以下、添付図面を参照し、本発明の発光性液体収容容器および発光システムを詳細に説明する。
本発明の発光性液体収容容器(以下、単に収容容器という)は、発光性液体を内部に充填することにより、発光した発光性液体の光が収容容器を透過して、収容容器を発光させるものである。収容容器の用途は特に限定されないが、たとえば、コンサート会場や、イベント会場、夜間の催事、インテリアなど、暗所において発光玩具、演出具として用いられる。
収容容器に収容される発光性液体とは、化学発光反応により発光する液体をいう。発光性液体は、収容容器内に収容されたときに発光する液体であれば、特に限定されない。発光性液体は、具体的には、蛍光液と、蛍光液を酸化させる酸化液とから構成される。なお、本明細書における「発光性液体」という用語は、発光する前(混合される前)の液体、混合され発光した後の液体、一度発光した後、発光しなくなった液体のいずれかを意味しており、発光している状態の液体のみをいうものではない。
蛍光液としては、たとえば、蛍光色素、シュウ酸エステルなどを含む溶液を使用することができる。蛍光色素としては、ジフェニルアントラセン(青)、ビスフェニルエチニルアントラセン(緑)、クロロビスフェニルエチニルアントラセン(黄)、テトラセン(黄緑)、ローダミンB(赤)などがあげられる。
酸化液としては、たとえば、過酸化水素、サリチル酸ナトリウムなどを含む溶液を使用することができる。なお、蛍光液および酸化液は、互いに反応して化学発光するものであれば、特に限定されず、所望の発光色や発光時間等に応じて適宜変更が可能である。
まず、発光性液体が収容される収容容器について第1の実施形態に沿って説明する。
(第1の実施形態)
図1に示されるように、本発明の収容容器1は、透光性を有する容器本体2と、容器本体2に設けられ、外部から発光性液体L(図2および図3参照)を導入する導入部3と、容器本体2に設けられ、導入された発光性液体Lにより容器本体2内の空気Aを外部に導出する空気導出部4を備えている。
容器本体2は、発光性液体Lが収容される収容部である。容器本体2は、発光した発光性液体Lが外部から視認できるように、透光性を有している。容器本体2は、たとえば透明または半透明な材料により構成される。なお、容器本体2は、少なくとも一部が透光性を有し、発光状態が外部から視認できるものであればよく、全体が透明または半透明のものであってもよいし、容器本体2の一部を透明または半透明とし、他の部分を非透光性としても構わない。
容器本体2は、本実施形態では、図1に示されるようにチューブ状の容器本体2として示されている。しかしながら、容器本体2の形状は、容器本体2内部に発光性液体Lを収容する空間が形成されたものであればよく、チューブ状に限定されるものではない。たとえば、容器本体2は、後述するようにボール状、パウチなどの袋状に形成されてもよいし、特に図示はしていないが、螺旋状や、人や動物、その他、物の形を模した他の複雑な形状とすることも可能である。
容器本体2は、非可撓性であってもよいし、可撓性を有していてもよい。たとえば、容器本体2を曲げずに使用する場合には、剛性を有し、基本的には変形しない材料から構成することができ、使用時に折り曲げて使用する場合は、可撓性を有する材料から構成することができる。容器本体2の材料は特に限定されず、用途に応じて各種樹脂材料やシリコーンゴムなどを用いることができる。容器本体2に用いられる材料としては、たとえば、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール等の合成樹脂、シリコーンゴム等を用いることができる。
なお、収容容器1の容器本体2の内部には、図1に示されるように、最初は空気Aが入った状態で発光性液体Lは収容されていない。
容器本体2には、図1に示されるように、導入部3が設けられている。導入部3は、空気Aが入った空の収容容器1内に、発光性液体Lを導入する部位である。導入部3は、本実施形態では、図1に示されるように、容器本体2とは別体の、容器本体2に接続される導入部側キャップ部材C1に設けられている。しかしながら、導入部3は容器本体2と一体に成形したものであっても構わない。本実施形態では、図1に示されるように、チューブ状の容器本体2の一端に形成された開口に、導入部3を備えた導入部側キャップ部材C1が液密に接続されている。なお、導入部3(導入部側キャップ部材C1)を設ける位置は、容器本体2内に発光性液体Lを導入可能な位置であればよく、容器本体2の一端に限定されるものではない。また、導入部3を備えた導入部側キャップ部材C1と容器本体2との接続方法は、たとえば、公知の溶着、接着方法により液密に接続される。しかしながら、導入部側キャップ部材C1が容器本体2に液密に接続することができる方法であれば、その接続方法は特に限定されない。なお、導入部3(導入部側キャップ部材C1)の形状や材料は、導入部3と容器本体2とが液密に接続され、外部から発光性液体Lを導入することができるものであれば、特に限定されるものではない。
導入部3は、図1に示されるように、発光性液体吐出容器(以下、単に吐出容器という)5と接続するために接続部31を有している。本実施形態では、図1に示されるように、吐出容器5の吐出部材51が導入部側キャップ部材C1に形成された接続部31に接続される。具体的には、図1に示されるように、収容容器1の端部に形成された略筒状の接続部31が、吐出部材51の先端(上端)側に設けられた筒状の接続口51a内に挿入され、接続口51a内部の環状の溝51bに接続部31の先端部が嵌め込まれることにより、収容容器1と吐出容器5とが接続される。なお、接続部31と吐出部材51の接続は、上記接続方法に限定されるものではなく、略筒状の接続部31内側に吐出部材51の先端を嵌め込むことにより接続するなど、公知の他の接続方法により収容容器1と吐出容器5とを接続することができる。なお、吐出容器5の詳細については後述する。
導入部3は、図1に示されるように、容器本体2の内部に発光性液体Lを導入するために、容器本体2の内部に連通する導入路32を有している。導入路32は、収容容器1と吐出容器5とが接続されたときに、接続口51aの内側の空間と連通する(図3参照)。これにより、収容容器1と吐出容器5とが接続された後、吐出容器から発光性液体Lが吐出されると、導入部3の導入路32を介して、容器本体2内に発光性液体Lを導入することが可能となる。
導入部3は、本実施形態では、図1に示されるように、容器本体2内に発光性液体Lが導入された後に、導入部3の導入路32を液密に閉鎖する逆止弁33をさらに備えている。逆止弁33は、発光性液体Lが導入されるときには、導入路32と容器本体2内部を連通させるように導入路32を開放し、発光性液体Lが導入された後は、導入路32を閉鎖する。逆止弁33を設けることにより、発光性液体Lを容器本体2内に充填後、発光性液体Lが導入路32を介して漏れ出ることを防止することができる。本実施形態では、導入部側キャップ部材C1は、有底筒状の接続部31の底部から容器本体2の内部側へ向かって突出する、接続部31よりも小径の突出部34を有しており、この突出部34の外周に環状の弾性部材からなる逆止弁33(Oリング)が外嵌されている。突出部34の外周は、環状の逆止弁33が嵌まり込む溝部が環状に形成されており、この溝部に逆止弁33が嵌め込まれる。突出部34の内部には、導入路32が形成され、本実施形態では、導入路32は突出部34の突出方向に延びた後、この突出方向に対して略垂直方向に(突出部34の外周に向かって)さらに延び、突出部34の外周において導入路32が細孔状に開口している。発光性液体Lが容器本体2内に導入されるときは、この環状の逆止弁33が径方向外側に拡径し(図3参照)、発光性液体Lが導入された後は、逆止弁33が縮径する。この突出部34の外周に形成された開口を逆止弁33により塞ぐことにより、容器本体2内から導入路32側へ発光性液体Lが漏れ出すことが防止される。
なお、逆止弁33の構造は、公知の他の構造を用いることができ、図1に示した環状の逆止弁33に限定されるものではない。また、導入路32の経路も図1に示した経路に限定されるものではない。
つぎに、空気導出部4について説明する。空気導出部4は、導入された発光性液体Lにより容器本体2内の空気Aを容器本体2の外部に導出するように構成されている。空気導出部4は、容器本体2に発光性液体Lが導入されたときに、容器本体2内部の空気Aが押し出されて排出されるように構成されるとともに、発光性液体Lは外部に排出されないように構成されている。
本実施形態では、図1に示されるように、空気導出部4は、気体を通し液体を遮断する気液分離材41と、空気導出孔42とを備えている。空気導出部4は、図1に示されるように、容器本体2に設けられた導出部側キャップ部材C2に形成されている。なお、本実施形態では、略筒状の容器本体2の一端側に導入部側キャップ部材C1が設けられ、他端側に導出部側キャップ部材C2が設けられている。しかしながら、導出部側キャップ部材C2、すなわち空気導出部4が設けられる位置は、容器本体2の端部に限定されるものではない。
本実施形態で用いられる気液分離材41は、気体を通し、液体を遮断する。すなわち、容器本体2内の空気Aは通すが、発光性液体Lは通さないように構成されている。気液分離材41としては、気体を通し、液体は通さない径の細孔を有するフィルターを用いることができ、たとえば、綿、焼結体、スポンジ、多孔膜などを用いることができる。気液分離材41の細孔の径は、発光性液体Lを通さないものであれば特に限定されないが、たとえば、10〜300nmとすることができる。気液分離材41は、容器本体2に導入される発光性液体Lと接触する位置に設けられている。より具体的には、気液分離材41は、導出部側キャップ部材C2の容器本体2内部側に、その一部が露出するように設けられている。
空気導出孔42は、気液分離材41を通過した空気Aを外部へ導出するための孔である。空気導出孔42は、その一端が気液分離材41とつながり、他端が容器本体2の外部へとつながっている。本実施形態では、空気導出孔42は、導出部側キャップ部材C2に形成され、容器本体2内部の空気Aは、上流となる容器本体2の内部から、下流となる容器本体2の外部まで、気液分離材41を通り、気液分離材41の下流側に設けられた空気導出孔42を通って導出される。なお、気液分離材41の形状は、円盤状のものとして示されているが、気液分離材41は、空気導出孔42と容器本体2との間に配置され、発光性液体Lが外部に漏れださないものであれば、その形状、位置は特に限定されない。また、空気導出孔42の大きさや、個数も、気液分離材41を通過した空気Aが外部に排出されるように構成されていればよく、特に限定されない。
なお、本実施形態の導出部側キャップ部材C2は、導入部側キャップ部材C1の接続部31が嵌め込み可能に構成されている。これにより、複数の収容容器1同士を連結して、1つの発光体としたり、収容容器1の容器本体2が可撓性を有している場合に、容器本体2を湾曲させて、導入部側キャップ部材C1と導出部側キャップ部材C2とを接続して、リング状の発光体とすることもできる。
つぎに、収容容器1が接続される吐出容器5について説明する。吐出容器5は、発光性液体Lを吐出可能であり、容器本体2内に発光性液体Lを充填するための容器である。吐出容器5は、収容容器1の使用前(収容容器1を発光させて使用する前)に、収容容器1に接続される。空の収容容器1(発光性液体Lが未充填の収容容器1)、および、空の収容容器1に発光性液体Lを充填可能な吐出容器5は、これらのセットとして発光システムLSを構成する(図1参照)。吐出容器5は、収容容器1と接続が可能であり、容器本体2内に発光性液体Lを充填できるものであれば、特にその形状や構造は限定されないが、たとえば図2に示される吐出容器5を用いることができる。吐出容器5には、図2に示されるように、発光性液体Lとして、混合することにより発光する蛍光液L1と酸化液L2とが別々に充填されている。
吐出容器5は、図2に示されるように、外部容器52と、外部容器52の内部に設けられ、蛍光液L1が充填された第1パウチ53aと、外部容器52の内部に設けられ、酸化液L2が充填された第2パウチ53bと、蛍光液L1を吐出する第1吐出バルブ54aおよび酸化液L2を吐出する第2吐出バルブ54bを有するバルブアッセンブリ54と、第1吐出バルブ54aおよび第2吐出バルブ54bに接続された吐出部材51とを備えている。第1吐出バルブ54aは、第1パウチ53a内の蛍光液L1を吐出するために、第1パウチ53aに第1連結部材55aを介して連結されている。第2吐出バルブ54bは、第2パウチ53b内の酸化液L2を吐出するために、第2パウチ53bに第2連結部材55bを介して連結されている。外部容器52内の、第1パウチ53aおよび第2パウチ53bの外部には、第1パウチ53aおよび第2パウチ53b内の蛍光液L1および酸化液L2を噴射するために、噴射剤Gが充填されている。噴射剤Gとしては、液化ガス、圧縮ガスおよびこれらの混合物が挙げられる。液化ガスとしては、ハイドロフルオロオレフィン、液化石油ガス、ジメチルエーテルなどを用いることができる。圧縮ガスとしては、窒素ガスや炭酸ガス、亜酸化窒素ガス、圧縮空気などを用いることができる。
外部容器52は、底部、筒状の胴部、テーパー状の肩部を備えている。外部容器52には、たとえばアルミニウムなどの金属製の耐圧容器を用いることができる。外部容器52を金属製の容器とすることにより、日光を遮断し、外部容器52内部の蛍光液L1および酸化液L2を安定に保存することができる。
第1パウチ53aおよび第2パウチ53bは、可撓性を有し、第1パウチ53aおよび第2パウチ53bの外側からの、噴射剤Gによる圧力によって変形するように構成されている。第1パウチ53aおよび第2パウチ53bは、複数枚のシートを重ね合わせ、または、1枚のシートを折り合わせた後、周縁部を熱溶着や接着などにより貼り合わせて袋体を形成したものである。
第1パウチ53aおよび第2パウチ53bを構成するシートとしては、たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(NY)、エバール(EVOH)などの単層シートまたはこれらを積層した積層シートなどの合成樹脂シート、前記樹脂シートにシリカ(Si)やアルミナ(Al2O3)、炭素(C)などを蒸着した蒸着樹脂シート、アルミニウム(Al箔)などの金属箔シート、金属箔シートと合成樹脂シートを積層した金属/樹脂シートなどが挙げられる。これらの材質は第1パウチ53aおよび第2パウチ53bに充填される内容物に応じて適宜選択することができる。なかでも、内容物の透過を防止する遮断効果が高い点から、PE/Al箔/PE、PE/Al箔/PET、PE/Al箔/PET/PEなどの金属/樹脂シートが好ましい。
第1および第2連結部材55a、55bは、第1および第2パウチ53a、53bとバルブアッセンブリ54とをそれぞれ連結する。第1および第2連結部材55a、55bの下部は、第1および第2パウチ53a、53bの開口部を貼着する面を有する貼着部を備えており、上部に第1吐出バルブ54aおよび第2吐出バルブ54bのハウジングと連結する筒状の連結部を備えている。また、第1および第2連結部材55a、55bの内部には、第1および第2パウチ53a、53bの内部の液体をバルブアッセンブリ54側に供給するために、上下に貫通する貫通孔が形成されている。第1および第2連結部材55a、55bの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアセタール等の合成樹脂が挙げられ、第1パウチ53aおよび第2パウチ53bを構成するシートの最内層と同じ材質を用いることで加熱や超音波などによる溶着が容易になり好ましい。
バルブアッセンブリ54は、外部容器52を閉じるバルブホルダー54c、そのバルブホルダー54cに保持される第1および第2吐出バルブ54a、54b、ならびに、バルブホルダー54cと、第1および第2吐出バルブ54a、54bとを覆うように固定し、かつ、バルブホルダー54cを外部容器52の開口部に固定するマウンティングキャップ54dを備えている。
バルブホルダー54cは、外部容器52の開口部内面に沿って挿入される円柱状の栓部541と、外部容器52の上部に配置される円柱状の蓋部542と、蓋部542の下端に形成され、半径方向外側に突出するフランジ部543とを有する。フランジ部543は、外部容器52の口部の上面に配置される。栓部541の外周には、Oリング56を保持する環状凹部544が形成されている。また、バルブホルダー54cには、栓部541から蓋部542にかけて上下に貫通して形成された2つの筒状のホルダー部を備え、これらのホルダー部に第1吐出バルブ54aおよび第2吐出バルブ54bが嵌合され、保持される。
第1吐出バルブ54aおよび第2吐出バルブ54bは同じものであり、それぞれ第1連結部材55aおよび第2連結部材55bと連結されるものであり、第1および第2パウチ53a、53bから送り出される蛍光液L1および酸化液L2の流れを制御する。第1および第2吐出バルブ54a、54bのそれぞれは、バルブホルダー54cのホルダー部に取り付けられる略筒状のハウジング54eと、ハウジング54e内に上下動自在に挿入されるステム54fと、ステム54fのステム孔54gを閉じるステムラバー54hと、ステム54fを常時上方に付勢するスプリング54iと、ハウジング54eの全体を覆い外周が内側に変形されて固定するカバー54jとを有する。
各ハウジング54eは、スプリング54iを支持する環状の底部と、上部内面に形成されたステムラバー54hを保持する環状のラバー保持部と、上部外面に形成された半径方向外側に突出する環状のフランジ部と、そのフランジ部の下方に設けられた環状の溝部と、下面に形成された下方に突出し、第1および第2連結部材55a、55bが連結される筒状の連結部とを備えている。なお、ハウジング54eの環状の溝部には、Oリング54kが保持される。
第1および第2吐出バルブ54a、54bは、カバー54jの上部側面を各ハウジング54eの半径方向に環状にカシメることによりステム54fおよびステムラバー54hを各ハウジング54eに固定し、ステム孔54gをステムラバー54hにより常時シールする。
第1および第2吐出バルブ54a、54bは、バルブホルダー54cのホルダー部の貫通孔に挿入される。その際、第1および第2吐出バルブ54a、54bのカバー54jの下端が、カバー54jの形状に対応した形状の係止溝に挿入され、第1および第2吐出バルブ54a、54bの各Oリング54kが、ホルダー部の段部に当接されることで、貫通孔と第1および第2吐出バルブ54a、54bとの間がシールされる。
マウンティングキャップ54dは、バルブホルダー54cならびに第1および第2吐出バルブ54a、54bを覆う円筒状のカバー部と、バルブホルダー54cのフランジ部543と外部容器52の口部とを固定し、カバー部より大きい径の円筒状の固定部とを有する。
吐出容器5の上部には、蛍光液L1および酸化液L2を吐出するために操作される吐出部材51が設けられている。吐出部材51は、2つのステム54fの上端に取り付けられ、吐出部材51を押圧操作することにより、2つのステム54fを同時に押し込み、蛍光液L1および酸化液L2を同時に吐出するように構成されている。吐出部材51は、蛍光液L1が収容された第1パウチ53a側のステム54fに連通した蛍光液吐出路51cと、酸化液L2が収容された第2パウチ53b側のステム54fに連通した酸化液吐出路51dとを有している。
また、吐出部材51は、ステム54fに連結されるステム連結部51eと、収容容器1に連結される収容容器連結部51fとを備えている。本実施形態では、吐出部材51のステム連結部51eは、略筒状を呈し、収容容器連結部51fは、ステム連結部51eよりも小径の略筒状を呈している。収容容器連結部51fには、上述したように、収容容器1を差し込むための接続口51aが形成されている。接続口51aは、その底部側に、蛍光液吐出路51cと酸化液吐出路51dとが別々に吐出される吐出部51gが形成されている。
吐出部51gにおいて、蛍光液吐出路51cと酸化液吐出路51dの出口側の開口は近接して配置されており、吐出部51gから吐出された蛍光液L1および酸化液L2は、吐出部51gから吐出された際に、混合されるように構成されている。吐出部51gの周囲には、上述した導入部側キャップ部材C1の接続部31が接続される環状の溝51bが形成され、吐出部材51と収容容器1(導入部側キャップ部材C1)とが接続される。
図2の吐出容器5においては、第1パウチ53aの内部から吐出容器5の外部まで、蛍光液L1は、第1連結部材55a、ハウジング54e、ステム54fおよび吐出部材51の蛍光液吐出路51cを通過する。また、第2パウチ53bの内部から吐出容器5の外部まで、酸化液L2は、第2連結部材55b、ハウジング54e、ステム54fおよび吐出部材51の酸化液吐出路51dを通過する。つまり、吐出容器5に充填される蛍光液L1および酸化液L2は、それぞれ独立したパウチ、ハウジング、ステムおよび吐出路を経て吐出されるため、他方のパウチ内に混入することを防ぐことができる。
なお、図2に示した吐出容器5の構造はあくまで一例であり、吐出容器5に、蛍光液L1と酸化液L2とが別々に充填され、蛍光液L1および酸化液L2が吐出容器5からの吐出後に混合されるものであれば、他の構造であっても構わない。
つぎに、本発明の収容容器1および発光システムLSの作用効果について説明する。
図1に示されるように、本発明の収容容器1は、予め発光性液体が充填されているものではなく、収容容器1の内部が空の状態から、発光性液体Lを外部から充填可能に構成されている。
収容容器1に発光性液体Lを充填するときは、まず、収容容器1と吐出容器5とを接続する。収容容器1と吐出容器5との間の接続は、収容容器1の導入部3を吐出容器5の吐出部材51に液密に嵌合させて行う。具体的には、導入部側キャップ部材C1の接続部31を、吐出部材51の接続口51aに差し込み、接続部31の先端が接続口51a内の環状の溝51bに圧入して嵌合させることにより、収容容器1を吐出容器5に接続する。これにより、図3に示されるように、収容容器1の導入部3の接続部31の内側の空間Sは、吐出部材51により外部から遮断される。したがって、吐出容器5からの発光性液体Lの収容容器1への導入時に外部に発光性液体Lが漏れ出すことを防ぐことができる。
収容容器1と吐出容器5との接続が完了すると、収容容器1を吐出容器5に向かって、または吐出容器5を収容容器1に向かって押圧する。これにより、吐出部材51が押圧操作され、第1および第2吐出バルブ54a、54bのステム54fを押し下げる。ステム54fが押し下げられると、ステムラバー54hにより閉鎖されたステム孔54gが開放する。ステム孔54gが開放すると、第1パウチ53a内に収容されている蛍光液L1および第2パウチ53b内に収容されている酸化液L2が、噴射剤Gによる圧力により、開放したステム孔54g、ステム54fを介して吐出部材51側に吐出される。ステム54fを出た蛍光液L1は、蛍光液吐出路51cを通って吐出部51gから吐出される。また、ステム54fを出た酸化液L2は、酸化液吐出路51dを通って吐出部51gから吐出される。吐出部51gから吐出された蛍光液L1および酸化液L2は、吐出部51gから吐出された後に空間S内で混合される。
吐出された蛍光液L1および酸化液L2の混合液(以下、発光性液体Lという)は、収容容器1の導入部3の導入路32へと導入される。導入路32に導入された発光性液体Lは、その吐出圧により導入部3の逆止弁33を径方向外側に押し広げ、逆止弁33と突出部34の外周との間に隙間が形成され、容器本体2内部に発光性液体Lが導入される。吐出容器5からの吐出を中断または完了すると、押し広げられた逆止弁33は元の状態に復元して、導入路32を再び閉じる。この逆止弁33が設けられていることにより、発光性液体Lの充填中、または充填後に、発光性液体Lが導入部3から漏れ出すことがなくなる。したがって、発光性液体Lの充填中には、途中で充填操作が中断されても安全に充填操作を続けることができ、発光性液体Lの充填後も安全に収容容器1を使用することができる。また、収容容器1は、従来の収容容器のように内部にガラスアンプル等が入っていないため、収容容器1を使用した後に収容容器1を廃棄する際には、ビニール袋など収容容器を安全に廃棄するための廃棄容器に入れずに処分することができる。
吐出容器5から発光性液体Lを吐出していくことにより、収容容器1の容器本体2内部に発光性液体Lが充填されていく。収容容器1の容器本体2内には、発光性液体Lの充填前は、図1に示されるように空気Aが満たされている。図3に示されるように、発光性液体Lが充填されていくと、空気Aは発光性液体Lにより圧力が加えられる。本発明の収容容器1は、容器本体2が空気導出部4を備えているため、容器本体2内に発光性液体Lが導入されると、導入された発光性液体Lにより、容器本体2内の空気Aを外部に押し出して導出することができる。本実施形態では、発光性液体Lが容器本体2内に導入されていくと、空気Aは発光性液体Lの液面から圧力を受け、空気導出部4の気液分離材41の方へと押し付けられる。発光性液体Lからの圧力により、空気Aは気液分離材41を通過し、気液分離材41を通過した空気Aは、空気導出孔42を通って収容容器1の外部へと導出される。これにより完全に空気Aを排出して、発光性液体Lを容器本体2内に完全に充填することができる。
このように、空気導出部4を設けて、導入される発光性液体Lにより容器本体2内の空気Aを外部に排出することができるため、発光性液体Lを導入していく過程で、導入部3や空気導出部4に負荷がかかりにくい。すなわち、発光性液体Lの導入により容器本体2内の空気Aが圧縮され、空気Aが排出されない場合、その空気Aの圧力により、導入部3や空気導出部4(導入部側キャップ部材C1や導出部側キャップ部材C2)が、容器本体2から外れる方向に力を受けるが、空気Aは空気導出部4から排出されるため、空気Aの圧力が高まることを抑制することができる。したがって、導入部3や空気導出部4に負荷がかからず、導入部側キャップ部材C1や導出部側キャップ部材C2と、容器本体2との間の接合部が緩くなったり、外れたりすることがない。よって、容器本体2と、導入部側キャップ部材C1や導出部側キャップ部材C2との間からの発光性液体Lの液漏れを防止することができる。また、空気Aを容器本体2内部から排出したり、容器本体2内部の圧力を下げるために、特別な装置を用いる必要もないため、収容容器1を使用する一般消費者が簡単に発光性液体Lを充填することができる。
また、本実施形態の気液分離材41は、気体は通して液体は遮断するため、発光性液体Lは気液分離材41を通らない。したがって、発光性液体Lが空気導出部4側から漏れ出すことがなく、安全に発光性液体Lの充填操作をすることができる。また、発光性液体Lの容器本体2内への導入時に、発光性液体Lの発光反応により炭酸ガスなどが発生する場合があるが、その発生したガスを気液分離材41から放出することもできる。したがって、発光性液体Lから発光反応等によりガスが発生しても、そのガスを外部に放出して、容器本体2内部の圧力の高まりを防止することができる。したがって、導入部3や空気導出部4に、負荷がかかりにくく、発光性液体Lの液漏れを防止することができる。
収容容器1への発光性液体Lの導入が完了すると、収容容器1と吐出容器5との接続を解除し、発光玩具や、発光アクセサリなどとして使用する。ここで、発光性液体Lは、蛍光液L1および酸化液L2が吐出部51gから吐出される際に、吐出容器5による加圧された流れにより混合される。したがって、容器本体2に発光性液体Lが導入されるとすぐに発光性液体Lは発光し、すぐに発光効果を得ることができる。そして、発光性液体Lは、吐出容器5による加圧された流れによって蛍光液L1と酸化液L2とは自然に混合されるため、従来のガラスアンプルを割って蛍光液と酸化液を接触させて混合させるなどの操作が不要となる。
また、収容容器1と吐出容器5とを1つの発光ユニットとしてセットで用いることができる、発光システムLSとした場合には、用時に蛍光液L1と酸化液L2とを収容容器1に充填し、発光させることができる。したがって、使用直前に発光性液体Lを混合して発光させることができる。また、発光システムLSでは、吐出容器5から収容容器1に発光性液体Lを導入するだけであるので、充填操作が非常に簡単であり、また、目視で充填量を確認しながら充填できるため過剰充填を防止でき安全であり、さらに発光性液体Lの充填に大掛かりな装置を用いる必要もない。したがって、一般消費者が個人で発光性液体Lの充填操作を行うことができ、しかも、発光システムLSは持ち運びが容易であり、任意の場所で充填操作をすることができる。また、収容容器1が折り曲げ可能な可撓性を有するものの場合などは、使用時に収容容器1を任意の形状に曲げても、収容容器1内にはガラスアンプルなどが入っていないため、誤ってガラスアンプルを割ってしまうなどといった誤った操作をするおそれがない。さらに、使用前だけでなく、使用後に収容容器1を大きく曲げても、ガラスアンプルが収容されていないため、容器本体2が破損することがない。
つぎに、他の実施形態について説明する。以下の実施形態については相違点を中心に説明し、共通する部分についての説明は一部省略する。また、以下に示す実施形態では、吐出容器5としては、同じものを用いることができるため、吐出容器5の説明は省略し、収容容器1を主に説明する。また、以下に示す実施形態の収容容器1は、第1の実施形態と同様に、吐出容器5とともに発光システムLSとして用いてもよい。また、以下に示す実施形態では、第1の実施形態で詳細に説明した各部の構成を組み合わせて使用することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、導入部3と空気導出部4とが、収容容器1の同方向に設けられた態様である。
第2の実施形態の収容容器1は、図4に示されるように、容器本体2と、容器本体2に設けられたキャップ部材C3とを備えている。図4に示される容器本体2は、上部にキャップ部材C3を取り付けるための開口を有し、底部に平らな設置部を有し、胴部が球状に形成されている。
キャップ部材C3は、図4に示されるように、導入部3および空気導出部4を備えている。キャップ部材C3は、容器本体2の開口に対して液密に接続されている。キャップ部材C3は、容器本体2を閉鎖する蓋部CLと、蓋部CLから容器本体2内部側に突出する突出部34を備えている。より具体的には、キャップ部材C3は、円板状の蓋部CLと、蓋部CLから突出する、蓋部CLおよび容器本体2の内径よりも小さい略円筒状の突出部34とを備えている。図4では、突出部34は径の異なる2つの円筒が軸方向に並んだものとして示されているが、突出部34の形状は特に図示した形状に限定されるものではない。
図4に示されるように、キャップ部材C3の径方向内側に導入部3が設けられ、キャップ部材C3の径方向外側に空気導出部4が設けられている。導入部3は、吐出容器5と接続するために接続部31と、接続部31の内側の空間とつながり、容器本体2の内部に連通する導入路32を有している。また、導入路32の容器本体2内部側の開口は、逆止弁33により閉鎖されている。接続部31は、本実施形態では、キャップ部材C3の蓋部CLの中央部に形成された凹部として示され、吐出容器5の吐出部材51が嵌合できるように構成されている。なお、接続部31は、本実施形態では凹部として示されているが、吐出部材51が嵌合可能であれば、接続部31は、第1の実施形態のように軸方向外側に突出するように構成しても構わない。導入路32は、接続部31の底部から、キャップ部材C3の突出部34内部を突出部34の突出方向に延びた後、この突出方向に対して略垂直方向に延びている。
空気導出部4は、第1の実施形態と同様に、気液分離材41および空気導出孔42を備えている。本実施形態では、気液分離材41は、キャップ部材C3の突出部34の外周に設けられている。気液分離材41としては、たとえば、突出部34の外周を囲む環状の気液分離材41を用いることができる。空気導出孔42は、その一端が気液分離材41とつながり、他端が外部へとつながっている。本実施形態では、空気導出孔42は、キャップ部材C3の蓋部CLのうち、接続部31の径方向外側に形成され、突出部34の外周に設けられた気液分離材41とつながっている。すなわち、空気導出孔42は、接続部31に吐出容器5の吐出部材51が接続されたときに、吐出部材51により塞がれない位置に設けられ、容器本体2内の空気Aの容器本体2の外部への排出路が常時確保されている。
本実施形態では、図5に示されるように、キャップ部材C3の接続部31に吐出容器5の吐出部材51の先端を嵌合し、収容容器1と吐出容器5とを接続する。その後、吐出容器5から発光性液体Lを容器本体2内に導入すると、発光性液体Lは収容容器1の底部側から満たされていく。本実施形態では、収容容器1の上部側に設けられたキャップ部材C3から発光性液体Lが導入され、同じキャップ部材C3から空気Aが排出される。すなわち、導入された発光性液体Lの液面が高くなるにつれて、圧縮された空気Aは、キャップ部材C3に設けられた気液分離材41を透過して、空気導出孔42から排出される。
このように、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、容器本体2内の空気Aを排出しながら発光性液体Lを容器本体2内に導入することができる。したがって、容器本体2内の内部圧力の高まりによって、導入部3および空気導出部4が設けられたキャップ部材C3に負荷がかかりにくく、キャップ部材C3と容器本体2の接合部からの発光性液体Lの液漏れを防止することができる。また、キャップ部材C3に導入部3および空気導出部4の両方を設けているため、収容容器1の部材点数を減らすことができる。また、容器本体2との接合部の数が減少するので、発光性液体Lの液漏れの可能性をさらに減らすことができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、空気導出部4に、気液分離材41を設けずに、気液分離材41に代えて、容器本体2内を移動する可動弁43(図6参照)を備えた態様である。
本実施形態の容器本体2および導入部3(導入部側キャップ部材C1)の構造は、第1の実施形態と同様である。また、導出部側キャップ部材C2の構造は、気液分離材41が設けられていない点以外は、第1の実施形態で説明した構造と同様である。
本実施形態の収容容器1では、空気導出部4は、図6に示されるように、容器本体2の内部に容器本体2内を移動可能な可動弁43と、空気導出孔42とを備えている。可動弁43は、容器本体2内の導入部3側に配置されており、発光性液体Lを導入部3から導入することにより、発光性液体Lにより可動弁43が押され、容器本体2内を移動できるように構成されている。
可動弁43は、容器本体2の内壁に対して摺動可能、かつ、液密に接触している。これにより、導入部3側から導入された発光性液体Lは、可動弁43を超えて、空気導出孔42側に移動することがない。可動弁43の形状は、容器本体2の内壁に対して摺動可能、かつ、液密に接触できるものであれば、特に限定されないが、有底の筒状または皿状とすることができる。可動弁43は、容器本体2の内壁に対して液密に接触するために、たとえば、ゴムや合成樹脂等の弾性材料から構成することができる。
本実施形態では、図7に示されるように、導入部側キャップ部材C1の接続部31に吐出容器5の吐出部材51の先端を嵌合し、収容容器1と吐出容器5とを接続する。その後、吐出容器5から発光性液体Lを容器本体2内に導入すると、発光性液体Lは容器本体2の導入部3側から満たされていく。本実施形態では、可動弁43が容器本体2の内壁と液密に摺動し、発光性液体Lが可動弁43を超えて、空気導出孔42側に移動することを防止する。したがって、空気導出孔42から発光性液体Lが漏れ出すことを防止することができる。さらに、可動弁43が容器本体2内を移動可能で、容器本体2内の空気Aが可動弁43により空気導出孔42から押し出されるため、発光性液体Lを導入する際に、容器本体2内の内圧が高まることもない。したがって、導入部側キャップ部材C1および導出部側キャップ部材C2に負荷がかかりにくく、発光性液体Lの液漏れを防止することができる。また、可動弁43が設けられているため、容器本体2内の空気Aは、容器本体2内に充填された発光性液体Lの方へ移動しない。さらに充填後は可動弁により発光性液体が外部の空気と接触するのを防止するため、設計通りの発光効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、容器本体2を透明または半透明のパウチとし、空気導出部4をパウチのシート材の溶着状態を部分的に弱くした弱溶着部により構成した実施形態である。
本実施形態の容器本体2は、複数枚のシートを重ね合わせ、当該シートにより、導入部3を挟み込み、周縁部を熱溶着や接着などにより貼り合わせて袋体を形成する。パウチとしての容器本体2を構成するシートとしては、たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(NY)、エバール(EVOH)などの単層シートまたはこれらを積層した積層シートなどの透光性を有する合成樹脂シートなどが挙げられる。なお前記合成樹脂シートの一部を透光性を有しない蒸着樹脂シートや金属箔シートで覆い部分的に光を発するようにしてもよい。
導入部3は、溶着されるシート材により挟み込まれて保持される導入部材として示されている。この導入部材として示された導入部3は、溶着されるシート材に挟み込まれてシート材に保持される筒状の保持部35と、逆止弁33を内側に収容する略筒状の弁収容部36と、吐出容器5の吐出部材51が接続される接続部31とを備えている。保持部35は、シート材により挟み込まれ、シート材が溶着された後に、保持部35が容器本体2から抜け出ることを防止するために、保持部35の外周に凸状の係合部(図示せず)を有している。接続部31は第1の実施形態等と同様に有底筒状に形成され、接続部31の内側の底部から容器本体2内部側に向かって導入路32が形成されている。導入路32の容器本体2側の開口は、逆止弁33により閉鎖されている。逆止弁33は、本実施形態では、ボール弁が用いられている。この逆止弁33は、中央に流路Pが形成された弁座33aと、弁座33aの座面に当接するボール33bとを備えている。弁座33aは、導入部材の内部に固定されている。弁座33aのボール33bと当接している当接部33cは、筒状ではなく、弁座33aの当接部33cの側面には軸方向にスリットが形成され、側面が開放している。弁座33aは、弾性変形可能な材料から構成されている。弁座33aは、吐出容器5から発光性液体Lが吐出されると、ボール33bが容器本体2の内部側に移動して、当接部33cがボール33bに押圧されて変形し、当接部33cの側面から、流路Pを介して、発光性液体Lが容器本体2内に導入できるように構成されている。
容器本体2は、上述したように、透明または半透明のパウチであり、導入部3が設けられた側とは反対側の端部に、空気導出部4が形成されている。本実施形態では、空気導出部4は、パウチのシートが部分的に弱く溶着された弱溶着部44である。弱溶着部44は、たとえば、パウチのシートをヒートシールする際に、温度やシール時間を調整することによりシール強度を弱くしたり、ヒート盤に凹凸を設けて部分的にヒートシールしないなどにより、液体は通さずに気体は通す微小通路を形成することができる。
本実施形態では、図9に示されるように、収容容器1と吐出容器5とを接続した後、パウチである容器本体2内に、発光性液体Lが導入されると、発光性液体Lは、容器本体2の導入部3側から満たされていく。本実施形態では、発光性液体Lが導入されるにつれて、容器本体2内の空気Aが、弱溶着部44から排出される。したがって、導入部3と容器本体2の接合部や、パウチのシート材の接合部位(弱溶着部44以外の溶着された部位)に負荷がかからず、発光性液体Lの液漏れを防止することができる。また、容器本体2がパウチであるため、収容容器1を直方体、楕円体、平板状(帯状)など、様々な形状にして発光させることができる。したがって、収容容器1としての用途を広げることができる。また、空気導出部4を容器本体2と一体に形成することができるため部品点数が少なくなり、また発光性液体Lの充填前に、容器本体2内に空気がほとんどないため、発光性液体Lを充填しやすい。