JP6242456B2 - 中空糸膜モジュール - Google Patents

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本発明は、半導体製造、食品工業、医薬品工業、水処理などの分野において、例えば薬液、純水などの流体用途で用いられる中空糸膜モジュールに関する。
半導体製造分野等において、薬液、純水用途で使用される中空糸膜モジュールは、耐薬品性が高く、金属、有機物溶出の少ない原料を選定して設けられている必要がある。このような耐薬品性が高い原料としては、オレフィン系樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)およびフッソ系樹脂(PTFE:ポリテトラフルオロエチレン、PFA:ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂等)がある。
この種の中空糸膜モジュールは、例えば図5に示した態様に設けられる。図5の中空糸膜モジュールは、中空糸膜1がポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミドなどの材料からなり、この中空糸膜1が複数束ねられた状態で低密度ポリエチレン(以下、LDPE)樹脂、又は高密度ポリエチレン(以下、HDPE)樹脂からなるポッティング部2により筒体3内に端部溶着されている。筒体3は、LDPE又はHDPE成形品からなり、この筒体3とHDPEにより成形される蓋体4とを熱溶着させることにより、気密性を有する中空糸膜モジュールが構成される。蓋体4には継手5が一体に設けられ、この継手5を介して外部の管路に接続される。このような中空糸膜モジュールは、容易に交換できるディスポーザブルタイプとして多くの分野で用いられている。
一方、特許文献1においては、外殻及び末端キャップを有するハウジングが、ポリエチレンよりも強度の高いポリプロピレンで設けられている。ポリエチレンからなるポッティング部にはポリプロピレン製シールリングが装着され、このシールリングが外殻、末端キャップに溶着されてハウジングとして一体化されている。
また、特許文献2においては、ハウジングの内周面にクサビ状突起を設け、その突起に中空糸膜の端部をポッティング剤で集束固定することによりアンカー効果を発揮させ、ハウジングとポッティング部の剥離を防止した中空糸膜モジュールが開示されている。
特許第4480197号公報 特開平8−229359号公報
図5の中空糸膜モジュールの蓋体4を構成しているHDPEは、ストレス耐性が低いため、この蓋体4の継手5に外部への接続用のナットが長期間にわたって締め付けられていると、この締め付けによる応力で継手5にクラックが発生して薬液などの流体が漏洩するおそれがある。さらに、この中空糸膜モジュールにダイヤフラムポンプ、ベローズポンプが接続されている場合には、ダイヤフラム、ベローズの開閉により脈動を生じているため、中空糸膜モジュールを長期間使用したときにこれらの脈動によるストレスで、特に蓋体4と筒体3との溶着部位付近にクラックが発生しやすくなる。このクラックにより漏洩が生じることがあり、この場合、中空糸膜モジュールが用いられている設備全体の稼働停止や環境汚染にもつながることもある。そのため、図5の中空糸膜モジュールを長期間接続される場所に設置することは、好ましいことではない。
特許文献1においては、ポリプロピレン製のハウジングにより強度を高めつつ、シールリングを用いてこのハウジングへのポッティング部の固着性を高めようとしている。しかし、シールリング及びハウジングがポリプロピレン、ポッティング部がポリエチレンで形成されているため、ポッティング部とハウジングとの相溶性が悪くなり、中空糸膜モジュールとしての一体性が悪い。
特許文献2に開示された中空糸膜モジュールは、ハウジングとポッティング部とを固定する方法であって、相溶性のない材料同士を溶着して一体化するものではない。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発に至ったものであり、その目的とするところは、キャップの継手部付近の強度を向上して長期間締め付けられている場合でもクラックの発生を防止して流体の漏洩を防ぎつつ、ボデー、キャップ、中空糸膜の一体性を向上できる中空糸膜モジュールを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ポッティングにより端部溶着された中空糸膜が収納されたボデーの開口側を継手部を有するキャップで嵌合状態で被蓋した中空糸膜モジュールであって、キャップの内周端部側とボデーの開口外周側との間を溶着するための溶着部と、ボデーとポッティング部との三者の材料は、相溶性のある溶着可能な材料であり、キャップの材料は、ボデーの材料よりも高強度の材料であると共に、相溶性のないキャップと溶着部同士を熱溶着で接合する際に、溶着部のうち、キャップの内周端部側に凹部又は突起が設けられ、この凹部又は突起によるキャップとのアンカー効果により溶着部とキャップとを一体接合し、溶着部とボデーとポッティングとの相溶性のある三者を溶着して一体化した状態で構成された中空膜モジュールである。
請求項2に係る発明は、キャップの内周端部側のみに環状に形成した前記溶着部を一体に設けた中空糸膜モジュールである。
請求項1に係る発明によると、キャップの少なくとも継手部側をボデーよりも高強度の材料で形成することでこの継手部付近のストレス耐性を向上し、継手部を長期間締め付けた状態でもクラックの発生を防止して薬液などの流体の漏洩を防ぐことができる。キャップのボデー取付側にこのボデーに溶着可能な材料で形成した溶着部を介してボデーとキャップとを一体化していることで、ポッティング材と相溶性のよい材料でボデー取付側に溶着部を形成し、この溶着部を介してボデー、キャップ、中空糸膜の一体性を高めつつ全体を組み込むことができる。ダイヤフラムポンプ、ベローズバルブなどの繰り返し脈動が印加されるポンプが接続されている場合でも、十分な耐久性を発揮できる強度を確保できる。
また、溶着部のキャップ側の少なくとも一ヶ所に凹部又は突起を設けることにより、この凹部又は突起によりアンカー効果が発揮され、溶着部とキャップとの一体性をより向上させることができる。しかも、キャップの継手部の耐久性を向上し、割れや破損を防いで配管への長期間の接続が可能となる。これらの材料により全体の一体性を高めることができる。
さらに、キャップと溶着部とを同じ材質で形成した一層形成のキャップとボデーとを直接溶着することもできる。
請求項2に係る発明によると、キャップの内周端部側のみに環状に形成した溶着部を一体に設けることで、このキャップの内側部分である溶着部が外側部分であるキャップから剥がれにくくなり、これらの一体性を向上できる。
本発明の中空糸膜モジュールの第1実施形態を示す断面図である。 樹脂の組み合わせと引張強度との関係を示すグラフである。 本発明の中空糸膜モジュールの第2実施形態を示す断面図である。 図3のキャップ側を示す断面図である。 従来の中空糸膜モジュールを示す一部切欠き正面図である。
本発明における中空糸膜モジュールの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1においては、本発明の中空糸膜モジュールの第1実施形態を示している。中空糸膜モジュールは、主に薬液などの流体用途であり、全体が一体化されたディスポーザブルタイプからなり、外部配管から取外しして全体を交換可能に設けられている。中空糸膜モジュールは、ボデー10とキャップ11とを有し、ボデー10内には、ポリオレフィン、例えばポリプロピレンからなる中空糸膜12が備えられ、これらが組み合わされて一体化される。
中空糸膜12は、複数まとめられた状態で、例えばポリエチレンからなる集束部13でポッティングによって端部溶着され、中空糸膜束14の状態でボデー10の内周側に一体に収納されている。
ボデー10は、例えば、低密度ポリエチレン(以下、LDPE)を材料として略筒状に形成される。このボデー10は、少なくともキャップ11が装着される部位である開口側外周端面部15がLDPEであればよく、この外周端面部15をボデー10と別体に設けることもできる。LDPEは、他のポリエチレンと比較して軟らかい性質であることから軟質ポリエチレンとも呼ばれ、一般に密度0.910以上0.930未満のポリエチレンからなっている。ボデー10は、高密度ポリエチレン(以下、HDPE)により形成されていてもよい。
キャップ11は、ボデー10の開口側を被蓋する形状からなり、例えば、ポリプロピレン(以下、PP)を材料として形成される。キャップ11には継手部16が一体に形成され、この継手部16を介して中空糸膜モジュールが図示しない外部配管に接続可能になっている。継手部16並びにキャップ11を構成するPPは、ポリエチレンよりも強度が高いため、継手部11はボデー10よりもストレス耐性が強くなっている。このように、キャップ11において、少なくとも継手部16側がボデー10よりも高強度の材料のPPにより形成される。
ここで、キャップ11についてさらに詳しく説明する。継手部16を構成する材料がHDPEであると、このHDPEは、比較的ストレス耐性が低い。そのため、このHDPEよりもストレス耐性が高く、耐薬品性の強い材料を選定する必要があり、この理由からキャップ原料としてオレフィン樹脂の中でHDPEよりもストレス耐性の高いPPを選択した。ただし、キャップ11を構成するPPとボデーを構成するLDPEとは相溶性が無いため、これらを直接熱溶着したとしても接着性が低くなる。そのため、PPとLDPEとの一体性を高めつつ、適切な強度を発揮するキャップ全体を構成する必要がある。
そこで、キャップ11のボデー取付側をボデー10に溶着可能な材料で形成するものとした。具体的には、キャップ11のボデー取付側の内周側に溶着部20を設け、この溶着部20を介してキャップ11とボデー10とを一体化するようにした。溶着部20は、キャップ11のボデー取付側の少なくとも内周端面側に設けられ、ボデー10の開口側外周端面部15に溶着可能になっていればよいが、本実施形態ではキャップ11の内周面全体に覆うような形状に設けられている。
キャップ11には薬液等が流入する入口側と、ろ過した薬液等が流出する出口側があり、図1において、上部側の2つの継手部16が設けられたキャップ11が入口側、下部側の1つの継手部が設けられたキャップ11が出口側になっている。キャップ11の継手部16にはおねじ部17が設けられ、このおねじ部17に外部配管の図示しないめねじ部が接続される。
キャップ11を、溶着部20を介してボデー10に一体化する場合、図1に示すようにこの一体化構造を必ずしもボデー10の上部側、下部側の両方に設ける必要はなく、ボデー10の上部側、下部側の何れか一方側に設けるようにしてもよい。
溶着部20は、HDPEにより設けられている。ここで、溶着部20について、この溶着部20をなす樹脂とキャップ11をなす樹脂とを溶着して試験片を作製し、この試験片の強度を引張試験により確認した。試験片としては、キャップ11側を前述のPPとしこのPPに溶着部20として、LDPE、HDPE、PPをそれぞれ組み合わせた。このとき、ボデー10側は前述したようにLDPEからなっている。引張試験における樹脂の溶着の組み合わせと引張強度との関係を図2に示す。
溶着部20をHDPEとした場合、ボデー:LDPE−溶着部:HDPE、溶着部:HDPE−キャップ:PPの組み合わせとなる。
図2の結果より、試験片の引張強度について、LDPE−HDPEが10MPa、HDPE−PPが約14MPaとなり、これらの3つの部材を組み合わせた場合の全体の引張強度は、低いほうの引張強度となるため10MPaとなる。この場合、LDPE−HDPEと、HDPE−PPとの引張強度はほぼ同等であるともいえる。そのため、これらの組み合わせ時の溶着強度が安定して一部分に局所的に負荷がかかりにくくなる。
溶着部20をLDPEとした場合、ボデー:LDPE−溶着部:LDPE、溶着部:LDPE−キャップ:PPの組み合わせとなる。
図2の結果より、試験片の引張強度について、LDPE−LDPEが10MPa、LDPE−PPが2.5MPaとなり、これら3つの部材を組み合わせた場合の全体の引張強度は低いほうの2.5MPaとなる。
溶着部20をPPとした場合、ボデー:LDPE−溶着部:PP、溶着部:PP−キャップ:PPの組み合わせとなる。
図2の結果より、試験片の引張強度について、LDPE−PPが2.5MPa、PP−PPが約32.5MPaとなり、これらを組み合わせたキャップ全体の引張強度は低いほうの2.5MPaとなる。
これらの試験結果より、ボデー10をLDPE、キャップ11をPPとした場合、溶着部20をHDPEとし、PP−HDPEの2層構造の成形品をキャップ部位として設けることで、キャップ11とボデー10との溶着性を最も強くして全体の一体性を向上し、継手部16のストレス耐性を高めることができる。HDPEは、他のポリエチレンと比較して硬い性質であることから硬質ポリエチレンとも呼ばれ、一般に密度0.942以上のポリエチレンからなっている。
図2の試験結果より、溶着部20をHDPEとしつつ、キャップ11もHDPEとした場合にも、ボデー10を合わせた3つの部材を組み合わせたときの全体の引張強度が10MPaになるが、この場合にはHDPEの強度がPPよりも劣るため、継手部16の強度はキャップ11がPPであるときよりも弱くなるが、キャップ11と溶着部20とを同じ材質で形成した一層形成のキャップとボデーとを直接溶着することもできる。
溶着部20をキャップ11に設ける場合には、キャップ11内周側の適宜位置に、溶着部20をインサート成形によりキャップ11に一体化することが望ましい。これにより、溶融温度が異なる溶着部20とキャップ11とによって相溶性が下がる可能性がある場合でも、これらを密着状態にして精度を高めながら強固に一体化できる。
前記したキャップ11を設ける場合、溶着部20を設ける側の内容積を大きくするとともに、側面の肉厚を厚く設けることが望ましく、これらによりクラック対策を施すことができる。さらに、溶着部20の形状を検討することによっても耐久性の一層の向上を図ることもできる。
上述した中空糸膜モジュールが使用される半導体製造装置および洗浄装置、純水装置では、配管からのパーティクルによる流体汚染を削減するため、液体を移送するポンプとして駆動部が配管内に無いダイヤフラムポンプおよびベローズポンプが使用されることが多い。
これらのポンプは、ダイヤフラムおよびベローズを開閉させて液体を移送させる構造であるため、配管には必ず脈動が生じている。したがって、この分野で使用される中空糸膜モジュールには、脈動によるストレスに強いことが望まれている。
本発明の中空糸膜モジュールによれば、上述したようにキャップ11の少なくとも継手部16側をボデー10よりも高強度の材料で形成すると共に、キャップ11のボデー10取付側をこのボデー10に溶着可能な材料で形成した溶着部20を介してキャップ11とボデー10とを一体化しているので、全体の一体性を高めて脈動によるストレスにも耐えうる耐久性を発揮し、キャップ11の強度を高めることでこのキャップ11に設けられた継手部16が長期間接続されている場合でも、この継手部16付近へのクラックの発生を防止して、おねじ部17による外部配管との接続を強固に確保して流体漏れを防ぐようになっている。
なお、上記実施形態における中空糸膜モジュールでは、ボデー10をLDPE、キャップ11をPP、溶着部20をHDPEにより設けているが、キャップ11の継手部16側がボデー10よりも高強度であり、キャップ11のボデー取付側がボデー10に溶着可能であれば、これら以外の材料でボデー10、キャップ11、溶着部20を設けて継手部16を強度を向上させるようにしてもよい。この場合、ボデー10、キャップ11、溶着部20の一体性を確保する必要がある。例えば、ボデー10をHDPEにより形成する場合であっても、キャップ11内側にHDPEをインサートしておくことにより、強度が高くなる。
図3においては、本発明の中空糸膜モジュールの第2実施形態を示している。なお、この実施形態において、上記実施形態と同一部分は同一符号によって表し、その説明を省略する。
この実施形態における中空糸膜モジュールは、溶着部30を環状に形成し、この溶着部30をキャップ11の端部内周側のみに設けてボデー10と溶着して一体化したものである。この場合、前述した中空糸膜モジュールと同様に、外周端面部15を有するボデー10がLDPEで形成されていると共にキャップ11がPPで形成され、このキャップ11の内周端面側に環状のHDPEからなる溶着部30がインサート成形で設けられている。
前述の中空糸膜モジュールのように、キャップ内側全体にHDPEで溶着部20を設けた場合には、繰返し圧力が印加された際にキャップ内側全体の溶着部20が伸縮しようとするが、外側キャップ11をなすPPはHDPEよりも剛性が高く、伸縮が小さいために溶着部20の伸縮をこのキャップ11が抑制しようとする。そのため、内側の溶着部20に加わる圧力をキャップ全体で緩衝することができない。この影響でキャップ11とボデー10の溶着面には強度なストレスが印加され、この溶着面において早期に界面剥離しやすくなる。
一方、第2実施形態のように、キャップ11の内周端面側のみにHDPEで溶着部30を設けた場合には、この環状に配置された溶着部30とPPからなるキャップ11の天面側がそれぞれ伸縮することで、キャップ11とボデー10の溶着部30へ印加されるストレスが緩和される。
このようにキャップ内側の内周端面側のみに溶着部30を設けた場合、図4において、その幅Wよりもキャップ11のボデー10と溶着していない部分の厚さZが大きいほど耐久性が向上する。その理由としては、キャップ11とボデー10とを溶着させた際にはバリが発生しやすくなり、キャップ11を強度解析した場合、バリ部分に最も応力が集中しやすくなっている。そのため、バリ部分の近くに溶着部であるHDPEとキャップであるPPとの界面があると、この近傍より界面剥離しやすくなる。このことから、キャップ11とボデー10の溶着面からHDPE(溶着部)とPP(キャップ)との界面を離すように幅Wと厚さZとを設定しながら溶着部30を設けるようにすれば、キャップ11の耐久性をより高め、寿命を延ばすことができる。
キャップ11に溶着部を設ける際にこの溶着部の好ましい形状としては、キャップ11の内周端面側のみに略環状の形状で設け、その溶着部分の厚さをより大きくすることが望ましい。さらに、溶着部のキャップ11(PP)側の少なくとも一ヶ所に凹部31(又は突起)を設けるようにすれば、この凹部31(又は突起)によりアンカー効果が発揮されて溶着部とキャップ11との一体性が向上される。
次いで、中空糸膜モジュールについて、キャップ11の内側全体に溶着部20を設けた場合と、キャップ11の内周端部のみに環状の溶着部30を設けた場合のそれぞれについて耐久試験を実施し、その結果を測定した。その耐久試験結果を表1に示す。
耐久試験の条件としては、キャップの継手部側(外周側)をPP、溶着部をHDPEにより設け、このキャップ部位に0〜0.6MPaで繰り返し40℃の温水による水圧を印加させ、クラックが発生するまでの回数を寿命として測定した。
表1において、試験で用いた供試品は、No.1〜No.23までの23個であり、図4に示したキャップ高さ寸法Hは、19.5mmの低いものと、25.5mmの高いものとした。溶着部の「全周」はキャップ内側全体に溶着部を設けたもの、「側周」はキャップの内周端面側のみに溶着部を設けたものである。溶着部をキャップ内周端面側のみに設ける場合、図4に示した溶着部高さLを11.0〜16.5mmとした。「n数」は同じ条件の供試品に対する試験の回数を示し、最大で3個の同条件の供試品を用いて測定した。
ここで、「キャップ高さ寸法」とは、キャップ11の外周円筒部位の装着方向における長さであり、「溶着部高さ」とは、キャップ11内周に環状に形成される溶着部30の幅である。
Figure 0006242456
また、上記の供試品No.1〜No.23と比較するために、全体をHDPEにより形成したキャップの供試品No.24、No.25を設け、これらの供試品についても同様に耐久試験を実施した。その耐久試験結果を表2に示す。
Figure 0006242456
表1の試験結果より、キャップの内側全体に溶着部を設けた場合、キャップ高さの高いほうが寿命が長くなった。キャップの内周端面側のみに溶着部を設けた場合については、試験結果では確認されなかったが、キャップ高さの高いほうが寿命が長くなる傾向がある。キャップ高さが高い場合には、溶着部高さの高いほうが寿命が長くなった。
表1における中空糸膜モジュールは、同条件の表2の中空糸膜モジュールと比較すると、約2倍以上の耐久性能が得られた。これにより、HDPE製の1層のキャップよりも、PP製のキャップにHDPE製の溶着部を設けた場合のほうが強度が飛躍的に向上するといえる。
表1の結果より、キャップ高さHに対する溶着部高さLの比率は、60%以上とすることが好ましいといえる。キャップに溶着部を設ける場合、溶着部高さLは、キャップ内面に形成されるアール部分までかかる高さとすることが好ましい。
10 ボデー
11 キャップ
12 中空糸膜
15 外周端面部
16 継手部
20、30 溶着部

Claims (2)

  1. ポッティングにより端部溶着された中空糸膜が収納されたボデーの開口側を継手部を有するキャップで嵌合状態で被蓋した中空糸膜モジュールであって、前記キャップの内周端部側と前記ボデーの開口外周側との間を溶着するための溶着部と、前記ボデーと前記ポッティング部との三者の材料は、相溶性のある溶着可能な材料であり、前記キャップの材料は、前記ボデーの材料よりも高強度の材料であると共に、相溶性のない前記キャップと前記溶着部同士を熱溶着で接合する際に、前記溶着部のうち、前記キャップの内周端部側に凹部又は突起が設けられ、この凹部又は突起による前記キャップとのアンカー効果により前記溶着部と前記キャップとを一体接合し、前記溶着部と前記ボデーと前記ポッティングとの相溶性のある三者を溶着して一体化した状態で構成されたことを特徴とする中空膜モジュール。
  2. 前記キャップの内周端部側のみに環状に形成した前記溶着部を一体に設けた請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
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