以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技領域の内部または外部といった遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C、通過ゲート41などが設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力可能なスピーカ8L、8Rが設けられ、遊技領域周辺部には遊技効果ランプ9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられ、打球操作ハンドルの操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力が調整される。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技球を保持(貯留)する上皿(打球供給皿)と、上皿からの余剰球などを保持(貯留)する下皿が設けられている。下皿を形成する部材にはスティックコントローラ31Aが取り付けられ、上皿を形成する部材にはプッシュボタン31Bが設けられている。
第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5の画面上などでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われる。これらの可変表示は、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に基づいて、あるいは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生に基づいて、実行可能となる。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(「第1特図」ともいう)の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(「第2特図」ともいう)の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示の表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。特別図柄や飾り図柄の可変表示における表示結果は、可変表示結果ともいう。特に、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果ともいう。このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。
画像表示装置5の画面上には、第1保留表示部5HLと、第2保留表示部5HBとが設けられている。第1保留表示部5HLおよび第2保留表示部5HBは、画像表示装置5において、未だ開始されていない可変表示に対応する保留表示を行うための表示部である。第1保留表示部5HLは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。第2保留表示部5HBは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、第1始動入賞や第2始動入賞の発生に基づいて行われる。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応して未だ開始されていない可変表示の保留が行われる。第1始動入賞が発生したときに、第1特図を用いた特図ゲームを開始できなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。第2始動入賞が発生したときに、第2特図を用いた特図ゲームを開始できなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1始動入賞が発生したときに、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。また、第2始動入賞が発生したときに、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。特図ゲームが開始されることによる保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)の減少は、保留の消化とも称される。
第1保留表示部5HLでは、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第2保留表示部5HBでは、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第1保留表示部5HLは、例えば下詰めで第1保留表示が行われるように構成されていればよい。第1保留表示部5HLには、例えば第1特図保留記憶数の上限値が「4」である場合に、その上限値にあわせた4つの表示部位が設けられ、下端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第2保留表示部5HBは、例えば左詰めで第2保留表示が行われるように構成されていればよい。第2保留表示部5HBには、例えば第2特図保留記憶数の上限値が「4」である場合に、その上限値にあわせた4つの表示部位が設けられ、左端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。図2に示す主基板11には、遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。普通電動役物用のソレノイド81は、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過しにくい状態(または通過しない状態)と通過しやすい状態とに変化可能にする。特別電動役物用のソレノイド82は、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を遊技球が通過しない状態と通過しやすい状態とに変化可能にする。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号の受信に基づいて、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。図2に示す演出制御基板12には、演出制御用CPU120やROM121、RAM122、表示制御部123、乱数回路124、I/O125などが搭載されている。音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21は、通過ゲート41を通過した遊技球(ゲート通過球)を検出する。ゲートスイッチ21によるゲート通過球の検出に基づいて、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示が実行可能となる。第1始動口スイッチ22Aは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。第2始動口スイッチ23Aは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。カウントスイッチ23は、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。第1始動入賞口や第2始動入賞口、大入賞口といった、各種の入賞口を通過した遊技球が検出された場合には、それぞれの入賞口に対応して予め個数が定められた賞球としての遊技球が払い出される。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、ROM121から読み出した演出制御用のプログラムや固定データ等を用いて、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理を実行する。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられた遊技用ランダムカウンタなどにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウント(生成)される。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。演出制御基板12では、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより、演出の実行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウント(生成)される。演出の実行を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、各種の入賞口を通過(進入)した場合に、賞球としての遊技球が払い出される。特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となった場合には、大入賞口が開放されて遊技球が通過(進入)しやすい状態となることで、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態となる。
図3は、遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図3に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS11)。始動入賞が発生したと判定された場合には(ステップS12;Yes)、入賞時乱数の取得と判定を行う(ステップS12)。入賞時乱数には、遊技用乱数のうちで、可変表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3とが含まれていればよい。ステップS12における判定の結果には、「ハズレ時一般」と、「ハズレ時スーパーリーチ確定」と、「大当り」とが含まれていればよい。大当り決定用の乱数値MR1を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されること、すなわち、有利状態としての大当り遊技状態に制御されることが判定された場合には、「大当り」の判定結果となる。可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」に決定されること、すなわち、有利状態としての大当り遊技状態に制御されないことが判定された場合には、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、保留記憶数にかかわらずスーパーリーチ変動パターンに決定されるか否かを判定する。そして、スーパーリーチ変動パターンに決定されると判定された場合には、「ハズレ時スーパーリーチ確定」の判定結果となるのに対し、スーパーリーチ変動パターンに決定されると判定されなかった場合には、「ハズレ時一般」の判定結果となる。例えば図6(B1)、図6(B2)に示すようなハズレ変動パターンの決定例では、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数にかかわらず、同一判定値となる「295」〜「300」の決定値が、変動パターンPA2−2、PA2−3に割り当ていられている。このような設定では、乱数値MR3が「295」〜「300」のいずれかである場合に、判定結果を「ハズレ時スーパーリーチ確定」とすればよい。
ステップS12に続いて、始動入賞時コマンドとなる演出制御コマンドを送信する(ステップS13)。始動入賞時コマンドには、始動口入賞指定コマンドと、保留記憶数通知コマンドと、入賞時判定結果コマンドとが含まれていればよい。始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞の発生を特定可能に通知する演出制御コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数といった保留記憶数を特定可能に通知する演出制御コマンドである。入賞時判定結果コマンドは、ステップS12における「ハズレ時一般」、「ハズレ時スーパーリーチ確定」、「大当り」といった判定結果を特定可能に通知する演出制御コマンドである。
図4(A)は、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第2始動口入賞指定コマンド)、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)、入賞時判定結果コマンドの設定例を示している。この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100Hと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200Hとが、予め用意されている。なお、添字Hは16進数であることを示している。また、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。保留記憶数通知コマンドでは、特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータ(例えば00H〜04Hのいずれか)が設定される。さらに、入賞時判定結果コマンドとなるコマンドC4XXHが、予め用意されている。
図4(B)は、入賞時判定結果コマンドによる通知内容を例示している。入賞時判定コマンドのうち、コマンドC400Hは、ステップS12における入賞時判定が行われないように制限されていることを通知する。コマンドC401Hは、ステップS12における判定結果が「大当り」であることを通知する。コマンドC402Hは、ステップS12における判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」であることを通知する。コマンドC403Hは、ステップS12における判定結果が「ハズレ時一般」であることを通知する。
ステップS11にて始動入賞が発生していないと判定された場合や(ステップS11;No)、ステップS13によるコマンド送信が行われた後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。遊技プロセスフラグは、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられ、遊技制御の進行に応じて“0”〜“3”の値のいずれかが可変設定される。
ステップS21にて遊技プロセスフラグの値が“0”であると判定された場合には(ステップS21;“0”)、可変表示を開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。可変表示を開始可能であると判定された場合には(ステップS101;Yes)、可変表示結果を決定する(ステップS102)。ステップS102では、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「ハズレ」とするか「大当り」とするかを所定割合で決定する。パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける決定値が設定されていればよい。続いて、例えば大当りフラグといった、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。次に、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS21にて遊技プロセスフラグの値が“1”であると判定された場合には(ステップS21;“1”)、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。ステップS111では、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる割合(大当り期待度)を異ならせることができる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならない「非リーチ」である場合とリーチ状態になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」である場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。可変表示内容が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(非リーチハズレ変動パターンともいう)と称され、可変表示内容が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(リーチハズレ変動パターンともいう)と称される。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。図5に示すような複数の変動パターンに対応して、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間が予め定められている。したがって、ステップS111で決定された変動パターンによる可変表示が実行される場合には、特図変動時間に対応する可変表示期間において、特別図柄などの可変表示が行われた後に、特図表示結果などの可変表示結果が導出表示される。
図6(A)は、大当り変動パターンの決定例を示している。可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された場合には、例えば図6(A)に示すような決定値の設定に基づいて、大当り時の変動パターンが決定される。このときに、変動パターン決定用の乱数値MR3は、大当り変動パターン決定テーブルにおいて予め設定されている決定値と比較される。そして、図6(A)に示す決定値の範囲のうちで、いずれの範囲に乱数値MR3が含まれるかの判定結果に応じて、使用パターンとなる変動パターンが決定される。図6(A)に示す例では、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−3のうちでいずれかの変動パターンが、大当り時の変動パターンとして決定される。
図6(B1)、図6(B2)は、ハズレ変動パターンの決定例を示している。時短制御が行われていない通常時には、例えば図6(B1)に示すような決定値の設定に基づいて、ハズレ時の変動パターンが決定される。これに対し、時短制御が行われている時短中には、例えば図6(B2)に示すような決定値の設定に基づいて、ハズレ時の変動パターンが決定される。このときに、変動パターン決定用の乱数値MR3は、ハズレ変動パターン決定テーブルにおいて予め設定されている決定値と比較される。通常時には、図6(B1)に示す決定値の範囲のうちで、いずれの範囲に乱数値MR3が含まれるかの判定結果に応じて、使用パターンとなる変動パターンが決定される。時短中には、図6(B2)に示す決定値の範囲のうちで、いずれの範囲に乱数値MR3が含まれるかの判定結果に応じて、使用パターンとなる変動パターンが決定される。時短中には、通常時よりも特図変動時間が短い変動パターンに決定される割合が高くなる。これにより、時短制御が行われる時短状態において、可変表示の可変表示時間として第1時間よりも短い第2時間に決定される割合は、時短制御が行われない通常状態などに比べて高くなる。
図3に示すステップS111に続いて、可変表示開始時コマンドとなる演出制御コマンドを送信する(ステップS112)。可変表示開始時コマンドには、変動開始コマンドと、可変表示結果通知コマンドと、変動パターン指定コマンドとが含まれていればよい。ステップS112によるコマンド送信が行われた後には、遊技プロセスフラグを“2”に更新してから(ステップS113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS21にて遊技プロセスフラグの値が“2”であると判定された場合には(ステップS21;“2”)、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。可変表示時間が経過していないと判定された場合には(ステップS121;No)、特別図柄などを可変表示するための制御を行ってから(ステップS122)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS121にて可変表示時間が経過したと判定された場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄などを停止表示するための制御を行う(ステップS123)。続いて、可変表示終了時コマンドを送信するとともに(ステップS124)、可変表示終了時における遊技状態の設定を行う(ステップS124A)。ステップS124Aでは、例えば可変表示の実行回数が予め定められた時短終了判定値に達したときのように、予め定められた時短終了条件が成立したときに、時短制御が行われる時短状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われる。その後、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定し(ステップS125)、「大当り」である場合には(ステップS125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新する一方(ステップS126)、「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、遊技プロセスフラグの値を“0”に更新(初期化)してから(ステップS127)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS21にて遊技プロセスフラグの値が“3”であると判定された場合には(ステップS21;“3”)、大当り遊技状態が終了する大当り終了であるか否かを判定する(ステップS131)。大当り終了ではないと判定された場合には(ステップS131;No)、大当り遊技状態に制御される大当り時の制御を行ってから(ステップS132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対し、ステップS131にて大当り終了であると判定された場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後における遊技状態の設定を行う(ステップS133)。ステップS133では、例えば大当り種別に応じて、時短制御が行われる時短状態を開始するための設定や、確変制御が行われる確変状態を開始するための設定などが行われる。ステップS133に続いて、遊技プロセスフラグの値を“0”に更新(初期化)してから(ステップS134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理では、初期化処理が実行されることなどにより、演出制御の初期設定が行われる。その後、予め定められた演出制御用割込み時間(例えば2ミリ秒)が経過して演出制御用のタイマ割込みが発生するごとに、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理などが実行される。演出制御用のタイマ割込みとは別に、コマンド受信用の割込みが発生したときには、主基板11から伝送された演出制御コマンドとなる制御信号を取り込み、例えばRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部)に設けられた演出制御コマンド受信用バッファなどに、演出制御コマンドを格納する。
図7は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理では、保留表示制御処理(ステップS161)を実行した後に、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に記憶された演出プロセスフラグの値に応じて、演出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から選択された処理を実行する。演出プロセスフラグの値に応じて実行される処理には、可変表示開始待ち処理(ステップS170)、可変表示開始設定処理(ステップS171)、可変表示中演出処理(ステップS172)、特図当り待ち処理(ステップS173)、アタッカー開放時演出処理(ステップS174)、エンディング演出処理(ステップS175)が含まれている。
図7に示すステップS161の保留表示制御処理は、保留表示を更新するための処理を含んでいる。また、保留表示制御処理は、保留変更演出を実行するための設定や制御を行う処理を含んでいる。保留変更演出は、第2保留表示部5HBに表示された保留表示の表示態様を、一括して変更可能な演出である。保留変更演出で変更される保留表示の表示態様には、通常態様と、特殊態様とが含まれ、通常態様から特殊態様に一括して変更することができる。特殊態様には、第1の特殊態様と、第2の特殊態様とが含まれ、第1の特殊態様から第2の特殊態様に一括して変更することができる。表示制御部123では、演出制御用CPU120からの表示制御指令などをもとに保留表示画像の表示を切り替えることにより、保留表示の表示態様を一括して変更することができる。
図8は、保留表示画像の設定例を示している。この実施の形態では、複数種類の保留表示画像HG0〜HG5が、予め用意されている。表示制御部123に内蔵または外付けされた画像データメモリには、保留表示画像HG0〜HG5の画像データが記憶されていればよい。保留表示画像HG0は、通常態様である保留表示を行うために用いられる。保留表示画像HG1〜HG5は、特殊態様である保留表示を行うために用いられる。例えば、保留表示画像HG1〜HG5は、第2保留表示部5HBにおける複数の表示部位における保留表示の組合せにより、予め定められたメッセージを報知可能な文字などを示す演出画像であればよい。なお、特殊態様は、保留表示の組合せにより予め定められたメッセージを報知可能なものに限定されず、通常態様とは異なる任意の表示態様となることで、大当り遊技状態などの有利状態に制御される期待度が通常態様のときとは異なっていることを報知可能なものであればよい。
図8(A)〜(F)は、第2保留表示部5HBにおける各保留表示画像HG0〜HG5の表示例を示している。各表示例では、第2保留記憶数が「4」であることに対応して、第2保留表示部5HBに設けられた4つの表示部位に、保留表示画像が表示されている。図8(A)に示すように、保留表示画像HG0が表示された場合には、各表示部位が青色無地の表示態様となる。図8(B)に示すように、保留表示画像HG1が表示された場合には、4つの表示部位における表示の組合せにより「がんばれ」のメッセージを報知可能な表示態様となる。図8(C)に示すように、保留表示画像HG2が表示された場合には、4つの表示部位における表示の組合せにより「チャンス」のメッセージを報知可能となる。図8(D)に示すように、保留表示画像HG3が表示された場合には、4つの表示部位における表示の組合せにより「スーパー」のメッセージを報知可能となる。図8(E)に示すように、保留表示画像HG4が表示された場合には、4つの表示部位における表示の組合せにより「げきあつ」のメッセージを報知可能となる。図8(F)に示すように、保留表示画像HG5が表示された場合には、4つの表示部位における表示の組合せにより「大あたり」のメッセージを報知可能となる。
図8(G)は、各保留表示画像HG0〜HG5について、保留番号との対応関係や大当り期待度との関係を示している。通常態様の保留表示を行うために用いられる保留表示画像HG0は、第2特図保留記憶数に応じた保留番号にかかわらず、青色無地の表示を行う演出画像である。特殊態様の保留表示を行うために用いられる保留表示画像HG1〜HG5は、第2特図保留記憶数に応じた保留番号に応じた文字の表示を行うことにより、特定のメッセージを報知可能な演出画像である。大当り期待度は、保留表示画像HG0が表示された場合に最も低くなり、保留表示画像HG1は保留表示画像HG0よりも高く、保留表示画像HG2は保留表示画像HG1よりも高く、保留表示画像HG3は保留表示画像HG2よりも高く、保留表示画像HG4は保留表示画像HG3よりも高く、保留表示画像HG5が表示された場合に最も高くなる。このように、保留表示の表示態様に応じて異なる大当り期待度を示唆できる。
図9、図10は、図7のステップS161にて実行される保留表示制御処理の一例を示すフローチャートである。保留表示制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時コマンドとなる演出制御コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS201)。始動入賞時コマンドの受信があると判定された場合には(ステップS201;Yes)、保留表示変更の設定があるか否かを判定する(ステップS202)。ステップS202では、例えばRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた可変表示カウンタの格納値である可変表示カウント値が「0」の場合といった、保留変更演出を実行するための設定が行われていない場合に、保留表示変更の設定がないと判定すればよい。
ステップS202にて保留表示変更の設定がないと判定された場合には(ステップS202;No)、時短制御が行われている時短中であるか否かを判定する(ステップS203)。時短中であると判定された場合には(ステップS203;Yes)、発生した始動入賞が第2始動入賞であるか否かを判定する(ステップ204)。第2始動入賞であると判定された場合には(ステップS204;Yes)、入賞時判定結果を特定する(ステップS205)。入賞時判定結果は、始動入賞時コマンドに含まれる入賞時判定結果コマンドにより、主基板11から通知される。続いて、保留変更演出を実行するか否かに対応した保留表示変更の有無を決定する(ステップS206)。
図11は、ステップS206における保留表示変更有無の決定例を示している。図9のステップS206では、例えば図11に示すような入賞時判定結果に応じた割合で、保留表示変更の有無が決定される。図11に示す決定例では、入賞時判定結果が「大当り」である場合に、入賞時判定結果が「ハズレ時一般」や「ハズレ時スーパーリーチ確定」である場合よりも高い割合で、保留変更演出を実行することに対応する「変更あり」に決定される。また、入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」である場合には、入賞時判定結果が「ハズレ時一般」である場合よりも高い割合で「変更あり」に決定される。これにより、保留変更演出が実行された場合には、実行されない場合よりも高い割合で、有利状態としての大当り遊技状態となり、あるいは、変動パターンがスーパーリーチを伴う特定の可変表示が実行される。
続いて、図9に示すステップS206による決定結果が「変更あり」か否かを判定する(ステップS207)。そして、「変更あり」と判定された場合には(ステップS207;Yes)、報知対象判定値を設定する(ステップS208)。例えばステップS208では、第2保留記憶数通知コマンドで通知された第2特図保留記憶数を報知対象判定値として、RAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられた報知対象判定値バッファに格納すればよい。また、入賞時判定結果を記憶する(ステップS209)。例えばステップS209では、入賞時判定結果コマンドの通知内容を示すEXTデータを、RAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられた判定結果バッファに記憶させればよい。
ステップS202にて保留表示変更の設定があると判定された場合や(ステップS202;Yes)、ステップS203にて時短中ではないと判定された場合(ステップS203;No)、ステップS204にて第2始動入賞ではないと判定された場合(ステップS204;No)、ステップS207にて「変更あり」ではなく「変更なし」と判定された場合(ステップS207)、あるいはステップS209にて入賞時判定結果を記憶した後には、保留表示態様情報を読み出す(ステップS210)。保留表示態様情報は、例えばRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられた態様情報バッファに記憶され、保留表示に使用する保留表示画像を特定可能に示していればよい。その後、始動入賞時における保留表示を更新するための設定を行ってから(ステップS211)、保留表示制御処理を終了する。ステップS211では、保留表示態様情報に示される保留表示画像を用いて、新たな保留表示を追加するように、第1保留表示部5HLまたは第2保留表示部5HBにおける表示を更新すればよい。
ステップS201にて始動入賞時コマンドの受信がないと判定された場合には(ステップS201;No)、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される可変表示開始であるか否かを判定する(ステップS212)。ステップS212では、例えば演出プロセスフラグの値に基づいて、可変表示開始であるか否かを判定すればよい。より具体的に、演出プロセスフラグの値が“1”から“2”へと変更された場合には可変表示開始であると判定し、それ以外の場合には可変表示開始ではないと判定すればよい。あるいは、ステップS212では、主基板11から伝送された変動開始コマンドなどの可変表示開始時コマンドを受信した場合に、可変表示開始であると判定してもよい。
ステップS212にて可変表示開始であると判定された場合には(ステップS212;Yes)、保留表示変更の設定があるか否かを判定する(ステップS213)。保留表示変更の設定があると判定された場合には(ステップS213;Yes)、可変表示カウンタに保持されている可変表示カウント値を、1加算(インクリメント)するように更新を行う(ステップS214)。また、入賞時判定結果の記憶内容を読み出すとともに(ステップS215)、保留表示態様情報を読み出す(ステップS216)。ステップS214にて読み出される入賞時判定結果は、ステップS209により記憶された入賞時判定結果であり、保留変更演出による報知対象となる可変表示の入賞時判定結果である。その後、変更用画像を決定する(ステップS217)。変更用画像は、保留変更演出の実行により保留表示の表示態様を変更した後に使用する保留表示画像である。例えばステップS217では、入賞時判定結果や使用中画像に応じた割合で変更用画像となる保留表示画像が決定される。使用中画像は、現在の保留表示に使用されている保留表示画像である。
図12は、ステップS217における変更用画像の決定例を示している。図9のステップS217では、例えば演出用乱数に含まれる画像決定用の乱数値を抽出して、第1画像決定テーブルにおいて予め設定されている決定値と比較することにより、変更用画像が決定されるようにすればよい。図12に示す決定例では、入賞時判定結果が「ハズレ時一般」である場合に、使用中画像が保留表示画像HG0であれば変更用画像が保留表示画像HG1に決定される割合が高く、使用中画像が保留表示画像HG1であれば保留表示の表示態様を変更しない「変更なし」に決定される割合が高い。したがって、保留表示画像HG1を用いた保留表示が行われる場合には、報知対象となる可変表示に対応して可変表示結果が「ハズレ」になるとともに、スーパーリーチによるリーチ演出が実行されない可能性が高い。
また、図12に示す決定例では、入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」である場合に、使用中画像が保留表示画像HG0であれば変更用画像が保留表示画像HG1に決定される割合が高く、使用中画像が保留表示画像HG1であれば変更用画像が保留表示画像HG2に決定される割合が高く、使用中画像が保留表示画像HG2であれば変更用画像が保留表示画像HG3に決定される割合が高く、使用中画像が保留表示画像HG3であれば「変更なし」に決定される割合が高い。したがって、保留表示に使用される使用中画像が、保留表示画像HG0から保留表示画像HG3まで順次に変更された場合には、報知対象となる可変表示においてスーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性が高い。すなわち、保留表示画像HG3を使用した保留表示の表示態様は、スーパーリーチによるリーチ演出が実行されることを示唆する示唆態様となる。
あるいは、図12に示す決定例では、入賞時判定結果が「大当り」である場合に、保留表示画像HG1〜HG5を、変更用画像として順次に決定することができる。また、使用中画像が保留表示画像HG0〜HG4のいずれである場合にも、予め定められた割合で変更用画像を保留表示画像HG5に決定することができる。したがって、保留表示に使用される使用中画像が、保留表示画像HG0から保留表示画像HG4まで順次に変更された場合には、報知対象となる可変表示において可変表示結果が「大当り」となり有利状態としての大当り遊技状態となる可能性(大当り期待度)が高い。さらに、変更用画像が保留表示画像HG5に決定されて保留表示画像HG5を使用した保留表示が行われた場合には、報知対象となる可変表示において可変表示結果が「大当り」となり有利状態としての大当り遊技状態となることが確定する。
図9に示すステップS213にて保留変更表示の設定がないと判定された場合には(ステップS213;No)、可変表示内容を特定する(ステップS218)。可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「ノーマルリーチ(ハズレ)」、「スーパーリーチ(ハズレ)」、「大当り」が含まれていればよい。可変表示内容は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果と変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンとの組合せなどに応じて、いずれとなるかが特定されればよい。ステップS218に続いて、変更用画像を決定する(ステップS219)。例えばステップS219では、可変表示内容に応じた割合で変更用画像となる保留表示画像が決定される。
図13は、ステップS219における変更用画像の決定例を示している。図9のステップS219では、例えば演出用乱数に含まれる画像決定用の乱数値を抽出して、第2画像決定テーブルにおいて予め設定されている決定値と比較することにより、変更用画像が決定されるようにすればよい。図13に示す決定例において、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合には「変更なし」に決定される割合が最も高く、可変表示内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」、「スーパーリーチ(ハズレ)」、「大当り」となるに従って、「変更なし」以外の保留表示画像HG1〜HG5のいずれかに決定される割合が高くなる。また、可変表示内容が「スーパーリーチ(ハズレ)」である場合には保留表示画像HG3に決定される割合が最も高くなる。これにより、保留表示画像HG3を使用した保留表示の表示態様は、スーパーリーチによるリーチ演出が実行されることを示唆する示唆態様となる。可変表示内容が「大当り」である場合には保留表示画像HG4に決定される割合が高く、保留表示画像HG5に決定されることもある。これにより、保留表示画像HG4を使用した保留表示の表示態様は、可変表示結果が「大当り」となり有利状態としての大当り遊技状態となる可能性(大当り期待度)が高く、さらに、保留表示画像HG5を使用した保留表示が行われた場合には、可変表示結果が「大当り」となり有利状態としての大当り遊技状態となることが確定する。
ステップS217、S219のいずれかで変更用画像について決定が行われた後には、その決定結果が「変更なし」であるか否かを判定する(ステップS220)。「変更なし」以外の保留表示画像を決定したと判定された場合には(ステップS220;No)、保留表示に用いられている保留表示画像を、変更用画像として決定された保留表示画像に、一括して変更する制御を行う(ステップS221)。ステップS221では、例えば演出制御用CPU120から表示制御部123のVDPなどに表示制御指令を送信して、変更用画像となる保留表示画像を用いた保留表示への切り替えが行われるようにすればよい。このときには、保留表示態様情報の記憶を更新する(ステップS222)。ステップS222では、例えばステップS217、S219のいずれかにより変更用画像として決定された保留表示画像を特定可能に示す保留表示態様情報を、態様情報バッファに記憶させればよい。
ステップS220にて「変更なし」であると判定された場合や(ステップS220;Yes)、ステップS222にて保留表示態様情報の記憶を更新した後には、可変表示開始時における保留表示を更新するための設定を行ってから(ステップS223)、保留表示制御処理を終了する。ステップS223では、第1保留表示部5HLまたは第2保留表示部5HBにおいて、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数の減少(デクリメント)に対応する保留表示の減少更新(消化)が行われるようにすればよい。
ステップS212にて可変表示開始ではないと判定された場合には(ステップS212;No)、特別図柄や飾り図柄の可変表示が終了する可変表示終了であるか否かを判定する(図10のステップS224)。ステップS224では、例えば演出プロセスフラグの値に基づいて、可変表示終了であるか否かを判定すればよい。より具体的に、演出プロセスフラグの値が“2”から“3”へと変更された場合には可変表示終了であると判定し、それ以外の場合には可変表示終了ではないと判定すればよい。あるいは、ステップS224では、主基板11から伝送された図柄確定コマンドなどの可変表示終了時コマンドを受信した場合に、可変表示終了であると判定してもよい。ステップS224にて可変表示終了ではないと判定された場合には(ステップS224;No)、保留表示制御処理を終了する。
ステップS224にて可変表示終了であると判定された場合には(ステップS224;Yes)、可変表示カウント値が報知対象判定値に達しているか否かを判定する(ステップS225)。報知対象判定値に達していないと判定された場合には(ステップS225;No)、保留表示制御処理を終了する。これに対し、報知対象判定値に達していると判定された場合には(ステップS225;Yes)、保留表示に用いられる保留表示画像を、通常態様に対応する保留表示画像HG0に、一括して復帰させる制御を行う(ステップS226)。このときには、保留表示変更の設定が初期化される。すなわち、可変表示カウンタをクリアして可変表示カウント値を「0」に更新(初期化)するとともに(ステップS227)、入賞時判定結果の記憶をクリア(消去)して(ステップS228)、報知対象判定値をクリア(消去)してから(ステップS229)、保留表示制御処理を終了する。なお、可変表示の終了時には、ステップS226により保留表示の表示態様を一括して通常態様に復帰させる一方、可変表示の開始時には、保留表示変更の設定を初期化することができるようにしてもよい。
図7に示すステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行され、飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などが含まれている。ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行され、飾り図柄の可変表示や他の各種演出動作を制御するための設定や決定を行う処理などが含まれている。ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行され、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理などが含まれている。ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行され、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を導出表示したときに、大当り遊技状態に制御されるか否かを判定する処理などが含まれている。ステップS174のアタッカー開放時演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行され、大当り遊技状態といった大入賞口が開放状態となる所定期間における演出を実行可能にする処理などが含まれている。ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行され、大当り遊技状態の終了時における演出を実行可能にする処理などが含まれている。
図14は、保留変更演出の実行例を示している。この場合、例えば図14(A)に示すように、画像表示装置5の画面上で飾り図柄の可変表示が行われ、第2保留表示部5HBでは保留番号「1」〜「3」に対応する表示部位にて、通常態様として、保留表示画像HG0を使用した青色無地の保留表示が行われている。これにより、第2特図保留記憶数が「3」であることを認識可能に報知できる。その後、可変表示が終了する前に第2始動入賞が発生すると、第2特図保留記憶数が「4」に更新される。これに対応する始動入賞時コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送されると、図9に示すステップS201にて始動入賞時コマンドの受信ありと判定される。そして、ステップS204にて第2始動入賞であると判定され、ステップS206にて保留変更演出を実行することに対応した「変更あり」に決定された場合には、ステップS208にて報知対象判定値として第2特図保留記憶数の「4」が設定され、ステップS209にて入賞時判定結果が記憶される。この実行例では、入賞時判定結果が「大当り」であるものとする。こうして、保留表示変更の設定が行われ、可変表示の進行に応じて保留変更演出が実行可能となる。その後、ステップS210にて読み出した保留表示態様情報が保留表示画像HG0を示していることから、ステップS211での設定により、例えば図14(B)に示すように、第2保留表示部5HBにて保留番号「4」に対応する表示部位で青色無地の保留表示が追加される。
次に、図14(C)では、画像表示装置5の画面上において飾り図柄の最終停止図柄が停止表示されることで、可変表示が終了している。これに続いて、図14(D)に示す飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図9に示すステップS212にて可変表示開始であると判定されるとともに、ステップS213にて保留表示変更の設定ありと判定されたことなどに基づいて、ステップS214により可変表示カウント値が「1」に更新される。このとき、ステップS217により変更用画像が決定され、保留表示画像HG1が変更用画像とされた場合には、ステップS221の制御により、第2保留表示部5HBにおける保留表示の表示態様が、保留表示画像HG0を使用した青色無地の通常態様から、保留表示画像HG1を使用した特殊態様となる表示態様へと、一括して変更される。これにより、例えば図14(D)に示すように、「がんばれ」のメッセージのうち、保留番号「1」〜「3」に対応する「がんば」の文字列を認識可能な保留表示となる。その後、図14(E)では、画像表示装置5の画面上において飾り図柄の最終停止図柄が停止表示されることで、可変表示が終了している。このとき、図10に示すステップS225では、可変表示カウント値が「1」であり、報知対象判定値の「4」には達していないと判定される。
図14(E)に示した可変表示の終了に続いて、図14(F)に示す飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図9に示すステップS217により、変更用画像として保留表示画像HG2が決定される。なお、ステップS214では、可変表示カウント値が「2」に更新される。そして、ステップS221の制御により、第2保留表示部5HBにおける保留表示の表示態様が、保留表示画像HG1を使用した第1特殊態様から、保留表示画像HG2を使用した第2特殊態様へと、一括して変更される。なお、第1特殊態様と第2特殊態様の設定については、複数種類の特殊態様となる保留表示のうちで、いずれか1の表示態様を第1特殊態様とし、他の1の表示態様を第2特殊態様とするものであればよい。これにより、例えば図14(F)に示すように、「チャンス」のメッセージのうち、保留番号「1」、「2」に対応する「チャ」の文字列を認識可能な保留表示となる。図14(G)では、画像表示装置5の画面上において飾り図柄の最終停止図柄が停止表示されることで、可変表示が終了している。このとき、図10に示すステップS225では、可変表示カウント値が「2」であり、報知対象判定値の「4」には達していないと判定される。
図14(G)に示した可変表示の終了に続いて、図14(H)に示す飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図9に示すステップS217により、変更用画像として保留表示画像HG3が決定される。なお、ステップS214では、可変表示カウント値が「3」に更新される。そして、ステップS221の制御により、第2保留表示部5HBにおける保留表示の表示態様が、保留表示画像HG2を使用した表示態様から、保留表示画像HG3を使用した表示態様へと、一括して変更される。このとき、第2始動入賞が3回発生したことに対応して、第2特図保留記憶数が「4」に更新されたとする。これにより、例えば図14(H)に示すように、第2保留表示部5HBでは、「スーパー」のメッセージを認識可能な保留表示が行われる。図14(I)では、画像表示装置5の画面上において飾り図柄の最終停止図柄が停止表示されることで、可変表示が終了している。このとき、図10に示すステップS225では、可変表示カウント値が「3」であり、報知対象判定値の「4」には達していないと判定される。
図14(I)に示した可変表示の終了に続いて、図14(J)に示す飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図9に示すステップS217により、変更用画像として保留表示画像HG4が決定される。なお、ステップS214では、可変表示カウント値が「4」に更新される。そして、ステップS221の制御により、第2保留表示部5HBにおける保留表示の表示態様が、保留表示画像HG3を使用した表示態様から、保留表示画像HG4を使用した表示態様へと、一括して変更される。これにより、例えば図14(J)に示すように、「げきあつ」のメッセージのうち、保留番号「1」〜「3」に対応する「げきあ」の文字列を認識可能な保留表示となる。その後、第2始動入賞が1回発生したことに対応して、第2特図保留記憶数が「4」に更新されたときには、例えば図14(K)に示すように、「げきあつ」のメッセージを認識可能な保留表示が行われる。また、例えば図14(K)に示すように、飾り図柄の可変表示がリーチ状態となった後、例えば図14(L)に示すような大当り組合せの最終停止図柄が停止表示されて、可変表示が終了するとともに、可変表示結果が「大当り」となる。このとき、図10に示すステップS225では、可変表示カウント値が「4」であり、報知対象判定値である「4」に達したと判定される。こうして、復帰条件が成立した場合には、ステップS226の制御により、第2保留表示部5HBにおける保留表示の表示態様を一括して特殊態様から復帰させ、例えば図14(L)に示すような青色無地の通常態様とする。
また、始動入賞が発生した場合に、図9のステップS206により保留表示変更を実行しないことに対応した「変更なし」に決定されたことなどにより、保留表示変更の設定がないときには、ステップS212にて可変表示開始であると判定された場合に、ステップS218にて特定された可変表示内容に基づいて、ステップS219により変更用画像を決定することができる。そして、例えば図13に示すような可変表示内容に応じた割合で変更用画像が保留表示画像HG1〜HG5のいずれかに決定された場合には、ステップS221の制御により、第2保留表示部5HBにおける保留表示の表示態様が、青色無地の通常態様から保留表示画像HG1〜HG5のいずれかを使用した特殊態様へと、一括して変更される。その後、可変表示が終了したときには、ステップS226の制御により、第2保留表示部5HBにおける保留表示の表示態様を一括して特殊態様から復帰させ、青色無地の通常態様とすればよい。
このように、例えば図9に示すステップS221の制御により、第2保留表示部5HBにおける保留表示の表示態様は、一括して特殊態様とすることが可能であり、また、保留表示画像HG1〜HG5のいずれか1の画像を使用した第1特殊態様から他の1の画像を使用した第2特殊態様に一括して変更可能である。こうして、保留表示の表示態様が一括して変更されるので、複数の保留表示の表示態様が順に変更される場合とは異なり、ある一部の保留表示の表示態様が他の一部の保留表示の表示態様に依存して変更されることがなく、表示態様の変化は予測しにくいものになり、遊技興趣を向上させることができる。
図9に示すステップS221の制御は、ステップS213により保留表示変更の設定があると判定された場合に、ステップS217にて入賞時判定結果などに応じた割合で決定された変更用画像となる保留表示画像を用いて実行される。この場合には、保留表示の表示態様に応じて異なる大当り期待度を報知する保留変更演出を、報知対象となる可変表示が開始される前に実行することができる。また、図9に示すステップS221の制御は、ステップS213により保留表示変更の設定がないと判定された場合に、ステップS219にて可変表示内容に応じた割合で決定された変更用画像となる保留表示画像を用いて実行される。この場合には、保留表示の表示態様に応じて異なる大当り期待度を報知する保留変更演出を、報知対象となる可変表示が開始されてから実行することができる。
また、例えば図10に示すステップS225にて可変表示カウント値が報知対象判定値と合致したと判定された場合には、予め定めた復帰条件が成立した場合に対応して、ステップS226の制御により、第2保留表示部5HBにおける保留表示の表示態様を、特殊態様から通常態様に一括して復帰させる。これにより、例えば保留変更演出により大当り期待度を報知する対象となる可変表示において可変表示結果が「ハズレ」となった場合などでも、保留表示の表示態様を適切に変化させて、保留表示の違和感を与えてしまうことを防止するように、特殊態様となる保留表示の終了契機を適切に管理することができる。
図8(D)に示すような保留表示画像HG3を使用した保留表示は、例えば図12や図13に示す変更用画像の決定割合により、スーパーリーチによるリーチ演出といった、特定の可変表示となることを示唆する示唆態様となる。このような示唆態様に一括して変更可能とすることにより、多様な表示態様に注目させて、遊技興趣を向上させることができる。
図9に示すステップS203にて時短中であると判定された場合には、通常時よりも可変表示時間が短い変動パターンに決定される割合が高くなる。この場合に、ステップS206の決定により保留変更表示を実行可能とし、複数の保留表示の表示態様を一括して変更可能である。このように表示態様を一括して変更可能なので、可変表示時間が短い場合でも変更後の表示態様で保留表示を行う期間を確保しやすくなり、可変表示の進行が速い状況における保留変更演出の興趣を向上させることができる。
この発明は上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、ステップS213により保留表示変更の設定があると判定された場合にはステップS217にて変更用画像となる保留表示画像を決定可能とし、ステップS213により保留表示変更の設定がないと判定された場合にはステップS219にて変更用画像となる保留表示画像を決定可能とすることで、大当り期待度の報知対象となる可変表示が開始される前と開始されてからのいずれであっても、保留変更演出を実行可能であるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、報知対象となる可変表示が開始される前に保留変更演出を実行可能な構成と、報知対象となる可変表示が開始されてから保留変更演出を実行可能な構成とのうち、いずれか一方の構成のみを備えるものであってもよい。
上記実施の形態では、図9に示すステップS217、S219のいずれかにより変更用画像となる保留表示画像を決定し、ステップS221による制御を行うことで、可変表示の開始に伴い複数の保留表示の表示態様を一括して変更可能にするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば始動入賞が発生したとき、あるいは、可変表示の実行中といった、任意のタイミングにて複数の保留表示の表示態様を一括して変更可能なものであればよい。
上記実施の形態では、ステップS217にて図12に示す決定割合で変更用画像となる保留表示画像が決定され、ステップS219にて図13に示す決定割合で変更用画像となる保留表示画像が決定されるものとして説明した。しかしながら、変更用画像となる保留表示画像の決定割合は、図12、図13に示されたものに限定されず、例えば大当り期待度が図8(G)に示すような各保留表示画像HG0〜HG5に応じた関係を有するように、予め定められた割合で決定されるものであればよい。
ステップS217にて図12に示す決定割合で変更用画像となる保留表示画像が決定される場合には、使用中画像が保留表示画像HG0であるときに、保留表示画像HG0とは異なる保留表示画像が変更用画像として決定され、保留表示の表示態様を変更しない「変更なし」には決定されない。この場合には、図9に示すステップS206により保留表示変更の有無が「変更あり」に決定された後、ステップS212にて可変表示開始であると判定されたことに応じて、必ず保留表示の表示態様を通常態様から特殊態様へと変更させる。すなわち、保留変更演出を実行すると決定された後に直近の可変表示が開始されるときには、保留表示の表示態様が常に通常態様から特殊態様へと変化する。これに対し、使用中画像が保留表示画像HG0である場合でも、予め定められた割合で「変更なし」に決定されるように設定してもよい。このような設定では、ステップS206により保留表示変更の有無が「変更あり」に決定された後の可変表示が開始される場合であっても、保留表示の表示態様を通常態様から特殊態様へと変更させないことがある。その後、報知対象の可変表示が終了するまでの可変表示が開始されるときに、ステップS217にて保留表示画像HG0とは異なる保留表示画像が変更用画像として決定された場合には、その可変表示に対応して保留変更演出を実行し、保留表示の表示態様を通常態様から特殊態様へと変化させることができる。こうして、保留変更演出による報知対象となる可変表示を遊技者が特定しにくくなり、大当り遊技状態に制御される意外性が高められることなどにより、遊技興趣を向上させることができる。
また、ステップS217にて図12に示す決定割合で変更用画像となる保留表示画像が決定される設定では、例えば入賞時判定結果が「ハズレ時一般」の場合に、変更用画像が保留表示画像HG1、HG2のいずれかに決定された後、「変更なし」に決定されるので、報知対象の可変表示が終了するまでは、保留表示画像HG1、HG2のいずれかを用いた保留表示が継続する。これに対し、例えば入賞時判定結果が「ハズレ時一般」で使用中画像が保留表示画像HG1、HG2のいずれかである場合には、予め定められた割合で変更用画像が保留表示画像HG0に決定されるように設定してもよい。このような設定では、保留変更演出による報知対象となる可変表示に対応する入賞時判定結果が「ハズレ時一般」である場合に、保留表示の表示態様を通常態様から特殊態様へと変更させた後、報知対象となる可変表示が終了する前に、保留表示の表示態様を特殊態様から通常態様へと変更させることができる。例えば入賞時判定結果が「ハズレ時一般」である場合には、保留表示画像HG1、HG2のいずれかを用いた特殊態様である保留表示が1回または2回の可変表示にわたり行われた後に、保留表示画像HG0を用いた通常態様である保留表示に戻すように設定してもよい。こうして、いわゆるガセ演出である保留変更演出として、保留表示の表示態様を通常態様から特殊態様へと変化させた後に、特殊態様から通常態様へと戻る場合を設けることで、大当り期待度が比較的に低い保留表示の表示態様から、大当り期待度が比較的に高い保留表示の表示態様へと変更されるか否かに注目させて、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、図9に示すステップS206にて保留表示変更の有無が「変更あり」に決定されると、可変表示が開始されるごとにステップS217にて変更用画像となる保留表示画像を決定することにより、複数の保留表示の表示態様を順次に変更できるものとして説明した。しかしながら、変更用画像は可変表示が開始されるごとに1ずつ決定されるものに限定されず、例えば始動入賞の発生に基づいて保留変更演出を実行することが決定された場合に、報知対象となる可変表示が終了するまでの保留表示に使用される1または複数の保留表示画像を、一括して決定するようにしてもよい。
上記実施の形態では、図9に示すステップS203にて時短中であると判定されるとともに、ステップS204にて第2始動入賞であると判定された場合に、ステップS206により保留表示変更の有無を決定可能なものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば通常時に第1始動入賞や第2始動入賞のいずれかが発生した場合などでも、それぞれの始動入賞に基づく入賞時判定結果などに応じた割合で保留表示変更の有無を決定できるようにしてもよい。その一方、第2始動入賞に基づく可変表示を第1始動入賞に基づく可変表示よりも優先して実行する制御が行われるものにおいて、時短中に第1始動入賞が発生した場合には、その始動入賞に基づく保留表示変更は行われないように制限(禁止)されてもよい。
遊技者にとって有利な有利状態は大当り遊技状態に限定されず、例えば確変制御が行われる確変状態、時短制御が行われる時短状態、その他、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「16」)となる状態、時短制御が行われる可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となる状態、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となる状態、通常状態となることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン回数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン回数(例えば「10」)となる状態といった、遊技者にとって有利な任意の状態であればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、本願に係るパチンコ遊技機1では、例えば図9に示すステップS221の制御などにより、複数の保留表示の表示態様を一括して特殊態様とすることが可能であり、また、保留表示画像HG1〜HG5のいずれかを使用した第1特殊態様から第2特殊態様に一括して変更可能である。これにより、表示態様の変化を予測しにくくして、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図10に示すステップS225にて可変表示カウント値が報知対象判定値と合致したと判定された場合などのように、復帰条件が成立した場合には、ステップS226の制御などにより複数の保留表示の表示態様を特殊態様から通常態様に一括して復帰させる。これにより、保留表示の表示態様を適切に変化させるように、特殊態様となる保留表示の終了契機を管理することができる。
例えば保留表示画像HG3などにより、複数の保留表示の表示態様を、特定の可変表示となることを示唆する示唆態様に一括して変更可能となる。これにより、多様な表示態様に注目させて、遊技興趣を向上させることができる。
短い可変表示時間に決定される割合が通常時に比べて高い時短状態である場合などに、複数の保留表示の表示態様を一括して変更可能となる。これにより、可変表示時間が短い場合の表示態様が認識しやすくなり、遊技興趣を向上させることができる。