JP6244835B2 - 太陽電池付き化粧材 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池を用いた化粧材に関する。
近年、光、熱、振動、電波等、様々な形態で身近な環境中に存在するエネルギーを電力に変換するエネルギーハーベスティング技術(環境発電技術)に関して、積極的な研究開発が進められている。エネルギーハーベスティング技術は、充電、取り替え、燃料補給をせずに長期間のエネルギー供給が可能な電源として利用することができ、省エネルギーや二酸化炭素削減等、環境に対してクリーンな技術として今後の発展が期待されている。
特に、光エネルギーをエネルギー源として使用する発電技術は光発電と呼ばれ、太陽光や、白熱灯、蛍光灯、LED等の照明装置からの光エネルギーを太陽電池により採取(ハーベスティング)し、電力を得るエネルギーハーベスティング技術である。
一般に太陽電池は複数の太陽電池セルを直列または並列に接続させた太陽電池モジュールとして使用されており、太陽電池としてはシリコン系太陽電池や化合物半導体系太陽電池が主流である。
複数の太陽電池セルが直列に接続された太陽電池モジュールにおいては、太陽電池セルに陰がかかることによってその太陽電池セルの発電量が少なくなると、太陽電池モジュール全体の発電量が制限されてしまうという問題がある。そして、その太陽電池セルは電流が流れなくなると抵抗体になり、太陽電池モジュール全体で発電量がほとんど得られなくなってしまう。
そこで、陰による影響を軽減するために、太陽電池セル毎にバイパスダイオードを接続することにより、太陽電池特性の安定化を図っている。しかしながら、太陽電池セル1個の大きさが小さい場合には太陽電池セル毎にバイパスダイオードを接続することは困難である。特に、太陽電池モジュールを室内で使用する場合には、太陽電池モジュールの面積が制限されることから、太陽電池セル1個の大きさを大きくすることが困難であり、バイパスダイオードの適用は難しい。
室内の光を利用する環境発電では、室内の照明光を受光しやすい位置に大面積の太陽電池モジュールを設置することで効率的に発電させることができる。例えば、室内の壁面全体に太陽電池モジュールを設置することにより、照明光を入射させることができる。
しかしながら、太陽光の平行光線が照射される屋外環境とは異なり、室内の照明装置から放射光線が照射される室内環境では、照明装置と太陽電池セルとの位置関係に応じて光の入射角が変化し、また照明装置と太陽電池セルとの距離に応じて入射光強度が変化する。そのため、室内環境では、太陽電池モジュールの各太陽電池セルに対して光の入射角および入射光強度にばらつきが出る。このような光の入射角および入射光強度のばらつきにより、複数の太陽電池セルを直列に接続した太陽電池モジュールでは太陽電池特性が低下してしまう。これは、室内環境に特有の課題である。
太陽電池モジュールの室内環境での使用に関する技術ではないが、特許文献1には、広範囲の角度で入射する光を効率的に集光することを目的として、平面構造を有するシート型の集光装置であって、外部から照射される光を入射させて平面構造の法線方向に導く集光部を備える集光装置や、シート状の集光装置であって、照射された光を直接内部に入射させるのみならず、その照射された光に起因する外部の反射光をも内部に入射させる表面形状を有する表面形状部を備える集光装置が提案されている。
このような集光装置を用いた場合には、照明装置と太陽電池セルとの位置に応じて変化する光の入射角を均一にすることができると考えられる。しかしながら、上記技術では、照明装置と太陽電池セルとの距離に応じて変化する入射光強度を均一にすることはできない。
また、太陽電池には意匠性に優れることも求められている。例えば、特許文献2には、受光面の色彩の異なる太陽電池素子を用い、複数の太陽電池素子をモザイク状に並設した太陽電池装置が開示されており、発電壁画として利用することが提案されている。また、特許文献3には、建物の外装材や内装材として用いることができ、建物の意匠性を損なわない太陽電池付き建築板を提供することを目的として、建築板の表面の明度を50以上とし、その表面側に透明性を有する色素増感太陽電池を設けてなる太陽電池付き建築板が提案されている。
しかしながら、特許文献2に記載されている発電壁画を室内環境で使用する場合には、上述のように光の入射角および入射光強度のばらつきに起因して太陽電池特性が低下してしまう。
また、特許文献3に記載されている太陽電池付き建築板は、複数枚の太陽電池付き建築板を縦横に並べて施工することによって、建物の外壁や内壁を形成することができるものである。そのため、上記太陽電池付き建築板は、太陽電池モジュールを有するものではなく、そもそも上記のような課題が生じない。
特開2009−229581号公報 特開10−308525号公報 特開2008−111321号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数の太陽電池セルが直列に接続された太陽電池モジュールにおいて、光の入射角および入射光強度のばらつきに起因する太陽電池特性の低下を抑制することが可能な太陽電池付き化粧材を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、複数の色素増感太陽電池セルが直列に接続された色素増感太陽電池モジュールと、上記色素増感太陽電池モジュール上に配置され、出射角範囲が入射角範囲よりも小さい光学部材と、上記光学部材上に配置され、透過領域を有する意匠部材とを有することを特徴とする太陽電池付き化粧材を提供する。
本発明においては、色素増感太陽電池および光学部材を用いることにより、色素増感太陽電池モジュールへの入射光強度および入射角にばらつきがある場合でも、太陽電池特性の低下を抑制することが可能であるという効果を奏する。
本発明の太陽電池付き化粧材における光学部材の一例を示す模式図である。 本発明の太陽電池付き化粧材の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池付き化粧材における光学部材の他の例を示す概略斜視図である。 本発明の太陽電池付き化粧材における光学部材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池付き化粧材における光学部材の他の例を示す概略斜視図および上面図である。 本発明の太陽電池付き化粧材における光学部材の他の例を示す概略斜視図である。 本発明の太陽電池付き化粧材における光学部材の他の例を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池付き化粧材における光学部材の他の例を示す概略断面図である。 本発明における色素増感太陽電池モジュールの太陽電池特性の一例を示すグラフである。 シリコン系太陽電池モジュールの太陽電池特性の一例を示すグラフである。 参考例2の光学部材を示す概略断面図である。
以下、本発明の太陽電池付き化粧材について詳細に説明する。
本発明の太陽電池付き化粧材は、複数の色素増感太陽電池セルが直列に接続された色素増感太陽電池モジュールと、上記色素増感太陽電池モジュール上に配置され、出射角範囲が入射角範囲よりも小さい光学部材と、上記光学部材上に配置され、透過領域を有する意匠部材とを有することを特徴とするものである。
ここで、「出射角範囲が入射角範囲よりも小さい」とは、任意の入射角範囲に対応する出射角範囲が、その入射角範囲よりも小さいことをいう。例えば図1に示すように、光学部材3に光Lを入射させると、任意の入射角範囲θ1に対応する出射角範囲θ2は、その入射角範囲θ1よりも小さくなる。具体的には、出射角のばらつきが入射角のばらつきよりも小さいことを指す。
また、意匠部材の「透過領域」とは、色素増感太陽電池モジュールにて発電可能な程度に光を透過する領域をいう。
本発明の太陽電池付き化粧材について図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明の太陽電池付き化粧材の一例を示す概略断面図である。図2に示すように、太陽電池付き化粧材1は、色素増感太陽電池モジュール2と光学部材3と意匠部材4とが順に積層されたものである。光学部材3は出射角範囲が入射角範囲よりも小さいものであり、また意匠部材4は透過領域を有している。
この太陽電池付き化粧材1では、意匠部材4側から光Lが入射し、色素増感太陽電池モジュール2における各色素増感太陽電池セルが光Lを吸収して発電が起こる。
本発明によれば、色素増感太陽電池を用いることにより、色素増感太陽電池モジュールへの入射光強度に分布がある場合でも、太陽電池特性の低下を抑制することが可能である。
以下、この点について簡単に説明する。
上述のように、シリコン系太陽電池や化合物系太陽電池は、pn接合を用いるものであり、pn接合界面にて電流が生じる。このような太陽電池セルが複数直列に接続された太陽電池モジュールにおいては、太陽電池セルに陰がかかることによってその太陽電池セルの発電量が少なくなると、太陽電池モジュール全体の発電量が制限されてしまう。そして、その太陽電池セルは電流が流れなくなると抵抗体になり、太陽電池モジュール全体で発電量がほとんど得られなくなってしまう。
これに対し、色素増感太陽電池においては、対向する電極間に、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層、増感色素、電解質が配置されており、複数種類の接合界面が存在する。従来、複数種類の接合界面が存在することは、発電に寄与しない漏れ電流を発生させることになるため、欠点とされていた。しかしながら、本発明においては、複数種類の接合界面が存在することで、陰により色素増感太陽電池セルの発電量がほとんどなくなったとしても、その色素増感太陽電池セル内における幾つかの接合界面によって電流は流れるため、色素増感太陽電池モジュール全体の発電量が低下するのを抑制することができる。
したがって本発明においては、入射光強度に分布があったとしても、安定した太陽電池特性を維持することができるのである。
また本発明においては、図2に例示するように、色素増感太陽電池モジュール2の受光面側には意匠部材4が配置されているため、意匠部材4の絵柄等によっては色素増感太陽電池モジュール2への入射光強度の分布が広くなる場合がある。特に、意匠部材が透過領域および不透過領域を有する場合には、不透過領域では光が遮られるため、入射光強度のばらつきが大きくなる。しかしながら、本発明においては、上述のように入射光強度分布に起因する太陽電池特性の低下を抑制することができるため、色素増感太陽電池モジュールの受光面側に意匠部材が配置されていても、太陽電池特性を維持することができる。
なお、特許文献3に記載されている太陽電池付き建築板は、透明性を有する色素増感太陽電池を透して建築板の表面を視認することができ、建物の意匠性を損なわないようにすることができるというものである。このように、色素増感太陽電池の受光面とは反対側に意匠性を有する部材が配置されている場合には、上記のような課題は生じない。
また本発明によれば、図2に例示するように、色素増感太陽電池モジュール2の受光面側に出射角範囲が入射角範囲よりも小さい光学部材3が配置されていることにより、太陽電池付き化粧材1への光の入射角に分布がある場合でも、光学部材3からの光の出射角の分布を狭くする、すなわち色素増感太陽電池モジュール2への光の入射角の分布を狭くすることができる。したがって、光の入射角の分布に起因する太陽電池特性の低下を抑制することが可能である。
さらに、図2に例示するように、色素増感太陽電池モジュール2の受光面側には意匠部材4が配置されているため、意匠部材4の絵柄等によっては光学部材3への光の入射角の分布が広くなる場合がある。例えば、意匠部材がヘイズ値が高い領域を有する場合には、意匠部材によって光が拡散されるため、光学部材への光の入射角のばらつきが大きくなることがある。しかしながら、本発明においては、上述のように光学部材によって色素増感太陽電池モジュールへの光の入射角の分布を狭くすることができるため、色素増感太陽電池モジュールの受光面側に意匠部材が配置されていても、安定した太陽電池特性を維持することができる。
照明装置から照射される光は、太陽光とは異なり、平行光ではなく散乱光である。そのため、屋内では、照明装置および各色素増感太陽電池セルの位置関係に応じて各色素増感太陽電池への入射角が異なる。また、照明装置から各色素増感太陽電池セルまでの距離に応じて、また柱や家具等の障害物によって、各色素増感太陽電池セルへの入射光強度が異なる。したがって、本発明の太陽電池付き化粧材は、屋内での使用に好適であり、内装材として特に有用である。
以下、本発明の太陽電池付き化粧材における各構成について説明する。
1.光学部材
本発明における光学部材は、色素増感太陽電池モジュール上に配置され、出射角範囲が入射角範囲よりも小さいものである。
光学部材においては、出射角範囲が入射角範囲よりも小さければよいが、中でも、出射角範囲が本発明の太陽電池付き化粧材の法線方向に揃うことが好ましい。すなわち、光学部材は、入射光を法線方向に導くものであることが好ましい。光学部材によって斜めから入射した光を可能な限り法線方向に揃えることにより、色素増感太陽電池モジュールへの光の入射角を均一化することができる。
また、光学部材における入射光量に対する透過光量を高め、色素増感太陽電池モジュールへの照射量を増大させるために、光学部材は、反射光を抑制し、広範囲の角度の入射光を光学部材内に取り込むことができるものであることが好ましい。
光学部材としては、出射角範囲が入射角範囲よりも小さくなるものであれば特に限定されないが、その表面に出射角範囲を入射角範囲よりも小さくする表面形状を有する表面形状部を備えることが好ましい。また、表面形状部は、照射された光を直接内部に入射させるのみならず、この照射された光に起因する反射光をも内部に入射させる表面形状を有することが好ましく、任意の角度で照射された光を、境界面での反射および屈折を繰り返して内部に入射させる表面形状を有することがより好ましい。
光学部材が表面形状部を有する場合、光学部材としては、一方の表面のみに表面形状部を有していてもよく、一方の表面に第1表面形状部を有し、他方の表面に第1表面形状部と同一または略同一の表面形状を有する第2表面形状部を有していてもよい。また、表面形状部は平板部上に形成されていてもよい。この場合、光学部材は、平板部と、平板部の一方の表面に形成された表面形状部とを有していてもよく、平板部と、平板部の一方の表面に形成された第1表面形状部と、平板部の他方の表面に形成され、第1表面形状部と同一または略同一の表面形状を有する第2表面形状部とを有していてもよい。後者の場合、第1表面形状部および第2表面形状部は、平板部を挟んで上下対称または上下略対称に配置されていることが好ましい。
このような光学部材としては、例えば、図3に示すような平板部11上に表面形状部としてマイクロレンズ12をアレイ状に配列したものや、図5に示すような表面形状部として三角錐や四角錐13等の角錐をアレイ状に配列したもの、図6に示すような表面形状部として三角柱14をアレイ状に配列したものが挙げられる。
なお、図5(a)は光学部材の概略斜視図、図5(b)は光学部材の概略上面図である。
平板部上にマイクロレンズをアレイ状に配列した光学部材では、各マイクロレンズは光学部材の上面から見ると円形であるため、隣接するマイクロレンズ間に隙間が生じる。そのため、隙間を小さくするために、図3に例示するように、マイクロレンズ12は列毎に半ピッチずれて配列されていることが好ましい。また、隙間を小さくするために、図4に例示するように、平板部11a、11b上にマイクロレンズ12a、12bをアレイ状に配列したものを複数積層することも好ましい。この場合、上下のマイクロレンズ12a、12bの位置関係は、上層における隣接するマイクロレンズ12a間の隙間の中心位置に下層におけるマイクロレンズ12bの中心がくるように調整されていることが好ましい。
平板部上にマイクロレンズをアレイ状に配列したものを複数積層した場合には、外部からの光がマイクロレンズに入射する割合を増大させることができる。また、この場合、入射光は、平坦な面に入射する場合と比べて、局所的な面(レンズの表面)の法線方向に近い角度で入射するようになるため、透過率を高めた状態で集光することが可能になる。
また、図5に例示するような断面が三角形または略三角形である三角錐や四角錐13等の角錐をアレイ状に配列した光学部材3や、図6に例示するような長手方向の断面が三角形または略三角形である三角柱14をアレイ状に配列した光学部材3では、表面の三角形状によって、入射光を法線方向に導くことができる。
中でも、光学部材は、断面が三角形または略三角形の形状である表面形状を有する表面形状部を備えることが好ましい。
この場合、断面の三角形は二等辺三角形であることが好ましい。
また、図7および図8に例示するような断面の三角形の底角αは大きいほうが好ましく、具体的には、図7に例示するように光学部材3が片面のみに断面が三角形形状である表面形状を有する表面形状部15を備える場合には、三角形の底角αは40°以上であることが好ましく、図8に例示するように光学部材3が両面にそれぞれ断面が三角形形状である表面形状を有する第1表面形状部15a、第2表面形状部15bを備える場合には、三角形の底角αは45°以上であることが好ましい。光学部材への光の入射角にかかわらず、反射光を効率的に利用(入射)することができ、広範囲の入射光を効率的に集光することができる。そのため、光学部材への入射光量に対する透過光量の割合を高めることができる。これは、三角形形状が、境界面で反射および屈折を繰り返して反射光を効率的に利用(入射)できる形状であるためである。
また、光学部材は、図8に例示するように、平板部11と、平板部11の一方の表面に形成され、断面が三角形形状である表面形状を有する第1表面形状部15aと、平板部11の他方の表面に形成され、第1表面形状部15aと同一の形状を有する第2表面形状部15bとを有することが好ましい。また、同一形状の第1表面形状部15aおよび第2表面形状部15bが平板部11を挟んで上下対称に配置されていることがより好ましい。この場合、光学部材への光の入射角にかかわらず、光学部材への入射光量に対する透過光量の割合を一層高めることができるからである。
この場合、第1表面形状部の三角形と第2表面形状部の三角形との位置関係としては、平板部を挟んで上下対称でもよく、完全に上下対称でなくてもよい。例えば、上下の三角形において、三角形の底角αを変えたり、位置をずらしたりしてもよい。
また、光学部材が、断面が三角形または略三角形の形状である表面形状を有する表面形状部を備える場合、三角錐や四角錐等の角錐をアレイ状に配列したものであることが好ましい。三角錐や四角錐等の角錐をアレイ状に配列した光学部材は、三角柱をアレイ状に配列した光学部材よりも、高い集光効果が得られるからである。
三角錐や四角錐等の角錐をアレイ状に配列した光学部材では、図5に例示するように、三角錐や四角錐13等の角錐は列毎に半ピッチずれて配列されていることが好ましい。集光効果を高めることができるからである。
また、角錐の形状の中でも、特に三角錐、四角錐、六角錐等のように、隙間なく配列させることが可能な形状であることが好ましい。
また、光学部材を構成する材料の屈折率としては特に限定されない。光学部材が上記表面形状部を有することにより、光学部材を構成する材料の屈折率によらず、集光効果を得ることができる。
光学部材の材料としては、例えば紫外線硬化樹脂を用いることができる。
光学部材が平板部および表面形状部を有する場合には、平板部および表面形状部は同一の材料からなり、屈折率が同一であることが好ましい。
光学部材の形成方法としては、所定の表面形状部を備える光学部材を形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、インクジェット法やスクリーン印刷法、フォトリソグラフィ法等が挙げられる。また、プラスチック成形技術や光成形技術を用いてもよい。
また、平板部の両面に表面形状部が形成された光学部材の形成方法としては、例えば、平板部の両面にそれぞれ表面形状部を形成する方法や、平板部の片面に表面形状が形成されたものを2枚貼り合せる方法を挙げることができる。
光学部材を色素増感太陽電池モジュール上に配置する方法としては、例えば接着層を介して光学部材および色素増感太陽電池モジュールを貼り合せる方法が挙げられる。接着層に用いられる接着剤としては、光学部材および色素増感太陽電池モジュールを接着させることが可能であり、かつ透明性を有する接着層を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、一般的な接着剤から適宜選択することができる。
なお、光学部材について詳しくは特開2009−229581号公報を参照することができる。
2.色素増感太陽電池モジュール
本発明における色素増感太陽電池モジュールは、複数の色素増感太陽電池セルが直列に接続されたものである。
色素増感太陽電池モジュールは、フレキシブル性を有していてもよく有さなくてもよいが、中でもフレキシブル性を有することが好ましい。色素増感太陽電池モジュールがフレキシブル性を有し、本発明の太陽電池付き化粧材がフレキシブル性を有する場合には、加工性に優れており、製造コスト低減や軽量化、割れにくい太陽電池の実現において有用であり、曲面への適用等、種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるからである。
色素増感太陽電池モジュールは複数の色素増感太陽電池セルが直列に接続されたものであればよく、その構成については一般的な色素増感太陽電池モジュールと同様とすることができる。
3.意匠部材
本発明における意匠部材は、上記光学部材上に配置され、透過領域を有するものである。
意匠部材としては、透過領域を有していればよく、例えば透過領域のみを有していてもよく、透過領域および半透過領域を有していてもよく、透過領域および不透過領域を有していてもよく、透過領域、半透過領域および不透過領域を有していてもよい。また、透過領域および半透過領域ではそれぞれ、透過率が一定であってもよく、透過率が連続的に変化していてもよく、透過率の異なる領域が複数存在していてもよい。
ここで、「透過領域」とは、上述のように色素増感太陽電池モジュールにて発電可能な程度に光を透過する領域をいう。具体的には、透過領域の透過率は、70%以上であることが好ましく、中でも80%以上、特に90%以上であることが好ましい。意匠部材の透過領域の透過率が上記範囲であることにより、透過領域にて光を十分に透過することができ、色素増感太陽電池セルにて光を効率的に吸収することができるからである。
不透過領域の透過率は実質的に0%である。
半透過領域の透過率は、透過領域の透過率よりも低く、不透過領域の透過率よりも高い。
また、意匠部材は上記透過領域を有していればよいが、意匠部材全体の平均透過率としては30%以上であることが好ましく、中でも50%以上、特に70%以上であることが好ましい。意匠部材全体の平均透過率が高いほど、発電量を増やすことができるからである。
なお、透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
また、色素増感太陽電池モジュールの配線を視認しにくくするために、意匠部材はヘイズ値が高い領域を有していてもよい。この場合、意匠部材において、ヘイズ値は一定であってもよく、ヘイズ値の異なる領域が複数存在していてもよい。例えば、意匠部材が拡散板を兼ねていてもよい。
意匠部材としては、意匠性を有し、かつ上記透過領域を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、着色されたもの、印刷されたもの、表面に凹凸等の形状を有するもの等を挙げることができる。また、印刷の場合、網点で絵柄が構成されていてもよい。これらは単独で用いてもよく組み合わせて用いてもよい。
意匠部材の材料としては、上記透過領域を有する意匠部材を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば樹脂、紙、金属等を挙げることができる。これらの材料は単独で用いてもよく組み合わせて用いてもよい。なお、紙や金属からなる意匠部材の場合、意匠部材に開口部を設けることで、透過領域を形成することができる。
また、本発明の太陽電池付き化粧材に耐摩耗性、耐傷付性、耐汚染性等を付与するために、意匠部材の表面にはオーバーコート層が形成されていてもよい。オーバーコート層の材料としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂等が挙げられる。
意匠部材を光学部材上に配置する方法としては、例えば接着層を介して意匠部材および光学部材を貼り合せる方法が挙げられる。接着層に用いられる接着剤としては、意匠部材および光学部材を接着させることが可能であり、かつ透明性を有する接着層を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、一般的な接着剤から適宜選択することができる。
4.基板
本発明においては、色素増感太陽電池モジュールが基板上に配置されていてもよい。
基板は透明性を有していてもよく有していなくてもよい。
また、基板はフレキシブル性を有していてもよく有していなくてもよいが、中でもフレキシブル性を有することが好ましい。フレキシブル性を有する太陽電池付き化粧材とすることができるからである。
ここで、基板のフレキシブル性としては、JIS R1601のファインセラミックスの曲げ試験方法で、5KNの力をかけたときに曲がることを指す。
このような基板としては、例えば、ガラス基板や樹脂基板、金属基板を挙げることができる。中でも、薄板ガラスや樹脂基板は、フレキシブル性を有し得ることから好ましい。特に、樹脂基板は、軽量であり、加工性に優れ、製造コストの低減ができるため好ましい。
また、色素増感太陽電池モジュールの配線を視認しにくくするために、例えば基板の表面に色素増感太陽電池セルと同系色の着色層が形成されていてもよく、基板が色素増感太陽電池セルと同系色に着色されていてもよい。
5.その他の構成
本発明においては、色素増感太陽電池モジュールの配線を視認しにくくするために、意匠部材と光学部材との間、あるいは意匠部材上に拡散板が配置されていてもよい。
6.用途
本発明の太陽電池付き化粧材は、入射光強度および入射角のばらつきによる太陽電特性の低下を抑制することができることから、照明装置から散乱光が照射されるような屋内での使用に好適であり、内装材として好ましく用いられる。例えば、壁、床、腰壁、扉、障子、襖、天袋、棚、窓等の内装建材用途や、箪笥、机等の家具用途、カーテン、ブラインド、スクリーン等が挙げられる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[参考例1]
(色素増感太陽電池モジュールの作製)
特開2013−219037号公報の実施例にならって、8個の色素増感太陽電池セルが直列に接続された色素増感太陽電池モジュールを作製した。
(シリコン系太陽電池モジュールの作製)
8個のシリコン系太陽電池セルが直列に接続されたシリコン系太陽電池モジュールとして、パナソニック社製アモルトンAM−1816を用いた。
(評価)
色素増感太陽電池モジュールおよびシリコン系太陽電池モジュールについて、擬似太陽光(AM1.5、入射光強度100mW/cm)を照射し、ソースメジャーユニット(ケースレー2400型)を用いて太陽電池特性を測定した。この際、8個の太陽電池セルのうち、1個の太陽電池セルを遮光した場合についても太陽電池特性の測定を行った。図9に色素増感太陽電池モジュールの太陽電池特性、図10にシリコン系太陽電池モジュールの太陽電池特性を示す。
色素増感太陽電池モジュールでは、各色素増感太陽電池セルへの入射光強度にばらつきがある場合でも、太陽電池特性の低下が軽微であることが確認できた。
[参考例2]
図11に示す光学部材3をモデルとして、シミュレーションを行った。シミュレーションでは、三角形の底角αを80°、入射する光線の角度βを−6°〜−174°の範囲とし、三角形のピッチPの範囲内に所定の数(光線角度β:−6°〜−174°の範囲で4°刻みで43箇所、座標:−0.05P〜−0.95Pの0.1P刻みの10箇所の合計430本)の光線を、光線角度βを43ステップで変化させつつ、始点座標を等間隔で10箇所から入射し、光線を計算により1本1本追跡して、入射光量に対する透過光量の割合、すなわち光線捕捉率を計算した。
光線捕捉率=(透過光量/入射光量)×100
入射光量は、1本の入射光線の光量を1として、1ピッチP当たり430とした。例えば、1本の入射光線に着目すると、この入射光線は、光学部材の境界面で反射と屈折を繰り返し、最終的に光学部材に対して上方への反射光と下方への透過光とに分かれる。このとき、全反射の場合を除いて、反射光も屈折光も減衰する。1ピッチ当たりの入射光量および透過光量は、1本1本の入射光線に基づく最終的な反射光および透過光の光量をそれぞれ統計したものとなる。なお、1本1本の入射光線に対する光線追跡は、反射光と透過光のすべてに対して、光量が1万分の1以下になるまで行った。
また、比較として、平板の場合についても、同様にシミュレーションを行った。
図11に示す光学部材では、光線角度βのほぼ全範囲にわたって光線捕捉率が95%以上となった。これは、低角度の光線(例えば光線角度βが−30°以上や−150°以下の光線)でも光学部材によって集光できるということであり、斜めから入射した光を法線方向に揃えることができることを意味している。
一方、平板の場合は、光線角度βが−50°〜−130°の範囲では光線捕捉率が90%以上になったものの、それ以外の光線角度βの範囲では光線捕捉率が著しく低くなった。
[実施例1]
まず、図7に示す光学部材を作製した。すなわち、樹脂からなる平板部上に、紫外線硬化樹脂を用い、三角形形状である表面形状を有する表面形状部を、金型成型によって形成した。このとき、断面の三角形の底角αは80°とした。
次に、参考例で作製した色素増感太陽電池モジュールと、上記光学部材と、任意の絵柄をPET基板上に印刷した透過領域を有する意匠部材とを、この順で熱硬化性エポキシ樹脂を使って接着して、太陽電池付き化粧材を作製した。
1 … 太陽電池付き化粧材
2 … 色素増感太陽電池モジュール
3 … 光学部材
4 … 意匠部材
L … 光

Claims (1)

  1. 複数の色素増感太陽電池セルが直列に接続された平面状の色素増感太陽電池モジュールと、
    前記色素増感太陽電池モジュール上に配置され、前記平面状に延在する光学部材と、
    前記光学部材上に配置され、透過領域を有する意匠部材と
    を有し、
    前記光学部材は、前記平面状の色素増感太陽電池モジュールの法線方向に対する出射光の角度の範囲が前記法線方向に対する入射光の角度の範囲よりも小さいことを特徴とする太陽電池付き化粧材。
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