JP6251946B2 - 複合核粒子及びそれを含む医薬組成物 - Google Patents

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本発明は、複合核粒子及びそれを含む医薬組成物に関する。より具体的には、薬剤(医薬有効成分等)を含む被膜を表面に形成するための複合核粒子に関する。
製剤の製造技術の一つとして、核粒子を流動状態とし、その状態において薬剤(医薬有効成分等)の単独又はそれと賦形剤との混合物を投入し、核粒子表面にその薬剤又は混合物をコーティングする手法が採用されている。この場合、核粒子には、1)一般に粒径が均一で球状であること、2)コーティング工程において、核粒子が割れない(所定の機械的強度を有する)ことが要求される。
このような特性を備えた核粒子としては、従来より有機材料を主体とした核粒子(有機系核粒子)が提案されている。例えば、結晶セルロースを用いた核粒子(特許文献1、特許文献2)、糖、デンプン等を用いた核粒子(特許文献3、特許文献4)等が知られている。
これに対し、無機材料を主体とした核粒子(無機系核粒子)も提案されている。例えば、本願出願人は、先に医薬有効成分を含む被膜を表面に形成するための核粒子であって、(1)前記核粒子は、薬学的に許容される無機材料を含み、かつ、前記無機材料は炭酸マグネシウムを含有し、(2)前記無機材料が、水に対して難溶性であり、(3)前記無機材料の液性pHが6〜12である、ことを特徴とする製剤用核粒子を開発し、特許出願している(特許文献5)。その他にも、例えば炭酸カルシウム等を核粒子として用いた経口投与用製剤も提案されている(特許文献6)。
特開2012−72133 特開2006−89461 特開2009−263303 特開2009−114148 特開2011−26307 特開2006−143683
これらの無機系核粒子は、有機系核粒子と比べ、加工温度(乾燥温度等)に制約がほとんどなく、微粒子化・高比重という点で優れているため、無機系核粒子の実用化も進められている。
しかしながら、無機系核粒子表面に薬剤を被膜して製剤化した場合、核粒子の表面性状等に起因して薬剤の溶出性に支障を来すことがある。すなわち、製剤化された薬剤の溶出量をできるだけ多くする必要があるものの、これら従来の無機系核粒子では溶出量がなお十分とは言えず、その点において改良の余地が残されている。
従って、本発明の主な目的は、薬剤の溶出性がより改善された無機系核粒子を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する複合核粒子を採用することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の複合核粒子及びそれを含む医薬組成物に係る。
1. 薬剤を含む被膜を表面に形成するための複合核粒子であって、
(1)薬学的に許容される無機材料を含む粒子の表面に、最外層として水溶性無機塩類を含む下地層が形成されており、
(2)前記下地層は、その表面に接するようにして前記被膜を形成するために用いられ、
(3)前記下地層の含有量が、薬学的に許容される無機材料を含む粒子100重量部に対して3重量部より多く、
(4)前記無機材料が、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、二酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム及びケイ酸アルミニウムの少なくとも1種である、
ことを特徴とする複合核粒子。
2. 薬学的に許容される無機材料を含む粒子中における無機材料の含有量が50〜100重量%である、前記項1に記載の複合核粒子。
3. 水溶性無機塩類が、1)アルカリ金属塩及び2)アルカリ土類金属塩の少なくとも1種である、前記項1又は2に記載の複合核粒子。
4. 水溶性無機塩類が、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムの少なくとも1種である、前記項1又は2に記載の複合核粒子。
5. 複合核粒子における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積が0.30mL/g未満である、前記項1〜4のいずれかに記載の複合核粒子。
6. 下地層が形成される前の粒子における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積をV1、複合核粒子における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積をV2としたとき、累積細孔容積減少率(%)=100×[(V1−V2)/V1]の値が15〜70%である、前記項1〜5のいずれかに記載の複合核粒子。
7. 薬学的に許容される無機材料を含む粒子の平均粒子径が45〜500μmである、前記項1〜6のいずれかに記載の複合核粒子。
8. 薬剤を含む被膜を表面に形成するための複合核粒子であって、
(1)炭酸マグネシウムを含む粒子の表面に、最外層として塩化カリウムを含む下地層が形成されており、
(2)前記下地層は、その表面に接するようにして前記被膜を形成するために用いられ、
(3)前記下地層の含有量が、炭酸マグネシウムを含む粒子100重量部に対して3重量部より多く、
(4)複合核粒子における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積が0.30mL/g未満である、
ことを特徴とする複合核粒子。
9. 下地層が形成される前の粒子における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積をV1、複合核粒子における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積をV2としたとき、累積細孔容積減少率(%)=100×[(V1−V2)/V1]の値が15〜70%である、前記項8に記載の複合核粒子。
10. 前記項1〜9のいずれかに記載の複合核粒子の下地層表面上に上記被膜が形成された粒子を含む医薬組成物。
11. 薬学的に許容される医薬品添加物が、当該粒子、当該下地層及び当該被膜の少なくともいずれかに含有される、前記項10に記載の医薬組成物。
12. 医薬品添加物が、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、嬌味剤、甘味剤、清涼化剤、着香剤・香料、芳香剤、着色剤、発泡剤、安定(化)剤、抗酸化剤、保存剤、pH調節剤、可溶化剤、溶解補助剤、流動化剤、緩衝剤、基剤、賦形剤、分散剤、可塑剤、乳化剤、防湿剤及びコーティング剤の少なくとも1種である、前記項11に記載の医薬組成物。
13. 医薬組成物の剤形が、口腔内速崩壊錠、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、トローチ剤又はドライシロップのいずれかの経口投与医薬製剤及び/又はその中間体である、前記項10〜12のいずれかに記載の医薬組成物。
本発明の複合核粒子によれば、特に、特定の材料を含む下地層が形成されているので、下地層に隣接して薬剤(医薬有効成分)を含む層を形成した場合には、優れた溶出性を得ることができる。すなわち、微粒子化と高比重という無機球形核粒子の特徴を維持しつつ、表面の細孔を被覆する表面処理を施すことにより、薬剤の溶出を速やかに実現させることができる。特に、例えばコア部に炭酸マグネシウムを用い、下地層として塩化カリウムを用いた場合のように、細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積が0.30mL/g未満という特定の細孔構造を形成することができる場合には、より確実に優れた溶出性を得ることができる。さらに、上記累積細孔容積の減少率を15〜70%の範囲に設定することによって、よりいっそう優れた溶出性を得ることができる。
さらには、本発明の複合核粒子において、下地層の材質、厚み等を調整することによって、薬剤の溶出速度を遅溶性から即溶性まで任意に調節することも可能である。
このような複合核粒子は、医薬品をはじめとして、例えば入浴剤、芳香剤、食品等の用途に幅広く用いることができる。
図1(a)は本発明の複合核粒子の模式図を示す。図1(b)は、薬剤を含む被膜が本発明の複合核粒子の表面に形成された状態を示す模式図である。 ランソプラゾール被膜顆粒における溶出率と時間との関係を示すグラフである。 プラバスタチンナトリウム被膜顆粒における溶出率と時間との関係を示すグラフである。 ランソプラゾール被膜顆粒における下地層の含有量(被膜量)と溶出改善率との関係を示すグラフである。 ランソプラゾール溶出改善率と累積細孔容積減少率との関係を示すグラフである。 炭酸マグネシウムを核粒子として使用した際のエテンザミド溶出率(試験例4)を示すグラフである。 酸化マグネシウムを核粒子として使用した際のエテンザミド溶出率(試験例4)を示すグラフである。 水酸化マグネシウムを核粒子として使用した際のエテンザミド溶出率(試験例4)を示すグラフである。
1.複合核粒子とその製造方法
1−1.複合核粒子
本発明の複合核粒子は、薬剤を含む被膜を表面に形成するための複合核粒子であって、
(1)薬学的に許容される無機材料を含む粒子の表面に、最外層として水溶性無機塩類を含む下地層が形成されており、
(2)前記下地層は、その表面に接するようにして前記被膜を形成するために用いられ、
(3)前記下地層の含有量が、薬学的に許容される無機材料を含む粒子100重量部に対して3重量部より多い、
ことを特徴とする。
図1(a)に本発明の複合核粒子の模式図を示す。図1(a)に示すように、本発明の複合核粒子10は、薬学的に許容される無機材料を含む粒子(コア部)11の表面に下地層12が形成されている。図1(a)では、下地層は1層から構成されているが、2層以上から構成されていても良い。本発明の複合核粒子10では、図1(b)に示すように、下地層12に隣接した状態で薬剤を含む被膜13が形成される。このような粒子からなる粉末によって医薬組成物が構成され得る。以下、各構成について説明する。
コア部
コア部を構成する無機材料としては、特に限定されないが、水不溶性の無機材料を好適に用いることができる。このような水不溶性の無機材料としては、1)原子価が2及び3価の金属塩、2)原子価が2及び3価の金属の水酸化物、3)原子価が2及び3価の金属の酸化物、4)ケイ酸及び5)ケイ酸塩(但し、前記1)の金属塩を除く。)の少なくとも1種を用いることができる。より具体的には、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、二酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム及びケイ酸アルミニウムの少なくとも1種を用いることがより好ましい。
コア部に含まれる無機材料の含有量は特に制限されないが、通常はコア部の中で50〜100重量%の範囲内、好ましくは80〜100重量%の範囲内とすれば良い。上記含有量が100重量%未満の場合は、他の成分として薬剤のほか、各種の添加剤がコア部に含まれていても良い。
上記の薬剤としては、特に複合核粒子を製剤(医薬品)として用いる場合は、例えば高脂血症薬、抗潰瘍薬、降圧薬、抗うつ薬、抗喘息薬、抗てんかん薬、抗アレルギー薬、抗菌薬、抗ガン薬、鎮痛薬、抗炎症薬、糖尿病薬、代謝拮抗薬、骨粗しょう症薬、抗血小板薬等、制吐薬、麻酔薬、ホルモン剤等の医薬有効成分を採用することができる。
また、上記の添加剤としては、特に複合核粒子を製剤として用いる場合は、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、嬌味剤、甘味剤、清涼化剤、着香剤・香料、芳香剤、着色剤、発泡剤、安定(化)剤、抗酸化剤、保存剤、pH調節剤、可溶化剤、溶解補助剤、流動化剤、緩衝剤、基剤、賦形剤、分散剤、可塑剤、乳化剤、防湿剤及びコーティング剤の少なくとも1種の医薬品添加剤を好適に用いることができる。
コア部の大きさ(平均粒子径)は特に制限されないが、通常は45〜500μmの範囲内で所望の剤形等に応じて適宜設定することができる。
下地層
下地層は、本発明の複合核粒子の最外層を構成する。その最外層の表面に薬剤が担持されることによって優れた溶出性を発揮することができる。
下地層は、水溶性無機塩類を含む。水溶性無機塩類としては限定的ではないが、特に1)アルカリ金属塩及び2)アルカリ土類金属塩の少なくとも1種が好ましい。より具体的には、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムの少なくとも1種が特に好ましい。これらの水溶性無機塩類を用いることによって、所定の細孔構造をより確実に形成することが可能となる。
下地層に含まれる水溶性無機塩類の含有量は特に制限されないが、通常は下地層中50〜100重量%の範囲内、好ましくは80〜100重量%の範囲内とすれば良い。上記含有量が100重量%未満の場合は、他の成分として薬剤のほか、各種の添加剤が下地層中に含まれていても良い。これらの薬剤及び添加剤は、上記で挙げたものと同様のものを使用することができる。
下地層の含有量(被膜量)は、本発明の細孔構造が形成できる限りは特に制限されず、下地層に用いる材料等に応じて適宜設定することも可能であるが、被膜量が多すぎると、下地層からの水溶性無機塩類の剥離が起こり、前記の細孔の被覆効果が損なわれるおそれがあるほか、溶出時における水溶性無機塩類の塩析効果によって薬剤の溶出速度が低下するおそれもある。このため、前記被膜量は、無機材料を含む球状核粒子表面の細孔の被覆効果が顕著に認められ、かつ、医薬有効成分の溶出率が有意に改善される範囲が好ましい。かかる見地より、一般的にはコア部100重量部に対して下地層が3重量部を超える範囲とし、好ましくは4重量部以上30重量部未満、より好ましくは4重量部以上15重量部以下とする。かかる範囲内において、より高い溶出性を発揮することができる。
細孔構造
本発明の複合核粒子は、特に限定的ではないが、炭酸マグネシウムからなるコア部を採用する場合等は、細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積が0.30mL/g未満であることが好ましく、特に0.29mL/g以下であることがより好ましく、さらには0.20mL/g以下であることが最も好ましい。すなわち、累積細孔容積が小さい構造をとることによって、下地層に担持された薬剤が溶出されやすくなる。かかる累積細孔容積が0.30mL/g以上となる場合は所望の溶出性を得ることが困難となることがある。この理由は、累積細孔容積が0.30mL/g以上となると、コーティング時に薬剤が細孔内に捕捉あるいは保持される割合が増加するおそれがあるためと考えられる。
また、本発明の複合核粒子は、細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積の減少率(累積細孔容積減少率)が15〜70%であることが好ましい。累積細孔容積減少率(%)は、下地層が形成される前の核粒子(コア部)における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積をV1、複合核粒子(下地層を形成した後の核粒子)における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積をV2としたとき、100×[(V1−V2)/V1]で算出される値を示す。上記減少率を上記範囲内に設定することによって、複合核粒子表面に薬剤をコーティングして製剤化した場合、よりいっそう優れた薬剤溶出効果を得ることができる。
1−2.複合核粒子の製造方法
本発明の複合核粒子は、例えば薬学的に許容される無機材料を含む粒子に対し、水溶性無機塩類の溶液でコーティングする工程を含む製造方法によって好適に製造することができる。
薬学的に許容される無機材料を含む粒子は、前記1−1.で説明した材料と同様のものを使用することができる。また、公知又は市販の無機系核粒子を使用することもできる。さらには、公知の核粒子の製造方法によって製造された核粒子を使用することもできる。例えば、無機材料の微粉末(原料粉末)を用いて公知の造粒方法に従って造粒することによって得ることもできる。
水溶性無機塩類の溶液としては、例えば水、水溶性有機溶媒、これらの混合溶媒等に水溶性無機塩類を溶解させることによって調製することができる。水溶性無機塩類としては、前記1−1.で例示したものと同様のものを使用すれば良い。溶液の濃度は限定的ではないが、通常は10〜300g/Lの範囲内で適宜設定することができる。なお、下地層中にも薬剤、添加剤等を含有させる場合には、上記溶液にこれらを溶解又は分散させれば良い。
上記溶液でコーティングする方法としては、例えば攪拌造粒法、流動層造粒法、転動造粒法等の公知の造粒方法を採用することができる。この場合、公知又は市販の造粒装置を用いて造粒を実施すれば良い。この場合、下地層の厚みは特に限定されないが、通常1〜50μm程度の範囲内で適宜調節することが好ましい。
コーティングを実施した後、必要に応じて乾燥、分級等を行うことによって本発明の複合核粒子を得ることができる。乾燥、分級等の方法は公知の方法に従えば良い。また、下地層を2層以上形成する場合は、乾燥後にさらに上記のコーティング及び乾燥を1回以上繰り返して行えば良い。
2.医薬組成物
本発明は、本発明の複合核粒子の下地層表面上に上記被膜が形成された粒子を含む医薬組成物を包含する。
医薬有効成分としては限定的でなく、例えば高脂血症薬、抗潰瘍薬、降圧剤、抗うつ薬、抗喘息薬、抗てんかん薬、抗アレルギー薬、抗菌薬、抗ガン剤、鎮痛薬、抗炎症薬、糖尿病薬、代謝拮抗薬、骨粗しょう症薬、抗血小板薬等、制吐剤、ホルモン剤、麻酔剤等が挙げられる。より具体的には、例えばベンズイミダゾール化合物等のプロトンポンプ阻害剤、スタチン等のHMG-CoA還元酵素阻害薬を用いることもできる。
また、前記組成物中には、必要に応じて賦形剤、崩壊剤、防湿剤、安定化剤、結合剤等の医薬品添加物が含まれていても良い。医薬品添加物の含有量は、その添加剤の種類、医薬有効成分の含有量等に応じて適宜設定することができる。
医薬有効成分を含む組成物を本発明核粒子表面にコーティングする方法は、前記のように下地層を形成する場合に採用できる方法と同様の方法を用いることができる。従って、例えば攪拌造粒法、流動層造粒法、転動造粒法等の公知の造粒方法を採用することができる。この場合、公知又は市販の造粒装置を用いることができる。医薬有効成分を含む被膜の厚みは限定的ではないが、通常1〜50μm程度の範囲内で調節することが好ましい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。なお、実施例中に記載の「%」「ppm」はそれぞれ「重量%」「重量ppm」を意味する。
製造例1
市販の炭酸マグネシウム粉末(富田製薬株式会社製)を高速攪拌型混合造粒機( 深江パウテック「FS・GS−25FE」)に投入し、水を添加して湿式造粒した後、80℃で24時間乾燥し、次いで篩いにて100〜200M品を分級して核粒子のサンプルを得た。サンプルの造粒条件は表1に示す通りである。
比較例1
製造例1で調製した炭酸マグネシウム核粒子を使用し、表2に示す処方にてコーティング操作を行うことにより下地層を形成した。具体的には、転動流動層乾燥機(パウレック社製:マルチプレックスMP−01SPC)に核粒子200gを仕込み、風量:45m/hr、設定温度:80℃で流動させ、10g/分の流速で5%塩化カリウム水溶液の噴霧液を噴霧した。その後、風量:45m/hr、設定温度:80℃で10分流動化させて乾燥させた後、風量:45m/hr、設定温度:30℃で10分流動化させて冷却した。このようにして、複合核粒子として3%塩化カリウム被膜粒子を得た。
実施例1〜4
製造例1で調製した炭酸マグネシウム核粒子を使用し、表2に示す処方にてコーティング操作を行うことにより下地層を形成した。具体的には、転動流動層乾燥機(パウレック社製:マルチプレックスMP−01SPC)に核粒子200gを仕込み、風量:45m/hr、設定温度:80℃で流動させ、10g/分の流速で5%の塩化カリウム水溶液の噴霧液を噴霧した。その後、風量:45m/hr、設定温度:80℃で10分流動化させて乾燥させた後、風量:45m/hr、設定温度:30℃下で10分流動化させて冷却した。このようにして、複合核粒子として塩化カリウム被膜粒子をそれぞれ得た。
比較例2
製造例1で調製した炭酸マグネシウム核粒子を使用し、表2に示す処方にてコーティング操作を行うことにより下地層を形成した。具体的には、転動流動層乾燥機(パウレック社製:マルチプレックスMP−01SPC)に核粒子200gを仕込み、風量:45m/hr、設定温度:80℃で流動させ、10g/分の流速で5%塩化カリウム水溶液の噴霧液を噴霧した。その後、風量:45m/hr、設定温度:80℃で10分流動化させて乾燥させた後、風量:45m/hr、設定温度:30℃で10分流動化させて冷却した。このようにして、複合核粒子として30%塩化カリウム被膜粒子を得た。
実施例5
製造例1で調製した炭酸マグネシウム核粒子を使用し、表2に示す処方にてコーティング操作を行うことにより下地層を形成した。具体的には、転動流動層乾燥機(パウレック社製:マルチプレックスMP−01SPC)に核粒子200gを仕込み、風量:45m/hr、設定温度:80℃で流動させ、10g/分の流速で5%塩化カルシウム水溶液の噴霧液を噴霧した。その後、風量:45m/hr、設定温度:80℃で10分流動化させて乾燥させた後、風量:45m/hr、設定温度:30℃下で10分流動化させて冷却した。このようにして、複合核粒子として7%塩化カルシウム被膜粒子を得た。
比較例3〜4
次に、製造例1の炭酸マグネシウム核粒子及び比較例1の複合核粒子について、表3に示す各処方にてコーティング操作を行った。具体的には、転動流動層乾燥機(パウレック社製:マルチプレックスMP−01SPC)に核粒子200gを仕込み、風量:45m/hr、設定温度:60℃で流動させ、噴霧液210gを42分で噴霧した。その後、風量:45m/hr、設定温度:60℃で10分流動化させて乾燥させた後、風量:45m/hr、設定温度:30℃下で10分流動化させて冷却し、ランソプラゾール被膜顆粒を得た。
実施例6〜10
実施例1〜5の複合核粒子について、表3に示す各処方にてコーティング操作を行った。具体的には、転動流動層乾燥機(パウレック社製:マルチプレックスMP−01SPC)に核粒子200gを仕込み、風量:45m/hr、設定温度:60℃で流動させ、噴霧液210gを42分で噴霧した。その後、風量:45m/hr、設定温度:60℃で10分流動化させて乾燥させた後、風量:45m/hr、設定温度:30℃で10分流動化させて冷却し、ランソプラゾール被膜顆粒を得た。
比較例5
製造例1で調製した核粒子について、表4に示す各処方にてコーティング操作を行った。具体的には、転動流動層乾燥機(パウレック社製:マルチプレックスMP−01SPC)に核粒子200gを仕込み、風量:45m/hr、設定温度:60℃で流動させ、噴霧液210gを42分で噴霧した。その後、風量:45m/hr、設定温度:60℃下で10分流動化させて乾燥させた後、風量:45m/hr、設定温度:30℃で10分流動化させて冷却し、プラバスタチンナトリウム被膜顆粒を得た。
実施例11〜12
実施例2及び5の複合核粒子について、表4に示す各処方にてコーティング操作を行った。具体的には、転動流動層乾燥機(パウレック社製:マルチプレックスMP−01SPC)に核粒子200gを仕込み、風量:45m/hr、設定温度:60℃ 下で流動させ、噴霧液210gを42分で噴霧した。その後、風量:45m/hr、設定温度:60℃で10分流動化させて乾燥させた後、風量:45m/hr、設定温度:30℃で10分流動化させて冷却し、プラバスタチンナトリウム被膜顆粒を得た。
試験例1
前記コーティング操作によって得られたランソプラゾール被膜顆粒(比較例3〜4、実施例6〜10)におけるランソプラゾールの水溶液中での溶出試験を行った。溶出試験の条件を表5に示す。ランソプラゾールの溶出試験結果を表6及び図2、ランソプラゾール溶出量の比較例3の溶出量に対する改善率を表7にそれぞれ示す。
また、比較例3、実施例6〜9、比較例4における下地層の含有量(被膜量)と溶出改善率との関係を示すグラフを図4に示す。図4からも明らかなように、特に、炭酸マグネシウムのコア部に対して下地層を構成する塩化カリウムの粒子量が3%を超え、かつ、15%以下の範囲内の複合核粒子においては高い改善率が達成されていることがわかる。特に、塩化カリウムの粒子量が5〜8%付近である複合核粒子を用いた場合には、改善率10%以上という極めて高い効果が得られることがわかる。
標準溶液調製
ランソプラゾール 0.12g を正確に量りとり、水/アセトニトリル/トリエチルアミン混液を加えて正確に100mL とする。この液10mLを正確に量り、水/アセトニトリル/トリエチルアミン混液を加えて100mLとする(120ppm溶液)。この120ppm溶液10mLと5mLをそれぞれ正確に量り、水/アセトニトリル/トリエチルアミン混液を加えてそれぞれ100mLとした溶液を標準溶液1(12ppm)及び標準溶液2(6ppm)とする。
試料溶液調製
採取液を試料溶液とする。
測定
標準溶液1、標準溶液2及び試料溶液を0.2μmのメンブレンフィルターでろ過した後、高速液体クロマトグラフ法により標準溶液1及び2のランソプラゾールのピーク面積とランソプラゾール濃度(12ppm、6ppm)をプロットしたときに得られる直線の傾き(a)と切片(t)を求める。溶出率は試料溶液のランソプラゾールのピーク面積(Qt)を求め、次式を用いて算出する。

溶出率(%)=((Qt−t)/a/ランソプラゾールの理論採取量(mg))×100
改善率(%)=(各時間の溶出率/各時間の比較例3の溶出率)×100−100
試験例2
前記コーティング操作によって得られたプラバスタチンナトリウム被膜顆粒(比較例5、実施例11、12)におけるプラバスタチンナトリウムの水中での溶出試験を行った。溶出試験の条件は表8に示す。プラバスタチンナトリウムの溶出試験結果を表9及び図3、プラバスタチンナトリウム溶出量の比較例5の溶出量に対する改善率を表10にそれぞれ示す。
標準溶液調製
プラバスタチンナトリウム 0.12g を正確に量りとり、水/メタノール混液(11:9)を加えて正確に100mL とする。この液10mLを正確に量り、水/メタノール混液(11:9)を加えて100mLとする(120ppm溶液)。この120ppm溶液10mLと5mLをそれぞれ正確に量り、水/メタノール混液(11:9)を加えてそれぞれ100mLとした溶液を標準溶液1(12ppm)及び標準溶液2(6ppm)とする。
試料溶液調製
採取液を試料溶液とする。
測定
標準溶液1、標準溶液2及び試料溶液を0.2μmのメンブレンフィルターでろ過した後、高速液体クロマトグラフ法により標準溶液1及び2のプラバスタチンナトリウムのピーク面積とプラバスタチンナトリウム濃度(12ppm、6ppm)をプロットしたときに得られる直線の傾き(a)と切片(t)を求める。溶出率は試料溶液のプラバスタチンナトリウムのピーク面積(Qt)を求め、次式を用いて算出する。

溶出率(%)=((Qt−t)/a/プラバスタチンナトリウムの理論採取量(mg))×100
改善率(%)=(各時間の溶出率/各時間の比較例5の溶出率)×100−100
試験例3
製造例1、実施例1〜4及び比較例1で得られた複合核粒子に対して、Quantachrome社製水銀ポロシメーター「Poremaster60GT」にて以下の条件で測定を行った。その結果を表11に示す。
前処理:試料0.5gを正確に量り、吸着管に封入し、105℃で24時間脱気した。
細孔の測定及び解析:試料と水銀の接触角を140°、水銀の表面張力を480dyn/cmとして、測定した圧力から累積細孔容積を測定した。なお、解析範囲は、細孔直径20〜200nmの範囲で行った。
表11に示すように、炭酸マグネシウムに対して塩化カリウム3%を被膜した比較例1の累積細孔容積が0.30mL/gと比較的大きい値を示すのに対し、3%を超える塩化カリウム被膜量を有する実施例1〜4ではそれよりも小さな値を示すことがわかる。
さらに、比較例1及び実施例1〜4の累積細孔容積(V2)について、製造例1の核粒子における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積(V1)に対する減少率%=100×[(V1−V2)/V1]を表12にそれぞれ示す。また、比較例1、実施例1〜4の複合核粒子の累積細孔容積の減少率と、それらを用いて調製した比較例4、実施例6〜9のランソプラゾール顆粒の溶出改善率との関係を示すグラフを図5に示す。
図5からも明らかなように、細孔直径が20〜200nmの範囲における累積細孔容積の減少率が、12%を超え、かつ、92%以下の範囲内の複合核粒子においては高い溶出改善率が達成されていることがわかる。特に、その累積細孔容積の減少率が15〜70%の範囲である複合核粒子を用いた場合には、溶出改善率が10%以上という極めて高い効果が得られることがわかる。
製造例2
市販の酸化マグネシウム粉末(富田製薬株式会社製)を高速撹拌型混合造粒機(深江パウテック「FG・GS―25FE」)に投入し、95%エタノール(和光純薬工業株式会社製)を添加して湿式造粒した後、80℃で24時間乾燥し、次いで篩いにて100〜200Mesh品を分級して核粒子サンプルを得た。サンプルの造粒条件を表13に示す。
製造例3
製造例2で調製した酸化マグネシウム核粒子を水と反応させ、水酸化マグネシウム核粒子を得た。具体的には、酸化マグネシウム核粒子と水で反応させ、得られた水酸化マグネシウム核粒子を80℃で24時間乾燥し、次いで100〜200Mesh品を分級して核粒子サンプルを得た。
実施例14〜15
製造例2で調製した酸化マグネシウム核粒子を使用し、コーティング操作を行うことにより下地層を形成した。具体的には、転動流動層乾燥機(パウレック社製:マルチプレックスMP−01SPC)に酸化マグネシウム核粒子200gを仕込み、風量:45m/hr、設定温度:80℃で流動させ、10g/分の流速で5%塩化カリウム水溶液280g及び5%塩化ナトリウム水溶液280gの噴霧液を噴霧した。噴霧後、風量:45m/hr、設定温度:80℃で10分流動化させて乾燥させた後、風量:45m/hr、設定温度:30℃で10分流動化させて冷却した。このようにして、複合核粒子として7%塩化カリウム被膜粒子(実施例14)及び7%塩化ナトリウム被膜核粒子(実施例15)を得た。
実施例16〜17
製造例3で調製した水酸化マグネシウム核粒子を使用し、コーティング操作を行うことにより下地層を形成した。具体的には、転動流動層乾燥機(パウレック社製:マルチプレックスMP−01SPC)に水酸化マグネシウム核粒子200gを仕込み、風量:45m/hr、設定温度:80℃で流動させ、10g/分の流速で5%塩化カリウム水溶液280g及び5%塩化ナトリウム水溶液280gの噴霧液を噴霧した。噴霧後、風量:45m/hr、設定温度:80℃で10分流動化させて乾燥させた後、風量:45m/hr、設定温度:30℃で10分流動化させて冷却した。このようにして、複合核粒子として7%塩化カリウム被膜粒子(実施例16)及び7%塩化ナトリウム被膜核粒子(実施例17)を得た。
比較例6〜8
製造例1〜3で調製した核粒子について、表14に示す各処方にてコーティング操作を行った。具体的には、転動流動層乾燥機(パウレック社製:マルチプレックスMP−01SPC)に核粒子200gを仕込み、風量:45m/hr、設定温度:60℃で流動させ、噴霧液210gを42分で噴霧した。噴霧後、風量:45m/hr、設定温度:60℃で10分流動化させて乾燥させた後、風量:45m/hr、設定温度:30℃で10分流動化させて冷却し、エテンザミド被膜粒子を得た。
実施例13、18〜21
実施例2及び実施例14〜17の複合核粒子について、表15に示す各処方にてコーティング操作を行った。具体的には、転動流動層乾燥機(パウレック社製:マルチプレックスMP−01SPC)に核粒子200gを仕込み、風量:45m/hr、設定温度:60℃で流動させ、噴霧液210gを42分で噴霧した。噴霧後、風量:45m/hr、設定温度:60℃で10分流動化させて乾燥させた後、風量:45m/hr、設定温度:30℃で10分流動化させて冷却し、エテンザミド被膜粒子を得た。
試験例4
前記コーティング操作によって得られたエテンザミド被膜顆粒(比較例6〜8、実施例13、実施例18〜21)におけるエテンザミドの水溶液中での溶出試験を行った。溶出試験及び解析の条件を表16に示す。また、エテンザミドの溶出試験結果を表17に示し、比較例6〜8のエテンザミドの溶出量に対する改善率を表18に示す。加えて、炭酸マグネシウムを核粒子として使用した際の溶出試験結果を図6に示し、酸化マグネシウムを核粒子として使用した際の溶出試験結果を図7に示し、水酸化マグネシウムを核粒子として使用した際の溶出試験結果を図8に示す。
標準溶液調製
十分に乾燥させたエテンザミド0.12gを正確に量りとり、水を加えて正確に100mLとする。この液10mLを正確に量り水100mLとし、120ppm溶液を調製する。次いで、この120ppm溶液を10mLと5mL正確に量り、水を加えてそれぞれ50mLとした溶液を標準溶液1(12ppm)及び標準溶液2(6ppm)とする。
試料溶液調製
採取液を試料溶液とする。
測定
標準溶液1、標準溶液2及び試料溶液を紫外可視吸光度測定法にて測定する。具体的には、波長290nmにて標準溶液1と標準溶液2の吸光度を測定し、検量線を作成する。同様に試料溶液を測定し、検量線からその濃度を計算する。
改善率(%)=(各時間の溶出率/各時間のそれぞれの比較例の溶出率)×100−100
試験例5
製造例2〜3の核粒子、実施例14〜17の複合核粒子に対して、Quantachrome社製水銀ポロシメーター「Poremaster60GT」にて以下の条件で測定を行った。具体的には、試料0.5gを正確に量り、吸着管に封入し、105℃で24時間脱気する。試料と水銀の接触角を140℃、水銀の表面張力を480dyn/cmとして、測定した圧力から累積細孔容積を測定した。なお、解析範囲は細孔直径20〜200nmの範囲で行った。その結果と製造例2〜3の核粒子に対する、各複合核粒子の累計細孔容積の減少率を表19に示す。
表19及び図6〜8の結果からも明らかなように、細孔直径20〜200nmの累積細孔容積の減少率が15〜70%の範囲に入っている場合、高い溶出性が得られることがわかる。


Claims (13)

  1. 薬剤を含む被膜を表面に形成するための複合核粒子であって、
    (1)薬学的に許容される無機材料を含む粒子の表面に、最外層として水溶性無機塩類を含む下地層が形成されており、
    (2)前記下地層は、その表面に接するようにして前記被膜を形成するために用いられ、
    (3)前記下地層の含有量が、薬学的に許容される無機材料を含む粒子100重量部に対して3重量部より多く、
    (4)前記無機材料が、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、二酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム及びケイ酸アルミニウムの少なくとも1種である、
    ことを特徴とする複合核粒子。
  2. 薬学的に許容される無機材料を含む粒子中における無機材料の含有量が50〜100重量%である、請求項1に記載の複合核粒子。
  3. 水溶性無機塩類が、1)アルカリ金属塩及び2)アルカリ土類金属塩の少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の複合核粒子。
  4. 水溶性無機塩類が、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムの少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の複合核粒子。
  5. 複合核粒子における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積が0.30mL/g未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の複合核粒子。
  6. 下地層が形成される前の粒子における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積をV1、複合核粒子における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積をV2としたとき、累積細孔容積減少率(%)=100×[(V1−V2)/V1]の値が15〜70%である、請求項1〜5のいずれかに記載の複合核粒子。
  7. 薬学的に許容される無機材料を含む粒子の平均粒子径が45〜500μmである、請求項1〜6のいずれかに記載の複合核粒子。
  8. 薬剤を含む被膜を表面に形成するための複合核粒子であって、
    (1)炭酸マグネシウムを含む粒子の表面に、最外層として塩化カリウムを含む下地層が形成されており、
    (2)前記下地層は、その表面に接するようにして前記被膜を形成するために用いられ、
    (3)前記下地層の含有量が、炭酸マグネシウムを含む粒子100重量部に対して3重量部より多く、
    (4)複合核粒子における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積が0.30mL/g未満である、
    ことを特徴とする複合核粒子。
  9. 下地層が形成される前の粒子における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積をV1、複合核粒子における細孔直径20〜200nmの細孔の累積細孔容積をV2としたとき、累積細孔容積減少率(%)=100×[(V1−V2)/V1]の値が15〜70%である、請求項8に記載の複合核粒子。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の複合核粒子の下地層表面上に上記被膜が形成された粒子を含む医薬組成物。
  11. 薬学的に許容される医薬品添加物が、当該粒子、当該下地層及び当該被膜の少なくともいずれかに含有される、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 医薬品添加物が、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、嬌味剤、甘味剤、清涼化剤、着香剤・香料、芳香剤、着色剤、発泡剤、安定(化)剤、抗酸化剤、保存剤、pH調節剤、可溶化剤、溶解補助剤、流動化剤、緩衝剤、基剤、賦形剤、分散剤、可塑剤、乳化剤、防湿剤及びコーティング剤の少なくとも1種である、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 医薬組成物の剤形が、口腔内速崩壊錠、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、トローチ剤又はドライシロップのいずれかの経口投与医薬製剤及び/又はその中間体である、請求項10〜12のいずれかに記載の医薬組成物。
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