JP6239355B2 - 水硬性組成物用添加剤 - Google Patents
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Description
コンクリート製品には、型枠中で硬化させた硬化物として販売される二次製品と呼ばれるものと、混練後、未硬化の状態で販売される生コンクリート(フレッシュ・コンクリート、生コンなどと称されることもある)と呼ばれるものがある。生コンクリートでは混練してから工事現場で打設するまでに運搬という工程が入ることで、混練後に長時間の流動保持性が求められる。このため、JIS A5308では混練から90分以内に荷下ろしし、荷下ろしした時の流動性が定められた範囲内であることが規定されている。
重合体(A):
構成単量体として、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルを含み、
全構成単量体中、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計の割合が95モル%以上であり、
アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計中、アクリル酸又はその塩の割合が5モル%以上、35モル%以下、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの割合が15モル%以上、55モル%以下、アクリル酸メチルの割合が25モル%以上、60モル%以下である、
重量平均分子量が17000以上30000以下の共重合体
重合体(B):
芳香環を含む構成単位を有する共重合体
構成単量体がAAだけである場合、重合体はセメントに速やかに吸着するため、初期の流動性は発現するが、流動保持性はほとんど発現しない。本発明の重合体(A)は、AAと共にHEAとAMとを構成単量体として含んでいる。このような重合体(A)を重合体(B)と共に用いて水硬性組成物を調製すると、水硬性粉体と水とを混練した後に、HEAとAMがAAを徐放する成分とし機能する。また、HEAの加水分解速度は比較的速いので、混練終了から1時間程度の保持性に寄与する。一方、AMは加水分解速度が比較的遅いので、混練後2時間程度からそれ以降の保持性に寄与する。HEAとAMとAAの特定の組成比の時に、混練初期(例えば混練直後から15分間)の流動性変化が少なく、運搬を想定した時間(例えば混練直後15分から180分の間)においても流動性の変化が少なく、混練から長時間経過後も(例えば、混練から180分後でも)水硬性組成物の流動性を保つことができることを見出した。
また、重合体(A)は重量平均分子量が所定範囲にある。これにより、重合体(A)の吸着基であるカルボキシル基又はその塩とセメントとの距離が適度に離れた状態となるため、吸着速度が遅くなり流動保持性が向上する。
重合体(B)は、初期の流動性には優れているが、流動保持性に乏しい。しかし、本発明では、上記の機構により流動保持性の向上に寄与すると考えられる重合体(A)を重合体(B)と併用することにより、混練から長時間経過後も(例えば、混練から180分後でも)、水硬性組成物の流動性を保つことができる。
重合体(A)は、構成単量体として、アクリル酸又はその塩(AA)、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)、及びアクリル酸メチル(AM)の3つの単量体を、所定条件で含む重合体である。
[GPC条件]
標準物質:ポリエチレングリコール換算(重量平均分子量 258,000 185,000 101,000 21,000 12,600 6,450 1,420)
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー(株)製)
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI
重合体(B)は、芳香環を含む構成単位を有する共重合体である。重合体(B)としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸系重合体、ポリスチレンスルホン酸系重合体、フェノールの構造を持つ重合体、クレゾールの構造を持つ重合体、ビスフェノールAの構造を持つ重合体が挙げられる。なかでも、流動性の温度や水硬性粉体の種類に対する依存性が小さいことから、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物が好ましい。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物は、酸の状態あるいは中和物であってもよい。
[GPC条件]
標準物質:ポリスチレンスルホン酸Na換算
カラム:G4000SWXL+G2000SWXL(東ソー(株)製)
溶離液:30mM酢酸/アセトニトリル=6/4
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI、UV
水硬性粉体とは、水と反応して硬化する性質をもつ粉体、及び単一物質では硬化性を有しないが、2種以上を組み合わせると水を介して相互作用により水和物を形成し硬化する粉体のことである。水硬性粉体として、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、混合セメント、エコセメント(例えばJIS R5214等)のセメントが挙げられる。また、本発明に用いられる水硬性粉体には、セメント以外の水硬性粉体として、石膏、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等が含まれてよい。
また、本発明の水硬性組成物は、骨材を含有する。骨材として細骨材や粗骨材等が挙げられ、細骨材は山砂、陸砂、川砂、砕砂が好ましく、粗骨材は山砂利、陸砂利、川砂利、砕石が好ましい。用途によっては、軽量骨材を使用してもよい。なお、骨材の用語は、「コンクリート総覧」(1998年6月10日、技術書院発行)による。本発明の水硬性組成物は、骨材として細骨材と粗骨材とを含有することが好ましい。
本発明の水硬性組成物は、材料分離の防止、又は環境面からリサイクルの目的で、水硬性粉体以外の粉体を含有することができる。水硬性粉体以外の粉体としては、水硬性組成物に配合することが適切な粉体で、前記の目的に合うものが使用され、具体的には、炭酸カルシウム、石粉及びゴミ焼却灰から選ばれる1種以上の粉体が好ましい。水硬性粉体以外の粉体は、平均粒径が0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、そして、200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。
本発明の水硬性組成物は、混練から180分後の流動性の保持率を高める観点から、水硬性粉体100質量部に対して、重合体(A)を好ましくは0.02質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは0.28質量部以下、より好ましくは0.26質量部以下、更に好ましくは0.20質量部以下含有する。
本発明は、前記重合体(A)、前記重合体(B)、水硬性粉体、水、及び骨材を混練して水硬性組成物を調製し、該水硬性組成物を、該水硬性組成物の調製場所とは異なる場所に運搬する、水硬性組成物の運搬方法を提供する。水硬性組成物としては、硬化前のいわゆる生コンクリートが挙げられる。
また、好ましくは300分以下、より好ましくは240分以下、更に好ましくは210分以下かけて、該水硬性組成物の調製場所とは異なる場所に運搬する。
本発明は、前記重合体(A)、前記重合体(B)、水硬性粉体、水、及び骨材を混練して水硬性組成物を調製する、水硬性組成物の製造方法を提供する。
<1>
下記重合体(A)と下記重合体(B)とを含有する水硬性組成物用添加剤。
重合体(A):
構成単量体として、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルを含み、
全構成単量体中、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計の割合が95モル%以上であり、
アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計中、アクリル酸又はその塩の割合が5モル%以上、35モル%以下、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの割合が15モル%以上、55モル%以下、アクリル酸メチルの割合が25モル%以上、60モル%以下である、
重量平均分子量が17000以上、30000以下の共重合体
重合体(B):
芳香環を含む構成単位を有する共重合体
重合体(B)が、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物である、前記<1>に記載の水硬性組成物用添加剤。
重合体(A)が、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計中、アクリル酸又はその塩の割合が5モル%以上、25モル%以下、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの割合が27モル%以上、55モル%以下、アクリル酸メチルの割合が25モル%以上、60モル%以下の共重合体である、前記<1>又は<2>に記載の水硬性組成物用添加剤。
重合体(A)が、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計中、アクリル酸又はその塩の割合が5モル%以上、35モル%以下、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの割合が15モル%以上、35モル%以下、アクリル酸メチルの割合が25モル%以上、60モル%以下の共重合体である、前記<1>又は<2>に記載の水硬性組成物用添加剤。
重合体(A)が、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計中、アクリル酸又はその塩の割合が5モル%以上、35モル%以下、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの割合が20モル%以上、35モル%以下、アクリル酸メチルの割合が52モル%以上、60モル%以下の共重合体である、前記<1>、<2>、<4>のいずれかに記載の水硬性組成物用添加剤。
重合体(A)が、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計中、アクリル酸又はその塩の割合が12モル%以上、17モル%以下、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの割合が27モル%以上、32モル%以下、アクリル酸メチルの割合が52モル%以上、55モル%以下の共重合体である、前記<1>〜<5>のいずれかに記載の水硬性組成物用添加剤。
重合体(A)の重量平均分子量が、17000以上、更に20000以上、そして、30000以下、更に25000以下、更に23000以下である、前記<1>〜<6>のいずれかに記載の水硬性組成物用添加剤。
重合体(A)において、アクリル酸メチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチルのモル比が、0.6以上3.0以下、更に1.8以上2.25以下である、更に更に1.8以上2以下である前記<1>〜<7>のいずれかに記載の水硬性組成物用添加剤。
重合体(A)において、アクリル酸メチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチルのモル比が、0.6以上3.0以下、更に1.8以上2.0以下である前記<1>〜<7>のいずれかに記載の水硬性組成物用添加剤。
重合体(A)において、アクリル酸メチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチルのモル比が、0.6以上3.0以下、更に1.2以上3.0以下、更に1.8以上2.3以下、更に1.8以上2以下である前記<1>〜<7>のいずれかに記載の水硬性組成物用添加剤。
重合体(B)の重量平均分子量が、200000以下、更に100000以下、更に80000以下、更に50000以下、そして、1000以上、更に3000以上、更に4000以上、更に5000以上である、前記<1>〜<10>のいずれかに記載の水硬性組成物用添加剤。
前記<1>〜<11>のいずれかに記載の水硬性組成物用添加剤と、水硬性粉体と水と骨材を含有する水硬性組成物。
前記重合体(A)、前記重合体(B)、水硬性粉体、水、及び骨材を含有する水硬性組成物。この水硬性組成物では、重合体(A)及び/又は重合体(B)の態様は、前記<1>〜<11>のいずれかに記載の水硬性組成物用添加剤で示したものを適宜適用できる。
水硬性粉体100質量部に対して、重合体(A)を、好ましくは0.02質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは0.28質量部以下、より好ましくは0.26質量部、更に好ましくは0.20質量部以下含有する、前記<12>又は<13>に記載の水硬性組成物。
水硬性粉体100質量部に対して、重合体(B)を、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上、そして、好ましくは1.6質量部以下、より好ましくは1.2質量部以下、更に好ましくは0.8質量部以下含有する、前記<12>〜<14>のいずれかに記載の水硬性組成物。
重合体(A)と重合体(B)の質量比が、重合体(A)/重合体(B)で、好ましくは5/95以上、より好ましくは10/90以上、そして、好ましくは45/55以下、より好ましくは40/60以下、更に好ましくは30/70以下である、前記<12>〜<15>のいずれかに記載の水硬性組成物。
水/水硬性粉体比が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である、前記<12>〜<16>のいずれかに記載の水硬性組成物。
前記重合体(A)、前記重合体(B)、水硬性粉体、水、及び骨材を混練して水硬性組成物を調製し、該水硬性組成物を調製場所とは異なる場所に運搬する、水硬性組成物の運搬方法。この水硬性組成物の運搬方法では、重合体(A)及び/又は重合体(B)の態様は、前記<1>〜<11>のいずれかに記載の水硬性組成物用添加剤や前記<12>〜<17>のいずれかに記載の水硬性組成物で示したものを適宜適用できる。
水硬性組成物を、混練後、好ましくは90分以上、より好ましくは120分以上、更に好ましくは180分以上かけて前記異なる場所に運搬する、また、混練後、好ましくは300分以下、より好ましくは240分以下、更に好ましくは210分以下かけて運搬する、前記<18>に記載の水硬性組成物の運搬方法。
前記重合体(A)、前記重合体(B)、水硬性粉体、水、及び骨材を混練して水硬性組成物を調製する、水硬性組成物の製造方法。この水硬性組成物の製造方法では、重合体(A)及び/又は重合体(B)の態様は、前記<1>〜<11>のいずれかに記載の水硬性組成物用添加剤や前記<12>〜<17>のいずれかに記載の水硬性組成物で示したものを適宜適用できる。
実施例1−1の重合体を、以下の合成例1−1により製造した。また、表1の他の重合体を、下記合成例1−1と同様に、ただし、単量体組成と重量平均分子量を表1のように変更して、製造した。重量平均分子量は、過硫酸アンモニウム及びβ−メルカプトプロピオン酸の滴下量により調整した。なお、表1には、重合体(A)に該当しない重合体も便宜的に重合体(A)の欄に示した。
反応容器である4つ口フラスコにイオン交換水220.16gを仕込み、反応容器内を脱気後窒素雰囲気下にした。アクリル酸(以下、AAと表記する) 23.49g、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、HEAと表記する) 78.07g、アクリル酸メチル(以下、AMと表記する) 102.83gを混合し、単量体液を調製した。過硫酸アンモニウム3.43gをイオン交換水22.90gに溶解し、開始剤水溶液(1)を調製した。β-メルカプトプロピオン酸19.40gをイオン交換水24.07gに溶解し、連鎖移動剤水溶液を調製した。反応容器を75℃にして、前記単量体液、開始剤水溶液(1)及び前記連鎖移動剤水溶液を、4つ口フラスコの別の口から滴下ロートで同時に180分かけて滴下した。その後、過硫酸アンモニウム0.74gをイオン交換水4.91gに溶解した開始剤水溶液(2)を30分かけて滴下し、その後更に75℃で60分間反応させた。反応終了後に常温に戻して、48%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、pH5の重合体の水溶液を得た。
合成例1−1の仕込み組成比は、以下の通りであった。
AA/HEA/AM = 11.6/37.5/50.9 (質量比)
AA/HEA/AM = 15/30/55 (モル%)
[GPC条件]
標準物質:ポリエチレングリコール換算(重量平均分子量 258,000、185,000、101,000、21,000、12,600、6,450、1,420)
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー(株)製)
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI
アクリル酸: SIGMA Aldrich 社製(純度 99.0質量%)
アクリル酸メチル:和光純薬工業(株)製(純度 99.0質量%)
2-ヒドロキシエチルアクリレート:SIGMA Aldrich 社製(純度 96.0質量%)
過硫酸アンモニウム:和光純薬工業(株)製
3-メルカプトプロピオン酸: SIGMA Aldrich 社製
重合体(B)として、下記のナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物(以下、NSFと表記する)を用いた。
NSF:マイテイ150、(ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物系混和剤、重量分子量13400、花王(株)製)
セメント(C):普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)の普通ポルトランドセメント/住友大阪セメント(株)の普通ポルトランドセメント=1/1、質量比)、密度3.16g/cm3
<骨材>
細骨材(S):城陽産、山砂、FM=2.67、密度2.56g/cm3、この細骨材は、細骨材Aに該当した。
<水>
水道水(W)
水硬性粉体(C)、骨材(S)、水(W)の配合比は、C/S/W=400g/700g/180gの質量比にて行った。この配合は、W/Cが45質量%であった。また、表1の重合体(A)と重合体(B)は、水(W)に添加して用いた。
モルタルミキサー((株)ダルトン製、万能混合撹拌機、型式:5DM−03−γ)を用いて、前記配合比で水硬性粉体及び骨材を投入し空練りを10秒行い、表1の重合体(A)と重合体(B)とを含んだ水を練り水として加え、低速回転にて120秒本混練りし、水硬性組成物を得た。
なお、重合体(B)の添加量は、目標空気連行量2±1%となるように調整した。
水硬性組成物について、混練直後、混練から15分後、及び混練から180分後のそれぞれのフロー値を以下の方法で測定し、流動性及び流動保持性を評価した。なお、練り水が最初に水硬性粉体と接した時点を混練開始とし、混練開始から15分後を「混練から15分後」とし、混練開始から180分後を「混練から180分後」とし、本混練り終了直後を「混練直後」とした。
(フロー値の測定方法)
水硬性組成物を、JIS R 5201に基づき、直ちにフローコーンに2層詰めし、フローコーンを正しく上の方に取り去り、最大と認める方向と、これに直角な方向の長さを測定し、フロー値とした。尚、JIS R 5201記載の落下運動は行っていない。
(1)混練から180分後のフロー値の保持率(以下、「保持率」という)、
(2)混練直後のフロー値と混練から15分後のフロー値の変化率(以下、「0−15変化率」という)、
(3)混練から15分後のフロー値と混練から180分後のフロー値の変化率(以下、「15−180変化率」という)
を、下記の式により算出した。結果を表1に示す。なお、混練直後のフロー値を「初期フロー値」として表1に示した。
保持率(%)=100×(混練から180分後のフロー値)/(混練直後のフロー値)
0−15変化率(%)=100×〔(混練直後のフロー値)−(混練から15分後のフロー値)〕/(混練直後のフロー値)
15−180変化率(%)=100×〔(混練から180分後のフロー値)−(混練から15分後のフロー値)〕/(混練直後のフロー値)
また、15−180変化率が小さいということは、運搬後の水硬性組成物の到着時間に関係なくほぼ同じ流動性の水硬性組成物が得られることを示し、予測性が高いことになり、好ましい。
Claims (10)
- 下記重合体(A)と下記重合体(B)とを含有する水硬性組成物用添加剤。
重合体(A):
構成単量体として、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルを含み、
全構成単量体中、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計の割合が95モル%以上であり、
アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計中、アクリル酸又はその塩の割合が5モル%以上、35モル%以下、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの割合が15モル%以上、55モル%以下、アクリル酸メチルの割合が25モル%以上、60モル%以下である、
重量平均分子量が17000以上、30000以下の共重合体
重合体(B):
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物 - 重合体(A)が、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計中、アクリル酸又はその塩の割合が5モル%以上、25モル%以下、
アクリル酸2−ヒドロキシエチルの割合が27モル%以上、55モル%以下の共重合体である、請求項1に記載の水硬性組成物用添加剤。 - 重合体(A)が、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計中、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの割合が15モル%以上、35モル%以下の共重合体である、請求項1に記載の水硬性組成物用添加剤。
- 重合体(A)が、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計中、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの割合が20モル%以上、35モル%以下、アクリル酸メチルの割合が50モル%以上、60モル%以下の共重合体である、請求項1又は3に記載の水硬性組成物用添加剤。
- 重合体(A)が、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計中、アクリル酸又はその塩の割合が12モル%以上、17モル%以下、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの割合が27モル%以上、32モル%以下、アクリル酸メチルの割合が52モル%以上、57モル%以下の共重合体である、請求項1〜4の何れか1項記載の水硬性組成物用添加剤。
- 重合体(A)において、アクリル酸メチル/アクリル酸2−ヒドロキシエチルのモル比が、0.6以上、3.0以下である、請求項1〜5の何れか1項記載の水硬性組成物用添加剤。
- 請求項1〜6の何れか1項記載の水硬性組成物用添加剤と、水硬性粉体と、水と、骨材とを含有する水硬性組成物。
- 下記重合体(A)、下記重合体(B)、水硬性粉体、水、及び骨材を混練して水硬性組成物を調製し、該水硬性組成物を、該水硬性組成物の調製場所とは異なる場所に運搬する、水硬性組成物の運搬方法。
重合体(A):
構成単量体として、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルを含み、
全構成単量体中、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計の割合が95モル%以上であり、
アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計中、アクリル酸又はその塩の割合が5モル%以上、35モル%以下、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの割合が15モル%以上、55モル%以下、アクリル酸メチルの割合が25モル%以上、60モル%以下である、
重量平均分子量が17000以上、30000以下の共重合体
重合体(B):
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物 - 水硬性組成物を、混練後、90分以上300分以下かけて前記異なる場所に運搬する、請求項8記載の水硬性組成物の運搬方法。
- 下記重合体(A)、下記重合体(B)、水硬性粉体、水、及び骨材を混練して水硬性組成物を調製する、水硬性組成物の製造方法。
重合体(A):
構成単量体として、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルを含み、
全構成単量体中、アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計の割合が95モル%以上であり、
アクリル酸又はその塩、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸メチルの合計中、アクリル酸又はその塩の割合が5モル%以上、35モル%以下、アクリル酸2−ヒドロキシエチルの割合が15モル%以上、55モル%以下、アクリル酸メチルの割合が25モル%以上、60モル%以下である、
重量平均分子量が17000以上、30000以下の共重合体
重合体(B):
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物
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