JP6243430B2 - エアカット調整装置 - Google Patents
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Description
まず、本実施形態のエアカット調整装置を備えるCNC(Computer Numerical Control)旋盤の構成について説明する。CNC旋盤は、本発明の「工作機械」の概念に含まれる。図1に、本実施形態のエアカット調整装置を備えるCNC旋盤の内部斜視図を示す。図2に、同CNC旋盤のブロック図を示す。図1、図2に示すように、CNC旋盤1は、エアカット調整装置3と、工具台4と、主軸台6と、ベッド7と、を備えている。図1において、左右方向はZ軸方向(主軸方向)に、前下−後上方向はX軸方向に、各々対応している。
次に、ワーク加工時のCNC旋盤の動きについて説明する。まず、制御装置2は、主軸モータ63Cを駆動する。すなわち、制御装置2は、主軸61、つまりワークWを、自身の軸周りに回転させる。次に、制御装置2は、Z軸モータ45Z、X軸モータ45Xを駆動する。すなわち、刃物台40、つまり任意の刃具T1〜T10(図1の場合は刃具T3)を、移動させる。任意の刃具T3は、予め記憶部20に格納されているプログラムに従って、所定の軌道で移動する。
次に、本実施形態のエアカット調整装置が実行するエアカット調整方法について説明する。エアカット調整方法は、図3に示す減速位置β(接近区間aとエアカット区間bとの切換位置)を調整するために実行される。
図5に示すように、プログラム編集画面80aは、プログラム欄800と、測定回数欄801と、安全率欄802と、一括時間指定欄803と、一括距離指定欄804と、測定結果欄805と、上書き指定ボタン806と、別保存指定ボタン807と、保存決定ボタン808と、次画面切替ボタン809と、終了ボタン810と、プログラムスクロールバー811と、を有している。なお、現時点において、測定回数欄801、安全率欄802、一括時間指定欄803、一括距離指定欄804、測定結果欄805は空欄である。
本工程においては、作業者が、エアカット時間、エアカット距離の測定条件を入力する。具体的には、作業者は、図5に示す測定回数欄801に、図2に示すハードボタン81を介して、測定回数(10回)を入力する。入力された測定回数は、記憶部20に格納される。入力により、今後加工する100個のワークWのうち、最初の10個のワークW加工時に、エアカット時間、エアカット距離の測定が実行されることになる。
本工程においては、CNC旋盤1が、10個のワークWを実際に加工する。この際、刃具T3は、図3に示す軌道を、10回繰り返して周回する。図2に示す演算部21は、任意の1個のワークWの加工時に、合計二回(M500、M501)、エアカット時間、エアカット距離の測定を行う。測定されたエアカット時間、エアカット距離は、記憶部20に格納される。
本工程においては、図2に示す演算部21が、図5、図6に示すプログラム編集画面80aの測定結果欄805に、エアカット時間、エアカット距離の測定結果を表示する。図6に示すように、測定結果欄805は、上下二つの表示領域82と、結果欄スクロールバー83と、を備えている。作業者は、結果欄スクロールバー83を介して、表示領域82をスクロールさせることができる。
本工程は、任意で実行可能である。本工程は、手動更新ステップと、選択ステップと、書込ステップと、を有している。
本ステップは、選択ステップ、書込ステップに対して、任意で実行可能である。本ステップにおいては、作業者が、目標時間欄825の目標時間、目標距離欄826の目標距離を、手動で更新することができる。すなわち、図2に示す演算部21が演算した目標時間(0.9sec)、目標距離(0.075mm)を、作業者は手動で更新することができる。
本ステップにおいては、作業者が、図6に示す時間基準補正後減速位置(G0X14.95,Z10.0)および距離基準補正後減速位置(G0X14.98,Z10.0)の中から、採用したい補正後減速位置を選択する。
本ステップにおいては、図2に示す演算部21が、作業者の選択結果を、プログラムに反映させる。具体的には、作業者が書込ボタン829にタッチすると、図2に示す演算部21は、作業者の選択結果(本例の場合は、時間基準補正後減速位置(G0X14.95,Z10.0))を、プログラム欄800のプログラムに反映させる。すなわち、補正前減速位置(G0X15.0Z10.0)を、時間基準補正後減速位置(G0X14.95,Z10.0)に、書き換える。
本工程は、任意で実行可能である。本工程においては、作業者が、減速位置β補正後のプログラムを図2に示す記憶部20に保存する。具体的には、既存のプログラムを更新したい場合、まず、作業者は、図5に示す上書き指定ボタン806にタッチする。次に、作業者は、保存決定ボタン808にタッチする。演算部21は、記憶部20の既存のプログラムを、減速位置β補正後のプログラムに、更新する。
次に、本実施形態のエアカット調整装置の作用効果について説明する。本実施形態のエアカット調整装置3によると、エアカット時間、エアカット距離の測定は、実際のワークWの加工時に実行される。このため、ワークWの加工に先立って、超音波センサなどを用いて、距離を測定する必要がない。したがって、簡単にエアカット時間、エアカット距離を調整することができる。よって、簡単にワークWのサイクルタイムを短縮することができる。また、本実施形態のエアカット調整装置3によると、実際のワークWの寸法を、減速位置βの補正に反映させることができる。
以上、本発明のエアカット調整装置3の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
2:制御装置、20:記憶部、21:演算部、22:入出力インターフェイス。
3:エアカット調整装置。
4:工具台、40:刃物台、41:タレット装置、42:X軸下スライド、43:Z軸スライド、44:Z軸下スライド、45X:X軸モータ、45Z:Z軸モータ。
6:主軸台、60:本体、61:主軸、62:チャック、63C:主軸モータ。
7:ベッド、70:傾斜部。
8:ディスプレイ(表示装置、入力装置)、80:画面、80a:プログラム編集画面、80b:プログラム軌跡表示画面、81:ハードボタン、82:表示領域、83:結果欄スクロールバー、85:軌跡欄、86:データ出力ボタン、87:リターンボタン、800:プログラム欄、801:測定回数欄、802:安全率欄、803:一括時間指定欄、804:一括距離指定欄、805:測定結果欄、806:上書き指定ボタン、807:別保存指定ボタン、808:保存決定ボタン、809:次画面切替ボタン、810:終了ボタン、811:プログラムスクロールバー、820:Mコード欄、821:最短時間欄、822:最短距離欄、823:時間基準補正後減速位置欄、824:距離基準補正後減速位置欄、825:目標時間欄、826:目標距離欄、827:時間選択欄、828:距離選択欄、829:書込ボタン。
α:待機位置、β:減速位置、γ:当接位置、A:初期移動区間、B1:第一加工区間、B2:第二加工区間、B3:第三加工区間、C1:第一中間移動区間、C2:第二中間移動区間、D:終期移動区間、E1:第一加工部位、E2:第二加工部位、E3:第三加工部位、T1〜T10:刃具、W:ワーク、a:接近区間、b:エアカット区間、c:離間区間。
Claims (8)
- 所定のプログラムにしたがって、刃具の移動速度を減速する減速位置と、減速した該刃具がワークに当接する当接位置と、を有するエアカット区間を経由して該刃具を移動させ、該ワークに加工を施す工作機械に用いられ、該減速位置を補正してエアカットを調整するエアカット調整装置であって、
前記エアカット区間における前記刃具の移動時間をエアカット時間、
該エアカット区間における該刃具の移動距離をエアカット距離、
該エアカット時間および該エアカット距離のうち、少なくとも一方を、エアカット値として、
前記ワークの加工時に取得される該エアカット値の測定値と、該エアカット値の目標値と、に基づいて、該減速位置の補正量を演算する制御装置を備えるエアカット調整装置。 - 前記ワークの加工は、複数回実行され、
前記測定値は、複数回測定される該エアカット値の代表値である請求項1に記載のエアカット調整装置。 - 前記代表値は、複数回測定される前記エアカット値の最小値である請求項2に記載のエアカット調整装置。
- 前記エアカット値の前記目標値は、前記代表値に安全率を加味して設定される請求項2または請求項3に記載のエアカット調整装置。
- 前記制御装置は、前記減速位置を含むプログラムが格納された記憶部と、該減速位置の前記補正量を演算し該プログラムの該減速位置を書き換え可能な演算部と、を有する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエアカット調整装置。
- 前記補正量により補正される前の前記減速位置を補正前減速位置、
該補正量により補正された後の該減速位置を補正後減速位置として、
前記エアカット値の前記測定値と、該エアカット値の前記目標値と、該補正前減速位置と、該補正後減速位置と、を表示する表示装置を備える請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のエアカット調整装置。 - 前記エアカット値の前記目標値を更新可能な入力装置を備え、
該目標値が更新された場合、
前記制御装置は、更新後の該エアカット値の該目標値に対応するように、前記補正量を再演算し、
前記表示装置は、更新後の該エアカット値の該目標値と、再演算された該補正量に基づく前記補正後減速位置と、を表示する請求項6に記載のエアカット調整装置。 - 前記エアカット値は、前記エアカット時間および前記エアカット距離であり、
該エアカット時間に基づく前記補正量による前記補正後減速位置を時間基準補正後減速位置、
該エアカット距離に基づく前記補正量による前記補正後減速位置を距離基準補正後減速位置として、
前記入力装置は、前記制御装置が前記プログラムの前記減速位置を書き換える際に、該時間基準補正後減速位置および該距離基準補正後減速位置のうち、どちらを用いるかを選択可能であり、
前記表示装置は、該時間基準補正後減速位置および該距離基準補正後減速位置の選択状態を表示する請求項7に記載のエアカット調整装置。
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