JP6251282B2 - リソグラフィ装置、基板支持システム、デバイス製造方法及び制御プログラム - Google Patents

リソグラフィ装置、基板支持システム、デバイス製造方法及び制御プログラム Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
[0001] 本出願は、2012年11月27日に出願された米国仮出願第61/730,428号の利益を主張し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
[0002] 本発明は、リソグラフィ装置、基板支持システム、デバイス製造方法及び制御プログラムに関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナと、を含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0004] 投影システムの最終要素と基板との間の空間を充填するように、リソグラフィ投影装置内の基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に液浸することが提案されている。ある実施形態では、液体は蒸留水であるが、別の液体を使用することもできる。本発明の実施形態は、液体について説明されている。しかし別の流体、特にウェッティング流体、非圧縮性流体及び/又は屈折率が空気より高い、望ましくは屈折率が水より高い流体が適切なこともある。気体を除く流体が特に望ましい。そのポイントは、露光放射は液体中の方が波長が短いので、結像するフィーチャの小型化を可能にすることである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を大きくでき、焦点深さも大きくすることと見なすこともできる。)固体粒子(例えば石英)が懸濁している水、又はナノ粒子の懸濁(例えば最大10nmの最大寸法の粒子)がある液体などの、他の液浸液も提案されている。懸濁粒子は、これが懸濁している液体と同様の屈折率又は同じ屈折率を有しても、有していなくてもよい。適切になり得る他の液体は、芳香族などの炭化水素、フルオロハイドロカーボン、及び/又は水溶液である。
[0005] ほとんどの現在のリソグラフィ装置は、過度に大きな光学システムを必要とすることなく最大の露光可能フィールドサイズ及びスループットを得るため、いわゆるスキャンモードで動作する。スキャン露光においては、例えばマスクのパターンを投影システムの視野全体にわたってスキャンし、同時に、投影システムの画像フィールド全体にわたって同期して基板をスキャンする。例えばオーバーレイエラー及び合焦エラー等、この動的プロセス中の位置決めエラーは、許容可能な限度内に保持されなければならないが、この限度は、形成されるフィーチャサイズの縮小と共に厳しくなる傾向がある。また、基板のサイズの拡大によって、基板テーブル及び関連するコンポーネントの位置決めの問題がいっそう困難になっている。
[0006] 従って、オーバーレイエラー及び他の位置決めエラーを低減するため、リソグラフィ装置における物体の動的な位置決めを改善する技術を提供することが望ましい。
[0007] 本発明の一態様によれば、リソグラフィ装置が提供される。これは、柔軟力学を有する被駆動物体と、被駆動物体に作用するように構成されて、アクチュエータ自由度において過剰決定された(over-determined)複数のアクチュエータと、設定点に応じて複数のアクチュエータの各々についてコントローラ出力信号を生成するように構成された変換行列を備える制御システムと、を備え、変換行列は、コントローラ出力信号が少なくとも1つの自由度における被駆動物体の柔軟力学を励起しないように構成されている。
[0008] 本発明の一態様によれば、基板支持システムが提供される。これは、柔軟力学を有する基板テーブルと、基板テーブルに作用するように構成されて、アクチュエータ自由度において過剰決定された複数のアクチュエータと、設定点に応じて複数のアクチュエータの各々についてコントローラ出力信号を生成するように構成された変換行列を備える制御システムと、を備え、変換行列は、コントローラ出力信号が少なくとも1つの自由度における基板テーブルの柔軟力学を励起しないように構成されている。
[0009] 本発明の一態様によれば、リソグラフィ装置が提供される。これは、柔軟力学を有する被駆動物体と、被駆動物体に作用するように構成された複数のアクチュエータと、被駆動物体の位置又は変位を示すセンサ信号を提供するように各々が構成された複数のセンサであって、センサ自由度において過剰決定された複数のセンサと、少なくとも1つの自由度における被駆動物体の柔軟力学の効果を観察しないようにセンサ信号を変換するように構成された変換行列と、設定点及び変換されたセンサ信号に応じて複数のアクチュエータの各々についてコントローラ出力信号を生成するように構成された制御システムと、を備える。
[0010] 本発明の一態様によれば、リソグラフィ装置を用いたデバイス製造方法が提供される。これは、基板テーブル上に基板を支持するステップであって、基板テーブルが、柔軟力学及び基板テーブルに作用するように構成された複数のアクチュエータを有し、複数のアクチュエータがアクチュエータ自由度において過剰決定される、ステップと、基板テーブルを位置決めする一方で、基板上にパターニングされたビームを投影して、基板を各パターンに露光するステップと、を含み、基板テーブルの位置決めが、設定点に変換行列を適用して、複数のアクチュエータの各々についてコントローラ出力信号を生成することを含み、変換行列は、コントローラ出力信号が少なくとも1つの自由度における基板テーブルの柔軟力学を励起しないように構成されている。
[0011] 本発明の一態様によれば、リソグラフィ装置を用いたデバイス製造方法が提供される。これは、基板テーブル上に基板を支持するステップであって、基板テーブルが柔軟力学及び基板テーブルに作用するように構成された複数のアクチュエータを有する、ステップと、複数のセンサを用いて、基板及び基板テーブルの少なくとも一方の位置を示す各センサ信号を生成するステップと、を備え、複数のセンサがセンサ自由度において過剰決定されている。この方法は、基板テーブルを位置決めする一方で、基板上にパターニングされたビームを投影して、基板を各パターンに露光するステップと、センサ信号に変換行列を適用して、変換されたセンサ信号を生成するステップであって、変換行列は、変換されたセンサ信号が少なくとも1つの自由度における基板テーブルの柔軟力学を観察しないように構成される、ステップと、をさらに含む。
[0012] 本発明の一態様によれば、リソグラフィ装置のための制御プログラムが提供される。このリソグラフィ装置は、柔軟力学を有する基板テーブルと、基板テーブルに作用するように構成された複数のアクチュエータと、を有し、複数のアクチュエータはアクチュエータ自由度において過剰決定され、プログラムがコードを備え、コードがコンピュータシステムによって実行されるとコンピュータシステムに命令して、設定点に変換行列を適用して、複数のアクチュエータの各々についてコントローラ出力信号を生成し、変換行列は、コントローラ出力信号が少なくとも1つの自由度における基板テーブルの柔軟力学を励起しないように構成される。
[0013] 本発明の一態様によれば、リソグラフィ装置のための制御プログラムが提供される。このリソグラフィ装置は、柔軟力学を有する基板テーブルと、基板テーブルに作用するように構成された複数のアクチュエータと、基板テーブル及び基板テーブルによって支持された基板の少なくとも一方の位置を示す各センサ出力信号を生成するように構成された複数のセンサと、を有し、複数のセンサがセンサ自由度において過剰決定され、プログラムがコードを備え、コードがコンピュータシステムによって実行されるとコンピュータシステムに命令して、センサ信号に変換行列を適用して、変換されたセンサ信号を生成し、変換行列は、変換されたセンサ信号が少なくとも1つの自由度における基板テーブルの柔軟力学を観察しないように構成される。
[0014] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
[0015] 本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を示す。 [0016] リソグラフィ投影装置において用いられる液体供給システムを示す。 [0016] リソグラフィ投影装置において用いられる液体供給システムを示す。 [0017] リソグラフィ投影装置において用いられる別の液体供給システムを示す。 [0018] 本発明の一実施形態において液浸液供給システムとして用いることができるバリア部材を断面で示す。 [0019] 本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を示す。 [0020] 図6の装置の更に詳細な図である。 [0021] 図6及び図7の装置の放射源コレクタ装置の更に詳細な図である。 [0022] 本発明の一実施形態の機械及び測定システムの一部を概略的に示す。 [0023] 従来の6自由度補償機械システムにおけるTxトルクからx/y/z変位への伝達関数のボードゲイン線図である。 [0024] 図10の補償機械システムについて、モード当たりのコンプライアンス(円)及び合計コンプライアンス(実線)を示す。 [0025] 本発明を具現化する制御システムを用いない場合と用いた場合の機械システムにおけるTxトルクからx/y/z変位への伝達関数のボードゲイン線図である。 [0026] 本発明の一実施形態による制御システムを用いない場合と用いた場合の補償機械システムについて、モード当たりのコンプライアンス(円)及び合計コンプライアンス(実線)を示す。 [0027] 従来の制御システム設計及び本発明を具現化する制御システムの、x軸に対する応答を示す。 [0027] 従来の制御システム設計及び本発明を具現化する制御システムの、x軸に対する応答を示す。 [0027] 従来の制御システム設計及び本発明を具現化する制御システムの、x軸に対する応答を示す。 [0027] 従来の制御システム設計及び本発明を具現化する制御システムの、x軸に対する応答を示す。 [0027] 従来の制御システム設計及び本発明を具現化する制御システムの、x軸に対する応答を示す。 [0027] 従来の制御システム設計及び本発明を具現化する制御システムの、x軸に対する応答を示す。 [0028] 本発明の一実施形態によるショートストロークアクチュエータシステムを含む基板テーブルを示す。 [0029] 本発明の一実施形態による制御スキームを示す。 [0030] 従来の制御システム及び本発明の一実施形態による制御システムを用いた基板ホルダの内部変形を示す。
[0031] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、
[0032] ‐放射ビームB(例えばUV放射、DUV放射、又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
[0033] ‐パターニングデバイス(例えばマスク)Maを支持するように構築されると共に、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造又はパターニングデバイス支持体(例えばマスクテーブル)MTと、
[0034] ‐基板(例えばレジストでコーティングされたウェーハ)Wを保持するように構築されると共に、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
[0035] ‐パターニングデバイスMaによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイから成る)上に投影するように構成された投影システム(例えば屈折型投影レンズシステム)PSと、を備える。
[0036] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組合せなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0037] 支持構造MTはパターニングデバイスを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計及び、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否か等の他の条件に応じた方法でパターニングデバイスを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスを保持するために、機械式、真空式、静電式、又は他のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスが例えば投影システムに対して確実に所望の位置に来るようにしてもよい。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0038] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0039] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0040] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0041] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0042] リソグラフィ装置は、基板ステージ又は基板テーブルなどの2つ以上の基板支持構造、及び/又はパターニングデバイス用の2つ以上の支持構造を有するタイプのものであってもよい。複数の基板ステージを有する装置では、すべての基板ステージは同等のものでもよく、互換性がある。ある実施形態では、複数の基板ステージの少なくとも1つは特に露光ステップに適合しており、複数の基板ステージの少なくとも1つは特に測定又は予備工程に適合している。本発明のある実施形態では、複数の基板ステージの1つ以上が測定ステージに置き換えられる。測定ステージは、センサ検出器及び/又はセンサシステムのターゲットなどの1つ以上のセンサシステムの少なくとも一部を含むが、基板を支持しない。測定ステージは、基板ステージ又はパターニングデバイス用の支持構造の代わりに投影ビーム内で位置決め可能である。このような装置では、追加のステージを併用してもよく、又は1つ以上の別のステージを露光用に使用している間に1つ以上のステージで予備工程を実行してもよい。
[0043] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0044] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するように構成されたアジャスタAMを備えていてもよい。通常、少なくとも、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCO等の他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。放射源SOと同様、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一部を形成すると考えてもよいし、又は考えなくてもよい。例えば、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一体化部分であってもよく、又はリソグラフィ装置とは別の構成要素であってもよい。後者の場合、リソグラフィ装置は、イルミネータILをその上に搭載できるように構成することもできる。任意選択として、イルミネータILは着脱式であり、(例えば、リソグラフィ装置の製造業者又は別の供給業者によって)別に提供されてもよい。
[0045] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。基板Wは、本発明の一実施形態に従った、以下に更に記載する基板ホルダによって、基板テーブルWT上に保持されている。第2のポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は容量センサ)を利用して、基板テーブルWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めできるように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を利用して、例えばパターニングデバイスライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中に放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMa及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(これらはスクライブレーンアライメントマークとして知られている)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0046] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0047] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0048] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分Cの(スキャン方向における)高さが決まる。
[0049] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0050] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0051] 多くのリソグラフィ装置において、結像されるフィーチャを小型化すること及び/又は装置の有効NAを大きくすることを可能とするため、液体供給システムIHを用いて投影システムの最終要素の間に、流体、具体的には液体が供給される。本発明の一実施形態は、そのような液浸装置を参照して以下で更に説明するが、非液浸装置においても等しく具現化され得る。投影システムの最終要素と基板との間に液体を供給するための機構は、少なくとも2つの大まかなカテゴリに分類することができる。それらは、槽タイプの機構と、いわゆる局所液浸システムと、である。槽タイプの機構では、実質的に基板の全体、及び任意選択として基板テーブルの一部を、液体の槽内に浸漬する。局所液浸システムは、基板の局所領域にのみ液体が供給される液体供給システムを使用する。後者のカテゴリでは、液体によって充填される空間は、平面視で基板の上面よりも小さく、液体で充填される領域は、この領域の下を基板が移動する間、投影システムに対して実質的に静止したままである。本発明の一実施形態が対象とする別の機構は、液体が閉じ込められないオールウェットソリューションである。この機構では、実質的に基板の上面の全体、及び基板テーブルの全部又は一部が液浸液に覆われる。少なくとも基板を覆っている液体の深さは小さい。液体は、基板上の液体の薄膜のような膜であり得る。
[0052] 図2〜図5に、異なる4種類の局所液体供給システムを示す。図2〜図5の液体供給システムのいずれも、閉じ込められないシステムで用いることができる。しかしながら、液体を局所領域にのみ封止するための封止機構は存在しないか、活性化されないか、通常より効率が低いか、又は他の点で効果的でない。
[0053] 局所液浸システムのために提案される機構の1つは、液体供給システムが、投影システムの最終要素と基板との間の基板の局所領域のみに、液体閉じ込めシステムを用いて液体を提供するものである(一般に、基板は投影システムの最終要素よりも表面積が大きい)。これを構成するために提案された1つの方法が、PCT特許出願公開WO99/49504号に開示されている。図2及び図3に示すように、液体は、少なくとも1つの入口によって基板上に、望ましくは最終要素に対する基板の移動方向に沿って供給され、投影システムの下を通過した後に、少なくとも1つの出口によって除去される。すなわち、基板が要素の下で−X方向にスキャンされると、液体は要素の+X側で供給され、−X側で取り除かれる。
[0054] 図2に概略的に示す機構では、液体が入口を介して供給され、低圧源に接続された出口によって要素の他方側で取り除かれる。基板Wより上方の矢印は液体流の方向を示し、基板Wより下方の矢印は基板テーブルの移動方向を示す。図2の例示において、液体は、最終要素に対する基板の移動方向に沿って供給されるが、これは必須ではない。最終要素の周りに様々な向き及び数の入口及び出口を位置決めすることができ、その一例を図3に示す。この場合、最終要素の周りに規則的なパターンで、両側に出口を有する入口のセットが4つ設けられている。液体供給デバイス及び液体回収デバイスにおける矢印は、液体流の方向を示す。
[0055] 図4に、局所液体供給システムを用いた別の液浸リソグラフィソリューションを示す。液体は、投影システムPSの両側にある2つの溝状入口によって供給され、これらの入口の半径方向外側に配置された複数の個別の出口によって除去される。これらの入口及び出口は、中央に孔を有するプレートに配置することができ、この孔を通って投影ビームが投影される。液体は、投影システムPSの一方側の1つの溝状入口によって供給され、投影システムPSの他方側の複数の個別の出口によって除去され、これによって投影システムPSと基板Wとの間に液体の薄膜の流れを発生させる。入口と出口とのどの組み合わせを選択して用いるかは、基板Wの移動方向に依存し得る(入口と出口との他の組み合わせは機能しない)。図4の断面図において、矢印は、入口へ入って出口から出る液体流の方向を示す。
[0056] 提案されている別の機構は、液体供給システムにおいて、投影システムの最終要素と基板テーブルとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延出する液体閉じ込め部材を設ける。図5に、そのような機構を示す。液体閉じ込め部材は、XY平面において投影システムに対して実質的に静止しているが、Z方向(光軸の方向)にはある程度の相対的な動きがあり得る。液体閉じ込め部材と基板の表面との間に封止が形成される。一実施形態において、液体閉じ込め部材と基板の表面との間に封止が形成され、これは、気体封止等の非接触封止であり得る。そのようなシステムが、米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。
[0057] 流体ハンドリング構造12は、液体閉じ込め部材を含み、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11に少なくとも部分的に液体を封じ込める。投影システムの画像フィールドの周りに基板Wに対する非接触封止16を形成して、基板Wの表面と投影システムPSの最終要素との間の空間内に液体を閉じ込めることができる。この空間は、投影システムPSの最終要素の下に位置決めされてこれを取り囲む流体ハンドリング構造12によって少なくとも部分的に形成されている。液体は、液体入口13によって、投影システムPSの下であって流体ハンドリング構造12内にある空間へ供給される。液体は液体出口13によって除去され得る。流体ハンドリング構造12は、投影システムの最終要素よりわずかに上方まで延出し得る。液体の液面が最終要素より高いので、液体バッファが設けられるようになっている。一実施形態では、流体ハンドリング構造12の内周面は、上端部において投影システム又はその最終要素の形状にぴったり一致し、例えば丸みを帯びている場合がある。下部では、内周面は画像フィールドの形状にぴったり一致し、例えば矩形であるが、これは必須ではない。
[0058] 一実施形態において、液体は、使用中に流体ハンドリング構造12の下部と基板Wの表面との間に形成される気体封止16によって空間11内に閉じ込められる。気体封止は、例えば空気、合成空気、N、又は別の不活性ガスのような気体によって形成される。気体封止内の気体は、入口15を介して流体ハンドリング構造12と基板Wとの間の間隙に圧力下で供給される。気体は出口14を介して取り出される。気体入口15に対する過圧、出口14での真空レベル、及び間隙の幾何学的形状は、液体を閉じ込める高速気体流16が内側に存在するように構成される。流体ハンドリング構造12と基板Wとの間の液体にかかる気体の力が、液体を空間11内に封じ込める。入口/出口は、空間11を取り囲む環状の溝とすればよい。環状の溝は、連続的又は不連続的とすることができる。気体流16は、液体を空間11内に封じ込めるのに効果的である。そのようなシステムが、米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。
[0059] 図5の例は、いかなる時点でも液体が基板Wの上面の局所領域にのみ供給される局所領域構成である。単相抽出器又は二相抽出器を利用した流体ハンドリングシステムを含めて、例えば米国特許出願公開US2006−0038968号に開示されているような他の構成も可能である。
[0060] 多くの他のタイプの液体供給システムも可能である。本発明の実施形態は、いずれかの特定のタイプの液体供給システムに限定されず、液浸リソグラフィにも限定されない。本発明の実施形態は、いかなるリソグラフィにおいても等しく適用可能である。EUVリソグラフィ装置では、ビーム経路は実質的に排気され、上述の液浸機構は用いられない。
[0061] 図1に示す制御システム(大まかにコントローラと称する)500は、リソグラフィ装置の全体的な動作を制御し、特に、以下で更に説明する最適化プロセスを実行する。制御システム500は、中央処理装置並びに揮発性及び不揮発性の記憶装置を備える適切にプログラムされた汎用コンピュータとして具現化することができる。任意選択として、制御システムは、キーボード及びスクリーン等の1つ以上の入出力デバイスと、リソグラフィ装置の様々な部分に対する1つ以上のネットワーク接続及び/又は1つ以上のインタフェースと、を更に備えることができる。制御コンピュータとリソグラフィ装置との間の1対1の関係は必須ではないことは認められよう。本発明の一実施形態では、1つのコンピュータが多数のリソグラフィ装置を制御することができる。本発明の一実施形態では、多数のネットワーク化コンピュータを用いて1つのリソグラフィ装置を制御することができる。また、制御システム500は、リソグラフィ装置が一部を形成するリソセル又はクラスタにおいて、1つ以上の関連付けられたプロセスデバイス及び基板ハンドリングデバイスを制御するように構成することができる。また、制御システム500は、リソセル又はクラスタの監督制御システム及び/又は製造工場の全体的な制御システムに従属するように構成することも可能である。
[0062] 図6は、放射源コレクタ装置SOを含むEUVリソグラフィ装置4100を概略的に示す。この装置は、
−放射ビームB(例えばEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)EILと、
−パターニングデバイス(例えばマスク又はレチクル)Maを支持するように構築されると共に、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
−基板(例えばレジストでコーティングされたウェーハ)Wを保持するように構築されると共に、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
−パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイから成る)上に投影するように構成された投影システム(例えば反射型投影システム)PSと、を備える。
[0063] EUVリソグラフィ装置のこれらの基本的なコンポーネントは、図1のリソグラフィ装置の対応するコンポーネントと機能において同様である。以下の説明は主として相違点を対象とし、同一のコンポーネントの態様の重複する説明は省略する。
[0064] EUVリソグラフィ装置では、気体は多量の放射を吸収し過ぎる恐れがあるので、真空又は低圧環境を用いることが望ましい。従って、真空壁又は1つ以上の真空ポンプを利用することにより、ビーム経路全体に真空環境を提供することができる。
[0065] 図6を参照すると、EUVイルミネータEILは、放射源コレクタ装置SOから極端紫外線放射ビームを受ける。EUV放射を生成するための方法は、必ずしも限定ではないが、例えばキセノン、リチウム、又はスズ等の、EUV範囲に1つ以上の輝線を有する少なくとも1つの元素を有する材料をプラズマ状態に変換することを含む。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と称されることが多いそのような1つの方法においては、所望の輝線を発する元素を有する材料の液滴、流れ、又はクラスタ等の燃料にレーザビームを照射することで、プラズマを生成することができる。放射源コレクタ装置SOは、燃料を励起するレーザビームを提供するための図6には示さないレーザを含むEUV放射システムの一部とすることができる。その結果生じるプラズマは、例えばEUV放射のような出力放射を放出し、これは放射源コレクタ装置内に配置された放射コレクタを用いて収集される。例えばCOレーザを用いて燃料励起のためのレーザビームを供給する場合、レーザ及び/又は放射源コレクタ装置は別個の構成要素であり得る。
[0066] そのような場合、レーザはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダを備えたビームデリバリシステムを利用することで、レーザから放射源コレクタ装置へと渡される。他の場合、例えば放射源が、DPP放射源と呼ばれることが多い放電生成プラズマEUV発生器である場合、これは放射源コレクタ装置の一体的な部分とすることができる。
[0067] EUVイルミネータEILは、放射ビームEBの角度強度分布を調整するアジャスタを備えていてもよい。通常、少なくとも、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、EUVイルミネータEILは、ファセットフィールドミラーデバイス及びファセット瞳ミラーデバイスのような他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。EUVイルミネータEILを用いて放射ビームEBを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0068] 放射ビームEBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。パターニングデバイス(例えばマスク)MAで反射した後、放射ビームEBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサPS2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は容量センサ)とを利用して、基板テーブルWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームEBの経路に位置決めするように正確に移動することができる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサPS1とを利用して、放射ビームEBの経路に対してパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせしてもよい。
[0069] 図示する装置は、図1の装置と同じモードで用いることができる。
[0070] 図7は、放射源コレクタ装置SO、EUV照明システムEIL、及び投影システムPSを含むEUV装置4100を更に詳細に示す。放射源コレクタ装置SOは、この放射源コレクタ装置SOの閉鎖構造4220内に真空環境を維持することができるように構築及び配置されている。放電生成プラズマ源によって、EUV放射を発するプラズマ4210を形成することができる。EUV放射は、例えばXeガス、Li蒸気、又はSn蒸気のような気体又は蒸気において、プラズマ4210を生成し、電磁スペクトルのEUV範囲の放射を放出させることによって生成可能である。プラズマ4210は、例えば放電によって少なくとも部分的に電離したプラズマを生じることにより生成される。効率的な放射発生のために、例えば分圧が10PaのXe、Li、Snの蒸気又は他のいずれかの適切な気体もしくは蒸気が必要となる場合がある。一実施形態では、EUV放射を生成するため、励起したスズ(Sn)のプラズマを供給する。
[0071] プラズマ4210が発した放射は、放射源チャンバ4211からコレクタチャンバ4212内へ、放射源チャンバ4211の開口内又は開口の後ろに位置決めされた任意選択の気体バリア及び/又は汚染トラップ4230(場合によっては汚染バリア又はホイルトラップとも称される)を介して送出される。汚染トラップ4230は、チャネル構造を含むことができる。また、汚染トラップ4230は、気体バリア又は気体バリアとチャネル構造との組み合わせを含むことができる。本明細書で更に示す汚染トラップ又は汚染バリア4230は、少なくとも、当技術分野において既知のチャネル構造を含む。
[0072] コレクタチャンバ4212は、いわゆるかすめ入射コレクタとすることができる放射コレクタCOを含み得る。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側4251及び下流放射コレクタ側4252を有する。コレクタCOを横断した放射は、格子スペクトルフィルタ4240で反射させて、仮想放射源点IFに合焦させることができる。仮想放射源点IFは一般に中間焦点と称され、放射源コレクタ装置は、中間焦点IFが閉鎖構造4220の開口4221に又はその近傍に位置するように構成されている。仮想放射源点IFは、放射を発するプラズマ4210の像である。
[0073] この後、放射は照明システムILを横断する。照明システムILは、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム421の所望の角度分布を与えると共にパターニングデバイスMAにおいて所望の放射強度均一性を与えるように配置されたファセットフィールドミラーデバイス422及びファセット瞳ミラーデバイス424を含むことができる。支持構造MTによって保持されたパターニングデバイスMAで放射ビーム421が反射されると、パターニングされたビーム426が形成され、このパターニングされたビーム426は、投影システムPSにより、反射要素428、430を介して、基板ステージ又は基板テーブルWTにより保持された基板W上に結像される。
[0074] 一般に、照明光学ユニットIL及び投影システムPSには、図示するよりも多くの要素が存在し得る。格子スペクトルフィルタ4240は、リソグラフィ装置のタイプに応じて任意に存在し得る。更に、図示するよりも多くのミラーが存在する場合があり、例えば、投影システムPSには、図7に示すものに対して1つから6つの追加の反射要素が存在することがある。
[0075] 図7に示すようなコレクタ光学部品COは、コレクタ(又はコレクタミラー)の単なる一例として、かすめ入射リフレクタ4253、4254、及び4255を有する入れ子状のコレクタとして示されている。かすめ入射リフレクタ4253、4254、及び4255は、光軸Oを中心として軸方向に対称に配置され、このタイプのコレクタ光学部品COは、一実施形態では、DPP放射源と呼ばれることが多い放電生成プラズマ源と組み合わせて用いられる。
[0076] あるいは、放射源コレクタ装置SOは、図8に示すようにLPP放射システムの一部とすることも可能である。レーザLAは、キセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)等の燃料内にレーザエネルギを堆積するように配置され、これによって数十eVの電子温度を有する高度に電離したプラズマ4210を生成する。これらのイオンの下方遷移及び再結合の間に発生した高エネルギ放射が、プラズマから放出され、近垂直入射コレクタ光学部品COによって収集され、閉鎖構造4220の開口4221上に合焦される。
[0077] リソグラフィの分野においては、結像することができる最小フィーチャサイズを縮小するという目標が常に存在する。この目標を達成するために、オーバーレイ(すなわち、基板表面に平行なXY平面における露光の位置決めのエラー)及び合焦(すなわち、露光中の基板の垂直位置すなわちZ位置のエラー)に対する仕様が厳しくなる。スキャン露光モードでは、露光中に設定点プロファイルが用いられる。設定点は、ダイ又はターゲット部分を露光する際の基板のための所定の軌道を画定する。一実施形態では、設定点は、露光前測定又は特性化プロセス中に決定されるような基板表面プロファイルを考慮に入れている。これらの設定点を正確に追従するため、加速度フィードフォワード制御と組み合わせて高帯域フィードバック制御を用いることが知られている。
[0078] 一実施形態において、基板テーブルは複合体であり、センサ(スポットセンサ、エネルギセンサ、又は収差センサ等)、干渉変位測定システムのためのミラー及び/又はグリッドベースの変位測定システムのためのセンサ、アラインメントシステムのための基準、及び基板ホルダのためのショートストローク位置決めシステムを有する。基板テーブルの主要部分は、Zerodur(商標)等の低い熱伝導率を有する剛体(rigid)材料から作成され、堅い(stiff)。既知のリソグラフィ装置において、基板テーブルは、位置決めされる自由度の数と等しい数のアクチュエータを用いて、剛体(rigid body)として制御される。既知の基板テーブルは、6つすなわちX、Y、Z、Rx、Ry、及びRzの自由度で、6つのアクチュエータを用いて位置決めされる。
[0079] 本発明者等は、基板ホルダの剛体力学(rigid dynamics)のみを考慮した既知の制御システムでは、結像されるフィーチャサイズの更なる縮小及び/又は大きいサイズの基板の使用に対して要求される高い性能基準に対応できないと判断した。既知のシステムにおいて位置決め精度を向上させるには、被駆動物体の剛性(stiffness)を増大させることで、これを剛体と見なされ得るようにすることが考えられる。しかしながら、被駆動物体の剛性を増大させると追加の空間が必要となる可能性があり、及び/又は、被駆動物体の質量が増大する可能性があり、これらはいずれも望ましくない。
[0080] 本発明者らは、ますます厳しくなる位置決めの要求を満足させるため、リソグラフィ装置における基板テーブル及び他の位置決めされる物体の弾性体力学(flexible dynamics)も考慮に入れることを提案する。基板テーブル又は他の被駆動物体の弾性体力学は、それぞれ本明細書において「柔軟挙動(compliant behavior)」及び「共振挙動(resonant behavior)」と呼ぶ低周波数部分及び高周波数部分と見なすことができる。柔軟挙動は、0Hzから被駆動物体の第1の共振モードまでの間で共振挙動よりも支配的である。第1の共振モードは、基板テーブル又はホルダの場合、100Hzから1000Hzの間であり得る。本発明の一実施形態において、柔軟挙動は、0Hzの周波数から、例えば被駆動物体の第1の共振モードの周波数の半分である所定の周波数までの外乱(disturbance)に対する、被駆動物体の応答であると考えられる。一実施形態では、この所定の周波数は、50Hz、200Hz、250Hz、300Hz、又は500Hzである。
[0081] 本発明の一実施形態によれば、弾性体モードの柔軟挙動の励起を回避するため、又は測定位置における柔軟挙動の観察を回避するために、被駆動物体を位置決めするための制御システムにおいて追加のアクチュエータ及び/又は追加のセンサを設けることが提案される。
[0082] 追加のアクチュエータを設けることは、アクチュエータの数が、被駆動物体を位置決めする自由度の数よりも多くなることを意味する。この状況では、1つのアクチュエータは、いくつかの異なる物理アクチュエータから構成された論理アクチュエータであり得る。この場合、これらの物理アクチュエータは特定の比で活性化されて、物理アクチュエータのいずれか1つの作用線から変位した線に沿った又は変位した軸を中心とした正味の力を及ぼす。本発明の一実施形態において、論理アクチュエータの数は、被駆動物体を位置決めする自由度の数よりも多い。本発明の一実施形態では、単一の物理アクチュエータは2つ以上の論理アクチュエータの一部であるが、システム内の物理アクチュエータの合計数はシステム内の論理アクチュエータの合計数より少ない。この文書において、少なくとも1つの追加の論理アクチュエータ又は物理アクチュエータを設ける自由度を「過剰作動(over-actuated)」と呼ぶ。
[0083] 追加のセンサを設けることは、被駆動物体の位置を測定するセンサの数が、位置を測定する自由度の数よりも多いことを意味する。アクチュエータと同様に、センサは、2つ以上の物理センサの出力の組み合わせに基づいて測定値を供給する論理センサとすることができる。単一の物理センサは2つ以上の論理センサの一部とすることができるが、システム内の物理センサの合計数はシステム内の論理センサの合計数より少ない。センサは、位置又は変位値に対するセンサ出力を指示する制御回路を含むことができる。この文書において、少なくとも1つの追加のセンサを設ける自由度を「過剰検知(over-sensed)」と呼ぶ。
[0084] 図9に、本発明の一実施形態の位置決めシステムの一部を概略的に示す。図示するシステム90は、制御対象の設備(plant)と呼ぶことができ、図示しないフィードバックループ及び/又はフィードフォワード制御システムの一部を形成する。システム90は、例えばZ方向等の1自由度を表し、これに少なくとも1つの追加のアクチュエータが設けられる。図示するシステムに対する入力は、力設定点fである。利得スケジューラ91は、所定の基準フレームにおいて提供される力設定点fを、変換基準フレームにおける変換力値uに変換する。変換基準フレームは、露光されるか又は露光されているダイ又はターゲット部分の位置に基づいている。利得スケジューラは、本発明の一実施形態において省略することも可能である。
[0085] 利得バランサ92は、変換力値(又は、利得スケジューラが省略される場合は力設定点)に平衡行列(balancing matrix)を乗算して、変更力uを生成する。これは、オーバーレイエラー及び合焦エラーを低減するように、剛体モードを分離すると共に柔軟力学(compliant dynamics)を分離する。利得バランサは、各作動システムの利得を制御する。処理することができる剛体モードに対する余分な制約の数は、余分なアクチュエータの数(すなわちオーバー作動度)に概ね等しい。本発明の一実施形態においては、例えば第4の垂直(Z)アクチュエータのような1つの余分なアクチュエータを設け、制御力から1つの軸へのコンプライアンスクロストーク(compliance crosstalk)を、例えば被駆動物体の第1の共振周波数の約半分までの低周波数について最小限に抑えることができる。本発明の別の実施形態では、多数の余分なアクチュエータを設け、多数の軸へのクロストークを同時に最小限に抑える。
[0086] 変更力uは、物理システム93に適用される。物理システム93は、変更力値uに応じて被駆動物体に力を加えるアクチュエータと、被駆動物体の位置を表す出力yを供給するセンサと、を含む。測定システム94は、センサ出力yを、所定の基準フレームにおける位置値yに変換する。物理システム93及び測定システム94は、ローメカニクス(raw mechanics)と称することができる。
[0087] ここで一例として、本発明の一実施形態における、機械システムの入力すなわち利得バランサ92でのコンプライアンス分離について説明する。この例を用いて、X軸を中心とするトルク(Tx)について設定点によって(また、他の方向の力及びトルクによって)生じるX方向の変形をどのように最小化することができるかを実証する。図10は、コンプライアンス分離なしの、すなわち本発明によらない参照システムにおいて、6自由度補償機構におけるTxトルクから各X、Y、及びZ変位への伝達関数を示す。図10の横軸は周波数を表し、縦軸は相対的な大きさを表す。
[0088] 論理力及びトルクが「u」であり論理出力が「y」である伝達関数行列を、Nモード形状の加算として、式1のように書くことができる。この加算は、減衰しない可撓性基板テーブルを仮定する。これは、位置決めシステムがわずかに減衰するので、ほぼ真である。
[0089] 数i=1から6は6つの剛体モードを表し、i=7からNは弾性体モード又は非剛体(NRB:Non-Rigid Body)モードを表す。nx1列ベクトルv は、yの個々のエントリにおける、すなわちi番目のモードによる測定システム94の出力yにおける変位を表す。1xn行ベクトルv は、uの個々の論理入力における、すなわちi番目のモードによる利得バランサ91の入力における変位を表す。v 及びv は、それぞれ、測定システム及びアクチュエータシステムによって見られるような弾性体構造の固有ベクトルであることに留意すべきである。v 及びv の乗算により、nxn行列が得られる。式(1)において、kはモード剛性(modal stiffness)である。コンプライアンスは、剛性の逆数すなわちl/kである。uの入力とyの出力との間の合計コンプライアンスは、式1のynrbについて式にs=0を代入することで求めることができ、これによって式2が得られる。これは、「準静的」周波数範囲をカバーする(式2の添え字「qs」に留意)。これは0Hzで開始し、例えば図10に示すように約500Hzの周波数まで達し得る。
[0090] 合計コンプライアンスは、各モードのコンプライアンス寄与分の和である。これは図10において、Txトルク入力とX、Y、及びZ論理変位出力との間の単一入力単一出力伝達関数について示されている。
[0091] 図11は、(コンプライアンス分離なしの場合の)機械システム95のモード当たりのコンプライアンス(円)及び合計コンプライアンス(実線)を、Tx制御トルクから測定システム94からのX(細い線)、Y(中程度の線)、及びZ(太い線)変位について示す。図11の横軸はモード数であり、縦軸はnm/Nで表すコンプライアンスである。
[0092] 本発明の一実施形態においてどのように合計コンプライアンスを低減させ得るかを示すため、uにおける物理アクチュエータによる、i番目のモードに対応した、uの論理入力での変位を与える以下の式が必要である。
[0093] v 及びv u0は、それぞれ次元1xn及び1xnu0の行ベクトルであり、GBはnu0xn行列であることに留意するべきである。GBは、利得バランス92において具現化される利得平衡行列である。この式を式2のv に代入すると、以下が得られる。
[0094] uの論理入力からyの論理出力へのコンプライアンスクロストークは、以下の関係が成立する場合はゼロである。
[0095] 完全なコンプライアンス分離は、充分な程度のオーバー作動がある場合にのみ可能である。すでに剛体分離のために6つのアクチュエータが必要だからである。一般に、1つアクチュエータを追加すると、1つの論理出力が追加されるコンプライアンス分離が可能となる。ここで式5に選択行列Sを追加して、yの出力のどれにコンプライアンス分離が行われているかを表す。Sは「大きな行列(big matrix)」であり、恒等行列を取得して、コンプライアンス分離が行われない出力に対応する行をスキップすることによって作成可能である。
[0096] この制約は、剛体動作の分離に対する制約に加えて、利得バランサ92によって実施されて、ある動作自由度に関連したコンプライアンスクロストークを最小限に抑える。剛体分離を考慮して、本発明の一実施形態における利得バランサ92は、望ましい機械システムPと称される場合がある補償機械システムの対角化剛体挙動を実行するように設計されている。ローメカニクスP:=MS・Pを定義する。ここで、Pは、非ゼロ交差項の物理システム93の剛体モデルであり、MSは、測定システム94の出力である。ここで、剛体分離のための利得平衡行列は以下の式を満足する。
[0097] Pの1/s(剛体力学を表す)はPの1に対して相殺されるので、1/sはここでは存在しないことに留意すべきである。GSは、利得スケジューラ91において具現化される利得スケジューリング行列である。利得スケジューラ91は任意の要素であり、関連する式においてGSが恒等行列Iに設定される場合は省略される。ここで、式7及び式6を重ね合わせて、利得平衡行列について以下の明示的な式を与える。これは、6自由度の全てについての剛体分離と、Sにおいて選択した動作自由度についてのコンプライアンス分離とを同時に達成する。
[0098] 適切な数のアクチュエータにより、正確な行列反転が可能となる。nu0(アクチュエータの数)は、n(センサの数、通常は6)に、コンプライアンス分離される出力数(すなわちSにおける行の数)を加えたものと等しくなければならない。
[0099] ここで検討する具体的な事例において、図12は、Txトルク入力からX変位出力への伝達を、従来の利得バランサ(実線)及び本発明の一実施形態(点線)について示す。図12の横軸は周波数を表し、縦軸は相対的な大きさを表す。本発明の実施形態ではコンプライアンスの線が消えていることがわかる。また、この手法の有効性を図13に示す。本発明の実施形態では、個々のモードのコンプライアンス寄与分の和(太い線)はゼロである。図13の横軸はモード数であり、縦軸はnm/Nで表すコンプライアンスである。剛体モードのみが実施される場合、コンプライアンス寄与分の和(細い線)は非ゼロである。図14は、X方向が実際にはTxトルクについてだけでなく、6つの力及びトルク制御入力の全てについてコンプライアンス分離されることを示す。また、Y軸及びZ軸においてコンプライアンスを補償するため、2つの余分なアクチュエータが必要となる(より一般的には、「N個」の軸においてコンプライアンスを補償するため、剛体制御のためのアクチュエータに加えて「N個」の余分なアクチュエータが必要である)。
[00100] 図15に、本発明の一実施形態のアクチュエータレイアウトを示す。この実施形態では、基板テーブルのためのショートストローク駆動システムは、3方向の平行移動X、Y、及びZにおけるコンプライアンスを補償するために、9個の有効なアクチュエータ1501から1509を有する。水平面には、力Fx1、Fx2、Fy1、及びFy2を加える4つのみの(8つではなく)有効なアクチュエータ1501から1504があり、垂直面には、Fz1からFz5を加える5つの有効なアクチュエータ1505から1509があることに留意すべきである。X、Y、及びZのコンプライアンス分離のためには水平及び垂直方向のオーバー作動の組み合わせを用いるが、上述の第1の実施形態では、Xのコンプライアンス分離のため垂直方向のオーバー作動のみを用いる(同様に、Y又はZについてもこれを用い得る)。
[00101] コンプライアンス分離を行う本発明の一実施形態における利得バランサ設計を用いると、従来の利得バランサ設計に比べて、特定の弾性体モードが共振力学において励起される可能性がある。これは、図12の350Hz付近において明確に見ることができる。この起こり得る劣化の理由は、本発明の一実施形態では、これの発生を防ぐための明示的な対策が必ずしも存在するわけではないことである。しかしながら、基板設定点プロファイルの周波数成分は概ね200Hz未満である。一実施形態では、図16に示すように、コンプライアンス分離を実行する利得バランサは、ウェーハ設定点のフィードフォワード経路のみに限定されている。
[00102] 図16の実施形態において、主要なフィードバックループは、例えばPIDコントローラのようなコントローラ1601と、被駆動物体、アクチュエータ、及びセンサシステム及びコントローラを備える機械システム1606と、によって形成されている。機械システム1606のセンサ出力が、位置設定点rから減算されることで、コントローラ1601に対する入力を供給する。コントローラ1601の出力は、rにおけるx/y設定点に基づいて、加算器1602において、フィードフォワード力コマンドFFsetpと組み合わされる。組み合わされたフィードフォワード及びフィードバック力コマンドは、第1の利得バランサ1603に供給される。第1の利得バランサ1603は、この力を、利用可能なアクチュエータの全てに適用されるように分配することによって、剛体動作及び共振モードの双方を分離し、共振力学の励起を防ぐ。基板トポロジーFFsubに対応するためのフィードフォワード補正は、本発明の一実施形態を実行してコンプライアンス挙動を分離する第2の利得バランサ1604によって処理され、加算器1605によって第1の利得バランサ1603の出力と加算される。
[00103] 干渉測定システムを用いる本発明の一実施形態においては、式4から式8のベクトルv は、実際の位置pの関数として変動する。コンプライアンス分離を改善するためにv (p)のモデルを与えることが望ましい。エンコーダ測定システムを用いる本発明の一実施形態においては、同一の(数の)エンコーダが用いられる領域ではv が固定であり、そのようなモデルを省略することができる。
[00104] 本発明の一実施形態においては、測定システムは更に、露光の位置を考慮に入れるように構成されている。これは、POI(Point Of Interest)(対象点)と呼ばれ、例えば基板ステージのような被駆動物体の内部変形(ID)を考慮している。換言すると、この実施形態は、POIとPOC(Point Of Control)(制御点)との間の差を考慮に入れている。POCの位置は、図9においてyで表され、測定システム95におけるyのセンサ情報及び仮定(例えば剛体挙動)に基づいた、実際のPOIの位置の推定値である。そのような実施形態では、被駆動物体が「オーバー検知される」ように、追加のセンサを設ける。これについては以下で更に説明する。別の実施形態では、基板上の対象点へのコンプライアンス分離を実行する。そのような実施形態では、式4から式8のv をv poiによって置換する。この場合、添え字「poi」は、v に含まれる制御点において見られるような変位でなく、対象点において見られるような変位(固有ベクトル)を指す。
[00105] 本発明の一実施形態において、利得バランサは、コンプライアンス分離によって、対象点と制御点との間の差として定義される被駆動物体の内部変形(ID)を低減するように構成されている。この場合、式4から式8のv を差(v poi−v )によって置換しなければならない。この手法の有効性を図17に示す。これは、典型的な露光移動の一部において、時間Tの関数として内部変形IDを示している。図からわかるように、Rx−ウェーハ設定点によるx方向のIDは、従来の装置(点線)に比べ、本発明のこの実施形態(実線)では、20分の1に低減している。
[00106] 本発明の一実施形態においては、コンプライアンス分離を、機械システムに対する入力において行って、柔軟力学の励起を回避する。本発明の一実施形態では、これの代わりに又はこれに加えて、機械システムの出力において(利得バランサ92ではなく測定システム94の一部として)コンプライアンス分離を行う。出力でのコンプライアンス分離を可能とするため、オーバー作動の代わりに又はこれに加えて、追加のセンサを設けてシステムをオーバー検知する。このように、測定対象軸の剛体推定値を向上させることによって、フィードバックコントローラが、他の場合には測定対象軸に存在するコンプライアンス効果に反応しないようにする。開始点はこの場合も式2である。しかしながら、利得平衡行列を含む式3の代わりに、MS行列(測定システム94において具現化される)を含む以下の式を導入する。
[00107] ここで、v y0は、ny0物理センサにおける変位を有するny0x1列ベクトルであり、MSは次元nxny0を有し、nは論理軸の数(通常は6)である。式9を式2に代入すると、以下が得られる。
[00108] 完全なコンプライアンス結合(すなわちynrb,qsをゼロに等しくする)には、充分な程度のオーバー検知が必要である。すでに測定システムにおける剛体分離のために6つのセンサが必要だからである。従って、この場合も選択行列Sを追加するが、これはこの場合、yにおける測定システム出力のエントリでなく、uにおける制御入力のエントリに関連付けられている。
[00109] ここで、Sは「縦長の行列(tall matrix)」であり、恒等行列を取得して、コンプライアンス分離が行われない入力に対応する列をスキップすることによって作成可能である。測定システムが剛体分離を実行する必要性と共に、測定システムの以下の明示的な式が与えられる。これは、全ての動作自由度の剛体分離と、Sにおいて選択した入力のコンプライアンス分離とを同時に達成する(式8と比較)。
[00110] 適切な数のセンサにより、正確な行列反転が可能となる。ny0は、n(論理入力又はアクチュエータの数、通常は6)に、コンプライアンス分離される入力数(Sの列の数)を加えたものと等しい。
[00111] 上述の手順を適用すると、uにおける選択された入力に相当する、設備90を表すPにおける列は、柔軟力学を示さないように実施される(これに対して、出力におけるコンプライアンス分離では、Pにおける特定の行が、柔軟力学を有しないように実施される)。これは、積極的な(aggressive)基板設定点のように、特定の制御入力が柔軟力学を著しく励起する場合に有用であり得る。例えば、積極的なRx基板設定点でのTxトルクについて、図10に示すような同様の結果を、この実施形態の測定システムによって得ることができる。
[00112] 基板設定点による内部チャック変形が引き起こすオーバーレイエラー及び合焦エラーは、コンプライアンス分離を用いる本発明の一実施形態によって大幅に低減される。
[00113] 上述の特徴のいずれも他のいずれかの特徴と共に使用可能であり、本出願において包含されるのは明示的に記載した組み合わせのみではないことは認められよう。特に、本発明の実施形態を基板テーブルに関連付けて記載したが、本発明は、リソグラフィにおける他のいずれの被駆動物体にも適用可能であり、そのような被駆動物体には、パターニング手段のための支持構造(例えばマスクテーブル)、光学システムにおけるリフレクタ(例えばEUVリソグラフィ装置の投影システムにおけるミラー)、及びレチクルマスキングブレードが含まれる。本発明は、例えば少なくとも1つの方向に100mmを超える範囲を有する位置決めシステムのようなロングストローク位置決めシステム、及び/又は、例えば少なくとも1つの方向、望ましくは全ての方向に10mm未満の範囲を有する位置決めシステムのようなショートストローク位置決めシステムに適用可能である。
[00114] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には、マイクロスケール、更にはナノスケールのフィーチャを有するコンポーネントの製造における他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[00115] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[00116] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指す。
[00117] 以上、本発明の特定の実施形態を記載したが、少なくとも本明細書に記載の装置の動作方法の形態については、記載した以外の別の態様で本発明を実施してもよいことを理解されたい。例えば、少なくとも本明細書に記載の装置の動作方法の形態については、本発明の実施形態は、上記のような装置の動作方法を記載する機械読み取り式命令の1つ以上のシーケンスを含む1つ以上のコンピュータプログラム、又は、このようなコンピュータプログラムを内蔵するデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気、又は光ディスク)の形態をとることができる。さらに機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実現することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ以上の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
[00118] 1つ以上のコンピュータプログラムがリソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内にある1つ以上のコンピュータプロセッサによって読み出される時に、本明細書に記載するあらゆるコントローラは各々、又は組み合わせて動作可能になる。コントローラは各々、又は組み合わせて、信号を受信、処理、送信するのに適した任意の構成を有する。1つ以上のプロセッサは、コントローラの少なくとも1つと通信するように構成されている。例えば、各コントローラは、上記装置の動作方法のための機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプロセッサを含むことができる。コントローラは、そのようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はそのような媒体を収容するハードウェアを含むことができる。したがって、コントローラは、1つ以上のコンピュータプログラムの機械読み取り式命令に従って動作することができる。
[00119] 本発明の一実施形態は、幅(例えば直径)が300nm又は450nm又は他のいずれかのサイズである基板に適用することができる。
[00120] 本発明の1つ以上の実施形態は、いかなる液浸リソグラフィ装置にも適用可能であり、特に、限定ではないが、液浸液が槽の形態で提供されるか、基板の局所表面領域のみに提供されるか、又は基板及び/又は基板テーブル上に閉じ込められない、上述したタイプに適用することができる。閉じ込められない構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上に流れることができ、従って、基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面の実質的に全部が濡れる。このような閉じ込められない液浸システムでは、液体供給システムは液浸液を閉じ込めないか、又は部分的な液浸液閉じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の閉じ込めを完全なものにはしない。また、本発明は、非液浸リソグラフィ装置にも適用可能である。
[00121] 本明細書で想定するような液体供給システムは、広義に解釈されたい。特定の実施形態では、これは、投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に液体を提供するメカニズム又は構造の組み合わせとすることができる。これは、1つ以上の構造、1つ以上の液体入口、1つ以上の気体入口、1つ以上の気体出口、及び/又は液体を空間に提供する1つ以上の液体出口の組み合わせを備えることができる。一実施形態では、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの一部であるか、又は空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆っているか、又は空間が基板及び/又は基板テーブルを囲んでいる場合がある。液体供給システムは、任意選択で、液体の位置、量、品質、形状、流量、又は他のいずれかの特徴を制御する1つ以上の要素を更に含むことができる。
[00122] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、下記に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

Claims (14)

  1. 柔軟力学を有する被駆動物体と、
    前記被駆動物体に作用し、アクチュエータ自由度において過剰決定された複数のアクチュエータと、
    設定点に応じて前記複数のアクチュエータの各々についてコントローラ出力信号を生成する変換行列を備える制御システムと、を備え、
    前記柔軟力学は、前記被駆動物体の低周波数の非剛体挙動であって、既定の周波数より低い周波数を有し、
    前記変換行列は、少なくとも1つの自由度における前記被駆動物体の前記柔軟力学を前記コントローラ出力信号が励起しないように構成される、
    リソグラフィ装置。
  2. 前記複数のアクチュエータが2つ以上のアクチュエータ自由度において過剰決定され、前記変換行列は、過剰決定されるアクチュエータ自由度の数と等しい数の自由度における前記被駆動物体の前記柔軟力学を前記コントローラ出力信号が励起しないように構成される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記複数のアクチュエータが、前記被駆動物体を6自由度で位置決めする7つ以上のアクチュエータを備える、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 柔軟力学を有する被駆動物体と、
    前記被駆動物体に作用し、アクチュエータ自由度において過剰決定された複数のアクチュエータと、
    設定点に応じて前記複数のアクチュエータの各々についてコントローラ出力信号を生成する変換行列を備える制御システムと、を備え、
    前記被駆動物体が、全ての共振モードの中で最低周波数の共振モードである第1共振モードを有し、
    前記柔軟力学は、前記被駆動物体の低周波数の非剛体挙動であって、前記第1の共振モードの前記周波数の半分より低い周波数を有し、
    前記変換行列は、少なくとも1つの自由度における前記被駆動物体の前記柔軟力学を前記コントローラ出力信号が励起しないように構成される、
    リソグラフィ装置。
  5. 柔軟力学を有する被駆動物体と、
    前記被駆動物体に作用し、アクチュエータ自由度において過剰決定された複数のアクチュエータと、
    設定点に応じて前記複数のアクチュエータの各々についてコントローラ出力信号を生成する変換行列を備える制御システムと、を備え、
    前記柔軟力学は、前記被駆動物体の低周波数の非剛体挙動であり、
    前記変換行列は、少なくとも1つの自由度における前記被駆動物体の前記柔軟力学を前記コントローラ出力信号が励起しないように構成されるとともに、前記被駆動物体の対角化剛体挙動を実行するように構成される、
    リソグラフィ装置。
  6. 柔軟力学を有する被駆動物体と、
    前記被駆動物体に作用し、アクチュエータ自由度において過剰決定された複数のアクチュエータと、
    設定点に応じて前記複数のアクチュエータの各々についてコントローラ出力信号を生成する変換行列を備える制御システムと、を備え、
    前記柔軟力学は、前記被駆動物体の低周波数の非剛体挙動であり、
    前記変換行列は、少なくとも1つの自由度における前記被駆動物体の前記柔軟力学を前記コントローラ出力信号が励起しないように構成され、
    前記変換行列MSが、以下の条件
    を満たし、Sが、柔軟挙動が観察されない自由度を示す選択行列であり、v y0が、物理センサにおいて測定されたようなi番目のモードによる前記被駆動物体の変位を表し、v が、コントローラ出力において規定されるようなi番目のモードによる前記被駆動物体の変位を表す、
    リソグラフィ装置。
  7. 柔軟力学を有する被駆動物体と、
    前記被駆動物体に作用する複数のアクチュエータと、
    前記被駆動物体の位置又は変位を示すセンサ信号を各々が提供し、センサ自由度において過剰決定された複数のセンサと、
    少なくとも1つの自由度における前記被駆動物体の前記柔軟力学の効果を観察しないように前記センサ信号を変換する変換行列と、
    設定点及び前記変換されたセンサ信号に応じて前記複数のアクチュエータの各々についてコントローラ出力信号を生成する制御システムと、
    を備える、リソグラフィ装置。
  8. 前記複数のセンサが2つ以上のセンサ自由度において過剰決定され、前記変換行列は、過剰決定されたセンサ自由度の数と等しい数の自由度における前記被駆動物体の前記柔軟力学を前記変換されたセンサ信号が観察しないように構成される、請求項7に記載の装置。
  9. 前記複数のセンサが、前記被駆動物体の前記位置を6自由度で測定する7つ以上のセンサを備える、請求項7又は8に記載の装置。
  10. 前記被駆動物体が、全ての共振モードの中で最低周波数の共振モードである第1の共振モードを有し、
    前記変換行列は、前記第1の共振モードの前記周波数の半分より低い周波数を有する少なくとも1つの自由度における前記被駆動物体の前記柔軟力学を前記伝達されたセンサ信号が観察しないように構成される、請求項7〜9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 前記変換行列は、所定の周波数より低い周波数を有する少なくとも1つの自由度における前記被駆動物体の前記柔軟力学を前記伝達されたセンサ信号が観察しないように構成される、請求項7〜10のいずれか1項に記載の装置。
  12. リソグラフィ装置を用いたデバイス製造方法であって、
    基板テーブル上に基板を支持するステップであって、前記基板テーブルが、柔軟力学と前記基板テーブルに作用する複数のアクチュエータとを有し、前記複数のアクチュエータがアクチュエータ自由度において過剰決定される、ステップと、
    前記基板テーブルを位置決めする一方で、前記基板上にパターニングされたビームを投影して、前記基板を各パターンに露光するステップと、を含み、
    前記柔軟力学は、前記基板テーブルの低周波数の非剛体挙動であって、既定の周波数より低い周波数を有し
    前記基板テーブルを位置決めするステップが、設定点に変換行列を適用して、前記複数のアクチュエータの各々についてコントローラ出力信号を生成することを含み、前記変換行列は、少なくとも1つの自由度における前記基板テーブルの前記柔軟力学を前記コントローラ出力信号が励起しないように構成される、方法。
  13. リソグラフィ装置を用いたデバイス製造方法であって、
    基板テーブル上に基板を支持するステップであって、前記基板テーブルが、柔軟力学と前記基板テーブルに作用する複数のアクチュエータとを有する、ステップと、
    複数のセンサを用いて、前記基板及び前記基板テーブルの少なくとも一方の位置を示す各センサ信号を生成するステップと、を含み、
    前記複数のセンサがセンサ自由度において過剰決定され、
    前記方法が、
    前記基板テーブルを位置決めする一方で、前記基板上にパターニングされたビームを投影して、前記基板を各パターンに露光するステップと、
    前記センサ信号に変換行列を適用して、変換されたセンサ信号を生成するステップであって、前記変換行列は、少なくとも1つの自由度における前記基板テーブルの前記柔軟力学を前記変換されたセンサ信号が観察しないように構成される、ステップと、
    をさらに含む、方法。
  14. 柔軟力学を有する物体と、
    前記物体に作用し、アクチュエータ自由度において過剰決定された複数のアクチュエータと、
    設定点に応じて前記複数のアクチュエータの各々についてコントローラ出力信号を生成する変換行列を備えるコントローラと、を備え、
    前記柔軟力学は、前記物体の低周波数の非剛体挙動であって、既定の周波数より低い周波数を有し
    前記変換行列は、少なくとも1つの自由度における前記物体の前記柔軟力学を前記コントローラ出力信号が励起しないように構成される、
    リソグラフィ装置。
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