JP6249649B2 - バンドの連結構造 - Google Patents

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Description

本発明は、腕時計等腕巻き式の機械装置や装身具に用いられるのに適したバンドを構成する駒の連結構造に関する。
下記特許文献1には、金属製の駒をピンで連結するバンドの実施例を記載している。
特許第3873147号公報(第3頁、図1) 特許文献1に記載された従来例の構造を説明する。
特許文献1の図1等において、バンドの駒は、平面形状が矩形の中駒(それぞれバンドの幅方向に貫通する2本のピン孔を有する)をバンドの長手方向に配列し、それら中駒のバンド幅方向の両外側に平面形状の幅が狭い矩形をなす外駒(やはり2本ずつのピン孔を有する)を、バンドの長手方向にずらして配列している。そして、各中駒に2本の連結ピンを挿通し、中駒の両側に突出したピンの各端部を外駒のピン孔に挿入して挿入部を外駒に溶接することによって、各中駒と外駒をバンドの長手方向に連結している。なお、特許文献1には、他のバンドの連結構造も記載されているが、説明を省略する。
他の従来例を図9に示す。図9は他の従来例のバンドの1単位となる駒部材の分解斜視図である。この斜視図で視認される上面はバンドの表側の面(バンドが巻かれる腕の表面から遠い方の面)としてある。中駒3はバンドの幅の中央に、バンドの長手方向に並べられるべき部材である。外駒2は中駒3の両側を挟んで2列になって配置されるべきものである。2個1組の外駒2は、中駒3を収容する間隔を保つように桟4を設けて一体的に結合されている。これらは例えばチタンやステンレス等の金属材料より成る。なお桟4は中駒3の両側に離れた外駒同士を所定の間隔を保って十分な強度で結合する部材である。
ピン5は金属製で、外駒2と中駒3を、バンドを腕に巻くことができるよう、ある角度範囲で相互に回転可能に連結するもので、バンドの幅(2つの外駒2の外端)にほぼ等しい全長を有する。外駒2にはピン挿通孔22と23が、中駒3にはピン挿通孔32と33が、それぞれバンドの幅方向に設けられている。
Cリング6は、軸方向にスリットを入れた短いパイプ状の金属部材であって、ピン5の外径より僅かに小さい内径を有し、これに挿通したピン5の任意の位置に摩擦力を伴って弾着する。中駒3のピン挿通孔32、33の入口付近はCリング6をちょうど収容できるような深さとやや太い内径を有する段付孔になっており、孔の残部はピン5と遊合する内径である。また外駒2のピン挿通孔22、23の内径はピン5と遊合する大きさである。
全ての中駒3のピン挿通孔32の段付孔にCリング6を装着した後、中駒3の両外側に外駒2を、ピン挿通孔22と32が合うように配置し、両孔にピン5をバンド幅一杯になるよう深く挿通する。Cリング6は外駒2の内側面と中駒3の段付孔の段部によって位置決めされ、ピン5とCリング6とは摩擦によって位置決めされるので、ピン5がバンドから抜け出ることはない。同様にして、この外駒2のピン挿入孔23に、他の中駒3の挿通孔33が合うように他の中駒3を配置し、ピン5とCリング6により結合する。これらの結合を順次行ってゆき、一連の長いバンドを形成する。
特許文献1の従来例は、ピン(30)の両端部は外駒(20)のピン穴(21)に挿入される部分で外駒と溶接されることによって必要な固着強度を得ている。その溶接の強度を得るため、ピンの表面には金メッキが施される。その一方では、ピンは中駒(10)のピン穴(11)内面と固着されてはならないため、中駒のピン穴(11)の内部ではピン(30)に長いパイプ(40)を被せることで溶着を防いでいる(なお特許文献1の段落〔0014〕、〔0015〕参照)。
このような構成では、溶接コストがかかるし、また溶接部に溶接痕が残り、装飾品としての品質を維持し難い欠陥があった。また、特許文献1の従来例のように、バンドの幅方向に離れた外駒がピンの先端部のみで固着結合された構造では、バンドにねじる力を加えると固着がはずれて分離し易いという欠点がある。
図面〔図9〕に示した従来例では、桟4で連結した外駒2を用いる。このようなH駒の中棒になる部材や桟4は、外駒とは別体で作って外駒と溶接(電気、レーザー、加熱等による)することも可能であるが、やはり美観を損なう溶接痕を除去する後工程の作業を必要としたり、特許文献1の従来例のように外駒と桟4とが分離しやすいという欠点がある。これらの問題を避けるため、図9に示した従来例においては、両外駒を含めて1塊となっている部材から桟4の部分を残すような加工(例えばフライスによる切削加工やプレス加工)を行って形成するのが通常の手段であるが、材料の無駄と加工に要する工数が問題であった。
本発明においては、外駒と中駒とを結合する機構を導入することによって、バンドの構成要素部材を溶接で組み合わせる必要がなく、部材の形状を簡単にし、しかも材料の利用効率を高くすることができ、外駒と中駒の結合強度が高く、かつ組立が容易なバンドの連結構造を提供することを目的とする。
外駒と、該外駒とは別体の中駒とを有し、前記外駒と前記中駒とをピンを挿通することによって連結するバンドの連結構造であって、前記外駒と前記中駒には、互いに係合する嵌合部が形成され、前記外駒の嵌合部と前記中駒の嵌合部は、前記ピンを挿通しないとき、前記中駒を基準として前記外駒に前記バンドの厚さ方向の力が加わると前記嵌合部の係合が外れ、前記外駒に前記バンドの幅方向の力が加わっても前記嵌合部の係合が外れない形状に互いに形成され、前記外駒と前記中駒には、前記嵌合部が互いに係合した状態で、前記ピンを前記バンドの幅方向に挿入する2つのピン挿通孔をそれぞれ形成し、一方のピン挿通孔に挿通されるピンは、前記嵌合部が互いに係合する前記外駒と前記中駒とを結合し、他方のピン挿通孔に挿通されるピンは、前記嵌合部が互いに係合しない隣り合う駒同士を連結することを特徴とする。
このように構成することにより、外駒同士を連結する必要がないので溶接も不要で材料の利用効率が高く、また外駒と中駒は機械的に結合されるので組立や分離が容易であり、外駒と中駒の着脱を、最も容易になる方向で行うことができる
前記外駒と前記中駒の嵌合部は、一方が前記バンドの幅方向に突出する凸形状部であり、他方が前記バンドの幅方向に凹んだ凹形状部であり、
前記凸形状部は、前記突出する方向を軸方向とした円柱の側面の一部を構成する形状であり、該形状に対応する形状に前記凹形状部は形成されていることを特徴とする。
このように構成することにより、嵌合部を自動旋盤加工で形成することができる。
前記一方のピン挿通孔の位置を、前記円柱の中心軸の位置とは異ならせたことを特徴とする。
このように構成することにより、ピンをバンドの厚さのほぼ中央に配置すると共に、外
駒と中駒の不要な回動を抑制することが容易となる。
前記円柱の側面の一部を構成する形状は、前記凸形状部の根元側に位置する小径部と、前記凸形状部の先端側に位置する大径部とを有することを特徴とする。
このように構成することにより、嵌合部の形状を更に旋削加工に適合させることができる。
前記外駒の嵌合部が前記凸形状部であり、前記中駒の嵌合部が前記凹形状部であることを特徴とする。
このように構成することにより、外駒の強度を確保することが容易となる。
前記一方のピン挿通孔を、前記外駒の嵌合部と前記中駒の嵌合部とを貫通する位置に形成したことを特徴とする。
このように構成することにより、ピン挿通孔の配置スペースを効果的に抑えることができる。
前記外駒の嵌合部が前記凹形状部であり、前記中駒の嵌合部が前記凸形状部であることを特徴とする。
このような構成によっても、本発明の主要な効果を得ることができる。
本発明によって、バンドの構成要素部材を溶接で組み合わせる必要がなく、また部材の形状を簡単にし、しかも材料の利用効率を高くすることができ、外駒と中駒とが強固に結合され、かつ組立も容易なバンドの連結構造を提供することができる。
実施例1のバンドの1単位となる駒部材の分解斜視図である。 (a)は実施例1の要部を拡大した斜視図、(b)は実施例1の要部断面図である。 実施例1のバンドの組立斜視図で、(a)は表側、(b)は裏側を示す。 (a)、(b)は、嵌合部の形状の異なる例の概念図である。 実施例2のバンドの1単位となる駒部材の分解斜視図である。 実施例2のバンドの組立斜視図である。 変形例1における、(a)は外駒の平面図,(b)は外駒の側面図、(c)は中駒の平面図、(d)は中駒の側面図である。 変形例2における、外駒と中駒の側面図である。 従来例のバンドの単位となる駒部材の分解斜視図である。
以下に実施例1と実施例2によって本発明の実施の形態を説明する。
図1は実施例1のバンドの1単位となる駒部材を分離した状態で示した、結合前の分解斜視図、図2(a)は実施例1の要部を拡大した斜視図、図2(b)は実施例1の要部断面図である。
中駒3はバンドの幅の中央に、バンドの長手方向に沿って並べられる部材であり、その1個を示した。外駒2は2個1組であって、中駒3の両側を挟むように2列になって配置される部材で、その1組を示した。これらの部材は例えばチタンやステンレス等の金属材料より成る。なおこの斜視図で視認される上面はバンドの裏面側(バンドが巻かれる腕の表面に接する面)としてある。また図の左右方向をほぼバンドの幅方向としている。
ピン5は金属製で、互いに半ピッチ程度ずつずらしてバンドの長手方向に配列される外駒2の組と中駒3とを連結する部材であり、通常はバンドの幅(2つの外駒2の外端)とほぼ等しい長さを有する。外駒2にはピン挿通孔22と23が、中駒3にはピン挿通孔32と33が、それぞれバンドの幅方向に設けられている。ピン挿通孔22と32に挿通されるピン5は図示した外駒2と中駒3を結合し、ピン挿通孔23に挿通されるピン5はその外駒2と図示の中駒3に隣り合う中駒(図示せず)とを連結し、ピン挿通孔33に挿通されるピン5はその中駒3と図示の外駒2に隣り合う外駒(図示せず)を連結する。
Cリング6は、軸方向にスリットを入れた短いパイプ状の金属部材であって、ピン5の外径より僅かに小さい内径を有し、これに挿通したピン5の任意の位置に摩擦力を伴って弾着する。中駒3のピン挿通孔32、33の入口付近はCリング6をちょうど収容できるような深さとやや太い内径を有する段付孔になっており、孔の残部はピン5と遊合する内径である。また外駒2のピン挿通孔22、23の内径はピン5と遊合又は静合する寸法であることが好ましい。ピン5とCリング6は、バンドの1単位となる駒部材について実際には2組ずつを必要とする。
図2(b)は、中駒3、外駒2、ピン5、Cリング6の要部断面図である。この図は、中駒3の挿通孔32を通り、挿通孔32の軸方向及びバンドの幅方向に平行な面におけるそれぞれの部品の断面を示している。なお、ピン5とCリング6は、中駒3及び外駒2の外側に図示している。図2(b)に示すように、32aが段付孔であり、32bが挿通孔32の残部である。段付孔32aの部分にCリング6が収容され、挿通孔22と挿通孔32にピン5が挿通される。
全ての中駒3のピン挿通孔32の段付孔にCリング6を装着した後、中駒3の両外側に外駒2を、ピン挿通孔22と32が合うように配置し、両孔にピン5をバンド幅一杯になるよう深く挿通する。Cリング6は外駒2の内側面と中駒3の段付孔の段部によって位置決めされ、ピン5とCリング6とは摩擦によって位置決めされるので、ピン5がバンドから抜け出ることはない。同様にして、中駒3のピン挿通孔33と隣の外駒のピン挿入孔23ともピン5とCリングによる結合を順次行ってゆき、一連の長いバンドを形成する。なおピン5及びCリング6の形状と作用は図9に示した従来例とほぼ同等である。
外駒2は、その側面から中駒3に向かってバンドの幅方向に突出する凸形状部をなす外駒の嵌合部21を有する。外駒の嵌合部21は短い円柱をその軸方向に半分にした概形を有し、バンドの裏面側が平面、バンドの表面側が円柱面をなす。更にその円柱面は、バンドの幅方向に設定した軸を共通にした段付形状をなしており、嵌合部21の根元側に小径部211、先端側に大径部212が形成されている。
中駒3の2つの側面には、それぞれバンドの幅方向に凹んだ凹形状部をなす、中駒の嵌合部31を有する。中駒の嵌合部31はバンドの裏面側が開いた凹状の半円柱面であり、円柱軸はバンドの幅方向である。更にこの半円柱面は共軸の段付円柱面であり、中駒3の側面側が小径部311、奥側が大径部312をなしている。
一方、外駒2の嵌合部21と中駒3の嵌合部31との大体の位置を合わせて外駒2の側面と中駒3の側面とを接触させ、外駒2を中駒3の裏側から表側に(図1又は図2では上方から下方に)向かって滑らせたとき、外駒2の裏面と中駒3の裏面とが同一面になった位置で外駒の嵌合部21と中駒の嵌合部31とは互いに嵌入して係合できるように、それぞれの円柱面の形状寸法及びバンド厚さ方向の位置が設定されている。
即ち、外駒2の嵌合部21と中駒3の嵌合部31が係合した状態では、外駒2の小径部211に中駒3の小径部311が食い込み、外駒2の大径部212が中駒3の大径部312に食い込んでいる。従ってこの状態では、中駒3に対して相対的に外駒2に、バンドの厚さ方向におけるバンドの表側から裏側に向かう方向(この方向を第1の方向とする)に力を加えることにより、すなわち、中駒3を基準として外駒2に第1の方向の力を加えることにより、係合を容易に解除することができる。これに対し、第1の方向とは垂直な第2又は第3の方向(ここではバンドの幅方向即ちピン5が挿入される方向を第2の方向、バンドの長手方向を第3の方向とする)に動かそうとしても係合を外せず中駒3と分離できないことは明らかである。
外駒2のピン挿入孔22と中駒3のピン挿入孔32とは、いずれもそれぞれの嵌合部21、31を貫通する位置に設けられている。2つの外駒2と中駒3との係合が達成されると3個のピン挿入孔は同軸となり、ピン5の挿通が可能となるように設定されている。ピン5の挿通により、外駒2と中駒3は、ピン5の軸方向に垂直な第1の方向や第2の方向への移動が規制される。故に1組の外駒2と中駒3は、ピン5の装入前には唯一第1の方向には分離可能であったが、ピン5の挿入によって、第1の方向には動くことができなくなり、他の方向にはもとより動けない。このように3者は相互に固着されるから、本発明においては図9に示した従来例のような桟4などを設けることは不要となる。
外駒2のピン挿入孔22と中駒のピン挿入孔32をそれぞれの嵌合部21、31を貫通する位置に設けることにより、嵌合部21、31以外に設けるピン挿通孔を23、33だけにすることができ、ピン挿通孔の配置スペースを効果的に抑えることができる。
図3は実施例1のバンドの組立斜視図であって、(a)はバンドの表側を、(b)はバンドの裏側を主に見せた図を示す。1は連結されたバンドの一部であり、いずれの図も外駒及び中駒の3組分を示している。他の部分とその符号は既に説明したものである。嵌合部21と31の係合状態は、(b)図に明瞭に見てとれる。
尚、部品の加工精度によって、図3(b)に示したバンドの裏側に突出する可能性がある部分は、面取りをしても良い。例えば、外駒2において、中駒3と対向する側面と裏面との間に位置する稜線部分や、これに対向する中駒3の稜線部分の面取りをしても良い。また、外駒2を中駒3に組込んだ状態で、外駒2と中駒3との境界部分を研磨しても良い
図4(a)、(b)は、嵌合部の形状の異なる例の概念図である。図はいずれも、外駒2の嵌合部21における小径部211と大径部212、及び、中駒3の嵌合部31における小径部311と大径部312の断面形状を示している。これらは、各小径部及び大径部の軸方向(挿通孔22と挿通孔32の軸方向)に垂直な方向における任意の部分の断面である。
7は各小径部及び大径部の表面の基本形状であり、外駒のものであるか中駒のものであるかを区別せず概念的に示している。また、小径部と大径部の大きさの相違も省略してある。基本形状7の仮想的全体は実線と点線より成るが、実際の嵌合部は実線部分である。
図1及び図2に示した外駒2の小径部211及び大径部212は、図4(a)の基本形状7のように半円柱の側面に対応した形状であり、前述の通り、大径部212は小径部211よりも直径が大きい。同様に、中駒3の小径部311及び大径部312も、図4(a)の基本形状7のように半円柱の側面に対応した形状であり、大径部312は小径部311よりも直径が大きい。
このように、互いに係合する、外駒2の小径部211と大径部212及び中駒3の小径部311と大径部312を、円柱の側面の一部を構成する形状(この例では円柱を軸方向に2分した半円柱の側面を構成する形状)で構成すると、嵌合部21、31を自動旋盤により容易に加工することができる。すなわち、外駒2を、嵌合部21における半円柱の円柱軸となる部分を中心にして回転させさがら、大径部212や小径部211となる部分に刃を当てて半円柱の側面の形状に削る簡単な加工方法で形成することができる。中駒3も同様である。
また、外駒2の小径部211及び大径部212と中駒3の小径部311及び大径部312の柱状部を、図4(b)に示すように、異形の柱形状の側面に対応した形状で構成することもできる。この例では、短径方向に2分した半楕円柱の側面に対応した形状である。この他図示しないが、係合可能であれば、この基本形状7は例えばU字形(半円弧と3個の直線)や多角形等の楕円中以外の異形の柱状面であってもよい。
8は嵌合部の円柱面の中心軸の位置を示す。また22、32は、嵌合部を貫通するピン挿通孔の位置を示している。ピン挿通孔の位置は、このように円柱面の中心軸8と異ならせることによって、バンドの厚さの中ほどにすることができる。また、図4(a)の場合において、仮に、ピン挿通孔22、32を、円柱の中心軸8と一致する位置に形成した場合は、外駒2と中駒3が、ピン5を軸として相互に回転してしまうが、ピン挿通孔22、32の位置を、円柱の中心軸8と異ならせることによって、係合状態では外駒2と中駒3とがピン5を軸として相互に回転する動きを防ぐ。即ち嵌合部の回転ガタを防止することができる。
また、図4(b)のように、外駒2の小径部211及び大径部212と中駒3の小径部311及び大径部312を、半楕円柱の側面に対応した異形形状に形成することにより、嵌合部21と嵌合部31の係合状態において、外駒2と中駒3とがピン5を軸として相互に回転する動きを防ぎ、回転ガタを防止することもできる。
実施例1では、外駒2の嵌合部21を凸形状とし、中駒3の嵌合部32を凹形状としたので、外駒2側に凹形状の嵌合部を形成する場合と比較して、嵌合部の幅方向及び厚さ方向の残肉が部分的に薄くなることがなく、外駒2の強度を確保するのが容易である。
外駒2と中駒3を分離するには、ある外駒2の外側面から細長い工具を用いてピン5の先端を十分深く中駒3の側面まで押し込むことにより、その外駒2が中駒3に対して第1の方向に移動可能となって両者の係合を外すことができる。分離や再係合の操作は極めて容易であってかつ可逆的である。
実施例1の構成により、各外駒と中駒とはピン挿入により強固に結合され、また外駒同士を結合する部材も不要であり、バンドの組立において溶接を用いる必要もなくその後処理もない。またピンの挿通方向には分離しない嵌合部は、凹凸量が比較的少なく単純で加工も容易な形状で構成することができるから、製作に必要な工数も僅かで済む。また、図9に示した従来例のように、両外駒を含めて1塊となっている部材から桟4の部分を残すような加工をする必要がないため、材料の利用率を高くすることができる(例えば図9に示した従来例では材料の利用率が60%以下程度であるのに対し、本実施例では材料の利用効率が90%程度である)。さらに、ピンを抜けば外駒と中駒とを簡単に分離できるので、バンドの長さの調整も容易となる。即ち簡単な形状及び構造の部品で製造・組立てのコストを減らし、強度や美観品質を保つことができる。
図5は実施例2のバンドの1単位となる駒部材を分離した状態でバンドの下面(裏面)側から見た、結合前の分解斜視図である。但しピン5とCリング6は図示を省略した。実施例1との主な相違点は外駒と中駒の嵌合部の形状の凹凸が逆になっていることである。即ち外駒の嵌合部21は凹形状、中駒の嵌合部31は凸形状となっている。両嵌合部は半円柱状であって、バンドの下面側に半円柱の平面部がある。中駒3に対して外駒2をバンドの表方向にずらすと両嵌合部の係合が解除されるので、これが第1の方向(実施例1とは逆向き)となる。
また、外駒2の嵌合部21は凹部であるから、中駒3の嵌合部31と対向する底部の残肉が薄くなるので、実施例1のような嵌合部を貫通するピン挿通孔を設けるのは適当ではない。そこで実施例2においては、ピン挿通孔22は、ピン挿通孔23と共に嵌合部21を避けた位置に設けられる。
嵌合部21、31が相互に係合を達成するための細部の形状、即ち径小部211、311、径大部212、312の形状寸法は、実施例1と凹凸関係が逆である以外は、条件をほぼ同じくするものである。
図6は実施例2のバンドの組立斜視図であって、バンドの裏側を主に見せた図を示す。1は連結されたバンドの一部であり、外駒及び中駒の3組分を示している。他の部分とその符号は既に説明したものである。嵌合部21と31の係合状態、及び実施例1との差異は図より明らかである。
実施例2は実施例1と外駒及び中駒の加工方法が若干異なるが、ほとんど同様な作用効果を期待することができる。
<その他の実施例>
実施例1及び2の説明では述べなかった、半円柱形(実質的に半円柱形と等価となる異形の場合については図4と共に既述した)以外の形状を有する嵌合部について、実施例のその他の変形例として言及しておく。
図7は、変形例1を示す図であり、(a)は外駒の平面図,(b)は外駒の側面図、(c)は中駒の平面図、(d)は中駒の側面図である。
図7(a)〜図7(d)において、例えば、外駒2と中駒3を分離するために、中駒3
に対して外駒2を移動させる第1の方向を、バンドの長手方向とすることができる。
外駒2の内側面には、バンドの厚さよりも小さな径を有する頭部25aを持つキノコ状(換言すれば釘の頭状)の嵌合部25を設ける。外駒2と対向する中駒3の側面には嵌合部として異形断面の溝35をバンドの長手方向に設ける。溝35は開口幅をキノコ状嵌合部25の頭部25aよりも狭くし、溝35の底幅をキノコ状嵌合部25の頭部25aよりも広く(バンド厚さよりは小さく)する。
溝35及び開口部35aは、中駒3の側面の長さ方向における両端部まで伸ばし、中駒3の側面全体にレール状に形成する。この溝35及び開口部35aの端部から、キノコ状嵌合部25の頭部25aを挿入し、キノコ状のくびれ部を溝35の開口部35aに嵌め合わせ、バンドの長手方向に沿って移動させて、外駒2側のピン挿通孔27と中駒3側のピン挿通孔36とを一致させ、ピン挿通孔27と36とにピンを挿通すれば外駒2と中駒3の固定が完成する。そして、外駒2のピン挿通孔26と隣の中駒3のピン挿通孔37とにピンを挿通することで、隣の駒と連結することができる。この構成によれば、バンドを表裏いずれ側から見ても中駒3の嵌合部35は見えず、外観がすっきりする。
また他の変形例を挙げる。図8は、変形例2を示す図である。
外駒2の内側面近くにはバンドの表側からバンドの長手方向に厚さの半ばに達する深さの溝28を加工し、中駒2の外側面近くにはバンドの裏側からやはりバンドの長手方向に厚さの半ばに達する深さの溝38を加工しておき、各溝28,38の外側にできた薄い立ち上りの縁部28a,38aを、互いに相手の溝内に嵌め込むように係合させる構成が考えられる。
この場合も、位置決め後にピンを外駒2のピン挿通孔29及び中駒3のピン挿通孔39に挿通することにより外駒2の動きは抑えられ、係合が確保される。(なおこの変形例では、バンドの長手方向も厚さ方向も分離可能な方向となっている。即ち第1の方向が2つできる例となる。)他にも種々変形例があり得るであろう。
1 連結されたバンドの一部
2 外駒
3 中駒
4 桟
5 ピン
6 Cリング
7 嵌合部の柱状部基本形状
8 嵌合部の柱状部の中心軸
21 外駒の嵌合部
211 外駒の嵌合部の小径部
212 外駒の嵌合部の大径部
22、23 外駒のピン挿通孔
31 中駒の嵌合部
311 中駒の嵌合部の小径部
312 中駒の嵌合部の大径部
32、33 中駒のピン挿通孔

Claims (7)

  1. 外駒と、該外駒とは別体の中駒とを有し、前記外駒と前記中駒とをピンを挿通することによって連結するバンドの連結構造であって、
    前記外駒と前記中駒には、互いに係合する嵌合部が形成され、
    前記外駒の嵌合部と前記中駒の嵌合部は、前記ピンを挿通しないとき、前記中駒を基準として前記外駒に前記バンドの厚さ方向の力が加わると前記嵌合部の係合が外れ、前記外駒に前記バンドの幅方向の力が加わっても前記嵌合部の係合が外れない形状に互いに形成され、
    前記外駒と前記中駒には、前記嵌合部が互いに係合した状態で、前記ピンを前記バンドの幅方向に挿入する2つのピン挿通孔をそれぞれ形成し
    一方のピン挿通孔に挿通されるピンは、前記嵌合部が互いに係合する前記外駒と前記中駒とを結合し、他方のピン挿通孔に挿通されるピンは、前記嵌合部が互いに係合しない隣り合う駒同士を連結することを特徴とするバンドの連結構造。
  2. 前記外駒と前記中駒の嵌合部は、一方が前記バンドの幅方向に突出する凸形状部であり、他方が前記バンドの幅方向に凹んだ凹形状部であり、
    前記凸形状部は、前記突出する方向を軸方向とした円柱の側面の一部を構成する形状であり、該形状に対応する形状に前記凹形状部は形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバンドの連結構造。
  3. 前記一方のピン挿通孔の位置を、前記円柱の中心軸の位置とは異ならせたことを特徴とする請求項2に記載のバンドの連結構造。
  4. 前記円柱の側面の一部を構成する形状は、前記凸形状部の根元側に位置する小径部と、前記凸形状部の先端側に位置する大径部とを有することを特徴とする請求項2又は3に記載のバンドの連結構造。
  5. 前記外駒の嵌合部が前記凸形状部であり、前記中駒の嵌合部が前記凹形状部であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のバンドの連結構造。
  6. 前記一方のピン挿通孔を、前記外駒の嵌合部と前記中駒の嵌合部とを貫通する位置に形成したことを特徴とする請求項5に記載のバンド連結構造。
  7. 前記外駒の嵌合部が前記凹形状部であり、前記中駒の嵌合部が前記凸形状部であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のバンドの連結構造。
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