JP6247703B2 - 安定化ポリエステル系組成物 - Google Patents

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Description

本開示は、概して、ポリ乳酸系組成物などのポリエステル系組成物およびポリエステルコポリマー系組成物に関する。特に、本開示は、官能性可塑剤を混合して含む、安定化させたポリ乳酸組成物に関する。
ポリエステル組成物およびポリエステルコポリマー組成物としては、とりわけ、ポリ乳酸(PLA)が挙げられる。ポリ乳酸は、再生可能な材料ポリマー、生分解性ポリマーおよび/または生体適合性ポリマーとみなされ得るものであり、脂肪族ポリエステルとして知られるポリマー類に属する。一般論として、ポリ乳酸は、ポリ乳酸の塩基性モノマー(乳酸)が再生可能な資源(たとえば、糖または他の炭水化物)から製造される限り、通常、環境に優しい材料に分類される。
ポリ乳酸の合成は、多段階プロセスであり、一般に、乳酸(モノマー)の製造から開始して種々の重合工程を経て終了する。多少過度に単純化した概要を提供するとすれば、ポリ乳酸は、乳酸の縮合重合を介して合成することができる。この場合、通常、低分子量のポリ乳酸が得られる。あるいは、脱水縮合、解重合および開環重合という一連の反応を介して、ポリ乳酸を合成することもできる。この場合、通常、高分子量のポリ乳酸が得られる。現在、ポリ乳酸は、多種多様な商工業用等級のものが入手可能となっている。
L異性体とD異性体の調整化合物を重合することによって、ポリ乳酸の立体化学構造を本質的に変えることができ、これにより高分子量のアモルファスおよび/または半結晶性ポリマーが得られる。
ポリ乳酸は、近年、比較的製造するのが安価なポリマーとして、また多種多様な用途に適したポリ乳酸の複数の特性に対して、注目が集まっているが、ポリ乳酸の商業化には、この材料に特有の挑戦と困難が伴う。
より具体的には、加工方法(たとえば、射出成形、圧縮成形、押出成形、ブロー成形、発泡成形など)に依存しないある点では、ある種のポリエステル系化合物およびポリエステルコポリマー系化合物、たとえば、ポリ乳酸などを最終製品に加工するには、分解を防止または最小限にして分子量および他の特性を維持するために、加工前または加工後の熱安定性および/または加水分解安定性を向上または改善することが有用である。
特に、ポリ乳酸は、一般に、約175℃〜約190℃の範囲に及ぶ温度で加工されるが、約195℃〜約200℃を超える温度で熱分解するリスクもある。そのため、このようにプロセスウィンドウが狭いことにより、ポリ乳酸などのポリエステル系組成物およびポリエステルコポリマー系組成物の加工性を向上させるための方法が必要とされている。
したがって、ポリ乳酸のガラス転移温度を低下させること、分子量を増加させること、粘度を増加させること、ならびに/または酸価および/もしくはヒドロキシル価を変えることなどの方法が有用であり得る。本開示は、本明細書に記載される、安定性が改善されたポリ乳酸系組成物などのポリエステル系組成物またはポリエステルコポリマー系組成物を提供することによって、これらおよび他の要求に対応するものである。
組成物の総重量を基準として、15〜90重量%のポリエステルまたはポリエステルコポリマーと、組成物の総重量を基準として、0.1〜55重量%の本明細書に記載されるエーテル系、エーテル−エステル系またはエステル系官能性可塑剤とを含む組成物が本明細書にて提供される。実施形態において、可塑剤は、エポキシ系化合物、ポリカルボジイミド系化合物、亜リン酸含有化合物、ヒンダードフェノール、二環式イミノエーテル、二環式イミノエステル、ヒンダードアミン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)系分子、イソシアネート、ジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む。
さらに、ポリエステルまたはポリエステルコポリマーおよび可塑剤を含む組成物が本明細書にて提供される。実施形態において、可塑剤は、エポキシ系化合物、ポリカルボジイミド系化合物、亜リン酸含有化合物、ヒンダードフェノール、二環式イミノエーテル、二環式イミノエステル、ヒンダードアミン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)系分子、イソシアネート、ジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含み得る。組成物はまた、約60℃未満のガラス転移温度を有し得る。
さらに、ポリエステルまたはポリエステルコポリマーおよび可塑剤を含む組成物が本明細書にて提供される。実施形態において、可塑剤は、エポキシ系化合物、ポリカルボジイミド系化合物、亜リン酸含有化合物、ヒンダードフェノール、二環式イミノエーテル、二環式イミノエステル、ヒンダードアミン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)系分子、イソシアネート、ジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含み得る。組成物はまた、約25mgKOH/g未満の酸価を有し得る。
さらに、ポリエステルまたはポリエステルコポリマーおよび可塑剤を含む組成物が本明細書にて提供される。実施形態において、可塑剤は、エポキシ系化合物、ポリカルボジイミド系化合物、亜リン酸含有化合物、ヒンダードフェノール、二環式イミノエーテル、二環式イミノエステル、ヒンダードアミン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)系分子、イソシアネート、ジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含み得る。組成物はまた、当該組成物の溶融状態を超える温度で測定した粘度が増加し得る。また、粘度の増加は、比較組成物と比較することで評価することができる。この比較組成物は、同一等級のポリエステルまたはポリエステル成分と、官能性を付与していない可塑剤成分とを含む。
例として実施形態を示すが、実施形態は添付の図に限定されない。
PLAなどのポリエステルの分解経路を示す概略図である。 PETなどのポリエステルの分解経路を示す概略図である。 一実施例による反応性オリゴマーのMALDIスペクトルを示す。 一実施例による反応性オリゴマーのGPCパターンを示す。 一実施例によるP(E2ES−co−57GMA)のH NMRスペクトルを示す。 一実施例によるP(E2EA)10のMALDIスペクトルを示す。 P(E2EA)10およびS285のGPCパターンを示す。 一実施例による酸価測定を表すグラフである。 一実施例による組成物のGPCパターンを示す。 一実施例による組成物のGPCパターンを示す。 一実施例による組成物の溶融力データを示す。 一実施例による組成物のDSCパターンを示す。 一実施例による引張応力測定を示す。 摂氏20度で保管した後の試料ブレンドJ0のGPCパターンを示す。 摂氏40度で保管した後の試料ブレンドJ0のGPCパターンを示す。 摂氏60度で保管した後の試料ブレンドJ0のGPCパターンを示す。 試料ブレンドJ0による組成物の保管時間および保管温度に応じた分子量測定のグラフである。 摂氏20度で保管した後の試料ブレンドAのGPCパターンを示す。 摂氏40度で保管した後の試料ブレンドAのGPCパターンを示す。 摂氏60度で保管した後の試料ブレンドAのGPCパターンを示す。 試料ブレンドAによる組成物の保管時間および保管温度に応じた分子量測定のグラフである。 摂氏20度で保管した後の試料ブレンドBのGPCパターンを示す。 摂氏40度で保管した後の試料ブレンドBのGPCパターンを示す。 摂氏60度で保管した後の試料ブレンドBのGPCパターンを示す。 試料ブレンドBによる組成物の保管時間および保管温度に応じた分子量測定のグラフである。 摂氏20度で保管した後の試料ブレンドEのGPCパターンを示す。 摂氏40度で保管した後の試料ブレンドEのGPCパターンを示す。 摂氏60度で保管した後の試料ブレンドEのGPCパターンを示す。 試料ブレンドEによる組成物の保管時間および保管温度に応じた分子量測定のグラフである。 様々な保管時間および保管温度を経た後の試料ブレンドJ0および試料ブレンドBの加水分解安定性を表す写真である。 様々な保管時間および保管温度を経た後の試料ブレンドEの加水分解安定性を表す写真である。
当業者であれば、図中の要素が単純かつ明瞭に示され、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが認識される。たとえば、本発明の実施形態の理解が進むように、図中の一部の要素の寸法が他の要素に比べて誇張されている場合がある。
本明細書で使用する場合、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「備える(includes)」、「備えている(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」またはこれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を含むことが意図される。たとえば、列挙した特徴を含むプロセス、方法、物品または装置は、必ずしも当該特徴だけに限定されず、明確に列挙していない他の特徴または当該プロセス、方法、物品もしくは装置に固有の他の特徴も含み得る。
本明細書で使用する場合、「または(もしくは)(or)」とは、相反する旨が別途明記されない限り、包括的な「または」を指し、排他的な「または」を指すものではない。たとえば、AまたはBという条件は、Aが真であり(または存在し)かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)かつBが真である(または存在する)、およびAもBも真(または存在する)のうちいずれか1つによって満たされる。
また、「1つ(a)」または「1つ(an)」の使用は、本明細書に記載される要素および成分を示すために用いられる。これは、単に便宜上によるものであり、本発明の範囲の全般的な趣旨を述べるためである。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むものとして解釈されるべきであり、単数形は、別の意味である旨が明白でない限り、複数形も包含する。
本明細書に開示されるすべての範囲は、相反する旨が別途具体的に明記されない限り、すべての端点および中間の値を包含する。
本開示の種々の実施形態を、例示のみを目的として、以下に説明する。
ポリエステル系組成物およびポリエステルコポリマー系組成物、たとえば、ポリ乳酸系組成物などは、通常、約175℃〜約190℃に及ぶ範囲の温度で加工される。しかしながら、ポリ乳酸系組成物は、約195℃〜約200℃を超える温度で(特定の場合ではこの範囲からわずかに外れる温度でも)熱分解するリスクもある。けれども、結果として、このようにプロセスウィンドウが狭いことにより、ポリ乳酸などのポリエステル系組成物およびポリエステルコポリマー系組成物の加工性、たとえば、中間体および/または最終製品に加工する際の加工性を向上させるための方法が極めて必要とされている。
ポリマーの分解、具体的に言えば、ポリ乳酸の熱分解に関しては、加水分解、乳酸の再構成、酸化による主鎖切断および/または分子間もしくは分子内エステル交換反応のいずれかが約195℃〜約200℃を超える温度で発生し得え、これにより、ポリ乳酸の中間体および/または最終生成物への全体的な加工性が著しく阻害され、悪影響を受ける場合がある。
加水分解の速度および程度は、分子の大きさ、形状または異性体比などのポリマー構造、時間、温度または湿気などの環境的影響、添加剤または不純物、および他の多くの潜在的要因によって変わり得る。酸性基の存在は、加水分解の速度を加速し得る。
特定の温度範囲に束縛されるものではないが、化合物の物理的および化学的性質が、等級、存在する不純物、分子量、立体化学構造、鎖長、加工条件などに基づいて、わずかに変動するという認識のもとで言えば、ポリ乳酸系組成物は、一般に、およそ−40℃〜65℃のガラス転移温度(Tg)およびおよそ155〜230℃の溶融温度を有する。したがって、上記のポリ乳酸系組成物の加工性を改善することは、たとえば、ガラス転移温度の低下、材料の溶融温度および/もしくは加工温度の上昇、粘度の増加、分子量の増加、溶融強度の向上、ならびに/または酸価およびヒドロキシル価の変更のうち1つ以上を有する組成物を提供する必要性に直接関係し、これらの全体的な結果により、加工性および安定性(たとえば、熱安定性および加水分解安定性)の向上した、ポリ乳酸系組成物などのポリエステル系組成物およびポリエステルコポリマー系組成物が提供される。
理論に束縛されるものではないが、本明細書に記載される1つ以上の化合物を有する、エーテル系、エステル系およびエーテル−エステル系可塑剤化合物などの可塑剤化合物をポリ乳酸系組成物に追加すると、(1)得られる化合物の加水分解安定性および熱安定性の向上、(2)得られる化合物のガラス転移温度の低下、(3)得られる化合物の酸価および/またはヒドロキシル価の変更、(4)得られる化合物の粘度の増加、(5)得られる化合物の溶融強度の向上、ならびに(6)得られる化合物の分子量の増加に関して、意外かつ予想外の結果がもたらされることが見出された。上述した結果は、得られる化合物の加工性および得られる製品の安定性を高め、改善するのに役立つ。
本開示の可塑剤は、−COOH基または−OH基と反応する、少なくとも1つ以上の官能基を有する反応性可塑剤を含み得る。理論に束縛されるものではないが、本開示の反応性可塑剤は、基となるポリエステルまたはポリエステルコポリマー(たとえば、ポリ乳酸系)化合物に意外かつ予想外の潜在的安定性を付与することができる。
本明細書における「潜在的安定性」という語句は、反応性官能基を含有する反応性可塑剤を組み込むことに関係することが認識されるであろう。その結果、基となるポリエステルまたはポリエステルコポリマーが分解し始めても、反応性可塑剤化合物を介して組み込まれた反応性官能基による官能性が十分に存在するため、基となる化合物に結果として生じるあらゆる分解が相殺されることになる。
場合によって、潜在的安定性を、本開示の反応性可塑剤に関連付けられた潜在的有用性と呼ぶこともできる。
加水分解に関して、ポリ乳酸系組成物などのポリエステル化合物およびポリエステルコポリマー化合物は、極性のある酸素結合が存在するため、本質的に親水性の性質がある。その結果、ポリ乳酸系組成物の親水性の性質は、水の存在下または何らかの湿気の状態において、穏やかな分解または劣化を誘発する。
より具体的には、ポリ乳酸などのポリエステル化合物およびポリエステルコポリマー化合物の加水分解は、通常、水分子による−C−O−エステル結合のランダム開裂によって生じる。ポリ乳酸の加水分解は、触媒の存在を必要とせず、周囲条件下にて進行可能であるが、ポリ乳酸の加水分解は、高湿分もしくは高水分、高温および/または酸の存在もしくは塩基の存在で加速し得る。
理論に束縛されるものではないが、本開示の実施形態に存在する潜在的安定性(−COOH基または−OH基と反応する、少なくとも1つ以上の官能基を有する反応性可塑剤の存在の直接的な結果とみなすことができる)は、ポリ乳酸系化合物などのポリエステル系化合物またはポリエステルコポリマー系化合物の加水分解を抑制、減少、予防促進および/または減速させるのに役立ち得ることが認識されるであろう。
ポリ乳酸の加水分解について考えられる機構には、化合物のヒドロキシル(−OH)末端基が関与することが認識されるであろう。たとえば、加水分解は、ヒドロキシル末端基のプロトン化によって開始され、続いて分子内水素結合が形成され得る。これは、アルカリ性環境下でより容易に生じ得る。別の例では、ヒドロキシル末端基の求核攻撃によっても加水分解が開始し得る。これは、酸性環境でより容易に生じ得る。いずれの場合でも、ポリ乳酸系組成物のヒドロキシル末端基が、あらゆる環境(たとえば、酸性、中性またはアルカリ性環境)下の加水分解で重要な役割を果たしている。
さらに、−COOH基に関して、ポリ乳酸の分解に関して提案した機構では、カルボン酸末端の鎖の存在下で、分解速度が自触媒作用を受け得ることも認識されるであろう。
結果として、ある程度上述したように、加水分解などのポリマー劣化の速度および/または進行を抑えるには、ポリ乳酸系組成物のヒドロキシル末端基を最小限にすることが役に立つであろう。したがって、理論に束縛されるものではないが、上述したように、特に−COOH基および−OH基に反応する官能基を持つ反応性可塑剤を有する本開示の実施形態が、ポリ乳酸系化合物などのポリエステル系化合物またはポリエステルコポリマー系化合物の加水分解を抑制、減少、予防促進および/または減速させるのに極めて役立ち得ることが認識されるであろう。
実施形態において、本開示の組成物は、ポリエステル化合物またはポリエステルコポリマー化合物を含み得る。ポリエステル系化合物またはポリエステルコポリマー系化合物は、本質的に脂肪族であり得る。
いくつかの実施形態において、ポリエステルまたはポリエステルコポリマーは、ヒドロキシル酸系ポリエステルを含み得る。「ヒドロキシル酸系ポリエステル」という語句は、本明細書で使用する場合、加水分解を受けて、一方にカルボン酸末端基と、他方にヒドロキシル末端基とを有するポリエステルを指す。たとえば、上記の考察と一致する、ヒドロキシル酸系ポリエステルの分解経路を図1に示す。加水分解を受けると、結果として生じる分子鎖それぞれが一方にカルボン酸末端基と、他方にヒドロキシル末端基を有することがわかる。ヒドロキシル酸系ポリエステルは、二塩基酸および二価アルコールを使用して製造されるPETなどの他の一般的なポリエステルとは異なり得る。この場合、分解経路は、1)両末端に酸性基、2)両末端にヒドロキシル基、および3)酸性末端基とヒドロキシル末端基とを有する分子鎖の組み合わせが生じ得る。たとえば、PETなどのジオール−二酸系ポリエステルの加水分解経路を図2に示す。加水分解を受けると、異なる末端基構成の組み合わせが生じることがわかる。
特定の実施形態において、ポリエステル化合物またはポリエステルコポリマー化合物は、ポリ乳酸系化合物であり得る。
ポリ乳酸系化合物の立体化学は特に限定されず、L−および/またはD−異性体の調整混合物を含み得る。実施形態において、ポリ乳酸系組成物は、ポリ−L−乳酸、すなわち、PLLAであり得る。いくつかの実施形態において、ポリ乳酸系組成物は、PDLLAを得るために、少量のD−ラクチドをL−ラクチドに添加するなど、向かい合わせの構造のラクチドエナンチオマーを少量有し得る。
量に関して、ポリエステル化合物またはポリエステルコポリマー化合物(たとえば、ポリ乳酸系化合物など)は、組成物の総重量を基準にして、約15〜約90重量%の範囲に及ぶ量で存在し得る。本明細書に記載されるすべての範囲および量は、本明細書に記載されるすべての範囲の端点を含めて、その範囲内に含まれるすべての値を包含することが意図される旨が認識されよう。
たとえば、ポリエステル化合物またはポリエステルコポリマー化合物(たとえば、ポリ乳酸系化合物など)は、組成物の総重量を基準として、約15〜約90重量%、たとえば、約15〜約89重量%、約15〜約88重量%、約15〜約87重量%、約15〜約86重量%、約15〜約85重量%、約15〜約83重量%、約15〜約80重量%、約15〜約79重量%、約15〜約78重量%、約15〜約77重量%、約15〜約75重量%、約15〜約70重量%、約15〜約65重量%、約15〜約60重量%、約17〜約90重量%、約17〜約85重量%、約17〜約80重量%、約17〜約75重量%、約20〜約90重量%、約20〜約89重量%、約20〜約88重量%、約20〜約85重量%、約20〜約80重量%、約20〜約75重量%、約20〜約70重量%、約20〜約68重量%、約20〜約65重量%、約20〜約60重量%、約25〜約90重量%、約25〜約89重量%、約25〜約88重量%、約25〜約85重量%、約25〜約80重量%、約25〜約75重量%、約25重量%〜約70重量%、約30重量%〜約90重量%、約30重量%〜約88重量%、約30重量%〜約85重量%、または約30重量%〜約75重量%などの量で存在し得る。
上限に関しては、ポリエステル化合物またはポリエステルコポリマー化合物(たとえば、ポリ乳酸系化合物など)は、組成物の総重量を基準として、90重量%以下、たとえば、89重量%以下、約88重量%以下、約87重量%以下、約86重量%以下、約85重量%以下、約84重量%以下、約83重量%以下、約82重量%以下、約81重量%以下、約80重量%以下、約79重量%以下、約78重量%以下、約77重量%以下、約76重量%以下、約75重量%以下、約74重量%以下、約73重量%以下、約72重量%以下、約71重量%以下、約70重量%以下、約69重量%以下、約68重量%以下、約67重量%以下、約66重量%以下、約65重量%以下、約64重量%以下、約63重量%以下、約62重量%以下、約61重量%以下、または約60重量%以下などの量で存在し得る。
下限に関しては、ポリエステル化合物またはポリエステルコポリマー化合物(たとえば、ポリ乳酸系化合物など)は、組成物の総重量を基準として、少なくとも約15重量%以下、たとえば、少なくとも約16重量%、少なくとも約17重量%、少なくとも約18重量%、少なくとも約19重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約21重量%、少なくとも約22重量%、少なくとも約23重量%、少なくとも約24重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約26重量%、少なくとも約27重量%、少なくとも約28重量%、少なくとも約29重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約31重量%、少なくとも約32重量%、少なくとも約33重量%、少なくとも約34重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約36重量%、少なくとも約37重量%、少なくとも約38重量%、少なくとも約39重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約41重量%、少なくとも約42重量%、少なくとも約43重量%、少なくとも約44重量%、少なくとも約45重量%、または少なくとも約50重量%などの量で存在し得る。
本開示の組成物はまた、エーテル系可塑剤、エーテル−エステル系可塑剤、エステル系可塑剤またはこれらの任意の組み合わせなどの可塑剤を含み得る。いくつかの実施形態において、組成物は、エーテル−エステル系可塑剤を含み得る。
可塑剤がエーテル−エステル系可塑剤である場合、可塑剤化合物の正確な性質は特に制限されない。
実施形態において、可塑剤は、エポキシ系化合物、ポリカルボジイミド系化合物、亜リン酸含有化合物、ヒンダードフェノール、二環式イミノエーテル、二環式イミノエステル、ヒンダードアミン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)系分子、イソシアネート、ジイソシアネートおよびこれらの混合物の化合物のうち少なくとも1つを含有し得る。
いくつかの実施形態において、可塑剤は、上述した化合物のうち1つ以上、たとえば、上述した化合物のうち少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つを含有し得る。これは、可塑剤がエーテル系、エーテル−エステル系、エステル系またはこれらの任意の組み合わせのいずれであっても適用され得る。
いくつかの実施形態において、可塑剤は、上述した化合物のうち少なくとも3つを含有し得る。これも同様に、可塑剤がエーテル系、エーテル−エステル系、エステル系またはこれらの任意の組み合わせのいずれであっても適用され得る。
可塑剤に上述した化合物のうち1つ以上を含む本開示の実施形態、たとえば、上述した化合物のうち少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたは少なくとも5つを有する実施形態において、いくつかの実施態様では、化合物はそれぞれ異なっていてもよいし、一部が同じであってもよい。説明として例を簡単に挙げるとすれば、いくつかの実施態様において、可塑剤は、2つの化合物Aおよび1つの化合物B、または1つの化合物Cおよび1つの化合物Dを有し得る。ここで、A、B、CおよびDは上述した化合物、たとえば、エポキシ系化合物、ポリカルボジイミド系化合物、亜リン酸含有化合物、ヒンダードフェノール、二環式イミノエーテル、二環式イミノエステル、ヒンダードアミン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)系分子、イソシアネート、ジイソシアネートおよびこれらの混合物などのいずれか1つである。
本開示の実施形態において、上述した化合物は、可塑剤がエーテル系、エーテル−エステル系、エステル系またはこれらの任意の組み合わせのいずれであっても、可塑剤に共有結合させてよい。
可塑剤が上述した化合物(たとえば、ヒンダードフェノール、ジイソシアネートなど)のうち1つ以上を含有し得るいくつかの実施形態において、化合物は、上述した通り、それぞれ異なっていてもよいし、化合物の一部が同じであってもよい。これは、可塑剤がエーテル系、エーテル−エステル系、エステル系またはこれらの任意の組み合わせのいずれであっても適用され得る。
たとえば、本開示の例示的実施形態は、エポキシ系化合物およびヒンダードアミンを含有する可塑剤を含み得る。本開示の別の例示的実施形態は、2つのエポキシ系化合物、ヒンダードフェノールおよびポリカルボジイミド系化合物を含有する可塑剤を含み得る。いずれの例示的実施形態においても、可塑剤は、エーテル系、エーテル−エステル系、エステル系および/またはこれらの任意の組み合わせであり得る。
例示的実施形態において、好適な可塑剤は、エーテル系、エーテル−エステル系、エステル系またはこれらの任意の組み合わせのいずれかにかかわらず、ビス−[2−(2−ブトキシエトキシ)エチル]ヘキサンジオエートおよび/またはトリスノニルフェニルホスファイトを挙げることができる。
量に関して、可塑剤は、組成物の総重量を基準として、約0.1〜約55重量%の範囲に及ぶ量で本開示の組成物中に存在し得る。本明細書に記載されるすべての範囲および量は、本明細書に記載されるすべての範囲の端点を含めて、その範囲内に含まれるすべての値を包含することが意図される旨が認識されよう。
たとえば、可塑剤は、組成物の総重量を基準として、約0.1〜約55重量%、たとえば、組成物の総重量を基準として、約0.2〜約55重量%、約0.3〜約55重量%、約0.4〜約55重量%、約0.5〜約55重量%、約0.75〜約55重量%、約1〜約55重量%、約3〜約55重量%、約5〜約55重量%、約7〜約55重量%、約10〜約55重量%、約12〜約55重量%、約15〜約55重量%、約16〜約55重量%、約18〜約55重量%、約20〜約55重量%、約25〜約55重量%、約0.1〜約50重量%、約0.5〜約50重量%、約0.75〜約50重量%、約1〜約50重量%、約5〜約50重量%、約7〜約50重量%、約10〜約50重量%、約15〜約50重量%、約0.1〜約45重量%、約5〜約4重量%、約10〜約45重量%、または約25〜約50重量%などの量で存在し得る。
上限に関しては、可塑剤は、組成物の総重量を基準として、約55重量%以下、たとえば、組成物の総重量を基準として、約54重量%以下、約53重量%以下、約52重量%以下、約51重量%以下、約50重量%以下、約49重量%以下、約48重量%以下、約47重量%以下、約46重量%以下、約45重量%以下、約44重量%以下、約43重量%以下、約42重量%以下、約41重量%以下、または約40重量%以下などの量で組成物中に存在し得る。
下限に関しては、可塑剤は、組成物の総重量を基準として、少なくとも約0.1重量%、たとえば、組成物の総重量を基準として、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.3重量%、少なくとも約0.4重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約0.6重量%、少なくとも約0.7重量%、少なくとも約0.8重量%、少なくとも約0.9重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約4重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約6重量%、少なくとも約7重量%、少なくとも約8重量%、少なくとも約9重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約11重量%、少なくとも約12重量%、少なくとも約13重量%、少なくとも約14重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約16重量%、少なくとも約17重量%、少なくとも約18重量%、少なくとも約19重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約21重量%、少なくとも約22重量%、少なくとも約23重量%、少なくとも約24重量%、または少なくとも約25重量%の量などで組成物中に存在し得る。
極めて特定の実施形態において、1つ以上の可塑剤を反応性可塑剤と形容することができる。本明細書でより詳細に記載される反応性可塑剤の他にさらなる可塑剤が組成物に含まれ得ることが理解されるであろう。
反応性可塑剤は、組成物の総重量を基準として、少なくとも約0.1重量%、たとえば、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.3重量%、少なくとも約0.4重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約0.6重量%、少なくとも約0.7重量%、少なくとも約0.8重量%、少なくとも約0.9重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%などの量で組成物中に存在し得る。
上限に関しては、可塑剤は、組成物の総重量を基準として、約30重量%以下、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、約8重量%以下、約6重量%以下、約5重量%以下、またはさらに約4重量%以下の量で組成物中に存在し得る。
極めて特定の実施形態において、反応性可塑剤は、少なくとも1.5重量%の量で組成物中に存在し得る。極めて特定の他の実施形態において、反応性可塑剤は、10重量%以下の量で組成物中に存在し得る。
上述の通り、本開示の可塑剤は、上述した、−COOH基、−OH基、アミド基および/またはウレア基と反応する、少なくとも1つ以上の官能基を有する反応性可塑剤を含み得る。極めて特定の実施形態において、反応性可塑剤は、エポキシ官能基などの上述した官能基のいずれかを有し得る。反応性可塑剤は、その官能基数を基準にして、すなわち、化合物中に存在する官能基の量的表現で記載することができる。
いくつかの実施形態において、本開示の可塑剤は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、またはさらに少なくとも11の官能基数を有し得る。他の実施形態において、本開示の可塑剤は、30以下、25以下、24以下、23以下、22以下、21以下、またはさらに20以下の官能基数を有し得る。さらに、本開示の可塑剤は、上記の最小値または最大値のいずれかの範囲内、たとえば、1〜30またはさらに5〜25の範囲の官能基数を有し得る。反応性可塑剤の官能基数を測定するための好適な方法は、当該技術分野において十分理解されている。たとえば、可塑剤の官能基数は、当該技術分野において十分理解されている、MALDIによって測定することができる。たとえば、エポキシ官能反応性オリゴマーのエポキシ官能基数は、コポリマー(M)中のグリシジルメタクリレートのモルパーセントおよび分子鎖の重合(分子量)の程度(DP)に依存する。したがって、官能基は、MとDPを乗算することにより求めることができる。
本開示の組成物の実施形態はまた、トリブロックコポリマーを含み得る。好適なトリブロックコポリマーとしては、ポリエチレングリコールトリブロックコポリマー、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)トリブロックコポリマー、およびポリ(オリゴエチレングリコール)アクリレートトリブロックコポリマー、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
量に関して、トリブロックコポリマーは、組成物の総重量を基準として、約1〜約40重量%の範囲に及ぶ量で存在し得る。本明細書に記載されるすべての範囲および量は、本明細書に記載されるすべての範囲の端点を含めて、その範囲内に含まれるすべての値を包含することが意図される旨が認識されよう。
たとえば、トリブロックコポリマーは、組成物の総重量を基準として、約1〜約40重量%、たとえば、組成物の総重量を基準として、約1〜約39重量%、約1〜約38重量%、約1〜約37重量%、約1〜約36重量%、約1〜約35重量%、約1〜約34重量%、約1〜約30重量%、約5〜約40重量%、約5〜約38重量%、約5〜約37重量%、約5〜約35重量%、約5〜約30重量%、約10〜約40重量%、約10〜約38重量%、約10〜約35重量%、約10〜約30重量%、または約10〜約28重量%などの量で存在し得る。
上限に関しては、トリブロックコポリマーは、組成物の総重量を基準として、約40重量%以下、たとえば、組成物の総重量を基準として、約39重量%以下、約38重量%以下、約37重量%以下、約36重量%以下、約35重量%以下、約34重量%以下、約33重量%以下、約32重量%以下、約31重量%以下、または約30重量%以下などの量で存在し得る。
下限に関しては、トリブロックコポリマーは、組成物の総重量を基準として、少なくとも約0.1重量%以下、たとえば、組成物の総重量を基準として、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.3重量%、少なくとも約0.4重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約0.6重量%、少なくとも約0.7重量%、少なくとも約0.8重量%、少なくとも約0.9重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約4重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約6重量%、少なくとも約7重量%、少なくとも約8重量%、少なくとも約9重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約11重量%、少なくとも約12重量%、少なくとも約13重量%、少なくとも約14重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約17重量%、または少なくとも約20重量%などの量で存在し得る。
本開示の組成物の実施形態は、約65℃未満、たとえば、約64℃未満、約63℃未満、約62℃未満、約61℃未満、約60℃未満、約59℃未満、約58℃未満、約57℃未満、約56℃未満、約55℃未満、約54℃未満、約53℃未満、約52℃未満、約51℃未満、約50℃未満、約49℃未満、約48℃未満、約47℃未満、約46℃未満、約45℃未満、または約44℃未満などのガラス転移温度(Tg)を有し得る。
下限に関しては、本開示の組成物は、少なくとも−65℃、たとえば、少なくとも−60℃、少なくとも−55℃、少なくとも−53℃、少なくとも−50℃、少なくとも−48℃、少なくとも−45℃、少なくとも−42℃、少なくとも−40℃、少なくとも−35℃、少なくとも−30℃、少なくとも−28℃、少なくとも−25℃、少なくとも−20℃、少なくとも−15℃、少なくとも−10℃、少なくとも−9℃、少なくとも−8℃、少なくとも−7℃、少なくとも−6℃、少なくとも−5℃、少なくとも−4℃、少なくとも−3℃、少なくとも−2℃、少なくとも0℃、少なくとも10℃、少なくとも15℃、少なくとも18℃、少なくとも20℃、少なくとも22℃、少なくとも25℃、少なくとも30℃、少なくとも36℃、少なくとも37℃、少なくとも38℃、少なくとも39℃、少なくとも40℃、少なくとも41℃、少なくとも42℃、少なくとも43℃、少なくとも44℃、少なくとも45℃、少なくとも46℃、少なくとも47℃、少なくとも48℃、少なくとも49℃、または少なくとも50℃などのガラス転移温度(Tg)を有し得る。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定、誘電試験、DMTAおよびレオロジー法を使用して測定することができる。ポリエステルブレンドに可塑剤を使用すると、ガラス転移温度の幅が有効的に広がり、特にPLAなどのポリエステルでは、可塑剤の添加により、転移に及ぶ温度の範囲で、Tgの開始温度がおよそ60℃から−40℃という低い温度にまで変化する。
酸価(または「中和価」または「酸化指数」または「酸性度」)は、通常、1グラムの化学物質を中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)の質量のミリグラム数として定義することができる。実験室環境では、有機溶媒中に溶解した既知量の試料を、フェノールフタレインを呈色指示薬として、既知の濃度の水酸化カリウム溶液で滴定する。
酸価は、一般に、試料1g中の酸性成分を中和するのに必要な水酸化カリウムをミリグラム数で示した塩基の量を表すことで、存在する酸の量を定量化する1つの方法として用いることができる。ポリエステルは、分解すると、酸末端官能基を生じるため、酸価の定量化と分解度には直接的な相関関係がある。
したがって、本開示の組成物の実施形態は、約25mgKOH/g未満、たとえば、約24.5mgKOH/g未満、約24mgKOH/g未満、約23.5mgKOH/g未満、約23mgKOH/g未満、約22.5mgKOH/g未満、約22mgKOH/g未満、約21.5mgKOH/g未満、約21mgKOH/g未満、約20.5mgKOH/g未満、約20mgKOH/g未満、約19.5mgKOH/g未満、約19mgKOH/g未満、約18.5mgKOH/g未満、約18mgKOH/g未満、約17.5mgKOH/g未満、約17mgKOH/g未満、約16.5mgKOH/g未満、約16mgKOH/g未満、約15.5mgKOH/g未満、約15mgKOH/g未満、約14.5mgKOH/g未満、約14mgKOH/g未満、約13.5mgKOH/g未満、約13mgKOH/g未満、約12.5mgKOH/g未満、約12mgKOH/g未満、約11.5mgKOH/g未満、約11mgKOH/g未満、約10.5mgKOH/g未満、約10mgKOH/g未満、約9.5mgKOH/g未満、約9mgKOH/g未満、約8.5mgKOH/g未満、約8mgKOH/g未満、約7.5mgKOH/g未満、約7mgKOH/g未満、約6.5mgKOH/g未満、約6mgKOH/g未満、約5.5mgKOH/g未満、約5mgKOH/g未満、約4.5mgKOH/g未満、約4mgKOH/g未満、約3.5mgKOH/g未満、または約3mgKOH/g未満などの酸価を有し得る。
下限に関しては、本開示の組成物は、少なくとも約0.01mgKOH/g、たとえば、少なくとも約0.05mgKOH/g、少なくとも約0.07mgKOH/g、少なくとも約0.09mgKOH/g、少なくとも約0.1mgKOH/g、少なくとも約0.15mgKOH/g、少なくとも約0.17mgKOH/g、少なくとも約0.2mgKOH/g、少なくとも約0.25mgKOH/g、少なくとも約0.28mgKOH/g、少なくとも約0.3mgKOH/g、少なくとも約0.35mgKOH/g、少なくとも約0.4mgKOH/g、少なくとも約0.5mgKOH/g、少なくとも約0.75mgKOH/g、少なくとも約0.8mgKOH/g、少なくとも約0.9mgKOH/g、少なくとも約0.95mgKOH/g、少なくとも約0.99mgKOH/g、少なくとも約1mgKOH/g、少なくとも約1.25mgKOH/g、少なくとも約1.5mgKOH/g、少なくとも約1.75mgKOH/g、少なくとも約2mgKOH/g、少なくとも約2.25mgKOH/g、少なくとも約2.4mgKOH/g、少なくとも約2.5mgKOH/g、少なくとも約2.75mgKOH/g、少なくとも約2.85mgKOH/g、少なくとも約3mgKOH/g、少なくとも約3.25mgKOH/g、少なくとも約3.4mgKOH/g、少なくとも約3.45mgKOH/g、少なくとも約3.5mgKOH/g、少なくとも約3.75mgKOH/g、少なくとも約3.9mgKOH/g、少なくとも約4mgKOH/g、少なくとも約4.15mgKOH/g、少なくとも約4.25mgKOH/g、少なくとも約4.4mgKOH/g、少なくとも約4.5mgKOH/g、少なくとも約4.75mgKOH/g、少なくとも約5mgKOH/g、少なくとも約5.25mgKOH/g、少なくとも約5.5mgKOH/g、少なくとも約6mgKOH/g、少なくとも約6.25mgKOH/g、少なくとも約6.5mgKOH/g、少なくとも約6.75mgKOH/g、少なくとも約7mgKOH/g、少なくとも約7.25mgKOH/g、少なくとも約7.5mgKOH/g、少なくとも約7.75mgKOH/g、少なくとも約8mgKOH/g、少なくとも約8.25mgKOH/g、少なくとも約8.5mgKOH/g、少なくとも約8.75mgKOH/g、少なくとも約9mgKOH/g、少なくとも約9.25mgKOH/g、少なくとも約9.5mgKOH/g、少なくとも約9.75mgKOH/g、少なくとも約9.75mgKOH/g、少なくとも約10mgKOH/g、少なくとも約10.25mgKOH/g、少なくとも約10.5mgKOH/g、少なくとも約11mgKOH/g、少なくとも約11.5mgKOH/g、少なくとも約11.75mgKOH/g、少なくとも約12mgKOH/g、少なくとも約12.5mgKOH/g、少なくとも約12.75mgKOH/g、少なくとも約13mgKOH/g、少なくとも約13.5mgKOH/g、少なくとも約13.75mgKOH/g、少なくとも約14mgKOH/g、少なくとも約14.5mgKOH/g、少なくとも約14.75mgKOH/g、または少なくとも約15mgKOH/gなどの酸価を有し得る。
ヒドロキシル価は、化合物中の遊離ヒドロキシル基含量の尺度である。特に、ヒドロキシル価は、結果として生じるあらゆる分解および/または加水分解に起因する末端基の存在の指標として有用である。ヒドロキシル価は、アセチル化前の化学物質の試料の滴定によってカルボキシル基のヒドロキシル基に調整した、化学物質1gのヒドロキシル含量に等しい水酸化カリウム(KOH)の質量のミリグラム数として表すことができる。
したがって、本開示の組成物の実施形態は、約1100mgKOH/g未満、たとえば、約1000mgKOH/g未満、約975mgKOH/g未満、約950mgKOH/g未満、約925mgKOH/g未満、900mgKOH/g、約875mgKOH/g未満、約850mgKOH/g未満、約825mgKOH/g未満、約800mgKOH/g未満、約775mgKOH/g未満、約750mgKOH/g未満、約725mgKOH/g未満、約700mgKOH/g未満、約675mgKOH/g未満、約650mgKOH/g未満、約625mgKOH/g未満、約600mgKOH/g未満、約575mgKOH/g未満、約550mgKOH/g未満、約525mgKOH/g未満、または約500mgKOH/g未満などのヒドロキシル価を有し得る。
下限に関しては、本開示の組成物の実施形態は、少なくとも約300mgKOH/g、たとえば、少なくとも約325mgKOH/g、少なくとも約350mgKOH/g、少なくとも約375mgKOH/g、少なくとも約400mgKOH/g、少なくとも約425mgKOH/g、少なくとも約450mgKOH/g、少なくとも約475mgKOH/g、少なくとも約500mgKOH/g、少なくとも約525mgKOH/g、少なくとも550mgKOH/g、少なくとも約575mgKOH/g、少なくとも約600mgKOH/g、少なくとも約625mgKOH/g、少なくとも約650mgKOH/g、少なくとも約675mgKOH/g、少なくとも約700mgKOH/g、少なくとも約725mgKOH/g、少なくとも約750mgKOH/g、少なくとも約775mgKOH/g、少なくとも約800mgKOH/g、少なくとも約825mgKOH/g、少なくとも約850mgKOH/g、少なくとも約875mgKOH/g、または少なくとも約900mgKOH/gなどのヒドロキシル価を有し得る。
本開示の組成物の実施形態はまた、望ましい弾性率(MPa)値を示し得る。特定の実施形態において、本開示の組成物の実施形態は、少なくとも90MPa、少なくとも95MPa、少なくとも100MPa、少なくとも105MPa、少なくとも110MPa、またはさらに少なくとも120MPaの弾性率を有し得る。
本開示の組成物の実施形態はまた、粘度の増加も示し得る。本事項を示すためには、粘度を、組成物の溶融状態を超える温度または一般的には溶融温度範囲で測定することができる。
たとえば、組成物の溶融状態を2℃超える温度、たとえば、組成物の溶融状態を3℃超える温度、組成物の溶融状態を4℃超える温度、組成物の溶融状態を5℃超える温度、組成物の溶融状態を6℃超える温度、組成物の溶融状態を7℃超える温度、組成物の溶融状態を8℃超える温度、組成物の溶融状態を9℃超える温度、組成物の溶融状態を10℃超える温度、組成物の溶融状態を11℃超える温度、組成物の溶融状態を12℃超える温度、または組成物の溶融状態を15℃超える温度で粘度を測定することができる。
実施形態において、試験対象の組成物の粘度増加は、比較組成物の粘度と比較することで評価することができる。この場合の両組成物の粘度は、両組成物の溶融状態を超える同一の温度で測定する。実施形態において、「比較組成物」という語句は、同一等級のポリエステルまたはポリエステルコポリマー(ポリ乳酸系化合物など)を含むが、官能性可塑剤成分を有しない組成物を表すために本明細書にて使用される。
理論に束縛されるものではないが、上述した反応性官能基を1つ以上有する可塑剤(すなわち、反応性可塑剤)の存在により、意外かつ予想外にも、ポリエステルまたはポリエステルコポリマー(ポリ乳酸など)系組成物の安定性が向上すると考えられる。安定性は、熱安定性および/または加水分解安定性の形態で表すことができ、たとえば、粘度の増大によってさらに具現化され得る。
さらに、組成物が紫外線安定剤、酸化防止剤、香料、染料、増粘剤、発泡剤などのさらなる充填剤および添加剤を含み得る実施形態では、粘度の増加に関する適切な測定指標を与えるために、組成物へのこれらのいずれかの存在が比較組成物にも追加されるか、存在するようにすることが認識されるであろう。
粘度を測定する方法は、特に限定されない。たとえば、コーンプレート、パラレルプレートまたはキャピラリー流動特性法によって、粘度を測定することができる。
粘度は、コーンプレート、プレートプレート、キャピラリーまたは他の流動特性法によって、測定することができる。
本開示の組成物は、射出成形、押出、押出成形、ブロー成形、熱成形、シート押出、回転成形、発泡成形、圧縮成形、繊維形成などを含むがこれらに限定されない、従来の各種成形工程に使用できる(または状況に応じて変更して使用できる)ことが認識されるであろう。
本開示の組成物から製造された成形品は、標準状態でその形状を保持することができる。
本開示の組成物が種々の用途を有し、本開示の組成物の採用および/または使用により様々な製品および装置を作ることができることも認識されるであろう。
たとえば、限定を意図するものではないが、本開示の組成物は、可撓性チューブの用途に採用することができる。本開示の組成物は、剛性熱成形品、包装、医薬品用途、ソフトタッチ用途、グリップ用途、生物医学用途(インプラント、縫合糸、薬物封入、体液採取、移植、保存および/または貯蔵)、医療装置用途、二軸延伸フィルム、使い捨て製品、飲料用ホルダーおよびカップ、ボトル、食品用および各種保存容器、工業用貯蔵容器、管類、衣類およびファッション・アパレル、織物および織物製品、不織布、裏地、家庭用および工業用布地(たとえば、寝具、カーテン、カバー、飾り布、シーツ)、カーペット、ファイバーフィル(たとえば、枕、掛け布団、ブランケット、キルト、マットレス、マットレスカバー、羽布団)、発泡体、ならびにこれらの任意の組み合わせの形成にも採用および/または使用できる。
以下の実施例にて本開示をさらに説明する。
使用した原材料
PLLA(4.2%D)(PLA2002D)をNatureworksから入手した。
分子可塑剤であるビス−[2−(2−ブトキシエトキシ)エチル]ヘキサンジオエートをDow Chemicalから入手した。
PDLA2800−PEPG12000−PDLA2800のトリブロックコポリマーを以下の手順に従って合成した。
開始剤にヒドロキシル基末端ソフトブロックを、また触媒にオクタン酸第一スズを使用するD−ラクチドの開環重合(ROP)によって、トリブロックコポリマーを合成した。ミッドブロックとPDLAとの混和性に応じて、溶液重合条件またはバルク重合条件のいずれかを用いてトリブロックコポリマーを合成した。合成した2つのトリブロックコポリマーは、PDLA40−PEPG12k−PDLA40とPDLA60−EB10k−PDLA60である。用いる命名法は、PDLAn−ソフトブロックm−PDLAnであり、nは繰返し単位である乳酸を有するPDLAの重合度を表し、mはソフトミッドブロックの数平均分子量を表す。たとえば、12kは12,000g/molを表す。
必要量のPEPG12000を火炎乾燥したシュレンクフラスコ内に入れ、トルエンとの共沸蒸留にかけた。その後、窒素雰囲気下にてD−ラクチドを添加し、フラスコを油浴中に置き、130℃に維持した。15分後、約0.5mlのトルエンに溶解させた必要量のオクタン酸第一スズをフラスコ中に注入した。6時間の反応時間後、得られたポリマーをジクロロメタン中に溶解し、ジエチルエーテル中で沈殿させ、減圧下で乾燥した。反応は、60gスケールで実施した。
ポリ(エチレン−ブチレン)系トリブロックコポリマーの合成に伴う反応工程は、以下の通りである。後続する処理工程中の不要な副反応を防止するために、そのままの状態のポリマー(LBH10k)を水素化して、ポリ(エチレン−ブチレン)コポリマー(EB10k)を得た。水素化は、乾燥シクロヘキサン10重量%のポリマー溶液で高圧水素化反応器内にて、触媒に10重量%パラジウム担持活性炭を使用し、摂氏約100度、水素圧力120psiで12時間実施した。その後、ポリ(エチレン−ブチレン)コポリマーを火炎乾燥したシュレンクフラスコへ移し、トルエンとの共沸蒸留にかけた。次に、窒素下にてD−ラクチドをフラスコへ添加し、続いてトルエンを添加した(反応物質の3倍の量)。そして、フラスコを110℃に維持した油浴中に浸漬させ、約1mlのトルエンに溶解させた必要量のオクタン酸第一スズをフラスコ中に注入した。24時間後に反応を停止し、過剰メタノール中で沈殿させた後、減圧乾燥することで、ポリマーを得た。
グリシジルメタクリレート(GMA)、2−(2−エトキシエトキシエチル)アクリレート(E2EA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジクミルペルオキシド(DCP)および1−オクタンチオールをSigma Chemical Co.から購入した。GMAおよびE2EAは、重合前に、塩基性アルミナカラムに通して阻害物質を除去した。
反応性オリゴマー(鎖延長剤)Joncryl 4385(EEW450g/eq)をBASFから入手した。この反応性オリゴマーをCE450と呼ぶこととする。エポキシ官能基数は小さい(1〜4)。
反応性オリゴマー(鎖延長剤)Joncryl 4368(EEW285g/eq)をBASFから入手した。この反応性オリゴマーをCE285と呼ぶこととする。エポキシ官能基数は中程度である(2〜7)。
反応性オリゴマーPluss optiPET(EEW215g/eq)をPluss Polymers pvt ltd.から入手した。この反応性オリゴマーをCE215と呼ぶこととする。エポキシ官能基数は大きい(5〜12)。
エポキシ官能基数が極めて大きく、かつTgが低い試料を作製するために、グリシジルメタクリレートと2−(2−エトキシエトキシエチル)アクリレート(E2EA)を共重合させることによって、エポキシ官能性コポリマーを合成した。合成は、E2EAとGMAのフリーラジカル重合とし、開始剤にジクミルペルオキシド(DCP)を、連鎖移動剤に1−オクタンチオールを使用して、メチルイソブチルケトン(MIBK)中で120℃にて実施した。GMA[P(E2EA−co−57GMA)]が57mol%であり、エポキシ当量が285g/eq、分子量が約12000g/molであるコポリマーを得るために、以下の手順を用いた。25mlの丸底フラスコに、3.8ml(28.5mmol)のGMAおよび4.4mlのE2EA(21.5mmol)をDCP0.08g(1wt%、0.03mmol)、1−オクタンチオール0.07ml(0.43mmol)([モノマー]/[連鎖移動剤]=115)およびMIBK12.5mlとともに入れた。上記の混合物をN2で1時間脱気し、120℃の油浴中に置いた。反応を6時間継続した。反応が終了した時点で、ロータリーエバポレーターを使用してMIBK溶媒を除去し、コポリマーを粘稠液体として得た。これをさらに120℃で減圧乾燥し、微量の溶媒を除去した。このコポリマーをS285と呼ぶこととする。官能基数は極めて大きい(15を超える)。
6つの異なる試料組成物を作製し、試験した。6つの異なる試料は、以下に従って作製した。
15ccのDSM二軸スクリュー小型押出機を使用して各ブレンドを調製した。トリブロックコポリマー、PLLA、可塑剤および反応性オリゴマーを押出機内に投入し、摂氏190度、80rpmで7分間混合した。反応を継続させるために、溶融混合中、溶融力を監視した。10ccのDSM小型射出成形用金型を使用して、引張試験用のドッグボーン型試料を得た。使用圧力は3バールとし、金型を摂氏40度で2分間維持した。調製したブレンドを以下の表1に示す。反応性オリゴマーは3〜5重量%含む。すべてのブレンドにおいて、加工したブレンドの酸価測定によって算出した、存在するカルボン酸基の量(0.6mmol)を十分に超える量である、1.3〜1.6mmolのエポキシ基が存在する。CE450はエポキシ当量がより低いので、より多くの量(5重量%、ブレンドD)を用いて、他のブレンドと同等のエポキシ含有量を保つようにした。使用した反応性オリゴマーの量は、1重量%の反応性オリゴマーを含有するブレンドでは、分子量の増加がなかったことが実験で確認されているので、未改質PLAに関して文献で使用された量(1重量%)より多い。
技術測定法
H核磁気共鳴(NMR)(300MHz)スペクトルは、NMR分光計(Bruker DPX−300)を用いて得た。スペクトルはCDCl3中で測定し、化学シフトは溶媒の残留プロトンシグナルで校正した(1H NMRシグナル:CHCl3でδ7.26)。
分子量および分散度は、GPC(クロロホルム)(Agilent)によって求めた。測定した分子量は、ポリスチレン標準とした。MALDIは、絶対分子量測定を使用した。
酸価は、クロロホルム15mg/mlのポリマー溶液20mlを0.1Nアルコール性KOHで滴定することによって求めた。中性pHに達するまで滴定を継続した。pHは、pH計(Oakton pH1100)を用いて観察した。
熱的特性は、インジウム標準に対して校正した示差走査熱量計(DSC)(TA Q100、TA Instruments)で実施した。1回目のサイクルで試料(5〜10mg)を20℃/分の速度で加熱して、この処理条件下で形成される試料のモルホロジーを調べた。
引張試験は、Instron万能試験機を用いて、タイプIVのドッグボーン型試験片を用いる引張試験であるASTM D638規格に従って実施した。試験は、5kNロードセルを付けて、クロスヘッド速度50.8mm/分で実施した。それぞれの試料について、3つの個別の試験片を各3回の分析で試験した。報告データは算出平均である。
実施例1−官能基数
反応性オリゴマーのエポキシ官能基数(F)は、
a.コポリマー中のグリシジルメタクリレートのモルパーセント(M)、
b.分子鎖の重合(分子量)の程度(DP)に依存する。
したがって、エポキシ官能基数(F)は、以下の等式によって求めることができる。
(式1)F=M×DP
官能基数を求めるために、コポリマー中のGMAのモルパーセントおよび分子鎖の重合度を計算した。コポリマー中のグリシジルメタクリレートのモルパーセントは、コポリマーのエポキシ当量および使用したコモノマーの分子量から求めることができる。文献から知られているように、上記の反応性オリゴマーは、グリシジルメタクリレート(GMA)、スチレン(S)およびブチルアクリレート(BA)のコポリマーである。エポキシ当量を使用してこれらのコポリマー中のGMAのモルパーセントを求めるために、これらのコポリマーをGMAとコモノマーBからなるものと仮定する。コモノマーBをSまたはBAと仮定して計算を行い、これらのコポリマー中のGMAのモルパーセント範囲を得る。以下の表2に示すように、推定されるGMAのモルパーセント範囲は、コポリマーCE215で59〜64%、CE285で42〜47%である。CE450の場合、IRおよびDSCのデータからコモノマーがブチルアクリレートであることがわかっている。このコポリマーについて計算したGMAモルパーセントは29%である。
3つのコポリマーの重合度を推定するために、MALDIとGPCを併用した。CE215コポリマーに関するMALDIデータを得た。これを図3に示す。推定DP範囲は8〜22単位であり、上記の表2に示す、GMA60モル%とスチレン40モル%の組成物と思われる。これらのコポリマーの分散度が約3であるので、DPの幅は広い。図3に挿入したグラフでは、グリシジルメタクリレートの分子量である原子質量単位142の間隔でピークを持つスペクトルのパターンがみられる。これらのピークは、GMAが1単位ずつ異なる分子鎖に相当する。
CE450とCE285のDPを推定するために、以下の手順に従った。図4は、3つのコポリマーのGPCパターンを示す。GPCで得られた数平均分子量により、CE215、CE285およびCE450の分子量の比較が可能となる。それぞれの分子量を比較すると、以下の表3に示す通り、CE285とCE450の分子量は約0.6であり、CE450の0.5倍であり、分散度は類似している。重合度はこのように推定することができ、これを表3に示す。この分析を重合度の完全な測定とみなすべきではないことに留意すべきである。これは、CE215と、CE285およびCE450とのDPの比較を許すものである。コポリマー中のGMAのDPおよびモルパーセントが既知であるので、上記の式1を使用してエポキシ官能基数を推定することができる。エポキシ官能基数の推定値を以下の表3に記載する。
S285のエポキシ官能基数は、以下に従って求めた。合成したコポリマーのH NMRスペクトルを各種プロトンの帰属とともに図5に示す。測定されたエポキシ含有量は、ターゲット値の57モル%に極めて一致する。
MALDIとGPCとを組み合わせて、DPを決定した。低分子量ホモポリマーの2−(2−エトキシエトキシエチル)アクリレート(PE2EA10)に関するMALDIデータを得た。これを図6に示す。このオリゴマーのDP範囲は約5〜20である。GPC(図7に示す)で測定した標準PSに対するP(E2EA)10とS285の数平均分子量はそれぞれ2100g/molと12400g/molである。S285の分子量はP(E2EA)の分子量の約5〜6倍である。したがって、S285のDPは、25単位を十分超えるものと推定されるので、官能基数は、0.57×25超とすると約14〜15単位より大きくなり、CE215の官能基数を十分上回る。
反応性オリゴマーの官能性測定に関する結果の概要を以下の表4に記載する。
実施例2:酸価
各ブレンド試料の酸価をブレンドの酸価として測定し、エポキシ官能性可塑剤を含まない試料およびPLA試料と比較した。酸価の測定は当技術分野においてよく知られている。結果を図8に示す。酸価測定により、反応性可塑剤を使用しないブレンドの加工中には劣化が生じて、カルボン酸基の濃度が上昇してしまうことが示されている。反応性オリゴマーを用いてブレンドを加工する場合には、過分なエポキシ基が付加され、その結果、酸価が極めて低くなる。これは、劣化中に生じる酸性基がエポキシ基によってすべて消費されることを示している。
実施例3:分子量
PLLAの分子量、特に加工中の分子量の変化を確認するために各ブレンドを測定した。分子量変化を確認するために、各ブレンドのGPCパターンを測定した。これを図9〜10に示す。分子量および分散度の測定値を以下の表5に記載する。
GPCパターンからわかる通り、PLA/トリブロック/可塑剤ブレンドの加工中にPLLAの分子量が大幅に減少している(J0対PLAペレット)。加工中に反応性オリゴマーをブレンドに添加する場合、オリゴマーの官能基数に応じて、上記の表5に示す通り、分子量のより小さな減少または分子量の増加がみられる。1重量%の反応性オリゴマーを用いた実験を実施した場合には、分子量の増加が観察されなかった点に留意すべきである。また、3重量%の濃度を超えると、分子量の増加は横ばい状態に達した。理論に束縛されるものではないが、当該結果により、1重量%を超える濃度にすると、鎖延長反応を分解反応よりも早くする能力が促進されると考えられる。反応性オリゴマーの官能基数が大きくなると、PLLAの分子量も増加する。官能基数の小さいオリゴマーと中程度のオリゴマーを用いたブレンドDとCでは、分子量の増加があまり多くない。官能基数の大きいオリゴマー(ブレンドB)を用いると、分子量の大幅な増加がみられる。理論に束縛されるものではないが、この官能基数の増加に伴う分子量の増加は、発生する主な反応がカルボン酸基とエポキシ基との間で起き、分解したPLLA分子鎖の反応性オリゴマーへのグラフト化が生じていることを示すと考えられる。
しかしながら、分子量の増加は、この官能基数範囲を超えると横ばいに達する。官能基数の極めて大きいオリゴマー(ブレンドA)を用いた場合、分子量の増加はブレンドBの場合とほぼ同じである。理論に束縛されるものではないが、これらの結果により、5〜11の官能基数を超えると、官能基数がそれ以上増加しても、PLA分子鎖のエポキシ基へのさらなるグラフト化はもたらされないと考えられる。これは、一定数の分子鎖がエポキシ基にグラフト化されると、エポキシ基と分解したPLLA分子鎖との反応に対する立体障害が増加すること、および分子鎖のランダムコイル構造により、反応性オリゴマーの分子量の増加に伴って利用可能なエポキシ基の数が減少することが原因と思われる。
さらに、当該結果により、トリブロックコポリマーの分子量が変わらないままであることが示されている。理論に束縛されるものではないが、これらの結果は、動力学的理由と統計的理由により説明できる。トリブロックコポリマー中のPDLAブロックはヒドロキシル基が末端であるが、用いた温度と時間ではエポキシ基との反応性が極めて小さい。さらに、PDLAはブレンドのわずか約10重量%であるため、エポキシ基との反応は統計的に起こりにくい。
実施例4:溶融力
上述した溶融力データについて、ブレンド時間約7分でさらに試料を試験した。結果を図11に示す。測定した溶融力は、小型押出機のチャンバ内における材料の量に依存することに留意すべきである。材料の量が処理ごとにわずかに変化し得るので、力の絶対値も変化することになる。したがって、測定した絶対単位系の力は、正規化した測定値ではないので、比較すべきではない。ブレンド時間に伴う力の増減は、比較および検討が可能なデータである。
図11に示すように、溶融力データもGPCによる分子量測定値に一致している。理論に束縛されるものではないが、反応性オリゴマーが存在しない場合に生じる溶融力の大幅な減少は、分解が生じることに起因する分子量の大幅な減少を示していると考えられる。図11に示すように、反応性エポキシ官能性オリゴマーの官能基数が増加するにつれて、溶融力の減少が小さくなることが判明した。また、官能基数のより大きいエポキシオリゴマーブレンドでは溶融力の上昇がみられ、これは分子量が上昇していることを示している。
全く驚くべきことに、予想に反して、使用した反応性オリゴマーの官能性および濃度が高いにもかかわらず、すべての試料が完全にクロロホルムに可溶性であったので、ゲル化(ネットワーク形成)が生じなかったことが確認された。CE215を5重量%含有するブレンドであっても、ゲル化は生じなかった。反応性オリゴマーを使用したPETの連鎖延長に関する研究では、反応性オリゴマーを1.5重量%を超えて使用した場合、ミクロゲル形成が生じたことが示されている。理論に束縛されるものではないが、図1および2に関して上記でより詳細に説明したように、PLAはヒドロキシ酸系ポリエステルであるので、加水分解を受けると、PLA分子鎖は必然的に1つのカルボン酸末端基を有し、もう一方の末端はヒドロキシル基になると考えられる。別の一般的なポリエステル、たとえば、二塩基酸および二価アルコールを使用して製造されるPETでは、分解経路によって、両末端に酸性基、両末端にヒドロキシル基または一方の末端に酸性基と他方の末端にヒドロキシル基を有する分子鎖が生じ得る。
したがって、分解されたPLA分子鎖は、1つの鎖末端にのみカルボン酸基が存在し、他の鎖末端にあるヒドロキシル基はエポキシ基との反応性が加工温度においてごくわずかであるので、「反応性官能基」を1つ有する。したがって、官能性の高いエポキシオリゴマーを高濃度で使用したとしても、これらの状況下でゲル化は生じない。実際、官能基数の大きいエポキシオリゴマーを使用すると、反応性オリゴマー1分子当たりにつきより多くのPLA分子鎖がグラフト化されるので、分子量が大幅に増加する。したがって、材料の加水分解安定性、物理的性質および流動学的性質の有益な向上を実現することができる。
実施例5:PLLAとトリブロックコポリマーの共結晶化への影響
使用した反応性オリゴマーは多官能的性質を有するので、分子量の増大は、反応性オリゴマーへのPLLA分子鎖のグラフト化の結果である。したがって、結果として得られる構造は分枝鎖の多いものとなり、トリブロックコポリマーとの共結晶化に悪影響が出ることが予想された。しかしながら、全く驚くべきことに、図12に示すように、すべてのブレンドでステレオコンプレックスの融解による吸熱が観察されている。そのため、分枝構造が存在していても、トリブロックコポリマーとPLLAとのステレオコンプレックス形成は阻害されない。
実施例6:弾性率および破断伸び
試料J0、A、BおよびCを試験し、弾性率および破断伸びならびにTgを測定した。測定は本明細書に記載した通りに実施した。以下の図13および表7に結果を示す。
図13および表7からわかるように、反応性オリゴマーを使用しても、PLA/トリブロック/可塑剤のブレンドが持つ低弾性率および高破断伸びが保たれており、これは驚くべき予想しない結果である。さらに、官能基数の大きいエポキシオリゴマーブレンドでは、ブレンドの分子量が大きいので、最大引張強度が増加している。これに加え、ブレンドのTg、故にブレンドの弾性率を有意に変化させるほど多量の反応性オリゴマーを使用していないので、弾性率は反応性オリゴマーのTgによる影響を受けない。
実施例7:加水分解安定性
加水分解安定性を調べるために、ブレンドJ0、A、Bおよび別の試料Eからブレンドフィルムを作成し、環境チャンバ(Thermotron Industries)に収容して相対湿度90%で、20℃、40℃および60℃に維持した。ブレンドは、試料ブレンドBと同様に合成した。フィルムを一定の時間間隔(2日、4日などで、d2、d4等などとラベル付け)で環境チャンバから取り出し、GPCを用いて各分子量を測定した。各ブレンドのGPCパターンおよび時間と温度に応じた各フィルムの分子量を図14A〜17Dに示す。具体的には、図14AはブレンドJ0の20℃、図14Bは40℃、図14Cは60℃におけるGPCパターンを示し、図14Dは、時間と温度に応じたブレンドJ0の分子量を示す。図15AはブレンドJ0の20℃、図15Bは40℃、図15Cは60℃におけるGPCパターンを示し、図15Dは、時間と温度に応じたブレンドAの分子量を示す。図16AはブレンドJ0の20℃、図16Bは40℃、図16Cは60℃におけるGPCパターンを示し、図16Dは、時間と温度に応じたブレンドBの分子量を示す。図17AはブレンドJ0の20℃、図17Bは40℃、図17Cは60℃におけるGPCパターンを示し、図17Dは、時間と温度に応じたブレンドEの分子量を示す。
反応性オリゴマーを含有するブレンド、たとえばブレンドA、BおよびEは、加工後の分子量が大きくなっていることがわかる。さらに、40℃および60℃における分子量の減少が極めてゆるやかである。40℃で32日後であっても、ブレンドの数平均分子量は20000g/molを超えることがわかる。機械的特性を測定すると、フィルムは、40℃で32日後および60℃で2日後で100%を超える破断伸びを示すことが認められる。一方、反応性オリゴマーを使用せずに加工したフィルムは、40℃で8日後および60℃で2日後で、分子量が工業的に望まれる分子量を下回るほど減少するので、その機械的結着性を失っている。フィルム試料の写真画像を図18〜19に示す。具体的には、図18は、60℃で2日保管のJ0、60℃で2日保管のブレンドB、40℃で16日保管のブレンドB、40℃で32日保管のブレンドBのフィルム試料の写真である。図19は、90%RH、60℃で2日保管したブレンドEを示す。通常、工業的に望まれる分子量は、標準PSに対して約20000g/molであることがわかっており、図14D、15D、16Dおよび17Dではこれを黒線で示している。要するに、官能基数の大きい反応性オリゴマーを追加することで各ブレンドの分子量が劇的に向上していることが結果によって示されている。同様に、分子量の安定性と加水分解安定性とが相関関係にあることが実施例により示され、驚くべきことに、官能基数の大きい反応性オリゴマーを追加することで加水分解安定性も劇的に向上していることがわかった。特に、ブレンドBは、90%RH、40℃で32日間保管した後でも、優れた機械的特性および十分な分子量を保持していることがわかる。
事項1:以下の成分を含む組成物。
a.組成物の総重量を基準にして、15〜90重量%のポリエステルまたはポリエステルコポリマー、および
b.組成物の総重量を基準として、0.1〜55重量%のエーテル系、エーテル−エステル系またはエステル系可塑剤であって、エポキシ系化合物、ポリカルボジイミド系化合物、亜リン酸含有化合物、ヒンダードフェノール、二環式イミノエーテル、二環式イミノエステル、ヒンダードアミン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)系分子、イソシアネート、ジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む可塑剤。
事項2:ポリエステルまたはポリエステルコポリマーが本質的に脂肪族である、事項1の組成物。
事項3:ポリエステルまたはポリエステルコポリマーがポリ乳酸系組成物である、事項1の組成物。
事項4:ポリ乳酸がポリ−L−乳酸である、事項3の組成物。
事項5:1つ以上の化合物が可塑剤に共有結合している、事項1の組成物。
事項6:可塑剤がエーテル−エステル系である、事項1の組成物。
事項7:可塑剤がビス−[2−(2−ブトキシエトキシ)エチル]ヘキサンジオエートを含む、事項6の組成物。
事項8:エーテル−エステル系可塑剤がトリスノニルフェニルホスファイトを含む、事項6の組成物。
事項9:a.1〜40重量%のトリブロックコポリマーをさらに含む、事項1の組成物。
事項10:成分(c)がポリエチレングリコールトリブロックコポリマーを含む、事項9の組成物。
事項11:成分(c)がポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)トリブロックコポリマーを含む、事項9の組成物。
事項12:成分(c)がポリ(オリゴエチレングリコール)アクリレートトリブロックコポリマーを含む、事項9の組成物。
事項13:組成物が約65℃未満、約64℃未満、約63℃未満、約62℃未満、約61℃未満、約60℃未満、約59℃未満、約58℃未満、約57℃未満、約56℃未満、約55℃未満のガラス転移温度を有する、事項1の組成物。
事項14:組成物が約55℃未満、約54℃未満、約53℃未満、約52℃未満、約51℃未満のガラス転移温度を有する、事項1の組成物。
事項15:組成物が約50℃未満、約49℃未満、約48℃未満、約47℃未満、約46℃未満、約45℃未満、約44℃未満、約43℃未満、約44℃未満、約43℃未満、約42℃未満、約41℃未満、約40℃未満のガラス転移温度を有する、事項1の組成物。
事項16:組成物が約10mgKOH/g未満、約9.5mgKOH/g未満、約9mgKOH/g未満、約8.5mgKOH/g未満、約8mgKOH/g未満、約7.5mgKOH/g未満、約7mgKOH/g未満、約6.5mgKOH/g未満、約6mgKOH/g未満、約5.5mgKOH/g未満、約5mgKOH/g未満の酸価を有する、事項1の組成物。
事項17:組成物が約4.5mgKOH/g未満、約4.4mgKOH/g未満、約4.3mgKOH/g未満、約4.2mgKOH/g未満、約4.1mgKOH/g未満の酸価を有する、事項1の組成物。
事項18:組成物が約4.0mgKOH/g未満の酸価を有する、事項1の組成物。
事項19:組成物が約1000mgKOH/g未満、約975mgKOH/g未満、約950mgKOH/g未満、約925mgKOH/g未満、約900mgKOH/g未満、約875mgKOH/g未満、約850mgKOH/g未満、約825mgKOH/g未満、約800mgKOH/g未満、約775mgKOH/g未満のヒドロキシル価を有する、事項1の組成物。
事項20:組成物が約750mgKOH/g未満、約725mgKOH/g未満、約700mgKOH/g未満、約675mgKOH/g未満、約650mgKOH/g未満、約625mgKOH/g未満、約600mgKOH/g未満、約575mgKOH/g未満、約550mgKOH/g未満、約525mgKOH/g未満、約500mgKOH/g未満、約475mgKOH/g未満、約450mgKOH/g未満のヒドロキシル価を有する、事項1の組成物。
事項21:事項1の組成物を含む可撓性チューブ。
事項22:事項1の組成物を含む製品であって、発泡体、熱成形材料、フィルム、織物材料、不繊材料、ファイバーフィル、包装材、成形品および積層品からなる群から選択される製品。
事項23:以下の成分、
a.ポリエステルまたはポリエステルコポリマーと、
b.エポキシ系化合物、ポリカルボジイミド系化合物、亜リン酸含有化合物、ヒンダードフェノール、二環式イミノエーテル、二環式イミノエステル、ヒンダードアミン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)系分子、イソシアネート、ジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む可塑剤と
を含む組成物であって、約60℃未満のガラス転移温度を有するか、約25mgKOH/g未満の酸価を有するか、またはこれらを組み合わせて有する組成物。
事項24:可塑剤がエーテル系、エステル−エステル系またはエステル系可塑剤である、事項23の組成物。
事項25:可塑剤がエーテル−エステル系可塑剤である、事項24の組成物。
事項26:可塑剤がビス−[2−(2−ブトキシエトキシ)エチル]ヘキサンジオエートを含む、事項24の組成物。
事項27:エーテル−エステル系可塑剤がトリスノニルフェニルホスファイトを含む、事項25の組成物。
事項28:a.トリブロックコポリマーをさらに含む、事項23の組成物。
事項29:成分(c)がポリエチレングリコールトリブロックコポリマーを含む、事項28の組成物。
事項30:成分(c)がポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)トリブロックコポリマーを含む、事項28の組成物。
事項31:成分(c)がポリ(オリゴエチレングリコール)アクリレートトリブロックコポリマーを含む、事項28の組成物。
事項32:ポリエステルまたはポリエステルコポリマーが本質的に脂肪族である、事項23の組成物。
事項33:ポリエステルまたはポリエステルコポリマーがポリ乳酸系組成物である、事項23の組成物。
事項34:ポリ乳酸がポリ−L−乳酸である、事項33の組成物。
事項35:1つ以上の化合物が可塑剤に共有結合している、事項23の組成物。
事項36:組成物が約55℃未満、約54℃未満、約53℃未満、約52℃未満、約51℃未満のガラス転移温度を有する、事項23の組成物。
事項37:組成物が約50℃未満、約49℃未満、約48℃未満、約47℃未満、約46℃未満、約45℃未満、約44℃未満、約43℃未満、約44℃未満、約43℃未満、約42℃未満、約41℃未満、約40℃未満のガラス転移温度を有する、事項23の組成物。
事項38:組成物が約5mgKOH/g未満、約4.9mgKOH/g未満、約4.8mgKOH/g未満、約4.7mgKOH/g未満、約4.6mgKOH/g未満の酸価を有する、事項23の組成物。
事項39:組成物が約4.5mgKOH/g未満、約4.4mgKOH/g未満、約4.3mgKOH/g未満、約4.2mgKOH/g未満、約4.1mgKOH/g未満の酸価を有する、事項23の組成物。
事項40:組成物が約4.0mgKOH/g未満の酸価を有する、事項23の組成物。
事項41:組成物が約1000mgKOH/g未満、約975mgKOH/g未満、約950mgKOH/g未満、約925mgKOH/g未満、約900mgKOH/g未満、約875mgKOH/g未満、約850mgKOH/g未満、約825mgKOH/g未満、約800mgKOH/g未満、約775mgKOH/g未満のヒドロキシル価を有する、事項23の組成物。
事項42:組成物が約750mgKOH/g未満、約725mgKOH/g未満、約700mgKOH/g未満、約675mgKOH/g未満、約650mgKOH/g未満、約625mgKOH/g未満、約600mgKOH/g未満、約575mgKOH/g未満、約550mgKOH/g未満、約525mgKOH/g未満、約500mgKOH/g未満、約475mgKOH/g未満、約450mgKOH/g未満のヒドロキシル価を有する、事項23の組成物。
事項43:事項23の組成物を含む可撓性チューブ。
事項44:事項23の組成物を含む製品であって、発泡体、熱成形材料、フィルム、織物材料、不繊材料、ファイバーフィル、包装材、成形品および積層品からなる群から選択される製品。
事項45:以下の成分を含む組成物。
a.組成物の総重量を基準にして、15〜90重量%のヒドロキシル酸系ポリエステルまたはヒドロキシル酸系ポリエステルコポリマー、および
b.組成物の総重量を基準として、0.1〜55重量%のエーテル系、エーテル−エステル系またはエステル系可塑剤であって、エポキシ系化合物、ポリカルボジイミド系化合物、亜リン酸含有化合物、ヒンダードフェノール、二環式イミノエーテル、二環式イミノエステル、ヒンダードアミン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)系分子、イソシアネート、ジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む可塑剤。
事項46:ポリ乳酸(PLA)ポリマーを含む組成物であって、PLAポリマーが少なくとも20000の平均分子量を有する組成物。
事項47:ポリ乳酸(PLA)ポリマーを含む組成物であって、組成物の酸価が3.0mgKOH/g未満の組成物。
事項48:ポリ乳酸(PLA)ポリマーを含む組成物であって、組成物が摂氏40度で4日後も加水分解に対して安定である組成物。ここで、組成物が「加水分解に対して安定で」あるとは、当該組成物でフィルムを形成し、相対湿度90%、特定の温度で維持した環境チャンバ内に一定期間置き、この保管後の試料が少なくとも20000の平均分子量を有する場合、この組成物を特定の温度および時間で加水分解に対して安定であるとみなす。
事項49:以下の成分、
a.ポリエステルまたはポリエステルコポリマーと、
b.エポキシ系化合物、ポリカルボジイミド系化合物、亜リン酸含有化合物、ヒンダードフェノール、二環式イミノエーテル、二環式イミノエステル、ヒンダードアミン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)系分子、イソシアネート、ジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む可塑剤と
を含む組成物であって、溶融状態を超える温度で測定した粘度が増加している組成物。この場合、粘度の増加は、同一等級のポリエステルまたはポリエステルコポリマー成分(a)を含むが、官能化した可塑剤成分(b)を有しない比較組成物と比較して評価する。
事項50:温度が組成物の溶融状態を5℃超える、事項68の組成物。
事項51:温度が組成物の溶融状態を10℃超える、事項68の組成物。
事項52:比較組成物が実質的に同一等級の成分(a)から構成される、事項68の組成物。
事項53:粘度がコーンプレート、パラレルプレートまたはキャピラリー流動特性法によって測定される、事項68の組成物。
事項54:a.トリブロックコポリマーをさらに含む、事項68の組成物。
事項55:成分(c)がポリエチレングリコールトリブロックコポリマーを含む、事項73の組成物。
事項56:成分(c)がポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)トリブロックコポリマーを含む、事項73の組成物。
事項57:成分(c)がポリ(オリゴエチレングリコール)アクリレートトリブロックコポリマーを含む、事項73の組成物。
事項58:可塑剤がエーテル系、エステル−エステル系またはエステル系可塑剤である、事項68の組成物。
事項59:可塑剤がエーテル−エステル系可塑剤である、事項77の組成物。
事項60:可塑剤がビス−[2−(2−ブトキシエトキシ)エチル]ヘキサンジオエートを含む、事項77の組成物。
事項61:エーテル−エステル系可塑剤がトリスノニルフェニルホスファイトを含む、事項78の組成物。
事項62:ポリエステルまたはポリエステルコポリマーが本質的に脂肪族である、事項68の組成物。
事項63:ポリエステルまたはポリエステルコポリマーがポリ乳酸系組成物である、事項68の組成物。
事項64:ポリ乳酸がポリ−L−乳酸である、事項82の組成物。
事項65:1つ以上の化合物が可塑剤に共有結合している、事項68の組成物。
事項66:組成物が約65℃未満、約64℃未満、約63℃未満、約62℃未満、約61℃未満、約60℃未満、約59℃未満、約58℃未満、約57℃未満、約56℃未満、約55℃未満のガラス転移温度を有する、事項68の組成物。
事項67:組成物が約55℃未満、約54℃未満、約53℃未満、約52℃未満、約51℃未満のガラス転移温度を有する、事項68の組成物。
事項68:組成物が約50℃未満、約49℃未満、約48℃未満、約47℃未満、約46℃未満、約45℃未満、約44℃未満、約43℃未満、約44℃未満、約43℃未満、約42℃未満、約41℃未満、約40℃未満のガラス転移温度を有する、事項68の組成物。
事項69:組成物が約10mgKOH/g未満、約9.5mgKOH/g未満、約9mgKOH/g未満、約8.5mgKOH/g未満、約8mgKOH/g未満、約7.5mgKOH/g未満、約7mgKOH/g未満、約6.5mgKOH/g未満、約6mgKOH/g未満、約5.5mgKOH/g未満、約5mgKOH/g未満の酸価を有する、事項68の組成物。
事項70:組成物が約4.5mgKOH/g未満の酸価を有する、事項68の組成物。
事項71:組成物が約4.0mgKOH/g未満の酸価を有する、事項68の組成物。
事項72:組成物が約1000mgKOH/g未満、約975mgKOH/g未満、約950mgKOH/g未満、約925mgKOH/g未満、約900mgKOH/g未満、約875mgKOH/g未満、約850mgKOH/g未満、約825mgKOH/g未満、約800mgKOH/g未満、約775mgKOH/g未満のヒドロキシル価を有する、事項68の組成物。
事項73:組成物が約750mgKOH/g未満、約725mgKOH/g未満、約700mgKOH/g未満、約675mgKOH/g未満、約650mgKOH/g未満、約625mgKOH/g未満、約600mgKOH/g未満、約575mgKOH/g未満、約550mgKOH/g未満、約525mgKOH/g未満、約500mgKOH/g未満、約475mgKOH/g未満、約450mgKOH/g未満のヒドロキシル価を有する、事項68の組成物。
事項74:組成物が、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10またはさらに少なくとも11の官能基数を有する反応性可塑剤を含む、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項75:組成物が、30以下、25以下、24以下、23以下、22以下、21以下またはさらに20以下の官能基数を有する反応性可塑剤を含む、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項76:組成物が、1〜30の範囲またはさらに5〜25の範囲の官能基数を有する反応性可塑剤を含む、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項77:組成物が、−COOH基、−OH基、アミド基および/またはウレア基に反応する、少なくとも1つ以上の官能基を有する反応性可塑剤を含む、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項78:組成物が、エポキシ官能性を有する反応性可塑剤を含む、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項79:組成物が、反応性可塑剤および当該反応性可塑剤とは異なるさらなる可塑剤を含む、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項80:組成物が、当該組成物の総重量を基準として、少なくとも約0.1重量%、たとえば、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.3重量%、少なくとも約0.4重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約0.6重量%、少なくとも約0.7重量%、少なくとも約0.8重量%、少なくとも約0.9重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%などの量の反応性可塑剤を含む、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項81:組成物が、当該組成物の総重量を基準として、約30重量%以下、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、約8重量%以下、約6重量%以下、約5重量%以下、またはさらに約4重量%以下の量の反応性可塑剤を含む、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項82:組成物が、少なくとも1.5重量%の量の反応性可塑剤を含む、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項83:組成物が、10重量%以下の量の反応性可塑剤を含む、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項84:組成物が、ヒドロキシル酸系ポリエステルを含む、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項85:組成物が、加水分解を受けると、一方にカルボン酸末端基と他方にヒドロキシル末端基とを有するポリエステルを含む、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項86:ポリエステルがPETを含まない、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項87:ポリエステルが、二塩基酸および二価アルコールを使用して製造するポリエステルを含まない、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項88:組成物が、少なくとも90MPa、少なくとも95MPa、少なくとも100MPa、少なくとも105MPa、少なくとも110MPa、またはさらに少なくとも120MPaの弾性率を有する、上記の事項のいずれか一項に記載の組成物。
事項89:事項68の組成物を含む可撓性チューブ。
事項90:事項68の組成物を含む製品であって、発泡体、熱成形材料、フィルム、織物材料、不繊材料、ファイバーフィル、包装材、成形品および積層品からなる群から選択される製品。
広い意味では、本開示の残部に関して上述した実施例は、分子量とカルボン酸末端基の消費とを増やすことによって、ポリ乳酸系ブレンドなどのポリエステルブレンドの耐久性および加水分解安定性が著しく向上することを示している。実施例では、官能基数の大きい反応性オリゴマーを使用すると、ポリマー分子量の維持または増加が可能であり、PLAなどのポリエステル系材料の耐久性および加水分解安定性を改善することができることが示された。
本開示の実施形態または実施例に関する全般的説明にて上述した特徴、要素および/または作業のすべてが必要とされるわけではなく、特定の特徴、要素および/または作業の一部が必要とされない場合もあり、また1つ以上の別の特徴、要素および/または作業が上述のものに加えて必要とされる場合、追加される場合もしくは実施される場合もあることが認識されるであろう。さらにまた、記載した作業の順序は、必ずしも当該作業が実施される順序ではない。
特定の実施形態に関して、利益、他の利点および問題に対する解決を上記で説明した。しかしながら、当該利益、利点、問題に対する解決、およびいずれかの利益、利点または問題に対する解決を生じさせ得るか、もしくはより顕著にさせ得る任意の特徴は、いずれかの請求項またはすべての請求項にとって、重要な特徴、必須の特徴、または不可欠の特徴と解釈されるべきではない。
当業者は、明細書を読めば、明確を期すために別々の実施形態との関連で本明細書にて記載したいくつかの特徴を、単一の実施形態において組み合わせて提供することができることも理解するであろう。逆に、煩雑になるのを避けるために単一の実施形態との関連で記載した種々の特徴もまた、個別に提供してもよいし、任意の部分的組み合わせで提供してもよい。したがって、上記で開示した主題は、例示的なものとみなされるべきであり、限定的なものとみなされるべきではない。
さらに、範囲で示される値についての記載は、その範囲内のいずれの値も含む。したがって、本発明の範囲は、法律で認められる最大の範囲まで、以下の請求項およびその等価物の最も広い許容される解釈によって決定されるべきであり、前述の詳細な説明によって限定または制限されるべきではない。
本開示の要約は、特許法に従って提供されるものであり、請求項の範囲または意味の解釈または制限のために使用されるものではないという理解の上に提出される。さらに、前述の発明を実施するための形態では、開示を合理化するために、種々の特徴を単一の実施形態にまとめている場合または単一の実施形態にて説明している場合がある。
本開示は、主張した実施形態が各請求項にて明示された特徴より多くの特徴を要するという意図を反映するように解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、本発明の主題は、開示された実施形態のいずれかのすべての特徴を対象にするものではない。したがって、下記の請求項は発明を実施するための形態に組み込まれ、それぞれの請求項が個々に特許請求した主題を定義し、独立して存在する。

Claims (14)

  1. 以下の成分、
    a.ポリ−L−乳酸を含み、脂肪族であるポリエステルまたはポリエステルコポリマーと、
    b.エポキシ系化合物、ポリカルボジイミド系化合物、亜リン酸含有化合物、ヒンダードフェノール、二環式イミノエーテル、二環式イミノエステル、ヒンダードアミン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)系分子、イソシアネート、ジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含むエーテル系、エーテル−エステル系またはエステル系反応性可塑剤と、
    c.1〜40重量%のトリブロックコポリマーと
    を含み、前記トリブロックコポリマーがポリ−D−乳酸を含み、前記ポリエステルまたは前記ポリエステルコポリマーとステレオコンプレックスを形成している、組成物。
  2. 以下の成分、
    a.ポリ−L−乳酸を含む、ポリエステルまたはポリエステルコポリマーと、
    b.エポキシ系化合物を含む、エーテル系、エーテル−エステル系またはエステル系反応性可塑剤と、
    c.1〜40重量%のトリブロックコポリマーと
    を含み、前記トリブロックコポリマーがポリ−D−乳酸を含み、前記ポリエステルまたは前記ポリエステルコポリマーとステレオコンプレックスを形成している、組成物。
  3. 以下の成分、
    a.組成物の総重量を基準にして、15〜90重量%の、ポリ−L−乳酸を含むポリ乳酸系組成物であるポリエステルまたはポリエステルコポリマーと、
    b.組成物の総重量を基準として、1.5〜25重量%のエーテル系、エーテル−エステル系またはエステル系反応性可塑剤であって、エポキシ系化合物、ポリカルボジイミド系化合物、亜リン酸含有化合物、ヒンダードフェノール、二環式イミノエーテル、二環式イミノエステル、ヒンダードアミン、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)系分子、イソシアネート、ジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の化合物を含む、エーテル系、エーテル−エステル系またはエステル系反応性可塑剤と、
    c.1〜40重量%のトリブロックコポリマーと
    を含み、前記トリブロックコポリマーがポリ−D−乳酸を含み、前記ポリエステルまたは前記ポリエステルコポリマーとステレオコンプレックスを形成している、組成物。
  4. 前記ポリエステルまたは前記ポリエステルコポリマーがポリ乳酸系組成物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 成分(c)が、ポリエチレングリコールトリブロックコポリマー、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)トリブロックコポリマー、またはポリ(オリゴエチレングリコール)アクリレートトリブロックコポリマーを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記組成物が約25mgKOH/g未満の酸価を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記組成物が約10mgKOH/g未満の酸価を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記ポリ乳酸系組成物が少なくとも20000の平均分子量を有する、請求項3または4に記載の組成物。
  9. 組成物でフィルムを形成し、相対湿度90%、特定の温度で維持した環境チャンバ内に一定期間置き、この保管後の試料が少なくとも20000の平均分子量を有する場合、この組成物を特定の温度および時間で加水分解に対して安定であるとみなし、当該組成物が「加水分解に対して安定で」あるとする場合、前記組成物が、摂氏40度で4日後も加水分解に対して安定である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記組成物の溶融温度を摂氏5度超える温度で測定した前記組成物の粘度が、ポリエステルまたはポリエステルコポリマー成分(a)を含み、官能化した前記反応性可塑剤成分(b)を有しない試験される前記組成物を含む比較組成物と比較して評価した場合、増加している、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記反応性可塑剤が5〜30の官能基数を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記反応性可塑剤が、−COOH基、−OH基、アミド基および/またはウレア基と反応する、少なくとも1つ以上の官能基を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 請求項1に記載の組成物を含む、可撓性チューブ。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物を含む製品であって、発泡体、熱成形材料、フィルム、織物材料、不繊材料、ファイバーフィル、包装材、成形品および積層品からなる群から選択される製品。
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