JP6246168B2 - 水中捨石均し方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水中の捨石の表面を均す水中捨石均し工事に用いられる水中捨石均し工事システムに関する。
従来より、例えば防波堤やケーソン等を水中に設置する場合、その基礎として捨石マウンドを水底に構築している。捨石マウンドを施工する過程において、天端の高さを所定の設計高さに仕上げるため、捨石を重錘で転圧して均す水中捨石均し工事が行われている。水中捨石均し工事に関して、捨石の転圧を行う重錘の位置を測定するために、種々のシステムが提案されている。
従来、水中捨石均し工事に用いられるシステムとして、重錘を操作する起重機船に設置された2つのGPS(全地球測位システム)アンテナと、これらのGPSアンテナで受信した信号と基地局からの信号とに基づいて上記起重機船の位置を測定するディファレンシャルGPS装置と、上記起重機船に吊り下げられた重錘の高さを測定する高さ測定装置と、制御部とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。高さ測定装置は、起重機船に設置された光波測定装置であり、起重機船に対する重錘の相対高さを測定する。ディファレンシャルGPS装置は、2つのGPSアンテナで受信した5つのGPS衛星の信号と、基地局から受信した位相情報とに基づいて、波長19cmの搬送波によるディファレンシャル方式により、GPSアンテナの3次元位置を測定する。制御部は、得られた測定値を用いて、起重機の旋回中心位置を計算し、更に、起重機の旋回アームの旋回角度と、起伏角度と、水平傾斜角度を用いて、重錘の水平方向の位置を算出している。更に、GPSアンテナの3次元位置の測定値を用いて、高さ測定装置の位置を計算し、この位置と、高さ測定装置が測定した重錘の相対高さとに基づいて、捨石マウンドの天端の高さを算出している。
この水中捨石均し工事システムは、操作室に設置された表示装置を有し、制御部が算出した重錘の水平方向の位置と、捨石マウンドの天端の高さに基づいて、捨石マウンドの転圧済みの領域を表示装置に表示する。これにより、起重機の操作者に、転圧の進捗状況を示すようにしている。図6は、従来の水中捨石均し工事システムの表示装置に表示された画面を示す図であり、図6において、201は捨石マウンドの天端面の境界であり、203は転圧済みの天端面の領域であり、204は重錘の現在位置を示す領域である。図6に示すように、捨石の転圧済みの領域203は、矩形で示される重錘の現在位置204に連なる帯状に表示されている。
特開平10−152839号公報
しかしながら、上記従来のシステムは、2つのGPSアンテナの3次元位置を測定し、この測定値から求めた旋回中心位置と、起重機の旋回アームの旋回角度と、起伏角度と、水平傾斜角度を用いて重錘の水平方向の位置を算出する。したがって、重錘の水平方向の位置を算出するための要素が多くて計算が複雑であり、算出結果に誤差が生じる可能性がある。また、起重機の旋回アームの旋回角度と、起伏角度と、水平傾斜角度を測定するセンサが必要であるので、システムの装置構成が複雑になる問題がある。
また、上記従来のシステムは、表示装置に帯状に表示された転圧済みの領域203が、実際の捨石を転圧した領域を正確に示していない可能性がある。重錘で捨石の転圧を行う作業は、一般的には、起重機船を錨泊した状態で、起重機の旋回アームの旋回と、重錘による転圧とを交互に繰り返して行う。したがって、転圧済みの領域は、起重機の旋回中心位置を中心として、重錘を吊り下げることが可能な作業範囲に相当する扇子形をなすのが一般的である。起重機の作業範囲に相当する領域の転圧が完了すると、起重機船の錨泊を解除して移動し、隣接する領域の転圧作業を行う。このように、起重機の作業範囲に相当する扇子形の領域の転圧と、起重機船の移動及び錨泊とを繰り返して、扇子形の転圧領域を繋ぎ合わせることにより、捨石マウンドの全ての天端面の転圧を行うのが一般的である。この場合、扇子形の転圧領域を繋ぎ合わせる際に、未転圧の部分が生じる問題がある。
一方、上記従来のシステムの表示装置に示されるように、転圧済みの領域を帯状に形成しようとすると、起重機船を、矩形状の転圧部を有する重錘で転圧を行う毎に、転圧部の移動方向と平行な辺に沿って側方に移動させる必要がある。したがって、重錘による転圧と、起重機船の移動及び錨泊とを頻繁に繰り返すこととなり、作業効率が低いという問題がある。
また、上記従来のシステムは、表示装置に、転圧済みの帯状の領域203と、重錘の現在位置を示す矩形状の領域204のみが表示されるので、転圧済みの領域における転圧の履歴が不明である。
そこで、本発明の課題は、比較的簡易な装置構成により、捨石の転圧を行う重錘の位置を測定できる水中捨石均し工事システムを提供することにある。また、捨石の転圧済みの領域を操作者に正確に知らせることができ、作業効率を高めることができる水中捨石均し工事システムを提供することにある。また、転圧の履歴を効果的に出力できる水中捨石均し工事システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の水中捨石均し工事システムは、台船上の起重機で重錘を落下させて水中の捨石を転圧する水中捨石均し工事のためのシステムであって、
上記起重機に設けられて測位用衛星からの信号を受信するアンテナと、
上記アンテナが受信した信号に基づいて、上記起重機の方位を求める方位検出装置と、
陸上に設置され、上記重錘の水平方向位置及び高さを測定する測量装置と、
上記方位検出装置で求められた上記起重機の方位と、上記測量装置で求められた重錘の水平方向位置及び高さに基づいて、上記重錘の転圧部の方位、水平方向位置及び高さを特定する転圧情報処理装置と、
上記起重機の操作者に、上記転圧情報処理装置で特定された重錘に関する情報を示す表示装置と
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、起重機に設けられたアンテナにより、測位用衛星からの信号を受信し、この信号に基づいて、起重機の方位が方位検出装置で求められる。重錘の水平方向位置及び高さが、陸上に設置された測量装置で測定される。上記方位検出装置で求められた上記起重機の方位と、上記測量装置で求められた重錘の水平方向位置及び高さに基づいて、転圧情報処理装置により、上記重錘の転圧部の方位、水平方向位置及び高さが特定される。上記転圧情報処理装置で特定された重錘に関する情報が、表示装置により、上記起重機の操作者に示される。方位検出装置によって求められた起重機の方位と、測量装置で測定された重錘の水平方向位置及び高さとに基づいて、上記重錘の転圧部の方位、水平方向位置及び高さを特定するので、従来よりも測定すべき要素を少なくできる。したがって、従来よりも簡易な装置構成で重錘の位置を測定できるシステムが得られる。
また、表示装置により、起重機の操作者に、上記転圧情報処理装置で特定された重錘に関する情報を示すので、起重機の操作者は、上記重錘の転圧部の方位、水平方向位置及び高さを正確に把握できる。したがって、重錘の転圧部が転圧を行う位置を正確に把握できるので、捨石の転圧済みの領域を正確に把握することができ、未転圧の領域を見落とすことなく認識できる。したがって、転圧すべき全ての領域を適切に転圧することができる。
一実施形態の水中捨石均し工事システムは、上記方位検出装置が、所定の測位用衛星から第1のアンテナが受信した信号と、上記測位用衛星から第2のアンテナが受信した信号との間に存在する行路差である測定行路差を搬送波の位相から求めると共に、上記測位衛星の信号から特定した測位用衛星の位置と、上記第1のアンテナと第2のアンテナとの間のベクトルである基線ベクトルの候補値とから算出する行路差である算出行路差を求め、上記基線ベクトルの候補値を変化させたときに算出行路差が測定行路差に最も近くなるときの上記候補値を、上記基線ベクトルの解であるとする。
上記実施形態によれば、方位検出装置が、測位用衛星からの信号の搬送波の位相から求めた測定行路差と、上記測位用衛星の位置と基線ベクトルの候補値とから算出した算出行路差との比較により基線ベクトルを算出するので、比較的少ない計算量により、起重機の方位を特定することができる。したがって、方位検出装置を構成するハードウェア資源を比較的小規模にでき、水中捨石均し工事システムの装置構成を比較的簡易にできる。
一実施形態の水中捨石均し工事システムは、上記測量装置が、
測定光を上記重錘に向かって出射し、上記重錘に設置された反射鏡で測定光が反射されてなる反射光に基づいて上記重錘の水平方向位置及び高さを測定する測定部と、
追尾光を上記重錘に向かって出射し、上記重錘に設置された反射鏡で追尾光が反射されてなる反射光に基づいて上記反射鏡を追尾する追尾部と
を有する。
上記実施形態によれば、測量装置が、測定部で重錘の水平方向位置及び高さを測定し、追尾部で重錘の反射鏡を追尾する自動追尾型の測量装置であるので、転圧作業中や移動中の重錘の位置を、リアルタイムで測定することができる。したがって、起重機の操作者に、重錘の水平方向位置及び高さを正確に伝えることができる。
一実施形態の水中捨石均し工事システムは、上記転圧情報処理装置が上記台船又は起重機に設置され、
上記表示装置が上記起重機の操作部に設置され、
上記測量装置の測定情報が無線通信により上記転圧情報処理装置へ送信される。
上記実施形態によれば、台船又は起重機に設置された転圧情報処理装置に、方位検出装置からの情報が送信され、測量装置からの情報が無線通信によりリアルタイムで送信される。したがって、起重機の操作部に設置された表示装置に、重錘の転圧部の方位、水平方向位置及び高さを、リアルタイムに表示して操作者に通知することができる。
一実施形態の水中捨石均し工事システムは、上記転圧情報処理装置が、上記特定した重錘の転圧部の方位及び水平方向位置に基づいて、工事の対象領域を所定の縮尺で示した表示領域に、この表示領域の縮尺と同じ縮尺に縮小した重錘の転圧部の形状を、上記表示領域に設定された方角に従った方位、かつ、上記表示領域に設定された座標に従った位置に表示した画像情報を出力する画像情報出力部を有する。
上記実施形態によれば、転圧情報処理装置が、上記特定した重錘の転圧部の方位及び水平方向位置に基づいて、画像情報出力部により、工事の対象領域における重錘の方位及び位置を示す画像情報が出力される。この画像情報は、工事の対象領域を所定の縮尺で示した表示領域に、この表示領域の縮尺と同じ縮尺に縮小した重錘の転圧部の形状が、上記表示領域に設定された方角に従った方位、かつ、上記表示領域に設定された座標に従った位置に表示されて形成される。この画像情報を、例えば起重機の操作部に設置された表示装置に表示することにより、工事の対象領域における重錘の転圧部の方位と位置を、起重機の操作者が正確に把握することができる。また、上記画像情報出力部は、上記画像情報を、上記重錘が移動する毎に更新して出力することにより、重錘の転圧部の位置をリアルタイムで正確に通知することができる。また、上記画像情報は、無線通信により管理者の端末に送信されてもよい。これにより、遠隔位置の管理者に、重錘の転圧部の位置を正確に知らせることができるので、捨石の転圧作業を正確に管理することができる。
一実施形態の水中捨石均し工事システムは、上記画像情報の表示領域中に、上記重錘の転圧部が転圧を行ったときの方位と平面方向位置を表す転圧実行領域が示されている。
上記実施形態によれば、画像情報の表示領域中に、重錘の転圧部が転圧を行った方位及び平面方向位置を示す転圧実行領域が表示される。したがって、画像情報により、工事の対象領域のうちの転圧が完了した領域と未転圧の領域とを正確に把握することができる。また、表示領域中に表示された転圧実行領域に基づいて、転圧作業の履歴を把握できる。
一実施形態の水中捨石均し工事システムは、上記転圧実行領域が、転圧高さに対応する色又は模様が付されている。
上記実施形態によれば、画像情報の転圧実行領域の色又は模様により、転圧実行領域で示される捨石の箇所の転圧高さを容易に把握できる。
一実施形態の水中捨石均し工事システムは、上記転圧実行領域が、転圧が行われた日時に対応する色又は模様が付されている。
上記実施形態によれば、画像情報の転圧実行領域の色又は模様により、転圧実行領域で示される捨石の箇所の転圧が行われた日時を容易に把握できる。したがって、捨石の転圧作業履歴を容易に把握することができる。
本発明の実施形態の水中捨石均し工事システムが適用された水中捨石均し工事の様子を示す模式図である。 本実施形態の水中捨石均し工事システムの構成を示すブロック図である。 台船上の起重機を模式的に示す平面図である。 重錘を示す正面図である。 表示装置に表示される測定表示画面を示す図である。 表示装置に表示される実績表示画面を示す図である。 他の実績表示画面を示す図である。 従来の水中捨石均し工事システムの表示画面を示す図である。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の水中捨石均し工事システムが適用された水中捨石均し工事の様子を示す模式図である。本実施形態の水中捨石均し工事システムは、防波堤の基礎としての捨石マウンドMを構築する過程で行われる水中捨石均し工事に適用される。捨石マウンドMは、図1に示すように、幅方向の断面において台形に形成され、防波堤が設置される天端面Sが、水中捨石均し工事によって水平面に均して仕上げられる。水中捨石均し工事は、海上の起重機船1が吊り下げた重錘4により、海底の捨石マウンドMの構築位置に投入された捨石を転圧し、捨石マウンドMの天端面Sを形成するものである。
水中捨石均し工事において、重錘4の操作精度を向上すると共に、捨石の転圧状況と転圧履歴を正確に把握し、工事の管理を補助するために、水中捨石均し工事システムが導入されている。図2は、本実施形態の水中捨石均し工事システムの構成を示すブロック図である。この水中捨石均し工事システムは、起重機船1の起重機3に設けられたアンテナとしての第1GPSアンテナ5A及び第2GPSアンテナ5Bと、これらの第1及び第2GPSアンテナ5A,5Bが受信した信号を処理して起重機3の方位を検出する方位検出装置としてのGPS装置6と、転圧に関する情報を処理する転圧情報処理装置7と、陸上に設置されたトータルステーション8を備える。GPS装置6及び転圧情報処理装置7は、起重機3に設けられている。転圧情報処理装置7からの出力情報を表示する表示装置17が、起重機3の操作部である操作室に設置されている。
起重機船1は、台船2と、この台船2上に設置された起重機3を備える。台船2は、動力を有さず、タグボート等で曳航されて移動する。図3は、起重機船1の起重機3が設置された部分を模式的に示す平面図である。起重機3は、台船2上の旋回中心Cの回りに旋回する起重機本体31と、起重機本体31の起伏中心の回りに起伏するアーム32と、アーム32の先端から垂下する主ワイヤー33を有する。起重機本体31は、この起重機本体31の旋回、アーム32の起伏、及び、主ワイヤー33の駆動の動力源としての油圧モータ及び油圧ポンプを備える。起重機3の方位は、図3の平面図に示すように、台船2の前後方向の軸に対して起重機本体31の前後方向の軸が成す角度θと、台船2の前後方向の軸が北に対して成す角度との合計の角度である。
図4は、重錘4を示す正面図である。重錘4は、鋼管で形成された鋼管部41と、鋼管部41の下端に連なる概ね箱状の転圧部42と、鋼管部41の上端に設けられた吊具43と、鋼管部41の上部に設けられたターゲット45を備える。転圧部42は、鋼管部41の下端に連なる略円錐台状の接続部分によって、下端の箱状部分を連結している。転圧部42は鋼鈑で形成され、箱状部分にコンクリートが充填されている。転圧部42の捨石に接触する底面は長方形を成し、側部よりも厚い鋼板で形成されている。吊具43は、鋼管部41の上端に4個設けられており、平面視において、鋼管部41の表面から径方向に延在して十字状を成している。吊具43は、鋼管部41の径方向の外側かつ軸方向の上端に設けられた貫通孔に、吊下げワイヤーが挿通されて接続されている。この吊下げワイヤーは、吊金具を介して主ワイヤー33に接続されている。ターゲット45は、トータルステーション8からの追尾光及び測定光を受けて反射光を発射する反射鏡47を有し、トータルステーション8が直接的に測量を行う対象である。ターゲット45は、鋼管部41の周方向に配列された複数の反射鏡47と、これらの複数の反射鏡47を保護する保護部材46を有する。複数の反射鏡47は、いずれも鋼管部41の径方向の直角を向いて配置されており、重錘4が軸回りに回転してもトータルステーション8からの追尾光及び測定光を反射できるように形成されている。保護部材46は、鋼管部41の外周を取り囲む環状の円板で形成され、複数の反射鏡47に隣接するように、鋼管部41の軸方向の両側に配置されている。この保護部材46は、外周側の縁が、反射鏡47よりも、鋼管部41の径方向の外側に突出して配置される。これにより、重錘4の吊下げワイヤーが吊金具から外れたとき、落下した吊下げワイヤーが保護部材46の外周縁に接触することで、反射鏡47の破損を防止するようになっている。重錘4は、起重機3のアーム32の起重機本体31側の位置から延出されたタグラインロープに接続され、方位が起重機3と略一致するように形成されている。
GPSアンテナ5A,5Bは、GNSS(全地球航法衛星システム)の測位用衛星としてのGPS衛星からの電波を受信する。第1及び第2GPSアンテナ5A,5Bは、GPS衛星が発信する電波の搬送波の1波長程度の間隔をおいて、起重機本体31の前後方向に配置されている。ここで、起重機本体31の前方向とは、平面視において、アーム32の延出する方向であり、第1GPSアンテナ5Aが後側であり、第2GPSアンテナ5Bが前側である。GPS装置6は、図2に示すように、第1GPS受信部61A及び第2GPS受信部61Bと、方位検出装置としての方位算出部62を有する。第1GPS受信部61Aは、上記第1GPSアンテナ5Aが受信した電波から、測距用衛星の位置情報や時刻等の情報と、電波の搬送波の位相を抽出して出力する。第2GPS受信部61Bは、上記第2GPSアンテナ5Bが受信した電波から、測距用衛星の位置情報や時刻等の情報と、電波の搬送波の位相を抽出して出力する。GPS装置6には、基準局から発信された電波を受信するDGPSアンテナ63が接続されており、このDGPSアンテナ63が受信した電波から、GPS衛星の補正情報であるディファレンシャル情報を抽出するDGPS受信部64が設けられている。
方位算出部62は、上記第1及び第2GPS受信部61A,61Bからの情報に基づいて、次のように、第1及び第2GPSアンテナ5A,5Bの間に形成される基線ベクトルの方位を算出する。まず、第1GPS受信部6Aからの情報と、DGPS受信部64からの情報に基づいて、DGPS測位により第1GPSアンテナ5Aの位置を求める。なお、第1GPS受信部6Aからの情報のみによって第1GPSアンテナ5Aの位置を求める構成を採用してもよく、この場合はDGPSアンテナ63及びDGPS受信部64は不要である。続いて、第1GPSアンテナ5Aの位置に基づいて、この第1GPSアンテナ5Aを中心とし、第2GPSアンテナ5Bまでの距離を半径とする円周上に設定した仮の位置と、上記第1GPSアンテナ5Aの位置と、複数のGPS衛星の位置とについて、複数のGPS衛星に関する2重位相差を算出する。上記円周上の位置は、第1GPSアンテナ5Aを中心として1度ずつおいて設定する。すなわち、上記円周上に360個の仮の位置を設定し、これらの位置について計算を行う。
2重位相差を計算する前段階として、1重位相差を計算する。まず、第1GPSアンテナ5Aを原点として第1GPSアンテナ5Aから第2GPSアンテナ5Bへ向かうベクトルと、第1GPSアンテナ5AからGPS衛星との間の行路差を求める。行路差は、上記第1GPSアンテナ5Aの位置と、上記円周上に設定した第2GPSアンテナ5Bの仮の位置と、第1GPS受信部6Aからの情報に基づいて算出したGPS衛星の方位角と仰角の内積を取ることにより算出する。この行路差を、搬送波のサイクルの単位で表すことにより、第1GPSアンテナ5Aと第2GPSアンテナ5Bとの間の1重位相差が求まる。1重位相差を、第1及び第2GPSアンテナ5A,5Bが受信可能な複数のGPS衛星との間で、円周上の第2GPSアンテナ5Bの全ての仮の位置について算出する。次に、所定のGPS衛星に関する1重位相差と、他のGPS衛星に関する1重位相差との差を求めて2重位相差を算出する。2重位相差は、円周上の第2GPSアンテナ5Bの全ての仮の位置について算出する。
一方、第1GPS受信部6Aが抽出した位相と、第2GPS受信部6Bが抽出した位相の値を用いて2重位相差の測定値を求める。この実際の第1GPS受信部6A及び第2GPS受信部6Bによる2重位相差の測定値と、上記円周上の第2GPSアンテナ5Bの全ての仮の位置について算出した2重位相差の計算値との差が最も小さいとき、実際の第2GPSアンテナ5Bの位置と、仮の第2GPSアンテナ5Bの位置とが一致しているといえる。そこで、2重位相差の測定値と計算値との差を、円周上の第2GPSアンテナ5Bの全ての仮の位置について算出し、上記差の小数部の標準偏差を計算する。標準偏差が最小になる上記円周上の位置を、真の第2GPSアンテナ5Bの位置とする。こうして、第1GPSアンテナ5Aと第2GPSアンテナ5Bとの間の基線ベクトルの方位が測定される。
トータルステーション8は、重錘4に設置されたターゲット45に対する距離と仰角を求め、これに基づいて、重錘4の水平方向位置としての座標と高さを測定する。トータルステーション8は、振幅変調した測定光をターゲット45に向けて出射し、ターゲット45の反射鏡47で反射された反射光との位相差を測定することにより、重錘4との間の距離を測定する。ターゲット45に対する仰角は、測定光及び追尾光を出射する望遠鏡の角度をエンコーダで測定して特定する。トータルステーション8は、ターゲット45に向けて追尾光を出射し、ターゲット45の反射鏡47で反射された反射光を撮像素子で受ける。この撮像素子中の所定領域に反射光が位置するように、望遠鏡の水平方向及び鉛直方向の角度を制御することにより、ターゲット45を追尾するように形成されている。
トータルステーション8は、無線LAN(構内通信網)発信部9に接続されている。トータルステーション8が測定したターゲット45に関する測定情報を、陸上の無線アンテナ10と、起重機船1上の無線アンテナ11を介して、起重機船1上の無線LAN受信部12に送信するように形成されている。無線LAN受信部12が受信したトータルステーション8の測定値は、転圧情報処理装置7に入力される。
転圧情報処理装置7は、GPS装置6から出力された情報と、トータルステーション8からの測定値に基づいて、重錘4の転圧に関する情報処理を行うものであり、重錘位置算出部15と、画像情報出力部16を有する。転圧情報処理装置7は、CPU(中央処理装置)、メモリ及び通信モジュール等で構成された汎用コンピュータであり、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより、本発明の転圧情報処理装置を構成する各部の機能を実現する。また、転圧情報処理装置7は、入力操作を行うための入力装置としてのマウスが接続されている。なお、入力装置として、表示装置17にタッチパネルを設けてもよい。
転圧情報処理装置7の重錘位置算出部15は、GPS装置6から出力された第1GPSアンテナ5Aと第2GPSアンテナ5Bとの間の基線ベクトルの方位を、起重機3の転圧部42の方位とする。また、トータルステーション8で測定されたターゲット45の水平方向位置及び高さから、重錘4の転圧部42の水平方向位置及び高さを算出する。重錘位置算出部15で特定された転圧部42の方位、水平方向位置及び高さに基づいて、画像情報出力部16が、重錘4の転圧部42の方位、水平位置及び高さを表す画像を作成して出力する。画像情報出力部16は、工事の対象領域を示す表示領域に、この表示領域に予め設定された方位と縮尺に従って、転圧部42の形状と方位を表示した画像を作成する。画像情報出力部16から出力された画像は、表示装置17に表示される。また、重錘位置算出部15で特定された転圧部42の方位、水平方向位置及び高さは、記憶装置に形成されたデータベース18に格納される。
図5は、転圧情報処理装置7に接続された表示装置17に表示される表示画面を示す図である。この表示画面は、工事を行う際に、重錘4に関する測定情報を表示する測定表示画面100である。測定表示画面100は、表示装置17に表示される機能選択メニューで、測定モードを選択することにより表示される。この測定表示画面100は、工事の対象領域の状況を示す平面表示領域101と、重錘4の転圧部42の水平方向位置と高さを示す測定情報表示領域102と、重錘4の転圧部42の高さ方向の位置を示す鉛直表示領域103と、平面表示領域101及び測定情報表示領域102の表示内容を設定する表示設定領域104と、転圧部42の前回の転圧位置からの距離を示す距離表示領域105と、平面表示領域101の方位を方位針で示すコンパス表示領域106を有する。
平面表示領域101には、工事の対象領域が所定の縮尺で表示され、起重機3を縮小した起重機像130と、重錘4の転圧部42を縮小した転圧部像131が表示される。また、転圧部42により転圧が行われた領域である転圧実行領域132,132,・・・が表示される。また、工事の対象領域である捨石マウンドの天端面の境界134が表示される。平面表示領域101に表示された起重機像130と転圧部像131は、起重機3が操作されて起重機3と転圧部42が移動すると、この起重機3と転圧部42の位置に対応してリアルタイムで移動する。また、平面表示領域101に表示された転圧部像131には、転圧部42の高に応じた色が付される。転圧部像131に付される色は、鉛直表示領域103に表示された鉛直方向の断面に付される色と一致している。なお、平面表示領域101に表示される転圧部像131は、色に替えて、又は、色と共に、転圧部42の高さに応じた模様が付されても良い。この場合、鉛直表示領域103の鉛直方向の断面にも、平面表示領域101付される模様と同じ模様を付するのが好ましい。
測定情報表示領域102には、トータルステーション8とGPS装置6から転圧情報処理装置7へ測定値が入力されているかを示す入力確認窓110と、転圧部42の中央部のX座標の値を表示するX座標表示窓111と、転圧部42の中央部のY座標の値を表示するY座標表示窓112と、転圧部42の底面の高さ、すなわち、所定の基準面からの深さを表示する底面深度表示窓113が表示される。X座標表示窓111とY座標表示窓112には、トータルステーション8の測定情報に基づいて重錘位置算出部15で算出された座標の値が表示される。底面深度表示窓113には、トータルステーション8の測定値に基いて、転圧部42の高さ、すなわち、所定の基準面からの深さが表示される。
鉛直表示領域103には、海底及び海中の鉛直方向断面に、現在の重錘4の転圧部42の高さ、すなわち、所定の基準面からの深さを示す重錘側面視像115が重ねて示される。鉛直表示領域103の断面には、捨石マウンドの設計高さ、すなわち、所定の基準面からの深さを示す設計値線116が示されており、この設計値線116を中心として、高さ方向のプラス側とマイナス側に、10cm毎に異なる色が付されている。このような色が付された断面に、重錘側面視像115が重ねて示されることにより、現在の転圧部42の高さを容易に把握することができる。
表示設定領域104には、平面表示領域101の設定方法を切り替える切り替えスイッチ117と、平面表示領域101及び測定情報表示領域102の座標系を選択する座標選択スイッチ118と、転圧部像131を平面表示領域101の中央に表示させるセンタリングボタン119と、平面表示領域101に表示する領域の拡大及び縮小を行うズームボタン120を有する。
表示設定領域104の切り替えスイッチ117は、平面表示領域101に起重機像130と転圧部像131が表示されるように自動的に縮尺が調節される自動縮尺モードと、平面表示領域101の縮尺を手動で調節する手動縮尺モードとのいずれかに切り替えることができる。手動縮尺モードでは、平面表示領域101にカーソルを配置した状態で、マウスの左ボタンをダブルクリック操作することにより、表示縮尺が増大する一方、マウスの右ボタンをダブルクリック操作することにより、表示縮尺が減少する。また、平面表示領域101にカーソルを配置した状態で、マウスのボタンを押下したまま移動するドラッグ操作を行うことにより、平面表示領域101の表示領域が移動する。また、平面表示領域101の外縁を取り囲むように、移動ボタン107が設けられている。移動ボタン107は、平面表示領域101の4つの角に設けられて斜め方向に移動するための角部ボタン107A,107C,107E,107Gと、平面表示領域101の4つの辺に設けられて辺の直交方向に移動するための辺部ボタン107B,107D,107F,107Hで構成されている。
座標選択スイッチ118は、国土交通省告示により定められた平面直角座標系に従う公共座標と、平面表示領域101の縦方向を登録することにより定められる法線座標と、平面表示領域101の縦方向を、起重機3のアーム32の延在方向と一致させるクレーン座標とを選択することができる。公共座標では、平面表示領域101の縦方向を、北を上とする南北方向に設定する。法線座標は、平面表示領域101に工事の対象領域の平面図を表示し、この平面図中で平面表示領域101の縦方向をマウスにより指定することで設定する。
距離表示領域105には、現在の転圧部42の水平方向位置に関して、前回に転圧を行った位置からの距離が示される。この距離表示領域105に表示される距離に基づいて、重錘4の位置の微調整を行うことができる。
本実施形態の水中捨石均し工事システムを用いた水中捨石均し工事は、次のようにして行われる。
起重機3で重錘4を吊り下げた起重機船1が、工事位置までタグボート等で曳航される。起重機船1が所定の工事位置に到達すると投錨し、錨泊した状態で、重錘4を用いた転圧作業を開始する。まず、GPS装置6とトータルステーション8が起動され、転圧情報処理装置7によって重錘4の平面方向位置と高さが測定され、測定結果が、起重機3の操作室に設置された表示装置17の測定表示画面100に表示される。この測定表示画面100に表示された転圧部像131と重錘側面視像115で、重錘4の転圧部42の平面方向位置及び高さを把握した操作者により、起重機3が操作される。転圧部42が転圧を行う平面位置に配置されると、起重機3で重錘4が吊り上げられ、その後に起重機3の巻き上げ装置のブレーキが解除されて重錘4が自由落下する。重錘4の自由落下により、転圧部42の底面が捨石に衝突し、捨石の表面を均して転圧を行う。この重錘4の吊り上げと自由落下を繰り返すことにより、捨石の表面を所定の設計高さに形成する。
重錘4の自由落下により捨石を転圧する作業において、起重機3の操作者は、測定表示画面100に表示された転圧部像131の色により、捨石の表面の高さを容易に把握できる。したがって、操作者は、転圧部像131の色が、設計高さの許容誤差範囲に対応する色になるまで重錘4の自由落下を繰り返せばよいので、効率的に起重機3の操作を行うことができる。
重錘4の自由落下を1回以上行って転圧部像131が設計高さになると、起重機3の起重機本体31が旋回し、続いて転圧を行うべき領域に対応する位置に重錘4を配置させる。起重機本体31が旋回して重錘4の水平方向位置が変化すると、転圧情報処理装置7は、測定表示画面100の平面表示領域101において、それまで重錘4が存在した位置に対応する転圧部像131を、そのままの位置と方位と色に保持して転圧実行領域132に変更する。こうして、重錘4の平面方向位置の移動を契機として、転圧部像131が転圧実行領域132に変更され、転圧の履歴として情報が更新される。転圧部像131及び転圧実行領域132の位置、方位及び高さに関する情報は、転圧情報処理装置7のデータベース18に格納される。転圧部像131と転圧実行領域132の格納は、所定時刻おきに行ってもよく、また、転圧実行領域132が確定した時に行ってもよい。
捨石マウンドの次に転圧を行うべき領域は、測定表示画面100の平面表示領域101において、転圧実行領域132が存在しない領域、又は、転圧実行領域132のうち、転圧実行領域132の色で示される高さが、設計高さの許容誤差範囲に達していないものである。次に転圧を行うべき領域に転圧部像131が配置されるように起重機3が操作されると、この位置で重錘4の自由落下を開始し、転圧部像131の色が、設計高さの許容誤差範囲に対応する色になるまで、重錘4の自由落下を行う。このようにして、起重機船1が錨泊した状態で、起重機3の作業範囲内の全ての領域の転圧が完了すると、転圧済みの領域は、起重機本体31の旋回中心Cを支点とした扇子形に形成される。起重機3の作業範囲内の転圧が完了すると、錨を上げて起重機船1を移動させ、次に転圧を行うべき位置に移動して錨泊し、起重機3で重錘4の自由落下を繰り返して転圧を行う。このように、起重機3の作業範囲は扇子形を成すと共に、起重機3の作業範囲の転圧が完了すると起重機船1を移動するので、一般的に平面視において外縁が直線である捨石マウンドの天端面を転圧する場合、未転圧の領域が生じやすい。未転圧の領域は、捨石マウンドの天端面の外縁付近や、扇子形の領域が互いに隣接する部分に生じやすい。ここで、本実施形態の水中捨石均し工事システムによれば、転圧情報処理装置7により、測定表示画面100の平面表示領域101に、転圧実行領域132を表示して転圧の履歴を容易に視認可能にするので、未転圧の領域を起重機3の操作者に容易に把握させることができる。その結果、捨石マウンドの未転圧の領域を解消することができる。
また、本実施形態の水中捨石均し工事システムは、転圧情報処理装置7が出力した画像情報を、無線通信等により、工事管理者の端末に送信してもよい。これにより、遠隔位置の管理者に、重錘4の転圧部42の位置と、転圧実行領域132の高さ及び分布を知らせることができ、転圧の現況と成果を正確に知らせることができるので、捨石の転圧作業を正確に管理することができる。
また、本実施形態の水中捨石均し工事システムは、工事の管理に利用することができる。詳しくは、転圧情報処理装置7のデータベース18に格納された転圧実行領域132の位置、方位及び高さに関する情報に基づいて、所定の日又は期間の転圧実績を示す画像情報を出力することができる。図6は、所定期間の転圧実績を表示した実績表示画面140を示す図である。図6において、図5の測定表示画面100と同じ機能を有する部分には同じ参照番号を用いて詳細な説明を省略する。
図6の実績表示画面140は、表示装置17に表示される機能選択メニューで、実績表示モードを選択することにより表示される。この実績表示画面140は、工事の対象領域の状況を示す平面表示領域101と、転圧実行領域132に付される色に関する凡例を示す凡例表示領域141と、データベース18から呼び出して平面表示領域101に表示する情報を設定する呼出設定領域142と、平面表示領域101に表示する位置及び領域を調整する表示設定領域143と、平面表示領域101に表示した画像の保存を指令する画像保存ボタン144と、実績表示モードから昨日選択メニューに戻るための戻りボタン145を有する。
平面表示領域101には、工事の対象領域が所定の縮尺で表示され、重錘4の転圧部42により転圧が行われた領域である転圧実行領域132,132,・・・が表示される。この転圧実行領域132の高さ、すなわち、所定の基準面からの深さに応じて色が付されており、この色が示す高さが、凡例表示領域141に表示されている。凡例表示領域141には、捨石マウンドの設計高さを中心として、高さ方向のプラス側とマイナス側に10cm毎に異なる色が対応付けられたことが記載されている。凡例表示領域141は、呼出設定領域142のラジオボタン148で深度分布の指定が行われることにより、表示される。
呼出設定領域142には、平面表示領域101に表示すべき転圧実行領域132の転圧が行われた期間を入力する期間入力窓147と、転圧実行領域132に付される色によって深度分布を示すか、又は、進捗状況を示すかを指定するラジオボタン148と、情報の呼び出しを実行する呼出ボタン149が設けられている。
表示設定領域143には、転圧実行領域132を平面表示領域101の中央に表示させるセンタリングボタン119と、平面表示領域101に表示する領域の拡大及び縮小を行うズームボタン120を有する。
図6の実績表示画面140は、呼出設定領域142のラジオボタン148が、深度分布を示すように指定された場合を示しており、平面表示領域101に、凡例表示領域141で特定される色が付された転圧実行領域132が表示される。これにより、捨石マウンドの天端面の高さ分布を容易に把握でき、期間入力窓147に入力した期間の工事実績を把握することができる。
図7は、実績表示モードにおいて、呼出設定領域142のラジオボタン148が、進捗状況を示すように指定された場合の実績表示画面140を示している。ラジオボタン148が進捗状況を示すように指定されると、平面表示領域101に、転圧の施工日に対応する色が付された転圧実行領域132が表示される。この転圧実行領域132の色が示す施工日が、凡例表示領域141に表示されている。この平面表示領域101の表示内容により、期間入力窓147に入力した期間における工事の進捗と履歴を、容易に把握することができる。
実績表示画面140の平面表示領域101に表示された深度分布や進捗状況を示す画像は、画像保存ボタン144を押下することにより、画像情報として出力され、保存することができる。保存された画像情報は、工事の管理者への報告等に利用することができる。
上記実施形態において、起重機3の方位を、測位用衛星としてのGPS衛星が発する信号を用いて特定したが、他のGNSSの測位用衛星が発する信号を用いてもよい。また、GPS装置6は、第1GPSアンテナ5Aと第2GPSアンテナ5BがGPS衛星から受信した電波について、搬送波の2重位相差の計算値と測定値の差に基づいて基線ベクトルの方位を特定したが、他の方法によって基線ベクトルの方位を特定してもよい。
1 起重機船
2 台船
3 起重機
4 重錘
5A 第1GPSアンテナ
5B 第2GPSアンテナ
6 GPS装置
7 転圧情報処理装置
8 トータルステーション
9 無線LAN発信部
10,11 無線アンテナ
12 無線LAN受信部
31 起重機本体
32 起重機のアーム
33 主ワイヤー
45 ターゲット
42 転圧部
S 天端面
M 捨石マウンド

Claims (7)

  1. 台船上の起重機で重錘を落下させて水中の捨石を転圧する水中捨石均し工事のためのシステムを用いた水中捨石均し方法であって、
    上記起重機に設けられて測位用衛星からの信号を受信するアンテナと、
    上記アンテナが受信した信号に基づいて、上記起重機の方位を求める方位検出装置と、
    陸上に設置され、上記重錘の水平方向位置及び高さを測定する測量装置と、
    上記方位検出装置で求められた上記起重機の方位と、上記測量装置で求められた重錘の水平方向位置及び高さに基づいて、上記重錘の転圧部の方位、水平方向位置及び転圧高さを特定する転圧情報処理装置と、
    上記起重機の操作者に、上記転圧情報処理装置で特定された重錘に関する情報を示す表示装置と
    を備え
    上記転圧情報処理装置が、上記特定した重錘の転圧部の方位及び水平方向位置に基づいて、工事の対象領域を所定の縮尺で示した表示領域に、この表示領域の縮尺と同じ縮尺に縮小した重錘の転圧部の形状を、上記表示領域に設定された方角に従った方位、かつ、上記表示領域に設定された座標に従った位置に表示した画像情報を出力する画像情報出力部を有し、
    上記画像情報出力部から出力された画像情報が、上記表示装置にリアルタイムで表示される水中捨石均し工事システムを用いて、
    上記台船が錨泊した状態で、上記起重機の作業範囲内の転圧を行って上記起重機本体の旋回中心を支点とした扇子形の転圧済みの領域を形成し、この後、錨を上げて台船を移動させ、次に転圧を行うべき位置に移動して錨泊し、捨石マウンドの天端面の外縁付近や、扇子形の領域が互いに隣接する部分に生じる未転圧の領域を、上記表示装置に表示された重錘の転圧部による転圧の履歴に基づいて上記起重機の操作者が把握し、上記起重機で転圧を行うことを特徴とする水中捨石均し方法。
  2. 請求項1に記載の水中捨石均し方法において、
    上記水中捨石均し工事システムは、
    上記方位検出装置が、所定の測位用衛星から第1のアンテナが受信した信号と、上記測位用衛星から第2のアンテナが受信した信号との間に存在する行路差である測定行路差を搬送波の位相から求めると共に、上記測位衛星の信号から特定した測位用衛星の位置と、上記第1のアンテナと第2のアンテナとの間のベクトルである基線ベクトルの候補値とから算出する行路差である算出行路差を求め、上記基線ベクトルの候補値を変化させたときに算出行路差が測定行路差に最も近くなるときの上記候補値を、上記基線ベクトルの解であるとすることを特徴とする水中捨石均し方法
  3. 請求項1又は2に記載の水中捨石均し方法において、
    上記水中捨石均し工事システムは、
    上記測量装置が、
    測定光を上記重錘に向かって出射し、上記重錘に設置された反射鏡で測定光が反射されてなる反射光に基づいて上記重錘の水平方向位置及び高さを測定する測定部と、
    追尾光を上記重錘に向かって出射し、上記重錘に設置された反射鏡で追尾光が反射されてなる反射光に基づいて上記反射鏡を追尾する追尾部と
    を有することを特徴とする水中捨石均し方法
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の水中捨石均し方法おいて、
    上記水中捨石均し工事システムは、
    上記転圧情報処理装置が上記台船又は起重機に設置され、
    上記表示装置が上記起重機の操作部に設置され、
    上記測量装置の測定情報が無線通信により上記転圧情報処理装置へ送信されることを特徴とする水中捨石均し方法
  5. 請求項に記載の水中捨石均し方法において、
    上記水中捨石均し工事システムは、
    上記画像情報の表示領域中に、上記重錘の転圧部が転圧を行ったときの方位と平面方向位置を表す転圧実行領域が示されていることを特徴とする水中捨石均し方法
  6. 請求項に記載の水中捨石均し方法において、
    上記水中捨石均し工事システムは、
    上記転圧実行領域が、転圧高さに対応する色又は模様が付されていることを特徴とする水中捨石均し方法ム。
  7. 請求項又はに記載の水中捨石均し方法において、
    上記水中捨石均し工事システムは、
    上記転圧実行領域が、転圧が行われた日時に対応する色又は模様が付されていることを特徴とする水中捨石均し方法
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