JP6243262B2 - 可変容量形ベーンポンプ - Google Patents

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本発明は、可変容量形ベーンポンプに関する。
例えば、特許文献1には、自動車の変速機に適用される可変容量形ベーンポンプが開示されている。
この特許文献1の可変容量形ベーンポンプは、ポンプハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、駆動軸により回転駆動されるロータと、ロータの外周に進退可能に設けられた複数のベーンと、ロータ及び各ベーンの外周側を囲うとともに、駆動軸に対する偏心量を可変可能にポンプハウジングのポンプ要素収容部内に配置され、ロータ及び各ベーンと複数のポンプ室を形成するカムリングと、カムリングとポンプ要素収容部との間に形成され、偏心量が増大する側に当該カムリングが移動するときに容積が減少する第1流体圧力室(第1制御室)と、カムリングとポンプ要素収容部との間に形成され、偏心量が増大する側に当該カムリングが移動するときに容積が増大する第2流体圧力室(第2制御室)と、第1流体圧力室及び第2流体圧力室の圧力をポンプ室から吐出された作動油を用いて制御することでカムリングの偏心量を可変可能な圧力制御手段と、を有し、カムリングの駆動軸に対する偏心量に基づき各ポンプ室の容積を変更することで、吐出流量を可変するものである。
特開2012−163040号公報
このような従来の可変容量形ベーンポンプにおいては、駆動軸に対するカムリングの偏心量が最大となった際に、第1流体圧力室内の油圧に応じた荷重がカムリングを介してポンプ要素収容部の内周面に作用することになる。従って、第1流体圧力室に導入される作動油の油圧が高くなるほど、カムリングとポンプ要素収容部とが当接する部位に集中的に加わる荷重が大きくなる。そのため、第1流体圧力室に導入される油圧が高くなるほど、カムリングの偏心量が最大となった際に、ポンプハウジングが変形し易くなる虞がある。
本発明の可変容量形ベーンポンプは、ポンプハウジングを構成する第1ハウジングの筒状部が、ストッパ部を含む駆動軸周方向に沿った所定範囲に厚肉部を有し、上記厚肉部の肉厚は、駆動軸の軸心を挟んで上記ストッパ部の反対側となる位置の駆動軸周方向両側に位置する第1ボス部と第2ボス部に挟まれた範囲における上記筒状部の肉厚よりも厚くなるように設定され、上記厚肉部は、上記複数のボス部のうち上記ストッパ部を駆動軸周方向両側に位置する第3ボス部と第4ボス部に挟まれた範囲に形成され、上記第3ボス部及び上記第4ボス部は、上記第1ハウジングに上記第2ハウジングを取り付けるためのボルトが挿入される取り付けボス部であって、上記ロータの回転に伴い上記各ポンプ室の内部容積が増大する吸入領域における上記ポンプ要素収容部の内周面に、上記カムリングが揺動可能に接触する揺動支持部を備え、上記第3ボス部は、駆動軸周方向で上記ストッパ部と上記揺動支持部との間に位置し、上記駆動軸に対する上記カムリングの偏心量が最大となった際に、上記カムリングから上記ストッパ部が受ける力のベクトルと、上記カムリングから上記揺動支持部が受ける力のベクトルとの合成ベクトルの方向が、駆動軸周方向で、上記第3ボス部のボルト穴の中心よりも上記揺動支持部側に位置するように、上記ストッパ部が設けられていることを特徴としている。駆動軸の軸心を挟んでストッパ部の反対側に位置する部分が変形することに起因する厚肉部の曲げ変形と、カムリングがストッパ部に当接することで厚肉部に入力される荷重に起因する厚肉部の曲げ変形とは、その曲げ方向が逆向きになる。
本発明によれば、厚肉部における曲げ変形を抑制することができ、カムリングが当接するストッパ部の周辺位置における第1ハウジングの剛性を向上させることができる。
本発明に係る可変容量形ベーンポンプの駆動軸軸方向に沿った断面図。 図1のA−A線に沿った断面図。 本発明の第1実施例における可変容量形ベーンポンプの斜視図。 ポンプハウジングを構成する第1ハウジングを示した説明図であって、(a)が平面図、(b)が正面図である。 ポンプハウジングに作用する力を模式的に示した説明図。 本発明の第2実施例における可変容量形ベーンポンプの斜視図 本発明の第3実施例における可変容量形ベーンポンプの要部断面図。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図5は、本発明の第1実施例における可変容量形べーンポンプ1(以下、単にポンプ1と記す)を示している。図1は、駆動軸軸方向に沿ったポンプ1の断面図、図2は、図1のA−A線に沿った断面図、図3はポンプ1の斜視図、図4はポンプハウジング2を構成する第1ハウジング11を示した説明図、図5はポンプハウジング2に作用する力を模式的に示した説明図である。このポンプ1は、例えば自動車に搭載された無段変速機(CVT)の油圧供給源として用いられるものである。
ポンプ1は、内部にポンプ要素収容部3が形成されたポンプハウジング2と、ポンプハウジング2に回転可能に支持された駆動軸4と、ポンプ要素収容部3内に駆動軸4の軸心C1に対する偏心量(以下、単に「偏心量」と記す)を可変可能に収容される略円環状のカムリング5と、カムリング5の内周側に位置し、外周に進退可能な複数のベーン7が取り付けられたロータ6と、作動油の吐出流量を制御可能の制御弁8と、から大略構成されている。なお、本実施例におけるポンプ要素は、ロータ6と複数のベーン7である。
ポンプハウジング2は、有底筒状の第1ハウジング11と、第1ハウジング11の開口部分を閉塞する第2ハウジング12と、第1ハウジング11内に収容保持される略円環状のアダプタリング13と、を有している。
第1ハウジング11は、例えばアルミニウム合金等からなり、略円筒状の筒状部14と、筒状部14の一端側を閉塞する底壁部15と、筒状部14の外周側に突出形成された複数のボス部と、を有している。
筒状部14は、その内側に環状のアダプタリング13が挿入されている。アダプタリング13は、ピン部材37によって筒状部14内に固定されている。ピン部材37は、その一端部が第1ハウジング11の底壁部15に差し込まれている。
上記ボス部は、第1ハウジング11に第2ハウジング12を締結するボルト16が挿入される取り付けボス部17と、ポンプハウジング2をポンプ1搭載位置周囲の他部材に固定するためのボルト(図示せず)が挿入されるハウジング固定ボス部18と、からなっている。換言すると、上記ボス部は、筒状部14の他端側に形成されてその上端面が筒状部14の他端面の一部を構成する取り付けボス部17と、筒状部14の一端側に形成されて筒状部14の他端面とは筒状部軸方向でオフセットするように形成されたハウジング固定ボス部18と、から構成されている。
本実施例における複数のボス部は、5つの取り付けボス部17と1つのハウジング固定ボス部18であり、これら複数のボス部が、駆動軸周方向(筒状部周方向)に沿って互いに重なりあわないように設けられている。
第1ボス部としての第1取り付けボス部17aは制御弁8のプラグ70(後述)に隣接して位置し、第2ボス部としての第2取り付けボス部17bは駆動軸周方向(筒状部周方向)で第1取り付けボス部17aの隣に位置し、第3ボス部としての第3取り付けボス部17cは制御弁8のソレノイド72(後述)に隣接して位置し、第4ボス部としての第4取り付けボス部17dは駆動軸4を挟んで第1取り付けボス部17aの反対側に位置し、第5ボス部としてのハウジング固定ボス部18は第3取り付けボス部17cと第4取り付けボス部17dの間に位置し、第5取り付けボス部17eは駆動軸4を挟んで第3取り付けボス部17cの反対側に位置している。各ボス部17a、17b、17c、17d、17e、18には、それぞれボルト挿入用のボルト穴19a、19b、19c、19d、19e、20が形成されている。第2取り付けボス部17bに挿入されるボルト(図示せず)は、ポンプハウジング2を搭載位置周囲の他部材に固定するボルトを兼ねている。
なお、ハウジング固定ボス部18は、図3に示すように、その基端が筒状部14の外周面に近づくほど、駆動軸軸方向に沿った肉厚が厚くなるよ形成されている。すなわち、ハウジング固定ボス部18の上端面は、筒状部14側となる基端側が傾斜面21となっており、筒状部14に近づくほどハウジング固定ボス部18の肉厚が厚くなっている。そのため、ハウジング固定ボス部18は、その基端の剛性を向上させることができ、筒状部14と連続する部分への応力集中を緩和できる構成となっている。
第2ハウジング12は、例えばアルミニウム合金等からなり、第1ハウジング11側の端面に略円柱形状の突出部12aを有している。この突出部12aは、第1ハウジング11の筒状部14の開口端内周面に嵌合する。
駆動軸4は、図示せぬ車両の内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動されるものであって、ポンプ要素収容部3を貫通している。駆動軸4は、図2における矢示方向(時計回り)に回転する。この駆動軸4は、第1ハウジング11の底壁部15に貫通形成された第1軸穴22に設けられた第1軸受23と、第2ハウジング12に貫通形成された第2軸穴24に設けられた第2軸受25に回転可能に支持されている。第1軸受23及び第2軸受25は、いわゆるメタル軸受であり、第1軸受23及び第2軸受25と駆動軸4との間に介在する作動油によって、両者間の潤滑が行われる。第1軸受23及び第2軸受25の内周面には、それぞれ駆動軸4との摺動に伴って作動油をポンプ1外に排出する螺旋状溝26が形成されている。
アダプタリング13は、例えば、鉄系金属材料からなり、その内周面が筒状部14の他端側に開口するポンプ要素収容部3の内周面となっている。アダプタリング13の内周面には、駆動軸径方向(アダプタリング軸方向)に突出形成されたストッパ部31と、カムリング5を揺動可能に支持する平面状の支持面32と、駆動軸周方向(アダプタリング周方向)で支持面32と連続し、駆動軸軸方向(アダプタリング軸方向)に沿って延びる断面略円弧状の円弧状溝部33と、アダプタリング13中心を挟んで円弧状溝部33の略反対側の位置に形成された駆動軸軸方向(アダプタリング軸方向)に沿って延びるシール用溝部34と、カムリング5を常時付勢するコイルスプリング35の一端が収容される凹部36と、が形成されている。
ストッパ部31は、カムリング5の偏心量が最大となるときにカムリング5の外周面と当接するものであり、第3取り付けボス部17cと第4取り付けボス部17dの略中央に位置するよう設定されている。
円弧状溝部33は、略円柱形状のピン部材37を保持している。ピン部材37は、カムリング5の揺動を支持するとともに、カムリング5のアダプタリング13に対する回り止めとしての機能を有している。つまり、支持面32とピン部材37が、カムリング5が揺動可能に接触する揺動支持部に相当する。なお、本実施例おける支持面32及び円弧状溝部33は、ロータ6の回転に伴いポンプ室49(後述)の内部容積が減少する吐出領域に位置するように設定される。
シール用溝部34には、カムリング5の外周面に密着するシール部材38が配置されている。ピン部材37とシール部材38により、アダプタリング13とカムリング5の径方向間にカムリング5の揺動制御に関わる第1流体圧力室41と第2流体圧力室42とが形成される。第1流体圧力室41は、偏心量が増大する側にカムリング5が移動するときに容積が減少する。第2流体圧力室42は、偏心量が増大する側にカムリング5が移動するときに容積が増大する。
凹部36は、アダプタリング13の内周面に形成された凹みであり、アダプタリング13の一端面から駆動軸軸方向(アダプタリング軸方向)に沿った所定範囲に形成されている。
カムリング5は、鉄系金属材料からなり、アダプタリング13の内側に収容される。カムリング5の外周面には、ピン部材37と係合する係合溝43と、コイルスプリング35の他端を収容する凹部44が形成されている。カムリング5は、係合溝43にピン部材37が係合することで、第1流体圧力室41側または第2流体圧力室42側への揺動が可能な状態でアダプタリング13に支持される。またカムリング5は、コイルスプリング35によって偏心量が最大となる方向、すなわち第1流体圧力室41側へ常時付勢されている。
ロータ6は、駆動軸4の外周に一体回転可能にスプライン結合され、カムリング5の内周側に回転可能に収容されている。ロータ6の外周部には、駆動軸周方向(ロータ周方向)に沿って等間隔に複数のスロット45が形成されている。これら各スロット45には、それぞれ矩形板状のベーン7が進退可能に収容されている。スロット45の内端部とベーン7の基端部との間には、背圧室46が形成されている。
ロータ6及び各ベーン7は、第2ハウジング12の突出部12aと、ポンプ要素収容部3に配置された円板状のプレッシャプレート47の間に保持される。プレッシャプレート47は、底壁部15に隣接して第1ハウジング11の筒状部14内に配置される。プレッシャプレート47は、その中心部分に、駆動軸4が貫通する貫通穴48が形成されている。
このように、カムリング5とロータ6との間には、隣接する一対のベーン7、7と、プレッシャプレート47と、第2ハウジング12の突出部12aと、によって複数のポンプ室49が形成されており、カムリング5の揺動により各ポンプ室49の容積が増減する。
ロータ6と対向するプレッシャプレート47の一側面うちロータ6の回転に伴って各ポンプ室49の内部容積が漸次拡大する領域(吸入領域)には、吸入ポート51と背圧ポート52が形成されている。また、ロータ6と対向する第2ハウジング12の突出部12aの端面のうち上記吸入領域には、吸入ポート53が形成されている。吸入ポート51、53は、それぞれ駆動軸周方向に沿った略円弧形状の溝である。プレッシャプレート47側の吸入ポート51は、吸入穴54を介して、第1ハウジング11の底壁部15に開口形成された第1低圧室55と連通している。第2ハウジング12側の吸入ポート53は、第2ハウジング12に形成された第2低圧室56と連通している。
第1低圧室55は、筒状部14側面に駆動軸径方向外側に向かって開口する吸込口57と連通している。換言すると、吸込口57は、各ポンプ室49のうちロータ6の回転に伴い容積が増大する吸入領域にある複数のポンプ室49と連通している。第2低圧室56は、第1ハウジング11から第2ハウジング12へと連続するバイパス通路を介して吸込口57と連通している。
上記バイパス通路は、第1ハウジング11の筒状部14に形成された第1バイパス通路58と、第2ハウジング12に形成された図示せぬ第2バイパス通路とから構成されている。第1バイパス通路58は、一端が吸込口57と連通し、他端が第2ハウジング12が取り付けられる筒状部14の他端面に開口している。この第1バイパス通路58は、図4に示すように、駆動軸軸方向視で、吸込口57の中心位置を含まずに当該吸込口57とオーバーラップするよう形成されている。そのため、第1バイパス通路58の他端開口の大きさが抑制され、その分筒状部14の他端側の肉厚を確保することが可能となり、第1ハウジング11の筒状部14の変形を抑制する上で有利な構成となっている。上記第2バイパス通路は、一端が第1バイパス通路58の他端位置に開口し、他端が第2低圧室56に開口している。なお、図4中の直線Lcは、吸込口57の中心位置を示すものである。
背圧ポート52は、駆動軸周方向に沿った略円弧形状の溝であって、スロット45の内端部とベーン7の基端部との間に形成された複数の背圧室46と連通するように形成されるとともに、高圧室65(後述)より作動油が供給されている。
ロータ6と対向するプレッシャプレート47の一側面のうちロータ6の回転に伴って各ポンプ室49の内部容積が漸次減少する領域(吐出領域)に、吐出ポート61と背圧ポート62が形成されている。また、ロータ6と対向する第2ハウジング12の突出部12aの端面のうち上記吐出領域には、吐出ポート63が形成されている。これら吐出ポート61、63は、それぞれ駆動軸周方向に沿った略円弧形状の溝である。プレッシャプレート47側の吐出ポート61は、吐出穴64を介して、第1ハウジング11の底壁部15に開口形成された高圧室65と連通している。高圧室65内の作動油は、第1ハウジング11の内部に形成された図示せぬ吐出通路を介してポンプ1外へと吐出される。
背圧ポート62は、駆動軸周方向に沿った略円弧形状の溝であって、スロット45の内端部とベーン7の基端部との間に形成された複数の背圧室46と連通するように形成されるとともに、高圧室65より作動油が供給されている。
制御弁8は、第1ハウジング11内部に形成された円形断面の弁穴68内に摺動可能に収容されたスプール弁体(スプール弁)69と、弁穴68の一端側を閉塞するプラグ70と、プラグ70とスプール弁体69の間に介装されたバルブスプリング71と、弁穴68の他端側を閉塞し、かつ図示せぬプッシュロッドがスプール弁体69と連係するソレノイド72と、ソレノイド72に電力を供給する電力供給線としてのハーネス73と、から大略構成されている。
この制御弁8は、スプール弁体69の第1ランド部74によって画成されたソレノイド72側の第1制御室75に図示せぬメータリングオリフィスの上流側から作動油が供給されるとともに、スプール弁体69の第2ランド部76によって画成されたプラグ70側の第2制御室77に図示せぬメータリングオリフィスの下流側から作動油が供給されている。上記メータリングオリフィスは、ポンプ室49の下流側に設けられるものである。なお、第1ランド部74と第2ランド部76の間に画成される中間室78は、図示せぬ連通穴を介して外部と連通しており、常に低圧に維持されている。
制御弁8は、上記メータリングオリフィスの前後差圧とバルブスプリング71の付勢力とによってスプール弁体69の軸方向位置が制御可能になっている。
第1制御室75と第2制御室77との圧力差が比較的小さく、スプール弁体69がソレノイド72側に位置するときは、第1連通路79を介して第1流体圧力室41と中間室78とが連通し、第2連通路80を介して第2流体圧力室42と第2制御室77とが連通することになる。その結果、カムリング5は第2流体圧力室42内の油圧とコイルスプリング35の付勢力とにより偏心量が増加する側に揺動し、ポンプ1の吐出量は増大する。
一方、第1制御室75と第2制御室77との圧力差が増大し、スプール弁体69がバルブスプリング71の付勢力に抗してプラグ70側へ移動すると、第1連通路79を介して第1流体圧力室41と第1制御室75とが連通し、第2連通路80を介して第2流体圧力室42と中間室78とが連通することになる。その結果、カムリング5は第1流体圧力室41内の油圧によりコイルスプリング35の付勢力に抗して偏心量が減少する側に揺動し、ポンプ1の吐出量は減少する。
また、ソレノイド72によりスプール弁体69を軸方向に駆動制御することで、メータリングオリフィスの前後差圧によらずにスプール弁体69の軸方向位置を制御し、ポンプ1の吐出量を制御することも可能である。
ここで、ポンプ1は、自動変速機の内部で作動油に浸漬されるものであり、パワーステアリング用の可変容量形ベーンポンプの使用環境に比べて、作動油内にエアやコンタミ等の混入が多い。そこで、制御性の観点から、第1流体圧力室41にメータリングオリフィス上流の作動油を供給し、第2流体圧力室42にメータリングオリフィス下流の作動油を供給する構成となっている。
そのため、駆動軸に対するカムリング5の偏心量が最大となった際には、第2流体圧力室42内の油圧がカムリング5を介してポンプ要素収容部3の内周面に作用することになる。その結果、カムリング5とポンプ要素収容部3とが当接するストッパ部31に大きな荷重が作用することになり、ポンプハウジング2が変形してしまう虞がある。
また、ポンプハウジング2の外観形状(外径)が制約される場合、ポンプハウジング2の剛性を上げるためには、アダプタリング13と第1ハウジング11の筒状部14の双方の剛性をバランスさせる必要がある。
そこで、本実施例のポンプ1は、第1ハウジング11の筒状部14に、ストッパ部31の外周側の位置を含む駆動軸周方向に沿った所定範囲に相対的に肉厚が厚くなった厚肉部81を有している。詳述すると、厚肉部81は、ストッパ部31の駆動軸周方向の両側に位置する第3取り付けボス部17cと第4取り付けボス部17dとの間に形成されている。この厚肉部81の肉厚は、駆動軸周方向で第1取り付けボス部17aと第2取り付けボス部17bに挟まれた範囲における筒状部14の肉厚よりも厚くなるように設定されている。つまり、駆動軸4の軸心C1を挟んでストッパ部31の反対側となる位置の駆動軸周方向両側に位置する第1取り付けボス部17aと第2取り付けボス部17bに挟まれた範囲における筒状部14の肉厚よりも厚くなるよう設定されている。
筒状部14において、駆動軸4の軸心C1を挟んでストッパ部31の反対側に位置する部分は相対的に薄肉となっているため、ポンプ要素収容部3内の内圧を均等に受けて変形する際には略均等に拡径する。
この駆動軸4の軸心C1を挟んでストッパ部31の反対側に位置する部分の変形により、筒状部14のストッパ部31側の部分は、全体として図5中の両端矢印Qで示す方向に変形することになり、この変形により、厚肉部81の駆動軸径方向外側部分では圧縮の応力が、厚肉部81の駆動軸径方向内側部分では引っ張りの応力がそれぞれ生じる。
一方、カムリング5の偏心量が最大となってカムリング5がストッパ部31に当接すると、筒状部14の厚肉部81には図5中の矢印Rで示す方向(駆動軸径方向外側)に向かう荷重が作用する。この矢印Rに示す荷重入力により、厚肉部81の駆動軸径方向外側部分には引っ張りの応力が、厚肉部81の駆動軸径方向内側部分には圧縮の応力が生じることになる。
つまり、駆動軸4の軸心C1を挟んでストッパ部31の反対側に位置する部分がポンプ要素収容部3内の内圧を均等に受けて変形することに起因する厚肉部81の曲げ変形と、カムリング5がストッパ部31に当接することで厚肉部81に入力される荷重に起因する厚肉部81の曲げ変形とは、その曲げ方向が逆向きになる。
そのため、本実施例においては、厚肉部81における曲げ変形を抑制することができ、カムリング5が当接するストッパ部31の周辺位置における第1ハウジング11の剛性を向上させることができる。また、筒状部14の変形が抑制されることで、筒状部14の内周側に配置されたアダプタリング13の変形が抑制され、アダプタリング13の過度な変形を抑制することができる。
また、厚肉部81の肉厚が均一となるように形成されているので、ストッパ部31に加わる荷重による応力集中を緩和することができる。
第1取り付けボス部17aと第2取り付けボス部17bに挟まれた範囲における筒状部14の肉厚は均一となるよう形成されている。そのため、駆動軸4の軸心C1を挟んでストッパ部31の反対側に位置する部分がポンプ要素収容部3内の内圧を均等に受けた際の変形(拡径変形)の均一化を図ることができる。
また、例えば、第1ハウジング11の筒状部14を貫通するリテーナによってコイルスプリングの一端を保持するような構成では、リテーナが挿入される貫通穴が筒状部14に形成されることになり、ストッパ部31の反対側となる位置の筒状部14の剛性が不均一となってしまい、本実施例のように、拡径変形の均一化を図ることができなくなる虞がある。
しかしながら本実施例では、アダプタリング13の内周面に形成した凹部36でコイルスプリング35を保持するため、筒状部14に貫通穴を設けることなくコイルスプリング35を保持することが可能となっている。そのため、駆動軸4の軸心C1を挟んでストッパ部31の反対側となる位置を含む駆動軸周方向に沿った所定範囲における第1ハウジング11の剛性の均一化を図ることができる。つまり、駆動軸4の軸心C1を挟んでストッパ部31の反対側に位置する部分がポンプ要素収容部3内の内圧を均等に受けた際の変形(拡径変形)の均一化を図ることができる。
さらに、筒状部14は、厚肉部81よりも一端側となる位置の外周面に、厚肉部81に比べて外径寸法が小さくなる外周凹部82が形成されている。そして、この外周凹部82に沿うように、ソレノイド72に電力を供給するハーネス73が配置されている。そのため、ハーネス73を含むポンプ1の外形寸法の大型化が抑制され、レイアウト性の向上を図ることができる。
なお、図2中に破線L2、L3で示すように、第3取り付けボス部17cと第4取り付けボス部17dとの間において、厚肉部81の外周側形状の一部を駆動軸軸方向視で略直線上となるように形成するようにしてもよい。詳述すると、厚肉部81の外周側形状の一部を、第3取り付けボス部17cのボルト穴19cの中心C2と第4取り付けボス部17dのボルト穴19dの中心C3とを通る直線L1と平行で、かつ第3取り付けボス部17cのボルト穴19c及び第4取り付けボス部17dのボルト穴19dよりも外周側に位置するような直線状に形成してもよい。この場合には、第3取り付けボス部17c近傍の厚肉部81の肉厚と、第4取り付けボス部17d近傍の厚肉部81の肉厚を相対的に厚くすることが可能となり、第1ハウジング11と第1ハウジング11の周囲の車両搭載機器との干渉のリスクを抑えつつ、第1ハウジング11(筒状部14)の剛性向上を図ることができる。また、第3取り付けボス部17cと第4取り付けボス部17dとの間において、厚肉部81の外周側形状の全てを駆動軸軸方向視で略直線上となるように形成してもよい。
以下、本発明の他の実施例について説明するが、上述した第1実施例と同一の構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図6は、本発明の第2実施例における可変容量形べーンポンプ91(以下、単にポンプ91と記す)を示している。第2実施例のポンプ91は、上述した第1実施のポンプ1と略同一構成となっているが、厚肉部81の肉厚が駆動軸軸方向に沿って一定ではなく、筒状部14の他端側寄りの部分が相対的に厚くなり、厚肉部81の外形寸法が筒状部14の他端側寄りの部分で相対的に大きくなるよう、駆動軸軸方向で肉厚が段階的に変化するよう形成されている。
このような第2実施例においては、カムリング5からより大きな荷重入力がある領域において厚肉部81の肉厚を相対的に厚くすることで、駆動軸軸方向に沿った第1ハウジング11(筒状部14)の変形の均一化を図ることができ、その結果カムリング5の傾きが抑制され、カムリング5の作動性を向上させることができる。
また、厚肉部81の肉厚が駆動軸軸方向で肉厚が段階的に変化するような場合、厚肉部81の相対的に薄くなった部分の外周側にソレノイド72に電力を供給するハーネス73を配置すれば、ハーネス73を含むポンプ91の外形寸法が大型化することを抑制することができ、レイアウト性の向上を図ることができる。
次に、図7を用いて本発明の第3実施例における可変容量形べーンポンプ92(以下、単にポンプ92と記す)を説明する。第3実施例のポンプ92は、上述した第1実施例のポンプ1と略同一構成となっているが、カムリング5の偏心量が最大となったときにカムリング5を介して厚肉部81に入力される荷重の入力位置が、第3取り付けボス部17cと第4取り付けボス部17dの中央位置よりも第3取り付けボス部17c側にずれるように、アダプタリング13が筒状部14に組み付けられている。すなわち、駆動軸4に対するカムリング5の偏心量が最大となった際に、カムリング5からストッパ部31が受ける力のベクトルF1と、カムリング5からピン部材37が受ける力のベクトルF2との合成ベクトルFsの方向が、駆動軸軸方向視で、第3取り付けボス部17cのボルト穴19c内に位置し、かつ第3取り付けボス部17cのボルト穴19cの中心C2よりもピン部材37側に位置するように、ストッパ部31が設けられている。
本実施例では、駆動軸4に対するカムリング5の偏心量が最大となった際にカムリング5から上記揺動支持部が受ける力が、ピン部材37の中心Cpに作用するものとしている。
これによって、駆動軸4に対するカムリング5の偏心量が最大となった際に、第1ハウジング11に入力される力の合成ベクトルが第3取り付けボス部17cのボルト穴19cの中心よりもピン部材37側に作用することになり、ストッパ部31に作用する荷重を相対的に減少させることができ、ポンプ性能の維持とストッパ部31の周辺位置における第1ハウジング11の剛性向上との両立を図ることができる。
なお、上記合成ベクトルFsの方向が、駆動軸周方向で、第3取り付けボス部17cのボルト穴19cの中心C2よりもピン部材37側に位置するように、ストッパ部31が設けるようにしても、ストッパ部31に作用する荷重を相対的に減少させることができる。
また、第3取り付けボス部17cと第4取り付けボス部17d間の厚肉部81をいわゆる両端単純支持梁と見なした場合、ストッパ部31が駆動軸周方向で第3取り付けボス部17c側にずれることにより、カムリング5からの荷重入力位置が第3取り付けボス部17cと第4取り付けボス部17d間の中央位置からずれることになる。そのため、カムリング5から厚肉部81に入力される荷重の絶対値は変わらないものの、厚肉部81が変形しにくくなり、見かけ上の荷重を小さくすることができる。
なお、この第3実施例においては、駆動軸4に対するカムリング5の偏心量が最大となった際に、駆動軸軸方向視で、駆動軸4の軸心C1との距離が最大となるカムリング5の内周面の位置P1と、駆動軸4の軸心C1との距離が最小となるカムリング5の内周面の位置P2と、を通る直線を基準線Ldとすると、上記合成ベクトルFsの方向が、基準線Ldに対してロータ6の回転方向に45°以上の角度をなすようになっている。本実施例においては、駆動軸軸方向視で、駆動軸4の軸心C1とボルト穴19cの中心C2を通る直線L4と、基準線Ldとのなす角αが略45°となっている。
駆動軸軸方向視で、駆動軸4の軸心C1とストッパ部31を通る直線L5と、駆動軸4の軸心C1とピン部材37の中心Cpを通る直線L6とがなす角度は、通常90°程度であるため、駆動軸4に対するカムリング5の偏心量が最大となった際の合成ベクトルFsの方向が、この90°の半分である45°よりもピン部材37側となるように設定しても、上記合成ベクトルFsが第3取り付けボス部17cのボルト穴19cを指向することになるため、ストッパ部31に作用する荷重を相対的に減少させることができ、ストッパ部31の周辺位置における第1ハウジング11の剛性を向上させることができる。
また、この第3実施例においては、シール部材38が上記位置P2よりも、ロータの回転方向に90°以上進んだカムリング5の内周面に位置するよう設けられている。このように、シール部材38が、カムリング5の内周面の上記位置P2よりも上記位置P1側に偏って位置することにより、ポンプ性能を維持しながら、よりストッパ部31の位置をピン部材37側(揺動支持部側)に寄せることができる。
上述した実施例から把握し得る請求項以外の発明の技術的思想について、その効果とともに以下に列記する。
(請求項a)請求項2に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、上記ボス部は、第1ハウジングに上記第2ハウジングを取り付けるためのボルトが挿入される複数の取り付けボス部と、上記ポンプハウジングを他部材に固定するためのボルトが挿入される複数のハウジング固定ボス部と、からなり、上記厚肉部は、上記ストッパ部の駆動軸周方向の両側に位置する第3ボス部と第4ボス部の間に形成されるものであって、上記第3ボス部と上記第4ボス部は上記取り付けボス部であり、駆動軸軸方向視で、上記厚肉部の外周側形状の少なくとも一部が、上記第3ボス部のボルト穴の中心と上記第4ボス部のボルト穴の中心とを通る直線と平行で、かつ上記第3ボス部のボルト穴及び上記第4ボス部のボルト穴よりも外周側に位置するような直線状に形成されていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。これによって、第3ボス部近傍の厚肉部の肉厚と、第4ボス部近傍の厚肉部の肉厚を相対的に厚くすることが可能となり、第1ハウジングと第1ハウジングの周囲の車両搭載機器との干渉のリスクを抑えつつ、第1ハウジングの剛性向上を図ることができる。
(請求項b)請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、上記厚肉部の肉厚が均一となるよう形成されていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。これによって、ストッパ部に加わる荷重による応力集中を緩和することができる。
(請求項c)上記(請求項a)に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、
上記ハウジング固定ボス部の基端は、上記筒状部の外周面に近づくほど、駆動軸軸方向に沿った肉厚が厚くなるよう形成されていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。これによって、ハウジング固定ボス部は、その基端の剛性を向上させるとともに、応力集中を緩和することができる
(請求項d)請求項3に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、上記筒状部は、上記厚肉部よりも一端側となる位置に、上記厚肉部に比べて外形寸法が小さくなる凹部を有し、上記電力供給線は、上記凹部に配置されることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。これによって、電力供給線を含んだ装置の外形寸法の大型化を更に抑制することができる。
(請求項e)請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、上記駆動軸の軸心を挟んで上記ストッパ部の反対側となる位置を含む上記第1ボス部と上記第2ボス部に挟まれた範囲における上記筒状部の肉厚が均一となるよう形成されていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。これによって、駆動軸の軸心を挟んでストッパ部の反対側に位置する部分がポンプ要素収容部内の内圧を均等に受けた際の変形(拡径変形)の均一化を図ることができる。
(請求項f)請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、上記第1ハウジングは、駆動軸径方向外側に向かって開口し、上記複数のポンプ室のうち上記ロータの回転に伴い容積が増大する吸入領域にある複数のポンプ室と連通する吸込口と、一端が上記吸込口と連通し、他端が上記第2ハウジングが取り付けられる上記筒状部の他端面に開口して上記吸込口から吸入された作動油を上記第2ハウジング側に供給する駆動軸軸方向に沿って延びるバイパス通路と、を有し、上記バイパス通路は、駆動軸軸方向視で、上記吸込口の中心位置を含まずに当該吸込口とオーバーラップするよう形成されていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。これによって、バイパス通路の他端開口の大きさが抑制され、第1ハウジングの変形を抑制することができる。
(請求項g)請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、上記第2流体圧力室内に位置し、上記カムリングの偏心量が増大する側に当該カムリングを付勢するコイルスプリングを有し、上記ポンプ要素収容部の内周面には、上記コイルスプリングの一端側を保持する凹部が形成されていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。これによって、第1ハウジングの筒状部を貫通するリテーナによってコイルスプリングの一端を保持するような構成に対し、筒状部に貫通穴を設けることなくコイルスプリングを保持することが可能となるので、駆動軸の軸心を挟んでストッパ部の反対側となる位置を含む駆動軸周方向に沿った所定範囲における第1ハウジングの剛性の均一化が図られ、駆動軸の軸心を挟んでストッパ部の反対側に位置する部分がポンプ要素収容部内の内圧を均等に受けた際の変形(拡径変形)の均一化を図ることができる。
(請求項h)請求項4に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、上記駆動軸に対する上記カムリングの偏心量が最大となった際の合成ベクトルの方向が、駆動軸周方向で、上記第3ボス部のボルト穴の範囲内に位置するように、上記ストッパ部が設けられていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。これによって、ポンプ性能の維持とストッパ部の周辺位置における第1ハウジングの剛性向上との両立を図ることができる。
(請求項i)請求項5に記載の可変容量形ベーンポンプにおいて、駆動軸軸方向視で上記ポンプ要素収容部と上記カムリングとの間に設けられ、上記吸入領域側で上記第1流体圧力室と上記第2流体圧力室とを画成するシール部材を備え、上記シール部材は、上記駆動軸に対する上記カムリングの偏心量が最大となった際に上記駆動軸の軸心との距離が最小となる上記カムリングの内周面の位置よりも、上記ロータの回転方向に90°以上進んだ上記カムリングの内周面に位置するよう設けられていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。シール部材が、上記駆動軸に対する上記カムリングの偏心量が最大となった際に上記駆動軸の軸心との距離が最小となる上記カムリングの内周面の位置よりも、上記駆動軸に対する上記カムリングの偏心量が最大となった際に上記駆動軸の軸心との距離が最大となる上記カムリングの内周面の位置側に偏って位置することにより、ポンプ性能を維持しながら、よりストッパ部の位置を揺動支持部側に寄せることができる。
1…ポンプ
2…ポンプハウジング
4…駆動軸
5…カムリング
11…第1ハウジング
14…筒状部
17…取り付けボス部
31…ストッパ部
81…厚肉部

Claims (3)

  1. 筒状部の一端が底壁部により閉塞されるとともに、上記筒状部の外周に複数のボス部が突出形成されてなる有底筒状の第1ハウジングと、上記筒状部の他端を閉塞する第2ハウジングと、を備え、上記筒状部内にポンプ要素収容部を有するポンプハウジングと、
    上記ポンプハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、
    上記駆動軸により回転駆動され、外周に進退可能な複数のベーンが取り付けられたロータと、
    上記ロータ及び各ベーンの外周側を囲うとともに、上記駆動軸に対する偏心量を可変可能に上記ポンプ要素収容部内に配置され、上記ロータ及び上記各ベーンと複数のポンプ室を形成するカムリングと、
    上記カムリングと上記ポンプ要素収容部との間に形成され、偏心量が増大する側に当該カムリングが移動するときに容積が減少する第1流体圧力室と、
    上記カムリングと上記ポンプ要素収容部との間に形成され、偏心量が増大する側に当該カムリングが移動するときに容積が増大する第2流体圧力室と、
    上記第1流体圧力室及び上記第2流体圧力室の少なくとも一方の圧力を制御することで上記カムリングの偏心量を可変可能な圧力制御手段と、を備え、
    上記ポンプ要素収容部の内周面に、上記駆動軸に対する上記カムリングの偏心量が最大となるとき当該カムリングの外周面と当接するストッパ部が形成された可変容量形ベーンポンプにおいて、
    上記筒状部は、上記ストッパ部を含む駆動軸周方向に沿った所定範囲に厚肉部を有し、
    上記厚肉部の肉厚は、上記複数のボス部のうち上記駆動軸の軸心を挟んで上記ストッパ部の反対側となる位置の駆動軸周方向両側に位置する第1ボス部と第2ボス部に挟まれた範囲における上記筒状部の肉厚よりも厚くなるよう設定され
    上記厚肉部は、上記複数のボス部のうち上記ストッパ部を駆動軸周方向両側に位置する第3ボス部と第4ボス部に挟まれた範囲に形成され、
    上記第3ボス部及び上記第4ボス部は、上記第1ハウジングに上記第2ハウジングを取り付けるためのボルトが挿入される取り付けボス部であって、
    上記ロータの回転に伴い上記各ポンプ室の内部容積が増大する吸入領域における上記ポンプ要素収容部の内周面に、上記カムリングが揺動可能に接触する揺動支持部を備え、
    上記第3ボス部は、駆動軸周方向で上記ストッパ部と上記揺動支持部との間に位置し、
    上記駆動軸に対する上記カムリングの偏心量が最大となった際に、上記カムリングから上記ストッパ部が受ける力のベクトルと、上記カムリングから上記揺動支持部が受ける力のベクトルとの合成ベクトルの方向が、駆動軸周方向で、上記第3ボス部のボルト穴の中心よりも上記揺動支持部側に位置するように、上記ストッパ部が設けられていることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
  2. 上記駆動軸に対する上記カムリングの偏心量が最大となった際に、駆動軸軸方向視で、上記駆動軸の軸心との距離が最大となる上記カムリングの内周面の位置と、上記駆動軸の軸心との距離が最小となる上記カムリングの内周面の位置と、を通る直線を基準線とすると、
    上記駆動軸に対する上記カムリングの偏心量が最大となった際の合成ベクトルの方向が、上記基準線に対して上記ロータの回転方向に45°以上の角度をなすように、上記ストッパ部が設けられていることを特徴とする請求項に記載の可変容量形ベーンポンプ。
  3. 筒状部の一端が底壁部により閉塞されるとともに、上記筒状部の外周に複数のボス部が突出形成されてなる有底筒状の第1ハウジングと、上記筒状部の他端を閉塞する第2ハウジングと、を備え、上記筒状部内にポンプ要素収容部を有するポンプハウジングと、
    上記ポンプハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、
    上記駆動軸により回転駆動され、外周に進退可能な複数のベーンが取り付けられたロータと、
    上記ロータ及び各ベーンの外周側を囲うとともに、上記駆動軸に対する偏心量を可変可能に上記ポンプ要素収容部内に配置され、上記ロータ及び上記各ベーンと複数のポンプ室を形成するカムリングと、
    上記カムリングと上記ポンプ要素収容部との間に形成され、偏心量が増大する側に当該カムリングが移動するときに容積が減少する第1流体圧力室と、
    上記カムリングと上記ポンプ要素収容部との間に形成され、偏心量が増大する側に当該カムリングが移動するときに容積が増大する第2流体圧力室と、
    上記第1流体圧力室及び上記第2流体圧力室の少なくとも一方の圧力を制御することで上記カムリングの偏心量を可変可能な圧力制御手段と、を備え、
    上記ポンプ要素収容部の内周面に、上記駆動軸に対する上記カムリングの偏心量が最大となるとき当該カムリングの外周面と当接するストッパ部が形成された可変容量形ベーンポンプにおいて、
    上記筒状部は、上記ストッパ部を含む駆動軸周方向に沿った所定範囲に厚肉部を有し、
    上記厚肉部の肉厚は、上記複数のボス部のうち上記駆動軸の軸心を挟んで上記ストッパ部の反対側となる位置の駆動軸周方向両側に位置する第1ボス部と第2ボス部に挟まれた範囲における上記筒状部の肉厚よりも厚くなるよう設定され
    上記筒状部は、駆動軸軸方向に沿った他端側に上記ポンプ要素収容部が開口するものであり、
    上記厚肉部の肉厚は、上記筒状部の他端側寄りの部分が上記筒状部の一端側寄りの部分に比べて厚くなり、
    上記厚肉部の外形寸法は、上記筒状部の他端側寄りの部分が上記筒状部の一端側寄りの部分に比べて大きくなるよう形成され、
    上記圧力制御手段は、上記第1流体圧力室及び上記第2流体圧力室の少なくとも一方に導入される圧力を制御するスプール弁と、該スプール弁を駆動制御するソレノイドと、上記ソレノイドに電力を供給する電力供給線と、を有し、
    上記電力供給線は、上記厚肉部のうち、上記筒状部の一端側寄りの部分の外周側に配置されることを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
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