JP6245756B2 - 内服用コーティング錠剤 - Google Patents

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Description

本発明は、内服用コーティング錠剤に関する。
錠剤中の有効成分が薬効を充分に発揮するためには、錠剤中の有効成分が消化管から効率良く吸収される必要がある。そのため、錠剤には、服用後に錠剤が体内で速やかに崩壊し、有効成分が溶解する性質を有することが求められる。このように、錠剤の崩壊性が高いことは、薬効の即効性に大きく影響する。崩壊性を高めた錠剤としては、例えば、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン等の崩壊剤が薬効成分に配合された錠剤が知られている(例えば、特許文献1、2)。
薬効成分としては、制酸剤である乾燥水酸化アルミニウムゲルが広く用いられている。薬効成分として乾燥水酸化アルミニウムゲルを用いた薬剤は、他の薬効成分を用いた薬剤に比べて崩壊性が低下する傾向がある。特に乾燥水酸化アルミニウムゲルを高濃度に配合した錠剤を高温多湿条件下で一定期間保存した場合には崩壊性が著しく低下する。そのため、乾燥水酸化アルミニウムゲルを含む錠剤では、崩壊剤を配合することが必須である。
ところで、錠剤としては、制酸剤や崩壊剤等の成分を打錠した素錠からなる錠剤と、前記素錠をコーティング剤で被覆したコーティング錠剤とが知られている。コーティング錠剤は、素錠の味をマスキングできる等の利点がある。
特開平10−114655号公報 特開2009−256349号公報
しかし、本発明者等が検討したところ、乾燥水酸化アルミニウムゲルと崩壊剤を配合して得た素錠をコーティング剤で被覆すると、錠剤形状及び外観が悪化する問題があることが判明した。
本発明は、乾燥水酸化アルミニウムゲルと崩壊剤を含有する素錠にコーティング剤が被覆された錠剤であって、良好な崩壊性と、良好な錠剤形状及び外観とが両立された内服用コーティング錠剤を提供する。
本発明の内服用コーティング錠剤は、成分(A):乾燥水酸化アルミニウムゲルと、成分(B):崩壊剤と、成分(C):二酸化ケイ素と、を含有する素錠が、コーティング剤で被覆されており、前記素錠100質量%に対して、前記成分(A)が30〜70質量%、前記成分(C)が0.1質量%以上であることを特徴とする。
本発明の内服用コーティング錠剤では、前記素錠が多層錠であり、前記素錠における前記コーティング剤による被覆層と接する層の少なくとも1つが、前記成分(A)〜(C)を含有する層(I)であり、かつ前記層(I)(100質量%)中の前記成分(A)の比率が40〜80質量%であり、前記層(I)(100質量%)中の前記成分(C)が0.1質量%以上であることが好ましい。
また、前記成分(B)は、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスカルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びトウモロコシデンプンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の内服用コーティング錠剤は、良好な崩壊性と、良好な錠剤形状及び外観とを両立できる。
本発明の内服用コーティング錠剤は、後述の成分(A)〜(C)を含有する素錠をコーティング剤で被覆した内服用コーティング錠剤である。
[素錠]
(成分(A))
成分(A)は、乾燥水酸化アルミニウムゲルである。
成分(A)は、制酸剤としての役割を果たす成分であり、胃粘膜を保護する効果がある。
成分(A)の中位径(体積基準)は、350μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。成分(A)の中位径が上限値以下であれば、含水二酸化ケイ素によるコーティング改善の効果が得られやすい。成分(A)の中位径の下限は特に制限はないが、成分(A)の中位径は、50μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましい。
なお、前記中位径は、体積基準で求めた粒度分布の全体積を100%とした累積体積分布曲線において50%となる点の粒子径、すなわち体積基準累積50%径を意味する。前記中位径は、レーザー粒度測定装置(LS13 320型、ベックマン・コールター(株)製)により測定される。
素錠中の成分(A)の比率は、素錠100質量%に対して、30〜70質量%であり、40〜60質量%が好ましい。前記成分(A)の比率が高いほど、制酸剤としての効果が得られやすい。前記成分(A)の比率が低いほど、成分(A)による崩壊遅延がより起こり難くなる。
(成分(B))
成分(B)は、崩壊剤である。
成分(B)は、錠剤の崩壊性を向上させる役割を果たす。本発明の内服用コーティング錠剤が成分(B)を含有することで、成分(A)の乾燥水酸化アルミニウムゲルによる保存後の錠剤の崩壊遅延を抑制できる。
成分(B)としては、錠剤に用いられる公知の崩壊剤を用いることができ、例えば、水によく濡れ、水により膨潤して容積を増大させる一方、水に溶解しない物質が用いられる。
成分(B)としては、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスカルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びトウモロコシデンプンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
カルメロース及びカルメロース塩(カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム等。)は、水酸化アルミニウムのキレート形成や変色等の不具合を抑制する効果がある点で、特に好ましい。一方、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとデンプンは、カルメロースに比べると膨潤し難いため、コーティング後の錠剤表面に凸凹がより生じ難い点で好ましい。
成分(B)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
成分(B)の中位径は350μm以下が好ましい。成分(B)の中位径が上限値以下であれば、素錠中の空隙がより少なくなり、素錠中に水が浸入し難くなるため、崩壊剤の吸水及び膨潤によって錠剤表面に凸凹が生じることを抑制しやすい。成分(B)の中位径の下限については特に制限はないが、ハンドリングのし易さ等を考慮すれば、成分(B)の中位径は1μm以上が好ましい。
素錠中の成分(B)の比率は、錠剤の崩壊性がより良好になる点から、素錠100質量%に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上が最も好ましい。前記成分(B)の比率は、崩壊遅延を抑制しやすい点や、錠剤が巨大化しない点から、65質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましい。
素錠中の成分(A)と成分(B)の質量比(A/B)は、1/2.2〜7/1が好ましく、1/1.4〜2/1がより好ましい。成分(B)に対する成分(A)の比率が高いほど、崩壊遅延が発生しやすい。成分(B)に対する成分(A)の比率が低いほど、コーティング時の凸凹が発生しやすい。
(成分(C))
成分(C)は、二酸化ケイ素である。
成分(C)は、内服用コーティング錠剤の表面を滑らかにする役割を果たす。
成分(C)の具体例としては、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等が挙げられる。
成分(C)の中位径は、90μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。成分(C)の中位径が上限値以下であれば、成分(C)以外の粉体の粒子間に成分(C)が入り込みやすくなり、成分(C)による効果が得られやすくなる。成分(C)の中位径の下限については特に制限はないが、ハンドリングのし易さ等を考慮すれば、成分(C)の中位径は1μm以上が好ましい。
素錠中の成分(C)の比率は、素錠100質量%に対して、0.1質量%以上であり、0.1〜3.0質量%が好ましく、0.3〜1.5質量%がより好ましい。前記成分(C)の比率が下限値以上であれば、内服用コーティング錠剤の表面がより滑らかになる。前記成分(C)の比率が上限値以下であれば、素錠製造時の打錠障害(素錠キャッピング)や粉体流動不良が発生することを抑制しやすい。
素錠中の成分(B)と成分(C)の質量比(B/C)は、6/1〜650/1が好ましく、20/1〜183/1がより好ましい。成分(B)に対する成分(C)の比率が高いほど、錠剤表面に凹凸等の不具合が生じることを抑制しやすい。
本発明の内服用コーティング錠剤における素錠には、必要に応じて、成分(A)〜(C)以外の他の成分が含有されていてもよい。
他の成分としては、例えば、滑沢剤、香料、矯味剤(甘味料、酸味料等。)、他の薬剤等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
香料としては、例えば、メントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等。)等が挙げられる。
甘味料としては、例えば、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロース等が挙げられる。
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸、及びそれらの塩等が挙げられる。
他の薬剤としては、例えば、アスピリン、アセトアミノフェン、トラネキサム酸、非ステロイド抗炎症剤等の解熱鎮痛剤が挙げられる。非ステロイド抗炎症剤としては、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ロキソプロフェン、インドメタシン、ブフェキサマック、アスピリン、ジクロフェナック、アルクロフェナック、フェンクロフェナック、エトドラック、メフェナミック、メクロフェナミック、ピロキシカム等が挙げられる。
また、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレニル尿素等の催眠・鎮静剤;ノスカピン、サルブタモール、プロカテロール、ツロプテロール、トラニラスト、臭化水素酸デキストロメトルファン、リン酸ジヒドロコデイン等の鎮咳剤;ブロムヘキシン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩、グアイフェネシン等の去痰剤;塩酸メチルエフェドリン等の交感神経興奮剤;ジフェンヒドラミン、プロメタジン、メキタジン、クレマスチンフマル酸塩等の抗ヒスタミン剤;トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、プレドニソロン、ダナゾール、メチルテストステロン、酢酸クロルマジノン等のステロイド剤;ビタミンA類、ビタミンB類、ビタミンC類(アスコルビン酸等)、ビタミンD類、ビタミンE類、ビタミンK類、葉酸(ビタミンM類)等のビタミン剤;ジメチコン、ファモチジン、ラニチジン、シメチジン、ニザチジン、メトクロプラミド、ファモチジン、オメプラゾール、スルピリド、トレピブトン、スクラルファート、制酸剤(合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム等)等の消化器系疾患治療剤;カフェイン、ジクマロール、シンナリジン、クロフィブラート、ゲファルナート、ブロベネシド、メルカプトプリン、メトトレキサート、ウルソデスオキシコール酸、メシル酸ジヒドロエルゴタミン、グルクロノラクトン、γ−アミノ酪酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ラクトフェリン、乳性タンパク、システイン、コラーゲン等が挙げられる。
他の成分はこれらいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
素錠中の他の成分の比率は、素錠100質量%に対して、80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
本発明の内服用コーティング錠剤における素錠は、単層錠であってもよく、多層錠であってもよい。素錠が多層錠である場合、素錠におけるコーティング剤による被覆層と接する層の少なくとも1つが、成分(A)〜(C)を含有し、かつ成分(A)の割合が40〜80質量%で、成分(C)の割合が0.1質量%以上の層(I)であることが好ましい。
多層錠の具体例としては、例えば、層(I)/層(I)以外の層の2層からなる素錠、層(I)/層(I)以外の層/層(I)の3層からなる素錠等が挙げられる。
層(I)(100質量%)中の成分(A)の割合は、40〜80質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましい。
層(I)(100質量%)中の成分(B)の割合は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20〜65質量%がさらに好ましく、30〜55質量%が最も好ましい。
層(I)(100質量%)中の成分(C)の割合は、0.1質量%以上が好ましく、0.1〜3.0質量%がより好ましく、0.3〜1.5質量%が更に好ましい。
素錠が多層錠の場合、素錠中の前記層(I)の割合は、素錠100質量%に対して、37〜90質量%が好ましく、45〜80質量%がより好ましい。前記層(I)の割合が下限値以上、上限値以下であれば、積層時のキャッピング(打錠障害)が生じにくく製造性が良好になる。
[コーティング剤]
コーティング剤としては、素錠の被覆に通常用いられる公知のコーティング剤を用いることができ、例えば、フィルム基剤を含有するコーティング剤が挙げられる。
フィルム基剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デキストリン、プルラン、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、メタアクリル酸コポリマー、白糖、マンニトール、ゼラチン等が挙げられる。
フィルム基剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
素錠に被覆されるコーティング剤の量は、素錠100質量部に対して、固形分として10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。前記コーティング剤の量が上限値以下であれば、錠剤表面に凹凸等の不具合が生じにくい。
また、前記コーティング剤の量の下限値は、被覆による効果が得られやすい点から、0.5質量部が好ましく、1.0質量部がより好ましい。
本発明の内服用コーティング錠剤の形状は、特に限定されず、薬効等に応じて適宜決定できる。
[製造方法]
本発明の内服用コーティング錠剤の製造方法としては、特に限定されず、例えば、成分(A)〜(C)を含む混合物を打錠して素錠を得る打錠工程と、得られた素錠にコーティング剤を被覆する被覆工程と、を有する方法が挙げられる。
(打錠工程)
成分(A)〜(C)、および必要に応じて用いる他の成分を混合し、その混合物を打錠することで素錠が得られる。打錠する方法は、公知の方法を採用できる。
打錠工程では、前記混合物の少なくとも一部を打錠前に造粒してもよい。造粒方法としては、特に限定されず、例えば、乾式造粒法、湿式造粒法(流動層造粒法等)が挙げられる。
(被覆工程)
素錠にコーティング剤を被覆する方法は、公知の方法を採用でき、例えば、コーティング剤を素錠に噴霧する方法等が挙げられる。
被覆工程では、例えば、噴霧液速を落とす、給気風量を上げる、給気温度を上げる等の被覆条件を制御することによって、錠剤の表面に凹凸が生じることがより抑制されやすくなる。
[作用効果]
制酸剤である成分(A)の乾燥水酸化アルミニウムゲルを一定以上含む錠剤は、崩壊し難くなるため、崩壊剤が必要となる。一方、乾燥水酸化アルミニウムゲルは、浸水性が高く、水を引き込みやすい性質を有する。そのため、成分(B)の崩壊剤への吸水が促進され、崩壊剤が膨潤することで錠剤表面に凹凸等の不具合が発生しやすくなる。
これに対して、本発明の内服用コーティング錠剤では、成分(A)及び成分(B)に加えて成分(C)が組み合わされているため、成分(B)の崩壊剤の配合量を減らさずに良好な崩壊性を保持させつつ、素錠にコーティング剤を被覆した際に表面に凹凸等の不具合が生じることを抑制できる。このような効果が得られる要因は、以下のように考えられる。
成分(C)の二酸化ケイ素は、微粉であるため、粒子間の隙間に入り込んで錠剤表面の凹凸を滑らかにする効果があると考えられる。また、成分(C)は吸水性もあるため、被覆工程中に素錠に供給される水分を吸収し、崩壊剤に水が吸収されることを抑制するため、崩壊剤の膨潤による表面凹凸の発生が抑制されると考えられる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[錠剤表面の評価]
製造直後の内服用コーティング錠剤1000錠を目視で確認し、表面の凹凸および傷の数を計測し、以下の基準で評価した。
「◎」:表面の凹凸及び傷の数が5個未満である。
「○」:表面の凹凸及び傷の数が5個以上10個未満である。
「×」:表面の凹凸及び傷の数10個以上である。
[崩壊性]
第16改正日本薬局方の崩壊試験法に基づき、製造直後の内服用コーティング錠剤と、温度40℃、湿度75%RH、保存期間6ヶ月の条件で保存した内服用コーティング錠剤の崩壊性を評価した。試験はいずれもn=6で行い、評価にはその平均値を用いた。
当該試験の結果が、製造直後の内服用コーティング錠剤について90秒未満で、かつ保存後の内服用コーティング錠剤について180秒未満であるものを崩壊性が良好であると判断した。なお、保存後の崩壊性評価は上記保存条件のほか、温度50℃、湿度75%RH、保存期間1ヶ月の条件で代用する事も可能である。
[使用原料]
(成分(A))
乾燥水酸化アルミニウムゲル:協和化学工業(株)製、中位径(体積基準)約300μm。
(成分(A’))
炭酸水素ナトリウム:旭硝子(株)(KFグレード)製、中位径約200μm。
(成分(B))
カルメロース:五徳薬品(株)製、中位径約100〜200μm。
カルメロースナトリウム:五徳薬品(株)製、中位径約100〜200μm。
カルメロースカルシウム:五徳薬品(株)製、中位径約100〜200μm。
クロスカルメロースナトリウム:DSP五協フード&ケミカル(株)製、中位径約100〜200μm。
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース:信越化学(株)製、中位径約100〜200μm。
トウモロコシデンプン:松谷化学工業(株)製、中位径約100μm。
(成分(B’))
結晶セルロース:旭化成ケミカルズ(株)(セオラス)製、中位径約100〜200μm。
(成分(C))
軟質無水ケイ酸:有限会社ワイ・ケイ・エフ(サイリシア350)製、中位径約30μm。
含水二酸化ケイ素:フロイント産業(株)(アドソリダー102)製、中位径約30μm。
[実施例1]
打錠工程:
乾燥水酸化アルミニウムゲル700.0gに、カルメロース900.0g及び軽質無水ケイ酸8.0gを加え、ボーレコンテナミキサー(ボーレ寿工業株式会社製、10L LM−20型)で混合し、さらにステアリン酸マグネシウム(合計量に対し0.3質量%)を加えて混合した。この混合粉体をロータリー式の打錠機LIBRA2(菊水製作所社製)で打錠し(打錠圧600kg)、直径8.0mm、重さ200.0mgの素錠を得た。
被覆工程:
コーティング機(フロイント産業株式会社製、ハイコーター30型)を用い、得られた素錠の1.1kgにコーティング剤(OPADRY AMB WHITE 81W48956の18質量%溶液)を122g(素錠100質量部に対して固形分として2質量部)噴霧し、内服用コーティング錠剤を作成した。
素錠中の各成分の比率及び評価結果を表1に示す。
[実施例2〜12、参考例1
各成分の種類及び比率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして内服
用コーティング錠剤を得た。
得られた内服用コーティング錠剤の評価結果を表1に示す。
[比較例1〜3、参考例]
成分(A)〜(C)の種類及び比率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして内服用コーティング錠剤を得た。
得られた内服用コーティング錠剤の評価結果を表1に示す。
表1におけるカルメロースNaはカルメロースナトリウムを意味し、カルメロースCaはカルメロースカルシウムを意味し、クロスカルメロースNaはクロスカルメロースナトリウムを意味する。
Figure 0006245756
成分(A)〜(C)を適切な比率で含有する素錠にコーティング剤を被覆した実施例1〜12では、得られたコーティング錠剤の表面に凹凸や傷が生じることが抑制されており、かつ崩壊性も良好であった。
一方、成分(C)を用いていない比較例1では、錠剤表面に多数の凹凸や傷が生じた。また、成分(A)の比率が多い比較例2、及び成分(B)を用いなかった比較例3では、錠剤の外観は良好であったものの、崩壊性が著しく低下した。
なお、参考例は、乾燥水酸化アルミニウムゲル以外の制酸剤である炭酸水素ナトリウムを用いた例であるが、炭酸水素ナトリウムを用いる場合はそもそも崩壊遅延が生じ難く、崩壊剤の配合も必要ない。
[実施例14〜19]
造粒工程:(実施例14〜16)
表2に示す組成(比率)に基づき、イブプロフェンと、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとを混合し、約2kgの混合粉体を得た。圧縮造粒機(ローラーコンパクター:フロイント・ターボ株式会社製)を用いて、ロール圧力7.0MPa、粉体供給スクリュー回転速度3.0rpmの条件で前記混合粉体をローラー圧縮した。ローラー圧縮により得られたフレークを解砕・整粒機(フィオーレ:株式会社徳寿工作所製)で解砕・整粒し、造粒品D(乾式造粒顆粒)を得た。各実施例で得られた造粒物Dの平均粒径はいずれも95〜550μm、ゆるめ嵩密度は0.5〜0.7g/cmであった。
打錠工程:(実施例14〜19)
次に、表2に示す組成に従って、ボーレコンテナミキサーを用い、第1層を構成する各成分(ステアリン酸マグネシウムを除く)を約30分間混合し、その後、ステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、合計2.0kgになる混合粉体(1)を得た。同様にして、表2に示す組成に従って、第2層を構成する各成分(ステアリン酸マグネシウムを除く)を約30分間混合し、その後、ステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、合計2kgになる混合粉体(2)を得た。
ロータリー式の打錠機LIBRA(株式会社菊水製作所製)を用い、混合粉体(1)を充填し、次いで、該第1層に重ねて、混合粉体(2)を第2層となるように積層した。錠剤硬度が5〜7kgfとなるように打錠圧を調整して質量約350mgの直径9.0mmの素錠(多層錠)を得た。
被覆工程:(実施例14〜19)
得られた素錠を用いて、実施例1と同様にしてコーティング剤を被覆し、内服用コーティング剤を得た。
得られた内服用コーティング錠剤における素錠の組成及び評価結果を表2に示す。
Figure 0006245756
成分(A)〜(C)を適切な比率で含有する多層錠からなる素錠にコーティング剤を被覆した実施例14〜19では、得られたコーティング錠剤の表面に凹凸や傷が生じることが抑制されており、かつ崩壊性も良好であった。

Claims (6)

  1. 成分(A):乾燥水酸化アルミニウムゲルと、成分(B):崩壊剤と、成分(C):軽質無水ケイ酸及び含水二酸化ケイ素の少なくとも一方もしくは両方と、を含有する素錠が、コーティング剤で被覆されており、
    前記素錠100質量%に対して、前記成分(A)が30〜60質量%、前記成分(C)が0.1質量%以上である、内服用コーティング錠剤。
  2. 前記素錠中の前記成分(A)と前記成分(B)の質量比(A/B)が、1/2.2〜7/1である、請求項1に記載の内服用コーティング錠剤。
  3. 前記素錠中の前記成分(B)と前記成分(C)の質量比(B/C)が、6/1〜650/1である、請求項1又は2に記載の内服用コーティング錠剤。
  4. 前記成分(C)の比率が、前記素錠100質量%に対して、0.3〜1.5質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内服用コーティング錠剤。
  5. 前記素錠が多層錠であり、
    前記素錠における前記コーティング剤による被覆層と接する層の少なくとも1つが、前記成分(A)〜(C)を含有する層(I)であり、かつ前記層(I)(100質量%)中の前記成分(A)の比率が40〜80質量%であり、前記層(I)(100質量%)中の前記成分(C)が0.1質量%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内服用コーティング錠剤。
  6. 前記成分(B)が、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスカルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びトウモロコシデンプンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内服用コーティング錠剤。
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