JP6249130B1 - 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体、並びに車両外装部品 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物及びその成形体、並びに車両外装部品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6249130B1 JP6249130B1 JP2017139235A JP2017139235A JP6249130B1 JP 6249130 B1 JP6249130 B1 JP 6249130B1 JP 2017139235 A JP2017139235 A JP 2017139235A JP 2017139235 A JP2017139235 A JP 2017139235A JP 6249130 B1 JP6249130 B1 JP 6249130B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- parts
- monomer
- copolymer
- graft copolymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Abstract
Description
熱可塑性樹脂(G):グラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、及びビニル系共重合体(C)からなり、グラフト共重合体(A)は、アクリル酸エステル系単量体単位と多官能性単量体単位を含み、主鎖に共役ジエン単量体単位を含まない、体積平均粒子径0.3〜0.6μmのゴム質重合体(a)に、ビニル系単量体がグラフトされたグラフト率が40〜80%のグラフト共重合体であり、グラフト共重合体(B)は、アクリル酸エステル系単量体単位と多官能性単量体単位を含み、主鎖に共役ジエン単量体単位を含まない、体積平均粒子径0.07〜0.2μmの、ゴム質重合体(b)に、ビニル系単量体がグラフトされたグラフト率が40〜80%のグラフト共重合体であり、ビニル系共重合体(C)は、芳香族ビニル系単量体の単独重合体、又は少なくともシアン化ビニル系単量体と芳香族ビニル系単量体とを共重合してなる共重合体であり、熱可塑性樹脂(G)に含まれるゴム質重合体の総量100質量%中に、ゴム質重合体(a)を20〜70質量%、ゴム質重合体(b)を30〜80質量%含む熱可塑性樹脂
光安定剤(D):分子量400〜2,000のヒンダードアミン系光安定剤
紫外線吸収剤(E):分子量300〜800のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及び/又はトリアジン系紫外線吸収剤
酸化防止剤(F):分子量500〜800のヒンダードフェノール系酸化防止剤
また、「単位」とは、重合前の単量体化合物(モノマー)に由来する構造部分をさし、例えば、「アクリル酸エステル系単量体単位」とは「アクリル酸エステル系単量体に由来する構造部分」をさす。重合体中の各単量体単位の含有割合は、当該重合体の製造に用いた単量体混合物中の該単量体の含有割合に該当する。
また、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の一方又は双方をさす。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、以下に詳述するグラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、及びビニル系共重合体(C)よりなる熱可塑性樹脂(G)と、光安定剤(D)、紫外線吸収剤(E)、及び酸化防止剤(F)を含むことを特徴とする。
グラフト共重合体(A)は、アクリル酸エステル系単量体単位と多官能性単量体単位を含み、主鎖に共役ジエン単量体単位を含まない、体積平均粒子径0.3〜0.6μmのゴム質重合体(a)に、ビニル系単量体がグラフトされた、グラフト率が40〜80%のグラフト共重合体である。グラフト共重合体(A)は、体積平均粒子径が0.3〜0.6mである特定のゴム質重合体(a)の存在下で、ビニル系単量体、好ましくは芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及び必要に応じて用いられるこれらと共重合可能な他の単量体を含む単量体混合物をグラフト重合して得られるものである。
アクリル酸エステル系単量体や多官能性単量体と共重合可能な他の単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル系単量体等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、ゴム質重合体(a)及び後述のゴム質重合体(b)の体積平均粒子径及び以下の粒子径の測定方法は、後掲の実施例の項に示す通りである。
また、必要に応じて、重合系を安定させる目的で乳化剤を追加してもよく、グラフト率やグラフト成分の分子量を制御するための連鎖移動剤を用いてもよい。
グラフト共重合体(A)及び後述のグラフト共重合体(B)のグラフト率の測定方法は、後掲の実施例の項に記載される通りである。
また、グラフト共重合体(A)及び後述のグラフト共重合体(B)のアセトン可溶分の還元粘度は、以下の方法で測定される。
<グラフト共重合体のアセトン可溶分の還元粘度>
グラフト共重合体のアセトン可溶分の濃度が0.2dL/gとなるように調製したN,N−ジメチルホルムアミド溶液について、ウベローデ粘度計を用いて25℃での還元粘度:ηsp/C(単位:dL/g)を測定する。
グラフト共重合体(B)は、アクリル酸エステル系単量体単位と多官能性単量体単位を含み、主鎖に共役ジエン単量体単位を含まない、体積平均粒子径0.07〜0.2μmの、ゴム質重合体(b)に、ビニル系単量体がグラフトされた、グラフト率が40〜80%のグラフト共重合体である。グラフト共重合体(B)は、体積平均粒子径が0.07〜0.2μmである特定のゴム質重合体(b)の存在下で、ビニル系単量体、好ましくは芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及び必要に応じて用いられるこれらと共重合可能な他の単量体を含む単量体混合物をグラフト重合して得られるものである。
また、必要に応じて、重合系を安定させる目的で乳化剤を追加してもよく、グラフト率やグラフト成分の分子量を制御するための連鎖移動剤を用いてもよい。
ビニル系共重合体(C)は、芳香族ビニル系単量体の単独重合体であるか、少なくともシアン化ビニル系単量体及び芳香族ビニル系単量体と、必要に応じて用いられる他の単量体を共重合してなる共重合体である。
ビニル系共重合体(C)としては、芳香族ビニル系単量体の単独重合体、もしくはシアン化ビニル系単量体と芳香族ビニル系単量体との共重合体(C−1)、或いはN−置換マレイミド系単量体と芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体との共重合体(C−2)、或いはこれらの共重合体(C−1)と共重合体(C−2)の組み合わせが好ましい。
また、共重合体(C−1)に含まれるシアン化ビニル系単量体単位の割合は、ビニル系共重合体(C−1)を製造する際に用いる単量体混合物100質量%中の含有量として、0〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がさらに好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。シアン化ビニル系単量体の割合が上記範囲内であれば、得られる成形体の耐薬品性が良好となる。
また、共重合体(C−2)に含まれる芳香族ビニル系単量体単位の割合は、共重合体(C−2)を製造する際に用いる単量体混合物100質量%中の含有量で、5〜90質量%が好ましく、10〜80質量%がさらに好ましく、15〜65質量%が特に好ましい。芳香族ビニル系単量体の割合が上記範囲内であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物の成形性が良好となる。
また、共重合体(C−2)に含まれるシアン化ビニル系単量体単位の割合は、共重合体(C−2)を製造する際に用いる単量体混合物100質量%中の含有量で、5〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がさらに好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。不飽和ニトリル系単量体の割合が上記範囲内であれば、得られる成形体の耐薬品性が良好となる。
ビニル系共重合体(C)、共重合体(C−1),(C−2)は、1種のみを用いてもよく、ビニル系単量体組成や物性等の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
本発明に係る熱可塑性樹脂(G)とは、上述のグラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)とビニル系共重合体(C)とで構成されるものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、光安定剤(D)として、分子量が400〜2,000であるヒンダードアミン系光安定剤を、熱可塑性樹脂(G)100質量部に対して、0.1〜1.5質量部含む。光安定剤(D)の含有量が上記下限以上であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐候性が良好となり、上記上限以下であれば、屋外にて長期間使用した際のブリードアウトによる外観不良を抑えることができる。光安定剤(D)の好ましい含有量は0.3〜1.0質量部である。
なお、本発明において光安定剤(D)として用いる分子量400〜2,000の分子量範囲のヒンダードアミン系光安定剤であれば、得られる成形体の耐候性が良好なものとなる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、紫外線吸収剤(E)として、分子量が300〜800のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及び/又はトリアジン系紫外線吸収剤を、熱可塑性樹脂(G)100質量部に対して、0.1〜1.5質量部含む。紫外線吸収剤(E)の含有量が上記下限以上であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐候性が良好となり、上記上限以下であれば、屋外にて長期間使用した際のブリードアウトによる外観不良を抑えることができる。紫外線吸収剤(E)の好ましい含有量は0.3〜1.0質量部である。
なお、本発明において、紫外線吸収剤(E)として用いる分子量300〜800の分子量範囲の紫外線吸収剤(E)であれば、得られる成形体の耐候性が良好となり、またベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤であれば熱・光に対する安定性が高い為、加工時の変色を抑えることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、酸化防止剤(F)として、分子量が500〜800であるヒンダードフェノール系酸化防止剤を、熱可塑性樹脂(G)100質量部に対して、0.1〜3質量部含む。酸化防止剤(F)の含有量が上記下限以上であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐候性が良好となり、上記上限以下であれば、屋外にて長期間使用した際のブリードアウトの発生による外観不良を抑えることができる。紫外線吸収剤(E)の好ましい含有量は0.2〜3質量部である。
なお、本発明において、酸化防止剤(F)として用いる分子量500〜800の分子量範囲の酸化防止剤(F)であれば、得られる成形体の耐候劣化による変色が低減され、またヒンダードフェノール系酸化防止剤であればピンキングの発生による成形体の変色を抑えることが出来る。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(G)、光安定剤(D)、紫外線吸収剤(E)、酸化防止剤(F)以外に、リン系酸化防止剤、カーボンブラック、及び周期表第2族元素の酸化物のいずれか1種以上を含んでいてもよい。リン系酸化防止剤やカーボンブラックを添加することで、耐候性が更に向上する。また、周期表第2族元素の酸化物を添加することで成形時に発生するガスが軽減し、シルバーストリークの発生や成形体へのガスの付着といった成形不良の低減や、金型のメンテナンス頻度の低減による生産性の向上といった効果が期待できる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、ビニル系共重合体(C)、光安定剤(D)、紫外線吸収剤(E)、及び酸化防止剤(F)と、必要に応じて配合されるその他の添加剤等を、公知の装置を使用した公知の方法で混合することにより製造することができる。例えば、一般的な方法として溶融混合法があり、この方法で使用する装置としては、押出機、バンバリーミキサー、ローラー、ニーダー等が挙げられる。混合には回分式、連続式のいずれを採用してもよい。また、各成分の混合順序などにも特に制限はなく、全ての成分が均一に混合されればよい。
本発明の成形体は、上記の本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものである。その成形方法としては、例えば、射出成形法、射出圧縮成形機法、押出成形法、ブロー成形法、真空成形法、圧空成形法、プレス成形法、カレンダー成形法及びインフレーション成形法等が挙げられる。
ただし、本発明の成形体は、車両外装部品に限らず、車両内装部品にも適用できることは言うまでもない。
以下において、ゴム質重合体、グラフト共重合体、および共重合体の物性は、以下の方法で測定および評価した。
日機装社製のNanotrac UPA−EX150を用いて動的光散乱法より求めた。
グラフト共重合体のグラフト率は、次の方法により算出した。
グラフト共重合体1gを80mLのアセトンに添加し、65〜70℃にて3時間加熱還流し、得られた懸濁アセトン溶液を遠心分離機にて14,000rpm、30分間遠心分離して、沈殿成分(アセトン不溶成分)とアセトン溶液(アセトン可溶成分)を分取した。沈殿成分(アセトン不溶成分)を乾燥させてその質量(Y(g))を測定し、下記式(1)によりグラフト率を算出した。なお、式(1)におけるYは、グラフト共重合体のアセトン不溶成分の質量(g)、XはYを求める際に使用したグラフト共重合体の全質量(g)、ゴム分率はグラフト共重合体のゴム質重合体の固形分換算での含有割合である。
グラフト率(質量%)={(Y−X×ゴム分率)/X×ゴム分率}×100
・・・(1)
ビニル系ビニル系共重合体をテトラヒドロフランに溶解して得られた溶液を測定試料として、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)(東ソー(株)製)を用いて測定し、標準ポリスチレン換算法にて算出した。
反応器に脱イオン水(以下、単に水と記す。)200部、オレイン酸カリウム2部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム4部、硫酸第一鉄七水塩0.003部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.009部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を窒素フロー下で仕込み、60℃に昇温した。60℃になった時点から、アクリル酸n−ブチル82部、メタクリル酸18部、クメンヒドロパーオキシド0.5部からなる混合物を120分かけて連続的に滴下した。滴下終了後、さらに2時間、60℃のまま熟成を行い、固形分が33%、酸基含有共重合体の体積平均粒子径が0.150μmである酸基含有共重合体ラテックス(K)を得た。
反応器に水310部、アルケニルコハク酸ジカリウム(花王社製、ラテムルASK)1部、アクリル酸n−ブチル80部、メタクリル酸アリル0.48部、イソシアヌル酸トリアリル0.42部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.2部を撹拌下で仕込み、反応器内を窒素置換した後、内容物を昇温した。内温55℃にて、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部、硫酸第一鉄七水塩0.0001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0003部、水10部からなる水溶液を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認された後、ジャケット温度を75℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間保持した。得られたゴム質重合体の体積平均粒子径は0.100μmであった。ここへ5%ピロリン酸ナトリウム水溶液を固形分として1部添加し(混合液のpHは9.1)、内温を70℃になる様にジャケット温度の制御を行った。
ここへ、内温70℃にて、酸基含有共重合体ラテックス(K)を固形分として3部添加し、内温70℃を保持したまま30分撹拌し、肥大化を行った。肥大化後の体積平均粒子径は0.420μmであった。
更に、内温70℃にて、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.03部、硫酸第一鉄七水塩0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.006部、水80部からなる水溶液を添加し、次いでアクリル酸n−ブチル20部、メタクリル酸アリル0.12部、イソシアヌル酸トリアリル0.1部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.02部からなる混合液を1時間にわたって滴下した。滴下終了後、温度70℃の状態を1時間保持した後に冷却し、固形分が18%、ゴム質重合体の体積平均粒子径が0.450μmのゴム質重合体(a−1)のラテックスを得た。
ゴム質重合体(a−1)100質量%中のアクリル酸エステル単量体単位の含有量は98.7質量%、アクリル酸エステル系単量体単位100質量部に対する多官能性単量体単位の含有量は1.12質量部、グラフト共重合体(A−1)100質量部中のゴム質重合体(a−1)の含有量は48.5質量部、ゴム質重合体(a−1)にグラフトしている芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体の組成はそれぞれ芳香族ビニル系単量体が70質量%、シアン化ビニル系単量体が30質量%であった。グラフト共重合体(A−1)のグラフト率は58%であった
肥大化時に添加する5%ピロリン酸ナトリウム水溶液を固形分として1部、酸基含有共重合体ラテックス(K)を固形分として10部に変更した以外は合成例2と同様の手法により、グラフト共重合体(A−2)を得た。グラフト共重合体(A−2)中のゴム質重合体(a−2)の体積平均粒子径は0.250μm、ゴム質重合体(a−2)100質量%中のアクリル酸エステル単量体単位の含有量は98.7質量%、アクリル酸エステル系単量体単位100質量部に対する多官能性単量体単位の含有量は1.12質量部、グラフト共重合体(A−2)100質量部中のゴム質重合体(a−2)の含有量は45.3質量部、ゴム質重合体(a−2)にグラフトしている芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体の組成はそれぞれ芳香族ビニル系単量体が70質量%、シアン化ビニル系単量体が30質量%であった。グラフト共重合体(A−2)のグラフト率は60%であった。
肥大化時に添加する5%ピロリン酸ナトリウム水溶液を固形分として3部に変更した以外は合成例2と同様の手法により、グラフト共重合体(A−3)を得た。グラフト共重合体(A−3)中のゴム質重合体(a−3)の体積平均粒子径は0.650μm、ゴム質重合体(a−3)100質量%中のアクリル酸エステル単量体単位の含有量は98.7質量%、アクリル酸エステル系単量体単位100質量部に対する多官能性単量体単位の含有量は1.12質量部、グラフト共重合体(A−3)100質量部中のゴム質重合体(a−3)の含有量は48.5質量部、ゴム質重合体(a−3)にグラフトしている芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体の組成はそれぞれ芳香族ビニル系単量体が70質量%、シアン化ビニル系単量体が30質量%であった。グラフト共重合体(A−3)のグラフト率は43%であった。
反応器に水310部、アルケニルコハク酸ジカリウム(花王社製、ラテムルASK)1部、アクリル酸n−ブチル80部、メタクリル酸アリル0.12部、イソシアヌル酸トリアリル0.1部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.2部を撹拌下で仕込み、反応器内を窒素置換した後、内容物を昇温した。内温55℃にて、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部、硫酸第一鉄七水塩0.0001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0003部、水10部からなる水溶液を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認された後、ジャケット温度を75℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間保持した。得られたゴム質重合体の体積平均粒子径は0.100μmであった。ここへ5%ピロリン酸ナトリウム水溶液を固形分として1部添加し(混合液のpHは9.1)、内温を70℃になる様にジャケット温度の制御を行った。
ここへ、内温70℃にて、酸基含有共重合体ラテックス(K)を固形分として3部添加し、内温70℃を保持したまま30分撹拌し、肥大化を行った。肥大化後の体積平均粒子径は0.420μmであった。
更に、内温70℃にて、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.03部、硫酸第一鉄七水塩0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.006部、水80部からなる水溶液を添加し、次いでアクリル酸n−ブチル20部、メタクリル酸アリル0.03部、イソシアヌル酸トリアリル0.025部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.02部からなる混合液を1時間にわたって滴下した。滴下終了後、温度70℃の状態を1時間保持した後に冷却し、固形分が18%、ゴム質重合体の体積平均粒子径が0.450μmのゴム質重合体ラテックス(a−4)を得た。以降は合成例2と同様の手法により、グラフト共重合体(A−4)を得た。ゴム質重合体(a−4)100質量%中のアクリル酸エステル単量体単位の含有量は99.5質量%、アクリル酸エステル系単量体単位100質量部に対する多官能性単量体単位の含有量は0.275質量部、グラフト共重合体(A−4)100質量部中のゴム質重合体(a−4)の含有量は48.3質量部、ゴム質重合体(a−4)にグラフトしている芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体の組成はそれぞれ芳香族ビニル系単量体が70質量%、シアン化ビニル系単量体が30質量%であった。グラフト共重合体(A−4)のグラフト率は30%であった。
ステンレス製のオートクレーブ反応器中に、水145部、ロジン酸カリウム1.0部、オレイン酸カリウム1.0部、水酸化ナトリウム0.06部、硫酸ナトリウム0.4部、t−ドデシルメルカプタン0.3部を仕込み、窒素置換した後、1,3−ブタジエン125部を仕込み、60℃に昇温した。次いで、過硫酸カリウム0.3部を水5部に溶解した水溶液を圧入して重合を開始した。重合中は重合温度を65℃に調節し、12時間後内圧が4.5kg/cm2(ゲージ圧)となった時点で未反応の1,3−ブタジエンを回収した。その後、内温を80℃にして1時間保持し、体積平均粒子径が0.080μmで、固形分が41%である小粒子ジエン系ゴム(a−5−1)ラテックスを得た。
肥大化ジエン系ゴム(a−5−2)ラテックスの固形分換算で50部を反応器に仕込み、水140部を加え70℃に昇温した。次いで、アクリロニトリル15部、スチレン35部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.5部からなる混合液を100分間にわたって滴下しながら、80℃まで昇温した。滴下終了後、温度80℃の状態を30分間保持した後、冷却し、グラフト共重合体(A−5)ラテックスを得た。以降は合成例2と同様の操作を行い、グラフト共重合体(A−5)を得た。ゴム質重合体(a−5)100質量%中のアクリル酸エステル単量体単位の含有量は0質量%、アクリル酸エステル系単量体単位100質量部に対する多官能性単量体単位の含有量は0質量部、グラフト共重合体(A−5)100質量部中のゴム質重合体(a−5)の含有量は49.4質量部、ゴム質重合体(a−5)にグラフトしている芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体の組成はそれぞれ芳香族ビニル系単量体が70質量%、シアン化ビニル系単量体が30質量%であった。グラフト共重合体(A−5)のグラフト率は58%であった。
ステンレス製のオートクレーブ反応器中に、水145部、ロジン酸カリウム1.0部、オレイン酸カリウム1.0部、水酸化ナトリウム0.06部、硫酸ナトリウム0.4部、t−ドデシルメルカプタン0.3部を仕込み、窒素置換した後、1,3−ブタジエン125部を仕込み、60℃に昇温した。次いで、過硫酸カリウム0.3部を水5部に溶解した水溶液を圧入して重合を開始した。重合中は重合温度を65℃に調節し、12時間後内圧が4.5kg/cm2(ゲージ圧)となった時点で未反応の1,3−ブタジエンを回収した。その後、内温を80℃にして1時間保持し、質量平均粒子径が0.080μmで、固形分が41%である小粒子ジエン系ゴム(a−6−1)ラテックスを得た。
肥大化ジエン系ゴム(a−6−2)の固形分換算で20質量部を反応器に仕込み、次いで、ロジン酸カリウム1.0部と水150部とを加えて窒素置換を行い、内温を70℃に昇温した。これに10部の水に過硫酸カリウム0.12部を溶解した水溶液を加え、引き続き予め窒素置換しておいたアクリル酸n−ブチル80部、メタクリル酸アリル0.33部、エチレングリコールジメタクリレート0.17部からなる単量体混合物を2時間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、内温を80℃に昇温し、1時間保持して肥大化ジエン系ゴムと架橋アクリル酸エステル系共重合体とからなる体積平均粒子径が0.320μmである複合ゴム質重合体(a−6−3)ラテックスを得た。
反応器に水240部、アルケニルコハク酸ジカリウム(花王社製、ラテムルASK)0.7部、アクリル酸n−ブチル50部、メタクリル酸アリル0.15部、1,3−ブタンジオールジメタクリル酸エステル0.05部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.1部を撹拌下で仕込み、反応器を窒素置換した後、内容物を昇温した。内温55℃にて、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2部、硫酸第一鉄七水塩0.00015部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.00045部、水10部からなる水溶液を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認された後、ジャケット温度を75℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間保持した。得られたゴム質重合体(b−1)の体積平均粒子径は0.105μmであった。
内温を70℃に制御し、アルケニルコハク酸ジカリウム(花王社製、ラテムルASK)0.2部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部、硫酸第一鉄七水塩0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.003部、水10部からなる水溶液を添加した。次いで、アクリロニトリル12部、スチレン28部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.2部からなる混合液を80分間にわたって滴下しながら、80℃まで昇温した。滴下終了後、温度80℃の状態を30分間保持した後、75℃まで冷却し、アクリロニトリル3部、スチレン7部、ノルマルオクチルメルカプタン0.02部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.05部からなる混合液を20分間にわたって滴下した。滴下終了後、75℃で60分間保持した後冷却し、グラフト共重合体(B−1)ラテックスを得た。次いで、2.0%硫酸水溶液100部を40℃に加熱し、該水溶液を撹拌しながら、該水溶液にグラフト共重合体(B−1)ラテックス100部を徐々に滴下し、グラフト共重合体(B−1)を固化させ、さらに95℃に昇温して10分間保持した。次いで、固化物を脱水、洗浄、乾燥し、粉末状のグラフト共重合体(B−1)を得た。ゴム質重合体(b−1)100質量%中のアクリル酸エステル単量体単位の含有量は99.4質量%、アクリル酸エステル系単量体単位100質量部に対する多官能性単量体単位の含有量は0.2質量部、グラフト共重合体(B−1)100質量部中のゴム質重合体(b−1)の含有量は49.9質量部、ゴム質重合体(b−1)にグラフトしている芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体の組成はそれぞれ芳香族ビニル系単量体が70質量%、シアン化ビニル系単量体が30質量%であった。グラフト共重合体(B−1)のグラフト率は53%であった。
ゴム質重合体を製造する際に用いるアルケニルコハク酸ジカリウム(花王社製、ラテムルASK)の量を8部に変更した以外は合成例8と同様の手法により、グラフト共重合体(B−2)を得た。ゴム質重合体(b−2)の体積平均粒子径は0.050μm、ゴム質重合体(b−2)100質量%中のアクリル酸エステル単量体単位の含有量は99.4質量%、アクリル酸エステル系単量体単位100質量部に対する多官能性単量体単位の含有量は0.2質量部、グラフト共重合体(B−2)100質量部中のゴム質重合体(b−2)の含有量は49.9質量部、ゴム質重合体(b−2)にグラフトしている芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体の組成はそれぞれ芳香族ビニル系単量体が70質量%、シアン化ビニル系単量体が30質量%であった。グラフト共重合体(B−2)のグラフト率は60%であった。
反応器に水240部、牛脂肪酸カリウム(花王社製、KSソープ)0.1部、アクリル酸n−ブチル50部、メタクリル酸アリル0.15部、1,3−ブタンジオールジメタクリル酸エステル0.05部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.1部を撹拌下で仕込み、反応器内を窒素置換した後、内容物を昇温した。内温55℃にて、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2部、硫酸第一鉄七水塩0.00015部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.00045部、水10部からなる水溶液を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認された後、アルケニルコハク酸ジカリウム(花王社製、ラテムルASK)0.3部を滴下速度0.015部/分で滴下しつつジャケット温度を75℃とし、重合発熱が確認されなくなった時点で更にアルケニルコハク酸ジカリウム(花王社製、ラテムルASK)を0.3部添加し、さらに1時間保持した。得られたゴム質重合体(b−3)の体積平均粒子径は0.230μmであった。その後は合成例8と同様の手法により、グラフト共重合体(B−3)を得た。ゴム質重合体(b−3)100質量%中のアクリル酸エステル単量体単位の含有量は99.4質量%、アクリル酸エステル系単量体単位100質量部に対する多官能性単量体単位の含有量は0.2質量部、グラフト共重合体(B−3)100質量部中のゴム質重合体(b−3)の含有量は49.9質量部、ゴム質重合体(b−3)にグラフトしている芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体の組成はそれぞれ芳香族ビニル系単量体が70質量%、シアン化ビニル系単量体が30質量%であった。グラフト共重合体(B−3)のグラフト率は55%であった。
ゴム質重合体を製造する際に用いるメタクリル酸アリルを0.075部、1,3−ブタンジオールジメタクリル酸エステルを0.025部に変更した以外は合成例8と同様の手法により、グラフト共重合体(B−4)を得た。グラフト共重合体(B−4)中のゴム質重合体(b−4)の体積平均粒子径は0.105μm、ゴム質重合体(b−4)100質量%中のアクリル酸エステル単量体単位の含有量は99.6質量%、アクリル酸エステル系単量体単位100質量部に対する多官能性単量体単位の含有量は0.1質量部、グラフト共重合体(B−4)100質量部中のゴム質重合体(b−4)の含有量は49.9質量部、ゴム質重合体(b−4)にグラフトしている芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体の組成はそれぞれ芳香族ビニル系単量体が70質量%、シアン化ビニル系単量体が30質量%であった。グラフト共重合体(B−4)のグラフト率は35%であった。
反応器に水125部、リン酸カルシウム0.4部、アルケニルコハク酸カリウム塩0.0025部、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.04部、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン0.06部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート0.03部、t−ドデシルメルカプタン0.4部と、スチレン72部、及びアクリロニトリル28部からなる単量体混合物を仕込み、反応させた。反応は、水、アクリロニトリル、スチレンの一部を逐次添加しながら開始温度65℃から6.5時間昇温加熱後、125℃に到達させて行った。更に、125℃で1時間反応した後、重合物を取り出し、ビニル系共重合体(C−1)を得た。得られたビニル系共重合体(C−1)の質量平均分子量は104,000であった。
アクリロニトリル28部、スチレン24部、α−メチルスチレン37部、及びN−フェニルマレイミド11部からなる単量体混合物を使用し、スチレン、α−メチルスチレン、N−フェニルマレイミドの一部を逐次添加したこと以外は合成例12と同様にして重合を行って、ビニル系共重合体(C−2)を得た。得られたビニル系共重合体(C−2)の量平均分子量は129,000であった。
ヒンダードアミン系光安定剤(D−1)として、ADEKA社製「アデカスタブ LA−77Y」(ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート(分子量481))を使用した。
ヒンダードアミン系光安定剤(D−2)として、ADEKA社製「アデカスタブ LA−57」(テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(分子量791))を使用した。
ヒンダードアミン系光安定剤(D−3)として、ADEKA社製「アデカスタブ LA−63P」(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β'−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物(分子量2,000))を使用した。
ヒンダードアミン系光安定剤(D−4)として、BASF社製「Uvinul 5050H」(N−(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジン)マレイン酸イミド及びα−オレフィン(C20−24)の共重合体(分子量3000〜4000))を使用した。
ヒンダードアミン系光安定剤(D−5)として、ADEKA社製「アデカスタブ LA−82」(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル=メタクリラート(分子量225))を使用した。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(E−1)として、ADEKA社製「アデカスタブ LA−31」(2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール](分子量659))を使用した。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(E−2)として、ADEKA社製「アデカスタブ LA−32」(2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(分子量225))を使用した。
トリアジン系紫外線吸収剤(E−3)として、ADEKA社製「アデカスタブ LA−46」(2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイロキシ)エトキシ]フェノール(分子量512))を使用した。
トリアジン系紫外線吸収剤(E−4)として、ADEKA社製「アデカスタブ LA−F70」(2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4ヘキシロキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(分子量700))を使用した。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤(E−5)として、BASF社製「Uvinul 3030FF」(2,2−ビス{[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン−1,3−ジイル=ビス(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリラート)(分子量1060))を使用した。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(F−1)として、ADEKA社製「アデカスタブ AO−50」(n−オクタデシル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(分子量531))を使用した。
フェノール系酸化防止剤(F−2)として、ADEKA社製「アデカスタブ AO−40」(6,6’−ジ−tert−ブチル−4,4’−ブチリデンジ−m−クレゾール(分子量383))を使用した
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(F−3)として、ADEKA社製「アデカスタブ AO−60」(ペンタエリトリトール=テトラキス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](分子量1178))を使用した。
グラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、ビニル系共重合体(C)、光安定剤(D)、紫外線吸収剤(E)、酸化防止剤(F)、及びカーボンブラック部(三菱ケミカル社製「#966B」、平均一次粒子径17nm)1部を、表2〜4に示す割合で混合し、さらに滑剤としてエチレンビスステアリルアミド(日油株式会社製「アルフローH50S」)0.5部、酸化マグネシウム(協和化学工業製「キョーワマグ150」)0.1部を加え、ヘンシェルミキサーでブレンドした。この混合物を28mmφの2軸スクリュー押出機(日本製鋼所社製「TEX28V」)を用いて、シリンダー温度240℃にて溶融混練し、ペレット化した。
得られた樹脂組成物のペレットを用い、以下の試験を行って、結果を表2〜4に示した。なお、耐候性の評価は30×70×2mmtの成形体を用いて行った。
成形体のシャルピー衝撃強度は、ISO 179に準拠する方法により、23℃雰囲気下で12時間以上を放置したVノッチあり試験片について測定した。
成形体の曲げ弾性率は、ISO試験法178に準拠する方法により、測定温度23℃、試験片厚さ4mmで測定した。
成形体の荷重たわみ温度はISO試験法75に準拠し、1.8MPa、4mm、フラ
ットワイズ法で測定した。
成形体の光沢度は、デジタル変角光沢計UGV−5D(スガ試験機社製)を用いて、入反射角60°における光沢度を測定した。
キセノンウェザーメーター Ci4000(アトラス社製)を用いて、SAE J2527に準拠した2500kJ/m2、及び4500kJ/m2照射の促進耐候試験を実施した。試験前後における変色度合い(ΔE)を、測色計CM−508d(コニカミノルタ社製)を用いて評価した。
キセノンウェザーメーター Ci4000(アトラス社製)を用いて、SAE J2527に準拠した2500kJ/m2、及び4500kJ/m2照射の促進耐候性試験を実施した。入反射角60°における試験前後の光沢度をデジタル変角光沢計UGV−5D(スガ試験機社製)を用いて測定し、以下の計算式で光沢保持率を求めた。
光沢保持率(%)=試験前の光沢度/試験後の光沢度×100
キセノンウェザーメーター Ci4000(アトラス社製)を用いて、SAE J2527に準拠した4500kJ/m2照射の促進耐候性試験を実施し、試験後の成形体について目視観察によるブリードアウトの発生を判定した。
〇:試験片表面にブリードアウトの発生無し
×:試験片表面にブリードアウトが発生
一方、各比較例の場合、耐候性、耐衝撃性、及び表面外観のいずれか1以上の項目に劣る結果となった。
Claims (8)
- 下記の熱可塑性樹脂(G)、光安定剤(D)、紫外線吸収剤(E)、及び酸化防止剤(F)を含み、熱可塑性樹脂(G)100質量部に対して、光安定剤(D)を0.1〜1.5質量部、紫外線吸収剤(E)を0.1〜1.5質量部、酸化防止剤(F)を0.1〜3質量部含む熱可塑性樹脂組成物。
熱可塑性樹脂(G):グラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B)、及びビニル系共重合体(C)からなり、
グラフト共重合体(A)は、アクリル酸エステル系単量体単位と多官能性単量体単位を含み、主鎖に共役ジエン単量体単位を含まない、体積平均粒子径0.3〜0.6μmのゴム質重合体(a)に、ビニル系単量体がグラフトされたグラフト率が40〜80%のグラフト共重合体であり、
グラフト共重合体(B)は、アクリル酸エステル系単量体単位と多官能性単量体単位を含み、主鎖に共役ジエン単量体単位を含まない、体積平均粒子径0.07〜0.2μmの、ゴム質重合体(b)に、ビニル系単量体がグラフトされたグラフト率が40〜80%のグラフト共重合体であり、
ビニル系共重合体(C)は、芳香族ビニル系単量体の単独重合体、又は少なくともシアン化ビニル系単量体と芳香族ビニル系単量体とを共重合してなる共重合体であり、
熱可塑性樹脂(G)に含まれるゴム質重合体の総量100質量%中に、ゴム質重合体(a)を20〜70質量%、ゴム質重合体(b)を30〜80質量%含む熱可塑性樹脂
光安定剤(D):分子量400〜2,000のヒンダードアミン系光安定剤
紫外線吸収剤(E):分子量300〜800のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及び/又はトリアジン系紫外線吸収剤
酸化防止剤(F):分子量500〜800のヒンダードフェノール系酸化防止剤 - ゴム質重合体(a)100質量%中のアクリル酸エステル系単量体単位の含有量が75質量%以上で、多官能性単量体単位の含有量が、アクリル酸エステル系単量体単位100質量部に対して0.3〜3質量部であり、グラフト共重合体(A)は、ゴム質重合体(a)に、シアン化ビニル系単量体及び芳香族ビニル系単量体、及び必要に応じて用いられるこれらのビニル系単量体と共重合可能な他の単量体を含むビニル系単量体混合物をグラフト重合してなり、グラフト共重合体(A)100質量部中のゴム質重合体(a)の含有量が10〜90質量部であって、
ゴム質重合体(b)100質量%中のアクリル酸エステル系単量体単位の含有量が75質量%以上で、多官能性単量体単位の含有量が、アクリル酸エステル系単量体単位100質量部に対して0.05〜3質量部であり、グラフト共重合体(B)は、ゴム質重合体(b)に、シアン化ビニル系単量体及び芳香族ビニル系単量体、及び必要に応じて用いられるこれらのビニル系単量体と共重合可能な他の単量体を含むビニル系単量体混合物をグラフト重合してなり、グラフト共重合体(B)100質量部中のゴム質重合体(b)の含有量が10〜90質量部である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。 - グラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)とビニル系共重合体(C)の総量である熱可塑性樹脂(G)100質量部に含まれる、グラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)の含有量が20〜60質量部で、ビニル系共重合体(C)の含有量が40〜80質量部である、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- ビニル系共重合体(C)が、芳香族ビニル系単量体の単独重合体、もしくはシアン化ビニル系単量体と芳香族ビニル系単量体との共重合体(C−1)、及び/又は、N−置換マレイミド系単量体と芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体との共重合体(C−2)を含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- ビニル系共重合体(C)100質量部中の共重合体(C−1)と共重合体(C−2)の含有割合が(C−1):(C−2)=10〜100質量部:0〜90質量部の範囲である、請求項4に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 更に、リン系酸化防止剤、カーボンブラック、及び周期表第2族元素の酸化物の1種又は2種以上を含む、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 請求項7に記載の成形体を含む車両外装部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017139235A JP6249130B1 (ja) | 2017-07-18 | 2017-07-18 | 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体、並びに車両外装部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017139235A JP6249130B1 (ja) | 2017-07-18 | 2017-07-18 | 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体、並びに車両外装部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6249130B1 true JP6249130B1 (ja) | 2017-12-20 |
JP2019019236A JP2019019236A (ja) | 2019-02-07 |
Family
ID=60685590
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017139235A Active JP6249130B1 (ja) | 2017-07-18 | 2017-07-18 | 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体、並びに車両外装部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6249130B1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113166479A (zh) * | 2018-11-22 | 2021-07-23 | 大科能宇菱通株式会社 | 热塑性树脂组合物及其成型品 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022019743A1 (en) * | 2020-07-23 | 2022-01-27 | Toray Plastics (M) Sdn. Bhd | Aromatic vinylidene copolymer thermoplastic resin formulations featuring superior colorability, transparency, fluidity and chemical resistance |
KR102687069B1 (ko) * | 2021-01-22 | 2024-07-23 | 주식회사 엘지화학 | 열가소성 수지 조성물, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 성형품 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09202848A (ja) * | 1996-01-26 | 1997-08-05 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物 |
JP2012512304A (ja) * | 2008-12-17 | 2012-05-31 | エクソンモービル ケミカル パテンツ,インコーポレイティド | 流体バリヤー用途に於いて有用な、安定化され、動的加硫された熱可塑性エラストマー組成物 |
US20130184375A1 (en) * | 2012-01-13 | 2013-07-18 | Kaneka Corporation | Rubber modified acrylic resin composition excellent in jet-blackness and molded product thereof |
-
2017
- 2017-07-18 JP JP2017139235A patent/JP6249130B1/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09202848A (ja) * | 1996-01-26 | 1997-08-05 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物 |
JP2012512304A (ja) * | 2008-12-17 | 2012-05-31 | エクソンモービル ケミカル パテンツ,インコーポレイティド | 流体バリヤー用途に於いて有用な、安定化され、動的加硫された熱可塑性エラストマー組成物 |
US20130184375A1 (en) * | 2012-01-13 | 2013-07-18 | Kaneka Corporation | Rubber modified acrylic resin composition excellent in jet-blackness and molded product thereof |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113166479A (zh) * | 2018-11-22 | 2021-07-23 | 大科能宇菱通株式会社 | 热塑性树脂组合物及其成型品 |
CN113166479B (zh) * | 2018-11-22 | 2023-02-24 | 大科能宇菱通株式会社 | 热塑性树脂组合物及其成型品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019019236A (ja) | 2019-02-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9505866B2 (en) | Acrylic rubber graft copolymer and thermoplastic resin composition | |
US8314182B2 (en) | Resin composition having good scratch resistance | |
JP6457094B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びそれから製造される成形品 | |
KR101698880B1 (ko) | 폴리카보네이트 수지 조성물 및 그 성형체 | |
JP6249130B1 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体、並びに車両外装部品 | |
US11702492B2 (en) | Methacrylic resin composition and molded article | |
AU2015272757A1 (en) | Thermoplastic resin composition and molded product thereof | |
JP7224723B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 | |
JP2017031313A (ja) | 樹脂組成物及びその成形体 | |
JP7122234B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 | |
JP2007191632A (ja) | スチレン系樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形体 | |
JP2007238864A (ja) | 樹脂組成物 | |
US9688940B2 (en) | Lubricating thermoplastic resin composition and formed article thereof | |
JP4805464B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH11116767A (ja) | 発色性に優れた熱可塑性樹脂組成物 | |
JP4587651B2 (ja) | スチレン系樹脂組成物 | |
JP6405923B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 | |
JP2000230104A (ja) | ゴム強化スチレン系樹脂組成物 | |
JPH08134316A (ja) | 耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物 | |
JP5283935B2 (ja) | 耐候性樹脂組成物 | |
JP2002241570A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP6627251B2 (ja) | 樹脂組成物及びその成形体 | |
JP5193634B2 (ja) | 耐候性樹脂組成物 | |
JPH07292206A (ja) | 耐熱性熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2014108996A (ja) | 熱可塑性樹脂、および熱可塑性樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170922 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20171024 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20171106 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6249130 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |