JP6250630B2 - 変形可能膜アセンブリの改良および同アセンブリに関する改良 - Google Patents

変形可能膜アセンブリの改良および同アセンブリに関する改良 Download PDF

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Description

本発明は、膜の一方の面へ直接に流体を適用することにより弾性膜の形状を制御するように流体圧が用いられる変形可能な膜アセンブリに関し、詳細には、流体が充填されたレンズまたは鏡に関し、そこにおいて弾性膜はレンズまたは鏡の表面を形成し、膜の曲率、すなわちレンズや鏡の度数、を調節するために流体の圧力が制御されるが、本発明は、静的または動的に可変な形状の弾性面が必要とされる他の装置や機器に等しく適用できる。
流体圧を用いて、流体と接触する弾性膜の形状を制御する類の流体充填レンズは当該技術において公知である。一般に、これらのレンズは、膜によって一方の側で閉じられた、実質的に固定(一定の)容積を有するエンベロープ内で、流体量が制御される「流体注入」型であるか、または膜によって一方の側が閉じられ、固定量の流体を収容するエンベロープの容積が調節される「流体圧縮」型である。それぞれの場合において、エンベロープ内の流体圧は、エンベロープに流体を加えるかもしくはエンベロープから除去するかして、または、エンベロープの容積を変化させて膜に作用する流体圧を制御するかして、膜の形状を制御するように調節される。
このような膜アセンブリでは、非作動状態で弾性膜が平坦であることが望ましい場合が多い。例えば流体充填レンズでは、非作動状態で、弾性膜によって形成されるレンズ面は何の集光力もない平面であることが望ましい。エンベロープ内の流体圧を選択的に高める(または下げる)とき、膜は膨張して、レンズの集光力を正負いずれかへ高める。レンズ用途に対して、膜は通常、球状または実質的に球状に膨張することを要求される。非作動状態において、弾性膜は、張力(予張力)を受けて保持されて、温度または重力効果による、または、レンズが移動する場合の流体内部の慣性効果の結果による、望ましくないたるみや皺を防ぐことが望ましい。いくつかの例では、たるみを防ぐよう膜内で必要とされる予張力は、作動時に膜に与えられる追加の張力と同じ程度の大きさであってもよい。しかし、他のアセンブリにおいては、膜の材料の厚さおよび係数に応じて、2、3倍大きくてもよい。
例えば、WO98/11458A1は、それぞれが第1、第2、および第3の相互係合リングから形成された周囲環状フレーム全体に張力がかけられて、それに保持される第1および第2の透明な可撓性膜を有する選択的に可変な焦点レンズを開示している。WO98/11458A1のレンズは円形であり、そのため、周囲環状フレームは、張力の下で膜を支持できるように堅固な作りになっている。
しかし、この種類のいくつかの膜アセンブリでは、膜は、レンズが作動し、膜が所定形態を取れるように形状を変化させる場合にその範囲周辺で曲がるよう成された可撓性リングまたは他の膜支持部材により支持される。例えば、US5371629Aは、制御された方法で曲がる環状リムを有する膜支持体に取り付けられる非円形膜を有する可変焦点距離レンズを開示している。非円形膜を用いているにもかかわらず、膜は膨張する際に実質的に球形を維持するので、望ましくない量のゆがみを導入することなく倍率を変えることができる。
US5371629Aのレンズ設計に固有な問題のひとつは、膜の張力が膜支持の可撓性リムに作用する点にある。レンズの作動時にリムにかかる増えた負荷は、それ自体重大な問題となるほど大きくはないが、たるみや皺を許容できる程度に防ぐに十分な大きさの、膜にかけられる予張力は、問題となるだろう。リムの可撓的な性質は、そのような予張力が、望まれず又制御されていない方法で環状リムを変形させる傾向にあることを意味する。そして、このことがレンズの光学的品質を損なわせることになろう。
すべて内容を引用して本願に組み込まれた同時係属中の国際特許出願PCT/GB2012/051426は、弾性的に曲げることができる支持リングにより縁部周りで保持される弾性膜を備えた変形可能な膜アセンブリを開示している。
本発明の目的は、膜のたるみや皺を減らすに十分な予張力の下で、しかし膜の形状におけるゆがみを減少させながら、曲がることができる膜支持部材上に取り付ける弾性膜を有する変形可能な膜アセンブリを提供して、上記課題を克服することである。
したがって、本発明の一態様において、曲げることのできる膜支持部材によって、縁部の周囲で保持される弾性膜と、前記膜の一面と接触する流体であって、前記流体の圧力が前記膜の形状を調節するために制御可能な流体と、前記膜の張力による負荷に応じて前記支持部材の曲がりを制御するよう前記支持部材上に作用する1以上の曲がり制御部材とを備える、変形可能膜アセンブリが提供される。
流体の圧力は、非作動状態と完全な作動状態との間で、膜の形状を選択的に調節するために制御可能であってもよい。流体は、流体密エンベロープ(包被体)内に収容されてもよく、そのエンベロープの一方の壁は弾性膜により形成される。流体は、気体を含め、適切などのような流体であってもよい。例えば、流体は水または空気であってもよい。流体の選択は、ある程度、変形可能膜アセンブリの意図する用途によって決まる。実施の形態によってはゲルを適切に用いてもよい。膜アセンブリが可変焦点透過レンズアセンブリである光学的使用においては、アセンブリの他の構成要素と屈折率が一致するシリコーンオイルなど(可視スペクトルに関係)の透明オイルが、対象波長で特に有利であることが見出された。適切には、前記流体は、例えば、分子量546.88である1,3,5−トリメチル−1,1,3,5,5−ペンタフェニルトリシロキサン(米国ミシガン州ミッドランドのDow Corningが商品名DC−705で入手可能)や、分子量484.81である1,3,3,5−テトラメチル−1,1,5,5−テトラフェニルトリシロキサン(Dow Corningが商品名DC−704で入手可能)等のシリコーンオイルを含んでいてもよい。
適切には、アセンブリが、流体の圧力を選択的に調節する手段、例えば流体圧調節機構を備えていてもよい。
実施の形態によっては、エンベロープの容積は調節可能であってよく、アセンブリは、エンベロープの容積を選択的に調節してエンベロープ内の流体の圧力を制御する手段、例えばエンベロープ容積調節機構を備えていてもよい。例えば、エンベロープは、圧縮性であり、アセンブリの固定支持形成部に取り付けられてもよい。また、前記容積調節手段は例えばベローズ方式であって、固定支持に抗してエンベロープを圧縮または膨張し、それによって固定(一定)量の流体によりエンベロープの容積を変化させる(「膨張モード」または「圧縮モード」)ように動作可能であってもよい。固定支持は、エンベロープ上の第1の位置においてエンベロープを保持するよう配置されてもよい。また、容積調節手段は、エンベロープ上の第2の位置においてエンベロープに圧縮力または膨張力を与えるように配置してもよい。第1および第2の位置は、圧縮または膨張方向で離間しており、エンベロープは、第1と第2の位置の間に可撓性側壁を有して、エンベロープが圧縮されまたは膨張することを可能にする。
実施の形態によっては、エンベロープは、第1の位置において固定支持によってその周辺の周りで保持されてもよく、又は固定支持は、エンベロープが取り付けられる剛体を備えていてもよい。例えば、エンベロープは膜と反対側の別の壁部をさらに備えていてもよく、前記他の壁部は、剛体に抗して隣接して配設されてもよい。さらに別の実施の形態においては、エンベロープの前記他の反対側の壁部は剛性であってもよく、固定支持として機能してもよい。適宜に、他の壁部は透明であってもよく、レンズ面を備えてもよい。
本発明の実施の形態による流体充填圧縮可能または膨張可能なエンベロープはしかるべく、弾性的に圧縮可能または膨張可能であってもよい。圧縮(または膨張)時、エンベロープ内の圧力は、大気圧と比べて調節され、アセンブリの作動時にエンベロープを圧縮(または膨張)するよう作用する力を除去すると、エンベロープは、その非作動状態へ弾性的に戻って、膜にかかる圧力を釣り合わせる。このように、流体充填エンベロープが流体充填クッションのように動作してもよい。
代替として、エンベロープの容積は、(実際の容積にわずかな増加または減少を生じる膜の膨張以外に)実質的に一定のままであってよく、流体圧は、例えば、選択的に動作可能なポンプ(「注入モード」)を用いて、エンベロープから流体を選択的に注入または除去する(抜き出す)ことによって制御されてもよい。
流体の圧力を調節することにより膜が膨張して、より湾曲する。通常、必ずということではないが、膜は、膜にかかる圧力差が最小である場合、即ち、流体が大気圧である場合、非作動状態で平坦または実質的に平坦であってもよい。また、流体圧がアセンブリの作動時に増加または減少するにつれて、徐々により大きく膨張する。作動時、膜は、通常、平面基準形態から膨張した凸状または凹状形態に形状を変化させる。したがって、作動時に、その初期形状にかかわらず、膜は張られ、膜のひずみが増す。実施の形態によっては、いくつかの用途に対し、作動時のひずみは、半球体に相当する約57%に達するが、より一般的には、作動時のひずみは0.05%から10%、15%、20%、または25%の範囲であってもよい。例えば、アセンブリがレンズを備える実施の形態によっては、膜のひずみは、作動時に約1%まで増加する。適宜、作動時のひずみは、約0.1〜5%の範囲、例えば、約2%であってもよい。
膜は円形でも非円形でもよく、当業者にとって公知な、いずれか適切な弾性材料から作成されてもよい。適宜、膜の弾性率は最大で約100MPaであるのがよい。1〜10または1〜20MPaの範囲の弾性率を有する膜が満足できることが見出された。例えば、一の実施の形態では約5MPaの弾性率を備える膜を用いてもよい。適切な膜の材料は、ポリエチレンテレフタレート(例えばMylar(登録商標))、ポリエステル、シリコーンエラストマ(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン)、熱可塑性ポリウレタン(例えば、Tuftane(登録商標))、塩化ビニリデン重合体(例えば、Saran(登録商標))、または適切な厚さのガラスを含んでいる。実施の形態によっては、膜は単一材料層を備えてもよいが、他の実施の形態において、膜は重ねられた複数の層を備えてもよい。
膜支持部材は、膜をその縁部の周囲で保持する。適宜、支持部材は、膜を取り囲んでもよい。圧縮モードまたは膨張モードで動作するアセンブリの場合、支持部材は、上記のように、エンベロープ上の第2の位置において流体充填エンベロープを保持してもよい。支持部材は、膜を取り巻いて円周方向に離間する複数の個別部分を備えていてもよいが、支持部材は、閉ループで膜を連続して取り巻いて延在するのが好ましい。適宜、膜支持部材は、膜の縁部を保持する支持リングを備えていてもよい。支持部材は、以下で説明する方法で自在に移動する別体の部品であってもよい。「リング」が意味するものは、膜の縁部と同一の形状を有する閉ループであり、ここで用いるような用語「リング」は、必ずしも支持部材が円形であることを暗に意味するものではない。リングは、全体に膜が配設される開口部を画成する(定める)内側と、拘束されていない外側とを有してもよいが、アセンブリを作動するためにリングが作用する箇所を除く。支持部材は、非作動状態で、特に膜も非作動時で平坦である時、平面であってもよい。
一般に、作動時、膜は所定形態を取ることが望まれる。膜の形状は、膜支持部材に取り付けられる場合の膜の縁部の形状および構成に影響される。したがって、以下でより詳細に説明するように、支持部材は、その範囲周辺で曲げることができ、膜の縁部の外郭形状(プロファイル)を作動時に膨張するにつれて変化させることができる。実施の形態によっては、支持部材の構成は、アセンブリが、膜の所望の所定形態に一致する所定の外郭形状を取るように作動する際に、能動的に調節されてもよい。代替として、支持部材の構成は、例えば、膜の増加する表面の張力または支持部材の固有張力特性に応じて、受動的に調節されてもよい。他の実施の形態においては、能動および受動制御の組み合わせを用いてもよく、それによって、支持部材周囲の1以上の制御点における支持部材の位置は、能動的に制御され、支持部材は、制御点の間で受動的に曲がることが可能となる。支持部材の形状がどのように制御されるかにかかわらず、作動時の支持部材の形状は、膜の所定の作動形態と一致する所定の外郭形状を有するのがよい。
所定の外郭形状を達成するために、支持部材は、膜の膨張方向に略平行な一次曲げ軸上でしかるべく曲がる(撓む)。ここで「曲げ軸」によって意味するものは、支持部材が曲がる場合に撓む方向である。膜が非作動状態またはいずれかの作動状態において平面である場合、一次曲げ軸は、膜の平面に実質的に垂直であってもよい。かかる平面状態において、例えば非作動時に、膜の平面は平面基準として機能し、一次曲げ軸は、この基準に垂直または実質的に垂直であってもよい。実施の形態によっては、アセンブリは、膜が決して平面にならないように構成されてもよい。しかし、かかる実施の形態において、膜は、その移動が非作動状態または完全な作動状態を超えて継続することを許容されたものである場合に、依然として理論上の平面を有してもよい。かかる実施の形態においては、理論上の平面状態は、支持部材の撓みの程度を測定する目的で同様に基準平面として機能してもよい。
光学的用途に対して、膜の所定形態は通常、光学軸を画成し、かかる場合において、一次曲げ軸は一般に、光学軸に実質的に平行である。支持部材は、支持部材の全体範囲周辺で一次曲げ軸上で適宜曲げることができてもよく、以下で説明するような選択した制御点を除き、拘束されていなくてもよい。支持部材は、その移動が制御点で制御されている箇所を除き、支持部材周りの空き空間内で自在に動くようになっていてもよい。
膜は、膜支持部材上で予め張力がかけられているのが好ましい。複数の層を備える積層膜の場合、少なくともひとつの層が非作動状態において予張力の下でしかるべく保持されるのが望ましい。膜は、非作動状態において張力の下で支持部材によって保持されてもよく、それによって予張力は、膜を横切る圧力差が最小である場合に、膜のたるみを減らす、または最小にするように働く。実施の形態によっては、膜は、非作動状態において約20%のひずみまで予め張力がかけられてもよい。0.5〜10%または1〜5%の間、例えば、2または3%の予ひずみが、実施の形態によっては適切である。
実施の形態によっては、支持部材は、弾性的に曲げることができてもよい。膜支持部材の剛性は、その範囲周辺で一定または実質的に一定であってもよい。代替として、可撓性の膜支持部材は、膜が作動時に膨張して膜の所定形態と一致する所定の外郭形状を取る際に、膜の増加する表面の張力から結果として生じる増加する負荷に応じて曲がるように、その範囲周辺で変化する曲げ剛性を有してもよい。これは、膜が非円形であり、作動時に球状に変形することを要する場合に特に有用だろうが、膜が円形であり、例えば、以下で説明するような1以上のゼルニケ多項式に従って、膜の非球状変形が望まれる場合にも有用であろう。
膜の膨張形状は、膜および膜支持部材の寸法および材料特性、膜を横切る圧力、および膜の縁部の外郭形状の関数である。PCT/GB2012/051426に教示されているような、選択した制御点における能動的な変位または膜の増加する表面の張力に応じてその範囲周辺で可変的に曲がる支持部材を用いることによって、膜の縁部の外郭形状を制御でき、それによって、膜が膨張時に所定形態を取ることを可能にしている。
支持部材のその範囲周りの曲げ剛性および曲げ剛性における変化は、膜が所定形態を取ることができるよう変形する際に、要望通りに膜の縁部の形状を制御するよう選択されてもよい。膜支持部材は、膜が作動時に実質的に球状に膨張するようにその範囲周辺の曲げ剛性において変化を呈してもよく、または、本発明の実施の形態の膜アセンブリがレンズアセンブリを備えている場合に有用である、一般式式(1)(以下式は後記の数1に示す。)の1以上のゼルニケ多項式によって画成される別の所定形態に従って変化を呈してもよい。一般に、所定形態は、中心を有してもよく、その中心が形態の頂点にあってもよい。例えば、レンズまたは鏡面は、光学軸上に光学中心を有してもよく、光学中心は通常、頂点に対応する。眼科用途に対する優先度は、式(2)(乱視)および式(3)(距離補正のための球体)の線形重畳による視力矯正を達成できることにある。眼鏡技師は一般に、これらの数式に基づいてレンズを処方する。種々のゼルニケ多項式は、「光学の原理(Principles of Optics)」(M.Born、E.Wolf共著、第7版、C.U.P(1999) ISBN0−521−64222−1)で説明されている。
ゼルニケ関数または2以上のかかる関数の組み合わせによって記述される種々の所定形態は、例えば、式(1)形式のスケール変更したゼルニケ多項式の線形重畳を含む、本発明の実施の形態の膜アセンブリを用いて可能である:
式(4)
成分式(5)を有する高次面も、膜縁部の形状が許す場合に可能であってもよい。一般に、それらの周辺を除いて、圧力により膜を変形することによって達成可能な表面は、鞍点に加えて、1以上の極大値または1以上の極小値を有してもよいが、両方は持たない。達成可能な所定形態は、使用中に安定する周囲の形状によって必然的に限定される。

Figure 0006250630
実施の形態によっては、支持部材は、弾性的に曲げることのできる支持リングを備えてもよい。前記支持リングは、膜アセンブリの全体の寸法に対して薄く(例えば、厚さ約0.05から約0.5mm)作成されるよう十分に高い弾性率を持ち、隣接する構成要素に接合可能であり、(複数の使用にわたって機能を持続するよう)低いクリープを呈するか、それを呈するような状態であり、弾性的に変形可能ないずれの材料から作成してもよい。したがって、支持リングを、例えばステンレス鋼やチタンといった金属で作成してもよく、他の可能性としては、ガラスおよびサファイアがある。「接合可能」とは、接着、圧着、レーザー溶接または超音波溶接、または、当業者にとって明らかで、利用可能ないずれか他の手段によって接合可能であることを意味する。
実施の形態によっては、支持リング周辺で曲げ剛性を所望の通り変えるために、リングの寸法が、その範囲周辺で変ってもよい。支持リングは、実質的に均一な深さと可変の幅とを有し、リング周囲の断面2次モーメント、したがってリングの曲げ剛性を制御してもよい。支持リングは、膜が膨張する場合に所定の形態を達成するよう、最も曲がることを必要とする箇所が最も狭くなっていてもよい。したがって、実施の形態によっては、支持リングは、実質的に均一な厚さの、例えば、ステンレス鋼の金属シートから適切に切り取るか打ち抜くかして、シートの平面で幅が変わる円形または非円形リングを得てもよい。支持リングは、アセンブリが膜に平面縁部を与えるよう非作動状態である場合に、実質的に平面であってもよい。
支持リング周囲の必要な曲げ剛性を、例えば、PCT/GB2012/051426に開示されているような有限要素解析法(FEA)によって便利に決定することができる。特に、FEAを利用して、支持リングの曲がりを制御するために必要な支持リング周囲の曲げ剛性の必要な変化を計算してもよい。ここで、支持リングの曲がりは、アセンブリが作動する場合に膜が所定形態を達成できるよう、支持部材に接続された膜が、増加した(または減少した)液圧によりひずむ際に、増加する負荷を受けたとき制御されるものである。実施の形態によっては、例えば、膜アセンブリがレンズまたは鏡アセンブリを備える場合等で、膜が静的に変形するようにしてもよいが、例えば、音響等の他の用途に対して、膜は動的にその形状を調節するよう求められてもよい。
実施の形態によっては、支持リングは、ひとつ以上のリング要素を備えていてもよい。実施の形態によっては、リングは、可撓性リング要素のスタック(積み重ね)を備えていてもよい。要素は互いに類似してもよく、または実質的に同じであってもよく、または異なってもよい。膜は、スタック内で2つの隣接するリング要素間に挟持されてもよい。隣接するリング要素間に膜を挟持することにより、膜によってリング要素に印加されるねじれ力同士が釣り合い、その結果、全体として、支持リング上に正味のねじれ力が全く生じない、または実質的に何ら生じないものとなり得る。リングの形状、したがって膜形状に望ましくないゆがみを招くであろうリング上のねじれ力を回避することが望ましい。実施の形態によっては、膜支持部材を2つのリング要素から構成してもよい。実施の形態によっては、3つ以上のリング要素を備えてもよい。しかし、配置は、2つの隣接するリング要素間で膜に張力を与える場合、膜の各辺に対するリング要素上に作用するねじれ力が反対方向に作用するようにして、互いに相殺する、または実質的に互いに相殺するようにするのがよい。
アセンブリが圧縮モードで動作する実施の形態において、流体充填エンベロープを圧縮または膨張させるために必要な力は、固定支持に対して相対的にリングを撓ませるように、ひとつ以上の選択された制御点で膜支持リングへ直接に印加してもよい。同時係属中の出願PCT/GB2012/051426において詳細に開示するように、力がリングにかかる制御点は、作動時の膜の所望の所定形態に従って選択されるべきである。上記のように、その理由は、所望の所定膜形態を達成するためには、リングの外郭形状が、一致する所定の外郭形状を取らなければならず、アセンブリを作動するために固定支持に対する相対的なその範囲周辺のひとつ以上の位置におけるリングの能動的な変位が、その所定の外郭形状に適合するべきだからである。言い換えれば、リングに力をかけて、固定支持に対して相対的に流体充填エンベロープを圧縮または膨張する場合に、リングは、所定の膜形態を達成するのに必要な所定のリング外郭形状と(許容公差内で)一致しない点に対するその範囲周辺のいかなる点においても変位すべきではない。
リングにかける作動力は、リング上の各点において、またはその近傍に位置する離間された制御点に少なくともかけられるべきである。ここで、変形時に膜の所定形態を生じるために必要なリングの外郭形状が、2つの隣接点の間の制御点にかかる力の方向への転換点を呈し、また、リングの外郭形状が、反対方向への変曲点または転換点を呈する。
各制御点で支持リングにかけられる力は、ひとつ以上のリング係合部材を用いてかけてもよい。ひとつ以上の制御点は作動点であってもよく、ここで、リング係合部材またはそのうちのひとつは、固定支持に対して相対的に支持リングを能動的に変位させるように構成される。適宜、支持リングを、一次曲げ軸に実質的に平行な方向に作動点または作動点のそれぞれにおいてリング係合部材によって偏向してもよい。
実施の形態によっては、ひとつ以上の制御点は受動的な制御点であってもよい。ここで、リング係合部材は、リング係合部材の移動が特定の範囲または特定の軌跡に制約されるように、固定支持部に対して相対的に、リンク機構、ガイド、または他の機構によって接続される。
ひとつ以上の制御点は、ヒンジ点であってもよい。リング係合部材またはそのうちのひとつは、ここでも、許容できる程度の公差と共に、支持体に対して相対的にリングを静止させて保持するよう構成される。ひとつ以上のヒンジ点を備える場合、リングは、作動時に膜の所定形態を達成するために、ヒンジ点または各ヒンジ点において静止したままであることを要する。言い換えれば、作動時および非作動時のヒンジ点または各ヒンジ点におけるリングの位置が、同じまたはまたは実質的に同じであることは正しく理解されよう。膜が非作動状態において平面である場合、いずれのヒンジ点も、支持部材の撓みのない同一輪郭上に位置していることは、正しく理解されよう。
変形時に膜の所定形態を生じるために必要なリングの外郭形状が、2つの隣接点の間の制御点にかけられる力の方向への転換点を呈するところのリング上の各点に制御点が存在するべきであるという要件を条件として、ここでリングの外郭形状は、反対方向への変曲点または転換点を呈するのであるが、リング周囲の他の位置に望ましいだけ多くの追加の制御点があってもよい。ただし、膜の平面を画成するために、変曲点または転換点の数にかかわらず、常に少なくとも3つの制御点が存在すべきである。
実施の形態によっては、制御点は、少なくとも2つの隣接するヒンジ点と、少なくともひとつの作動点とを備える。ここで、リング係合部材は、流体充填エンベロープの容積を調節するために、固定支持に対して相対的にリングを能動的に変位させるよう構成される。
隣接する制御点の間で、少なくとも、膜の縁部の外郭形状がアセンブリの作動の選択された程度のすべてにおいて膜の形態の表面輪郭に追従しない場合、支持リングは、固定支持に対して相対的に一次曲げ軸上でしかるべく自在に受動的に撓む。
本発明の実施の形態によれば、ひとつ以上の曲げ制御部材が、膜の表面の張力に応じて、曲げることのできる膜支持部材の曲がりまたは他の変形を制御する。特に、膜が所定形態を取ってもよいように、作動時に膜が必要に応じて曲がることを可能にしながら、ひとつ以上の曲げ制御部材は、非作動状態および作動状態における望まれていない曲がりまたは変形に抗して支持部材を安定させるよう働いてもよい。原理的には、ひとつ以上の曲げ制御部材は、望まれていないまたは制御されていない曲がりに抗して支持部材を補強することにのみ作用すべきである。実際には、実施の形態によっては、ひとつ以上の曲げ制御部材は、所定の方法で支持部材の曲げ剛性全体にわずかに追加してもよい。それは、支持部材の必要な曲げ剛性を計算する場合に考慮することができる。しかし、そのひとつ以上の制御部材は、支持部材の所望の曲がりを損なうべきではない。
上記のように、可撓性膜支持部材は、膜の表面の張力がアセンブリの作動時に増加するにつれて、増加する負荷を受ける。そして、膜が支持部材上で予め張力がかけられていると、著しくさらに大きい負荷を受ける。ひとつ以上の曲げ制御部材は、かかる負荷を受けた場合に膜支持部材を安定させるように働く。
ひとつ以上の曲げ制御部材は、異方性の方法で支持部材の曲げ剛性を変更してもよい。適宜、ひとつ以上の曲げ制御部材は、平面を横切る軸上よりも平面内でより大きい程度に支持部材の剛性を高めるよう作用してもよい。ひとつ以上の曲げ制御部材は、一次曲げ軸上の支持部材の撓みに著しく影響を及ぼすことなく(「面外」剛性)、一次曲げ軸に垂直な平面における膜支持部材の変形を低減する、または阻止するように働いてもよい(「面内」剛性)。膜が平面である場合、単数または複数の曲げ制御部材は、平面内の支持部材の曲がりを制御する。一般に、ひとつ以上の曲げ制御部材は、膜アセンブリの内部またはその外部の横方向の力に応じて、支持部材が内側に潰れることを抑えるように、または一般に、膜の形状を保つように働いてもよい。
実施の形態によっては、ひとつ以上の曲げ制御部材は、アセンブリが作動する場合に膜に与えられるひずみを制御するように作用してもよい。即ち、実施の形態によっては、ひとつ以上の曲げ制御部材は、支持部材が、アセンブリの作動時に制御された方法で、一次曲げ軸に垂直な方向に曲がることを許容してもよい。これは、膜支持部材によって囲まれた領域の面積を変えるよう、膜内の実質的に等方性の表面の張力を維持するために、または、支持部材が制御された方法で内側に収縮することを許容するために有用である。
膜が作動時に球状に変形する必要がある実施の形態においても、膜支持部材の制御された面内変形のいくつかを許容することが望ましい。例えば、ひとつ以上の曲げ制御部材は、所定のひずみに対して、膜の曲率を増加させるために、膜が変形する際に、支持部材の面内曲げ剛性を調節して、支持部材のある程度の内側への圧縮を許容する。これは、膜支持部材と膜との間の境界全体に過度に高い負荷を置くことを回避することが望ましい状況において特に好ましい。
ひとつ以上の曲げ制御部材を、上記の種類の膜支持リングと共に用いてもよいが、本発明の実施の形態に従って膜支持部材の他の形態と共に用いてもよい。
実施の形態によっては、前記ひとつ以上の曲げ制御部材は、補強ダイヤフラムを備えていてもよい。前記補強ダイヤフラムは、膜の縁部と実質的に同じ形状のプレートを備えてもよく、それらの間で力の伝達を可能にするように膜支持部材に堅固に固定されてもよい。プレートは、膜の表面の張力がダイヤフラムに実質的に均一に伝達されるように、例えば、接着結合によって支持部材の周囲で均一に支持部材に固定されてもよい。適宜、プレートは、支持部材を連続して取り巻いて支持部材に取り付けられてもよい。代替として、プレートは、取付位置の範囲における支持部材のゆがみが回避されるならば、離間された位置で支持部材に取り付けられてもよい。プレートは、作動時の膜の膨張方向と反対側の支持部材に取り付けるのがよい。
プレートは、曲げ軸上の面外剛性よりも大きい一次曲げ軸に垂直な面内剛性を適宜に有していてもよい。したがって、プレートは膜によって支持部材に与えられる表面の張力に抗して一次曲げ軸に垂直な平面で支持部材の剛性を高める一方で、支持部材の外郭形状を制御するよう、支持部材が表面の張力に応じて所定の方法で一次曲げ軸上で曲がることを許容するよう働いてもよい。
実施の形態によっては、膜支持部材は、ひとつ以上の第1のリング要素を備えてもよく、膜は、ひとつまたは複数の第1のリング要素と補強プレートとの間に挟持されてもよい。ひとつ以上の任意の第2のリング要素を膜とプレートとの間に介在させて、膜をプレートから離間させてもよい。適宜、膜支持部材は、単一の第1のリング要素と単一の第2のリング要素とを備えてもよい。一次曲げ軸上のプレートおよび単数または複数の第2のリング要素の曲げ剛性は組み合わされて、膜によって第1のリング要素にかかるねじれ力を釣り合わせるよう働いてもよい。
第1のリング要素の厚さは、0.2〜0.75mmの範囲、適切には0.3または0.4mmから0.5mmの範囲であってもよい。第2のリング要素の厚さは、0.01〜0.25mmの範囲、適切には0.025〜0.1mmの範囲、例えば、0.05mmであってもよい。
プレートは、一次曲げ軸上での厚さが約0.1〜1.0mm、好ましくは0.3〜0.7mm、例えば、約0.5mmであってもよく、レンズアセンブリの場合にはポリカーボネート、ナイロン、またはガラスでできていてもよく、音響または非透過膜アセンブリの場合には種々のプラスチック、金属、またはセラミック部材または複合材でできていてもよい。
実施の形態によっては、プレートは、例えば、支持部材のひとつまたは複数の第2のリング要素によって膜から離間されてもよい。代替として、支持部材は、上記のように膜の一方の側に配設されるひとつ以上の第1のリング要素のみを備えていてもよく、プレートは、膜の他方の側に直接取り付けられてもよい。かかる実施の形態において、膜に面するプレートの一方の面は、段差が設けられて、ひとつまたは複数の第1のリング要素と実質的に共通の境界線を有する面内の円周方向のメサ(頂上が比較的平らで周囲に急な崖を持つ台地形状)を提供して、プレートの残りの部分を膜から離間させてもよい。このように、メサが効果的に一体型の第2のリング要素を構成する。
プレートは、流体内部に配設されてもよく、流体が膜の一方の面に自由に移動することを可能にするように、それらを通って延在するひとつ以上のアパーチャ(開口)と共に適宜形成されてもよい。かかるアパーチャの正確な数、大きさ、および配置は、膜支持部材の面内変形を制御するプレートの性能を損なうことなく、所望の応答時間または長手方向周波数応答内で、プレートの一方の辺から他方へ、流体が自由に移動することを可能にするよう、当業者が決定することができる。実施の形態によっては、かかるアパーチャは、プレートの曲げ特性に対して実質的に効果が無くてもよい。しかし、他の実施の形態においては、ひとつ以上のアパーチャは、プレートの曲げ特性を制御し、それによって、膜内部の表面の張力に応じて膜支持部材の曲がりについて大きな制御をもたらす大きさ、形状、数、および配置でプレート内に形成されてもよい。
膜は、略多角形、例えば、メガネ用のレンズの形状に従って、矩形であってもよく、アパーチャは、プレートの各角部の近傍でプレート内に形成されてもよい。適宜、各アパーチャは、プレートの対応する角部を二分する軸線上に略配向される細長い柄状の軸を備える変形したアルベロス(「靴屋のナイフ」)(一つの半円に、二つの半円が内接している際、その三つの半円の円弧によって囲まれた図形)形状であってもよい。例えば、レンズアセンブリにおいて、各アパーチャの柄状の軸は、膜によって形成されるレンズ面のほぼ光学中心に向かって傾斜していてもよい。略矩形プレートの場合、アパーチャは、プレートがアパーチャの周りで略「クローバの葉」パターンを画成するような形状および配置であってもよい。この配置は、それによってプレートが一次曲げ軸上で二軸的に曲がることが許容され、即ち、それによってプレートが曲げ軸に垂直な2つの相互に横断する軸に沿って一次曲げ軸(軸線)上で曲がることが許容されるために、特に好ましい。その一方で、かかるアパーチャが無い場合、プレートの平面におけるひとつの軸に沿った一次曲げ軸上でのプレートの曲がりは、プレートの平面におけるひとつの軸を横断する軸に沿った一次曲げ軸上での曲がりに抗してプレートの剛性を高める傾向があり、これは、支持部材が、所定の外郭形状を達成するために作動時に横軸に沿って曲がることを求められる場合は、望ましくない。一般に、プレートの平面内部の互いに直交する軸に沿った一次曲げ軸上での曲がりを許容することが望まれる。
他の実施の形態において、プレートは、プレートが実質上、略環状であるように、単一の大きな中央アパーチャと共に形成されてもよい。ここで用いるように、用語「環状」の意味は、プレートが円形であることを暗示するものではなく、膜支持部材の外形および膜の周囲に略追従する閉ループの形状を有することを単に意味している。プレートに中央アパーチャを備えることは、プレートがプレートの平面内部の互いに直交する軸に沿って一次曲げ軸上で曲がることを有利に許容する効果もある。膜支持部材が上記のようなリングを備える場合、環状プレートの面内幅は、適宜、支持リングの平均幅の2〜15倍の範囲であってもよい。
実施の形態によっては、補強プレートは、それが平面状態の場合に望ましくない変形に抗してプレートを補強するか、好ましくない変形モードの達成に必要なエネルギーを増加させるように働くひとつ以上の従属リブを備えていてもよい。支持部材が、非作動状態またはいかなる作動状態においても平面であり、また膜の予張力から荷重を受ける場合、それは不安定状態にあり、その状態では、平坦からの逸脱は、膜の表面の張力に蓄えられたエネルギーの一部を解放するので、これは好ましい。したがって、支持部材は座屈を受けやすく、結果として座屈を引き起こし、そして、その上に取り付けられた膜が、好ましくない、エネルギー的により安定な、鞍形状を取るようにする。膜が徐々に膨張するにつれて傾向は弱まるが、この座屈に対する傾向は、作動時に一旦でも膜が膨張するとある程度持続する。
前記ひとつ以上のリブを、膜から離れたプレートの面で担持してもよい。ひとつまたは複数のリブは、アセンブリの作動時に支持部材が変位しない点で、またはその点の近傍でプレートに接合されてもよい。好適には、リブは、作動時に曲げ軸上で膜が変位しないところの輪郭に追従してもよい。代替として、プレートを横切って延びるひとつ以上の直線リブを提供してもよい。実施の形態によっては、それら1以上のリブがアセンブリのひとつ以上の固定部品に係合してプレートを強化し座屈に抗するようにしてもよい。例えば、ひとつ以上のリブが、流体充填エンベロープの圧縮または膨張を助けるように働く固定支持と係合してもよい。実施の形態によっては、前記ひとつ以上のリブは、エンベロープの前記他方の壁部と係合するように寸法および位置を与えられてもよい。好適には、ひとつ以上のリブは、前記ひとつまたは複数の部品に接着される、あるいは他の方法で接合される。
実施の形態によっては、前記ひとつ以上の曲がり制御部材は複数の支柱を備えてもよく、これらの支柱は膜支持部材の対向する区画または領域の間を延在し、一次曲げ軸上の面外撓みを妨げることなく支持部材の面内変形に抗するように働く。好適には、前記支柱はポリカーボネートまたは当業者に公知である他のいずれか適切な材料で作成してもよい。前記支柱は、例えば接着剤結合により膜支持部材の各端部へ堅固に固定してよく、十分な数の支柱を提供して支柱間の膜支持部材のゆがみを回避するようにしてもよい。支柱を膜支持部材へ直接に取り付けてもよい。代替として、支柱の端部を、支持部材へ連続的に接合された、閉じた周辺ウェブで担持してもよい。適切には、各組の支柱が互いにほぼ横切って配向される2組以上の支柱を提供してもよい。好ましくは、2組以上の支柱は、それらが交差するところでは互いに接合されない。このことは、特には非円形膜アセンブリの場合に有利であり、そこでは、作動時に膜の表面の張力が異方的に変化する。このような場合、膜の異方性に呼応して、膜の作動に対する所望の異方性レスポンスを達成するように、あるいはそれを補正するように、補強部材の剛性が支柱のそれぞれの組にわたって独立して調整される。
代替として、ひとつ以上の曲がり制御部材は複数のレバーを備えてもよく、ここで、各レバーは、その一端を膜または膜支持部材に、他端をアセンブリのひとつ以上の固定部品に接続され、各レバーは一次曲げ軸上での支持部材の自由な曲げを許容する一方で、支持部材の面内変位を阻止し、それに抗し、またはそれを制御するように配置される。レバーを膜/膜支持部材に、およびアセンブリの固定部品または部品に、適切な接着剤により取り付けてもよい。
実施の形態によっては、各レバーは、その他端が固定支持に取り付けられ、流体充填エンベロープの圧縮と膨張を助けるように働く。エンベロープの他方の壁部が剛性である場合、または剛性プレートへ永続的に取り付けられている場合、各レバーを、その他端で前記他方の壁部へ接続してもよい。代替として、レバーをその他端で、実施の形態によっては膜の上に重ねられる剛性カバープレートへ取り付けてもよい。前記前カバープレートは、光学的用途では透明であってよく、固定レンズを備えてもよい。そのようなカバープレートへレバーを取り付ける利点は、エンベロープの他方の壁部の背後にある嵩ばるプレートやレンズ部の必要をなくせることである。さらに別の代替では、各レバーは、その他端で、本発明の実施の形態のアセンブリを収容する剛性のまたは実質的に剛性のハウジングへ接続してもよい。
レバーは支持部材に対して相対的に斜角で延在してもよく、それにより各レバーは、アセンブリが作動するとき、レバーによって決められた円弧に沿って動くように、支持部材を制約する。適切には、各レバーは、一次曲げ軸をもって、45度を超える最小角度を定めてもよい。実施の形態によっては、一次曲げ軸と各レバーとによって定められた角度は、アセンブリが作動するとき、増加してもよく、他の実施の形態では減少してもよい。アセンブリの構成およびレバーの位置に依存して、実施の形態によっては、いくつかのレバーで決まる角度は作動時に増加し、他方、他のレバーで決まる角度は作動時に減少するようにすることができる。
このように、アセンブリが平面から膨張するとき膜支持部材の面内変位はレバーにより制御される。詳細には、アセンブリが、曲げ軸上で膜支持部材の領域が変位するように作動するとき、曲げ軸に垂直なこれら領域の動きをレバーで制御することにより、膜の表面の線張力を制御してもよい。
典型的には、レバーを、膜が覆う領域内(インボード)の、膜支持部材の閉ループの内側へ配設してもよいが、実施の形態によっては、いくつかのまたは全てのレバーの端部を支持部材に接続するのではなく、膜支持部材の外側の膜に接続してもよい。レバーは同一方向に延在してもよく、異なる複数の方向に延在してもよい。好適には、2組のレバーを備えてもよく、一方の組のレバーを第1の方向に配向させ、他方の組のレバーを第2の方向に配向さてもよい。前記第1および第2の方向は互いに横切るので、第1と第2の組に含まれるレバーは相互にクロスオーバー(交差)する。
別の実施の形態では、ひとつ以上の曲がり制御部材は、膜の周辺まわりで周方向に離間する複数のリンクを備えてもよく、各リンクは、膜または膜支持部材と、アセンブリのひとつ以上の他の固定部品との間で接続してもよい。例えば、各リンクは、その一端において膜支持部材に接続され、その他端において、流体充填エンベロープの圧縮または膨張を助けるように働く固定支持に接続される。エンベロープの前記他方の壁部が剛性である、または剛性プレートへ永続的に取り付けられている実施の形態では、各リンクを、その他端で前記他方の壁部へ接続してもよい。代替として、リンクを、先に述べた種類の前カバープレートの下側へ接続してもよい。さらに別の代替では、リンクは、その他端において、本発明の実施の形態のアセンブリを収容する剛性のまたは実質的に剛性のハウジングに接続されてもよい。
前記リンクを、膜の周囲の外側(アウトボード)に配設してもよい。代替として、それらを膜支持部材に一致して配設してもよい。さらなる実施の形態において、リンクをインボード、つまり膜支持部材の閉ループの内側、に配設してもよい。前者の配置の利点は、膜への流体の流れに対する制限を最小化することである。後者の利点は、必要なスペースが少なくてすむことである。
各リンクを、一次曲げ軸上での膜支持部材の曲げを許容し、一次曲げ軸に垂直な面内の膜支持部材の動きに抗するように構成してもよい。例えば、実施の形態によっては、各リンクは2つのレバーを備え、一方のレバーは、その一端において膜支持部材へ(または適切なインターフェースを介して膜へ)滑動可能に接続され、その他端をアセンブリの不動部品、例えばエンベロープの他方の壁部、へ枢着される一方、他方のレバーは、その一端においてアセンブリの不動部品へ滑動可能に接続され、その他端において膜または膜支持部材へ枢着される。2つのレバーは、両者の一端と他端との中間で一緒にピン接合をしてもよい。
代替として、ひとつ以上の曲がり制御部材は円周方向に離間する複数のリンクを備えてもよく、これらのリンクは、一次曲げ軸上での膜支持部材の曲げを許容することに加えて、膜支持部材の制御された面内変位を許容する構成であってよい。このように、この実施の形態における各リンクは4−バーリンク(4本バーのリンク)を備え、4−バーリンクは、膜または膜支持アセンブリに一端においてヒンジ結合したひとつのレバーと、アセンブリの固定された部品(ひとつまたは複数)へ一端において枢着された2つのさらなるレバーとを備えるが、固定された部品は、例えば、剛性であるかまたは剛性プレートに取り付けられているかすればエンベロープの対向する他方壁部である。2つのさらなるレバーの他端は、前記ひとつのレバーから離間した位置に枢着されて4−バーリンクを完成させ、それにより、一次曲げ軸上での膜支持部材の曲げを許容し、一次曲げ軸上の変位により、膜支持部材の、面内での同時の動きが引き起こされるように膜支持部材の動きを制御する。上で述べたように、膜支持部材の少量の面内変位を許容することにより膜のひずみを、その膨張時に、制御することができる。
適切に、レバーまたはリンクを、 膜支持部材の範囲周辺の面内変位量を異なるようにすることができる構成にしてもよい。作動して膜が膨張すると、その断面は事実上、円の弦である状態から円弧に変化し、支持部材の対向する両辺の間は長くなる。一方の面内寸法が他方よりも長い膜、または非球体状に変形する必要がある膜、については、膨張するとともに膜のひずみが非等方的に増加し、ひずみは一方の寸法の方が他方の寸法より大きい。曲がり制御部材は、膜の長軸上の支持部材の面内変位が、短い横軸上より大きくすることにより、ひずみの非等方的変化を補償し、かつ膜内の等方的表面の張力維持し、さもなければ、少なくとも、2つの異なる寸法における表面の張力の差を減らす。
さらに別の代替では、ひとつ以上の曲がり制御部材は複数のばね部材を備えてもよく、これらのばね部材はそれぞれ、一端を膜支持部材に接続され、他端を、例えば、アセンブリのひとつ以上の剛性のまたは実質的に剛性の不動部品などの適切な拘束境界に接続される。実施の形態によっては、この拘束境界は、膜支持部材の周囲に配設された、剛性のまたは実質的に剛性のリングを備えてもよい。この剛性リングの形状は膜支持部材の形状と実質的に同じ(であるが大きい)であっても、異なっていてもよい。代替として、拘束境界は、アセンブリを収容するハウジングまたはその類似物を備えてもよい。
前記ばね部材は、当業者に知られたいかなる適切なばねを備えてもよい。実施の形態によっては、各スプリングがコイル状ヘリカルばね(コイルばね)を備えてもよい。ばね部材は、以下のようにして膜支持部材へ接続するのがよい。すなわち、復帰力を、主に、一次曲げ軸に実質的に垂直な方向にかけることにより、膜支持部材が一次曲げ軸上で自由に曲がり、その一方、ばね部材は一次曲げ軸に垂直な膜支持部材の面内での変形を制御する。ばねの弾性率は、所望に応じて膜内の表面の張力を制御するために、膜支持部材の周囲まわりで同じであってもよく、または異なってもよい。
さらに別の代替において、ひとつ以上の曲がり制御部材は、膜支持部材に係合する複数のすべり路を備えてもよい。すべり路は膜支持部材に係合して、アセンブリが作動したとき、支持部材の動きをすべり路に沿う所定の軌跡に制限する。このように、実施の形態によっては、すべり路は、膜の周辺まわりに配設した複数のピンを備えてもよく、これらのピンは、膜支持部材に形成されたそれぞれのアパーチャを通って配設されて、支持部材のピンに沿う滑動を可能にする。代替として、すべり路が軌道(トラック)を備えていてもよい。また、膜支持部材は、軌道と係合し、軌道内を滑動する適切なスライダを備えていてもよい。ピンまたは軌道は一次曲げ軸に沿って延在していてもよい。実施の形態によっては、ピンまたはトラックを一次曲げ軸と実質的に平行にすることにより、膜支持部材が一次曲げ軸の方向にのみ移動できるようにしてもよい。しかし、実施の形態によっては、先に述べた膜内のひずみを制御するために、ピンまたは軌道を一次曲げ軸に対して相対的に斜角で配向することにより、アセンブリの作動時に、膜支持部材の面内の動きの程度を許容する。通常は、作動時に、膜のひずみを減らすためにリング支持部材(ピンまたは軌道に接続されている)が内側へ動くように、ピンまたは軌道を配向する。
変形例において、ひとつ以上の曲がり制御部材は曲がることができる複数の接続ロッドを備え、これら接続ロッドは、その一端を、その範囲周辺で膜支持部材に取り付けられ、一次曲げ軸方向へ実質的に向けられる。各接続ロッドは、アセンブリの固定部品に堅固に取り付けた取付部材と滑動可能に係合する。各接続ロッドと、それのそれぞれの取付部材とのこの相互係合により、一次曲げ軸上での接続ロッドの滑動が許容される。そして、各取付部材は、アセンブリが非作動であるときに接続ロッドが曲がるのを阻止するように配置されたフランジ部を含む。アセンブリが作動すると、接続ロッドは、それのそれぞれの取付部材に対して相対的に以下のように滑動する:接続ロッドの前記一端が漸進的に(徐々に)フランジ部を越えて突出し、このように開示された接続ロッドの一部が一次曲げ軸を横断する面内に曲がることが許容される。このようにして、接続ロッドと取付部材との、この相互係合により、必要に応じて、一次曲げ軸での膜支持部材の自由な動きが許容され、アセンブリが漸進的に作動するときの、膜支持部材の面内での制御された変位が許容される。
本発明の実施の形態の膜アセンブリは、膜を徐々にしかも制御可能に変形させて所定の形態を有する表面を提供することが望まれる様々な用途で使用してもよい。膜アセンブリを、静的用途および動的用途の両方に使用してもよい。例えば、アセンブリを用いて、音響的表面、例えばラウドスピーカや他の音響トランスデューサ用のダイヤフラム、を提供してもよい。膜アセンブリの特別な用途は光学分野であり、この分野では膜を用いてレンズもしくは鏡またはその両方を提供してもよい。
光学的用途、特にはアセンブリが光を透過させたいレンズまたはその他の装置を備えている場合、視野内にあるアセンブリの全部品は意図するスペクトル範囲にわたり、屈折率に関して一致することが望ましい。かくして、ひとつ以上の曲がり制御部材が、膜に囲まれた領域内に配設されたひとつ以上の部品(例えば、支柱、レバー、リンク、ディスク等)を備える場合、これら部品が目視できない、またはほとんど目視できないように、これらの部品の屈折率は流体に対して同じであるのがよい。
適切には、先に開示したように、膜の上に重ねた第1の保護カバープレートで膜を覆ってもよい。光学的用途では、前カバープレートは透明であってもよく、実施の形態によっては、固定レンズすなわち固定焦点長さのレンズを備えてもよい。
このアセンブリは、流体充填エンベロープの他方の対向する壁部と並列する第2のカバープレートを備えてもよい。実施の形態によっては、前記他方の壁部は第2の変形可能膜を備えてもよい。代替として、他方の壁部の形状は一定、例えば平面、であってもよい。エンベロープの他方の壁が可撓性であるところでは、第2のカバープレートを他方の壁部の上に重ねるように配置してそれを保護するとともに、アセンブリのために、剛性のあるまたは実質的剛性のあるハウジングを提供してもよい。前記第2のプレートは、実施の形態によっては、固定レンズを備えてもよい。さらに別の実施の形態では、第2のカバープレートがエンベロープの他方の壁部を形成してもよい。
本発明のさらに別の態様では、本発明の実施の形態による変形可能膜アセンブリを備えるメガネ類用品が提供される。
前記メガネ類用品は、典型的にはリム部付フレームを備えていて、変形可能膜アセンブリがリム部内に取り付けられてもよい。
以下、本発明の実施の形態の添付図面を参照して単なる例として説明する。
図は以下の通りである。
図1は、1組のメガネの前上方からの斜視図である。メガネは、本発明の第1の実施の形態による2つの流体充填レンズに嵌合するフレームを備えている。
図2は、図1のメガネの左上方から見た透視図である。、第1の実施の形態の一方のレンズアセンブリがどのようにフレームに嵌合しているかを示している。
図3は、非作動状態にある図2の一方のレンズアセンブリの正面図である。
図4は、図3の一方のレンズアセンブリのIV−IV断面図である。
図5は、図3の一方のレンズアセンブリのV−V断面図である。
図6は、図3の一方のレンズアセンブリのVI−VI断面図である。
図7は、図3のVI−VIに沿って切り取った一方のレンズアセンブリを、その前方左下から見た斜視図である。
図8は、第1の実施の形態の一方のレンズアセンブリの分解図であり、アセンブリの部品を示す図である。
図9は、作動状態にある一方のレンズアセンブリの可撓性膜と膜支持リングの正面図である。リングの領域の第2のモーメントを制御するために、膜の周囲周りでリングの幅をどのように変化させるかを示していて、輪郭線は、作動時の膜の曲率を示している。
図10は、半径Rの概念上の球体へ投影された、作動状態における図9の膜とリングを示す図である。
図11は、図4に対応する1のレンズアセンブリの断面であり、作動状態にあるアセンブリを示す図である。
図12は、図5に対応する一方のレンズアセンブリの断面であり、作動状態にあるアセンブリを示す図である。
図13Aは、膜の表面の張力の下で膜支持リングの曲がりを制御するために用いられる、第1の実施の形態の一のレンズアセンブリの支持ディスクの正面図である。
図13Bは、第1の実施の形態のアセンブリにおいて置き換えてもよい支持ディスクの第1の変形例の正面図である。
図13Cは、第1の実施の形態のアセンブリにおいて置き換えてもよい支持ディスクの第2の変形例の正面図である。
図13Dは、第1の実施の形態のアセンブリにおいて置き換えてもよい支持ディスクの第3の変形例の正面図である。
図13Eは、 図13Dの第3の変形例である支持ディスクの前方を右下から見た斜視図である。
図13Fは、第1の実施の形態のセンブリにおいて置き換えてもよい支持ディスクの第4の変形例の正面図である。
図13Gは、図13Fの第4の変形例である支持ディスクの前方を右下から見た斜視図である。
図14は、 本発明の第2の実施の形態による別の膜アセンブリの、図4および11に類似する略断面図であり、図13Cの第2の変形例である支持ディスクを含む図である。
図15は、 本発明の第3の実施の形態による曲がり制御支柱を備えた膜支持リングの略正面図である。
図16は、本発明の第4の実施の形態による膜アセンブリの正面図である。
図17Aは、非作動状態にある図16の膜アセンブリの略断面側面図である。
図17Bは、作動状態にある図16の膜アセンブリの略断面側面図である。
図18Aは、非作動状態にある、本発明の第5の実施の形態による膜アセンブリの一部の略断面側面図である。
図18Bは、作動状態にある、本発明の第5の実施の形態による膜アセンブリの一部の略断面側面図である。
図19は、「アウトボード(外側取付の)」曲がり制御リンクを備える、本発明の第6の実施の形態による別の膜アセンブリの略正面図である。
図20Aは、非作動状態にある図19の膜アセンブリの略断面側面図である。
図20Bは、作動状態にある図19の膜アセンブリの略断面側面図である。
図21は、 「インボード(内側取付の)」曲がり制御リンクを備える、本発明の第7の実施の形態による膜アセンブリの略断面側面図である。
図22Aは、 非作動状態にある、「インボード」曲がり制御リンクを有する、本発明の第8の実施の形態によるさらに別の膜アセンブリの略断面側面図である。
図22Bは、作動状態にある本発明の第8の実施の形態の膜アセンブリの略断面側面図である。
図23は、「アウトボード」曲がり制御リンクを備える、本発明の第9の実施の形態による膜アセンブリの略断面側図である。
図24は、「アウトボード」曲がり制御ばねを備える、本発明の第10の実施の形態による膜アセンブリの略正面図である
図25は、 本発明の第11の実施の形態による別のレンズアセンブリの一部の略正面図である。ここで膜支持リングは、円周方向で離間する複数のピン上を滑動させることにより、膜内の表面の張力下にあるリングの面内曲げに抗するように配置されている。
図26は、非作動状態にある図25のレンズアセンブリの略側面図である。
図27は拡大側面図であり、図25および26のアセンブリのピンのひとつへの膜支持リングの取付けを示す図である。
図28は、第11の実施の形態の変形例の拡大側面図であり、ここで、膜支持リングの面内曲げを調節するために、ひとつ以上のピンが斜角に設定される。
図29は、本発明の第12の実施の形態による膜アセンブリの一部の略正面図であり、ここで膜支持リングは、円周方向で離間して垂れ下がり、曲げることのできる複数のロッドで担持させることにより、膜の表面の張力下にあるリングの面内曲げを調節する。
図30は、 非作動状態にある、本発明の第12の実施の形態のアセンブリの略断面側面図である。
図31Aは、非作動状態での拡大側面図であり、膜支持リングを、図29および図30のアセンブリのロッドのひとつへ取り付けることを示す図である。 図31Bは、作動状態での拡大側面図であり、膜支持リングを、図29および図30のアセンブリのロッドのひとつへ取り付けることを示す図である。
図1に示すように、1組のメガネ90は、2つのリム部93と2つのテンプル94とを有するフレーム92を備えている。リム部93同士はブリッジ95によって接合され、各リム部93は、本発明の第1の実施の形態に従って、それぞれのレンズアセンブリ1、1’を担持するような形状および寸法になっている。レンズアセンブリの一方1はメガネの左側に対して使用され、他方1’は右側に対して使用されている。各リム部93は、ブリッジ95と一体に形成されテンプル94および別体の後部リム部93bに接続する前部リム部93aを備えている。前後リム部93a、93bは、図2に示すように嵌め合い、両リム部間でそれぞれのレンズアセンブリ1、1’を固定保持する。前後リム部93a、93bを、当業者にとって入手可能ないずれか適切な手段によって一緒に固定してもよい。例えば、前後リム部には、2つのリム部を一緒に固定保持するための固定用小ねじを受け入れてレンズアセンブリ1、1’をその間に保持する合わせねじ孔97を形成してもよい。
図1から見て取れるように、左右のレンズアセンブリ1、1’は、互いに鏡像同士であり、両方の構造は鏡像関係にあることを除き同一である。左側のレンズアセンブリ1だけを以下詳細に説明するが、右側アセンブリ1’の構造および動作が実質的に同じであることは、正しく理解されよう。
図3および図9で最も良く分かるように、この実施の形態において、左側レンズアセンブリ1は、上記のように2つの対向する長辺3、5と2つの短辺7、9とを有する略矩形であり、フレーム92と嵌合するように設計されているが、図示のレンズアセンブリの形状は適切な形状の一例にすぎず、本発明の実施の形態によるレンズアセンブリ等の変形可能膜アセンブリは、各種の異なる形状であってもよいことは、正しく理解されよう。本発明の実施の形態は、図3および図9に示すような非円形形状に特に適するが、本発明の実施の形態の教示は、変形可能膜を含む円形レンズや他の装置にも適用でき、所定形態を有する表面を提供する。
図5〜8に示すように、第1の実施の形態のレンズアセンブリ1は、透明な前部カバープレート4と、透明な後部カバープレート16と、レンズアセンブリ1の部品を一緒に保持する保持リング6とを備え、前後カバープレート4、16は、前後軸線(図8に示すようなz軸)上で離間している。
前部カバープレート4は、ガラスまたは適切な透明高分子材料からできていてもよい。この実施の形態のレンズアセンブリ1において、前部カバープレートは厚さ1.5mmであるが、これは変えてもよい。実施の形態によっては、前部カバープレート4は、例えば、単焦点(単一度数)、多重焦点(2つ以上の度数)、累進(傾斜度数)の固定集光力(固定度数)またはさらには調節可能要素のレンズを備えている。図4に示すように、例えば、この実施の形態において、前部カバープレート4は平凸である。
後部カバープレート16は、前面17と後面14とを有し、ガラスまたは透明重合体からできていてもよい。この実施の形態において、後部カバープレート16は厚さ1.5mmであるが、これは要望に応じて変えてもよい。前部カバープレート4と同様に、実施の形態によっては、後部カバープレート16は、固定集光力のレンズを形成していてもよい。この実施の形態において、例えば、図4から最も良くわかるように、後部カバープレート16は、メニスカスレンズ(片面が凸で、他の片面が凹である1枚のレンズ)である。
図8に示すように、保持リング6は、内面23を有する前方に延在する側壁13を備え、側壁13は、前縁部15において終端を成す。レンズアセンブリ1の短辺7上で、保持リング6には、図7および図8に示すような、前後方向に延在するスロット25が形成されている。図6から最も良くわかるように、保持リング6の内面23は、周方向内向きの後部フランジ34と共に形成され、前面15の中間で外側に段が付けられて、以下でより詳細に説明するような形状の周方向肩部36を形成している。後部フランジ34は、保持リング6の後部に隣接して配設され、後部カバープレート16は、後部フランジ34上に着座し、前部カバープレート4は、レンズアセンブリ1が内部空隙を画成する封止ユニットを構成するように、保持リング6の前面15上に着座し、それに接合(接着)されている。
図6で最も良く分かるように、レンズアセンブリ1が、前後リム部93a、93b間で捕捉される場合、それが移動することなく安定して保持されるように、保持リング6は、後部リム部93b内部にぴったり受け入れられる形状および寸法にされている。保持リング6は従って、以下で説明するようなレンズアセンブリ1の可動部のための安定した固定支持を形成する。
レンズアセンブリ1の他方の短辺9上の2つの離間した位置(H1)、(H2)において、保持リング6の内面23は、中間肩部36(図4参照)の前方に離間する小さな型リング係合構成部39が一体に形成されている。代替として、ひとつ以上の構成を、他方の短辺9に隣接する長辺3、5上に配設してもよい。(図中〇の中にH1、H2が記載されているが、ここでは(H1)、(H2)と表記する。(A)についても同様。以下同じ。)
空隙内に、レンズアセンブリ1は、可撓性側壁18と、後壁19と、前方封止フランジ20とを有する皿形部品12を収容している。この実施の形態において、皿形部品12は、透明なDuPont(登録商標)boPET(二軸延伸ポリエチレンテレフタレート)からできており、厚さ約6ミクロンであるが、皿形部品に対する他の適切な材料を用い、厚さを適宜に調節してもよい。皿形部品12の後壁19は、後部カバープレート16の前面17に隣接して接合される。この目的のため、例えば3M(登録商標)8211接着剤等の透明な感圧接着剤(PSA)を採用してもよい。この実施の形態において、厚さ約25ミクロンのPSAの層が用いられるが、これは必要に応じて変えてもよい。
皿形部品12の側壁18は、後壁19の前方に延在し、保持リング6の側壁13の内面23上の中間肩部36と皿形部品12の側壁18とが、構成39の近傍で、皿形部品の前方封止フランジ20が肩部36に局所的に支持される一方で、他の所で、側壁18が肩部36から盛り上がって位置して肩部36と封止フランジ20との間に自由空間を残すように構成され、寸法が与えられている。この実施の形態において、皿形部品12の側壁18の高さは、前後方向において実質的に一定であり、保持リング6の側壁13の内面23上の肩部36は、他方の短辺9からアセンブリの一方の短辺7に向かって後方に傾斜している。この配置により、以下でより詳細に説明するように、皿形部品は作動時に一方の短辺7の領域において圧縮されることが可能となる。
皿形部品12の前方封止フランジ20は、以下でより詳細に説明するような、曲がり制御部材として働くディスク24を備える透明ダイヤフラムの後面に接合される。この実施の形態において、図13Aで最も良く分かるように、ディスク24は、厚さ約0.5mmのポリカーボネートの平板を備えているが、以下で説明する要求特性を備える適切な代替材料を代わりに用いてもよい。レンズアセンブリ1の一方の短辺7と並列されて、透明ディスク24は、保持リングの側壁13に形成されるスロット25内に嵌合する突出タブ26を有している。図13Aで最も良く分かるように、透明ディスク24には、複数のアパーチャ32a、32bが形成されており、この実施の形態において、一方がレンズアセンブリ1の一方の短辺7に隣接し、他方が他方の短辺9に隣接する2つのアパーチャがある。これらアパーチャ32a、32bの目的を、以下でより詳細に説明する。アパーチャ32a、32bの正確な数、大きさ、および配置は、要望に応じて変えてもよく、例えば、ディスク24を横断して離間する複数のさらに小さなアパーチャを設けてもよい。この実施の形態において、皿形部品12は、Loctite(登録商標)3555接着剤を用いてディスク24の後面に封止するように接着されるが、適切な代替は当業者にとって公知であろう。
透明ディスク24の前面は、前部リング2および後部リング10を備える一対の弾性的に曲げることのできる膜支持リング間に挟持される透明な非多孔性弾性膜8を備える膜サブアセンブリに対して封止されている。図6および7に示すように、リング2、10は、互いに実質的に同一の寸法形状であり、肩部36の前方の保持リングの内部空隙内に受容されるような寸法となっている。この実施の形態において、リング2、10は、ステンレス鋼のシートから切り抜かれ、厚さ約0.3mmであるが、他の材料を用いて、所望の剛性が得られるように厚さを適宜に調節してもよい。
図9に、リング2、10の形状をより詳細に示す。見て取れるように、x−y平面におけるリング2、10の幅は、リング2、10がそれらの範囲周辺で所定の方法で変化する曲げ剛性を有するように、アセンブリ1の周囲で変化する。これにより、より詳細に以下で説明するように、アセンブリ1が作動して可撓性膜8の変形を制御し、よってレンズの度数を制御する際に、支持リング2、10に曲げ変形が与えられる。
この実施の形態において、前後支持リング2、10の厚さは同じであるが、他の実施の形態では、これが異なっていてもよい。例えば、前部支持リング2の厚さが約0.4〜0.5mmである一方、後部リング10の厚さは約0.025〜0.05mmであってもよい。また、後部リング10は、膜8をディスク24から離間するように働く。前後支持リング2、10の厚さが互いに同じか、または異なるかどうかにかかわらず、より詳細に以下で説明するように、膜8に張力がかけられる場合、任意に透明ディスク24と共に作用してリング2、10に印加されるねじり力を釣り合わせることが望ましい。実施の形態によっては、ディスク24の曲げ剛性は、ねじり力と十分に釣り合う程度であればよく、この場合、後部リング10を、前部リング2よりも薄く作成してもよく、また除いてしまってもよい。後者の状態において、ディスクに、その前面に周方向段差等を設けて、膜8からディスク24を離すようにしてもよい。
各リング2、10には突出タブ26が形成され、このタブは透明ディスク24上の対応タブと整列する。
この実施の形態において、膜8はポリエチレンテレフタレート(例えば、Mylar(登録商標))からできていて、厚さ約0.5mmであるが、適切な弾性率を有する代替材料を希望に応じて用いてもよい。例えば、膜8の代替材料を、他のポリエステル、シリコンエラストマ(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン)、熱可塑性ポリウレタン(例えば、Tuftane(登録商標))、塩化ビニリデン重合体(例えば、Saran(登録商標))、または適切な厚さのガラスとしてもよい。
膜8は、図4〜7、図9、および図10に示すようにその縁部周りで安定して支持されるように、最大約5%のひずみが得られるまで予め張力(プリテンション)がかけられて、リングに接合されている。この実施の形態において、膜8は、Loctite(登録商標)3555接着剤を用いて前後リング2、10に接着されている。膜8は、少なくとも後部リング10との間で流体密シールを形成するのがよい。
図4、図6、および図7に示すように、前部リング2は、その短辺7、9に沿って、2つの剛性化リブ3a、3bのそれぞれに接合され、剛性化リブは、それらの領域における膜サブアセンブリの曲げ剛性を変更するように働く。レンズアセンブリ1の一方の短辺7と並列する剛性化リブ3aには、前後リング2、10および透明ディスク24上に形成される対応タブ26と整列する突出タブ26が形成されている。
保持リング6の内面23上の肩部36と構成部39との間の間隔は、アセンブリ1の他方の短辺9上の積層ディスク24、前後リング2、10、膜8、および剛性化リブ3bが保持リング6の内面23上のリング係合構成部39の下にぴったりと嵌合するような間隔であり、構成部39は従って、これらの位置(H1)、(H2)において膜サブアセンブリが前後に移動しないように抑えるように働く。上記のように、アセンブリの一方の短辺7において、および、一方の短辺に少なくとも隣接する長辺3、5に沿って、ディスク24およびリング2、10は、それらの間に挟持される膜8と共に、肩部36と前面4との間の自由空間をz軸上で自由に移動する。
このように、リング係合構成部39は、膜サブアセンブリを他方の短辺9と並列する保持リングにヒンジ接続するように働く。補強リブ3a上に形成される整列タブ26、前後リング2、10、および透明ダイヤフラム24には、選択的に操作可能な作動装置(不図示)への接続のための近接孔28a、28bが形成され、作動装置は、保持リング6に対して相対的に一方の短辺7で前後方向に膜サブアセンブリを移動させるために、メガネ90に取り付けられ、保持リング6内のスロット25により、かかる移動が許容されている。したがって、孔28a、28bは図10に示すような作動点(A)を画成する(定める)。作動点(A)におけるz軸上の膜サブアセンブリの変位は、アセンブリ1の一方の短辺7と並列される膜サブアセンブリの一部を、保持リング6によって安定して保持される皿形部品12の後壁19に向かって、またはそこから離間するように移動させる一方で、サブアセンブリはまた、ヒンジ点としての機能を果たす位置(H1)、(H2)において後壁19に対して不動に保持される。リング2、10は、それらがリング係合構成部39と肩部36との間に締め付けられている場合、および、それらの移動が作動装置によって作動点(A)で制御されている場合を除き、肩部36と前面4との間の自由空間で制限されずに「浮いて」いる。
当業者にとって公知のいずれか適切な作動装置を用いて、図4〜7に示すような、前後リング2、10および膜8がxy平面内で実質的に平面である非作動位置と、完全な作動位置との間で、保持リング6に対し相対的に、作動点(A)において膜サブアセンブリを選択的に変位させてもよい。作動装置は、手動または自動で操作可能であってよく、作動点(A)において前後方向に膜サブアセンブリを駆動するためにタブ26を介して作動装置を膜サブアセンブリに接続する適切なリング係合リンク機構を備えているのがよい。作動装置は、非作動位置と完全作動位置との間の膜サブアセンブリを連続して変位させてもよく、または、相互に間隔を空けた複数の所定位置のみに膜サブアセンブリを移動させるようにしてもよい。作動装置を、メガネ90のブリッジ94内またはテンプル93の一方内もしくは両方内へ便利に収容してもよい。各レンズアセンブリ1、1’用の別個の作動装置をそれぞれのテンプル93に設けてもよく、装置を任意に連結して、2つのアセンブリ1、1’を同時に作動させてもよい。作動装置が印加する力は膜サブアセンブリに作用するとともに、構成部39を介して保持リング6に対して反対に作用し、保持リング6は、膜支持体およびアセンブリを保持リング6に対して相対的に選択的に移動するよう、メガネ90のフレーム92内に固定して取り付けられることは、正しく理解されよう。作動装置は、ここで詳細には説明しないが、一般論として、機械的、電気的、または磁気的に操作されてもよく、および/または、例えば、形状記憶合金(SMA)、ワックス、もしくは電気活性ポリマー等の相変化材料を利用するようにしてもよい。
保持リング6の側壁13は、組み立て時にカバープレート4が、図4、5、11、および12に示すように、前部膜支持リング2および補強リブ3a、3bの前方に離間するような寸法となっており、その結果、膜8は、前部カバープレート4にぶつかることなく、以下で説明するように、作動時に前方へ膨張することができる。
皿形部品12、膜8、後部支持リング10、およびダイヤフラム24は、透明な流体で満たされる封止された内部キャビティ(空洞)22を画成している。この実施の形態において、キャビティ22は透明オイル11で満たされる。この実施の形態で使用するのは、Dow Corning(登録商標)DC705シリコーンオイル(分子量546.88の1,3,5−トリメチル−1,1,3,5,5−ペンタフェニルトリシロキサン)であるが、他の適切な無色オイル、特には、多くのメーカーがある高屈折率のシロキサンオイル類の中から利用可能である。オイル11は、洩れても着用者の眼に有害とならないように選択すべきである。この点は非光学的用途においてはあまり懸念されない。
キャビティ22は常時に過充填すべきでない。それにより、先に説明したように膜8は非作動位置において平坦のままであり、膜に対して図10に示すような基準面Dを画成し、膜の予張力(プリテンション)が膜を張り、アセンブリ1を移動させるときのオイル11における温度変化、重力、または慣性効果に起因する望まない皺やたるみのリスクを低減する。上記のように、透明ダイヤフラム24には、充填中および以下で説明するような操作中に透明ダイヤフラム24の前後間で流体が流れることを許容するアパーチャ32a、32bが形成される。
この実施の形態に従い膜8は非作動位置において平面であるが、他の実施の形態においては、膜は非作動時に凸状(または凹状)であってもよく、作動時に平面構成を取ってもよい。このような場合、作動時の膜の面をうまく利用して基準参照面Dを画成することにより、リング2、10またはz軸上のひとつ以上の他の支持部材の変位を測定するようにしてもよい。さらに別の代替において、アセンブリを実際には決して平面とならないように構成してもよく、さらに、作動または作動停止方向のいずれかにおけるその許容された移動の外挿である理論上の平面構成を有していてもよい。当業者は、たとえ実際の非作動状態において膜が既にある程度に湾曲している場合であっても、かかる理論上の平面状態が膜のための基準面を画成するよう用いられてもよいことを理解するであろう。
オイル11は、皿形部品12を内部から支持するように働き、特に、可撓性側壁18を補強してその自重またはアセンブリ内部の慣性効果の下で潰れることを防ぐ。このようにして、流体充填キャビティ22はクッション状の弾性的に圧縮性のエンベロープを形成する。
この実施の形態において、透明なオイル11、および、後部カバープレート16、皿形部品12、皿形部品12の後壁19を後部カバープレート16の前面17に接合するための感圧接着剤、透明なダイヤフラム24、ならびに膜8を作成するために用いられる材料はすべて、互いに可能な限り近似する屈折率を有するよう選択される。内部キャビティ22は透明オイル11で満たされており、膜8および後部カバープレート16の後面14は、調節可能レンズの反対側の光学面を形成している。上記のように、この実施の形態における後部カバープレート16はメニスカスレンズである。
非作動状態において膜は平面であるので、膜8から加算される値はゼロであり、レンズは後部カバープレート16により与えられる度数を有する。非光学的用途については、流体がアセンブリの他の部品と共に透明である必要はなく、要望に応じて不透明または半透明であってもよいことは言うまでもない。
本発明は、この実施の形態に用いる特定の材料および寸法に限定されるものではなく、例示に過ぎないことは正しく理解されよう。異なる種類の材料を、光学的に透明で、支持リング2、10と比べて全体剛性が低く、ダイヤフラム24に接合可能な皿形部品12に適切に用いてもよい。アセンブリの部品を永続的に結合でき、クリープ耐性があり、粘度が実用的で、流体11が存在する場合に不活性状態を維持する、異なる種々の接着剤を選択してもよい。種々の部品に対して選択される材料に応じて、特定の接着剤を選択してもよい。
作動装置を操作する際、膜サブアセンブリ上のタブ26に力が印加され、アセンブリ1の一方の短辺7における膜サブアセンブリを保持リング6に対して相対的にその非作動位置から前後に移動させると共に、タブ26が保持リング6の一方の短辺7に形成されたスロット25内を摺動してこれを許容し、それによって、キャビティ22を膨張または圧縮し、キャビティ22内の流体圧をそれぞれ減少または増加させる。皿形部品12の側壁18は、この移動を可能にするよう可撓性である。この実施の形態において、レンズアセンブリ1は、作動時に膜サブアセンブリを後方に一方の短辺7近傍に移動して圧縮し、キャビティ22内の流体圧が増加するよう成されている。増加した流体圧は、弾性膜8を膨張させ、図11および12に示すように前方へ凸状形態に突出させ、それによって、膜の曲率および膜8と後部カバープレート16の後面14との間のレンズの光学的厚さを増し、後部カバープレート16の固定メニスカスレンズに正の度数を加える。
他の実施の形態、例えば、図16〜17を参照して以下で説明する第4の実施の形態において、作動装置は、サブアセンブリを非作動位置から前方に移動するよう設定することができ、それにより、キャビティ22内の流体圧を減少させることができ、後部カバープレート16の後面14と組み合わせて複合レンズが両凹となるように、膜8を内側へ凹状形態に膨張させるが、この実施の形態において、後方向における最大曲率は、膜8と透明ダイヤフラム24との間の隙間によって制限されることは、正しく理解されよう。膜8の曲率が大きくなるほど、膜8によって与えられる追加の度数(正または負)が大きくなる。かかる実施の形態において、皿形部品12の可撓性側壁18は、非作動位置において圧縮され、作動時に膨張することになる。
レンズアセンブリとして用いるには、作動時に膜8が球状または以下説明するような別の所定形態に変形することが求められる。本発明の実施の形態による変形可能膜アセンブリの異なる光学的または非光学的用途にとっては、その他の所定の形態が望まれるかもしれない。膜8が非円形であるため、所定形態に膨張する場合に膜8の形状を制御するために、膜支持リング2、10は、アセンブリの作動中に、平面基準に垂直なz軸上で撓むように曲がらなければならない。特に、膜支持リング2、10は、膜8が所定形態を有する場合、膜8の縁部の外郭形状と一致するように曲がらねばならない。膜支持リング2、10の可撓性が不十分であったとすると、または正しく曲がらないとすると、アセンブリ1の作動時に、膜8の縁部は膜8の所定形態と一致せず、膜8の全体形状は、結果として、ゆがんでしまうことになる。
図10は、レンズアセンブリ1が操作されて膜8に実質的にゆがみの無い球状形態を与える場合に要求される、この実施の形態の膜8の縁部の外郭形状を示す。図9および10に、長い破線で球状形態の輪郭および頂点にあるその光学中心OCを示す。図10の下半分において、短い破線で示す概念上の球体に投影した膜を実線で示す。比較のために、その平面非作動状態における膜も、図の下半分に一点鎖線で示す。その非作動状態における膜の面は、この実施の形態のアセンブリ1の作動を説明するための基準面Dを表している。膜8が円形であり、膜8の球状変形が作動時に求められる場合、膜8の縁部は、非作動位置と完全に作動した位置との間のすべての位置において円形で平面のままであるため、支持リング2、10は剛体であってもよい。しかし、この実施の形態のレンズアセンブリ1の膜8の球状変形に対しては、支持リング2、10は、図10に示すような作動時に、膜形状のゆがみを回避するよう曲がらねばならない。必要とされる曲がりは、特に、長辺3、5に沿って顕著である。
支持リング2、10の所望の曲がりを達成するため、リングはそれらが所望の外郭形状を取れるように可撓性でなければならず、それらの曲げ剛性はそれらの範囲周辺で異なり、その結果、膜アセンブリ1の作動時に膜8の増加した表面の張力の影響下で、リング2、10が、それらの範囲周辺で不均一に応答し、それらを所定の方法で曲げるか、曲がることを可能にしている。図9を参照して上で説明したように、この実施の形態において、曲げ剛性の変化は、それらの範囲周辺でリング2、10の幅を変化させることによって達成される。
上で説明したようなリング周囲の曲げ剛性における所定の変化を得るのに必要な支持リング2、10の幅の実際の変化は、PCT/GB2012/051426に記載されているような有限要素解析法(FEA)によって計算してもよい。準静的または低周波光学用途およびその他用途に対して、静的FEAを適切に採用してもよい。しかし、他の実施の形態において、表面が例えば音響用途を目的とする場合、動的FEAが適切である。当業者が認識するように、FEAは、それが静的または動的のいずれであっても、実際には図10に示すような作動点(A)に印加される増加力Fを伴う結果となる膜形状を計算するよう選択したパラメータの入力と共にコンピュータを用いて実行される多数の反復を伴う。要素形状は、実行される計算に適合するように選択される。この実施の形態のリング2、10の設計に対して、四面体要素形状が適切であることが見出された。入力する選択パラメータには:支持リング2、10の寸法形状、膜8の寸法形状、膜8の係数、リング2、10の係数(係数がリング周りでどのように変化するか(実験的に、または適切な数式を用いて定義されてもよい)を含む)、ディスク24の係数、いずれかの部品における予張力量、温度および他の環境的要因が含まれる。FEAプログラムは、負荷が作動点(A)においてリングに印加される際に、膜8に印加される圧力がどのように増加するかを求めることができる。
光学的な使用に向けてリング2、10を正確に設計するために、FEA解析の出力は、一般式(1)のひとつ以上のゼルニケ多項式関数によって定義されるように膜の所望形状に近づけられる。この実施の形態では、球面ゼルニケ関数を使用しているが、高次球関数も、望ましければ、多数のゼルニケ多項式の合計である形状を作成することによって用いることができる。
FEA出力は、FEA出力が選択した関数によって定義されるような所望形状にどのように良好に近似しているかを見るために膜8全体に渡る選択したゼルニケ関数と相関される。FEA出力および選択した関数が互いにどのように良好に相関しているかによって、レンズの関連パラメータが調節されて、次の反復への良好な適合を達成できる。FEAにより計算した、膜8のシミュレートされた変形が、選択したゼルニケ多項式関数によって記述されるような所望の表面形状にどのように良好に近似しているかを見ることによって、当業者は、選択した支持リング2、10のパラメータがどのように良好に作動するかを見ることができる。支持リング2、10のどの領域が、FEA出力および所定形態に近似する選択した関数の相関関係を向上するよう調整する必要があるのか(または、他のどのパラメータを調節すべきなのか)を判定することができる。
上記の反復プロセスは、支持リング2、10の変形(および作動点(A)において印加される力F)により度数が連続変化するレンズを設計できるように、多くの異なるレンズ度数にわたって実行される。支持リング2、10は、それらの範囲周辺のz軸上の撓みによって、および、要求されるレンズ度数における調節に関して、可変的に曲がるように設計されている。それらの範囲を取り巻くアセンブリ1のz軸に垂直なx−y平面における支持リング2、10の幅の変化も、所望の光学中心OCに対する相対的なヒンジ点(H1)、(H2)および作動点(A)の位置を考慮に入れ、異なるレンズ形状に対して調節できる。
一旦、膜8の形状を、上で説明したFEAによって計算すると、光学レンズ面としての膜8の光学的特性を、計算された膜形状を用いて適切な光線追跡ソフトウェア(例えば、ワシントン州レッドモンドのRadiant Zemax社から入手可能なZemax(商標)光学ソフトウェア)により決定してもよい。
作動時の膜支持リング2、10の外郭形状は、所定形態において膜8の縁部の外郭形状に合致しなければならないため、支持リング2、10が静的に保持されるヒンジ点(H1)、(H2)は、リング2、10がアセンブリ1の作動時に平面基準Dに対して相対的に変位しない点に対応するよう選択される。作動時の膜形状のゆがみを回避するため、ヒンジ点(H1)、(H2)は、理想的には、図10に示すような光学中心OCに対して相対的に単一の円形輪郭上に位置決めされるべきであるが、実際には、ヒンジ点(H1)、(H2)の位置は、最終的な膜形態の必要以上のゆがみがなく同じ輪郭から僅かに離れてもよい。この実施の形態には2つのヒンジ点(H1)、(H2)があるが、他の実施の形態では、すべてが光学中心に対して相対的に同じ輪郭上またはその近傍に設置されるのであれば、より多くのヒンジ点があってもよい。さらに別の代替において、下記のように、少なくとも3つの作動点があれば、ヒンジ点が無くてもよい。
同様に、リング2、10が作動装置によりz軸上で能動的に変位してキャビティ22を圧縮する作動点(A)は、非作動位置と完全に作動された位置との間の各位置の作動点(A)におけるリング2、10の実際の変位が、所定形態の膜8の縁部と同じ外郭形状を有するよう膜8の縁部にとって必要な作動点(A)におけるリング2、10の変位と等しいか、実質的に等しいように選択される。この実施の形態では、設けた作動点(A)はひとつだけであるが、他の実施の形態では、所望の所定形態を達成するために必要な膜縁部外郭形状の複雑さに応じて、複数の作動点があってもよい。
力がリング2、3に印加される制御点(すなわち、作動点およびヒンジ点)のための設計ルールは、同時係属出願PCT/GB2012/051426に開示されており、その内容を引用して本願に組み込む。しかし、一般には、膜8の面を画成するには少なくとも3つの制御点が存在すべきである。そしてさらに、リング2、10上の各点にまたはその近傍にひとつの制御点が存在すべきであり、ここで、膜8の変形時に所定の形態を生じるのに必要なリング2、10の外郭形状が、2つの隣接点の間の制御点に印加される力の方向の転換点を示し、ここで、リングの外郭形状が、反対方向への変曲点または転換点を示す。
この実施の形態において、リング2、10の一方の短辺7は、膜8の円形輪郭のひとつに実質的に追従し、そのため、仮にそうであるとしても、その長さに沿って曲がる必要はほとんどない。実際には、この実施の形態において、剛性化リブ3aは支持リング2、10の一方の短辺7の剛性を高めるように働き、その結果、作動時の膜8の形状の許容できる僅かな量のゆがみを伴って、作動点(A)を一方の短辺7に沿って実質的に都合の良いどの場所にも位置決めできる。
上で説明したように、膜支持リング2、10は、レンズアセンブリ1の作動時にz軸で曲がらねばならない。支持リング2、10は、アセンブリが作動する場合に、膜8で増加する表面の張力に応じて、かかる曲がりを可能にするよう十分に可撓性であるが、作動時に膜8の形状を制御する所定の方法での所望の曲がりと共に、可撓性支持リング2、10は、膜形状の忠実度を維持するためには避けるべき制御されない曲がりも受けやすい。特に、支持リングが作動時に平面基準Dに対して曲がるよう構成されている一方、それらはまた、アセンブリが作動していない場合でも、基準平面内で面内の曲がりを受けやすい。この面内の曲がりは、本発明の実施の形態によって制御される。
上で説明したように、この実施の形態の膜8は、膜のたるみや皺を減らすか無くするように、ひずみが最大で約5%になるように非作動状態の支持リング2、10に予め張力がかけられている。実施の形態によっては、必要であれば、例えば、最大10%またはさらに最大15%または最大20%のさらに大きな予張力を用いてもよい。この予張力は、支持リング2、10上に作用する。ここで、支持がなければ、リングは、制御されない面内曲げを受けやすい。さらに、アセンブリ1の作動時に、キャビティ22内の流体11の圧力が変化して、膜8を膨張させる。したがって膜8における表面の張力は増加し、追加の応力が支持リング2、10にかかり、支持リング2、10の所望形状における望ましくないゆがみのリスクが高まる。
ここで説明する第1の実施の形態のレンズアセンブリにおいて、透明ディスク24は、膜サブアセンブリを支持するように働く。アセンブリ1の作動時、支持ディスク24は、基準平面Dに対してz軸上で膜支持リング2、10と共に曲がるよう十分に可撓性であるが、xまたはy軸上の望ましくない面内の曲がりに抗してリング2、10を補強するように働く。ディスク24は、xy平面において支持リング2、10の剛性を高めるように働くが、z軸上のリングの面外剛性を著しく増加することはなく、それによって、リングが基準平面に対してz軸上で撓んで、作動時に膜8の所定形態を生じるのに必要な所望の外郭形状を取ることを可能にしている。xy平面において支持リング2、10の剛性を高めることによって、リング2、10は、非作動時および作動時にリングに作用する膜8内の表面の張力の影響の下で、xy平面における曲がりや他の変形に抗して補強される。
この実施の形態では、支持ディスク24がポリカーボネートからできているが、他の実施の形態では、ダイヤフラムは、xy平面の適切な剛性を有するもののファイバの配向のためにz方向の剛性が低いファイバ材料から適切に作成されてもよい。
この実施の形態のディスク24の面内剛性は実質的に均一であるが、実施の形態によっては、NS方向の剛性がEW方向の剛性よりも高いダイヤフラムを用いてもよく、この方向性の剛性を用いて、作動時の膜8の差ひずみをさらに補償してもよい。 (NS方向、EW方向は、それぞれ使用状態に置いたとき、例えばめがねの場合に、それを人が掛けたとき、垂直方向、水平方向を指す(図9を参照するときはそれぞれ短辺7、9方向、長辺3、5方向))
膜8の満足な変形を達成するために、膜8内の実質的に均一な表面の張力を維持するのが望ましい。この実施の形態のレンズアセンブリ1等の光学的用途に対して、これは、レンズの良好な光学的品質を保証する要因となる。この実施の形態の略矩形のレンズアセンブリ1の場合のように膜がxy平面の一方向において他の方向よりも長いアセンブリの場合、支持リング2、10は通常、作動時の所望の膜形態を生じるために、短軸に沿ってよりも長軸に沿ってより曲がることが求められる。図9に示すように、この実施の形態において、支持リング2、10は、作動時にNS軸に沿うよりもEW軸に沿ってより大きくz軸上で撓んでいる。支持リング2、10のこの曲がりの差は、膜8がNS方向よりもEW方向でより多くひずむので、膜8内の表面の張力にわずかな程度の異方性を導入してもよい。しかし、支持ディスク24は、一つの軸(EW方向)に沿って主にz方向に曲がり、これは、他のNS軸に沿う支持リング2、10の面外剛性を増加させる傾向がある。EW方向に沿う支持リング2、10の曲がりは、支持リング2、10の短辺7、9を互いに近づける効果がある一方で、NS方向の同様の内側への曲がりに抗するように支持リング2、10の剛性を高める。これには、NS方向における膜8上のひずみを維持しながら、EW方向における膜8上のひずみを小さくする効果があり、それによって、EWおよびNS方向における膜8の表面の張力を再度釣り合わせる傾向がある。しかし、予張力ひずみは増分作動ひずみよりも著しく大きいため、これはわずかな効果であり、実施の形態によっては、EWおよびNS方向における支持ディスクの均一な面外剛性を維持することがより望ましい場合もある。
可撓性側壁18を備える流体充填皿形部品12および膜サブアセンブリ2、8、10は、弾性クッション状エンベロープを形成している。作動装置を用いてキャビティ22を圧縮する際、キャビティ22内の流体11の圧力は、大気圧に対して漸進的に徐々に増加し、弾性膜8を膨張させる。同様に、他の実施の形態において、キャビティ22を膨張させて流体圧を大気圧に対して減少させてもよい。作動点(A)で作動装置によって印加される力を解放すると、アセンブリはその非作動状態へ自動的にかつ弾性的に戻る。
図13Bは、本発明の第1の実施の形態のレンズアセンブリ1における上記の支持ディスク24と置き換えてもよい第1の変形例の支持ディスク124を示す。第1の変形例の支持ディスク124の外形は支持ディスク24と同じであり、その結果、保持リング6および前後カバープレート4、16によって画成されるアセンブリ1の内部空隙内で支持ディスク24と置き換えてもよい。第1の変形例の支持ディスク124は、上記の方法で作動装置と係合するための突出タブ126を備えている。しかし、2つのより小さなアパーチャ32a、32bの代わりに、第1の変形例の支持ディスク124は、4つの大きいアパーチャ132a、132b、132c、132dを備えており、それぞれが、支持ディスク124の縁部に隣接する略三角形に切り抜かれた部分Tと、ディスク124の中心に略向かって延在する細長い柄状の軸部分Sとを備えるアルベロス(「靴屋のナイフ」)と同様の形状を有している。図13Bから見て取れるように、各アパーチャ132a、132b、132c、132dは、長辺3、5および短辺7、9のうちのそれぞれひとつの間の、支持ディスク124のそれぞれの角部に略向かって位置決めされている。アパーチャ132a、132b、132c、132dの全体のパターンは、第1の変形例の支持ディスク124の形状である略「クローバの葉」である。
第1の変形例の支持ディスク124の材料は、図13Aに示す支持ディスク24と同じであり、同じ厚さを有していてもよいが、上記の構成におけるより大きなアパーチャ132a、132b、132c、132dは、上記の支持ディスク24とは異なり、EW方向に沿った第1の変形例の支持ディスク124の面外の曲がりがNW方向に沿った支持ディスク124の曲げ剛性に著しい影響を及ぼさないように、x軸およびy軸に沿った第1の変形例の支持ディスク124の曲がりを「分断」するものである。実施の形態によっては、これは、支持ディスクが支持リング2、10と共に面外で自在に曲がることが依然として可能であるようにするためには望ましい。
図13Cに第2の変形例の支持ディスク224を示す。第2の変形例の支持ディスク224も、上記の第1の実施の形態のレンズアセンブリ1の支持ディスク24と置き換えるような形状と寸法になっており、突出タブ226を備えている。第2の変形例の支持ディスク224は、大きな中央アパーチャ232を備えており、第2の変形例の支持ディスク224は略環状である。この実施の形態において、第2の変形例の支持ディスク224は、図13Cに示すようなその範囲周辺で実質的に均一な幅wを有している。第2の変形例の支持ディスク224上の大きな中央アパーチャ232の効果は、第1の変形例の支持ディスク124の4つの大きなアパーチャ132a、132b、132c、132dと同じであり、即ち、EW方向(長辺に平行な方向)およびNS方向(短辺に平行な方向)における第2の変形例の支持ディスク224の曲がりを分断して、アセンブリ1の作動中にz軸上の第2の変形例の支持ディスク224の実質的に均一な面外の曲げ剛性を維持している。
図14は、第2の変形例の支持ディスク224と嵌合する、本発明の第2の実施の形態による別の模式的な膜アセンブリ201を断面で示している。レンズアセンブリ201は、2つの部品(前後部207、208)で形成される保持リング206、前部カバープレート204、および後部カバープレート216を備えている。膜アセンブリ201の構造は、上記の第1の実施の形態のレンズアセンブリ1の構造と大きくは類似しており、類似する材料を対応する部品に用いてもよく、ここで詳細に説明しない。
後部カバープレート216は、保持リング206の後部207の後面に接合(接着)されている。前後部207、208は一緒に接合されており、前部カバープレート204は前部207に接合されて封止ユニットを形成している。アセンブリは、フレーム部293内に嵌合され、保持リング206の前部207と一緒に、前部カバープレート204のためのベゼル(受け溝)を形成している。
前後カバープレート204、216および膜アセンブリ201の保持リング206は、可撓性側壁218と後壁219とを有する可撓性皿形部品212を収容する内部空隙を画成している。皿形部品212の後壁219は、後部カバープレート216の前面217に接合されており、皿形部品212の側壁218は、第2の変形例の支持ディスク224が接合される前方封止フランジ220を有している。保持リング206の2つの部品は内側肩部236を画成しており、前方封止フランジ220は肩部236の前方に離間している。
第2の変形例の支持ディスク224は、その外周で、皿形部品212と共に封止キャビティ222を形成する弾性膜208の後面に接合されており、キャビティ222は流体211で満たされている。膜208の前面は、曲げることのできる膜支持リング202に接合されている。第2の実施の形態の膜アセンブリ201は、単一の膜支持リング202のみを有しており、膜208の後面は、上記のような第2の変形例の支持ディスク224に直接接合されている。実施の形態(不図示)によっては、ディスク224は、適切なスペーサリングを用いて膜から離間され、実質的にその全体範囲にわたって流体がディスク224と膜208との間に介在でき、それによって、膜がディスク224から「剥離する」ことを防いでもよい。しかし、第2の実施の形態は、第1の実施の形態のレンズアセンブリ1と同様の方法で、前後支持リングを等しく良好に備えることが正しく理解されよう。膜208は、上記のように、膜支持リング202の全体に予め張力がかけられる。
第2の実施の形態の膜アセンブリ201を動作させるために、皿形部品212は、キャビティ222の容積を減少させるために適切な作動装置(不図示)を用いて圧縮され、それによって、キャビティ内の流体211の圧力を高め、第1の実施の形態に関して上で説明したように膜208を前方に膨張させる。作動装置は、第1の実施の形態に関して上で説明したように、力を膜支持リング202および支持ディスク224に(タブ226を介して)印加するよう配置される。支持リング202は、リング作動時に面外に変位されないひとつ以上の箇所において、保持リング206とヒンジ接続される。図14において、作動点およびヒンジ点は、明確にするため、割愛した。
図14は比例尺になっていないが、第2の変形例の支持ディスク224の幅wは、膜208の表面の張力からの面内ゆがみに対抗する膜支持リング202の十分な補強を備えるために、膜支持リング202の幅の約2〜10倍の範囲であってもよいことが正しく理解されよう。支持ディスク224の幅wに対する支持リング202の幅の正確な比率は、作動時の面外の曲りにおける所定の変化を提供するよう、支持リング202の幅における変化のために支持リング202周囲で変化してもよい。
レンズアセンブリ1の支持ディスク24と、第1および第2の変形例の支持ディスク124、224とは、単数または複数の膜支持リング2、10;202を、面内変形に抗して補強する一方で、所定の方法でのリングの面外の曲がりを許容して膜8、208の所定形態を達成する。しかし、実施の形態によっては、膜サブアセンブリは、座屈のさらなる問題に悩まされるかもしれない。膜の表面の張力のために、膜および支持リングの構成によっては、ある程度の不安定さを呈し、支持ディスクによって与えられる追加の面内剛性にもかかわらず、双曲放物面形状を形成するよう面外で座屈する傾向を呈するかもしれない。この問題は特に膜が平面であって、例えば非作動状態にある場合に明らかであり、平坦からのいずれかのズレが表面の張力をいくらか解放し、それ故有利に働く。しかし、座屈は、例えば、作動時に膜が平面形態にある実施の形態において、アセンブリが作動する場合に生じる。これは、膜が徐々に膨張する際に、効果は減少する傾向にある。本発明の実施の形態によっては、この種の座屈は問題ではない、または少なくとも重大な問題ではないが、他の実施の形態においては、支持ディスクを、以下で説明するような座屈に抗するある程度の安定性を提供するようにしてもよい。
したがって、図13Dおよび13Eは、第1の実施の形態の膜アセンブリ1における支持ディスク24または第2の実施の形態の膜アセンブリ201における第2の変形例の支持ディスク224と置き換えてもよい第3の変形例の支持ディスク324を示す。第3の変形例の支持ディスク324は、第2の変形例の支持ディスク224と類似しているが、一方の長辺3から他方の長辺5へ支持ディスク324を横断して延在する後方に突出する横断フランジ330が追加されている。この実施の形態において、フランジ330は、支持ディスク324と一体に形成されるが、他の実施の形態において、別体として作成され、膜アセンブリの組立前に、支持ディスク324の後面に接合されてもよい。フランジ330は、支持ディスク324から後方に延在し、後面332で終端を成す。フランジ330は、膜アセンブリ1;201の不動部と係合して、上記の種類の座屈に抗して膜サブアセンブリを安定させる形状および寸法となっている。特に、この実施の形態において、フランジ330の後面332は、皿形部品12;212の後壁19;219と係合してもよい。皿形部品12;212の後壁が割愛され、皿形部品の側壁が後部カバープレート16;216に直接接合される実施の形態において、フランジ330の後面332は、後部カバープレート16;216の前面17上に直接係合してもよい。
フランジ330は、膜サブアセンブリが作動時に面外で変位しない位置または大きく変位しない位置で、アセンブリの長辺3、5において支持ディスク324に結合される。
図13Fおよび図13Gに、第4の変形例の支持ディスク424を示す。第4の変形例の支持ディスク424は、第3の変形例の支持ディスク324と類似しているが、単一の実質的に直線状のフランジ330の代わりに、第4の変形例の支持ディスク424が2つの個別の弓形フランジ430aおよび430bを含み、そのそれぞれが支持ディスク424のそれぞれの長辺3、5から垂れ下がるように形成され、後面432で終端を成すことが異なる。この実施の形態において、フランジ430a、430bはxy平面で湾曲しており、膜支持リング2、10;210が作動時に面外で変位しない輪郭に実質的に追従している(図9に示す輪郭線を参照)。
ここで説明する本発明の第1および第2の実施の形態において、単数または複数の膜支持リング2、10;210は、支持ディスク24;124;224;324;424を用いて、面内の曲がりまたはゆがみに抗して剛性を高められる。しかし、本発明の他の実施の形態は、代替の面内曲がり制御装置を含んでいる。例えば、実施の形態によっては、補強ダイヤフラムは、所望の面内剛性を提供するために実質的にそれらの範囲全体の周囲で単数または複数の支持リング2、10;202に結合される網目シートまたはメッシュ等を備えていてもよい。ダイヤフラムは、リングまたは膜8;208の著しい局所変形を何ら引き起こすことなく、負荷が均一に分散されるならば、その周囲の近くで、実質的に連続して、または離間した位置において、リング2、10;202に接続されてもよい。
図15は、本発明の第3の実施の形態による後部膜支持リング510を示す。膜支持リング510の形状は、例えば、図9に示すような第1の実施の形態のレンズアセンブリ1の後部膜支持リング10と同様であり、第3の実施の形態の後部リング510は、上記のリング10および支持ディスク24の代わりにレンズアセンブリ1で用いられてもよい。第3の実施の形態の後部支持リング510は、第1の実施の形態において用いられる種類の前部支持リング(不図示)に積層され、膜(同様に不図示)がそれらの間に挟持される。
第3の実施の形態の後部膜支持リング510は、その範囲周辺でリング510に接合される複数の非弾性支柱(ストラット)524を備えている。各支柱524は、一方の辺から他方へ支持リング510を横切って延在している。2セットの支柱が備えられ、うち1セットは、アセンブリの一方の長辺3から他方の長辺5へ支持リング510を垂直に横切って延在し、他方のセットは、一方の短辺7から他方の短辺9へ支持リング510を水平に横切って延在している。各支柱524は、各端部において支持リング510に接合されるか、そうでなければ堅固に固定されるが、別々の支柱524は互いに接続されないので、作動時に支柱524は必要に応じて互いに摺動できる。支柱524は、z軸上の面外でその剛性に著しく影響を及ぼすことなく、xy平面において膜支持リング510の剛性を高める。
光学的用途に対して非弾性支柱は透明であるのがよく、それらがユーザには不可視であるように、アセンブリ内の流体、膜、および後部カバープレートと同じ屈折率の材料からできているのが好ましい。
これより以前に説明した支持ディスク24;124;224;324;424および支柱524はそれぞれ、xy平面における膜支持リング2、10;202の曲がりに抗する一方で、支持リングの面外の曲がりを許容するが、実施の形態によっては、単数または複数の膜支持リングにおいてある程度の制御された面内の「弾力性」を許容することが望ましい。膜内の予張力、作動時のひずみ、および、膜支持リングと膜との間の接合部の強度を含む、多くの制限因子は、膜アセンブリの設計に影響を及ぼす。実施の形態によっては、リング曲がり制御装置を用いて、膜で増加する表面の張力に対する支持リングの応答を制御して、支持リングが作動時にxy平面において制御された範囲まで曲がり、それによって、所定の作動時のひずみに対して、膜8に、より大きい程度の曲率を与えるようにしてもよい。このような配置が、この実施の形態等の非円形膜を備えるアセンブリだけでなく、円形膜を備えるアセンブリにおいても有利であることが正しく理解されよう。
このように、図16、17A、および17Bは、作動時の膜支持リングのある程度の面内変位を許容するようなリング曲がり制御装置を含む本発明の第4の実施の形態による別の膜アセンブリ601の一部を示している。図17Aで最も良くわかるように、第4の実施の形態のアセンブリ601は、膜608を間に挟持する前後膜支持リング602、610を備える膜サブアセンブリを有している。膜608は、リング602、610全体にわたって予め張力がかけられて、たるみや皺等を回避している。後部膜支持リング610は、後壁619および前方に延在する可撓性側壁618を有する皿形部品612の前方封止フランジ620に円周方向で接合されている。皿形部品612の後壁619は、剛性もしくは実質的に剛性であってよく、または、可撓性であって、剛性後部カバープレート(不図示)により支持されていてもよい。膜アセンブリ601の基本構造は、上記第1および第2の実施の形態のアセンブリ1;201の構造と類似しており、これ以上詳細には説明しない。第1および第2の実施の形態におけるように、皿形部品612および膜608は、流体611で満たされた封止キャビティ622を形成している。
本発明の第4の実施の形態の膜アセンブリ601の動作は、第1および第2の実施の形態の膜アセンブリ1;201の動作方法と類似するが、第4の実施の形態の膜アセンブリ601が圧縮の代わりに膨張することによって作動することが異なる。図17Aは、膜608が平面であり、皿形部品の側壁618が部分的に折りたたまれている非作動状態の膜アセンブリ601を示す。作動時、可撓性側壁618は膨張し、真っ直ぐに伸びて、キャビティ622の容積を増加させる。これは、図17Bの矢印の方向に力を膜支持リング602、610に印加する一方で、後壁619を固定位置に保持することによって達成される。これにより、キャビティ622内の流体611の圧力を低減する効果があり、膜608は凹状に内側へ(後方に)膨張する。
作動時に膜608の所定形態を達成するために、膜支持リング602、610は曲げることができ、上記のようにそれらの範囲周辺で変化する(異なる)曲げ剛性を有している。しかし、支持リング602、610の曲げることのできる性質は、それらが上記のような制御されていない面内の曲がりを受けやすいことを意味している。したがって、本発明の第4の実施の形態において、膜サブアセンブリは、複数の剛性で非弾性の曲がり制御レバー624に接続されている。アセンブリ601の正面図である図16は、4つの曲がり制御レバー624を示しているが、これらは単に図示する目的のためであり、実際には、それらの範囲周辺で支持リング602、610の面内の曲がりを十分に制御するのに必要なだけの多くの曲がり制御レバー624を用いてもよい。
各曲がり制御レバー624は、一端において後部膜支持リング610に、または、代替として支持リング610と並列する膜608自体に、ヒンジ接続され、他端において皿形部品612の後壁619にヒンジ接続される。各曲がり制御レバー624は、非作動時に膜608の平面(第1の実施の形態に関して上記したような平面基準)と鋭角をなすように構成され、配置される。適宜、各曲がり制御レバー624は、完全に作動した場合でも、平面基準に対して45°未満の角度を内在する。このように、曲がり制御レバー624は、リング602、610の面外変位に著しい影響を及ぼすことなく、膜支持リング602、610の面内の曲がりまたは他の変形を制御するのに役立っている。
曲がり制御レバー624は剛体であるため、膜サブアセンブリに接続される各レバー624の端部は、円弧である作動時の軌跡に追従することは言うまでもない。このように、作動時に、膜支持リング602、610は、xy平面において内側に変位するようにされる、またはそれを可能にし、よって膜608に与えられたひずみを調整する。
図17Bに示すように、第4の実施の形態の変形例において、アセンブリ601は、膜が非作動時に凹形であるように構成されてもよい。また、アセンブリは、作動を達成するよう圧縮されてもよく、このときは図17Aに示すように、膜は作動時に平面形態を取る。この変形例において、作動時の膜の平面を用いて、膜支持リングの変位を測定するための都合の良い基準を画成してもよい。
本発明の第5の実施の形態によれば、図18Aおよび18Bには、図16、17A、17Bの膜アセンブリ601のさらなる変形例の一部が示されている。ここでは、複数の曲がり制御レバー724が、膜サブアセンブリ、特に前部膜支持リング702と前部カバープレート706の後面との間に接続されている。第5の実施の形態のアセンブリは、流体キャビティ(不図示)が圧縮されて作動を達成するように配置され、前部カバープレート706への曲がり制御レバー724の接続が、後部カバープレートの必要をなくし、用途によっては、特に、スペースを節約する点で有利である。例えば、レンズ用途において、アセンブリ全体を可能な限り薄くするために後部レンズを割愛することが望ましい。第5の実施の形態のアセンブリは、曲がり制御レバー724が膜708の平面基準と鋭角をなし、そのため、リング702、710の面内変位を制御することにより、作動時に僅かな程度の制御された面内変位を生じる、またはそれを許容しながらも、膜支持リング702、710の面外の曲がりに何の影響も及ぼさないという点で第4の実施の形態と同様の方法で動作する。
本発明の実施の形態によれば、ひとつ以上の曲がり制御装置が、単数または複数の膜支持リングの面内変位に抗するために、またはそれを制御するために備えられる。曲がり制御装置は、少なくともアセンブリが非作動状態にある場合に、膜における予張力による単数または複数のリングの面内変位に抗する。作動時には、膜における予張力が徐々に増加する場合、ひとつ以上の曲がり制御装置が、単数または複数の膜支持リングの面内変位に抗し続けてもよく、さもなければ、本発明の第4および第5の実施の形態に関して上記のような制御される程度の面内変位を許容するようにしてもよい。本発明の第1および第2の実施の形態において、補強ダイヤフラム、あるいは支持ディスク24;224は、単数または複数の膜支持リングの曲がりを制御するよう備えられており、本発明の第3の実施の形態において、曲がり制御装置は、膜支持リングを横切って延在する複数の支柱524を備えている。本発明の第4および第5の実施の形態において、曲がり制御レバー624;724は、xy平面における単数または複数の膜支持リングのある程度の制御された変位を許容するように設けている。種々の他の種類の曲がり制御装置は、以下でより詳細に説明するように、本発明の実施の形態の範囲内にある。
したがって、図19、図20A、および図20Bは、本発明の第6の実施の形態による膜アセンブリ801を示し、曲がり制御装置は、膜サブアセンブリの外周の周囲で円周方向に配設される複数の2バー式リンク機構824を備えている。図19を参照すると、膜アセンブリ801は、806で略示する不動支持構造を備えている。実施の形態によっては、支持構造806は、膜アセンブリ801の可動部を収容および支持するハウジング、ケース、保持リング等を備えていてもよい。支持構造806内部に、アセンブリ801は、膜808を間に挟持する、曲げることのできる前後の膜支持リング802、810を含む膜サブアセンブリを備えている。各膜支持リング802、810は、適切な作動装置(不図示)に取り付けるための、第1の実施の形態に関して上で説明した種類の突出タブ826を備えている。膜サブアセンブリは、可撓性側壁818と、剛性の後部カバープレート816に取り付けられる後壁819とを有する皿形部品812の前方封止フランジ820に支持され、これに接合される。前記剛性後部カバープレート816は、不動構造806の一部を形成してもよい。膜サブアセンブリおよび皿形部品812は、流体811で満たされた封止エンベロープ822を形成する。
図20Aに示すような非作動状態において、膜808は平坦であるが、作動時に、皿形部品812の側壁818は圧縮されてエンベロープ822の容積を減少させ、それによって、膜808を図20Bに示すように膨らませ前方に膨張させる。第6の実施の形態のアセンブリの構造および動作は、膨張ではなく圧縮により作用することを除いて、大部分が第4の実施の形態の構造および動作に類似しており、ここでは詳細に説明しないが、膜支持リング802、810の面内の曲がり制御は、第4の実施の形態の曲がり制御レバー624の代わりに、2バー式リンク機構824によりもたらされる。
2バー式リンク機構824はそれぞれ、2つのレバーを備える。一方のレバー825は、一端において後部カバープレート816または不動支持構造806の別の部分にヒンジ接続され、他端において膜サブアセンブリへ摺動自在に接続される。そして他方のレバー826は、一端において膜サブアセンブリにヒンジ接続され、他端において後部カバープレート816または不動支持構造806の他の部分へ摺動自在に接続される。2バー式リンク機構824は、一次曲げ軸線上の膜支持リング802、810の変位を許容してエンベロープ622の圧縮を可能にし、リング802、810の曲げを可能にして上記のような膜の縁部の外郭形状を制御するよう配置されているが、2バー式リンク機構824は、リング802、810の面内移動を妨げている。
図19、図20A、および図20Bに示す第6の実施の形態において、2バー式リンク機構824は、膜支持リング802、810の外側に「アウトボード(機外)」方法で配設される。本発明の第7の実施の形態による代替の配置を図21に示す。ここで、複数の2バー式リンク機構924は、膜支持リング902、910の「インボード(機内)」で、エンベロープ922内部の流体911内に位置決めされる。インボード2バー式リンク機構924は別として、図21の第7の実施の形態の構造および動作は、図14を参照して上で説明した第2の実施の形態の構造および動作と同様である。上記の本発明の第3、第4、および第5の実施の形態の曲がり制御支柱524およびレバー624;724と同様に、第7の実施の形態のエンベロープ922内部に配設される2バー式リンク機構924は、光学的用途のために流体911と屈折率が一致するのがよい。
本発明の第6および第7の実施の形態の2バー式リンク機構824;924は、膜サブアセンブリの面外の撓みを許容するが、膜支持リング802、810;902、910の面内の曲がりに抗するよう構成される。図22A、22B、および23は、膜サブアセンブリの周囲で同様に円周方向に離間するが、上記の第4および第5の実施の形態の曲がり制御レバー624;724に類似する方法で、膜サブアセンブリの曲がりおよび制御された面内変位による面外の撓みを許容するよう構成され、配置される4バー式リンク機構1024;1124を備える本発明の2つの実施の形態を示している。
このように、図22Aおよび図22Bは、それぞれ非作動状態および作動状態の本発明の第8の実施の形態による膜アセンブリ1001を略示する。第8の実施の形態の膜アセンブリ1001は、予め張力がかけられた膜1008を間に挟持する前後膜支持リング1002、1010のそれぞれを備える。サブアセンブリは、後部カバープレート1016に固定して支持される可撓性側壁1018および後壁1019を有する皿形部品1012の前方に面するフランジ1020に円周方向で接合される。皿形部品1012および膜1008は、上で説明した種類のシリコーンオイル等の適切な流体1011で満たした流体充填キャビティ1022を画成する。図22Aに示すような非作動状態において、膜1008は平坦である。アセンブリ1001を作動させるために、適切な作動装置(不図示)を用いて、リング1002、1010を上記のような適切な制御点において変位させて、キャビティ1022を圧縮し、その内部の流体1011の圧力を増加させ、それによって、膜1008を図22Bに示すように膨らませ前方に膨張させる。上記のように、リング1002、1010は、それらの範囲周辺で異なる曲げ剛性を有して、膜が作動される場合に所定形態を生じるよう、膜1008の縁部の形状を制御する。
各4バー式リンク機構1024は、一端において後部膜支持リング1010に(または、代替として、リング1002、1010に並列する膜1008に直接)ヒンジ接続される第1のレバー1025と、一端において第1のレバー1025に、そして、離間した位置の別の端部において皿形部品1012の後壁1019上にそれぞれヒンジ接続される2つの他方のレバー1026、1027とを備えて、一次曲げ軸上のリング1002、1010の面外変位および曲がりを許容し、アセンブリの作動時にリング1002、1010の制御された面内変位も可能にする4バー式リンク機構を形成している。このように、4バー式リンク機構1024を用いて、アセンブリ1001が作動する場合に、膜1008に与えられるひずみを調節できる。4バー式リンク機構1024は、流体1011内部の、膜支持リング1002、1010の「インボード」に配設される。第8の実施の形態の膜アセンブリ1001はレンズアセンブリでの使用に適している。この場合、上記の他の実施の形態と同様に、膜1008、流体1011、および後部カバープレート1016は、適切に透明であるのがよく、屈折率が一致することが好ましい。同様に、かかる光学的用途に対して、4バー式リンク機構1024は、ユーザには不可視であるように、流体1011と屈折率が一致するのがよい。
図23は、第9の実施の形態の膜アセンブリ1101を示す。この膜アセンブリは膜支持リング1102、1110の外側に配設される曲がり制御リンク機構1124を備えることを除けば、前項で説明した第8の実施の形態の膜アセンブリ1001と類似する。図23において、膜アセンブリ1101を作動状態で示す。
本発明の第8および第9の実施の形態の膜アセンブリ1001;1101は、レンズアセンブリ等の光学的用途、および非光学的用途に用いられてもよい。用語「前部」、「後部」等は、本発明の先の実施の形態の説明を明確にし、それらとの一貫性を保つために、アセンブリ1001;1101の部品の説明に用いられる。これらの用語は、レンズアセンブリに適しており、図1および2に示す種類のメガネの文脈において部品を説明する。メガネ用のレンズアセンブリ以外の用途(光学的または非光学的)に対して、「前部」または「後部」として説明される部品は、必ずしも関連するアセンブリの前部または後部において、またはそれに向かって配設される必要はない。例えば、用途によっては、膜は上方に面して配設されてもよく、その結果、「前部膜支持リング」が実際には「後部膜支持リング」の上に配設され、類似の用語はそれに応じて解釈すべきである。実際には、本明細書から明らかなように、本発明の実施の形態の膜アセンブリは、多種多様の異なる用途に用いられてもよく、上記の第1から第7の実施の形態のアセンブリでさえも、他の分野での使用のために適切に採用されてもよい。ここで、用語「前部」および「後部」は、使用中のそれぞれの部品の実際の位置を説明していなくてもよいが、それにもかかわらず、これらの用語は、異なる実施の形態のアセンブリ内部の部品同士の相対的な空間的関係を説明するためには有用である。
図24は、リング曲がり制御装置が膜支持リング1202の「外側」の円周で円周方向に配設される複数のばね1224を備える本発明の第10の実施の形態による膜アセンブリ1201を略示する。各ばね1224は、一端において膜支持リング1202へ堅固に固定され、別の端部において図24に略示的にのみ示す不動支持体1206に固定されている。上記のように、支持体1206は、膜アセンブリ1201の用途に従って、第1および第2の実施の形態に関して説明した種類の保持リング、またはハウジング、ケース等を備えていてもよい。弾性膜1208は、予張力の下で膜支持リング1202の全体に張られている。
膜1208は、流体の本体(不図示)と接触し、調節器が、先の実施の形態において説明したものと同様の方法で、流体の圧力を調節して膜1208を選択的に膨張させるために備えられている。膜支持リング1202は曲げることができ、本発明の実施の形態の原理に従って作動時に膜1208の形状を制御するようその範囲周辺で異なる曲げ剛性を有している。
曲がり制御ばね1224は、膜支持リング1202の面外変位を許容して、例えば、アセンブリ1201の作動を可能にし、また、一次曲げ軸上の撓みによるリング1202の曲がりも許容して、使用中のリングの外郭形状を変化させて、膜の形状を制御する。また曲がり制御ばね1224は、膜支持リング1202の制御される程度の面内の曲がりまたは変形を許容して、作動時の膜1208におけるひずみを制御する。ばね1224は、膜1208のみの予張力の下で非作動状態の膜支持リング1202の面内変位に抗するよう選択される係数を有しているべきであるが、アセンブリが作動する場合に膜1208における増加する張力の下でリング1202の制御された変位を許容してもよい。
図25〜27は、本発明の第11の実施の形態による膜アセンブリ1301を略示し、リング曲がり制御装置が、一対の前後膜支持リング1302、1310の周囲で円周方向に離間する複数の前方に延在するピン1324によって設けられている。図27で最も良くわかるように、各ピン1324は、後部カバープレート1316に堅固に固定され、そこから前方に突出し、リングがピン1324上で摺動できるように、リング1302、1310に形成される対応するアパーチャ1325を貫通して延在している。第11の実施の形態の膜アセンブリ1301の構造および動作は、上記の第2および第7の実施の形態のアセンブリ201;901の構造および動作と類似しているが、曲がり制御装置1324に関して、アセンブリ1301の作動に対するz軸上の膜支持リング1302、1310の面外変位を許容し、先に説明した方法でリング1302、1310の外郭形状を制御するが、リング1302、1310の面内の曲がりまたは他の変形を防ぐことが異なる。
ピン1324は、後部カバープレート1316に接着接合されてもよく、あるいは当業者にとって公知の他の適切な手段によって固定されてもよい。アセンブリ1301は、膜1308および可撓性側壁1318を有する皿形部品1312によって形成される流体充填キャビティ1322を備え、ピンは、キャビティの外側で側壁1318に隣接して配設され、ピン1324の内側の膜サブアセンブリ1302、1308、1310に円周方向に封止される側壁1318上の前方に面するフランジ1320を貫通して延在する。
第11の実施の形態の変形例において、ひとつ以上のピン1324を、斜角で後部カバープレート1316に取り付けてもよい。適切には、各ピン1324は、後部カバープレート1316の前方に、膜支持リング1302、1310の隣接領域に対してxy平面において実質的に直角で横向きに延在する。アセンブリ1301は、本発明の先の実施の形態に関して上で説明したものと同様の方法で側壁1318を圧縮することによって作動する。ひとつ以上の作動点において、リング1302,1310は、適切なアクチュエータ(不図示)によって一次曲げ軸上で能動的に変位し、他の位置において、リング1302、1310は、それらの範囲周辺でリング1302、1310の可変曲げ剛性により、面外の一次曲げ軸上で曲がる。リングが、角度ピン1324に取り付けられる点において面外で変位する場合、リング1302、1310はまた、図28に示すように面内に移動させられ、これを用いて、アセンブリが作動する場合に膜1308に印加されるひずみを制御してもよい。
所定の外郭形状を達成するよう膜1308の縁部を面外で変位すべきではない位置によっては、リング1302、1310を、摺動移動を防ぐ方法でピン1324に固定してもよいことも、正しく理解されよう。当業者は、その範囲周辺の膜1308の縁部の所望の面内および面外の移動を達成するよう、ピンの必要数およびそれらの所望の構成を決定することができるだろう。
図29〜31は、本発明の第12の実施の形態による膜アセンブリ1401を略示する。図30に示すように、第12の実施の形態のアセンブリ1401は、予張力の下でリングによって保持される弾性膜1408を間に挟持する曲げることのできる前後の膜支持リング1402、1410を含むリングサブアセンブリを備えている。サブアセンブリは、剛性の後部カバープレート1416によって支持される後壁1419および可撓性側壁1418を有する皿形部品1412の前方に面するフランジ1420に担持されている。膜1408および部品1412は、上で説明した種類の適切な流体1411で満たされたエンベロープを画成する。
サブアセンブリは、図29に示すようなその範囲周辺で離間する位置で複数の曲がり制御固定具1424にも取り付けられる。各固定具1424は、アセンブリ1401の不動部品1406に堅固に固定されるフランジ付ニブ(鳥のくちばし状部)1426を備える。部品1406を図29〜31に略示する。先の実施の形態と同様に、部品1406は、アセンブリの可動部品を収容するハウジング、ケース、保持リング、フレーム等の部品であってもよい。実施の形態によっては、ニブ1426を、部品1406と一体に形成してもよい。
第12の実施の形態のアセンブリにおいて、各ニブ1426は、膜サブアセンブリの前方に配設されており、そのニブは、後方に向かって延在するフランジ1428を備えている。そのフランジは、後端部1429が終端となっており、その終端は、前部リング1402の前方に離間する位置にある。各ニブは、z軸上で前後方向に延在する曲げることのできるロッド1430を摺動自在に支持する。曲げることのできるロッド1430は、図31Aおよび31Bで最も良くわかるような、前部膜支持リング1402に取り付けられる後端部1431を有している。ロッドは、膜1408に対してニブ1426のフランジ1428の外側で、それに最も近接して配設されている。
図31Aに示すような非作動状態において、ロッド1430の後端部1431は、フランジ1428の後端部1429を越えて短い距離を突出しているが、フランジ1429によって膜1408内の表面の張力の影響の下で内側に大きく曲がらないようになっている。
しかし、作動時に、部品1412の側壁1418は、適切な作動装置(不図示)を用いて、先の実施の形態に対して説明したものと同様の方法で圧縮される。固定具1424は、側壁1418を圧縮し、所定の膜形態を達成するよう、それらの範囲周辺で曲げて膜の縁部の外郭形状を制御するためのリング1402、1410の面外変位を許容する。リングがz軸上で変位するにつれて、ロッド1430は、ニブ1426に対して相対的に長手方向に摺動する。これにより、ロッド1430の後端部1431が、フランジ1428の後端部1429を越えてさらに突出し、そのため、ロッドの後端は、フランジによって拘束されない。したがって、ロッド1430の後端1431は、膜1408内の表面の張力の影響の下で、膜1408に対して相対的に内側に曲がることが可能となる。ロッド1430の剛性は、アセンブリ1401が作動する場合にロッドの曲がりを制御して膜1408のひずみを制御するよう選択される。
膜支持リング1402、1410周辺のロッド1430の剛性が同じであっても、異なっていてもよいことは、正しく理解されよう。リング1402、1410が、作動時に面外に変位されないことを要するリング周囲の領域でロッドに接続される場合、ロッド1430は、その対応するニブ1426に対して摺動しなくてもよい。
したがって、本発明の実施の形態は、ひとつ以上の曲げることのできる周囲膜支持リング2、10;202;510;602、610;702、710;802、810;902、910;1002、1010;1102、1110;1202、1210;1302、1310;1402、1410による張力の下で保持される弾性膜8;208;608;708;808;1008;1208;1308;1408によって少なくとも一方の辺に隣接される流体充填エンベロープを備える膜アセンブリ1;201;601;801;901;1001;1201;1301;1401を提供する。エンベロープ内の流体圧を、例えばエンベロープを圧縮することによって増加させて、または、例えばエンベロープを膨張させることによって減少させて、膜を横切る圧力差を変化させることによって、膜を凸状または凹状のそれぞれに膨張させてもよい。単数または複数の膜支持リング2、10等の曲げ剛性は、作動時の膜8等の縁部の外郭形状を制御するよう、その範囲周辺で変化している。本発明の実施の形態によれば、撓みによる単数または複数のリング2、10等の面外の曲がりを許容するが、単数または複数のリング2、10等の面内の曲がりまたは変形に抗する、またはそれを制御する種々の異なる種類のリング曲がり制御装置24;124;324;424;524;624;724;824;924;1024;1124;1224;1324;1424が提供される。実施の形態によっては、リング曲がり制御装置624;724;1024;1124;1224;1324;1424は、作動時の膜8等におけるひずみを制御するために、単数または複数のリング2、10等の制御される程度の面内の曲がりを許容してもよい。リング曲がり制御装置は、単数または複数のリング2、10等の面内の曲がりを阻止するまたは実質的に防ぐ膜支持ディスク24;124;224;324;424と、複数の支柱524;レバー624;724、リンク機構824;924;1024;1124、ばね1224、または、単数もしくは複数のリング2、10等が摺動するよう配置される本発明の第11の実施の形態のピン1324、または、第12の実施の形態の曲げることのできるロッド1430等の他の曲がり制御装置を備えていてもよい。 これらは、アセンブリが作動する場合に制御される程度の面内の曲がりを許容するよう成される。
単数または複数の膜支持リング2、10等の曲がりを制御する他の方法は、本明細書の教示に従って、当業者にとっては明らかである。本発明の実施の形態は、曲げることのできる膜支持リング2、10等の使用を有利に許容して、作動時の膜の縁部の外郭形状を制御する一方で、膜8等における表面の張力の結果としての支持リング2、10等の望まないまたは制御されていない曲がりを防ぐ。
上記のように、本発明の実施の形態を、レンズアセンブリ、特に、メガネに使用するためのレンズアセンブリを特に参照してここで説明した。しかし、本発明の実施の形態のレンズアセンブリは、ゴーグル、ヘルメット、および様々な種類の科学および光学機器等の他のレンズ用途に等しく良好に適用可能である。レンズアセンブリにおいて、光学部品は以下説明するように透明であるが、本発明はまた、制御可能に調節可能な表面を提供するよう同様の方法で構成され、動作する他の種類の変形可能膜アセンブリも包含する。例えば、光学分野において、本発明の実施の形態を用いて、制御可能に調節できる鏡面を提供してもよく、本発明の実施の形態の膜アセンブリは、選択的および制御可能に調節可能な動的形状を持つ表面が必要とされるであろう音響等の非光学分野にその用途を見出してもよい。
本発明の実施の形態のレンズアセンブリ1;201;601;701;801;901;1201;1301;1401は、老眼の矯正に対して特に適している。使用において、レンズアセンブリ1等は、遠距離から近距離までの距離範囲における物体に焦点を合わせるために、アセンブリを作動することによって調節できる。
1、1’ レンズアセンブリ
2 前部膜支持リング
3、5 長辺
7、9 短辺
3a、3b 剛性化リブ
4 前部カバープレート
6 保持リング6
8 膜
10 後部リング
11 透明オイル
12 皿形部品
13 保持リングの側壁
14 後部カバープレートの後面
15 前縁部
16 後部カバープレート
17 後部カバープレートの前面
18 可撓性側壁
19 皿形部品の後壁
20 前方封止フランジ
22 内部キャビティ
23 側壁の内面
24 ディスク
25 スロット
26 リングの突出タブ
28a、28 孔
32a、32b 透明ディスクのアパーチャ
34 後部フランジ
36 周方向肩部
39 型リング係合構成部
90 メガネ
92 フレーム
93 リム部
93a 前リム部
93b 後リム部
94 テンプル
95 ブリッジ
93b 後部リム部
93a 前部リム部
97 合わせねじ孔
(A)、(H1)、(H2) 位置
D 基準面

Claims (25)

  1. 張力の下で、可撓性の膜支持部材によって、縁部の周囲で保持される弾性膜と;
    前記膜の一面と接触する流体であって、膜を膨張させることにより前記膜の形状を調節するように前記流体の圧力が制御可能な流体と;
    前記膜の張力による負荷に応じて前記膜の膨張方向に平行な一次曲げ軸に垂直な平面における前記支持部材の曲がりを制御するよう前記支持部材上に作用するひとつ以上の曲がり制御装置とを備え;
    前記膜支持部材は、前記一次曲げ軸上の局所的な撓みによって、前記一次曲げ軸の方向に曲がり、前記膜の縁部の外郭形状を膜が膨張するにつれて変化させるように構成され;
    前記ひとつ以上の曲がり制御装置は、前記一次曲げ軸上の前記膜支持部材の撓みに影響を及ぼすことなく、前記一次曲げ軸に垂直な平面における前記膜支持部材の変形に抗するように構成された;
    変形可能膜アセンブリ。
  2. 前記流体は調節可能な容積のエンベロープ内に収容され、前記アセンブリが、前記エンベロープの容積を調節して前記流体の圧力を制御するための選択的に動作可能な調節器を備える、
    請求項1に記載の変形可能膜アセンブリ。
  3. 前記エンベロープは固定支持に取り付けられ、前記調節器は、前記固定支持に対して前記エンベロープを圧縮または膨張させるよう動作可能である、
    請求項2に記載の変形可能膜アセンブリ。
  4. 前記流体は実質的に一定の容積のエンベロープ内に収容され、前記アセンブリは、前記エンベロープから流体を注入または排出し、それによって、前記流体の圧力を制御するための選択的に動作可能な調節器を備える、
    請求項1に記載の変形可能膜アセンブリ。
  5. 前記膜が非円形である、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の変形可能膜アセンブリ。
  6. 前記ひとつ以上の曲がり制御装置は、前記支持部材が、前記アセンブリの作動時に制御された方法で、前記一次曲げ軸に垂直な方向で曲がることを許容する、
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の変形可能膜アセンブリ。
  7. 前記ひとつ以上の曲がり制御装置は補強ダイヤフラムを備える、
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の変形可能膜アセンブリ。
  8. 前記補強ダイヤフラムは前記流体内に配設されたプレートを備え、前記プレートには、それを貫通して延在するひとつ以上のアパーチャが形成され、
    前記プレートは、前記膜の縁部と実質的に同じ形状のプレートを備え、膜支持部材に固定された、
    請求項に記載の変形可能膜アセンブリ。
  9. 前記プレートは、2つの相互に横断する軸に沿って前記一次曲げ軸の方向に撓むよう構成された、
    請求項に記載の変形可能膜アセンブリ。
  10. 前記プレートは、前記膜が平面の場合に変形に抗して前記プレートを補強するように働くひとつ以上の垂れ下がるように形成されたリブを担持する、
    請求項又は請求項に記載の変形可能膜アセンブリ。
  11. 前記1以上のリブは、前記支持部材が前記アセンブリの作動時に変位しない点において、またはその近傍において前記プレートに結合された、
    請求項10に記載の変形可能膜アセンブリ。
  12. 前記リブは、前記膜が作動時に変位しない輪郭に追従する、
    請求項11に記載の変形可能膜アセンブリ。
  13. 前記プレートを横断して延在するひとつ以上の線形リブが備えられる、
    請求項11に記載の変形可能膜アセンブリ。
  14. 前記アセンブリは、前記プレートを座屈に抗して補強するために、1以上の固定部品を備え、前記1以上のリブは、前記固定部品のうちの1以上と係合する、
    請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の変形可能膜アセンブリ。
  15. 前記ひとつ以上の曲がり制御装置は、前記膜支持部材の反対側の区間または領域の間に延在する複数の支柱を備える、
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の変形可能膜アセンブリ。
  16. 前記ひとつ以上の曲がり制御装置は複数のレバーを備え、各レバーは、一方の端部で前記膜または膜支持部材に固定され、他方の端部で前記アセンブリのひとつ以上の固定部品に固定され、各レバーは、前記一次曲げ軸上の撓みによる前記支持部材の自在な曲がりを許容し、前記曲げ軸に垂直な平面における前記支持部材の制御された変形を許容する、
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の変形可能膜アセンブリ。
  17. 前記ひとつ以上の曲がり制御装置は、前記膜の周囲を取り巻いて円周方向に離間する複数のリンク機構を備え、各リンク機構は、前記膜または前記膜支持部材と前記アセンブリのひとつ以上の固定部品との間に接続された、
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の変形可能膜アセンブリ。
  18. 各リンク機構は、前記一次曲げ軸上の撓みによる前記膜支持部材の曲がりを許容するが、前記一次曲げ軸に垂直な平面における前記支持部材の変形に抗するよう構成された、
    請求項17に記載の変形可能膜アセンブリ。
  19. 各リンク機構は、前記一次曲げ軸上の撓みによる前記膜支持部材の曲がりを許容し、前記一次曲げ軸に垂直な平面における前記支持部材の制御された変形を許容するよう構成された、
    請求項17に記載の変形可能膜アセンブリ。
  20. 前記支柱は、前記膜支持部材の範囲周辺の異なる量の面内変位を許容するよう構成された、
    請求項15に記載の変形可能膜アセンブリ。
  21. 前記リンク機構は、前記膜支持部材の範囲周辺の異なる量の面内変位を許容するよう構成された、
    請求項19に記載の変形可能膜アセンブリ。
  22. 前記ひとつ以上の曲がり制御装置は複数のばね部材を備え、前記ばね部材のそれぞれは、一方の端部で前記膜支持部材に接続され、他方の端部で不動部品に接続された、
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の変形可能膜アセンブリ。
  23. 前記ひとつ以上の曲がり制御装置は前記膜支持部材と係合された摺動部であって、前記アセンブリの作動時に前記支持部材の移動を前記摺動部に沿った所定の軌跡に規制する複数の摺動部を備える、
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の変形可能膜アセンブリ。
  24. 前記ひとつ以上の曲がり制御装置は、前記膜支持部材を取り巻く離間された位置に配設される複数の曲げることのできるロッドを備え、各ロッドは、前記一次曲げ軸と整列され、一方の端部で前記支持部材に接続され、前記アセンブリの固定部品に固定されて前記一次曲げ軸上の前記ロッドの摺動を許容する取付け部材と摺動自在に係合され、各取付け部材は、前記アセンブリが作動しない場合に前記ロッドが横方向に曲がることを防ぐよう配置されるフランジを含み;
    前記配置では、各接続ロッドの一方の端部が前記フランジを越えて延在し、これにより現れる前記ロッドの部分が前記膜の表面の張力の下で前記一次曲げ軸を横断する平面において曲がるように、前記アセンブリの作動時に、前記一次曲げ軸上の撓みによる前記支持部材の曲がりにより、前記ロッドの1以上がそれらそれぞれの取付け部材に対して摺動するようになっている、
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の変形可能膜アセンブリ。
  25. 請求項1乃至請求項24のいずれか1項に記載の変形可能膜アセンブリを備える、メガネ類の製品。
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