ7で検出した検出値と、偏光変換素子35を通過する光量とは、予め相関関係が確認されているものとする。以降、光センサ7で検出した検出値に基づいて算出した偏光変換素子35を透過する光量を、光センサ7が検出する光量とする。
照明光LL1は、反射型偏光板42を透過し、光変調素子4に照射される。光変調素子4は、入力される画像データに基づいて照明光LL1を光変調することにより、画像光MLを生成する。
図5Aは、光変調素子4が例えば最大階調である白レベル(第1の表示画像レベル)の画像データに基づいて照明光LL1を光変調する状態を示している。光源部2から照明光学系3へ入射した照明光LL1は、レンズ37~39及び反射型偏光板42(42R,42G,42B)を介して、光変調素子4(4R,4G,4B)に照射される。図5Aの照明光LL1は、図1の赤色照明光RLL、緑色照明光GLL、及び、青色照明光BLLに相当する。
光変調素子4は、照明光LL1を光変調して反射光LL2を生成する。光変調素子4は、白レベルの画像データに基づいて照明光LL1を光変調する場合、略全てのs偏光の照明光LL1は、p偏光の画像光MLに光変調される。従って、略全ての反射光LL2は、反射型偏光板42で反射し、p偏光の画像光MLとして投射光学系5へ射出される。図4に示すように、投射光学系5から射出された画像光MLは、スクリーンSR等の被投射媒体に白画像として投射される。よって、略全ての反射光LL2が反射型偏光板42で反射するため、反射型偏光板42を透過して光源部2へ戻る戻り光RLの光量は最小となる。
図5Bは、光変調素子4が例えば最小階調である黒レベル(第2の表示画像レベル)の画像データに基づいて照明光LL1を光変調する状態を示している。光源部2から照明光学系3へ入射した照明光LL1は、レンズ37~39及び反射型偏光板42(42R,42G,42B)を介して、光変調素子4(4R,4G,4B)に照射される。図5Bの照明光LL1は、図1の赤色照明光RLL、緑色照明光GLL、及び、青色照明光BLLに相当する。
光変調素子4は、黒レベルの画像データに基づいて照明光LL1を光変調しないで反射光LL2を生成する。照明光LL1の略全てがs偏光のまま反射光LL2となり、反射型偏光板42及びレンズ37~39を透過するため、光源部2へ戻る戻り光RLの光量は最大となり、スクリーンSR等の被投射媒体には黒画像が表示されることになる。
図5Cは、光変調素子4がグレーレベル(中間階調)の画像データに基づいて照明光LL1を光変調する状態を示している。光源部2から照明光学系3へ入射した照明光LL1は、レンズ37~39及び反射型偏光板42(42R,42G,42B)を介して、光変調素子4(4R,4G,4B)に照射される。図5Cの照明光LL1は、図1の赤色照明光RLL、緑色照明光GLL、及び、青色照明光BLLに相当する。
光変調素子4は、グレーレベルの画像データに基づいて照明光LL1を光変調し、画像データの階調値に応じてp偏光とs偏光とが混合された反射光LL2を生成する。p偏光とされた反射光LL2は、p偏光の画像光MLとして投射光学系5へ射出される。図4に示すように、投射光学系5から射出された画像光MLは、スクリーンSR等の被投射媒体にグレー画像として投射される。s偏光の反射光LL2は、戻り光RLとして反射型偏光板42及びレンズ37~39を透過して光源部2へ戻る。戻り光RLの光量は、およそ照明光LL1の光量からp偏光の反射光LL2の光量を減算した値となる。
図6を用いて、照明光学系3の透過率の算出方法を説明する。照明光学系3の透過率とは、具体的には、照明光学系3において、光源部2から射出された照明光WLLの入射位置から、赤色照明光RLL、緑色照明光GLL、及び、青色照明光BLLが光変調素子4R,4G,4Bに照射される位置までの範囲における透過率である。光源部2から射出される照明光LL1の光量をL0、光センサ7の近傍の位置(以下、光量検出位置)を通過するときの照明光LL1の光量をL1、光変調素子4に照射される照明光LL1の光量をL2、光変調素子4から光量検出位置に戻ってくる戻り光RLの光量をL3とする。
光源部2から射出された照明光WLLが照明光学系3へ入射する位置から光量検出位置までの光路上における照明光学系3の透過率をT1、光量検出位置から照明光LL1が光変調素子4に照射される位置までの光路上における照明光学系3の透過率をT2とする。反射光LL2に対する戻り光RLの割合をM(0<M<1)とする。
光量L1、L2、及び、L3は、それぞれ、式(1)、式(2)、及び、式(3)で表すことができる。
L1=L0×T1 …(1)
L2=L1×T2 …(2)
L3=L1×T22×M …(3)
光センサ7は、照明光LL1及び戻り光RLの合算光量を検出する。光センサ7が検出する光量Cは、式(4)で表すことができる。
C=L1+L3=L1×(1+T22×M) …(4)
割合Mは、画像データの表示画像レベル(例えば階調値)に応じて変化する。表示画像レベルが白レベルである状態において光センサ7が検出する光量をCw、表示画像レベルが黒レベルである状態において光センサ7が検出する光量をCb(Cw<Cb)とする。表示画像レベルが白レベルである状態における反射光LL2に対する戻り光RLの割合をMw、表示画像レベルが黒レベルである状態における反射光LL2に対する戻り光RLの割合をMbとする。
光センサ7が検出する光量Cw及びCbは、それぞれ、式(5)及び式(6)で表すことができる。
Cw=L1×(1+T22×Mw) …(5)
Cb=L1×(1+T22×Mb) …(6)
式(5)及び式(6)から、透過率T2は、式(7)で表すことができる。即ち、透過率T2は、光量Cw及びCbと割合Mw及びMbとにより算出することができる。
光量算出部51は、式(7)により、透過率T2を算出する。表示画像レベル(階調値)が高いほど、戻り光RLの割合Mは小さくなり、白レベル(最大階調)では理想的にはゼロになる。黒レベル(最小階調)における戻り光RLの割合Mbと比較して白レベル(最大階調)における戻り光RLの割合Mwが非常に小さく、割合Mbに対する割合Mwの比率Mw/Mbがほぼ0と見なせる場合、透過率T2は、式(8)で表すことができる。比率Mw/Mbがほぼ0と見なせる場合、光量算出部51は、式(8)により、透過率T2を算出する。
光源部2から射出される照明光WLLの光量調整方法を説明する。工場出荷時またはシステム調整時等の初期状態から時間が経過し、経時変化または環境変化により、透過率T2、光量L0~L3、及び、光量Cw,Cbが変化する場合がある。例えば初期状態である第1の時点の光量L0、L1、L2、及びL3を、それぞれ、光量L0b、L1b、L2b、及びL3bとする。第1の時点より後の第2の時点の光量L0、L1、L2、及びL3を、それぞれ、光量L0a、L1a、L2a、及びL3aとする。初期状態(第1の時点)の透過率T2を透過率T2b(第1の透過率)、時間経過後(第2の時点)の透過率T2を透過率T2a(第2の透過率)とする。光量L2b及び光量L2aは、それぞれ、式(9)及び式(10)で表すことができる。
L2b=L1b×T2b …(9)
L2a=L1a×T2a …(10)
光源部2は、初期状態では光量L0bの照明光WLLを射出し、時間経過後では光量L0aの照明光WLLを射出することになる。投射光学系5から射出される画像光MLの時間経過後の光量を、初期状態の光量と同じになるように維持するためには、光変調素子4に照射される照明光LL1の光量L2が常に一定(L2b=L2a)であることが重要である。L2b=L2aとなるための光量L1aの目標光量をL1cとすると、式(9)及び式(10)において、L2b=L2aとすることにより、光量L1aの目標光量L1cは式(11)で表すことができる。
初期状態の光量Cw及びCbを、それぞれ、光量Cwb及びCbbとし、時間経過後の光量Cw及びCbを、それぞれ、光量Cwa及びCbaとする。目標光量L1cは、式(12)で表すことができる。光量算出部51は、式(12)により、目標光量L1cを算出する。
従って、光量算出部51は、光量Cwb及びCbbに基づいて透過率T2bを算出し、光量Cwa及びCbaに基づいて透過率T2aを算出することになる。
式(12)における関係式(Cbb-Cwb)/Cwb、及び、(Cba-Cwa)/Cwaは、白レベル状態における光量Cwを基準とした場合の黒レベル状態における光量Cbの増加率に相当する。初期状態の増加率Rを増加率Rb、時間経過後の増加率Rを増加率Raとする。即ち、Rb=(Cbb-Cwb)/Cwb、Ra=(Cba-Cwa)/Cwaとする。目標光量L1cは、式(13)で表すことができる。光量算出部51は、光センサ7が検出した光量Cbb,Cwb,Cba,Cwaに基づいて増加率Rb及びRaを算出し、さらに、式(13)により、目標光量L1cを算出する。
白レベル状態において光センサ7が検出する光量Cwは、光センサ7の近傍を通過する照明光WLLの光量L1とほぼ同じであり、戻り光RL(光量L3)の影響を受けにくい。それに対して、黒レベル状態において光センサ7が検出する光量Cbは、光センサ7の近傍を通過する照明光WLLの光量L1と戻り光RLの光量L3との合算値とほぼ同じであり、戻り光RL(光量L3)の影響を受けやすい。
従って、光量算出部51は、白レベル状態において光センサ7が検出した光量Cwb及びCwaを基準として、光量L1b及びL1aを算出することが好ましい。なお、白レベル以外の表示画像レベル状態においては、同じ表示画像レベルの状態で、光センサ7が光量Cwb及びCwaを検出し、光量算出部51が光量L1b及びL1aを算出することが好ましい。
光量算出部51は、初期状態で、かつ、白レベル状態の光量Cwbと増加率Rbを光量記憶部54に記憶させる。光量算出部51は、時間経過後に、白レベル状態の光量Cwaと増加率Raを算出し、さらに式(13)の右辺を計算し、時間経過後の目標光量を算出する。言い換えれば、光量算出部51は、透過率T2b及びT2aに基づいて目標光量L1cを算出することになる。
光量算出部51は、目標光量L1cを光源駆動制御部52へ出力する。光源駆動制御部52は、目標光量L1cに基づいて光源駆動部53を制御する。具体的には、白レベル状態において光センサ7が検出する光量Cwが光量L1と略等しいとみなし、光源駆動制御部52は、白レベル状態において光センサ7が検出する光量Cwが目標光量L1cに近づくように、光源駆動部53を制御する。これにより、光源部2から射出される照明光LL1は、その光量L0が制御される。
従って、光源駆動制御部52は、目標光量L1cに基づいて照明光WLLの光量L0を制御することにより、投射光学系5から射出される画像光MLの光量を調整する光量調整部として機能する。
図7A及び図7Bのフローチャートを用いて、投射装置1aから投射される画像光MLの光量を経時的に安定化させる光量調整方法の一例を説明する。第1実施形態では、投射画像の明るさが一定になるように、光源部2から射出される照明光WLLの光量を調整する。図7Aは初期状態(第1の時点)におけるフローチャートを示し、図7Bは時間経過後(第2の時点)のフローチャートを示している。
図7Aにおいて、光源駆動制御部52は、ステップS11にて、投射画像(画像光ML)が目標の明るさとなるように、光源駆動部53を制御して、光源部2から照明光WLLを射出させる。
光センサ7は、ステップS12にて、白レベル状態における光量Cwb(第1の光量)と黒レベル状態における光量Cbb(第2の光量)とを検出し、光量算出部51へ出力する。光量算出部51は、ステップS13にて、光量Cwbを基準にして光量L1bを算出し、光量Cwb及びCbbに基づいて増加率Rbを算出する。さらに、光量算出部51は、初期状態における光量L1b及び増加率Rbを光量記憶部54に記憶させる。
時間経過後、図7Bにおいて、光源部2から照明光WLLが射出されている状態において、光センサ7は、ステップS21にて、白レベル状態における光量Cwa(第3の光量)と黒レベル状態における光量Cba(第4の光量)とを検出し、光量算出部51へ出力する。光量算出部51は、ステップS22にて、光量Cwa及びCbaに基づいて時間経過後の増加率Raを算出する。
光量算出部51は、ステップS23にて、光量記憶部54に記憶されている光量L1b及び増加率Rbを読み出す。さらに、光量算出部51は、光量L1bと増加率Rb及びRaとに基づいて、時間経過後の目標光量L1cを算出する。言い換えれば、光量算出部51は、透過率T2b及びT2aに基づいて目標光量L1cを算出する。光源駆動制御部52は、ステップS24にて、時間経過後の白レベル状態の光量L1aが目標光量L1cに近づくように光源駆動部53を制御することにより、光源部2から射出される照明光LL1の光量L0を制御する。
第1実施形態の光量調整方法、光量調整装置6a、及び投射装置1aでは、光センサ7は、照明光WLLが光源部2から射出され、かつ、クロスダイクロイックミラー40に入射するまでの範囲における照明光WLLの光路の近傍で、かつ、光変調素子4に影響しない位置に配置されている。そのため、照明分布が均一化された照明光WLLを光変調素子4に照射することができる。
第1実施形態の光量調整方法、光量調整装置6a、及び投射装置1aでは、戻り光RLの影響が少ない白レベル状態を基準として、初期状態の光量L1b及び増加率Rbと、時間経過後の増加率Raを算出し、さらに光量L1bと増加率Rb及びRaとに基づいて、言い換えれば、透過率T2b及びT2aに基づいて、時間経過後の目標光量を算出する。第1実施形態の光量調整方法、光量調整装置6a、及び投射装置1aによれば、時間経過後の白レベル状態の光量L1aが目標光量となるように照明光WLLの光量L0を制御することにより、投射画像の明るさを経時的に安定化させることができる。
[第2実施形態]
図8を用いて、第2実施形態の投射装置の構成例を説明する。説明をわかりやすくするために、第1実施形態の投射装置1aと同じ構成部には同じ符号を付す。第2実施形態では、他の実施形態の投射装置1及び光量調整装置6と区別するため、投射装置1を投射装置1bとし、光量調整装置6を光量調整装置6bとする。第2実施形態の投射装置1bは、第1実施形態の投射装置1aと比較して、光量調整装置6bの構成が異なり、それ以外の構成は同じである。
図8を用いて、第2実施形態の投射装置の構成例を説明する。説明をわかりやすくするために、第1実施形態の投射装置1aと同じ構成部には同じ符号を付す。第2実施形態では、他の実施形態の投射装置1及び光量調整装置6と区別するため、投射装置1を投射装置1bとし、光量調整装置6を光量調整装置6bとする。第2実施形態の投射装置1bは、第1実施形態の投射装置1aと比較して、光量調整装置6bの構成が異なり、それ以外の構成は同じである。
図8は、第2実施形態の投射装置1bにおける光量調整装置6bの構成例を示している。図8の反射型偏光板42は、図1の反射型偏光板42(42R、42G、及び42B)を簡略化して示している。図8に示す符号LL1は各反射型偏光板42(42R、42G、及び42B)に入射する各色光(RLL、GLL、BLL)を示している。図8の光変調素子4は、図1の光変調素子4(4R,4G,4B)を簡略化して示している。図8の投射光学系5は、図1の投射光学系5を簡略化して示している。
光量調整装置6bは、光センサ7と、光量算出部51と、光源駆動制御部52と、光源駆動部53と、光量記憶部54とを有する。さらに、光量調整装置6bは、画像処理部60と、ゲイン調整部61と、素子駆動部62と、ゲイン記憶部63とを有する。光量算出部51、光源駆動制御部52、光源駆動部53、画像処理部60、ゲイン調整部61、及び、素子駆動部62は、光量調整装置6bが搭載するCPU上でプログラムが動作することにより構成してもよいし、一部または全部を互いに協働して動作するハードウエア回路により構成してもよい。
ゲイン記憶部63は、RAM等の不揮発性メモリで構成され、ゲイン調整部61の演算で用いられる初期ゲイン値Grefを記憶する。例えば、工場出荷時またはシステム設定時等の時点に、光源部2が所定の光量L0の照明光WLLを射出する場合、光量算出部51は、投射画像(画像光ML)が所定の明るさとなるようなゲイン値を算出する。さらに、光量算出部51は、算出したゲイン値を初期ゲイン値Grefとして、ゲイン記憶部63に記憶する。なお、画像データと投射画像の明るさは必ずしもリニアな関係ではないため、光変調素子4のガンマ特性を考慮して初期ゲイン値Grefを決定することが望ましい。
光量算出部51は、白レベル状態を基準として光センサ7が検出した時間経過後の光量Cba及びCwaに基づいて、時間経過後の増加率Raを算出する。光量算出部51は、増加率Raと戻り光RLの割合Mbに基づき、式(14)から、時間経過後の透過率T2aを算出する。
光量算出部51は、光量記憶部54に記憶されている初期状態の光量L1b及び増加率Rbを読み出す。光量算出部51は、透過率T2a、光量Cba、光量L1b、及び、増加率Rbから、時間経過後の光量L2a、及び、初期状態の光量L2bを算出する。光量L2a及び光量L2bは、それぞれ、式(15)及び式(16)から算出することができる。
光量算出部51は、式(17)から、初期状態において光変調素子4に照射される照明光LL1の光量L2bに対する時間経過後において光変調素子4に照射される照明光LL1の光量L2aの比率である光量比LQRを算出する。言い換えれば、光量算出部51は、透過率T2b及びT2aに基づいて光量比LQRを算出する。
光量算出部51は、光量比LQRに基づき、光変調素子4を駆動させるときのゲインを調整するためのゲイン調整値Adを算出し、ゲイン調整部61へ出力する。入力画像データは、例えばR、G、及びBの各色の画素のデータを含み、かつ、所定のフレームレートにてフレーム単位で画像処理部60へ入力される。画像処理部60は、入力画像データに対してガンマ補正処理等の所定の画像処理を実行し、画像データとしてゲイン調整部61へ出力する。
ゲイン調整部61は、ゲイン記憶部63から読み出した初期ゲイン値Grefとゲイン調整値Adにより、画像データのゲインを調整する。ゲインは、素子駆動部62が光変調素子4を駆動するときの画像データに対するゲインである。ゲイン調整部61は、例えば、初期ゲイン値Grefとゲイン調整値Adを画像データにおける各画素の階調値に乗算することにより、画像データに基づいて投射画像の明るさを調整することができる。ゲイン調整部61は、例えば、初期ゲイン値Grefとゲイン調整値Adを画像データにおける各画素の階調値に加算または減算することにより、画像データに基づいて投射画像の明るさを調整してもよい。
ゲイン調整部61が初期ゲイン値Grefとゲイン調整値Adを画像データにおける各画素の階調値に乗算する場合について説明する。この場合、ゲイン調整値Adを乗算することで、明るさが式(17)で算出した光量比LQRの逆数である1/LQRとなるようにゲイン調整値Adを決定すればよい。
ゲイン調整部61は、初期ゲイン値Grefとゲイン調整値Adを画像データにおける各画素の階調値に乗算し、画像データのゲインを調整する。ゲイン調整部61は、ゲイン調整された画像データGaを素子駆動部62へ出力する。素子駆動部62は、ゲイン調整された画像データGaに基づいて光変調素子4の駆動を制御する。
従って、ゲイン調整部61は、光量比LQR(ゲイン調整値Ad)に基づいて画像データのゲインを調整することにより、投射光学系5から射出される画像光MLの光量を調整する光量調整部として機能する。
なお、ゲイン記憶部63に記憶される初期ゲイン値Grefは、例えば、0<Gref≦1.0の範囲内の値に設定される。初期ゲイン値Grefが、0<Gref<1.0の範囲内の値に設定される場合は、光源部2が劣化した場合または照明光LL1の光路の透過率T1またはT2が低下した場合においても、投射画像の明るさを一定にすることができる。
初期ゲイン値Grefが小さいほど、画像データに対してゲインを増加させる範囲が大きくなる。そのため、光源部2から射出される照明光LL1の光量L0または透過率T2の低下の度合が大きいと想定される場合には、初期ゲイン値Grefを小さい値(1.0よりも0に近い値)に設定することが好ましい。
図9のフローチャートを用いて、投射装置1bから投射される画像光MLの光量を経時的に安定化させる光量調整方法の一例を説明する。第2実施形態では、投射画像の明るさが一定になるように、画像データのゲインを調整し、ゲイン調整された画像データに基づいて光変調素子4の駆動を制御する。
図9において、光量算出部51は、ステップS31にて、白レベル状態を基準として光センサ7が検出した時間経過後の光量Cba及びCwaに基づいて、時間経過後の増加率Raを算出する。光量算出部51は、ステップS32にて、増加率Raと戻り光RLの割合Mbに基づき、時間経過後の透過率T2aを算出する。
光量算出部51は、ステップS33にて、光量記憶部54に記憶されている初期状態の光量L1b及び増加率Rbを読み出す。さらに、光量算出部51は、光量L1aと透過率T2aとに基づいて時間経過後の光量L2aを算出し、光量L1bと透過率T2bとに基づいて初期状態の光量L2bを算出する。光量算出部51は、ステップS34にて、光量L2a及び光量L2bに基づいて、光量比LQRを算出する。言い換えれば、光量算出部51は、透過率T2b及びT2aに基づいて光量比LQRを算出する。
光量算出部51は、ステップS35にて、光量比LQRに基づいてゲイン調整値Adを算出する。画像処理部60は、ステップS36にて、入力画像データに対して所定の画像処理を実行し、画像データとしてゲイン調整部61へ出力する。ゲイン調整部61は、ステップS37にて、初期ゲイン値Grefとゲイン調整値Adにより、画像データのゲインを調整する。さらに、ゲイン調整部61は、ゲイン調整された画像データGaを素子駆動部62へ出力する。素子駆動部62は、ステップS38にて、画像データGaに基づいて光変調素子4の駆動を制御する。
第2実施形態の光量調整方法、光量調整装置6b、及び投射装置1bでは、光源制御を必要としないので、光量を細かく調整できない光源を使用することができるため、光量を細かく調整する光源を使用する場合と比較してコストを低く抑えることができる。
第2実施形態の光量調整方法、光量調整装置6b、及び投射装置1bでは、光センサ7は、照明光WLLが光源部2から射出され、かつ、クロスダイクロイックミラー40に入射するまでの範囲における照明光WLLの光路の近傍で、かつ、光変調素子4に影響しない位置に配置されている。そのため、照明分布が均一化された照明光WLLを光変調素子4に照射することができる。
第2実施形態の光量調整方法、光量調整装置6b、及び投射装置1bでは、戻り光RLの影響が少ない白レベル状態を基準として、増加率Rb及びRa、または、透過率T2b及びT2aに基づいて光量比LQRを算出する。第2実施形態の光量調整方法、光量調整装置6b、及び投射装置1bでは、光量比LQRに基づいてゲイン調整値Adを算出し、さらにゲイン調整値Adによりゲイン調整された画像データGaに基づいて光変調素子4の駆動を制御する。これにより、投射画像の明るさを経時的に安定化させることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、第2実施形態と比較して、投射装置1bにおける光センサ7として、赤色光の光量、緑色光の光量、及び、青色光の光量を分離して検出するカラーセンサを用いる点で相違する。第3実施形態の投射装置1bにおいて、光センサ7としてカラーセンサを用いる場合、光センサ7は、照明光WLL及び戻り光RLの赤色成分の光量、緑色成分の光量、及び、青色成分の光量を検出する。
第3実施形態は、第2実施形態と比較して、投射装置1bにおける光センサ7として、赤色光の光量、緑色光の光量、及び、青色光の光量を分離して検出するカラーセンサを用いる点で相違する。第3実施形態の投射装置1bにおいて、光センサ7としてカラーセンサを用いる場合、光センサ7は、照明光WLL及び戻り光RLの赤色成分の光量、緑色成分の光量、及び、青色成分の光量を検出する。
光量算出部51は、赤色成分の光量比LQR(R)、緑色成分の光量比LQR(G)、及び、青色成分の光量比LQR(B)を算出する。光量算出部51は、光量比LQR(R)に基づいて赤色成分のゲイン調整値Ad(R)を算出し、光量比LQR(G)に基づいて緑色成分のゲイン調整値Ad(G)を算出し、光量比LQR(B)に基づいて青色成分のゲイン調整値Ad(B)を算出する。さらに、光量算出部51は、ゲイン調整値Ad(R)、Ad(G)、及びAd(B)をゲイン調整部61へ出力する。
ゲイン調整部61は、初期ゲイン値Grefとゲイン調整値Ad(R)により、赤色成分の画像データのゲインを調整する。ゲイン調整部61は、初期ゲイン値Grefとゲイン調整値Ad(G)により、緑色成分の画像データのゲインを調整する。ゲイン調整部61は、初期ゲイン値Grefとゲイン調整値Ad(B)により、青色成分の画像データのゲインを調整する。各ゲインは、素子駆動部62が光変調素子4R、4G、及び4Bを駆動するときの赤色成分、緑色成分、及び青色成分の画像データに対するゲインである。なお、初期ゲイン値Grefは、各色成分で共通の値に設定してもよいし、色成分ごとに異なる値に設定してもよい。
第3実施形態の光量調整方法、光量調整装置6b、及び投射装置1bでは、光源制御を必要としないので、光量を細かく調整できない光源を用いることができるため、光量を細かく調整する光源を使用する場合と比較してコストを低く抑えることができる。
ゲイン調整部61は色成分ごとに画像データのゲインを調整することができる。これにより、投射装置1b及び1cは、投射画像の明るさを色成分ごとに調整することができる。
時間経過により、光源部2から射出される照明光LL1の発光スペクトルまたは照明光LL1の光路上の分光透過率が変化する場合がある。そのため、投射画像は、時間経過により、明るさだけでなく、色バランスも変化する場合がある。そのため、投射画像は、時間経過により、明るさだけでなく、色バランスも変化する場合がある。第3実施形態の光量調整方法、光量調整装置6b、及び投射装置1bによれば、光センサ7により色成分ごとの光量を検出することにより、投射画像の明るさを色成分ごとに調整できる。これにより、投射画像の明るさだけでなく、色バランスも経時的に安定化させることができる。
第3実施形態の光量調整方法、光量調整装置6b、及び投射装置1bでは、光センサ7は、照明光LL1が光源部2から射出され、かつ、クロスダイクロイックミラー40に入射するまでの範囲における照明光LL1の光路の近傍で、かつ、光変調素子4に影響しない位置に配置されている。そのため、照明分布が均一化された照明光LL1を光変調素子4に照射することができる。
[第4実施形態]
図10を用いて、第4実施形態の投射装置の構成例を説明する。説明をわかりやすくするために、第1及び第2実施形態の投射装置1a及び1bと同じ構成部には同じ符号を付す。第4実施形態では、他の実施形態の投射装置1及び光量調整装置6と区別するため、投射装置1を投射装置1cとし、光量調整装置6を光量調整装置6cとする。
図10を用いて、第4実施形態の投射装置の構成例を説明する。説明をわかりやすくするために、第1及び第2実施形態の投射装置1a及び1bと同じ構成部には同じ符号を付す。第4実施形態では、他の実施形態の投射装置1及び光量調整装置6と区別するため、投射装置1を投射装置1cとし、光量調整装置6を光量調整装置6cとする。
第4実施形態の投射装置1cは、第1実施形態の投射装置1aの構成と第2実施形態の投射装置1bの構成とを組み合わせた構成を有する。具体的には、第4実施形態の投射装置1cは、第2実施形態の投射装置1bと同じ構成を有し、かつ、光量算出部51が第1実施形態の投射装置1aと同様に時間経過後の目標光量を算出し、光源駆動制御部52へ出力する。
図10は、第4実施形態の投射装置1cにおける光量調整装置6cの構成例を示している。図10の反射型偏光板42は、図1の反射型偏光板42(42R、42G、及び42B)を簡略化して示している。図10に示す符号LL1は各反射型偏光板42(42R、42G、及び42B)に入射する各色光(RLL、GLL、BLL)を示している。図10の光変調素子4は、図1の光変調素子4(4R,4G,4B)を簡略化して示している。図10の投射光学系5は、図1の投射光学系5を簡略化して示している。
第4実施形態の投射装置1cは、第1実施形態の投射装置1aと同様の手順により、光源部2から射出される照明光WLLの光量L0を制御する。光源駆動制御部52は、光センサ7が検出する光量を目標光量L1cに合わせる必要はない。即ち、光源駆動制御部52は光源部2から射出される照明光WLLの光量を細かく制御する必要はなく、目標光量L1cとするために照明光WLLの光量を調整する調整量が所定の範囲を超えた場合に調整する構成とすればよい。例えば、調整量が10%を超えた場合に調整し、10%未満の場合は調整しない。
光源駆動制御部52が照明光WLLの光量を制御した後の第3の時点において、投射装置1cの光量算出部51は、第2実施形態の投射装置1bと同様の手順により、第1の時点において光変調素子4に照射される照明光LL1の光量L2bに対する第3の時点において光変調素子4に照射される照明光LL1の光量L2aの比率である光量比LQRを算出する。ゲイン調整部61は、光量比LQRに基づいて画像データのゲインを調整し、ゲイン調整された画像データGaに基づいて光変調素子4(4R,4G,4B)の駆動を制御する。第4実施形態の投射装置1cでは、光源駆動制御部52、及び、ゲイン調整部61は光量調整部として機能する。
一般的に、画像データに対するゲインの調整量が大きくなるほど、投射画像の階調性能が低下する方向に作用する。第4実施形態の光量調整方法、光量調整装置6c、及び投射装置1cによれば、投射画像の明るさを光源部2から射出される照明光WLLの光量で調整し、かつ、投射画像の画素値をゲイン調整値Adで調整することができる。従って、ゲイン調整値Adによる調整量を少なくすることができるため、より高い階調性能を有する投射画像を表示することができる。
第4実施形態の光量調整方法、光量調整装置6c、及び投射装置1cでは、光センサ7は、照明光LL1が光源部2から射出され、かつ、クロスダイクロイックミラー40に入射するまでの範囲における照明光LL1の光路の近傍で、かつ、光変調素子4に影響しない位置に配置されている。そのため、照明分布が均一化された照明光LL1を光変調素子4に照射することができる。
第4実施形態の光量調整方法、光量調整装置6c、及び投射装置1cでは、照明光LL1の光量L0を制御し、さらに画像データのゲインを調整し、ゲイン調整された画像データGaに基づいて光変調素子4の駆動を制御する。これにより、投射画像の明るさを経時的に安定化させることができる。
第4実施形態の光量調整方法、光量調整装置6c、及び投射装置1cによれば、ゲイン調整量を小さくすることができるため、画像データのゲインを増加させる範囲を広くする必要がなくなる。そのため、初期ゲイン値Grefを小さい値にする必要がなくなるため、初期ゲイン値Grefの設定範囲を広くすることができる。一般的に、ゲイン値を1.0(100%)に近づけるほど光変調素子の階調表示性能が高くなるため、第4実施形態の光量調整方法、光量調整装置6c、及び投射装置1cによれば、投射画像の階調性能を第1実施形態よりもさらに向上させることができる。
第4実施形態の光量調整方法、光量調整装置6c、及び投射装置1cによれば、初期ゲイン値Grefを大きい値(0よりも1.0に近い値)に設定することができるため、より明るい画像をスクリーン等の被投射媒体に投射することができる。所定の明るさの画像を被投射媒体に投射する場合は、光源部2から射出される照明光LL1の光量L0を低減させることができるため、光源10の消費電力を低減させたり、光源10の寿命を長くしたりすることができる。
[第5実施形態]
第5実施形態は、第4実施形態と比較して、投射装置1cにおける光センサ7として、赤色光の光量、緑色光の光量、及び、青色光の光量を分離して検出するカラーセンサを用いる点で相違する。第5実施形態の投射装置1cにおいて、光センサ7としてカラーセンサを用いる場合、光センサ7は、照明光WLL及び戻り光RLの赤色成分の光量、緑色成分の光量、及び、青色成分の光量を検出する。
第5実施形態は、第4実施形態と比較して、投射装置1cにおける光センサ7として、赤色光の光量、緑色光の光量、及び、青色光の光量を分離して検出するカラーセンサを用いる点で相違する。第5実施形態の投射装置1cにおいて、光センサ7としてカラーセンサを用いる場合、光センサ7は、照明光WLL及び戻り光RLの赤色成分の光量、緑色成分の光量、及び、青色成分の光量を検出する。
第5実施形態の投射装置1cは、第1実施形態の投射装置1aと同様の手順により、光源部2から射出される照明光LL1の光量L0を制御する。この場合、光センサ7で検出した各色成分の光量を合算した光量を光量Cとする。照明光LL1及び戻り光RLの合算光量Cは、式(18)で表すことができる。
C=IR×CR+IG×CG+IB×CB …(18)
CR、CG、及びCBは、光センサ7が検出した赤色成分、緑色成分、及び、青色成分の検出値である。IR、IG、及びIBは、検出値CR、CG、及びCBを、赤色成分、緑色成分、及び、青色成分の光量に変換するための係数であり、IR+IG+IB=1の条件を満たす。第5実施形態の投射装置1cでは、光量算出部51は、式(18)から合算光量Cを算出し、光源駆動制御部52へ出力する。
第5実施形態の投射装置1cは、第1実施形態の投射装置1aと同様の手順により、光源部2から射出される照明光WLLの光量L0を制御する。光源駆動制御部52は、光センサ7が検出する光量を目標光量L1cに合わせる必要はない。すなわち、光源駆動制御部52は光源部2から射出する照明光WLLの光量を細かく制御する必要はなく、目標光量L1cとするために照明光WLLの光量を調整する調整量が所定の範囲を超えた場合に調整する構成とすればよい。例えば、調整量が10%を超えた場合に調整し、10%未満の場合は調整しない。
第5実施形態の投射装置1cは、第1実施形態と同様の手順で光源制御を行なった後、第3実施形態の投射装置1bと同様の手順により、各画像データのゲインを調整し、ゲイン調整された画像データGaに基づいて各光変調素子4(4R,4G,4B)の駆動を制御する。
一般的に、画像データに対するゲインの調整量が大きくなるほど、投射画像の階調性能が低下する方向に作用する。第5実施形態の光量調整方法、光量調整装置6c、及び投射装置1cによれば、光センサ7が色成分ごとの光量を検出することにより、投射画像の明るさを光源部2から射出される照明光LL1の光量で調整し、かつ、投射画像の色バランスを色成分ごとのゲイン調整値Adで調整することができる。従って、色成分ごとの光量を検出することにより、ゲイン調整値Adによる調整量を少なくすることができるため、より高い階調性能を有する投射画像を表示することができる。
また、色成分ごとの光量を検出することにより、初期ゲイン値Grefを大きな値にすることができる。これにより、明るい画像をスクリーンSR等の被投射媒体に表示することができる。所定の明るさの画像を被投射媒体に投射する場合は、色成分ごとの光量を検出することにより、光源部2から射出される照明光LL1の光量L0をより低減させることができる。そのため、光源10の消費電力をより低減させたり、光源10の寿命をより長くしたりすることができる。
第5実施形態の光量調整方法、光量調整装置6c、及び投射装置1cでは、光センサ7は、照明光LL1が光源部2から射出され、かつ、クロスダイクロイックミラー40に入射するまでの範囲における照明光LL1の光路の近傍で、かつ、光変調素子4に影響しない位置に配置されている。そのため、照明分布が均一化された照明光LL1を光変調素子4に照射することができる。
第5実施形態の光量調整方法、光量調整装置6c、及び投射装置1cでは、照明光LL1の光量L0を制御し、さらに画像データのゲインを調整し、ゲイン調整された画像データGaに基づいて光変調素子4の駆動を制御する。これにより、投射画像の明るさを経時的に安定化させることができる。
第5実施形態の光量調整方法、光量調整装置6c、及び投射装置1cによれば、照明光LL1の光量L0を制御することにより、ゲイン調整値Adによる画像データのゲイン調整量を小さくすることができる。これにより、画像を高い階調性能を維持した状態でスクリーン等の被投射媒体に投射することができる。
第5実施形態の光量調整方法、光量調整装置6c、及び投射装置1cによれば、ゲイン調整量を小さくすることができるため、画像データのゲインを増加させる範囲を広くする必要がなくなる。そのため、初期ゲイン値Grefを小さい値にする必要がなくなるため、初期ゲイン値Grefの設定範囲を広くすることができる。一般的に、ゲイン値を1.0(100%)に近づけるほど光変調素子の階調表示性能が高くなるため、第5実施形態の光量調整方法、光量調整装置6c、及び投射装置1cによれば、投射画像の階調性能を第1実施形態よりもさらに向上させることができる。
第5実施形態の光量調整方法、光量調整装置6c、及び投射装置1cによれば、初期ゲイン値Grefを大きい値(0よりも1.0に近い値)に設定することができるため、より明るい画像をスクリーン等の被投射媒体に投射することができる。所定の明るさの画像を被投射媒体に投射する場合は、光源部2から射出される照明光LL1の光量L0を低減させることができるため、光源10の消費電力を低減させたり、光源10の寿命を長くしたりすることができる。
[第6実施形態]
第1実施形態では、照明光源として、1つの光源10から射出される照明光の光量を制御する。それに対し、第6実施形態の投射装置1aでは、照明光源として、照明光の色成分が異なる複数の光源を有する。光源駆動制御部52は、光源駆動部53を制御することにより、各光源から射出される照明光の光量を光源ごとに独立して制御する。
第1実施形態では、照明光源として、1つの光源10から射出される照明光の光量を制御する。それに対し、第6実施形態の投射装置1aでは、照明光源として、照明光の色成分が異なる複数の光源を有する。光源駆動制御部52は、光源駆動部53を制御することにより、各光源から射出される照明光の光量を光源ごとに独立して制御する。
図11は、光源部2の構成例を示している。光源部2は、赤色光源2Rと、緑色光源2Gと、青色光源2Bと、ダイクロイックミラー71及び72と、集光レンズ73とを有して構成されている。光源駆動制御部52は、光源駆動部53を制御することにより、赤色光源2Rから射出される赤色照明光の光量、緑色光源2Gから射出される緑色照明光の光量、及び、青色光源2Bから射出される緑色照明光の光量を、独立して制御する。
ダイクロイックミラー71は赤色光を透過し、緑色光を反射する。ダイクロイックミラー72は赤色光及び緑色光を透過し、青色光を反射する。赤色光源2Rから射出された赤色照明光はダイクロイックミラー71及び72を透過する。緑色光源2Gから射出された緑色照明光はダイクロイックミラー71を反射し、ダイクロイックミラー72を透過する。青色光源2Bから射出された青色照明光はダイクロイックミラー72を反射する。各色の照明光は混合光となり、集光レンズ73を透過して白色の照明光WLLとして射出される。
第6実施形態では、光センサ7として、赤色光の光量、緑色光の光量、及び、青色光の光量を分離して検出するカラーセンサを用いてもよい。第6実施形態の投射装置1aにおいて、光センサ7としてカラーセンサを用いる場合、光センサ7は、照明光WLL及び戻り光RLの赤色成分の光量、緑色成分の光量、及び、青色成分の光量を検出する。
第6実施形態の投射装置1aは、第1実施形態の投射装置1aと同様の手順により、光源部2から射出される照明光WLLの光量L0を制御する。光量算出部51は、赤色光、緑色光、青色光の各色成分の光量に基づいて、各色成分の光学系の透過率を算出し、算出した透過率に基づいて、各色成分の目標光量を算出する。光源駆動制御部52は、各色成分の光量が目標光量となるように各光源を制御する。
(変形例)
光源部2は、赤色光源2R、緑色光源2G、及び、青色光源2Bの全ての色光源が独立していなくてもよい。図12は、変形例として、光源部2が黄色光源2Yと青色光源2Bとを有する場合を示している。黄色光源2Yは、赤色成分及び緑色成分を含む黄色照明光を射出する。ダイクロイックミラー74は黄色光を透過し、青色光を反射する。黄色光源2Yから射出された黄色照明光はダイクロイックミラー74を透過し、青色光源2Bから射出された青色照明光はダイクロイックミラー74を反射する。
光源部2は、赤色光源2R、緑色光源2G、及び、青色光源2Bの全ての色光源が独立していなくてもよい。図12は、変形例として、光源部2が黄色光源2Yと青色光源2Bとを有する場合を示している。黄色光源2Yは、赤色成分及び緑色成分を含む黄色照明光を射出する。ダイクロイックミラー74は黄色光を透過し、青色光を反射する。黄色光源2Yから射出された黄色照明光はダイクロイックミラー74を透過し、青色光源2Bから射出された青色照明光はダイクロイックミラー74を反射する。
黄色照明光及び青色照明光は混合光となり、集光レンズ73を透過して白色の照明光WLLとして射出される。一般に、光学系の透過率が劣化する場合、青色光の透過率の劣化が起こりやすい。従って、青色照明光のみ独立して制御できる構成とすることで、実用上問題ない。
図1は、光センサ7が偏光変換素子35の近傍に配置されている場合を示している。光センサ7は、照明光LL1が光源部2から射出され、かつ、クロスダイクロイックミラー40に入射するまでの範囲における照明光LL1の光路の近傍で、かつ、光変調素子4に影響しない位置に配置されていればよい。例えば、図13に示すように、光センサ7は、フライアイレンズ33よりも光源部2側(例えば反射ミラー30の近傍)に配置してもよい。
光センサ7がフライアイレンズ33よりも光源部2側に配置されている場合、光センサ7が照明光LL1に影響する位置に配置されていたとしても、フライアイレンズ33及び34により、光変調素子4に照射される黄色照明光YLL及び青色照明光BLLの照明分布を均一化することができる。
本発明は、上述した第1~第6実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
1,1a,1b,1c 投射装置
2 光源部
3 照明光学系
4,4R,4G,4B 光変調素子
7 光センサ
51 光量算出部
52 光源駆動制御部(光量調整部)
Cba 光量(第4の光量)
Cbb 光量(第2の光量)
Cwa 光量(第3の光量)
Cwb 光量(第1の光量)
LL1 照明光
ML 画像光
T2a 透過率(第2の透過率)
T2b 透過率(第1の透過率)
2 光源部
3 照明光学系
4,4R,4G,4B 光変調素子
7 光センサ
51 光量算出部
52 光源駆動制御部(光量調整部)
Cba 光量(第4の光量)
Cbb 光量(第2の光量)
Cwa 光量(第3の光量)
Cwb 光量(第1の光量)
LL1 照明光
ML 画像光
T2a 透過率(第2の透過率)
T2b 透過率(第1の透過率)
Claims (5)
- 第1の時点において、
光変調素子が、光源部から照明光学系を介して照射された照明光を、第1の表示画像レベル及び前記第1の表示画像レベルよりも低い第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調し、
光センサが、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第1の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第1の光量、及び、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第2の光量を検出し、
光量算出部が、前記第1及び第2の光量に基づいて、前記照明光に対する前記照明光学系の第1の透過率を算出し、
前記第1の時点より後の第2の時点において、
前記光変調素子が、前記照明光を前記第1及び第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調し、
前記光センサが、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第1の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第3の光量、及び、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第4の光量を検出し、
前記光量算出部が、前記第3及び第4の光量に基づいて、前記照明光に対する前記照明光学系の第2の透過率を算出し、
光量調整部が、前記第1及び第2の透過率に基づいて、前記照明光が光変調されることにより生成される画像光の光量を調整する
光量調整方法。 - 前記光量算出部が、前記第1及び第2の透過率に基づいて、前記第2の時点における目標光量を算出し、
前記光量調整部が、前記目標光量に基づいて、前記照明光の光量を調整する
請求項1に記載の光量調整方法。 - 前記第1の表示画像レベルは白レベルである
請求項1または2に記載の光量調整方法。 - 第1の時点において、光源部から照明光学系を介して照射される照明光と光変調素子が前記照明光を第1の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第1の光量、及び、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第1の表示画像レベルよりも低い第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第2の光量を検出し、前記第1の時点より後の第2の時点において、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第1の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第3の光量、及び、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第4の光量を検出する光センサと、
前記第1及び第2の光量に基づいて前記照明光に対する前記照明光学系の前記第1の時点の第1の透過率を算出し、かつ、前記第3及び第4の光量に基づいて前記照明光に対する前記照明光学系の前記第2の時点の第2の透過率を算出する光量算出部と、
前記第1及び第2の透過率に基づいて、前記照明光が光変調されることにより生成される画像光の光量を調整する光量調整部と、
を備える光量調整装置。 - 照明光を射出する光源部と、
前記光源部から前記照明光が入射され、かつ、前記照明光を射出する照明光学系と、
前記照明光学系から射出された前記照明光を第1の表示画像レベル及び前記第1の表示画像レベルよりも低い第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調する光変調素子と、
第1の時点において、前記光源部から照射される照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第1の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第1の光量、及び、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第2の光量を検出し、前記第1の時点より後の第2の時点において、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第1の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第3の光量、及び、前記照明光と前記光変調素子が前記照明光を前記第2の表示画像レベルの画像データに基づいて光変調したときに前記光変調素子から射出して前記光源部へと戻る戻り光との合算光量である第4の光量を検出する光センサと、
前記第1及び第2の光量に基づいて前記照明光に対する前記照明光学系の前記第1の時点の第1の透過率を算出し、かつ、前記第3及び第4の光量に基づいて前記照明光に対する前記照明光学系の前記第2の時点の第2の透過率を算出する光量算出部と、
前記第1及び第2の透過率に基づいて、前記照明光が光変調されることにより生成される画像光の光量を調整する光量調整部と、
を備える投射装置。
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