JP6244327B2 - 金箔及び金箔の製造方法 - Google Patents
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また、上記課題を解決するために、請求項2に係る美容成分を含有する金箔の製造方法は、請求項1記載の方法であって、前記金箔を製造する工程は、前記金箔の材料をロール圧延機で圧延し、延金を作成する延金作成工程と、前記延金を加工する際に使用する澄打紙を作成する第一の紙仕込み工程と、前記澄打紙と前記延金とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、上澄を作成する澄打ち工程と、前記上澄を加工する際に使用する箔打紙を作成する第二の紙仕込み工程と、前記箔打紙と前記上澄とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、金箔を得る箔打ち工程と、を含み、前記第一の紙仕込み工程または前記第二の紙仕込み工程の少なくとも一方で実施され、前記澄打紙及び/または前記箔打紙に前記美容成分を添加する添加工程を更に含み、前記美容成分を含有させる工程は、前記澄打ち工程または前記箔打ち工程の少なくとも一方で実施される。
また、上記課題を解決するために、請求項3に係る美容成分を含有する金箔の製造方法は、請求項2記載の方法であって、前記第一の紙仕込み工程は、前記澄打紙の元となる和紙に水を含ませる紙漬け工程を少なくとも一回含み、前記添加工程は、前記紙漬け工程において、前記美容成分を混合した前記水を前記和紙に含ませることにより実施され、前記澄打ち工程において、前記美容成分が添加された澄打紙を用い、前記打ち機で叩くことにより、前記上澄に前記美容成分を含有させる。
また、上記課題を解決するために、請求項4に係る美容成分を含有する金箔の製造方法は、請求項2または3記載の方法であって、前記第二の紙仕込み工程は、前記箔打紙の元となる和紙に灰汁を含ませる灰汁漬け工程を少なくとも一回含み、前記添加工程は、前記灰汁漬け工程において、前記美容成分を混合した前記灰汁を前記和紙に含ませることにより実施され、前記箔打ち工程において、前記美容成分が添加された箔打紙を用い、前記打ち機で叩くことにより、前記金箔に前記美容成分を含有させる。
また、上記課題を解決するために、請求項5に係る美容成分を含有する金箔の製造方法は、請求項4記載の方法であって、前記灰汁漬け工程が複数回繰り返される場合に、前記添加工程は、少なくとも最後に行われる灰汁漬け工程において実施される。
また、上記課題を解決するために、請求項6に係る美容成分を含有する金箔の製造方法は、請求項2または3記載の方法であって、前記第二の紙仕込み工程は、カーボンをグラシン紙に塗布する塗布工程を少なくとも一回含み、前記添加工程は、前記塗布工程において、前記グラシン紙に対して前記美容成分を添加することにより実施され、前記箔打ち工程において、前記美容成分が添加された箔打紙を用い、前記打ち機で叩くことにより、前記金箔に前記美容成分を含有させる。
また、上記課題を解決するために、請求項7に係る美容成分を含有する金箔の製造方法は、請求項1記載の方法であって、前記金箔を製造する工程は、前記金箔の材料をロール圧延機で圧延し、延金を作成する延金作成工程と、前記延金を加工する際に使用する澄打紙を作成する第一の紙仕込み工程と、前記澄打紙と前記延金とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、上澄を作成する澄打ち工程と、前記上澄を加工する際に使用する箔打紙を作成する第二の紙仕込み工程と、前記箔打紙と前記上澄とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、金箔を得る箔打ち工程と、を含み、作成された前記澄打紙に対して前記美容成分を添加する添加工程を更に含み、前記澄打ち工程において、前記美容成分が添加された澄打紙を用い、前記打ち機で叩くことにより、前記上澄に前記美容成分を含有させる。
また、上記課題を解決するために、請求項8に係る美容成分を含有する金箔の製造方法は、請求項1または7記載の方法であって、前記金箔を製造する工程は、前記金箔の材料をロール圧延機で圧延し、延金を作成する延金作成工程と、前記延金を加工する際に使用する澄打紙を作成する第一の紙仕込み工程と、前記澄打紙と前記延金とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、上澄を作成する澄打ち工程と、前記上澄を加工する際に使用する箔打紙を作成する第二の紙仕込み工程と、前記箔打紙と前記上澄とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、金箔を得る箔打ち工程と、を含み、作成された前記箔打紙に対して前記美容成分を添加する添加工程を更に含み、前記箔打ち工程において、前記美容成分が添加された箔打紙を用い、前記打ち機で叩くことにより、前記金箔に前記美容成分を含有させる。
また、上記課題を解決するために、請求項9に係る美容成分を含有する金箔の製造方法は、請求項1記載の方法であって、前記金箔を製造する工程において製造された金箔を所望のサイズに裁断する裁断工程を含み、前記美容成分を含有させる工程は、前記裁断工程で裁断された金箔に対して前記美容成分を付着することにより実施される。
また、上記課題を解決するために、請求項10に係る美容成分を含有する金箔の製造方法は、請求項1記載の方法であって、前記金箔を製造する工程において製造された金箔を所望のサイズに裁断する裁断工程と、裁断された前記金箔と透明フィルム若しくは紙とを順に重ねてパッケージングを行うパッケージング工程と、を含み、前記美容成分を含有させる工程は、前記パッケージングにより、前記透明フィルム若しくは前記紙に付着した美容成分を前記金箔に付着させることで実施される。
また、上記課題を解決するために、請求項11に係る美容成分を含有する金箔の製造方法は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法であって、前記美容成分はコラーゲンである。
また、上記課題を解決するために、請求項12に係る金箔は、美容成分を含有する。
また、上記課題を解決するために、請求項13に係る金箔は、請求項12に記載の金箔であって、前記美容成分はコラーゲンである。
本実施形態における金箔は、美容成分を含み、化粧品として利用可能なものである。金箔は、一定サイズ(たとえば、54×35mm)に裁断したシートとして用いてもよいし、顔面サイズに合わせたフェイスパックとして用いることも可能である。
美容成分は、人間の肌に美容効果(保湿作用、柔軟化作用、肌荒れ・シワ改善作用等、肌の状態を改善する或いは肌の状態を保つ効果)を与える成分である。美容成分は、たとえば、コラーゲンや、アロエエキス、化粧品原料である「ファーメンテージ シャルドネB」や「ヨーグルトエキスB」(いずれも一丸ファルコス株式会社製)を用いることができる。以下、美容成分としてコラーゲンを例に説明を行う。
本発明に係る金箔の製造は、少なくとも金箔を製造する工程及び美容成分を含有させる工程を含んでいれば特に限定されるものではないが、以下、縁付箔の製造方法及び断切箔の製造方法について説明を行う。
図1は、縁付箔の製造工程を示す工程図である。縁付箔の製造工程は、金合わせ工程、延金作成工程、第一の紙仕込み工程、澄打ち工程、第二の紙仕込み工程、箔打ち工程、箔移し工程を含む。
金合わせ工程は、金合金を作成する工程である。具体的には、金箔の材料(たとえば、金、銀、銅)をるつぼに入れ、熱を加えることにより材料を溶融させる。そして、溶融した金箔の材料を型に流し込み、冷却させることにより金合金を作成する。
延金作成工程は、金箔の材料(金合わせ工程で作成された金合金)をロール圧延機で圧延し、延金を作成する工程である。ロール圧延機は、金合金を延伸させ、帯状の延金を作成する。延金の厚さは約100分の5〜6mmである。作成された延金は、澄打ち工程で使用できるよう、所定のサイズにカットされる。
第一の紙仕込み工程は、延金を加工する際に使用する澄打紙を作成する工程である。第一の紙仕込み工程は、複数の工程を含んでいる。図2は、第一の紙仕込み工程の詳細を示す図である。第一の紙仕込み工程は、初灰汁工程〜四灰汁工程までを含む。灰汁工程は、和紙(たとえば、雁皮紙)に水や灰汁を含ませることにより、澄打ち工程で使用可能な強度を持った澄打紙を作成するための工程である。
澄打ち工程は、澄打紙と延金とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、上澄を作成する工程である。澄打ち工程は、延金が所望の厚さ(1000分の1〜2mm。すなわち、上澄)になるまで澄打紙を換えて複数回行われる。澄打ち工程で使用する打ち機は、灰汁打ち工程で使用する打ち機と機構は同様であるが、ハンマーの径や叩く速度が異なっている。本実施形態では、コラーゲンが添加された澄打紙と延金とを重ねて叩くことにより、澄打紙に含まれるコラーゲンが延金に付着する。すなわち、完成した上澄は、コラーゲンを含有している。本実施形態における澄打ち工程は、「美容成分を含有させる工程」を含んでいる。
第二の紙仕込み工程は、上澄を加工する際に使用する箔打紙を作成する工程である。第一の紙仕込み工程と同様、第二の紙仕込み工程も複数の工程を含んでいる。図3は、第二の紙仕込み工程の詳細を示す図である。第二の紙仕込み工程は、のべ工程、初灰汁工程〜六灰汁工程までを含む。第二の紙仕込み工程における灰汁工程は、和紙(たとえば、雁皮紙)に灰汁や柿渋を含ませることにより、箔打ち工程で使用可能な強度を持った箔打紙を作成するための工程である。
箔打ち工程は、箔打紙と上澄とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、上澄を作成する工程である。箔打ち工程は、上澄が所望の厚さ(10000分の1〜2mm。すなわち、金箔)になるまで箔打紙を換えて複数回行われる。箔打ちで使用する打ち機は、灰汁打ち工程等で使用する打ち機と機構は同様であるが、ハンマーの径や叩く速度が異なっている。本実施形態では、コラーゲンが添加された箔打紙と上澄とを重ねて叩くことにより、箔打紙に含まれるコラーゲンが上澄に付着する。すなわち、完成した金箔は、コラーゲンを含有している。本実施形態における箔打ち工程は、「美容成分を含有させる工程」を含んでいる。
箔移し工程は、箔打ちされた金箔を所望のサイズに裁断する工程(裁断工程)である。具体的には、箔移し工程は、箔打ちされた金箔を一枚ずつ革板に移し、裁断機で裁断する。このような工程により、任意のサイズや形状の金箔を作成することができる。
次に、より簡素な製造方法である断切箔の製造方法について述べる。図4は、断切箔の製造工程を示す工程図である。断切箔の製造工程は、金合わせ工程、延金作成工程、第一の紙仕込み工程、澄打ち工程、第二の紙仕込み工程、箔打ち工程、断切工程を含む。金合わせ工程〜澄打ち工程、及び箔打ち工程は、縁付箔の製造方法と同様であるため詳細な説明を省略する。但し、以下の例では、第一の紙仕込み工程において、美容成分を添加する工程を含まないものとする。
第二の紙仕込み工程は、上澄を加工する際に使用する箔打紙を作成する工程である。ここで、断切箔における第二の紙仕込み工程は、グラシン紙にカーボンを塗布する塗布工程を少なくとも一回有する。このように、断切箔の製造方法においては、グラシン紙にカーボンを塗布するだけで箔打紙を作成する。よって、箔打紙を作成する時間を短縮できることから、作業効率が向上する。
断切工程は、箔打ちされた金箔を所望のサイズに裁断する工程(裁断工程)である。断切工程において、裁断機は、箔打ちされた金箔と和紙を交互に重ねた束を所望のサイズに裁断する。断切工程により、任意のサイズや形状の金箔を複数枚同時に作成することができる。
金箔同士を直接重ねると貼り付いて容易に取れなくなる。よって、裁断された金箔を化粧品として販売等する場合、パッケージングが必要となる。すなわち、裁断された金箔と透明フィルム若しくは紙とを順に重ねてパッケージングを行う工程が必要となる。ここで、透明フィルム若しくは紙に美容成分を予め付着させておくことができる。この場合、パッケージングにより、透明フィルム若しくは紙に付着した美容成分を金箔に付着させることができる。これは、「美容成分を含有させる工程」の一例である。
Claims (10)
- 少なくとも、金箔を製造する工程及び美容成分を含有させる工程を含むことを特徴とする美容成分を含有する金箔の製造方法であって、
前記金箔を製造する工程は、
前記金箔の材料をロール圧延機で圧延し、延金を作成する延金作成工程と、
前記延金を加工する際に使用する澄打紙を作成する第一の紙仕込み工程と、
前記澄打紙と前記延金とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、上澄を作成する澄打ち工程と、
前記上澄を加工する際に使用する箔打紙を作成する第二の紙仕込み工程と、
前記箔打紙と前記上澄とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、金箔を得る箔打ち工程と、
を含み、
前記第一の紙仕込み工程または前記第二の紙仕込み工程の少なくとも一方で実施され、前記澄打紙及び/または前記箔打紙に前記美容成分を添加する添加工程を更に含み、
前記美容成分を含有させる工程は、前記澄打ち工程または前記箔打ち工程の少なくとも一方で実施される、美容成分を含有する金箔の製造方法。 - 前記第一の紙仕込み工程は、前記澄打紙の元となる和紙に水を含ませる紙漬け工程を少なくとも一回含み、
前記添加工程は、前記紙漬け工程において、前記美容成分を混合した前記水を前記和紙に含ませることにより実施され、
前記澄打ち工程において、前記美容成分が添加された澄打紙を用い、前記打ち機で叩くことにより、前記上澄に前記美容成分を含有させることを特徴とする請求項1記載の美容成分を含有する金箔の製造方法。 - 前記第二の紙仕込み工程は、前記箔打紙の元となる和紙に灰汁を含ませる灰汁漬け工程を少なくとも一回含み、
前記添加工程は、前記灰汁漬け工程において、前記美容成分を混合した前記灰汁を前記和紙に含ませることにより実施され、
前記箔打ち工程において、前記美容成分が添加された箔打紙を用い、前記打ち機で叩くことにより、前記金箔に前記美容成分を含有させることを特徴とする請求項1または2記載の美容成分を含有する金箔の製造方法。 - 前記灰汁漬け工程が複数回繰り返される場合に、前記添加工程は、少なくとも最後に行われる灰汁漬け工程において実施されることを特徴とする請求項3記載の美容成分を含有する金箔の製造方法。
- 前記第二の紙仕込み工程は、カーボンをグラシン紙に塗布する塗布工程を少なくとも一回含み、
前記添加工程は、前記塗布工程において、前記グラシン紙に対して前記美容成分を添加することにより実施され、
前記箔打ち工程において、前記美容成分が添加された箔打紙を用い、前記打ち機で叩くことにより、前記金箔に前記美容成分を含有させることを特徴とする請求項1または2記載の美容成分を含有する金箔の製造方法。 - 少なくとも、金箔を製造する工程及び美容成分を含有させる工程を含むことを特徴とする美容成分を含有する金箔の製造方法であって、
前記金箔を製造する工程は、
前記金箔の材料をロール圧延機で圧延し、延金を作成する延金作成工程と、
前記延金を加工する際に使用する澄打紙を作成する第一の紙仕込み工程と、
前記澄打紙と前記延金とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、上澄を作成する澄打ち工程と、
前記上澄を加工する際に使用する箔打紙を作成する第二の紙仕込み工程と、
前記箔打紙と前記上澄とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、金箔を得る箔打ち工程と、
を含み、
作成された前記澄打紙に対して前記美容成分を添加する添加工程を更に含み、
前記澄打ち工程において、前記美容成分が添加された澄打紙を用い、前記打ち機で叩くことにより、前記上澄に前記美容成分を含有させる、美容成分を含有する金箔の製造方法。 - 前記箔打ち工程において、前記美容成分が添加された箔打紙を用い、前記打ち機で叩くことにより、前記金箔に前記美容成分を含有させることを特徴とする請求項6記載の美容成分を含有する金箔の製造方法。
- 少なくとも、金箔を製造する工程及び美容成分を含有させる工程を含むことを特徴とする美容成分を含有する金箔の製造方法であって、
前記金箔を製造する工程は、
前記金箔の材料をロール圧延機で圧延し、延金を作成する延金作成工程と、
前記延金を加工する際に使用する澄打紙を作成する第一の紙仕込み工程と、
前記澄打紙と前記延金とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、上澄を作成する澄打ち工程と、
前記上澄を加工する際に使用する箔打紙を作成する第二の紙仕込み工程と、
前記箔打紙と前記上澄とを交互に重ねた状態で、打ち機で叩くことにより、金箔を得る箔打ち工程と、
を含み、
作成された前記箔打紙に対して前記美容成分を添加する添加工程を更に含み、
前記箔打ち工程において、前記美容成分が添加された箔打紙を用い、前記打ち機で叩くことにより、前記金箔に前記美容成分を含有させる、美容成分を含有する金箔の製造方法。 - 少なくとも、金箔を製造する工程及び美容成分を含有させる工程を含むことを特徴とする美容成分を含有する金箔の製造方法であって、
前記金箔を製造する工程において製造された金箔を所望のサイズに裁断する裁断工程と、
裁断された前記金箔と透明フィルム若しくは紙とを順に重ねてパッケージングを行うパッケージング工程と、
を含み、
前記美容成分を含有させる工程は、前記パッケージングにより、前記透明フィルム若しくは前記紙に付着した美容成分を前記金箔に付着させることで実施される、美容成分を含有する金箔の製造方法。 - 前記美容成分はコラーゲンであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の美容成分を含有する金箔の製造方法。
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