JP6248443B2 - 需要調整システム、電力調整装置および需要調整方法 - Google Patents

需要調整システム、電力調整装置および需要調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、需要家が使用する電力負荷を用いて電力系統の需給バランスを維持する需要調整システムに関する。
太陽光エネルギーのような再生可能エネルギーを用いて発電する再生可能電源では、発電量を制御することが困難であるため、再生可能電源にて発電された電力が使用されると、電力系統の需給バランスが維持できなくなることがある。このため、再生可能電源の普及には、電力系統の需給バランスを図るための需給調整手段が必要となる。このような需給調整手段として、近年、家電のような電力を消費する電力負荷を制御することで、電力需要を調整して、電力系統の需給バランスを維持するものが提案されている。
例えば、特許文献1に記載の電力供給制御装置は、各需要家に設置された負荷ごとに供給確率と呼ばれる指標を保持し、発電量が不足した場合、供給確率が小さい負荷から順に、その負荷を停止する旨の停止指令を送信して負荷を停止させている。しかしながら、この電力供給制御装置では、負荷のそれぞれについて個別に停止指令を送信しなければならないため、負荷が多くなるほど、処理量が増えてしまう。電力系統には非常に多くの負荷が接続されているため、処理量が膨大となり、需給バランスの維持を実現することが困難になる。
また、特許文献2に記載の充電制御システムは、電気自動車を予め設定された時間内に必要充電量だけ充電するという制約の下で、電力供給側から要求される電力需要の時間変化と実際の電力需要の時間変化とが一致するように、電気自動車の充電電力量を調整している。特許文献2に記載の技術では、全ての充電制御システムに対して同じ電力需要の時間変化が送信されればよいので、処理量が膨大になることを抑制することができる。しかしながら、この技術では、電気自動車の充電電力量を任意の値に設定できることを前提としているが、実際には、充電電力量を任意の値に設定することは難しい。
これに対して特許文献3には、電気自動車の充電のオンオフを切り替えることで、所望の電力需要の時間変化と実際の電力需要の時間変化とが一致するように、電気自動車の充電電力量を調整することができる充電制御システムが記載されている。しかしながら、特許文献3に記載の技術では、特許文献1に記載の技術と同様に、充電制御システムごとに指令が送信されなければならず、処理量が膨大となってしまう。
したがって、電力負荷を制御する需給調整手段には、電力負荷ごとに異なる指令を送信する必要がなく、さらには、電力負荷に対してオンオフなどの限定的な動作を実行させるだけで、需給バランスを維持する技術が求められている。
これに対して非特許文献1には、上記の技術を実現する方法が提案されている。この方法では、電力系統の系統周波数を用いて需給バランスの崩れが推定され、その需給バランスの崩れに基づいて電力需要を変更するか否かが判断される。電力需要を変更する場合、電力負荷を一斉に停止、または電力負荷を一斉に稼働させることで、電力需要を調整する。この方法では、電力負荷ごとに異なる指令を送信する必要がなく、さらには、電力負荷に対して限定的な動作を実行させるだけで、需給バランスを維持することが可能になる。
特許第4489640号公報 国際公開第2012/120977号 国際公開第2012/120976号
Design Considerations for Frequency Responsive Grid Friendly Appliances, Transmission and Distribution Conference and Exhibition, 2005/2006 IEEE PES, Digital Object Identifier: 10.1109/TDC.2006.1668573, Publication Year: 2006 , Page: 647 - 652
しかしながら、非特許文献1に記載の方法では、全ての電力負荷を一斉に稼働させるか、全ての電力負荷を一斉に停止させるかしかできないため、電力需要を細やかに制御することができず、場合によっては、電力需要が急激にかつ大きく変化してしまい、電力系統の安定性に悪影響を与えることもある。
本発明の目的は、電力負荷ごとに異なる指令を送信する必要がなく、さらには、電力負荷に対して限定的な動作を実行させるだけで、需要バランスを細やかに制御することが可能な需要調整システム、電力調整装置および需要調整方法を提供することである。
本発明による需要調整システムは、電力系統の需給バランスの崩れの程度に応じた需給アンバランス情報に基づいて、電力負荷にて消費される電力消費量を変更する割合を決定する決定部と、
前記決定部にて決定された割合に従って前記電力負荷の動作状態を制御する制御部と、を有し、
前記動作状態には、稼働している稼働状態と、停止している停止状態とがあり、
前記制御部は、前記割合に従って前記動作状態を変更または維持し、
予め定められた特定範囲内の複数の数値に対する確率分布が設定され、当該確率分布に従って前記複数の数値のいずれかを比較値として生成する生成部をさらに有し、
前記決定部は、前記割合を前記確率分布に応じた閾値で表し、
前記制御部は、前記比較値が前記閾値以下か否かに応じて、前記動作状態を変更または維持する
本発明による電力調整装置は、電力系統の需給バランスの崩れの程度に応じた需給アンバランス情報に基づいて、電力負荷にて消費される電力消費量を変更する割合を決定する決定部と、
前記決定部にて決定された割合に従って前記電力負荷の動作状態を制御する制御部と、を有し、
前記動作状態には、稼働している稼働状態と、停止している停止状態とがあり、
前記制御部は、前記割合に従って前記動作状態を変更または維持し、
予め定められた特定範囲内の複数の数値に対する確率分布が設定され、当該確率分布に従って前記複数の数値のいずれかを比較値として生成する生成部をさらに有し、
前記決定部は、前記割合を前記確率分布に応じた閾値で表し、
前記制御部は、前記比較値が前記閾値以下か否かに応じて、前記動作状態を変更または維持する
本発明による需要調整方法は、電力系統の需給バランスの崩れの程度に応じた需給アンバランス情報に基づいて、電力負荷にて消費される電力消費量を変更する割合を決定し、
前記決定された割合に従って前記電力負荷の動作状態を制御し、
前記動作状態には、稼働している稼働状態と、停止している停止状態とがあり、
前記制御は、前記割合に従って前記動作状態を変更または維持し、
予め定められた特定範囲内の複数の数値に対する確率分布が設定され、当該確率分布に従って前記複数の数値のいずれかを比較値として生成し、
前記決定は、前記割合を前記確率分布に応じた閾値で表し、
前記制御は、前記比較値が前記閾値以下か否かに応じて、前記動作状態を変更または維持する。

本発明によれば、電力負荷ごとに異なる指令を送信する必要がなく、さらには、電力負荷に対して限定的な動作を実行させるだけで、需要バランスを細やかに制御することが可能になる。
本発明の第1の実施形態の需要調整システムを示す図である。 本発明の第1の実施形態の需要調整システムにおける需要調整装置の構成の一例を示すブロック図である。 負荷を制御する負荷制御処理の具体例を説明するための図である。 電力需要の変化の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の需要調整システムにおける需要調整装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の需要調整システムにおける需要調整要請送信装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の需要調整システムにおける需要調整装置の構成の他の例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態の需要調整システムを示す図である。 本発明の第2の実施形態の需要調整システムにおける需要調整装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態の需要調整システムにおける需要調整装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 周波数‐需要調整変換関数の一例を示す図である。 周波数‐需要調整変換関数の他の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同じ機能を有するものには同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の第1の実施形態の需要調整システムを示す図である。図1に示すように本実施形態の需要調整システムは、需要調整要請送信装置101と、複数の需要調整装置102とを有する。また、需要調整装置102は、電力系統からの電力を消費する電力負荷である負荷103と接続されている。
需要調整要請送信装置101は、決定部の一例である。需要調整要請送信装置101は、例えば、電力会社のような電力系統の需給バランスを維持する責任を負う機関によって設置される。
需要調整要請送信装置101は、予め定められた情報(以下、需給アンバランス情報と称する)に基づいて、負荷103にて消費される電力消費量を変更する割合である変更割合と、その電力消費量の増加または低減を示す変更方向とを決定する。
需給アンバランス情報は、具体的には、電力系統の需給バランスの崩れの程度に応じた情報であり、例えば、電力系統の系統周波数を測定した測定値である。需給アンバランス情報が系統周波数の測定値の場合、需要調整要請送信装置101は、系統周波数の測定値に基づいて、需給バランスの崩れの程度を推定し、その推定結果に基づいて変更割合および変更方向を決定する。
なお、需要調整要請送信装置101は、系統周波数を測定する測定部を有してもよいし、中央給電指令所などにて測定された測定値を受信してもよい。また、需給アンバランス情報は、系統周波数に限らず、例えば、中央給電指令所などが推定した需給バランスの崩れの程度を示す情報でもよい。
変更割合および変更方向を決定すると、需要調整要請送信装置101は、その変更割合および変更方向を示す調整要請を需要調整装置102のそれぞれに送信する。
本実施形態では、需要調整要請送信装置101は、変更割合を予め定められた特定範囲内の数値である閾値で表し、その閾値を含む調整要請を送信するものとする。以下では、特定範囲は、0から1までの範囲とし、需要調整要請送信装置101は、変更割合に比例する数値を閾値とする。この場合、例えば、変更割合「100%」は、閾値「1」に対応し、変更割合「50%」は閾値「0.5」に対応する。また、後述するように本実施形態では、負荷103を稼働または停止させることで電力消費量を調整するため、需要調整要請送信装置101は、電力消費量を増やす場合、変更方向として負荷稼働を示し、電力消費量を減らす場合、変更方向として負荷停止を示す調整要請を送信する。
なお、調整要請を送信するための通信方式は特に限定されないが、FM(Frequency Modulation)放送方式やブロードキャスト通信方式のような一斉配信方式が望ましい。
需要調整装置102は、電力調整装置と呼ばれることもある。需要調整装置102は、電力系統からの電力を使用する需要家などによって負荷103に対応して設けられる。なお、図1の例では、需要調整装置102は、負荷103の外部にあって、負荷103と通信可能に接続されているが、負荷103に内蔵されてもよい。また、図1の例では、1つの負荷103に1つの需要調整装置102が対応しているが、複数の負荷103に1つの需要調整装置102が対応していてもよい。以下では、簡単のため、特に断りのない限り、1つの負荷103に1つの需要調整装置102が対応しているものとして説明する。なお、負荷103は、家電や電気自動車など電力系統から供給される電力を消費するものであれば特に限定されない。
需要調整装置102は、需要調整要請送信装置101から調整要請を受信し、その調整要請に従って負荷103の動作状態を変更する。本実施形態における動作状態には、電力を消費する稼働状態と、電力を消費しない停止状態とがあるものとする。
図2は、需要調整装置102の構成の一例を示すブロック図である。図2の例では、需要調整装置102は、需要調整要請受信部201と、乱数生成部202と、処理部203とを有する。
需要調整要請受信部201は、需要調整要請送信装置101から調整要請を受信する受信部である。
乱数生成部202には、特定範囲である0から1までの範囲内の複数の数値に対する確率分布が設定されている。乱数生成部202は、その確率分布に従って上記の複数の数値のいずれかを比較値として生成する。本実施形態では、確率分布における各数値が生成される確率が等しいとする。つまり、乱数生成部202は、上記の複数の数値のいずれかをランダムに生成するものとする。以下では、比較値を乱数値と称する。
処理部203は、制御部の一例である。処理部203は、需要調整要請受信部201が受信した調整要請にて示される変更割合および変更方向に従って負荷103の動作状態を制御する。本実施形態では、負荷103の動作状態は稼働状態および停止状態であるので、処理部203は、変更割合および変更方向に従って負荷103の動作状態を変更または維持する。
具体的には、処理部203は、先ず、調整要請が示す変更割合である閾値と乱数生成部202が生成した乱数値とを比較し、乱数値が閾値以下か否かに応じて、負荷103の動作状態を変更するか否かを判断する。本実施形態では、変更割合が高いほど閾値が大きくなるので、処理部203は、乱数が閾値以下の場合、負荷103の動作状態を変更すると判断し、乱数が閾値より大きい場合、負荷103の動作状態を維持すると判断する。
動作状態を変更する場合、処理部203は、調整要請が示す変更方向に従って、負荷103の動作状態を変更する。本実施形態では、負荷103の動作状態には稼働状態と停止状態とがあるので、処理部203は、調整要請が負荷稼働を示す場合、負荷103を稼働状態にし、調整要請が負荷停止を示す場合、負荷103を停止状態にする。
図3は、負荷を制御する負荷制御処理の具体例を説明するための図である。図3の例では、負荷103として、EV(電気自動車:Electric Vehicle)、冷蔵庫およびエアコン(エア・コンディショナー)が存在している。各負荷には、需要調整装置102が対応して設けられているが、図3では需要調整装置102は省略されている。
先ず、ステップS2−0に示したように、全ての負荷の動作状態の初期状態が稼働状態であったとする。そして、電力系統の需給バランスが崩れ(具体的には、電力系統の電力供給量が足りなくなり)、稼働状態の全ての負荷のうち40%の負荷を停止状態にする必要が生じたとする。
この場合、ステップS2−1に示すように、需要調整要請送信装置101は、変更割合を40%と決定し、変更割合「40%」に対応する閾値「0.4」と負荷停止とを示す調整要請を各負荷に対応する需要調整装置102のそれぞれに送信する。需要調整装置102のそれぞれは、調整要請を受信すると、乱数生成部202を用いて乱数を生成し、乱数が閾値以下の場合、自身に対応する負荷を停止状態にする。
図3では、EVに対応する需要調整装置102が乱数として0.3を生成し、冷蔵庫に対応する需要調整装置102が乱数として0.5を生成し、エアコンに対応する需要調整装置102が乱数として0.8を生成している。この場合、閾値以下の乱数を生成した需要調整装置102に対応するEVのみが停止状態となる。
その後、電力系統の電力供給量の不足が解消されず、稼働状態の全ての負荷のうち80%の負荷を停止状態にする必要が生じたとする。
この場合、ステップS2−2に示すように、需要調整要請送信装置101は、変更割合を80%と決定し、変更割合「80%」に対応する閾値「0.8」と負荷停止とを示す調整要請を各負荷に対応する需要調整装置102のそれぞれに送信する。需要調整装置102のそれぞれは、調整要請を受信すると、乱数生成部202を用いて乱数を生成し、乱数が閾値以下の場合に、自分自身に対応する負荷を停止状態にする。
図3では、EVに対応する需要調整装置102が乱数として0.2を生成し、冷蔵庫に対応する需要調整装置102が乱数として0.9を生成し、エアコンに対応する需要調整装置102が乱数として0.7を生成している。この場合、閾値以下の乱数を生成した需要調整装置102に対応するEVおよびエアコンが停止状態となる。
以上説明したように閾値および乱数を用いて停止状態にする負荷が選択されると、全ての負荷の中から、変更割合に応じた数の負荷がランダムで停止状態となり、図4に示すように、電力系統の需給アバランスに応じて電力需要を段階的に変更することが可能になる。
なお、図3の例では、負荷が3個のみであったが、通常、負荷の数は非常に多い。例えば、需要調整システムが変電所よりも下流に存在する負荷の動作状態を制御する場合、負荷の数は概ね数万個であり、需要調整システムが電力会社の管轄内に存在する負荷の状態を制御する場合、負荷の数は概ね数百万個以上となる。
負荷の数が少ない場合、各負荷の消費電力量が異なるため、停止状態となる負荷に応じて電力需要が変化してしまう。このため、閾値にて示される変更割合に比例した分だけ電力需要が変化するとは限らない。しかしながら、負荷の数が十分多くある場合、停止状態となる負荷がランダムに選択されると、選択された負荷の消費電力の総和は、全ての負荷の消費電力の総和に、全ての負荷に対する選択された負荷の割合を掛け合わせた値になる。つまり、変更割合に比例して電力需要が変化するため、正確な需要調整が可能になる。
なお、調整要請が負荷停止を示す場合、稼働状態の負荷のみが動作状態を変更することが可能であり、調整要請が負荷稼働を示す場合、停止状態の負荷のみが動作状態を変更することが可能である。このため、需要調整要請送信装置101は、変更割合を決定する際に、全ての負荷に対する動作状態が変更可能な負荷の割合である対象負荷割合を考慮する必要がある。負荷の数が十分多くある場合、対象負荷割合は、気温などの気象情報や時間帯および曜日などの時間情報などをパラメータとして用いることで統計的に予測することが可能である。
このため、需要調整要請送信装置101は、変更割合に応じた調整要請を送信したときに、電力系統の需給バランスの崩れがどの程度解消されたかを示す情報を過去の実績としてパラメータと対応付けてデータベースとして保持し、そのデータベースと現在のパラメータの値に基づいて対象負荷割合を予測することができる。
なお、需要家が動作状態を変更することを希望しない負荷(例えば冷蔵庫など)がある場合には、需要調整システムが管理する負荷を需要家が適宜選択できるようにしてもよい。
このように需要家が需要調整システムによる負荷の動作状態の変更を許可するか否かを設定することができる場合、動作状態の変更を許可していない負荷も考慮して対象負荷割合を求める必要がある。しかしながら、この場合であっても、適切なデータベースを用いることで対象負荷割合を予測することができる。
次に需要調整システムの動作を説明する。
図5は、需要調整装置102の動作の一例を説明するフローチャートである。
先ず、処理部203は、需要調整要請受信部201が調整要請を受信したか否かを確認する(ステップS301)。
需要調整要請受信部201が調整要請を受信していない場合、処理部203は、ステップS301の処理に戻る。一方、需要調整要請受信部201が調整要請を受信した場合、処理部203は、以前に受信された調整要請に従って、現在、負荷の動作状態を制御しているか否かを判断する(ステップS302)。
ステップS302において負荷の動作状態を制御している場合、処理部203は、負荷の動作状態の制御を停止して、負荷の動作状態を元の状態に戻す(ステップS303)。
ステップS301において負荷の動作状態を制御していない場合、および、ステップS302において負荷の動作状態を元の状態に戻した場合、処理部203は、調整要請が負荷停止を示すか負荷稼働を示すかを確認する(ステップS304)。
調整要請が負荷稼働を示す場合、処理部203は、負荷103が停止状態か否かを確認する(ステップS305)。一方、調整要請が負荷停止を示す場合、処理部203は、負荷103が稼働状態か否かを確認する(ステップS306)。
ステップS305において負荷103が稼働状態の場合、および、ステップS306において負荷が停止状態の場合、処理部203は、ステップS301の処理に戻る。
また、ステップS305において負荷103が停止状態の場合、および、ステップS306において負荷が稼働状態の場合、処理部203は、乱数生成部202に乱数値を生成する旨の動作指令を出力する。乱数生成部202は、動作指令を受け付けると、乱数値を生成し、その乱数値を処理部203に通知する。処理部203は、調整要請が示す閾値と、乱数生成部202から通知された乱数値とを比較して、乱数値が閾値以下か否かを判断する(ステップS307)。
乱数値が閾値以下の場合、処理部203は、調整要請に従って負荷103の動作状態を変更し(ステップS308)、ステップS301の処理に戻る。一方、乱数値が閾値より大きい場合、ステップS308の処理を行わずに、処理部203は、ステップS301の処理に戻る。
図6は、需要調整要請送信装置101の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
先ず、需要調整要請送信装置101は、需要アンバランス情報に基づいて、負荷103の動作状態を変更する需要調整が必要か否かを判断する(ステップS401)。例えば、需要調整要請送信装置101は、需要アンバランス情報に基づいて、需給バランスの崩れの程度を推定し、その程度が所定の許容範囲から外れていると、需要調整が必要と判断する。
需要調整が必要ある場合、需要調整要請送信装置101は、需要アンバランス情報に基づいて変更方向を決定し、その変更方向と、現在のパラメータ(気象情報および時間情報)と、保持しているデータベースとに基づいて対象負荷割合を推定する(ステップS402)。
そして、需要調整要請送信装置101は、予測した対象負荷割合に基づいて変更割合である閾値を決定する(ステップS403)。
その後、需要調整要請送信装置101は、決定した変更方向および閾値を示す調整要請を生成し、その調整要請を需要調整装置102のそれぞれに送信する(ステップS404)。
以下、閾値を決定する処理についてより詳細に説明する。
例えば、変更方向が電力消費量の低減を示す場合、現在における稼働状態の負荷の総量である稼働総量をPON、動作状態を変更する負荷の量である負荷削減量をPreduceとすると、閾値(変更割合)Wは以下の式1で表される。
Figure 0006248443
また、変更方向が電力消費量の増加を示す場合、現在における停止状態の負荷の総量である停止総量をPOFF、動作状態を変更する負荷の量である負荷増加量をPincreaseとした場合、閾値(変更割合)Wは以下の式2で表される。
Figure 0006248443
式1および式2における稼働総量PONおよび停止総量POFFは、以下のように算出することができる。
需要家aの負荷b(例:b=1が冷蔵庫、b=2が電気自動車など)の消費電力量をPindividual(a,b)と表し、各需要家の負荷bが時刻tにおいて使用されている確率をRusing(t,b)、と表し、各需要家の負荷bが動作状態の変更を許可されている確率をRallow(t,b)と表すとする。
時刻tにおける稼働総量PONは、各需要家aの負荷bの動作状態が稼働状態から停止状態に変更された場合における消費電力量の変化量、つまり負荷bの消費電力量Pindividual(a,b)に、動作状態を変更することが可能な確率Rusing(t,b)×Rallow(t,b)を乗算した値を、全ての需要家aおよび負荷bについて総和をとった値となる。つまり、稼働総量PONは以下の式3で表される。
Figure 0006248443
式3において、
Figure 0006248443
は、全ての需要家における負荷bの消費電力の総和であり、需要家の数が十分多い場合、各需要家における負荷bの平均消費電力に、負荷bを有する需要家の数を乗算した値となる。そのため、式3は、以下の式4ように変形することができる。
Figure 0006248443
なお、負荷bを有する需要家の数、負荷bの平均消費電力、確率Rusing(t,b)およびRallow(t,b)は、統計的に求めることができる。
また、停止総量POFFは、稼働総量PONと同様に以下の式5で表すことができる。
Figure 0006248443
以上説明した本実施形態では、処理部203は、式1または式2を用いて算出した閾値と、特定範囲である0から1までの範囲内の複数の数値をランダムに生成した値である乱数値と比較することで、負荷103の動作状態を変更するか否かを判断していた。しかしながら、この方法は単なる一例であって、乱数生成部202は確率分布が予め定められた複数の数値のいずれかをその確率分布に従って生成すればよい。この場合、需要調整要請送信装置101は、変更割合をその確率分布に応じた閾値で表せばよい。
例えば、特定範囲を1から1000までの範囲とし、乱数生成部202が1から1000までの範囲内の整数値を乱数値としてランダムに生成してもよい。この場合、需要調整要請送信装置101は、式1または式2で求めた値Wを1から1000までの範囲内にマッピングすることで閾値を決定することができる。
また、乱数生成部202がランダムに乱数値を生成するのではなく、特定の確率分布を有する値を生成する場合、需要調整要請送信装置101は、乱数生成部202が用いる確率分布に従って式1および式2に重み付けを行い、その重み付けを行った式1および式2を用いて閾値を決定することができる。
また、需要調整装置102がシリアル番号などの固有の数値を保持していれば、需要調整要請送信装置101は、変更割合を固有の数値に対する条件で表してもよい。例えば、変更割合をシリアル番号の下三桁の数値に対する条件で表す場合、需要調整要請送信装置101は、0から999までの1000個の数値から、1000×W(式1および2で求めた変更割合)個の数値をランダムに生成し、その数値を示す需要調整を需要調整装置102のそれぞれに送信する。この場合、需要調整装置102の処理部203は、需要調整が示す数値が自身の需要調整装置102のシリアル番号の下三桁と一致しているならば、負荷103の動作状態を変更する。
また、需要調整装置102は、図7に示すように複数の負荷103と対応付けられていてもよい。この場合、乱数生成部202が複数の負荷103の全てに共通した乱数値を生成し、処理部203がその乱数値と閾値を比較することで、全ての負荷103の動作状態を一括して変更してもよいし、乱数生成部202が複数の負荷103のそれぞれについて乱数値を生成し、処理部203が乱数値のそれぞれと閾値を比較することで、負荷103の動作状態を個別に変更してもよい。
なお、乱数生成部202が乱数値を生成するアルゴリズムが全ての需要調整装置102に共通して用いられると、全ての需要調整装置102が同じ乱数値を生成してしまうことがあるかもしれない。このため、乱数値を生成するアルゴリズムは需要調整装置102ごとに個別に設定されることが望ましい。
以上説明したように本実施形態によれば、変更割合に従って負荷103の動作状態が制御されるので、需要アンバランスの程度に応じた割合の負荷だけを稼働させたり、停止させたりすることで需要バランスを維持することが可能になる。このため、負荷103に対して限定的な動作を実行させるだけで、電力需要を細やかに制御することが可能になる。また、変更割合が全ての需要調整装置に通知されればよいので、負荷103ごとに異なる指令を送信する必要がない。したがって、負荷103ごとに異なる指令を送信する必要がなく、さらには、負荷103に対して限定的な動作を実行させるだけで、需要バランスを細やかに制御することが可能になる。
また、本実施形態では、負荷103の動作状態は停止状態と稼働状態だけなので、負荷103に対してより限定した動作を実行させるだけでよくなる。
また、本実施形態では、予め設定された確率分布に従って生成された比較値および閾値に応じて、動作状態が変更または維持されるので、需要バランスを細やかにかつ容易に制御することが可能になる。
また、本実施形態では、確率分布における各数値が生成される確率が等しいので、非常に容易に需要バランスを制御することが可能になる。
また、本実施形態では、乱数値を生成するアルゴリズムが需要調整装置102ごとに設定されるので、全ての需要調整装置102が同じ乱数値を生成してしまうことが抑制することが可能になる。
また、本実施形態では、変更割合および変更方向に従って負荷103の動作状態が制御されるので、電力供給量が不足した場合でも、電力供給量が過剰になった場合でも、需給バランスを維持することが可能になる。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
図8は、本発明の需要調整システムの構成を示す図である。図8に示すように本実施形態の需要調整システムは、複数の需要調整装置500を有する。需要調整装置500のそれぞれは、電力系統501と、電力系統501からの電力を消費する負荷502と接続されている。なお、需要調整装置500は、第1の実施形態の需要調整装置102と同様に、複数の負荷502と接続されていても良いが、以下では簡単のために一つの負荷502と接続されているものとする。また、需要調整装置500は負荷502に内蔵されていてもよい。
図9は、需要調整装置500の構成を示す図である。図9に示すように需要調整装置500は、系統周波数測定部511と、格納部512と、処理部513とを有する。
系統周波数測定部511は、需要アンバランス情報である系統周波数を測定する。なお、系統周波数は同一の電力系統であればどのポイントで測定してもほぼ同一となるため、複数の需要調整装置500のそれぞれでほぼ同一の系統周波数が測定される。
格納部512は、負荷502の消費電力を変更する変更割合と系統周波数との対応関係を規定する対応情報を格納する。本実施形態では、格納部512は、系統周波数を引数とし、変更割合を示す解を返す関数である周波数‐需要調整変換関数を対応情報として格納する。
なお、周波数‐需要調整変換関数は格納部512に予め格納されていてもよいし、インターネットなどを用いて定期的に需要調整装置500に配信された周波数‐需要調整変換関数が格納されてもよい。
処理部513は、系統周波数測定部511にて測定された測定値と、格納部512に格納された周波数‐需要調整変換関数に基づいて、負荷502の動作状態を制御する。なお、本実施形態では、負荷502の動作状態は、第1の実施形態の負荷103と同様に、稼働状態および停止状態を有するものとする。
処理部513は、具体的には、決定部521と、制御部522とを有する。
決定部521は、系統周波数測定部511にて測定された測定値と、格納部512に格納された周波数‐需要調整変換関数とに基づいて、変更割合を決定する。
制御部522は、決定部521が決定した変更割合に基づいて、負荷502の動作状態を制御する。例えば、第1の実施形態と同様に変換確率を閾値で表し、かつ、乱数値を生成し、閾値が乱数値以下か否かに応じて負荷502動作状態を変更または維持する。
図10は、需要調整装置500の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
先ず、決定部521は、系統周波数測定部511から系統周波数の測定値を取得する(ステップS601)。なお、系統周波数測定部511は、例えば、常時または定期的に系統周波数を測定し、決定部521は、例えば、定期的にその測定値を取得する。
続いて、決定部521は、格納部512から周波数‐需要調整変換関数を取得する(ステップS602)。
そして、決定部521は、その周波数周波数‐需要調整変換関数にステップS601で取得した測定値を代入し、周波数周波数‐需要調整変換関数から返された解に応じて変更割合および変更方向を決定する(ステップS603)。
その後、決定部521は、決定した変更割合および変更方向を示す変更情報を制御部522に通知する。制御部522は、変更情報を受け付けると、その変更情報が示す変更割合に従って負荷502の動作状態を変更するか否かを判断する(ステップS604)。
動作状態を変更する場合、決定部521は、変更方向に従って負荷502の動作状態を変更し(ステップS605)、ステップS601の処理に戻る。一方、動作状態を維持する場合、決定部521は、ステップS605の処理を行わずに、ステップS601の処理に戻る。
次に周波数‐需要調整変換関数と、周波数‐需要調整変換関数を用いて変更割合および変更方向を決定するステップS603の処理についてより詳細に説明する。
図11は、周波数‐需要調整変換関数の一例を示す図である。図11に示す周波数‐需要調整変換関数は、変更方向である電力消費量の増加および削減のそれぞれについて解を返すものである。具体的には、周波数‐需要調整変換関数には、系統周波数に対する、負荷502を停止状態から稼働状態に変更する割合である停止−稼働割合を規定する第1の関数と、系統周波数に対する、負荷502を稼働状態から停止状態に変更する割合である稼働−停止割合を規定する第2の関数とがある。
周波数‐需要調整変換関数である第1の関数および第2の関数は、任意の系統周波数に対して、停止−稼働割合および稼働−停止割合の少なくとも一方が0になるように設定されている。なお、停止−稼働割合が0より大きい場合、変更方向が負荷稼働であることを示し、稼働−停止割合が0より大きい場合、変更方向が負荷停止であることを示す。
ここで系統周波数が所定の系統基準周波数よりも高い場合には、電力需要が供給(発電量)を下回っていることを意味し、系統周波数が系統基準周波数よりも低い場合には、電力需要が供給を上回っていることを意味する。このため、系統基準周波数を基準値とし、第1の関数および第2の関数は、系統周波数が基準値よりも高い場合には、停止‐稼働割合が0%より大きくなり、系統周波数が基準値よりも低い場合には、稼働‐停止割合が0%より大きくなるように設定されている。
なお、日本国内の東側の地域では、系統周波数が系統基準周波数である50Hzの中心として±0.2Hz以内になるように電力系統が運用されているため、図7では、その運用に合わせて、基準値を系統基準周波数と同じ50Hzとし、系統周波数が50Hz±0.2Hzになったときに、変更割合が最大値「100%」となるように、周波数‐需要調整変換関数は設定されている。
この場合、制御部522は、変更割合が0でないことを示す解に基づいて、変更割合および電力消費量の増加または削減を示す変更方向を決定し、変更割合および変更方向に従って、電力負荷の動作状態を制御する、
なお、第1の実施形態と同様に、動作状態を変更できる負荷502は、電力消費量を減らす場合、稼働状態の負荷だけであり、電力消費量を増やす場合、停止状態の負荷だけである。このため、決定部521は、周波数‐需要調整変換関数から返される停止‐稼働割合が0%より大きくても、負荷502が稼働状態の場合には、変更割合を0%とし、周波数‐需要調整変換関数から返される稼働‐停止割合が0%より大きくても、負荷502が停止状態の場合には、変更割合を0%とする。
周波数‐需要調整変換関数は、図11の例に限らない。例えば、周波数‐需要調整変換関数は、系統周波数の測定値の基準値からの偏差が0の場合、変更割合が0%となり、その偏差が正の場合、変更方向が負荷稼働、つまり、停止−稼働割合が0以上になり、その偏差が負の場合、変更方向が負荷停止、つまり、稼働−停止割合が0以上になる関数であればよい。
図12は、周波数‐需要調整変換関数の他の例を示す図である。図12の例では、周波数‐需要調整変換関数は、偏差が正の場合、解が正になり、偏差が負の場合、変更割合が負になる。この場合、制御部522は、解の符号に応じて変更方向を決定し、解の絶対値に基づいて変更割合を決定する。具体的には、制御部522は、解が正の場合、変更方向を負荷稼働に決定し、かつ、変更割合(停止−稼働割合)を解の絶対値に決定し、解が負の場合、変更方向を負荷停止に決定し、かつ、変更確率(稼働−停止割合)を解の絶対値に決定する。
なお、系統周波数の基準値は系統基準周波数でなくてもよい。例えば、基準値は、系統基準周波数よりも僅かに小さい値でもよい。この場合、系統周波数は、通常、系統基準周波数を中心として揺らぐため、負荷502の動作状態が停止状態から稼働状態に変更する可能性が、負荷502の動作状態が稼働状態から停止状態に変更する可能性よりも高くなる。このため、需要家は負荷502をより長い時間利用することが可能になる。
また、周波数‐需要調整変換関数は、基準値を含む所定範囲に系統周波数が収まる場合、変更割合が0となるものでもよい。この場合、需給バランスの崩れの程度が小さい場合には、負荷502の動作状態が変更されなくなるので、負荷の動作状態が変更する回数を低減することが可能になる。
また、第1の実施形態と同様に負荷502の数が少ない場合には、各負荷の消費電力量が異なるため、動作状態が変更される負荷に応じて電力需要は変化してしまうが、負荷の数が十分多い場合には、動作状態を変更する変更割合に比例して電力需要が変化するため、正確な需要調整が可能になる。
なお、本需要調整システムによる需要調整と、既存の電力システムにおける需給調整との整合をとるため、電力会社などの需給調整の責任を負う部門は、本需要調整システムにて需要調整が行われた場合に、その調整された電力量の総量である総需要調整量を把握しておく必要がある。負荷の台数が十分にあると、第1の実施形態と同様に、動作状態の変更を許可していない負荷を考慮しても対象負荷割合は、気象情報や時間情報などのパラメータを用いて統計的に予測可能である。このため、需給調整の責任を負う部門は、パラメータと系統周波数を測定する事で、総需要調整量を把握することが可能になる。
また、本実施形態では、需給アンバランス情報の一種である系統周波数に基づいて変更割合が決定されていたが、変更割合は第1の実施形態と同様に他の需給アンバランス情報に基づいて決定されていてもよい。
以上説明したように本実施形態によれば、系統周波数と変更割合との対応関係を規定する対応情報と系統周波数の測定値とに基づいて、変更割合が決定されるため、容易に変更割合を決定することが可能になる。
また、本実施形態では、対応情報は、系統周波数を引数とし、変更割合を示す解を返す周波数‐需要調整変換関数であるため、より容易に変更割合を決定することが可能になる。
また、需要調整装置500が系統周波数を測定する系統周波数測定部511を備えているため、需要調整装置500は第1の実施形態の需要調整要請送信装置101のような他の装置と通信しなくても、変更割合を決定することが可能になる。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
例えば、変更割合と系統周波数との対応関係を規定する対応情報は、変更割合と系統周波数の対応を示すテーブルでもよい。
また、電力負荷の動作状態は、稼働状態および停止状態の2つであったが、動作状態はこれらの例に限らない。
例えば、負荷には動作状態として電力消費量を低減させて駆動する省電力状態を有するものがある。このため、需要調整システムは、電力負荷の動作状態を、停止状態、稼働状態および省電力状態のいずれかに設定するものでもよい。また、負荷にはEV(電気自動車)のように動作状態として電力を放電する放電状態を有するものがある。このため、需要調整システムは、電力負荷の動作状態を、停止状態、放電状態、稼働状態(電力を充電する充電状態)のいずれかに設定するものでもよい。
なお、これらの需要調整システムでも、例えば、需要調整要請送信装置101が、調整要請に、省電力状態を有する負荷を省電力状態にする旨の情報や、放電状態を有する負荷を放電状態にする旨の情報を追加することで、全ての需要調整装置102に同じ調整要請を送信することで、需要調整を行うことができる。この場合、例えば、省電力状態や放電量帯を有する負荷に対応する需要調整装置102は、調整要請に従って負荷の動作状態を制御し、省電力状態や放電量帯を有していない負荷に対応する需要調整装置102は、負荷の動作状態の制御を行わない。
101 需要調整要請送信装置
102、500 需要調整装置
103、502 負荷
201 需要調整要請受信部
202 乱数生成部
203、513 処理部
501 電力系統
511 系統周波数測定部
512 格納部
521 決定部
522 制御部

Claims (12)

  1. 電力系統の需給バランスの崩れの程度に応じた需給アンバランス情報に基づいて、電力負荷にて消費される電力消費量を変更する割合を決定する決定部と、
    前記決定部にて決定された割合に従って前記電力負荷の動作状態を制御する制御部と、を有し、
    前記動作状態には、稼働している稼働状態と、停止している停止状態とがあり、
    前記制御部は、前記割合に従って前記動作状態を変更または維持し、
    予め定められた特定範囲内の複数の数値に対する確率分布が設定され、当該確率分布に従って前記複数の数値のいずれかを比較値として生成する生成部をさらに有し、
    前記決定部は、前記割合を前記確率分布に応じた閾値で表し、
    前記制御部は、前記比較値が前記閾値以下か否かに応じて、前記動作状態を変更または維持する、需要調整システム。
  2. 前記確率分布における各数値が生成される確率が等しい、請求項1に記載の需要調整システム。
  3. 前記電力負荷は、複数あり、
    前記電力負荷ごとに対応して設けられ、前記生成部および前記制御部を備える複数の需要調整装置を有し、
    各需要調整装置の制御部は、当該需要調整装置に対応する電力負荷の動作状態を制御し、
    各需要調整装置の生成部が前記比較値を生成するアルゴリズムは、前記需要調整装置ごとに設定される、請求項1または2に記載の需要調整システム。
  4. 前記決定部は、前記情報に基づいて、前記電力消費量の増加または削減を示す変更方向をさらに決定し、
    前記制御部は、前記割合および前記変更方向に従って、前記電力負荷の動作状態を制御する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の需要調整システム。
  5. 前記電力負荷は、電力系統から供給される電力を消費し、
    前記情報は、電力系統の系統周波数を測定した測定値であり、
    前記系統周波数と前記割合との対応関係を規定する対応情報を格納する格納部をさらに有し、
    前記決定部は、前記測定値と前記対応情報とに基づいて、前記割合を決定する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の需要調整システム。
  6. 前記対応情報は、前記系統周波数を引数とし、前記割合を示す解を返す関数であり、
    前記決定部は、前記測定値を前記関数に代入し、当該関数から返された解に応じて前記割合を決定する、請求項5に記載の需要調整システム。
  7. 前記関数は、予め定められた基準値に対する前記代入された測定値の偏差に応じた値を解として返す、請求項6に記載の需要調整システム。
  8. 前記関数は、前記電力消費量の増加および削減のそれぞれについて解を返し、各解の少なくとも一方は前記割合が0であることを示し、
    前記決定部は、各解のうち前記割合が0でないことを示す解に基づいて、前記割合および前記電力消費量の増加または削減を示す変更方向を決定し、前記割合および前記変更方向に従って、前記電力負荷の動作状態を制御する、請求項6または7に記載の需要調整システム。
  9. 前記決定部は、前記関数から返された解の絶対値を前記割合として決定し、当該解の符号に応じて、前記電力消費量の増加または削減を示す変更方向をさらに決定し、前記割合および前記変更方向に従って、前記電力負荷の動作状態を制御する、請求項6または7に記載の需要調整システム。
  10. 前記電力負荷は、複数あり、
    前記電力負荷ごとに対応して設けられ、前記決定部および前記制御部を備える複数の需要調整装置を有し、
    各需要調整装置は、前記系統周波数を前記測定値として測定する測定部をさらに備え、
    各需要調整装置の決定部は、当該需要調整装置に備わった測定部が測定した測定値に基づいて前記割合を決定し、
    各需要調整装置の制御部は、当該需要調整装置に備わった決定部が決定した割合に従って、当該需要調整装置に対応する電力負荷の動作状態を制御する、請求項5ないし8のいずれか1項に記載の需要調整システム。
  11. 電力系統の需給バランスの崩れの程度に応じた需給アンバランス情報に基づいて、電力負荷にて消費される電力消費量を変更する割合を決定する決定部と、
    前記決定部にて決定された割合に従って前記電力負荷の動作状態を制御する制御部と、を有し、
    前記動作状態には、稼働している稼働状態と、停止している停止状態とがあり、
    前記制御部は、前記割合に従って前記動作状態を変更または維持し、
    予め定められた特定範囲内の複数の数値に対する確率分布が設定され、当該確率分布に従って前記複数の数値のいずれかを比較値として生成する生成部をさらに有し、
    前記決定部は、前記割合を前記確率分布に応じた閾値で表し、
    前記制御部は、前記比較値が前記閾値以下か否かに応じて、前記動作状態を変更または維持する、電力調整装置。
  12. 電力系統の需給バランスの崩れの程度に応じた需給アンバランス情報に基づいて、電力負荷にて消費される電力消費量を変更する割合を決定し、
    前記決定された割合に従って前記電力負荷の動作状態を制御し、
    前記動作状態には、稼働している稼働状態と、停止している停止状態とがあり、
    前記制御は、前記割合に従って前記動作状態を変更または維持し、
    予め定められた特定範囲内の複数の数値に対する確率分布が設定され、当該確率分布に従って前記複数の数値のいずれかを比較値として生成し、
    前記決定は、前記割合を前記確率分布に応じた閾値で表し、
    前記制御は、前記比較値が前記閾値以下か否かに応じて、前記動作状態を変更または維持する、需要調整方法。
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