JP6251695B2 - ロケット発射設備及びロケット発射方法 - Google Patents

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Description

本開示は、ロケット発射設備及びロケット発射方法に関し、詳しくは、ロケット打ち上げ時に発生する音が搭載物を音響加振しないようにしたものである。
ロケット打ち上げ時に、燃焼ガス噴射口から燃焼ガスが噴射される。その噴射音が空気中を伝播し、その伝搬音がロケットに搭載された搭載物(ペイロード)を加振し、場合によっては搭載物を破損するなどの悪影響を及ぼすおそれがある。
従来の発射台は燃焼ガス噴射口と正対するように配置されている。そのため、噴射口で発生した音が発射台やその周囲の地面で搭載物に向かって反射し、搭載物に音響振動を発生させるおそれがある。
図9は、前記の状況を模式的に示している。図9において、ロケット10は、例えば頭部近くにペイロード搭載部18を有している。また、ロケット10は、ロケット本体12とロケット本体12に取り付けられたブースタ14とを備えている。ロケット10の下方の地面Gに発射台24が設けられている。
ロケット10は、ロケット本体12の後端又はブースタ14の後端に設けられた燃焼ガス噴射口16から燃焼ガスが噴射されて上昇する推力を得る。そのとき、燃焼ガス噴射口16から噴射音Sが発生し、該噴射音は面Pで反射し、反射音Srとなる。反射音Srによってペイロード搭載部18に音響振動が発生するおそれがある。
特許文献1には、ロケットの燃焼ガス噴射口と正対するように配置された発射台を備えたロケット発射設備が開示されている。
特許文献2には、ロケットの内部で搭載物とブースタとの間に音響振動絶縁装置を設けた構成が開示されている。この音響振動絶縁装置は、搭載物の周囲に外側ケーシング又はシュラウドを配置し、外側ケーシング又はシュラウドの内側空間を真空とし、空気を通した搭載物への振動の伝達を抑制するようにしている。
特開2000−247300号公報 特表2003−513858号公報
特許文献1に開示された発射台では、発射台がロケットの燃焼ガス噴射口と正対しているため、ロケット発射時、噴射口で発生した燃焼ガス噴射音の反射音がペイロード音響加振するおそれがある。
特許文献2では、ロケットに搭載された音響振動絶縁装置は、ロケットの自重を増し、このことは必然的に搭載物の許容重量を低減させるという問題がある。
かかる従来技術の課題に鑑み、本発明の少なくとも一実施形態は、ロケット打ち上げ時にロケットの自重を増すことなく、燃焼ガス噴射口で発生する噴射音の反射音が搭載物を音響加振するなどの悪影響を抑制することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るロケット発射設備は、
ロケットを垂直状態で設置する垂直支持部を有するロケット発射設備であって、
前記ロケット発射設備は、前記ロケットが垂直に支持されたとき、前記ロケットの後部に設けられた燃焼ガス噴射口と対面する面を有し、
前記面は、前記ロケットの軸中心から遠ざかるにつれて下方へ向かうように形成されている。
前記構成(1)によれば、前記面がロケットの軸中心から遠ざかるにつれて下方へ向かうように形成されているので、打ち上げ時燃焼ガス噴射口で発生した音は、前記面でロケットから離れる方向へ反射するので、搭載物への悪影響を抑制できる。
また、特許文献2に開示された手段と異なり、ロケットの自重を増すことなく、反射音による音響加振を抑制できる。
前記面はロケット発射設備が発射台を有する場合は該発射台に、発射台を有しない場合は打ち上げ場所の地面に形成できる。この場合、前記面の形成を低コスト化できる。
(2)幾つかの実施形態では、前記構成(1)において、
前記ロケット発射設備は発射台を有し、
前記面が前記発射台に形成されている。
前記構成(2)によれば、前記面が発射台に形成されているので、打ち上げ場所を別な場所に移動した場合でも、前記構成(1)について前述の作用効果を得ることができる。
(3)幾つかの実施形態では、前記構成(2)において、
前記発射台は前記燃焼ガス噴射口から噴射された燃焼ガスを逃すための開口を有し、
前記面は前記開口の周囲に形成されている。
前記構成(3)によれば、前記開口の周囲に前記面が形成されているので、前記面で反射する反射音をロケットから離れる方向へ反射でき、ロケットに搭載された搭載物に加わる音響振動を抑制できる。
(4)幾つかの実施形態では、前記構成(1)又は(2)において、
前記面は前記発射台周囲の地面に形成されている。
前記構成(4)によれば、前記面を発射台周囲の地面に形成することで、前記面を低コストで形成できる。また、前記面の角度や形状を変更するのも容易である。
(5)幾つかの実施形態では、前記構成(1)〜(4)の何れかにおいて、
H;前記面から前記燃焼ガス噴射口までの距離
θ;前記面の水平面に対する俯角
としたとき、
次式(a)を満たすLが前記ロケットの最大半径Rより大となるように前記俯角θを設定する。
L=H・tan2θ (a)
前記構成(5)を図1により説明する。
図1中、噴射音が発生する燃焼ガス噴射口(音源Sの位置)はロケット10の後端底面10a上にあると仮定し、例えば、図1では、音源Sの位置はロケット10の軸中心Oにあると仮定する。
ロケット10の燃焼ガス噴射口に対面する位置に面Pが形成されている。面Pは発射台又は地面によって形成される。面Pが水平面hに対してロケット10の軸中心Oから外側へ向けて俯角θが形成され、かつ音源Sから発生した噴射音Sは鉛直面Vに対して傾斜角αで伝搬するとき、面Pで反射した反射音Srが音源Sから水平方向へ離れる距離Lは、次の式(b)で求めることができる。なお、図1では、軸中心Oは鉛直面Vと重なって表示される。
L=H(tanα+tan(α+2θ)/(1−tanαtanθ) (b)
図1中、Sr(実線)は面Pで反射した反射音を示し、Sr(破線)は水平面hで反射した反射音を示している。
傾斜角α=0のとき距離Lは最小となる。このときに、「距離L>ロケット10の最大半径R」となるように俯角θを設定すればよい。
そこで、前記式(b)にα=0を代入すると、式(b)は式(a)となる。式(a)において、「距離L>ロケットの最大半径R」となるように、俯角θを設定すれば、搭載物に作用する反射音Srの影響を確実に抑制できる。
(6)幾つかの実施形態では、前記構成(5)において、
前記ロケット発射設備は発射台を有し、
前記距離Hは、前記ロケットが前記発射台に据え付けられた時の前記発射台から前記燃焼ガス噴射口までの距離である。
前記構成(6)によれば、ロケット上昇前の距離Hが最小のとき、即ち、反射音Srの影響が最も厳しいときに、搭載物に作用する反射音Srの影響を抑制できる。
(7)幾つかの実施形態では、前記構成(5)において、
前記ロケット発射設備は発射台を有し、
前記距離Hは、前記ロケットの上昇開始後、前記ロケットに加わる前記面からの反射音の音圧が最も大きくなる時の前記発射台から前記燃焼ガス噴射口までの距離である。
前記構成(7)によれば、ロケットの発射後、ロケットに加わる前記反射音Srの音圧が最も大きくなる時に、搭載物に作用する反射音Srの影響を抑制できる。また、この時の距離Hはロケット上昇前の距離Hより大であるので、俯角θの制約を緩和できる。
(8)幾つかの実施形態では、前記構成(5)又は(7)において、
前記距離Hが10m以上60m以下である。
ロケットの形状によって、燃焼ガス噴射口から発生する噴射音の指向性は異なる。しかし、通常、距離H=10m以上60m以下の範囲で、ロケットに加わる前記反射音Srの音圧が最も大きくなると予想される。そのため、H=10m以上60m以下の範囲で、「距離L>ロケットの最大半径R」となるように俯角θを設定することで、大部分のロケットでは、搭載物に作用する反射音Srの影響を抑制できる。
(9)幾つかの実施形態では、前記構成(5)〜(8)の何れかにおいて、
前記面は、
前記θが前記ロケットの軸中心から外側へ向けて徐々に減少する湾曲面であり、
かつ少なくとも平面視で前記燃焼ガス噴射口と重なる領域の前記θが前記式(1)を満たすように設定されている。
前記構成(9)によれば、搭載物に作用する反射音Srの影響を抑制しつつ、前記面の範囲を縮小できる。
(10)幾つかの実施形態では、前記構成(5)〜(9)の何れかにおいて、
前記ロケットは、ロケット本体と、前記ロケット本体に取り付けられるブースタと、を備え、
前記ロケットの最大半径Rは、前記ロケット本体及び前記ブースタを含めた前記ロケットの全体の外形のうち前記ロケット本体の軸中心から最も離れた位置と前記ロケット本体の軸中心との間の距離である。
前記構成(10)によれば、ロケットがブースタを備えている場合において、搭載物に作用する反射音Srの影響を抑制可能な俯角θの範囲を求めることができる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係るロケット発射方法は、
ロケットを垂直方向に向けた状態で発射するロケット発射方法であって、
発射位置にある前記ロケットの後部に設けられた燃焼ガス噴射口と対面する面は、前記ロケットの軸中心から遠ざかるにつれて下方へ向かうように形成され、
前記燃焼ガス噴射口で発生した噴射音を前記面で前記ロケットから離れる方向へ反射させる。
前記方法(11)によれば、前記噴射音を前記面で前記ロケットから離れる方向へ反射させることで、搭載物への悪影響を抑制できる。
また、特許文献2に開示された手段と異なり、ロケットの自重を増すことなく、反射音による音響加振を抑制できる。
(12)幾つかの実施形態では、前記方法(11)において、
前記面は前記ロケットの下方に設けられた発射台に形成されている。
前記方法(12)によれば、前記面が発射台に形成されているので、打ち上げ場所を別な場所に移動した場合でも、前記構成(1)によって得られる前述の作用効果を得ることができる。
(13)幾つかの実施形態では、前記方法(11)において、
前記面は前記ロケットの下方に位置する地面に形成されている。
前記方法(13)によれば、前記面をロケット下方に位置する地面に形成することで、前記面を低コストで形成できる。また、前記面の角度や形状を変更するのも容易である。
例えば、図1に示す面Pは、発射台で形成されてもよいし、あるいは地面で形成されてもよいし、あるいは発射台及び該発射台周囲の地面で形成されていてもよい。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、ロケット打ち上げ時にロケットの重量を増すことなく、燃焼ガス噴射口で発生する噴射音が大気中を伝播して搭載物に音響振動などの悪影響を及ぼすのを抑制できる。
本発明の要部を説明する説明図である。 本発明の一実施形態に係るロケット発射設備の構成図である。 (A)及び(B)は本発明の一実施形態に係る発射台の平面図及び斜視図であり、(C)及び(D)は発射台の別な実施形態に係る平面図及び斜視図であり、(E)及び(F)は発射台のさらに別な実施形態に係る平面図及び斜視図である。 本発明の一実施形態に係るロケット発射設備の構成図である。 異なる傾斜角αにおける反射音のロケット軸中心からの距離Lを示す線図である。 図5において、傾斜角α=0°のときの線図である。 代表的なロケットの必要な俯角θを示す線図である。 本発明の一実施形態に係るロケット発射設備の構成図である。 従来のロケット発射台を示す説明図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図2〜図8は本発明の幾つかの実施形態を示している。
図2、図4及び図8に夫々示すロケット発射設備20A、20B及び20Cは、打ち上げ時にロケット10を垂直状態に固定するための垂直支持部22を有している。また、ロケット10が垂直に支持されたとき、ロケット10の後部に設けられた燃焼ガス噴射口16と対面する位置に面Pが形成されている。
面Pは、ロケット10が垂直支持部22で垂直に支持されたとき、ロケット10の軸中心Oから遠ざかるにつれて下方へ向かうように形成されている。即ち、面Pは水平面hに対して俯角θを有している。
ロケット発射設備20A〜20Cは発射台24aを有している。そして、前記面Pは発射台24aの上面に形成されている。
発射台24aの上面に形成された面Pは、発射台24aの上方に垂直に固定されたロケット10の軸中心Oの真下に頂点があり、前述のように、水平面hに対して俯角θを有する円錐面を形成した例示的な構成を有している。
図3に示す幾つかの実施形態では、各発射台24b、24c及び24dは、燃焼ガス噴射口16から噴射された燃焼ガスを逃すための開口26を有し、開口26の周囲に水平面hに対して俯角θを有する面Pが形成されている。
例えば、図3(a)及び(b)に示す発射台24bは上部が四角錐台形状を有し、中央に四角形の開口26bを有している。開口26bは鉛直方向に形成され、開口26bの周囲には水平面hに対して俯角θをなす4つの面Pが形成されている。
図3(c)及び(d)に示す発射台24cは中央に四角形の開口26cを有している。開口26cは鉛直方向に形成され、その周囲には水平面hに対して俯角θをなす屋根形の2つの面Pが形成されている。
図3(e)及び(f)に示す発射台24dは中央に四角形の開口26dを有している。開口26dは鉛直方向に形成され、その周囲には水平面hに対して俯角θをなし、円錐形の外周面を形成する面Pが形成されている。
ロケット発射設備20B(図4)及びロケット発射設備20C(図8)は、発射台24の上面だけでなく、発射台24周囲の地面Gにも、水平面hに対して俯角θ2を有する面Pが形成されている。なお、発射台24の上面に形成された面Pの俯角θ1と、地面Gに形成された俯角θ2とは、必ずしも一致しなくてもよい。
図2、図4及び図8に示すロケット10は、例えば頭部近くにペイロード搭載部18を有している。また、例示的な構成として、ロケット10は、ロケット本体12とロケット本体12に取り付けられたブースタ14とを備えている。そして、ロケット本体12の後端又はブースタ14の後端に設けられた燃焼ガス噴射口16から燃焼ガスが噴射されて上昇する推力を得る。そのとき、燃焼ガス噴射口16から噴射音Sが発生し、該噴射音は面Pで反射し、反射音Srとなる。
以下、面Pを「反射面P」とも言う。また、後述する「ロケットの最大半径R」とは、ロケット本体12及びブースタ14を含めたロケット10全体の外形のうち、ロケット本体12の軸中心Oから最も離れた位置と、ロケット本体12の軸中心Oとの間の距離を言う。
以下、反射音Srをロケット10から遠ざけるために必要な反射面Pの俯角θについて詳述する。
図1に示す構成において、面Pが水平面hに対してロケット10の軸中心から外側へ向けて俯角θが形成され、かつ音源Sから発生した噴射音Sは鉛直面Vに対して傾斜角αで伝搬するとき、面Pで反射した反射音Srが音源Sから水平方向へ離れる距離Lは、前記式(b)で求めることができる。
式(b)を満たす距離L、面Pの俯角θ及び傾斜角αの関係をプロットしたのが図5である。
図5から、面Pで反射した反射音Srが音源Sから水平方向へ離れる距離Lは、傾斜角αが大きいほど大となり、かつ面Pの俯角θが大きいほど大となることがわかる。
図5から、距離Lを確保するために、鉛直下向きに噴射音が放射された場合(即ち、傾斜角α=0のとき)に、面Pの俯角θを最も大きくする必要があることがわかる。このときの距離Lは、前記式(b)にα=0°を代入し得られる前記式(a)から求めることができる。
図6は、傾斜角α=0°のときの反射面Pの俯角θと距離L(反射音Srがロケットの軸中心Oから遠ざかった距離)と反射面Pの俯角θとの関係を示している。
図6において、ロケット10の代表半径がRのとき、ペイロード搭載部18が反射音Srによって影響を受けない俯角θの閾値θthは、次の式(c)から求めることができる。
R=H・tan2θth (c)
即ち、俯角θをθ>θthとすることで、ペイロード搭載部18が反射音Srによって影響を受けなくなる。図6中、Zは反射音Srがロケットに到達しない範囲を示している。
図7は、既存のロケットの代表半径と、図5から求めた必要な反射面Pの俯角θを示している。既存のロケットの代表半径は範囲Xに属する。従って、既存のロケットは、反射面Pの俯角θをθ≧8°とすることで、反射音Srのロケット本体12への影響を抑制できることがわかる。
図8に示す実施形態に係るロケット発射設備20Cは、発射台24周囲の地面Gの反射面Pの俯角θ2がロケット10の軸中心Oから外側へ向けて徐々に減少する湾曲面を形成している。また、少なくとも平面視で燃焼ガス噴射口16と重なる領域の俯角θが前記式(a)を満たすように設定されている。
本発明の幾つかの実施形態によれば、ロケット発射設備20A(図2)、20B(図4)及び20C(図8)において、燃焼ガス噴射口16と対面する反射面Pがロケット10の軸中心Oから遠ざかるにつれて下方へ向かう俯角θを形成しているので、打ち上げ時燃焼ガス噴射口16で発生した音の反射音Srは、反射面Pでロケット本体12から離れる方向へ反射するので、ペイロード搭載部18への悪影響を抑制できる。
また、特許文献2に開示された手段と異なり、ロケットの自重を増すことなく、反射音による音響加振を抑制できる。
また、ロケット発射設備20A〜20Cは発射台24aを有し、発射台24aに反射面Pが形成されているので、打ち上げ場所を別な場所に移動した場合でも、前記作用効果を得ることができる。
図3に示す幾つかの実施形態によれば、発射台24b〜24dが燃焼ガス噴射口16から噴射された燃焼ガスを逃すための開口26b〜26dを有し、反射面Pはこれら開口の周囲に形成されているので、反射面Pで反射する反射音Srをロケットから離れる方向へ反射でき、ロケットに搭載された搭載物に加わる音響振動を抑制できる。
また、図4及び図8に示す幾つかの実施形態によれば、反射面Pは発射台24a周囲の地面Gに形成されているので、反射面Pを低コストで形成できる。また、反射面Pの角度や形状を変更するのも容易である。
幾つかの実施形態によれば、燃焼ガス噴射口16から噴射される噴射音の傾斜角αをα=0°とした前記式(a)から、距離Lがロケット10の最大半径Rより大となるように、反射面Pの俯角θを設定するので、噴射音の反射音Srの搭載物への影響を確実に抑制できる。
また、前記式(a)から、距離Lがロケット10の最大半径Rより大となるように、反射面Pの俯角θを求める場合の距離Hを、ロケット10がロケット発射設備に据え付けられた時の発射台24から燃焼ガス噴射口16までの距離とすることで、ロケット上昇前の距離Hが最小のとき、即ち、反射音Srの影響が最も厳しいときに、ペイロード搭載部18に作用する反射音Srの影響を抑制できる。
あるいは、前記の場合に、距離Hを、ロケット10の上昇開始後、ロケット10に加わる反射面Pからの反射音Srの音圧が最も大きくなる時の発射台24から燃焼ガス噴射口16までの距離とすることで、ロケットの発射後、ロケットに加わる反射音Srの音圧が最も大きくなる時に、ペイロード搭載部18に作用する反射音Srの影響を抑制できる。
また、この時の距離Hはロケット上昇前の距離Hより大であるので、俯角θの制約を緩和できる。
さらには、距離Hを10m以上60m以下のときに、反射音Srの音圧を回避可能なように、反射面Pの俯角θを設定する。大部分のロケットは距離Hが10m以上60m以下のときに、ペイロード搭載部18に作用する音圧が最も大となる。そのため、距離Hを10m以上60m以下のときに、反射音Srの音圧を回避可能なように、反射面Pの俯角θを設定することで、大部分のロケットにおいて、ペイロード搭載部18に作用する反射音Srの影響を抑制できる。
また、図8に示すロケット発射設備20Cのように、発射台24周囲の地面Gに形成された反射面Pをロケット10の軸中心Oから外側へ向けて徐々に減少する湾曲面とし、かつ少なくとも平面視で燃焼ガス噴射口16と重なる領域の反射面Pの俯角θが前記式(a)を満たすように設定することで、ペイロード搭載部18に作用する反射音Srの影響を抑制しつつ、地面Gに形成される反射面Pの範囲を縮小できる。
さらに、図2、図4及び図8に示すロケット10において、ロケット10がロケット本体12と、ロケット本体12に取り付けられるブースタ14とを備えている場合、最大半径Rを、ロケット本体12及びブースタ14を含めたロケットの全体の外形のうちロケット本体12の軸中心Oから最も離れた位置とロケット本体12の軸中心Oとの間の距離Rとすることで、搭載物に作用する反射音Srの影響を確実に抑制できる。
なお、前記幾つかの実施形態は、ロケット発射設備20A〜20Cがいずれも発射台24a〜24dを有している例であるが、本発明では、必ずしも発射台を必要とせず、地面Gのみに反射面Pを形成するようにしてもよい。この場合、反射面Pの形成を低コスト化できる。
また、発射台を有する場合でも、発射台周囲の地面Gにのみ反射面Pを形成するようにしてもよい。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、ロケット打ち上げ時にロケットの自重を増すことなく、燃焼ガス噴射口で発生する噴射音の反射音が搭載物を音響加振するなどの悪影響を抑制できる。
10 ロケット
10a 後端底面
12 ロケット本体
14 ブースタ
16 燃焼ガス噴射口
18 ペイロード搭載部
20A、20B、20C ロケット発射設備
22 垂直支持部
24a、24b、24c、24d 発射台
26b、26c、26d 開口
O 軸中心
P 反射面(面)
R、R
最大半径
S 噴射音

音源
Sr 反射音
V 鉛直面
h 水平面
θ、θ1、θ2 水平面に対する俯角

Claims (13)

  1. ロケットを垂直状態で設置する垂直支持部を有するロケット発射設備であって、
    前記ロケット発射設備は、前記ロケットが垂直に支持されたとき、前記ロケットの後部に設けられた燃焼ガス噴射口と対面する面を有し、
    前記面は、前記ロケットの軸中心から遠ざかるにつれて下方へ向かうように形成されており、
    前記ロケット発射設備は発射台を有し、
    前記発射台は前記燃焼ガス噴射口から噴射された燃焼ガスを逃すための開口を有し、
    前記面は前記開口の周囲に形成されている
    ことを特徴とするロケット発射設備。
  2. H;前記面から前記燃焼ガス噴射口までの距離
    θ;前記面の水平面に対する俯角
    としたとき、
    次式(a)を満たすLが前記ロケットの最大半径Rより大となるように前記俯角θを設定することを特徴とする請求項1に記載のロケット発射設備。
    L=H・tan2θ (a)
  3. ロケットを垂直状態で設置する垂直支持部を有するロケット発射設備であって、
    前記ロケット発射設備は、前記ロケットが垂直に支持されたとき、前記ロケットの後部に設けられた燃焼ガス噴射口と対面する面を有し、
    前記面は、前記ロケットの軸中心から遠ざかるにつれて下方へ向かうように形成されており、
    H;前記面から前記燃焼ガス噴射口までの距離
    θ;前記面の水平面に対する俯角
    としたとき、
    次式(a)を満たすLが前記ロケットの最大半径Rより大となるように前記俯角θを設定することを特徴とするロケット発射設備。
    L=H・tan2θ (a)
  4. 前記ロケット発射設備は発射台を有し、
    前記面が前記発射台に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のロケット発射設備。
  5. 前記発射台は前記燃焼ガス噴射口から噴射された燃焼ガスを逃すための開口を有し、
    前記面は前記開口の周囲に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のロケット発射設備。
  6. 前記面は前記発射台周囲の地面に形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のロケット発射設備。
  7. 前記ロケット発射設備は発射台を有し、
    前記距離Hは、前記ロケットが前記発射台に据え付けられた時の前記発射台から前記燃焼ガス噴射口までの距離であることを特徴とする請求項2乃至6の何れか一項に記載のロケット発射設備。
  8. 前記ロケット発射設備は発射台を有し、
    前記距離Hは、前記ロケットの上昇開始後、前記ロケットに加わる前記面からの反射音の音圧が最も大きくなる時の前記発射台から前記燃焼ガス噴射口までの距離であることを特徴とする請求項2乃至6の何れか一項に記載のロケット発射設備。
  9. 前記距離Hが10m以上60m以下であることを特徴とする請求項2乃至8の何れか一項に記載のロケット発射設備。
  10. 前記面は、
    前記θが前記ロケットの軸中心から外側へ向けて徐々に減少する湾曲面であり、
    かつ少なくとも平面視で前記燃焼ガス噴射口と重なる領域の前記θが前記式(a)を満たすように設定されていることを特徴とする請求項2乃至9の何れか1項に記載のロケット発射設備。
  11. 前記ロケットは、ロケット本体と、前記ロケット本体に取り付けられるブースタと、を備え、
    前記ロケットの最大半径Rは、前記ロケット本体及び前記ブースタを含めた前記ロケットの全体の外形のうち前記ロケット本体の軸中心から最も離れた位置と前記ロケット本体の軸中心との間の距離であることを特徴とする請求項2乃至10の何れか1項に記載のロケット発射設備。
  12. ロケットを垂直方向に向けた状態で発射するロケット発射方法であって、
    前記ロケットの発射台は前記ロケットの燃焼ガス噴射口から噴射された燃焼ガスを逃すための開口を有し、発射位置にある前記ロケットの後部に設けられた燃焼ガス噴射口と対面する前記発射台の前記開口の周囲の面は、前記ロケットの軸中心から遠ざかるにつれて下方へ向かうように形成され、
    前記燃焼ガス噴射口で発生した噴射音を前記面で前記ロケットから離れる方向へ反射させることを特徴とするロケット発射方法。
  13. ロケットを垂直方向に向けた状態で発射するロケット発射方法であって、
    発射位置にある前記ロケットの後部に設けられた燃焼ガス噴射口と対面する面は、前記ロケットの軸中心から遠ざかるにつれて下方へ向かうように形成され、
    前記燃焼ガス噴射口で発生した噴射音を前記面で前記ロケットから離れる方向へ反射させるとともに、
    H;前記面から前記燃焼ガス噴射口までの距離
    θ;前記面の水平面に対する俯角
    としたとき、
    次式(a)を満たすLが前記ロケットの最大半径Rより大となるように前記俯角θが設定された
    ことを特徴とするロケット発射方法。
    L=H・tan2θ (a)
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