JP6241962B2 - ゲームシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ネットワークを介して接続された複数のゲーム端末間で共通のゲームを実行可能とされたゲームシステムに関する。
複数のユーザ端末がネットワークを介して相互に接続され、それらのユーザ端末間で共通のゲームを実行可能としたゲームシステムが種々提供されている。例えば、複数のユーザ端末のそれぞれでユーザが自らに割り当てられたレース車両を操縦して速さ等を競うカーレースゲームのような対戦型のゲームがこの種のゲームシステムを利用してプレイ可能とされている。なお、スタンドアローン型のゲーム機の分野においては、ユーザとコンピュータとが擬似的に会話する機能を実装したゲーム機が既に知られている(例えば特許文献1参照)。ネットワークを通じて端末のユーザとコンピュータとが擬似的に会話することを可能としたシステムも提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2000−167244号公報 特開2004−178299号公報
ネットワークを介して対戦型のゲームなどを実行する場合、各ゲーム端末のユーザは自らに割り当てられたオブジェクトの操作に忙しく、ゲームの状況が変化してもユーザ間で会話をすることが難しい。特に、ゲーム画面上に台詞を表示させて会話を成立させるためには、ユーザがオブジェクトの操作とは別の目的で台詞を入力する必要がある。ゲーム中にキーボード等から台詞を入力することは実質的に不可能であり、ユーザの音声をテキストに変換してゲーム画面上に表示させるためには、マイク等のハードウエアと、音声変換ソフトといった特別の装備が必要となる。
そこで、本発明は、ネットワークを介して接続された複数のゲーム端末間で実行可能とされた共通のゲームにおいて、ユーザがゲーム中に台詞を入力しなくとも、ゲーム状況に応じた台詞をゲーム画面上に表示することを可能としたゲームシステムを提供することを目的とする。
本発明のゲームシステム(1)は、ネットワーク(3)を介して相互に接続された複数のゲーム端末(4)を有し、それぞれのゲーム端末には、ゲーム端末間で通信しつつ共通のゲームを実行するゲーム制御手段(20)が設けられたゲームシステムにおいてユーザによる入力操作に基づいて、台詞データを生成する台詞データ生成手段と、前記台詞データ生成手段により生成された台詞データを、その台詞データに対応するユーザを識別するためのIDを特定可能な状態で、所定の記憶部に登録する登録手段と、前記ゲーム制御手段の制御結果に基づいて、所定の表示条件が成立したか否かを判別する表示条件判別手段と、前記表示条件が成立した場合、前記所定の記憶部にて前記共通のゲームを実行しているユーザを識別するためのIDに対応して登録されている台詞データに基づく台詞を、前記複数のゲーム端末のうち、少なくとも当該IDに対応するゲーム端末以外の他のゲーム端末に表示させる台詞表示手段と、を備えたものである。
本発明のコンピュータプログラムは、ネットワークを介して相互に接続された複数のゲーム端末を有し、それぞれのゲーム端末には、ゲーム端末間で通信しつつ共通のゲームを実行するゲーム制御手段が設けられたゲームシステムのコンピュータを、ユーザによる入力操作に基づいて、台詞データを生成する台詞データ生成手段と、前記台詞データ生成手段により生成された台詞データを、その台詞データに対応するユーザを識別するためのIDを特定可能な状態で、所定の記憶部に登録する登録手段と、前記ゲーム制御手段の制御結果に基づいて、所定の表示条件が成立したか否かを判別する表示条件判別手段と、前記表示条件が成立した場合、前記所定の記憶部にて前記共通のゲームを実行しているユーザを識別するためのIDに対応して登録されている台詞データに基づく台詞を、前記複数のゲーム端末のうち、少なくとも当該IDに対応するゲーム端末以外の他のゲーム端末に表示させる台詞表示手段と、して機能させるように構成されたものである。
前記表示条件は複数の表示条件のいずれか1つであってもよい。前記台詞データ生成手段は、前記複数の表示条件のそれぞれについての前記ユーザによる入力操作に基づいて前記台詞データを生成し、前記表示条件判別手段は、前記ゲーム制御手段の制御結果に基づいて前記複数の表示条件のいずれかが成立したか否かを判別し、前記台詞表示手段は、成立した表示条件に対応する前記台詞データに基づく台詞を、前記他のゲーム端末に表示させてもよい。前記複数の表示条件は、前記共通のゲームを実行するゲーム端末間で共通であってもよい。前記ゲーム制御手段は、前記共通のゲームを実行しているゲーム端末毎に前記制御結果を管理し、前記表示条件判別手段は、前記ゲーム端末毎の前記制御結果に基づいて、前記表示条件が成立したか否かを判別してもよい。前記台詞表示手段は、前記各ユーザを画面上で識別可能な情報と、前記IDに対応する台詞データに基づく台詞とを関連付けて、前記ゲーム端末に表示させてもよい。前記複数の表示条件の一部の表示条件に対して、表示される台詞が予め対応づけられ、前記台詞データ生成手段は、前記一部の表示条件については前記予め対応付けられた台詞を前記ユーザの入力操作によって変更可能に提示してもよい。前記台詞表示手段は、前記各ユーザを識別するためのIDに対応する台詞データに基づく台詞を、当該IDに対応するゲーム端末にも表示させてもよい。
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
以上に説明したように、本発明によれば、ネットワークを介して接続された複数のゲーム端末間で実行可能とされた共通のゲームにおいて、ユーザがゲーム中に台詞を入力しなくとも、ゲーム状況に応じた台詞をゲーム画面上に表示することにより、その台詞の表示を通じてユーザが擬似的に会話しているような演出をゲームに施してゲームの興趣を高めることができる。
本発明の一形態に係るゲームシステムを示す図。 センタサーバの機能ブロック図。 ゲーム機の機能ブロック図。 ユーザ端末の機能ブロック図。 ゲーム機に表示されるゲーム画面の一例を示す図。 台詞が表示されたときのゲーム画面の一例を示す図。 台詞データの一例を示す図。 ゲームを開始する際のセンタサーバとゲーム機との処理を相互に関連付けて示したフローチャート。 共通ゲームの実行時に、親機となったゲーム機の台詞決定部が所定の周期で繰り返し実行する台詞決定ルーチンを示すフローチャート。 制御ユニットの台詞表示制御部が、台詞決定ルーチンにて決定された台詞の表示を制御するために所定の周期で繰り返し実行する台詞表示ルーチンを示すフローチャート。 ユーザ端末を利用したキャラクタ画像及び台詞画像の登録処理を示すフローチャート。
図1は本発明の一形態に係るゲームシステムを示している。ゲームシステム1は、センタサーバ2と、そのセンタサーバ2とネットワーク3を介して接続された複数のゲーム機(ゲーム端末)4とを含んでいる。このゲームシステム1は、センタサーバ2の管理の下に、ゲーム機4間で共通のゲームを実行可能としたネットワーク型のゲームシステムとして構成されている。なお、図1では3台のゲーム機4を示しているが、ゲーム機4の台数は任意である。図中ではゲーム機4を相互に区別するためにゲーム機A、B…とアルファベットを付してある。
センタサーバ2は、ゲームのユーザ(プレイヤ)に関連付けられたユーザ情報の管理に必要な処理、あるいはゲーム機4間で所定のゲームを実行するために必要な処理等を実行するために設けられている。ゲーム機4は、ユーザがゲームをプレイするための端末装置である。一例として、ゲーム機4は、店舗等の商業施設に設置され、所定量の遊技価値の消費と引き換えにゲームのプレイを許可する商用のゲーム機として構成されている。一箇所の施設に対して一台又は複数台のゲーム機4が設置されてよい。遊技価値は、硬貨、メダル、電子的なポイント等によって象徴される。ネットワーク3は一例としてインターネットである。センタサーバ2には、ユーザ端末5がネットワーク3を介してさらに接続されることがある。ユーザ端末5は、センタサーバ2へユーザ情報を登録し、あるいはそのユーザ情報を更新するためにセンタサーバ2に接続される。ユーザ端末5は、一例として携帯電話、パーソナルコンピュータ等のネットワーク接続機能を備えた汎用の端末装置である。
図2はセンタサーバ2の機能ブロック図である。センタサーバ2は、制御ユニット10と、記憶装置11と、通信装置12とを備えている。制御ユニット10は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM等の周辺装置とを含むコンピュータユニットとして構成されている。記憶装置11は、制御ユニット10にて実行されるべき各種のプログラムを記憶するサーバ用プログラム記憶部11a、ゲームのユーザの情報を記憶するユーザ情報記憶部11b等を含んでいる。サーバ用プログラム記憶部11aに保存されたプログラムを制御ユニット10が実行することにより、センタサーバ2には、エントリ処理部14、マッチング処理部15、認証処理部16及びデータ登録処理部17が形成される。これらは、いずれもコンピュータハードウエアとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。
エントリ処理部14は、ゲーム機4からのユーザのエントリー要求を処理する。エントリー要求は、ゲーム機4間で共通して実行されるゲームへのユーザの参加要求である。マッチング処理部15は、エントリー要求があった複数のユーザ間のマッチング、すなわち、同一のゲーム上で対戦すべきユーザの組み合わせを決定する。認証処理部16はユーザ端末5からアクセスするユーザの認証を処理する。データ登録処理部17は、ユーザ端末5を利用したユーザ情報の登録あるいは更新を処理する。
通信装置12は、制御ユニット10の指示に従ってネットワーク3を介したデータの送受信を実行する。なお、制御ユニット10には、図示した論理的装置14〜17以外にも、センタサーバ2が各種のサービスを提供するために適宜の論理的装置が構成されるが、それらの図示は省略した。記憶装置11についても、センタサーバ2が提供するサービスの実現に必要な各種のデータの記憶部が構成されるが、それらの図示も省略した。
図3はゲーム機4の機能ブロック図である。ゲーム機4は、制御ユニット20と、記憶装置21と、操作入力装置22と、表示装置23と、通信装置24とを備えている。制御ユニット20は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM等の周辺装置とを含むコンピュータユニットとして構成されている。記憶装置21は、制御ユニット20にて実行されるべき各種の端末用プログラム21aと、そのプログラム21aで利用される各種のゲーム用データ21bとを記憶する。本発明の特徴である台詞表示機能を実現するため、ゲーム用データ21bには、キャラクタ画像データ21cと、台詞データ21dとが含まれている。詳細は後述する。
操作入力装置22は、ゲームのユーザによって操作される複数の操作部材を有し、これらの操作部材の操作内容を判別するための情報を制御ユニット20に提供する。操作入力装置22には、ユーザの手によって操作されるステアリング状、あるいはレバー状の操作部材と、ユーザの足によって操作される一又は複数のペダル状の操作部材とが設けられる。表示装置23は、ゲーム画面等を表示するために設けられている。
端末用プログラム21aを制御ユニット20が実行することにより、ゲーム機4には、ゲーム制御部25、台詞決定部26、台詞表示制御部27等の論理的装置が形成される。ゲーム制御部25は、端末用プログラム21aに従ってゲームの進行に必要な各種の処理、例えば、ゲーム制御部25は、操作入力装置22から提供された操作入力情報に応じたゲームの進行の制御、そのゲームの進行に応じたゲーム画面を描画するために必要な演算といった処理を実行する。台詞決定部26は、ユーザ間での疑似的な会話を実現するためにゲーム画面に表示させるべき台詞を決定する。台詞表示制御部27は、台詞決定部26にて決定された台詞をゲーム画面に表示させるための制御を実行する。
通信装置24は、制御ユニット20の指示に従ってネットワーク3を介したデータの送受信を実行する。なお、制御ユニット20には、図示した論理的装置25〜27以外にも、ゲーム機4でゲームを実行するために適宜の論理的装置が構成されるが、それらの図示は省略した。記憶装置21についても、ゲームの実行に必要な各種のデータが記録されるが、それらの図示も省略した。
図4はユーザ端末5の機能ブロック図である。ユーザ端末5は、制御ユニット30と、記憶装置31と、入力装置32と、表示装置33と、通信装置34とを備えている。制御ユニット30は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM等の周辺装置とを含むコンピュータユニットとして構成されている。記憶装置31は、制御ユニット30にて実行されるべき各種の端末用プログラム31aと、そのプログラム31aで利用される各種の登録データ31bとを記憶する。本発明の特徴である台詞表示機能に関連して、登録データ31bには、ユーザ画像データ31cと、台詞データ31dとが含まれている。詳細は後述する。
端末用プログラム31aを制御ユニット30が実行することにより、ユーザ端末5には、その端末5の機能を実現するための各種の論理的装置が形成されるが、本形態では、ユーザ端末5によるセンタサーバ2へのアクセス及びユーザ情報の登録、更新を可能とするための論理的装置として、認証処理部35及びデータ生成部36が形成される。認証処理部35は、センタサーバ2の認証処理部16と連携してユーザ端末5からセンタサーバ2へアクセスした際の認証を処理する。データ生成部36は、ユーザ画像データ31cや台詞データ31dを生成するための処理を実行する。入力装置32は、例えば文字情報を入力するためのテキスト入力部と、画像データを入力するための画像入力部とを含んでいる。表示装置33は、ユーザ端末5のユーザに適宜の情報を表示するために設けられている。
本形態のゲームシステム1によって実現されるゲームは、複数のゲーム機4のそれぞれのユーザが自らに割り当てられたオブジェクトを操作すると、それらの操作に応じてゲーム画面上のオブジェクトが動作し、その動作に応じてゲームの状況が変化するタイプであればその内容を問わないが、以下ではカーレースをテーマとしたゲームを例に説明する。
図5はゲーム機4間で実行されるレースゲームの画面の一例である。その画面100には、ゲーム機4のユーザによって操作されるオブジェクトであるレース車両を示す車両画像101がコース像102と重ね合わせて表示される。コース画像102には、コースマップ103a、ルームミラー103bといったウインドウが適宜に表示される。ゲーム機4間で共通のゲームが実行される場合、各ゲーム機4のユーザ毎に異なるレース車両が割り当てられる。各ゲーム機4の表示装置23に表示されるコース画像102は、自らのゲーム機4のユーザに割り当てられたレース車両を基準として、一定範囲が描画されるように制御される。その描画範囲に含まれる他のレース車両の画像もコース画像102内に表示される。なお、カーレースゲームのレース車両の制御は周知のカーレースゲームのそれと同様でよい。
図6に示すように、ゲーム画面100上には、キャラクタ画像104及び台詞画像105がさらに表示される。図6のゲーム画面100は、一台のゲーム機(以下、これを特定ゲーム機と呼ぶことがある。)の表示装置23上に表示される。なお、図6の参照符号101、104、105に添えられたアルファベットA〜Dは、対応するゲーム機4を区別するためのものである。以下の説明では、ゲーム機4を区別する必要がある場合に添え字A〜Dを使用し、区別する必要がない場合には添え字A〜Dを省略することがある。
図6において、ゲーム画面100のほぼ中央位置には、特定ゲーム機4に割り当てられたレース車両を示す画像101Aの他に、他のゲーム機4に割り当てられたレース車両を示す画像101B、101C、101Dが表示されている。なお、後方のレース車両に関しては、そのレース車両がルームミラー103bの視野内に存在する限り、当該ルームミラー103b内にその車両画像101Dが表示される。そして、図6のゲーム画面100では、車両画像101Bに対応してキャラクタ画像104B及び台詞画像105Bが表示され、車両画像101Cに対応してキャラクタ画像104C及び台詞画像105Cが表示されている。さらに、ルームミラー103b内の車両画像101Dに対応して台詞画像105Dが表示されている。キャラクタ画像104は、各ゲーム機4のユーザを象徴する画像として表示される。図6の例では、レース車両のドライバを象徴する画像がゲーム機4毎に色分けされてキャラクタ画像104として表示される。ゲーム機4の記憶装置21に記録されているキャラクタ画像データ21cは、複数のキャラクタ画像104が画像毎にユニークなID(識別番号)を付して記録されたデータである。
台詞画像105は、ユーザ間で擬似的に交わされる会話を示す画像である。図6の台詞画像105Bは、車両画像101Bに対応するレース車両が車両画像104Aに対応するレース車両を追い抜いた際の会話の一例であり、車両画像101Bに対応したキャラクタ画像104Bの下方に添えて「イエ〜イ」の文字列が台詞画像105Bとして表示されている。車両画像101Cに対応したキャラクタ画像104Cに関しては、その下方に添えて「(怒)」の文字列が台詞画像105Cとして表示されている。さらに、ルームミラー103b内の車両画像101Dの上方には、「待てー」の文字列が台詞画像105Dとして表示されている。これらの台詞画像105B、105C、105Dは、ユーザがその時点で入力したものではなく、ゲーム機4の制御ユニット20の処理によりレース状況に応じて適宜に選択され、表示される。
台詞画像105によって表示されるべき台詞の文字列は、上述したゲーム機4の記憶装置21の台詞データ21dに保持されている。図7は台詞データ21dの内容の一例を示している。台詞データ21dは、表示条件と台詞とID(識別番号)とが対応付けて記録されたテーブルデータとして構成されている。表示条件はレースの状況に対応付けて設定されている。例えば、「一定の速度差で自車を追い抜いた時」、「一定以上の速度差で自車に追い抜かれた時」といった条件が規定されている。台詞は、ゲームの状況に応じてユーザ間で交わされることが予想される文字列である。一つの表示条件に対して複数の台詞が用意されている。例えば、表示条件の一つである「一定の速度差で自車を追い抜いた時」には、「お先に〜」、「イエ〜イ」といった台詞が用意されている。IDは台詞を指定するためのものであり、台詞毎にユニークなコードが設定されている。なお、「自車」とは、ゲーム機4に対応付けられたユーザの操作対象のレース車両を意味する。図6の例では、特定ゲーム機4に対応する車両画像101Aが自車に対応する。その自車を「一定以上の速度差で追い抜いた」レース車両に対応する車両画像101Bに関して、「イエ〜イ」の台詞が選択され、その文字列を示す台詞画像105Bが表示されている。また、自車に対して、車両画像101Dに対応するレース車両が一定時間以上直後にとどまっているために、ルームミラー103b内の車両画像101Dに関して「待てー」の台詞が選択され、その文字列を示す台詞画像105Dが表示されている。
次に、ゲームシステム1によるゲームの実行手順を説明する。図8は、ゲームを開始する際に、センタサーバ2の制御ユニット10とゲーム機4の制御ユニット20とがそれぞれ実行する処理を相互に関連付けて示したフローチャートである。ゲーム機4は2台(ゲーム機A及びB)のみが示されているが、3台目以降のゲーム機4が加わった場合でも、各ゲーム機4における処理は同様である。
まず、ゲーム機4の操作入力装置22に対してユーザが所定のエントリー操作をすると、ゲーム機4の制御ユニット20にてエントリー要求処理が実行され(ステップS21)、ゲーム機4からセンタサーバ2にエントリーが要求される。エントリー要求では、その要求をしたユーザを識別するためのユーザID、ユーザが操作したゲーム機4を識別するためのゲーム機ID等がセンタサーバ2に提供される。センタサーバ2の制御ユニット10は、エントリー要求に対応してエントリー受付処理を実行する(ステップS11)。エントリー受付処理では、エントリーを要求したユーザが識別される。
エントリー受付処理の完了後、センタサーバ2はマッチング処理を実行する(ステップS12)。マッチング処理では、エントリーを受け付けたユーザ同士の組み合わせが決定される。例えば、センタサーバ2のユーザ情報記憶部11bに、ユーザが過去にプレイしたゲームの成績、プレイ回数等をユーザIDと対応付けて記憶しておき、レベルが比較的近いユーザ同士が共通のゲームをプレイするようにマッチングが決定される。マッチングが決定されると、センタサーバ2は、エントリー要求があった全てのゲーム機4に対してマッチングの結果を通知する。マッチング結果の通知に際しては、各ゲーム機4に対して対戦相手となるゲーム機4を特定するための情報と、各ゲーム機4の自車に割り当てられるべきキャラクタ画像104を指定する情報(キャラクタ画像のID)とが通知される。また、マッチング処理では、同一ゲームをプレイするゲーム機4間で親機となるべきゲーム機4も決定され、その親機を指定する情報も併せて通知される。本形態では、マッチングの決定後は、マッチングされたゲーム機4間で通信が行われてゲームが進行する。親機は、そのゲーム機4間で共通のゲームを実行する際のホストコンピュータとして機能すべきゲーム機4である。
ゲーム機4がマッチングの通知を受けると、各ゲーム機4の制御ユニット20はマッチング結果に応じて共通のゲームを実行するために必要なゲーム用データを生成し、そのゲーム用データを相互に送受信する(ステップS22)。ゲーム用データでは、各ゲーム機4のユーザに割り当てられた、あるいはユーザが選択したレース車両に対応する車両画像101と、そのレース車両に対応付けられるべきキャラクタ画像104とを指定する情報が含まれている。よって、ゲーム用データを送受信することにより、各ゲーム機4は自らに対応するレース車両(自車)及び他のゲーム機4に割り当てられているレース車両(他車)のそれぞれに対応する車両画像101及びキャラクタ画像104を把握することができる。
続いて、制御ユニット20は、ゲーム用データに基づいてゲームを開始するために必要な準備処理を実行し(ステップS23)、その後にゲーム処理を開始する(ステップS24)。ゲーム処理では、子機となったゲーム機4から親機のゲーム機4に対して子機の操作入力装置22の操作内容を特定するための情報が自己操作データとして送信される。親機となったゲーム機4からは、子機のゲーム機4のそれぞれに対して、親機のゲーム機4及び他のゲーム機4の操作入力装置22の操作内容を特定するための情報が対戦相手操作データとして送信される。各ゲーム機4の制御ユニット20は、自己操作データと対戦相手操作データとを参照して、ゲームに参加している全てのレース車両の位置、速度、加速度、走行方向といったパラメータの値を繰り返し演算し、それらの演算結果に応じて自機の表示装置23の画像を更新する。これらの演算及び画像の更新により、ユーザの操作に応じてオブジェクト(レース車両)がコースを移動しつつ競争するレースゲームが実現される。つまり、上記の処理により、ユーザの操作に応じてオブジェクトがゲーム画面上で動作し、それらの動作に応じてゲームの状況が変化するネットワークゲームが実現される。以上の処理は、ネットワークを介した競争が可能な公知のレースゲームシステムと同様でよい。
次に、ゲーム中に台詞画像105を表示するための処理を説明する。図9は、上述したステップS24のゲーム処理中に、親機となったゲーム機4の制御ユニット20の台詞決定部26が所定の周期で繰り返し実行する台詞決定ルーチンを示している。台詞決定ルーチンを開始すると、制御ユニット20はまずステップS101でゲームの状況(ゲーム状態)を取得する。例えば、カーレースに参加している全てのレース車両のそれぞれの位置、速度、加速度、走行方向といったレース車両の走行状態を決定するために制御ユニット20のゲーム制御部25が演算しているパラメータの値がゲームの状況としてここで取得される。なお、ステップS101では、マッチングされた全てのレース車両の状態が取得される。各ユーザの操作対象とされたレース車両に加えて、コンピュータによって操縦されるレース車両(コンピュータ操作車両)がレースに参加してもよく、その場合には、そのコンピュータ操作車両の位置等も取得される。
続くステップS102において、制御ユニット20は、今回のルーチンで取得したゲームの状況に基づいて、台詞データ21dに規定されている表示条件のいずれかが成立しているか否かを判別する。表示条件が満たされていない場合は今回のルーチンを終了する。一方、表示条件が満たされている場合、制御ユニット20はステップS103に進み、成立した表示条件に対応する複数の台詞からいずれか一つの台詞を、ゲーム画面100に表示すべき台詞の候補として選択する。複数の表示条件が成立している場合には、それぞれの表示条件に対して台詞の候補が選択される。台詞の候補の選択後、制御ユニット20はステップS104に進み、選択された台詞のIDを、その台詞が表示されるべきレース車両を特定する情報と対応付けて各ゲーム機4に送信する。例えば、図6及び図7の例であれば、台詞IDの「fd_A02」、「fd_I05」、「fd_D01」が、車両画像101B、101C、101Dにそれぞれ対応するレース車両を指定する情報と対応付けて各ゲーム機4に送信される。以上により、一回の台詞決定ルーチンが終了する。なお、ステップS104の送信範囲には、親機となったゲーム機4も含まれる。
図10は、制御ユニット20の台詞表示制御部27が、上述した台詞決定ルーチンにて決定された台詞の表示を制御するために所定の周期で繰り返し実行する台詞表示ルーチンを示している。なお、台詞表示ルーチンは、親機か子機かに関わりなく、全てのゲーム機4の台詞表示制御部27にて実行される。台詞表示ルーチンを開始すると、制御ユニット20はまずステップS201にて台詞IDが親機から指定されたか否か、すなわち図9のステップS104により台詞IDが各ゲーム機4に送信されたか否かを判別する。台詞IDが指定されていなければ今回のルーチンを終了する。一方、台詞IDが指定されている場合、制御ユニット20はステップS202に進み、ゲームに参加している各レース車両の位置を取得する。
続くステップS203において、制御ユニット20は、指定された台詞IDが、ゲーム画面上に表示されるべきレース車両に対応した台詞か否かを、ステップS202で取得した各レース車両の位置に基づいて判別する。図6の例においては、ゲーム画面100上に描画される車両画像101A、101B、101C、101Dのいずれかに対応した台詞IDが指定されているときにステップS203が肯定判断される。その一方、ゲーム画面100上に描画されないレース車両に対応した台詞IDが指定されているときはステップS203が否定判断される。つまり、図9の台詞決定ルーチンでは、表示条件が成立している限り、レース車両のコース上の位置に関わりなく、台詞IDがレース車両と対応付けて選択されて各ゲーム機4に送信される。しかし、各ゲーム機4のゲーム画面100は、自車を基準とする所定範囲内に位置するレース車両の画像101のみが描画されるため、画面100に描画されていないレース車両に関しては、台詞画像105の表示が不必要となる。よって、ステップS203では、自車及び他車の位置に基づいて、指定された台詞IDに対応する台詞画像105の表示の要否をレース車両毎に判別している。
ステップS203が肯定判断された場合、制御ユニット20は、その台詞IDに対応する台詞画像105のデータを台詞データ21dから読み出してこれをゲーム画面100上に表示させる。このとき、図6に示したようにレース車両に対応するキャラクタ画像104がキャラクタ画像データ21cから読み出され、台詞画像105とともに表示される。ステップS203が否定判断された場合にはステップS204がスキップされる。続くステップS205において、制御ユニット20は、指定された全ての台詞IDに関してこれまでの処理を終えたか否か判別する。そして、未処理の台詞IDがあればステップS203に戻ってその未処理の台詞IDに関する処理を続行する。未処理の台詞IDがなければ今回の台詞表示ルーチンを終了する。
上述した処理では、キャラクタ画像104及び台詞画像105をゲーム機4の記憶装置21に予め用意されたゲーム用データ21bから読み出して表示させるものとしたが、それらのキャラクタ画像104及び台詞画像105をユーザ端末5からユーザが登録したものに置き換えることも可能である。図11は、ユーザ端末5を利用したキャラクタ画像104及び台詞画像105の登録処理を示している。
図11の処理は、ユーザがユーザ端末5を操作して端末用プログラム31aに含まれた登録用のプログラムを制御ユニット30に実行させることにより開始される。その処理が開始されると、ユーザ端末5の制御ユニット30がまずゲームサイトへのアクセス処理を実行し(ステップS41)、ユーザ端末5からセンタサーバ2に対してアクセス要求が送られる。そのアクセス要求では、ユーザのID等が送られる。アクセス要求を受けたセンタサーバ2は、ユーザ端末5からのアクセスを認証するための処理を実行し(ステップS31)、ユーザ端末5に対してアクセス許可を通知する。ユーザ端末5の制御ユニット30は、アクセス許可通知を受けて自己データの登録要求処理を実行する(ステップS42)。ここで自己データとは、ユーザ端末5の記憶装置31に登録データ31bの一部として保持されたユーザ画像データ31c及び台詞データ31dである。ユーザは、ユーザ端末5の入力装置32を利用することにより、キャラクタ画像104として表示させたい画像をユーザ画像データ31cとして記録し、台詞画像105として表示させたい台詞の文字列を台詞データ31dとして記録しておくことができる。ステップS42の処理は、ユーザ端末5に登録されている自己データを、センタサーバ2のユーザ情報記憶部11bにユーザIDと対応付けて登録するようにセンタサーバ2に要求する処理である。その自己データ登録要求処理を受けたセンタサーバ2は、ユーザ端末5から送られた自己データのユーザ画像データ31c及び台詞データ31dを、ユーザ情報の一部として、ユーザIDと対応付けてユーザ情報記憶部11bに登録する(ステップS32)。その登録が完了すると、センタサーバ2からユーザ端末5に登録完了が通知される。
ユーザがゲーム機4上でエントリー操作に付帯して自己データの使用を要求する操作を行った場合、そのユーザIDに対応するユーザ情報に保存されているユーザ画像データ31c及び台詞データ31dが、図8のマッチング処理(ステップS12)の際に読み出され、それらのデータ31c、31dがマッチング通知と併せて各ゲーム機4に提供される。各ゲーム機4は、それらのデータ31c、31dをゲーム用データ21bの一部として保存し、ユーザ画像データ31cをキャラクタ画像104として使用するとともに、台詞データ31dを台詞データ21dに保存されている台詞の一部として使用する。なお、台詞データ31dをユーザ情報記憶部11bに登録する際には、その台詞データ31dが、予め台詞データ21dに保持されている表示条件のいずれに対応するかをユーザが指定する必要がある。
以上の形態においては、制御ユニット20がゲーム制御手段として機能し、その制御ユニット20の台詞決定部26が図9のステップS101を実行することによりゲーム状況判別手段が実現され、台詞決定部26が図9のステップS102を実行することにより表示条件判別手段が実現される。また、台詞決定部26が台詞決定手段として機能し、台詞表示制御部27が台詞表示制御手段として機能する。
本発明は上述した形態に限らず、適宜の形態にて実施することができる。例えば、台詞データでは、一つの表示条件に対して一つの台詞のみが用意されてもよい。この場合には、表示条件の成否の判別、表示条件成立時における台詞の決定、その決定された台詞の表示の要否の判別、及び表示すべきと判別された台詞の表示を、各ゲーム端末の制御ユニットで別々に実行しても、ゲーム端末間で不整合を生じさせることなくゲーム状況に応じた適切な台詞をゲーム画面上に表示させることができる。ゲーム画面に、全てのオブジェクトが表示されるゲームが複数のゲーム端末間で共通して実施される場合には、各ゲーム端末のゲーム画面の表示範囲に応じた台詞の表示の可否を判別する必要はなく、決定された台詞をそのままオブジェクトと関連付けて表示してもよい。本形態では、ゲーム画面上のオブジェクト(車両画像)の近傍に台詞を表示したが、台詞の表示位置、表示態様はオブジェクトとの関連付けが明確である限り、適宜に変更可能である。本発明は、複数のゲーム端末間で共通のレースゲームを実行するゲームシステムに限らず、ゲームの内容は適宜に変更可能である。センタサーバが存在せず、複数のゲーム端末間でピアツーピアによりネットワーク制御を実行するタイプのゲームシステムでも本発明は適用可能である。
1 ゲームシステム
2 センタサーバ
3 ネットワーク
4 ゲーム機(ゲーム端末)
5 ユーザ端末
20 制御ユニット(ゲーム制御手段、ゲーム状況判別手段、表示条件判別手段、台詞表示手段)
21 記憶装置(台詞データ記憶手段)
21a 端末用プログラム
21b ゲーム用データ
21c キャラクタ画像データ
21d 台詞データ
22 操作入力装置
23 表示装置
24 通信装置
25 ゲーム制御部
26 台詞決定部(台詞決定手段)
27 台詞表示制御部(台詞表示制御手段)
100 ゲーム画面
101A、101B、101C、101D 車両画像(オブジェクト)
102 コース画像
104A、104B、104C キャラクタ画像
105B、105C、105D 台詞画像

Claims (9)

  1. ネットワークを介して相互に接続された複数のゲーム端末を有し、それぞれのゲーム端末には、ゲーム端末間で通信しつつ共通のゲームを実行するゲーム制御手段が設けられたゲームシステムにおいて
    ユーザによる入力操作に基づいて、台詞データを生成する台詞データ生成手段と、
    前記台詞データ生成手段により生成された台詞データを、その台詞データに対応するユーザを識別するためのIDを特定可能な状態で、所定の記憶部に登録する登録手段と、
    前記ゲーム制御手段の制御結果に基づいて、所定の表示条件が成立したか否かを判別する表示条件判別手段と、
    前記表示条件が成立した場合、前記所定の記憶部にて前記共通のゲームを実行しているユーザを識別するためのIDに対応して登録されている台詞データに基づく台詞を、前記複数のゲーム端末のうち、少なくとも当該IDに対応するゲーム端末以外の他のゲーム端末に表示させる台詞表示手段と、を備える、ゲームシステム。
  2. 前記表示条件は複数の表示条件のいずれか1つである、請求項1に記載のゲームシステム。
  3. 前記台詞データ生成手段は、前記複数の表示条件のそれぞれについての前記ユーザによる入力操作に基づいて前記台詞データを生成し、
    前記表示条件判別手段は、前記ゲーム制御手段の制御結果に基づいて前記複数の表示条件のいずれかが成立したか否かを判別し、
    前記台詞表示手段は、成立した表示条件に対応する前記台詞データに基づく台詞を、前記他のゲーム端末に表示させる、請求項2に記載のゲームシステム。
  4. 前記複数の表示条件は、前記共通のゲームを実行するゲーム端末間で共通である、請求項3に記載のゲームシステム。
  5. 前記ゲーム制御手段は、前記共通のゲームを実行しているゲーム端末毎に前記制御結果を管理し、
    前記表示条件判別手段は、前記ゲーム端末毎の前記制御結果に基づいて、前記表示条件が成立したか否かを判別する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
  6. 前記台詞表示手段は、前記各ユーザを画面上で識別可能な情報と、前記IDに対応する台詞データに基づく台詞とを関連付けて、前記ゲーム端末に表示させる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
  7. 前記複数の表示条件の一部の表示条件に対して、表示される台詞が予め対応づけられ、
    前記台詞データ生成手段は、前記一部の表示条件については前記予め対応付けられた台詞を前記ユーザの入力操作によって変更可能に提示する、請求項3に記載のゲームシステム。
  8. 前記台詞表示手段は、前記各ユーザを識別するためのIDに対応する台詞データに基づく台詞を、当該IDに対応するゲーム端末にも表示させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
  9. ネットワークを介して相互に接続された複数のゲーム端末を有し、それぞれのゲーム端末には、ゲーム端末間で通信しつつ共通のゲームを実行するゲーム制御手段が設けられたゲームシステムのコンピュータを、
    ユーザによる入力操作に基づいて、台詞データを生成する台詞データ生成手段と、
    前記台詞データ生成手段により生成された台詞データを、その台詞データに対応するユーザを識別するためのIDを特定可能な状態で、所定の記憶部に登録する登録手段と、
    前記ゲーム制御手段の制御結果に基づいて、所定の表示条件が成立したか否かを判別する表示条件判別手段と、
    前記表示条件が成立した場合、前記所定の記憶部にて前記共通のゲームを実行しているユーザを識別するためのIDに対応して登録されている台詞データに基づく台詞を、前記複数のゲーム端末のうち、少なくとも当該IDに対応するゲーム端末以外の他のゲーム端末に表示させる台詞表示手段と、して機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
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