JP6243185B2 - 日射遮蔽装置 - Google Patents

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Description

本発明は、横型ブラインド、プリーツスクリーン、ロールスクリーン等の日射遮蔽装置に関する。更に詳しくは、横型ブラインド又はプリーツスクリーンのボトムレールや、ロールスクリーンのウエイトバー又はセットバー等の水平方向に延びる水平部材を有する日射遮蔽装置に関するものである。
従来、スクリーンの前後幅の中央部からずれた位置で昇降コードがスクリーンに挿通され、昇降コードの下端にボトムレールが取付けられて、ボトムレールの昇降操作によりスクリーンが昇降可能に構成されたプリーツスクリーンが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このプリーツスクリーンでは、断面縦長のボトムレールに昇降コードが取付けられ、ボトムレール内に錘が収容される。またスクリーンの下端部でボトムレールの室内側の側面が被覆されるとともに、ボトムレールの上面がスクリーンの最下段の折目谷より上方に位置するように構成される。更にスクリーンは、上下方向に多数の折目を設けてジグザグ状に畳み込み可能とした生地の1段おきの折目に接合片が形成され、昇降コードが接合片に挿通され、ボトムレールに取付けられる生地でボトムレールが被覆される。
具体的には、スクリーンの最下段の接合片は昇降コードに挿通されず、最下部の生地の折目山は合成樹脂で形成された板状の生地押さえの先端部を覆うように折り返されて接合される。また接合片より下方の生地は生地押さえを覆った状態でこの生地押さえにより保持される。この結果、スクリーンの下部の生地でボトムレールを室内側の視界からほぼ覆い隠すことができる。従って、ボトムレールを断面縦長としても、その露出を防止して美観を向上できるようになっている。
特許第4845799号公報(請求項1及び2、段落[0037]、[0038]、[0040]、図1)
しかし、上記従来の特許文献1に示されたプリーツスクリーンでは、ジグザグ状のスクリーンの下端部をボトムレール前面に固定しているため、設計変更等によりボトムレールの形状を変更するときに、大幅な設計変更となってしまう不具合があった。
一方、ボトムレール、ウエイトバー、セットバー等の水平部材の美観を向上させるために、これらの水平部材の露出面に粘着剤付きシートを貼付ける方法がある。この方法では、比較的多くの数量を製造しないと、製造コストが増大する問題点がある。また、水平部材の露出面に粘着剤付きシートを貼付けるときに、シートにシワが発生してしまい、作業性が低下するとともに、却って見栄えを損なう問題点もあった。
本発明の第1の目的は、水平部材の露出面をシート部材により比較的容易に被覆することができ、またシート部材により被覆される水平部材を有する製品が多品種かつ少量であっても製造コストの増大を最小限に抑えることができる、日射遮蔽装置を提供することにある。本発明の第2の目的は、水平部材の露出面をシート部材により被覆した後に、このシート部材にシワが発生するのを抑制できる、日射遮蔽装置を提供することにある。
本発明の第1の観点は、図1〜図4に示すように、日射遮蔽体11,12の下端又は上端に沿って設けられ水平方向に延びる水平部材18を備えた日射遮蔽装置において、水平部材18の露出面である室内側の面がシート部材22により被覆され、シート部材22が、水平部材18の露出面である室内側の面を被覆するプラスチック製のシート本体22aと、シート本体22aの長手方向に直交する方向の両端にそれぞれ接着され水平部材18の内部に設けられた一対の被係止部18f,18gにそれぞれ係止する一対の係止部22b,22cとを有することを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図4に示すように、一対の係止部22b,22cが弾性体によりそれぞれ形成され、一対の係止部22b,22cが一対の被係止部18f,18gに弾性変形した状態でそれぞれ係止するように構成されたことを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図3及び図4に示すように、日射遮蔽装置10が鉛直方向に間隔をあけかつ水平方向に延びて設けられた複数のスラット16を有する横型ブラインドであり、水平部材18が複数のスラット16のうち最下段のスラット16の下端に沿って設けられたボトムレールであることを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に日射遮蔽装置が巻取パイプに繰出し可能に巻取られる単一のスクリーンを有するロールスクリーンであり、水平部材が、単一のスクリーンの下端に沿って設けられたウエイトバーであるか、或いは巻取パイプを保持する一対のブラケットに架設されたセットバーであることを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に日射遮蔽装置が水平方向に延びる複数の折目で折畳み可能に展開される単一のスクリーン本体を有するプリーツスクリーンであり、水平部材がスクリーン本体の下端に沿って設けられたボトムレールであることを特徴とする。
本発明の第1の観点の日射遮蔽装置では、水平部材の露出面をシート部材により被覆するとき、シート部材の一対の係止部を、水平部材の内部に設けられた一対の被係止部にそれぞれ係止するだけで済む。この結果、水平部材の露出面をシート部材により比較的容易に被覆することができるとともに、シート部材により被覆される水平部材を有する日射遮蔽装置が多品種かつ少量であっても、その日射遮蔽装置の製造コストの増大を最小限に抑えることができる。
本発明の第2の観点の日射遮蔽装置では、弾性体によりそれぞれ形成された一対の係止部が一対の被係止部に弾性変形した状態でそれぞれ係止するので、水平部材の露出面を被覆するシート本体の両端を一対の係止部が引っ張る方向にテンションが作用し、常にこのテンションの作用した状態が保たれる。この結果、シート本体に殆どシワが発生せず、シワの発生を抑制できるので、シート部材により被覆された水平部材の露出面の見栄えを損なうことはない。
本発明の第3の観点の日射遮蔽装置では、ボトムレールの露出面をシート部材により被覆するとき、シート部材の一対の係止部を、ボトムレールの内部に設けられた一対の被係止部にそれぞれ係止するだけで済む。この結果、ボトムレールの露出面をシート部材により比較的容易に被覆することができるとともに、シート部材により被覆されるボトムレールを有する横型ブラインドが多品種かつ少量であっても、その横型ブラインドの製造コストの増大を最小限に抑えることができる。
本発明実施形態の巻取式横型ブラインドのボトムレールの露出面をシート部材により被覆する手順を示すボトムレールの横断面図である。 一対のスクリーン及び最下段のスラットの下端をボトムレールに取付ける手順を示す要部断面図である。 要部を破断した図4のA矢視図である。 一対のスクリーンを全て繰出して複数のスラットを水平に近い状態に示し要部を破断した図3のB矢視図である。 全て繰出した一対のスクリーンを僅かに巻取って複数のスラットを起立させた状態を示し要部を破断した図3のB矢視図である。 一対のスクリーンを複数のスラットともに全て巻取った状態を示し要部を破断した図3のB矢視図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図3及び図4に示すように、日射遮蔽装置10は、この実施の形態では、巻取式横型ブラインドである。この巻取式横型ブラインド10は、天井に取付けられた支持部材13と、この支持部材13により回動可能に保持された巻取パイプ14と、上端が巻取パイプ14の外周面に取付けられた一対のスクリーン11,12と、一対のスクリーン11,12間にそれぞれ掛け渡された複数のスラット16と、巻取パイプ14を回動させる操作チェーン17と、一対のスクリーン11,12の下端及び最下段のスラットの下端に沿って設けられ水平方向に延びるボトムレール18(水平部材)とを備える。このボトムレール18はアルミニウムやアルミニウム合金等の押出し成形又は引抜き成形により、その長さは第1及び第2スクリーン11,12の幅と略同一に形成される。またボトムレール18は、図1及び図2(c)に詳しく示すように、その横断面において、室内側に略H字状に形成されたH型レール部18aと、窓側に略C字状に形成されたC型レール部18bと、H型レール部18a及びC型レール部18bを間隔をあけて連結しH型レール部18aからC型レール部18bに向うに従って上方に傾斜する板状に形成された連結片18cと、連結片18cより上方に位置しC型レール部18bからH型レール部18aに向うに従って下方に傾斜するように突設された突片18dとを有する。
またH型レール部18aの後面(窓側の面)、C型レール部18b(室内側の面)、連結片18cの上面及び突片18dの下面により横断面略逆C字状の取付用凹条18eが形成される。この取付用凹条18eには、スクリーン11,12の下端及び最下段のスラット16の下端が取付バー19とともに挿入される。この取付バー19は、ポリスチレン等により、スクリーン11,12の幅と略同一の長さを有し、幅及び厚さが取付用凹条18eに挿入可能な帯板状に形成される。そして取付バー19の一方の面に第1スクリーン11の下端を沿わせ、取付バー19の他方の面に最下段のスラット16の下端を挟んで第2スクリーン12の下端を沿わせ、この状態でステープル23によりスクリーン11,12の下端及び最下段のスラップ16の下端が取付バー19に取付けられ(図2(a))、第2スクリーン12及び最下段のスラット16で取付バー19を包むように、スクリーン11,12及び最下段のスラット16が折り返された後に(図2(b))、取付バー19がスクリーン11,12の下端及び最下段のスラット16の下端とともにボトムレール18の取付用凹条18eに挿入される(図2(c))。これによりスクリーン11,12の下端及び最下段のスラット16の下端を集合させた状態で、ボトムレール18がスクリーン11,12の下端及び最下段のスラット16の下端に取付けられる。このときボトムレール18は、その重心が上記繰出された第1及び第2スクリーン11,12の巻取り時に巻取パイプ14に後から巻取られるスクリーン11側にずれるように構成される。この実施の形態では、ボトムレール18の重心は、繰出された第1及び第2スクリーン11,12のうち室内側の第1スクリーン11の平面の延長面上に略位置するように構成される。
一方、ボトムレール18の露出面、即ちボトムレール18のH型レール部18aの露出面(室内側の面)はシート部材22により被覆される(図1及び図2)。このシート部材22は、H型レール部18aの露出面(室内側の面)を被覆するシート本体22aと、シート本体22aの長手方向に直交する方向の両端にそれぞれ接着された一対の係止部22b,22cとを有する。上記シート本体22aは、ポリエステル等のプラスチック製のシートにより、長さがボトムレート18の長さと略同一に形成され、高さがH型レール部18aの露出面(室内側の面)の高さより高く形成される。またシート本体22aの表面には模様や色彩等が施されることが好ましい。これによりシート部材22で被覆されたボトムレール18の露出面(室内側の面)の見栄えを更に向上できる。また、一対の係止部22b,22cは、軟質の塩化ビニル、合成ゴム、天然ゴム、エラストマー等の弾性体により弾性変形可能であって、長さがシート本体22aと略同一にそれぞれ形成される。また一対の係止部22b,22cは、横断面が略D字状にそれぞれ形成されるとともに、横断面略D字状の一対の角部のうちいずれか一方の角部が切離された状態に形成される。そして一対の係止部22b,22cは、両面粘着テープによりそれらの平坦部がシート本体22aの上端及び下端に裏面にそれぞれ接着される。このとき一対の係止部22b,22cのうちシート本体22aの上端に接着された一方の係止部22bは、その切離された角部がシート本体22aの上端とは反対側に位置するようにシート本体22aに接着され、一対の係止部22b,22cのうちシート本体22aの下端に接着された他方の係止部22cは、その切離された角部がシート本体22aの下端とは反対側に位置するようにシート本体22aに接着される。更に一対の係止部22b,22cはボトムレール18の内部に設けられた一対の被係止部18f,18gにそれぞれ係止する。ここで、一対の被係止部は、H型レール部18a内にそれぞれ突設されたアッパ被係止部18f及びロア被係止部18gである。アッパ被係止部18fは斜め下方に向って突設され、ロア被係止部18gは斜め上方に向って突設される。これにより一方の係止部22bがアッパ被係止部18fから離脱し難くなり、他方の係止部22cがロア被係止部18gから離脱し難くなる。
一方、支持部材13は、天井に所定の間隔をあけてそれぞれ取付けられた一対の支持ブラケット13aと、これらの支持ブラケット13aに取付けられ窓の幅方向に延びかつ天井に沿って設けられた単一の支持バー13cと、この支持バー13cの両端に互いに対向するようにそれぞれ取付けられた第1及び第2支持プレート13d,13eとを有する(図3及び図4)。上記支持ブラケット13aと支持プレート13d,13eは、鋼板のプレス成形により又は樹脂の成形などにより形成され、支持バー13cはアルミニウムやアルミニウム合金等の押出し成形又は引抜き成形などにより形成される。
一方、巻取パイプ14は断面円形の筒状に形成される(図4〜図6)。この巻取パイプ14の一端は、第1回転軸(図示せず)を介して第1支持プレート13dに回転可能に保持される(図3)。また巻取パイプ14の他端は、抵抗付与装置(図示せず)及び第2回転軸(図示せず)を介して第2支持プレート13eに一定の抵抗が付与された状態で回転可能に保持される。これにより巻取パイプ14は水平方向に延びて設けられる。更に第2回転軸にはプーリ(図示せず)が嵌着され、このプーリに無端のリング状の上記操作チェーン17が巻き掛けられる。この操作チェーン17の手前側(室内側)又は後ろ側(窓側)のいずれか一方を、抵抗付与装置による一定の抵抗に抗して引下げることにより巻取パイプ14が第1及び第2回転軸を中心に回転し、スクリーン11,12及びスラット16が巻取パイプ14に巻取られて上昇し又は繰出されて下降し、或いは一対のスクリーン11,12が繰出された状態で複数のスラット16の角度が調節されるように構成される(図4〜図6)。なお、上記抵抗付与装置は、スクリーン11,12及びスラット16の自重や、スクリーン11,12の下縁及び最下段のスラット16の下端に取付けられたボトムレール18の自重によってスクリーン11,12及びスラット16が繰出される方向に巻取パイプ14が回転するのを阻止する機能を有する。また、巻取パイプ14は、アルミニウムやアルミニウム合金等の押出し成形又は引抜き成形により形成される。更に操作チェーン17には、スクリーン11,12及びスラット16を巻取パイプ14にほぼ全て巻取ってそれ以上巻取られるのを阻止する第1ストッパ17a(図6)と、スクリーン11,12及びスラット16を巻取パイプ14から全て繰出した状態から同じ方向に巻取パイプが更に回転するのを阻止する第2ストッパ17b(図4)とが設けられる。
一方、図4〜図6に示すように、巻取パイプ14の外周面に同一形状の第1及び第2凹条14a,14bがそれぞれ形成される。これらの凹条14a,14bは巻取パイプ14の長手方向にこの巻取パイプ14の全長にわたって延びて形成される。また上記第1及び第2凹条14a,14bは、巻取パイプ14の軸線を中心として略反対側に位置するように巻取パイプ14の外周面にそれぞれ形成される。また第1及び第2凹条14a,14bは、巻取パイプ14の外周面に露出する部分の幅(露出幅)が狭く形成され、巻取パイプ14の内部に臨む部分の幅(内部幅)が上記露出幅より広く形成され、これらの凹条14a,14bには固定バー23がそれぞれ挿入される。上記固定バー23は、ポリスチレン等により、長さが巻取パイプ14の長さと略同一に形成され、かつ幅が上記第1及び第2凹条14a,14bの露出幅より広くかつ内部幅より狭い帯板状に形成される。また一対のスクリーン11,12は室内側の第1スクリーン11と窓側の第2スクリーン12により構成され、第1及び第2スクリーン11,12の幅は巻取パイプ14の長さと略同一になるようにそれぞれ形成される。更に第1及び第2スクリーン11,12は、例えばポリエステル等の繊維を用いた織物により透光性及び可撓性を有するようにそれぞれ形成される。これにより第1及び第2スクリーン11,12は、光を透過するとともに、巻取り時に巻取パイプ14に密着するように変形しかつ繰出し時に鉛直方向に延びる略平面に変形するように構成される。そして、第1及び第2スクリーン11,12の上端に固定バー23がステープルによりそれぞれ固定され、固定バー23を包むように第1スクリーン11が折り返された後に、固定バー23が第1スクリーン11の上端とともに巻取パイプ14の第1凹条14aに挿入され、固定バー23が第2スクリーン12の上端とともに巻取パイプ14の第2凹条14bに挿入される。これにより第1及び第2スクリーン11,12の上端は巻取パイプ14の直径方向に間隔をあけてそれぞれ取付けられる。即ち、第1凹条14aに固定された第1スクリーン11の上端と第2凹条14bに固定された第2スクリーン12の上端との間隔は、巻取パイプ14の外径より僅かに小さく形成される。
一方、複数のスラット16は、上記繰出された第1及び第2スクリーン11,12間に鉛直方向に間隔をあけて(ほぼ等間隔に)それぞれ掛け渡される。また、複数のスラット16の幅は第1及び第2スクリーン11,12の幅と同一になるようにそれぞれ形成される。そして各スラット16は、第1スクリーン11の上端と第2スクリーン12の上端の間隔と略同一の幅又はこの間隔より僅かに広い幅を有するスラット本体16aと、このスラット本体16aの前縁(室内側)に沿って一体的に設けられ第1スクリーン11に接着される第1接着片16bと、スラット本体16aの後縁(窓側)に沿って一体的に設けられ第2スクリーン12に接着される第2接着片16cとを有する。即ち、各スラット16にはその長手方向に延びる2本の直線状の折目がそれぞれ形成され、これらの折目によりスラット本体16aと第1接着片16bと第2接着片16cとにそれぞれ区画される。更に複数のスラット16は、例えばポリスチレン等の繊維を用いた織物の織り方を第1及び第2スクリーン11,12より密にしたり、その織物を第1及び第2スクリーン11,12より厚くすることにより、第1及び第2スクリーン11,12より変形し難く形成されるとともに、遮光性及び可撓性を有するように形成される。これにより複数のスラット16は、光を遮断するとともに、巻取り時に巻取パイプ14に略密着するように変形するけれども、第1及び第2スクリーン11,12を繰出して複数のスラット16が起立状態から傾斜状態又は水平状態になったときに、各スラット16のスラット本体16aが殆ど変形せずに第1及び第2スクリーン11,12の間隔を一定に保つように構成される。
なお、図2(c)及び図3〜図6中の符号24はボトムレール18の両端にビス26(図4〜図6)により取付けられたボトムキャップであり、符号27はボトムレール18の下面に取付けられボトムレール18が床に当接したときの衝撃を吸収するクッション部材である。このクッション材18は上記シート部材22の係止部22b,22cと同一材料により同一形状に形成される。また、図2(c)中の符号28はC型レール部18bに収容されC型レール部18bの全長にわたって移動できる可動錘であり、符号29はボトムレール18の長手方向に移動し所望の位置で可動錘28を固定する固定具である。上記可動錘28をC型レール部18bの長手方向に移動することにより、スクリーン11,12に作用させるテンションをスクリーン11,12の幅方向で調整でき、可動錘28を所定の位置に固定具29で固定することにより、スクリーン11,12の巻取り時及び繰出し時にスクリーン11,12を常に水平に保つことができるようになっている。
このように構成された巻取式横型ブラインド10のボトムレール18にシート部材22を取付ける手順を説明する。先ず図1(a)に示すように、シート部材22のシート本体22aの上端に接着された一方の係止部22bを、ボトムレール18のH型レール部18aのアッパ被係止部18fにヘラ状工具を用いて係止させる。このヘラ状工具は図1(d)に示すヘラ状工具31と同じものである。次にシート本体22aによりボトムレール18の露出面(室内側の面)を被覆した後(図1(b)及び(c))、シート本体22aの下端に接着された他方の係止部22cを、ボトムレール18のH型レール部18aのロア被係止部18gにヘラ状工具31を用いて係止させる(図1(d))。このときヘラ状工具31を他方の係止部22cの切離した角部からその係止部22c内に挿入してH型レール部18aに押込むと、係止部22cをロア被係止部18gにスムーズに係止させることができる(図1(e))。このようにシート部材22の一対の係止部22b,22cを、ボトムレール18の内部に設けられたアッパ被係止部18f及びロア被係止部18gにそれぞれ係止するだけで済むので、比較的容易に短時間でボトムレールの露出面(室内側の面)をシート部材22により被覆することができる。また一対の係止部22b,22cが弾性体によりそれぞれ形成されているので、一対の係止部22b,22cがアッパ被係止部18f及びロア被係止部18gに弾性変形した状態でそれぞれ係止する。このためボトムレール18の露出面(室内側の面)を被覆するシート本体22aの両端を一対の係止部22b,22cが引っ張る方向にテンションが作用し、常にこのテンションの作用した状態が保たれる。この結果、シート本体22aに殆どシワが発生せず、シワの発生を抑制できるので、シート部材22により被覆されたボトムレール18の露出面(室内側の面)の見栄えを損なうことはない。更にシート部材22により被覆されるボトムレール18を有する巻取式横型ブラインド10が多品種かつ少量であっても、その巻取式横型ブラインド10の製造コストの増大を最小限に抑えることができる。
このように構成された巻取式横型ブラインド10の動作を説明する。操作チェーン17を操作して第1及び第2スクリーン11,12を複数のスラット16ともに全て繰出すと、ボトムレール18の下端が床に当接する。このときクッション部材27(図2(c))がボトムレール18の床への当接時における衝撃を吸収する。また複数のスラット16をスクリーン11,12より変形し難い材料により形成したので、スクリーン11,12を繰出して複数のスラット16が起立状態から傾斜状態又は水平状態になったときに、複数のスラット16が第1及び第2スクリーン11,12の間隔を保つことができる。この結果、複数のスラット16間から屋外の光を十分に室内に取込むことができる。
第1及び第2スクリーン11,12を複数のスラット16ともに全て繰出した状態から操作チェーン17を操作して、巻取パイプ14を図4の実線矢印の方向に回転させると、先に窓側の第2スクリーン12のみが巻取られていく(図5)。このとき、巻取パイプ14に後から巻取られる第1スクリーン11側にボトムレール18の重心をずらしたので、ボトムレール18の重心が第1スクリーン11側に位置する状態に保たれる。この結果、室内側の第1スクリーン11にボトムレール18の自重によるテンションが作用したまま、第1スクリーン11が窓側の第2スクリーン12に次第に近付いていくので、複数のスラット16が速やかに起立する。従って、起立した各スラット16間に発生する隙間が極めて小さくなり、かつ各スラット16が遮光性を有するので、これらのスラット16による窓等の遮蔽性を向上できる。
また、スクリーン11,12の下端及び最下段のスラット16の下端を集合させた状態で、スクリーン11,12の下端及び最下段のスラット16の下端にボトムレール18を取付けたので、スクリーン11,12が全て繰出された状態で、先に窓側の第2スクリーン12のみが巻取られていくとき、ボトムレール18の重心が後から巻取られる第1スクリーン11側に位置する状態に確実に保たれる。この結果、室内側の第1スクリーン11にボトムレール18の自重によるテンションが作用したまま、第1スクリーン11が窓側の第2スクリーン12に次第に近付いていくので、複数のスラット16がより速やかに起立する。従って、起立した各スラット16間に発生する隙間がより小さくなり、かつ各スラット16が遮光性を有するので、これらのスラット16による窓等の遮蔽性を更に向上できる。
なお、上記実施の形態では、日射遮蔽装置として巻取式横型ブラインドを挙げ、日射遮蔽体として一対のスクリーン間に鉛直方向に間隔をあけかつ水平方向に延びて設けられた複数のスラットを挙げ、更に水平部材として一対のスクリーンの下端及び複数のスラットのうち最下段のスラットの下端に沿って設けられたボトムレールを挙げたが、日射遮蔽装置がベネシャンブラインドであり、日射遮蔽体がラダーコードにより鉛直方向に間隔をあけかつ水平方向に延びて設けられた複数のスラットであり、更に水平部材が複数のスラットのうち最下段のスラットの下端(下面)に沿って設けられたボトムレールであってもよい。この場合、上記ボトムレールの露出面がシート部材により被覆される。また、日射遮蔽装置がロールスクリーンであり、日射遮蔽体が巻取パイプに繰出し可能に巻取られる単一のスクリーンであり、更に水平部材が、単一のスクリーンの下端に沿って設けられたウエイトバーや、巻取パイプを保持する一対のブラケットに架設されたセットバーであってもよい。この場合、上記ウエイトバー又はセットバーのいずれか一方又は双方の露出面がシート部材により被覆される。また日射遮蔽装置がプリーツスクリーンであり、日射遮蔽体が折畳み可能に展開されるプリーツ本体であり、更に水平部材がプリーツ本体の下端に沿って設けられたボトムレールであってもよい。この場合、上記ボトムレールの露出面がシート部材により被覆される。更に、上記実施の形態では、支持部材を天井に取付けたが、支持部材を壁又は窓枠に取付けてもよい。
10 巻取式横型ブラインド(日射遮蔽装置)
11 第1スクリーン(日射遮蔽体)
12 第2スクリーン(日射遮蔽体)
16 スラット
18 ボトムレール(水平部材)
18f アッパ被係止部
18g ロア被係止部
22 シート部材
22a シート本体
22b,22c 係止部

Claims (5)

  1. 日射遮蔽体(11,12)の下端又は上端に沿って設けられ水平方向に延びる水平部材(18)を備えた日射遮蔽装置において、
    前記水平部材(18)の露出面である室内側の面がシート部材(22)により被覆され、
    前記シート部材(22)が、前記水平部材(18)の露出面である室内側の面を被覆するプラスチック製のシート本体(22a)と、前記シート本体(22a)の長手方向に直交する方向の両端にそれぞれ接着され前記水平部材(18)の内部に設けられた一対の被係止部(18f,18g)にそれぞれ係止する一対の係止部(22b,22c)とを有する
    ことを特徴とする日射遮蔽装置。
  2. 前記一対の係止部(22b.22c)が弾性体によりそれぞれ形成され、前記一対の係止部(22b,22c)が前記一対の被係止部(18f,18g)に弾性変形した状態でそれぞれ係止するように構成された請求項1記載の日射遮蔽装置。
  3. 前記日射遮蔽装置(10)が鉛直方向に間隔をあけかつ水平方向に延びて設けられた複数のスラット(16)を有する横型ブラインドであり、前記水平部材(18)が前記複数のスラット(16)のうち最下段のスラット(16)の下端に沿って設けられたボトムレールである請求項1記載の日射遮蔽装置。
  4. 前記日射遮蔽装置が巻取パイプに繰出し可能に巻取られる単一のスクリーンを有するロールスクリーンであり、前記水平部材が、前記単一のスクリーンの下端に沿って設けられたウエイトバーであるか、或いは前記巻取パイプを保持する一対のブラケットに架設されたセットバーである請求項1記載の日射遮蔽装置。
  5. 前記日射遮蔽装置が水平方向に延びる複数の折目で折畳み可能に展開される単一のスクリーン本体を有するプリーツスクリーンであり、前記水平部材が前記スクリーン本体の下端に沿って設けられたボトムレールである請求項1記載の日射遮蔽装置。
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