JP2016155464A - ペイロード支持装置 - Google Patents

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Koichiro Ikeda
幸一郎 池田
佑樹 石井
Yuki Ishii
佑樹 石井
神谷 俊宏
Toshihiro Kamiya
俊宏 神谷
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【課題】重量の増加及び構造の複雑化を抑制しつつ、ペイロードへの衝撃の伝播を低減できるようにした、ペイロード支持装置を提供する。【解決手段】ペイロード打ち上げ用ロケットのロケット部に設置され、ペイロードを支持し、筒状体により構成される、ペイロード支持装置12において、振動特性を不連続にして伝播する振動A1を反射させる不連続化デバイス14を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ペイロード打ち上げ用ロケットのロケット部に設置され、ペイロードを支持持する、ペイロード支持装置に関する。
ペイロード打ち上げ用ロケットは、燃料部やロケットエンジンからなるロケット部の先端側に、人工衛星や探査機などのペイロードが搭載される。ペイロードはフェアリングと呼ばれる殻体内に配置される。ペイロードは、このフェアリングによって、打上げの際の音響や振動、及び大気中を飛行する際に生じる摩擦熱から保護される。
フェアリングは、ロケットが大気圏外に到達すると役目を終えてロケットから分離される。この分離は、フェアリングとロケットとの接続に使用されているノッチボルトを、火薬を爆発させてその衝撃により破断させることで行われる。
ペイロードは、PAF(Payload Attach Fitting)とPSS(Payload Support Structure)との二つの部品からなる支持装置を介してロケットに搭載されている。フェアリングの分離の際には、火薬の爆発により衝撃が生じるので、上記支持装置には、ペイロードへこの衝撃が伝わらないような衝撃低減機能が求められている。
例えば、特許文献1には、下部インターフェース(支持装置)に減衰装置を追加する技術が開示されている。
また、特許文献2には、外筒と内筒を有する二重構造の筒部材と、筒部材の一端で外筒と内筒に結合した第1の弾性部材と、筒部材の他端で外筒と内筒に結合した第2の弾性部材とを備え、筒部材の一端側の内筒側または外筒側でペイロードと連結し、筒部材の他端側の外筒側または内筒側でロケット部の先端と連結することで、ロケット機軸方向の振動やロッキング振動を抑制できるようにしたアダプタ(支持装置)が開示されている。
特表2006−508851号公報 特開2012−131410号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術では、下部インターフェース(支持装置)に減衰装置を追加する分だけ重量の増加を招き、ロケットの打ち上げ能力にとって負荷となってしまう。
また、特許文献2記載の技術では、ペイロードやロケット部との連結構造が複雑であり、構造の複雑化は製品の信頼性を損なうおそれがある。
本発明は、上記のような課題に鑑み創案されたもので、重量の増加及び構造の複雑化を抑制しつつ、ペイロードへの衝撃の伝播を低減できるようにした、ペイロード支持装置を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、ペイロード打ち上げ用ロケットのロケット部に設置され、ペイロードを支持し、筒状体により構成される、ペイロード支持装置において、振動特性を不連続にして伝播する振動を反射させる不連続化デバイスが備えられたことを特徴としている。
(2)前記不連続化デバイスが、前記振動の腹位置で前記筒状体の周面に取り付けられることが好ましい。
(3)前記不連続化デバイスが、前記周面の全周に亘って連続的に取り付けられることが好ましい。
(4)前記不連続化デバイスが、前記周面に対して摺動可能に取り付けられることが好ましい。
(5)上部を成す上部支持部と、下部を成す下部支持部とを備え、前記下部支持部は、下部支持部本体と、接続フレームとを有し、前記接続フレームは、前記上部支持部に接続される上側接続部と、前記下部支持部本体に接続される下側接続部とを有し、前記下側接続部に対する前記上側接続部の板厚比を1よりも大きな所定値以上に設定することで、前記接続フレームを不連続化デバイスとして機能させることが好ましい。
(6)上部を成す上部支持部と、下部を成す下部支持部と、前記上部支持部と前記下部支持部との接続、及び、前記下部支持部と前記ロケット部との接続の少なくとも一方において、前記接続が、前記振動の伝播方向に沿った複数の接続箇所でボルトを使用して行われ、前記伝播方向で上流側から2番目以降の前記接続箇所が、それぞれ、前記振動の腹位置に設定されることが好ましい。
(7)上部を成す上部支持部と、上縁に前記上部支持部が載置され、上方の開口した下部支持部と、前記下部支持部の前記開口の蓋をする隔壁と、前記隔壁に取り付けられた制振材とを備え、前記隔壁は中央に近づくほど厚みが薄くされることが好ましい。
本発明によれば、ペイロード支持装置に不連続化デバイスを備えることで、不連続化デバイスが取り付けられた箇所と、不連続化デバイスが取り付けられていない箇所とで振動特性を不連続にして、ロケット部からペイロードへ向かう振動の少なくとも一部を反射させることができる。
したがって、不連続化デバイスを取り付けるだけの簡素な構成により、重量の増加や構造の複雑化を抑制しつつ、ペイロードへの衝撃の伝播を低減できる。
本発明に係る打ち上げ用ロケットの先端部分を示す模式的な縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るリング状デバイスが取り付けられたPSSの構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るターゲット周波数の選択方法について説明するための模式図であって、横軸を振動の周波数とし、縦軸をペイロードへの衝撃の入力レベルとするグラフである。 本発明の第1実施形態に係るリング状デバイスの構成を示す模式図であって、図2のA−A断面図である。 本発明の第1実施形態に係るリング状デバイスの変形例の構成を示す模式図であって、図2のA−A断面図に相当する図である。 本発明の第2実施形態に係るリング状デバイスの構成を説明するための模式図であって、(a)はリング状デバイスが取り付けられた状態のPSSの縦断面図であり、(b)は(a)のB部を拡大して示す図である。 本発明の第3実施形態に係るPSSの上部フレームの構成及び機能を説明するための模式図であって、(a)は上部フレームの断面図であり、(b)は上部フレームにおける振動の伝播を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る上部フレームにおける板厚比σと振動低減量との関係を示す模式図である。 本発明の第4実施形態に係るPSSとロケット部との接続構造を示す模式図であり、(a)は要部断面図とそのC部拡大図を並べて示す図であり、(b)は(a)のD矢視図(但し、一部分のみ示す)である。 本発明の第5実施形態に係るバルクヘッドの構成を示す模式図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のE−E断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
なお、以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.第1実施形態]
[1−1.打ち上げ用ロケットの先端部分の構成]
本発明に係る打ち上げ用ロケット(以下、単にロケットともいう)100の先端部分の構成について図1を参照して説明する。
ロケット100は、本発明の第1実施形態としてのペイロード支持装置(以下、単に支持装置ともいう)1と、ペイロード2と、ロケット部3と、フェアリング4とを備えている。
ロケット部3は、燃料が搭載された燃料部と、ロケットエンジンなどからなる。ロケット部3は、その上端に支持装置1の下端が接続される。打ち上げ用ロケット100が例えば多段ロケットである場合、フェアリング4を閉じたまま一段ロケット部のロケットエンジンで一定の上空高さに到達した後、フェアリング4がロケット1から分離され、二段ロケット部(例えば図1のロケット部3)のロケットエンジンでさらに推進して軌道上に到達する。その後、ペイロード2が支持装置1から分離され、ペイロード2が軌道上を周回する。
支持装置1は、ペイロード2を支持するものであり、ペイロード2とロケット部3の間に配置される。
支持装置1は、全体的に円錐台の外形を有した筒状体であり、上下に二分割されたような構成となっている。二分割された二つの部材の内、上部がPAF(Payload Attach Fitting,上部支持部)11であり、下部がPSS(Payload Support Structure,下部支持部)12である。すなわち、支持装置1は、PSS12の上方にPAF11を組み付けて構成されている。
PAF11は、円錐台の外形を有して上下が解放された筒形状のものであり、その上縁にペイロード2が載置される。
PSS12は、円錐台の外形を有して上下が解放された筒形状のものであり、ロケット部3の上方に設置されるとともに、その上縁にPAF11が載置される。PAF11はペイロード2に応じて形状が規格化されており、PSS12は、PAF11とロケット部3との形状を適合させるためのアダプタである。
支持装置1は、また、PSS12の上部に載置されるバルクヘッド(隔壁)13を備えている。
背景技術で説明したように、フェアリング4の分離は、フェアリング4をロケット部3に固定しているノッチボルト(図示省略)を、火薬の爆発による衝撃Sによって破断することにより行われる。この衝撃Sによる振動(衝撃波)が、ロケット部3から、曲げ波(弾性波)として矢印A1〜A3で示すように支持装置1を伝播し(そこで、以下、振動A1〜A3とも表記する)、その一部の振動A2がペイロード2に伝播してしまう。
そこで、支持装置1には、ペイロード2への振動A2の伝播を低減させるための不連続化デバイスとしてリング状デバイス14(図1では省略、例えば図2参照)が備えられている。
[1−2.リング状デバイスの構成]
本発明の第1実施形態のペイロード支持装置1の要部であるリング状デバイス14について、図2〜図4を参照して説明する。
リング状デバイス14は、PSS12の外周面において、ターゲット周波数Ftの振動の腹位置(変位が最大となる位置)Amaxに配置されている。ターゲット周波数Ftとは、図3に示すように、ペイロード2への入力レベルが目標レベルLcを超える周波数であり、ペイロード2へ伝播する振動A2の内の低減対象となる周波数をいう。
ターゲット周波数Ftの腹位置Amaxは、固有値解析により求めた振動モード図に基づいて決定することができる。
或いは、PSS12を構成するパネル材の面密度m,PSS12を構成するパネル材の曲げ剛性D及び角周波数ωを使用して下式(1)よりターゲット周波数Ftの波長λを求めることで、腹位置Amaxを推定することもできる。つまり、PSS12の下端12aから2/4λ,4/4λ等の偶数次の位置が腹位置となる。
Figure 2016155464
リング状デバイス14の形状について説明すると、図2では簡略化して示しているが、リング状デバイス14は、図4に示すように、一様な逆T字状の横断面を有する。すなわち、リング状デバイス14は、PSS12に周面に面接触して取り付けられる略筒状の(つまりPSS1の周面の全周に亘って連続的に取り付けられる帯状の)基部14aと、基部14aの中央から外側に向かって立設されるリング状の立設部14bとを有する。リング状デバイス14は、基部14aが溶接(又はボルトとナットとの締結)によりPSS12の周面に固定される。
[1−3.作用・効果]
本発明の第1実施形態のペイロード支持装置によれば、PSS12の周面にリング状デバイス14を備えることで、リング状デバイス14が取り付けられた箇所(以下、デバイス取付箇所という)と、リング状デバイス14が取り付けられていない箇所とで特性インピーダンスを不連続にする。すなわち、PSS12において、デバイス取付箇所と、そうでない個所との間に顕著なインピーダンス不整合を生じさせる。これにより、ロケット部3からPSS12を経てペイロード2へと向かう振動A1(図1参照)の少なくとも一部を反射させることができる。
したがって、PSS12にリング状デバイス14を取り付けるだけの簡素な構成により、重量の増加や構造の複雑化を抑制しつつ、ペイロード2への衝撃の伝播を低減できるようになる。
また、リング状デバイス14が、ターゲット周波数Ftにおける振動A1の波長λの腹位置Amax、すなわち変位が最大となる位置に設置されるので、リング状デバイス14による振動の低減効果が最大限に発揮される。
なお、リング状デバイス14の重量を増加させることで振動の伝播を抑制する効果を高めることができるので、リング状デバイス14は、ロケットの打ち上げ能力に影響を生じさせない程度に重量を大きくしても良い。
[1−4.その他]
(1)リング状デバイス14の形状は図4に限定されず、リング状デバイス14に替えて図5に示すリング状デバイス(不連続化デバイス)14AをPSS12の周面に取り付けても良い。このリング状デバイス14Aは、図5に示すように、開口を下方に向けた一様なコ字状の横断面を有する。すなわち、リング状デバイス14Aは、PSS12の周面に固定される円筒状の基部14cと基部14cの上端から立設されるリング状の立設部14dと、立設部14dの上端から垂下するリング状の垂下部14eとを有する。
このリング状デバイス14Aは、図4に示すリング状デバイス14に較べて、形状的にPSS12の設置面基準における慣性モーメントが大きい。このため、重量が同じであれば図4に示すリング状デバイス14よりも振動の伝播を抑制する効果が高い。
リング状デバイスのこの他の形状として、例えば、図4に示すリング状デバイス14における基部14aのみの形状や、図5に示すリング状デバイス14Aにおける基部14c及び立設部14dのみからなる形状でも良い。
(2)上記実施形態では、PSS12にリング状デバイス14を1つ設けたが、PSS12上に振動A1の波長λの腹位置Amaxが複数箇所生じる場合には、リング状デバイス14をこの複数の腹位置Amaxの2つ以上に対して設けても良い。
PSS12上に複数のリング状デバイスを設ける場合には、同一形状のリング状デバイスに限定されず、異なる形状のリング状デバイスを設けても良い。例えば、リング状デバイス14とリング状デバイス14Aとを混在させても良い。
(3)上記実施形態では、リング状デバイス14をPSS12の外周面に設けたが、リング状デバイス14をPSS12の外周面に替えて内周面(又は外周面と共に内周面)に設けても良い。
(4)上記実施形態では、不連続化デバイスとして、PSS12の全周に亘って連続して設けられるリング状デバイス14を使用したが、短尺の不連続化デバイスを周方向に間隔を空けて複数設けるようにしても良い。
[2.第2実施形態]
[2−1.構造]
本発明の第2実施形態のペイロード支持装置は、第1実施形態のペイロード支持装置と、リング状デバイス(不連続化デバイス)の構成のみが異なるので、リング状デバイスについてのみ説明する。
本実施形態のリング状デバイスについて、図6(a),(b)を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
PSS12には、外周壁12bにリング状デバイス(不連続化デバイス)14Bが面接触により密着して取り付けられるとともに、内周壁12cにリング状デバイス(不連続化デバイス)14Cが面接触により密着して取り付けられている(図6(a)では便宜的にリング状デバイス14B,14Cを周壁12b,12cから離隔して示している)。
リング状デバイス14B,14Cは、それぞれ、第1実施形態のリング状デバイス14と同様にターゲット周波数Ftの振動の腹位置に配置される。
リング状デバイス14Bは円筒状のものである。リング状デバイス14Cは一様なL字状の横断面を有する。すなわち、リング状デバイス14Cは、円筒状の基部14fと、基部14fの上端からPSS12の内周側に立設するリング状の立設部14gとを備える。
リング状デバイス14B,14Cには、ボルト15のねじ部15aが挿通される貫通穴14h,14iが形成されている。同様に、PSS12にも、ねじ部15aが挿通される貫通穴12dを有している。
図6(b)では、ねじ部15aのねじ山及びねじ溝を省略して示しているが、これらの貫通穴12d,14h,14iは、ねじ部15aのねじ山の径よりも大きな径を有している。これにより、貫通穴14h,14iを画成するリング状デバイス14B,14Cの壁面とねじ部15aとの間にはそれぞれクリアランスが設けられている。
そして、ねじ部15aは2つのコイルばね17a,17bを挿通している。コイルばね17aは、ねじ部15aに螺合されたナット16と、リング状デバイス14Bとの間に圧縮状態で設置されている。コイルばね17bは、ボルトヘッド15bと、リング状デバイス14Cの基部14fとの間に圧縮状態で設置されている。
このような構成により、リング状デバイス14B,14Cは、圧縮状態のコイルばね17a,17bの付勢力によりPSS12に押し付けられているものの、ねじ部15aに対してはクリアランスを有しているので、ねじ部15aひいてはPSS12に対して相対移動できるように構成されている。なお、PSS12については、ねじ部15aを螺合させるようにしても良い。
この他の構成は上記第1実施形態と同様なので説明を省略する。
[2−2.作用・効果]
本発明の第2実施形態のペイロード支持装置によれば、第1実施形態のペイロード支持装置の効果に加えて、リング状デバイス14B,14Cが、PSS12に対して密着した状態で相対移動(すなわち摺動)できる。振動(衝撃波)A1を受けた時にリング状デバイス14B,14CがPSS12に対して摺動することでリング状デバイス14B,14CとPSS12との間に生じる摩擦力により振動を減衰できる。
なお、リング状デバイス14B,14CとPSS12との間の摩擦力は、コイルばね17a,17cのバネ定数に左右される。このため、振動を最も効果的に低減できる摩擦力が得られるようなバネ定数のバネが選択される。好ましいバネ定数は要素試験や解析により決定される。
[2−3.その他]
(1)上記実施形態では、外周壁12b及び内周壁12cにそれぞれリング状デバイス14B,14Cを設けたが、外周壁12b及び内周壁12cの一方にだけリング状デバイスを設ける構成でも良い。
(2)リング状デバイス14B,14Cの断面形状は図6に示す形状に限定されない。例えば、第1実施形態で使用された図4や図5に示す断面形状のものであっても良い。
(3)上記実施形態では、PSS12に対して摺動可能な不連続化デバイスとして、PSS12の全周に亘って連続して設けられたリング状デバイス14B,14Cを使用したが、PSS12に対して摺動可能な短尺の不連続化デバイスを周方向に間隔を空けて複数設けるようにしても良い。
[3.第3実施形態]
第1実施形態のペイロード支持装置1では、不連続化デバイスとしてリング状デバイス14を設けたが、本発明の第3実施形態のペイロード支持装置では、不連続化デバイスとしてリング状デバイス14に替えてPSS(下部支持部)12Aの上部フレーム(接続フレーム)12fを使用している。
その他の構成は、第1実施形態のペイロード支持装置1と同様であるので、以下、図7(a),(b)を参照してPSS12A及び上部フレーム12fについて説明する。なお、上記各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
[3−1.構造]
PSS12Aは、第1実施形態のPSS12(図1参照)に替えて使用され、PSS本体12eと、PSS本体12eの上部に固定された上部フレーム12fとを備えている。PSS本体12eは、円錐台の外形を有して上下が解放された筒形状のものであり、ロケット部3(図1参照)の上面に載置される。上部フレーム12fは、PSS本体12eとPAF11とを接続するとともに、PSS本体12eとPSS本体12eの上部開口の蓋をするバルクヘッド13とを接続する。
上部フレーム12fは、図7(a)に示す断面形状を一様に有するリング状の部材である。すなわち、上部フレーム12fは、上側接続部12faと、下側接続部12fdと、内側接続部12feとを有する。上側接続部12faは、円筒形状の基部12fb及び基部12fbの上縁から水平方向外側に突出するリング状の外側フランジ12fcを有する。下側接続部12fdは、基部12fbの下縁から外側下方に傾斜して突出するリング状の傾斜フランジである。内側接続部12feは、基部12fbの下縁から水平方向内側に突出するリング状の内側フランジである。
各接続部12fa,12fe,12fdは、PAF11,バルクヘッド13及びPSS本体12eとボルト15及びナット16により固定されている。
ここで、上側接続部12faの基部12fbの板厚h2は、下側接続部12fdの板厚h1よりも厚く(h2>h1)、板厚h1に対する板厚h2の板厚比σ(=h2/h1)を1よりも大きく設定されている(例えば6程度)。
また、内側接続部12feの厚さh3は、下側接続部12fdの厚さh1と等しい(h3=h1)。
[3−2.作用・効果]
本発明の第3実施形態のペイロード支持装置によれば、上部フレーム12fにおいて、PSS本体12e側の下側接続部12fdの板厚h1よりも、PAF11側の上側接続部12faの板厚h2を厚くすることで、構造を不連続として、インピーダンス不整合を生じさせる。これにより、図7(b)に示すように、振動A1(ペイロード2へ向かう振動)の少なくとも一部を矢印A4で示すようにロケット部3側に反射させることができる。
したがって、PSS12Aの上部フレーム12fの下側接続部12fdと上側接続部12faとの板厚比σを調節するといっただけの簡素な構成により、重量の増加や構造の複雑化を抑制しつつ、ペイロード2への衝撃の伝播を低減できる。
なお、板厚比σを大きくするほどペイロード2へ向かう振動の低減量を多くできるが、板厚比σを大きくすると重量が重くなる。このためロケットの機種ごとに、図8に示すような板厚比σと振動低減量との関係を試験や解析により求めておき、重量との兼ね合いから(ロケットの打ち上げ性能にとって過剰な負荷とならないように)目標低減量を達成するための板厚比を決定する。
また、上部フレーム12fにおいて、PSS本体12e側の下側接続部12fdの板厚h1と、バルクヘッド13側の内側接続部12feの板厚h3を等しくして、下側接続部12fdから内側接続部12feにかけての構造を連続的にしている。これにより、PSS12Aを伝播する振動A1は、矢印A3で示すような内側接続部12feへ向かう方向へ(すなわちバルクヘッド13へ向かって)伝播しやすくなる。したがって、この分、矢印A2で示すような上側接続部12faへ向かう方向へ(すなわちPAF11やペイロード2へ向かって)伝播する振動を低減できる。
[3−3.その他]
上記実施形態では、不連続化デバイスとしてリング状デバイスに替えて上部フレーム12fを使用したが、第1実施形態及び第2実施形態並びにその変形例において、リング状デバイス14,14A,14B,14Cと併せて上部フレーム12fを使用するようにしても良い。
[4.第4実施形態]
[4−1.構造]
本発明の第4実施形態のペイロード支持装置は、第1実施形態のペイロード支持装置に対して、PSS12とロケット部3との接続構造を、ロケット部3からの振動を低減するための構造とした点が異なる。
以下、この構造について図9(a),(b)を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
PSS12の下部には、その外周面12bを下方に延設するようにしてリング状のフランジ部12gが設けられている。また、ロケット部3には、フランジ部12gと同角度で延在しフランジ部12gの下面(内側)に重合されるリング状のフランジ部3aが設けられている。
これらのフランジ部12gとフランジ部3aとは、平面視におけるPSS12の径方向(違う言い方をすれば、フランジ部3aからPSS12へ向かう振動A1の伝播方向)に対して二段にボルト止めされている。すなわち、フランジ部12gとフランジ部3aとは、径方向外周側において一段目のボルト15Aとナット16Aとにより挟持され、径方向内周側において二段目のボルト15Bとナット16Bとにより挟持されている。
ボルト15A,15Bとナット16A,16Bとはフランジ部12g,3aの周方向に間隔を空けて配置されている。本実施形態では、一段目の各ボルト15Aの周方向位置と、二段目の各ボルト15Bの周方向の位置とが、半ピッチずれた千鳥配置となっているが、一段目の各ボルト15Aの周方向位置と、二段目の各ボルト15Bの周方向の位置とを一致させた配置でも良い。
従来は、フランジ部12gとフランジ部3aとのボルト止めは重量低減のためボルト15Aによる一段で行われていた。二段目のボルト15Bは、前記ターゲット周波数Ft(図3参照)の振動を低減するために追加されたものである。
図9のC部拡大図に、ボルト15Aによる一段だけでボルト止めした場合のターゲット周波数Ftの振動を二点鎖線で図示する。この振動は、フランジ部12gとフランジ部3aとの重合面のレベルを変位が0(零)として図示しており、上記重合面からの距離が変位量の大きさを示している。
ターゲット周波数Ftの振動は、通常ボルト15Aの位置で節となる(変位が0(零)となる)。言い方を変えれば、ボルト15Aの位置で節とならない振動であればボルト15Aによって振動が減衰されるので、その周波数がターゲット周波数Ftとなる可能性は低い。
そこで、上式(1)によりターゲット周波数Ftの振動の波長λを求め、ボルト15Aの中心線CL1の位置を節として、この中心線CL1から1/4λ,3/4λ等の奇数次の位置を腹位置として推定する。本実施形態では、中心線CL1から1/4λの位置が中心線CL2となるように2段目のボルト15Bを配置している。
[4−2.作用・効果]
本発明の第4実施形態のペイロード支持装置によれば、ボルト止めしなければ振動の腹位置となる箇所において二段目のボルト15B及びナット16Bによりフランジ部12gとフランジ部3aとを接続するようにしているので、このボルト15B及びナット16Bの存在によりこの接続箇所の剛性が高められて振動の変位が低減される。
[4−3.その他]
(1)上記実施形態では、ターゲット周波数Ftの振動の1/4λの位置の腹位置に二段目のボルト15Bを設置したが、3/4λ,5/4λ等の他の腹位置に二段目のボルト15Bを設置しても良い。
(2)上記実施形態では、ターゲット周波数Ftの腹位置に二段目のボルト15Bを設置したが、3/4λ,5/4λ等の腹位置に三段目,四段目のボルトを設置しても良い。
(3)上記実施形態では、PSS12とロケット部3との接続部において、ターゲット周波数Ftの振動の腹位置に二段目のボルト15Bを設置したが、PAF11とPSS12との接続部において、ターゲット周波数Ftの振動の腹位置に二段目のボルトを設置するようにしても良い。
(4)上記実施形態では、第1実施形態に対し、ターゲット周波数Ftの振動の腹位置に二段目のボルト15Bを設置する構成としたが、第2実施形態や第3実施形態に対して、ターゲット周波数Ftの振動の腹位置に二段目のボルト15Bを設置しても良い。
[5.第5実施形態]
[5−1.構造]
本発明の第5実施形態のペイロード支持装置は、第1実施形態のペイロード支持装置に対して、バルクヘッドの構成が異なる。すなわち、第1実施形態のペイロード支持装置に対して、バルクヘッド13に替えて後述のバルクヘッド(隔壁)13Aを使用した点で異なる。その他の構成は同じなのでバルクヘッド13Aの構成についてのみ図10(a),(b)を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
バルクヘッド13Aは、平面視で円形であり、凹面レンズのような形状をしている。つまり、円形中心(中央)CPに近づくほど厚みが薄くなるように、その上面13a及び下面13bはそれぞれ円形中心CP側に凹となる3次元的な曲面形状を有している。
ロケット部3からの振動は図1に矢印A3で示すようにバルクヘッド13にも伝播し、バルクヘッド13の振動が大きいと上方のペイロード2(特に下部)に影響が生じる。このため、バルクヘッド13Aの上面13aには、その外縁13cから所定距離離れた領域に円形の制振材17が設けられている。
[5−2.作用・効果]
本発明の第5実施形態のペイロード支持装置によれば、振動エネルギーは厚みの薄い方向に流れるので、振動エネルギーは中央部(円形中心CPの近傍)に集中するようになる。つまり、振動が、厚みが薄く振動のし易い中央部に集中するようになるので、この振動の集中する中央に制振材17を設置するだけで振動を効率的に低減することができる。例えば、バルクヘッド13の厚みを一定とした場合に同程度の制振効果を得ようとすると、図10(a)中に二点鎖線で示すような範囲に制振材17を設置しなければならず、制振材17の施工範囲を大幅に縮小できる。
[5−3.その他]
上記実施形態では、第1実施形態に対し、図10(a),(b)に示すバルクヘッド13Aを採用する態様を説明したが、第2〜第4実施形態のペイロード支持装置に対してバルクヘッド13Aを採用しても良い。
[6.その他]
(1)上記各実施形態及び各実施形態における変形例は、リング状デバイス14,14A,14B,14CをPSS12に取り付けた例を示したが、リング状デバイス14,14A,14B,14Cを、PSS12に替えて又はPSS12と併せてPAF11に取り付けるようにしても良い。
(2)上記各実施形態及び各実施形態における変形例では、リング状デバイス14,14A,14B,14Cを一様な横断面を有する形状としたが、周方向の位置によって横断面形状を異ならせても良い。
1 ペイロード支持装置
2 ペイロード
3 ロケット部
3a ロケット部のフランジ部
4 フェアリング
11 PAF(Payload Attach Fitting,上部支持部)
12,12A PSS(Payload Support Structure,下部支持部)
12e PSS12Aの本体(下部支持部本体)
12f PSS12Aの上部フレーム(接続フレーム)
12fa 上部フレーム12fの上側接続部
12fd 上部フレーム12fの下側接続部
12fe 上部フレーム12fの内側接続部
12g PSS12のフランジ部
13,13A バルクヘッド(隔壁)
14,14A,14B,14C リング状デバイス(不連続化デバイス)
15,15A,15B ボルト
17 制振材
100 打ち上げ用ロケット
A1〜A4 振動,振動の伝播方向
Amax ターゲット周波数Ftの振動の腹位置
CL1 ボルト15Aの中心線
CL2 ボルト15Bの中心線
Ft ターゲット周波数
h1 下側接続部12fdの板厚
h2 上側接続部12faの板厚
h3 内側接続部12feの板厚
σ 板厚h1に対する板厚h2の板厚比
λ 波長

Claims (7)

  1. ペイロード打ち上げ用ロケットのロケット部に設置され、ペイロードを支持し、筒状体により構成される、ペイロード支持装置において、
    振動特性を不連続にして伝播する振動を反射させる不連続化デバイスが備えらえた
    ことを特徴とするペイロード支持装置。
  2. 前記不連続化デバイスが、前記振動の腹位置で前記筒状体の周面に取り付けられた
    ことを特徴とする、請求項1記載のペイロード支持装置。
  3. 前記不連続化デバイスが、前記周面の全周に亘って連続的に取り付けられた
    ことを特徴とする、請求項2記載のペイロード支持装置。
  4. 前記不連続化デバイスが、前記周面に対して摺動可能に取り付けられた
    ことを特徴とする、請求項2又は3記載のペイロード支持装置。
  5. 上部を成す上部支持部と、
    下部を成す下部支持部とを備え、
    前記下部支持部は、下部支持部本体と、接続フレームとを有し、
    前記接続フレームは、前記上部支持部に接続される上側接続部と、前記下部支持部本体に接続される下側接続部とを有し、
    前記下側接続部に対する前記上側接続部の板厚比を1よりも大きな所定値以上に設定することで、前記接続フレームを不連続化デバイスとして機能させる
    ことを特徴とする、請求項1記載のペイロード支持装置。
  6. 上部を成す上部支持部と、
    下部を成す下部支持部と、
    前記上部支持部と前記下部支持部との接続、及び、前記下部支持部と前記ロケット部との接続の少なくとも一方において、前記接続が、前記振動の伝播方向に沿った複数の接続箇所でボルトを使用して行われ、前記伝播方向で上流側から2番目以降の前記接続箇所が、それぞれ、前記振動の腹位置に設定された
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項記載のペイロード支持装置。
  7. 上部を成す上部支持部と、
    上縁に前記上部支持部が載置され、上方の開口した下部支持部と、
    前記下部支持部の前記開口の蓋をする隔壁と、
    前記隔壁に取り付けられた制振材とを備え、
    前記隔壁は中央に近づくほど厚みが薄くされた
    ことを特徴とする、請求項1〜6記載の何れか一項記載のペイロード支持装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109229430A (zh) * 2018-08-29 2019-01-18 上海宇航系统工程研究所 一种机构式分离螺母及其组成的星箭连接解锁机构

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