以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左下方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。なお、画像表示装置5の表示領域では、例えば色図柄表示エリアにて、色図柄(「第4図柄」ともいう)を可変表示してもよい。こうした飾り図柄や色図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)が含まれていればよい。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hも配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、所定領域に記憶された可変表示の保留について、当該保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときや、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を通常表示(有色)に変化させる。なお、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。例えば、特図保留表示器は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数と、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数と、の合計値である合計保留記憶数を特定可能に表示する。特図保留表示器は、例えば合計保留記憶数における上限値(例えば「8」)に対応した個数(例えば8個)のLEDを含んで構成されている。なお、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値と第2保留記憶数の上限値としてそれぞれ「4」が設定されている。そのため、第1保留記憶数が上限値である場合、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が進入しても、有効始動入賞球数ではなく、無効始動入賞となる(第2保留記憶数が上限値である場合も同様)。したがって、第1保留記憶数が上限値である場合、普通入賞球装置6Aを狙って遊技球を発射しても(左遊技領域2Aに向けて遊技球を発射しても)、無効入賞となり遊技者に不利益となる。
遊技盤2の盤面上に形成された遊技領域には、画像表示装置5の天辺からみて左側の左遊技領域2A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域2B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域2Aと、第2遊技領域である右遊技領域2Bは、例えば遊技領域内における画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域2Aには、普通入賞球装置6Aが設けられている。例えば普通入賞球装置6Aは、画像表示装置5の中央下方に設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。このように、左遊技領域2Aには、常時遊技球が進入可能な第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Aが設けられている。
右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Bと通過ゲート41とが設けられている。例えば普通可変入賞球装置6Bは、画像表示装置5の右下方に設けられ、通過ゲート41は、普通可変入賞球装置6Bの上方(画像表示装置5の右側方)に設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しない閉鎖状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入する開放状態(第1状態)となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態(第2状態)であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。このように、右遊技領域2Bには、遊技球が進入可能な第1状態と、遊技球が進入不可能または進入困難な第2状態とに変化する第2始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bなどの配置により、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された遊技球は、第2遊技領域である右遊技領域2Bに設けられた通過ゲート41を通過したり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)したりすることが不可能または困難である。加えて、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導された遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aに設けられた普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)することが不可能または困難である。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22B(例えば近接スイッチ)によって検出された後、入賞確認スイッチ25(例えばフォトセンサ)によって検出される。第2始動口スイッチ22Bによる検出結果に加えて入賞確認スイッチ25の検出結果に基づいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことに基づいてセキュリティ信号が外部出力されればよい。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。すなわち、特別可変入賞球装置7は、第2遊技領域となる右遊技領域2Bに設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用のソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左下方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、LED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば複数(2つ)の装飾ランプ(またはLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示する。なお、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示してもよい。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。また、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する普図保留表示器が設けられてもよい。
普通図柄表示器20による普図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bの上方に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号の受信に基づいて、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。図2に示す演出制御基板12には、演出制御用CPU120やROM121、RAM122、表示制御部123、乱数回路124、I/O125などが搭載されている。音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21は、通過ゲート41を通過した遊技球(ゲート通過球)を検出する。ゲートスイッチ21によるゲート通過球の検出に基づいて、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示が実行可能となる。第1始動口スイッチ22Aは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。第2始動口スイッチ23Aは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。カウントスイッチ23は、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。第1始動入賞口や第2始動入賞口、大入賞口といった、各種の入賞口を通過した遊技球が検出された場合には、それぞれの入賞口に対応して予め個数が定められた賞球としての遊技球が払い出される。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、ROM121から読み出した演出制御用のプログラムや固定データ等を用いて、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理を実行する。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられた遊技用ランダムカウンタなどにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウント(生成)される。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。演出制御基板12では、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより、演出の実行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウント(生成)される。演出の実行を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドル31が遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、各種の入賞口を通過(進入)した場合に、賞球としての遊技球が払い出される。特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となった場合には、普通可変入賞球装置6Bの下方に設けられた大入賞口が開放されて遊技球が通過(進入)しやすい状態となることで、大当り遊技状態となる。大当り遊技状態が終了した後には、通常状態(低確低ベース状態)に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される時短制御(時間短縮制御)が行われる。こうした時短制御が行われる一方で、後述する確変制御(確率変動制御)が行われない遊技状態は、時短状態(あるいは低確高ベース状態)という。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態における時短制御は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。また、大当り状態が終了した後には、時短制御とともに、継続して確変制御(確率変動制御)が行われることがある。こうした時短制御とともに確変制御が行われる遊技状態は、確変状態(あるいは高確高ベース状態)という。確変制御が行われることにより、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。確変制御は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。あるいは、確変制御は、時短制御と同様に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、時短制御とともに、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御(あるいは有利開放制御)ともいう(時短状態)。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、時短状態や時短付確変状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。なお、この実施の形態では、普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御中であることを示す信号や、時短制御や確変制御中であることを示す信号が、主基板11から演出制御基板12に伝送される。なお、この実施の形態における時短制御には高開放制御も含まれる。少なくとも時短制御が行われる状態(時短状態)を、遊技者にとって有利な有利状態ともいう。
図1に示すパチンコ遊技機1の遊技領域では、第2遊技領域となる右遊技領域2Bに普通可変入賞球装置6Bと通過ゲート41とが設けられている。したがって、時短制御とともに高開放制御が行われているとき(時短状態)には、右遊技領域2Bに向けて遊技球を発射すれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい。また、時短制御が行われていることから、速やかに特図ゲームを消化して、可変表示結果が「大当り」となるまでの時間を短縮することができる。このように、時短制御とともに高開放制御が行われる時短制御中には、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2Bとなる。また、この実施の形態では、右遊技領域2Bに大入賞口が設けられているため、大当り遊技状態に制御中における最適な発射位置も右遊技領域2Bとなる。なお、これとは反対に、通常状態では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口には遊技球が通過(進入)するものの、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)し難い(もしくは進入不可能)。そのため、左遊技領域2Aに向けて遊技球を発射する方が右遊技領域2Bに向けて遊技球を発射するよりも遊技者にとって有利である。
図3は、遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図3に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS11)。始動入賞が発生したと判定された場合には(ステップS12;Yes)、入賞時乱数の取得と判定を行う(ステップS12)。入賞時乱数には、遊技用乱数のうちで、可変表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3とが含まれていればよい。ステップS12における判定の結果には、「ハズレ時一般」と、「ハズレ時スーパーリーチ確定」と、「大当り」とが含まれていればよい。大当り決定用の乱数値MR1を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されること、すなわち、大当り遊技状態に制御されることが判定された場合には、「大当り」の判定結果となる。可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」に決定されること、すなわち、大当り遊技状態に制御されないことが判定された場合には、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、保留記憶数にかかわらずスーパーリーチ変動パターンに決定されるか否かを判定する。そして、スーパーリーチ変動パターンに決定されると判定された場合には、「ハズレ時スーパーリーチ確定」の判定結果となるのに対し、スーパーリーチ変動パターンに決定されると判定されなかった場合には、「ハズレ時一般」の判定結果となる。例えば図6(B1)、図6(B2)に示すようなハズレ変動パターンの決定例では、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数にかかわらず、同一判定値となる「295」〜「300」の決定値が、変動パターンPA2−2、PA2−3に割り当ていられている。このような設定では、乱数値MR3が「295」〜「300」のいずれかである場合に、判定結果を「ハズレ時スーパーリーチ確定」とすればよい。
ステップS12に続いて、始動入賞時コマンドとなる演出制御コマンドを送信する(ステップS13)。始動入賞時コマンドには、始動口入賞指定コマンドと、保留記憶数通知コマンドと、入賞時判定結果コマンドとが含まれていればよい。始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞の発生を特定可能に通知する演出制御コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数といった保留記憶数を特定可能に通知する演出制御コマンドである。入賞時判定結果コマンドは、ステップS12における「ハズレ時一般」、「ハズレ時スーパーリーチ確定」、「大当り」といった判定結果を特定可能に通知する演出制御コマンドである。
図4(A)は、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第2始動口入賞指定コマンド)、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)、入賞時判定結果コマンドの設定例を示している。この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100Hと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200Hとが、予め用意されている。なお、添字Hは16進数であることを示している。また、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。保留記憶数通知コマンドでは、特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータ(例えば00H〜04Hのいずれか)が設定される。さらに、入賞時判定結果コマンドとなるコマンドC4XXHが、予め用意されている。
図4(B)は、入賞時判定結果コマンドによる通知内容を例示している。入賞時判定コマンドのうち、コマンドC400Hは、ステップS12における入賞時判定が行われないように制限されていることを通知する。コマンドC401Hは、ステップS12における判定結果が「大当り」であることを通知する。コマンドC402Hは、ステップS12における判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」であることを通知する。コマンドC403Hは、ステップS12における判定結果が「ハズレ時一般」であることを通知する。
ステップS11にて始動入賞が発生していないと判定された場合や(ステップS11;No)、ステップS13によるコマンド送信が行われた後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。遊技プロセスフラグは、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられ、遊技制御の進行に応じて“0”〜“3”の値のいずれかが可変設定される。
ステップS21にて遊技プロセスフラグの値が“0”であると判定された場合には(ステップS21;“0”)、可変表示を開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。可変表示を開始可能であると判定された場合には(ステップS101;Yes)、可変表示結果を決定する(ステップS102)。ステップS102では、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「ハズレ」とするか「大当り」とするかを所定割合で決定する。パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける決定値が設定されていればよい。続いて、例えば大当りフラグといった、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。次に、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、この実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されるよう制御される。第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS21にて遊技プロセスフラグの値が“1”であると判定された場合には(ステップS21;“1”)、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。ステップS111では、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる割合(大当り期待度)を異ならせることができる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならない「非リーチ」である場合とリーチ状態になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」である場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。可変表示内容が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(非リーチハズレ変動パターンともいう)と称され、可変表示内容が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(リーチハズレ変動パターンともいう)と称される。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。図5に示すような複数の変動パターンに対応して、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間が予め定められている。したがって、ステップS111で決定された変動パターンによる可変表示が実行される場合には、特図変動時間に対応する可変表示期間において、特別図柄などの可変表示が行われた後に、特図表示結果などの可変表示結果が導出表示される。
図6(A)は、大当り変動パターンの決定例を示している。可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された場合には、例えば図6(A)に示すような決定値の設定に基づいて、大当り時の変動パターンが決定される。このときに、変動パターン決定用の乱数値MR3は、大当り変動パターン決定テーブルにおいて予め設定されている決定値と比較される。そして、図6(A)に示す決定値の範囲のうちで、いずれの範囲に乱数値MR3が含まれるかの判定結果に応じて、使用パターンとなる変動パターンが決定される。図6(A)に示す例では、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−3のうちでいずれかの変動パターンが、大当り時の変動パターンとして決定される。
図6(B1)、図6(B2)は、ハズレ変動パターンの決定例を示している。時短制御が行われていない通常時には、例えば図6(B1)に示すような決定値の設定に基づいて、ハズレ時の変動パターンが決定される。これに対し、時短制御が行われている時短中には、例えば図6(B2)に示すような決定値の設定に基づいて、ハズレ時の変動パターンが決定される。このときに、変動パターン決定用の乱数値MR3は、ハズレ変動パターン決定テーブルにおいて予め設定されている決定値と比較される。通常時には、図6(B1)に示す決定値の範囲のうちで、いずれの範囲に乱数値MR3が含まれるかの判定結果に応じて、使用パターンとなる変動パターンが決定される。時短中には、図6(B2)に示す決定値の範囲のうちで、いずれの範囲に乱数値MR3が含まれるかの判定結果に応じて、使用パターンとなる変動パターンが決定される。時短中には、通常時よりも特図変動時間が短い変動パターンに決定される割合が高くなる。これにより、時短制御が行われる時短状態において、可変表示の可変表示時間として第1時間よりも短い第2時間に決定される割合は、時短制御が行われない通常状態などに比べて高くなる。
図3に示すステップS111に続いて、可変表示開始時コマンドとなる演出制御コマンドを送信する(ステップS112)。可変表示開始時コマンドには、変動開始コマンドと、可変表示結果通知コマンドと、変動パターン指定コマンドとが含まれていればよい。ステップS112によるコマンド送信が行われた後には、遊技プロセスフラグを“2”に更新してから(ステップS113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS21にて遊技プロセスフラグの値が“2”であると判定された場合には(ステップS21;“2”)、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。可変表示時間が経過していないと判定された場合には(ステップS121;No)、特別図柄などを可変表示するための制御を行ってから(ステップS122)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS121にて可変表示時間が経過したと判定された場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄などを停止表示するための制御を行う(ステップS123)。続いて、可変表示終了時コマンドを送信するとともに(ステップS124)、可変表示終了時における遊技状態の設定を行う(ステップS124A)。ステップS124Aでは、例えば可変表示の実行回数が予め定められた時短終了判定値に達したときのように、予め定められた時短終了条件が成立したときに、時短制御が行われる時短状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われる。その後、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定し(ステップS125)、「大当り」である場合には(ステップS125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新する一方(ステップS126)、「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、遊技プロセスフラグの値を“0”に更新(初期化)してから(ステップS127)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS21にて遊技プロセスフラグの値が“3”であると判定された場合には(ステップS21;“3”)、大当り遊技状態が終了する大当り終了であるか否かを判定する(ステップS131)。大当り終了ではないと判定された場合には(ステップS131;No)、大当り遊技状態に制御される大当り時の制御を行ってから(ステップS132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対し、ステップS131にて大当り終了であると判定された場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後における遊技状態の設定を行う(ステップS133)。ステップS133では、例えば大当り種別に応じて、時短制御が行われる時短状態を開始するための設定や、確変制御が行われる確変状態を開始するための設定などが行われる。ステップS133に続いて、遊技プロセスフラグの値を“0”に更新(初期化)してから(ステップS134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理では、初期化処理が実行されることなどにより、演出制御の初期設定が行われる。その後、予め定められた演出制御用割込み時間(例えば2ミリ秒)が経過して演出制御用のタイマ割込みが発生するごとに、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理などが実行される。演出制御用のタイマ割込みとは別に、コマンド受信用の割込みが発生したときには、主基板11から伝送された演出制御コマンドとなる制御信号を取り込み、例えばRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部)に設けられた演出制御コマンド受信用バッファなどに、演出制御コマンドを格納する。
図7は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理では、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に記憶された演出プロセスフラグの値に応じて、演出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から選択された処理を実行する。演出プロセスフラグの値に応じて実行される処理には、可変表示開始待ち処理(ステップS170)、可変表示開始設定処理(ステップS171)、可変表示中演出処理(ステップS172)、特図当り待ち処理(ステップS173)、アタッカー開放時演出処理(ステップS174)、エンディング演出処理(ステップS175)が含まれている。
図7に示すステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行され、飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理や遊技者に発射領域を報知する処理などが含まれている。ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行され、飾り図柄の可変表示や他の各種演出動作を制御するための設定や決定を行う処理などが含まれている。ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行され、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理などが含まれている。ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行され、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を導出表示したときに、大当り遊技状態に制御されるか否かを判定する処理や、大当り遊技状態に制御される場合に右遊技領域2Bに発射すべきことを報知する右打ち指示報知を行う処理などが含まれている。ステップS174のアタッカー開放時演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行され、大当り遊技状態といった大入賞口が開放状態となる所定期間における演出を実行可能にする処理などが含まれている。ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行され、大当り遊技状態の終了時における演出を実行可能にする処理などが含まれている。
図8は、図7のステップS173にて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS600)。当り開始指定コマンド受信待ち時間は、図7に示すステップS172の可変表示中演出処理にて、飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに応じて予め定められた一定時間が設定される。ステップS600にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS600;No)、主基板11から伝送される大当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS601)。大当り開始指定コマンドの受信があれば(ステップS601;Yes)、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する(ステップS602)。このときには、大当り開始指定コマンドにより大当り種別として「突確」が指定されたか否かを判定する(ステップS603)。
ステップS603にて大当り種別として「突確」以外が指定された場合には(ステップS603;No)、大当り遊技状態の開始を報知するために予め用意された大当り報知用の演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする(ステップS604)。その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、大当り報知動作の制御を開始するための設定を行う(ステップS605)。ステップS605の処理を実行した後は、右遊技領域2Bに発射すべきことを遊技者に報知する右打ち指示報知の実行設定を行い(ステップS607)、特図当り待ち処理を終了する。このときの指示報知設定は、例えば右打ち指示報知を実行するために予め用意された演出制御パターンを使用パターンにセットして所定の演出動作を実行する制御を開始させるといった、右打ち指示報知の開始設定であればよい。こうした右打ち指示報知の設定は、所定の終了設定(図9のステップS673参照)が実行されるまで(大当り遊技状態の制御開始から時短制御の終了までの期間右打ち指示報知が行われる)、演出制御用RAMの所定領域に記憶されていればよい。右打ち指示報知は、例えば画像表示装置5の画面上に図10(a)に示すような演出画像を表示することによる右打ち指示報知AR1であればよい。右打ち指示報知AR1は、例えば「右打ちしてね!」といった文字によるメッセージや、右向き矢印を示す演出画像などを、不透明な所定の表示色(例えば赤色など)で表示することにより、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者に報知されるものであればよい。なお、画像表示装置5における演出画像の表示に代えて、あるいは演出画像の表示とともに、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体の点灯動作などにより、右打ち指示報知AR1が行われるようにしてもよい。右打ち指示報知AR1では、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者に対して明確に報知されればよい。なお、ステップS607の処理では、大当り開始指定コマンドにより指定された大当たり種別に応じて、例えば、色や大きさの異なる複数態様の右打ち指示報知の中からいずれかを選択するようにしてもよい。
ステップS600にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過した場合には(ステップS600;Yes)、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS613)、特図当り待ち処理を終了する。
図9は、図7のステップS170内において実行される発射領域報知判定処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す発射領域報知判定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、右打ち指示報知の設定があるか否かを判定する(ステップS671)。このとき、例えば演出制御用RAMの所定領域に右打ち指示報知の設定が記憶されていれば、右打ち指示報知の設定があると判定すればよい。
ステップS671にて右打ち指示報知の設定がある場合には(ステップS671;Yes)、時短制御が終了したか否かを判定する(ステップS672)。時短制御が終了したか否かについての判定は、例えば、主基板11から演出制御基板12へと伝送される時短制御中などといった遊技状態を特定可能な信号を確認することにより行えばよい。
ステップS672にて時短制御が終了したと判定した場合には(ステップS672;Yes)、右打ち指示報知の終了設定を行う(ステップS673)。なお、ステップS673の処理が実行されるまで右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR1を継続して実行するものに限定されず、その報知を開始してからの経過時間が所定時間に達した場合といった、所定の右打ち報知終了条件が成立した場合には、右打ち指示報知AR1を終了させてもよい。また、ステップS673の処理では、第1保留記憶数が上限値であるか否かを判定し、上限値である場合に右打ち指示報知AR1を終了させるようにしてもよい。ステップS673の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、左打ち指示報知を行うことを示す左打ち指示報知フラグをオン状態にセットする(ステップS674)続いて、第1特図保留記憶数が「4」未満であるか否かを判定する(ステップS675)。ステップS675の処理では、主基板11から送信された、第1特図保留記憶数を特定可能な保留記憶数通知コマンドを確認することにより判定すればよい。
第1特図保留記憶数が「4」未満であると判定した場合(ステップS675;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが開放中であるか否か、すなわち、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となっているか否かを、普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御中であることを示す信号が主基板11から伝送されているか否かを確認することにより判定する(ステップS676)。普通可変入賞球装置6Bが開放中であると判定した場合(ステップS676;Yes)、演出制御用CPU120は、
左打ち指示報知の設定を行う(ステップS677)。このときの指示報知設定は、例えば左打ち指示報知を実行するために予め用意された演出制御パターンを使用パターンにセットして所定の演出動作を実行する制御を開始させるといった、左打ち指示報知の開始設定であればよい。こうした左打ち指示報知の設定は、所定の終了設定(ステップS682参照)が実行されるまで、演出制御用RAMの所定領域に記憶されていればよい。
左打ち指示報知は、例えば画像表示装置5の画面上に図10(e)に示すような演出画像を表示することによる左打ち指示報知AL1であればよい。左打ち指示報知AL1は、例えば「左打ちに戻して!」といった文字によるメッセージや、左向き矢印を示す演出画像などを、不透明な所定の表示色(例えば赤色など)で表示することにより、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に報知されるものであればよい。なお、画像表示装置5における演出画像の表示に代えて、あるいは演出画像の表示とともに、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体の点灯動作などにより、左打ち指示報知AL1が行われるようにしてもよい。左打ち指示報知AR1では、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に対して明確に報知されればよい。
ステップS677での設定を行ったときには、左打ち指示報知に対応した報知終了条件を設定し(ステップS678)、発射領域報知判定処理を終了する。このとき設定される報知終了条件は、報知開始からの経過時間が所定の第1報知終了判定時間(例えば10秒)に達したこと、可変表示の実行回数が所定の第1報知終了判定変動回数(例えば「3」)に達したこと、または、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口への有効入賞が第1報知終了判定入賞回数(例えば「2」)など、左打ち指示報知に対応して予め定められた左打ち報知終了条件であればよい。
ステップS672にて時短制御が終了していないと判定した場合、すなわち、時短制御中であると判定した場合(ステップS672;No)や、ステップS675にて第1特図保留記憶数が「4」以上であると判定した場合(ステップS675;No)や、ステップS676にて普通可変入賞球装置6Bが開放中であると判定した場合(ステップS676;Yes)、演出制御用CPU120は、左打ち指示報知設定を行わず、発射領域報知判定処理を終了する。したがって、例え時短制御が終了したとしても、第1特図保留記憶数が「4」以上である場合や、普通可変入賞球装置6Bが開放中である場合には、左打ち指示報知は行われず、図10(d)に示すように左打ち指示報知AL1は表示されないこととなる。
ステップS671にて右打ち指示報知の設定がない場合には(ステップS671;No)、左打ち指示報知の設定があるか否かを判定する(ステップS680)。このとき、例えば演出制御用RAMの所定領域に左打ち指示報知の設定が記憶されていれば、左打ち指示報知の設定があると判定すればよい。左打ち指示報知の設定がある場合には(ステップS680;Yes)、ステップS678の処理にて設定した報知終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS681)。報知終了条件が成立していなければ(ステップS681;No)、発射領域報知判定処理を終了する。報知終了条件が成立した場合には(ステップS681;Yes)、左打ち指示報知の終了設定を行う(ステップS682)。そして、左打ち指示報知フラグをオフ状態にクリアして(ステップS683)、発射領域報知判定処理を終了する。一方、ステップS680にて左打ち指示報知の設定がない場合には(ステップS680;No)、左打ち指示報知フラグがオン状態にセットされているか(すなわち、左打ち指示報知を行うことが決定されているか)否かを判定する(ステップS684)。左打ち指示報知フラグがオフ状態である場合(ステップS684;No)、演出制御用CPU120は、発射領域報知判定処理を終了する。
左打ち指示報知フラグがオン状態である場合(ステップS684;Yes)、第1特図保留記憶数が「4」未満であるか否かを判定する(ステップS685)。第1特図保留記憶数が「4」未満であると判定した場合(ステップS685;Yes)、第1特図保留記憶数が上限値でなくなったと判定する。そして、普通可変入賞球装置6Bが開放中であるか否か、すなわち、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となっているか否かを、普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御中であることを示す信号が主基板11から伝送されているか否かを確認することにより判定する(ステップS686)。普通可変入賞球装置6Bが閉鎖中であると判定した場合(ステップS686;No)、演出制御用CPU120は、左打ち指示報知の設定を行う(ステップS687)。このときの指示報知設定は、例えば左打ち指示報知を実行するために予め用意された演出制御パターンを使用パターンにセットして所定の演出動作を実行する制御を開始させるといった、左打ち指示報知の開始設定であればよい。こうした左打ち指示報知の設定は、上述したステップS682の処理が実行されるまで、演出制御用RAMの所定領域に記憶されていればよい。ステップS687の処理を実行した後は、ステップS678の処理と同様に、左打ち指示報知に対応した報知終了条件を設定し(ステップS688)、発射領域報知判定処理を終了する。また、ステップS685にて第1特図保留記憶数が「4」以上であると判定した場合(ステップS685;No)や、ステップS686にて普通可変入賞球装置6Bが開放中であると判定した場合(ステップS686;Yes)、演出制御用CPU120は、左打ち指示報知設定を行わず、発射領域報知判定処理を終了する。
図10は、画像表示装置における右打ち指示報知と左打ち指示報知の表示例を示す図である。図10(a)に示すように、可変表示結果として「大当り」となると、右打ち指示報知AR1が行われる。そして、図10(b)に示すように大当り遊技状態中も、同様に右打ち指示報知が行われ、大当り遊技状態が終了し時短状態となり時短制御が行われている期間中、右打ち指示報知が行われる。そして、時短制御が終了すると、第1保留記憶数が上限値である、または普通可変入賞球装置6Bが開放中である場合、図10(d)に示すように、左打ち指示報知が行われない。上述したように、第1保留記憶数が上限値である場合、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が進入しても無効入賞となってしまい遊技者に不利益となる。このように、第1保留記憶数が上限値である場合に左打ち指示報知を行わないことで、遊技者への不利益を防止し、適切な報知を行うことができ、遊技者の混乱を防止することができる。一方、第1保留記憶数が上限値未満であり、かつ普通可変入賞球装置6Bが閉鎖中であれば、図10(e)に示すように、左打ち指示報知AL1が行われる。このように、第1保留記憶数が上限値未満である場合に左打ち指示報知AL1を行うことで、より適切な報知を行うことができる。なお、図10(d)および(e)に示すように、時短制御が終了すると、右打ち指示報知は終了する。なお、例えば、時短制御が終了しても、普通可変入賞球装置6Bが開放中であれば、右打ち指示報知を終了しなくてもよい(この場合、例えば、小さく表示したり、背景色と近い色で表示したり、表示ではなく音で報知するなど、今まで表示していた態様とは異なる態様で報知してもよい)。
図11は、右打ち指示報知および左打ち指示報知のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。図11(a)および(b)に示すように、大当り遊技状態の開始から終了までの期間大当り中信号が、時短制御の開始から終了までの期間時短信号が、それぞれ主基板11の側から演出制御基板12の側に伝送される。演出制御基板12の側では、これらの信号や保留記憶数通知コマンドに基づいて、図8のステップS607の処理にて右打ち指示報知を、図9のステップS677やステップS687の処理にて左打ち指示報知を行う。図11(d)に示すように、時短制御終了時に第1保留記憶数が上限値未満であれば、時短制御終了とともに右打ち指示報知が終了され、左打ち指示報知が行われる(普通可変入賞球装置6Bが閉鎖中である場合も同様)。一方、時短制御終了時に第1保留記憶数が上限値であれば、時短制御終了とともに右打ち指示報知が終了され、左打ち指示報知が行われない(普通可変入賞球装置6Bが開放中である場合も同様)。そして、第1保留記憶数が上限値未満となったことに応じて左打ち指示報知が行われる。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
演出制御用CPU120は、時短制御終了時に第1保留記憶数が上限値であれば、左打ち指示報知を行わない。そのため、無効入賞となってしまうおそれを防止でき適切な報知を行うことができる。また、演出制御用CPU120は、時短制御終了とともに右打ち指示報知を終了する(第1保留記憶数が上限値であるか否かを判定し、上限値である場合に右打ち指示報知AR1を終了させる)。そのため、適切な報知を行うことができ、遊技者の混乱を防止することができる。また、演出制御用CPU120は、時短制御終了時に第1保留記憶数が上限値である場合、左打ち指示報知を行わず、第1保留記憶数が上限値未満となったことに応じて左打ち指示報知を行う。そのため、無効入賞が発生しにくくなるとともに、適切な報知を実現でき遊技者の混乱を防止することができる。さらに、普通可変入賞球装置6Bが開放中である場合には、左打ち指示報知を行わない。普通可変入賞球装置6Bは右遊技領域2Bに設けられているため、通可変入賞球装置6Bが開放中であるにも関わらず左遊技領域2Aへの発射を促進することによる矛盾を回避できる。そのため、適切な報知を実現でき、遊技者の混乱を防止することができる。また、第1保留記憶数が上限値未満であり、かつ、可変入賞球装置6Bが閉鎖中であることを条件として左打ち指示報知を行う。したがって、適切な報知を実現でき遊技者の混乱を防止することができる。
この発明は上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、時短制御終了時に、第1保留記憶数が上限値であるか可変入賞球装置6Bが開放中である場合、左打ち指示報知を行わない例を示したが、これは一例である。例えば、左打ち指示報知の態様を複数種類設け、時短制御終了時に、第1保留記憶数が上限値であるか可変入賞球装置6Bが開放中である場合には、遊技者にとって認識し難い態様(例えば小さく表示したり、表示色の濃さを薄く表示したり、背景色と同系色で表示したり、表示位置を遊技者が見にくい位置としたり、音のみで報知したり、盤面に右打ちランプを設け、当該右打ちランプを消灯させるのみとする(第1保留記憶数が上限値未満である場合は右打ちランプを消灯させるとともに左打ち指示報知AL1を表示)など)で左打ち指示報知を行うようにしてもよい(第1保留記憶数が上限値未満であり、かつ、可変入賞球装置6Bが閉鎖中である場合には認識し易い態様で左打ち指示報知を行えばよい)。さらに、例えば、第1保留記憶数が上限値である場合には小さな態様で左打ち指示報知を行い、可変入賞球装置6Bが開放中である場合には背景色と同系色の態様で左打ち指示報知を行うなど、態様がそれぞれ異なるようにしてもよい。また、時短制御終了時における第1保留記憶数に応じて左打ち指示報知の態様を異なる態様としてもよい。具体的には、時短制御終了時における第1保留記憶数が少ないほど遊技者にとって認識し易い態様で左打ち指示報知を行えばよい。
上記実施の形態では、演出制御基板12の側で、大当り中信号、時短信号、保留記憶数通知コマンドに基づいて右打ち指示報知および左打ち指示報知を行う例を示したが、これは一例である。例えば、図11(c)に示すように、主基板11の側にて発射位置指定信号を演出制御基板12の側へ伝送し、演出制御基板12の側では、当該伝送された発射位置指定信号に基づいて右打ち指示報知および左打ち指示報知を行ってもよい(すなわち右打ち指示報知を行うのか左打ち指示報知を行うのかを、主基板11の側で決定してもよい)。なお、図11(c)に示す例は、右打ち指示報知を行うことを示す発射位置指定信号の例を示している。主基板11の側では、時短制御終了時における第1保留記憶数を確認し、上限値未満となったタイミングで左打ち指示報知を行うことを示す発射位置指定信号を演出制御基板12の側へ伝送すればよい(図示省略)。
また、上記実施の形態では、時短制御終了時において第1保留記憶数が上限値である場合や、可変入賞球装置6Bが開放中である場合、左打ち指示報知を制限する例を示したが、これに加え、例えば、第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球の中に「大当り」となるものが含まれている場合には、時短制御終了時において第1保留記憶数が上限値未満であったとしても、左打ち指示報知を行わないようにしてもよい。これによれば、再び大当り遊技状態に制御されることで、遊技者は再度右打ちを行うため、遊技者の動作が煩雑になってしまうことを防止することができる。
また、上記実施の形態では、時短制御終了後において必ず、左打ち指示報知が行われる例を示したが、これは一例である。例えば、左打ち指示報知は、時短制御終了時において第1保留記憶数が上限値であって、当該上限値未満となったことに応じてのみ行わるようにしてもよい。また、左打ち指示報知は行われず、右打ち指示報知のみ行われるものであってもよい。
遊技者にとって有利な有利状態は時短状態に限定されず、例えば確変制御が行われる確変状態、その他、大当り遊技状態、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「16」)となる状態、時短制御が行われる可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となる状態、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となる状態、通常状態となることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン回数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン回数(例えば「10」)となる状態といった、遊技者にとって有利な任意の状態であればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。