JP6234187B2 - 数値制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械や産業用ロボットなどの産業用途の装置を駆動制御する数値制御装置に関するものであり、特に同一の運転を繰り返す過程でモータが過熱状態になることを回避する数値制御装置に関するものである。
工作機械や産業用ロボットに代表される産業用途の装置では、運転指令が記述されたプログラムに従って運転が実行される。特に大量の製品を製造する場合には、プログラムで指令された同一の運転サイクルが長時間繰り返される。
通常、上記の装置を駆動するための産業用のモータやモータに駆動電流を供給する駆動装置は、短時間に限り、定格電流を超える電流が許容されているが、1サイクルに要する時間を低減し単位時間当たりの生産数の向上を実現するために、定格電流以上の電流が流れるような動作指令が頻繁に行われている。
しかし、定格電流を超えた電流がモータや駆動装置に流れる時間が長くなり、モータや駆動装置の過熱状態が継続すると、モータや駆動装置が故障し、最悪の場合装置自体の修理や交換を要することから生産能率が著しく低下する。特に、同一運転サイクルを長時間繰り返すような運転を行うとき、1サイクル分の運転では過熱状態に至らなくても、複数回サイクルを連続して実行すると過熱状態に至る場合があり、サイクル運転時の過熱回避策が必要となっている。このため、従来技術においても、モータが過熱状態にならない範囲で、できる限り単位時間当たりの生産数が大きくなるように運転を継続するための技術が提案されている。
特許文献1では、モータ電流の2乗積分値が、予め設定された所定の値を越えない範囲内で最大となるように、制御パターン毎に休止時間・最大速度・最大加速度を更新する方法が提案されている。
特許文献2では、ある熱的平衡状態でのモータ電流と、各サンプリング時点での電流とを比較した結果を、産業用ロボットの温度状態として表示し、作業者の調整を容易にする方法が提案されている。
特開平9‐282020号公報 特開平7‐087787号公報
しかし、特許文献1に記載された方法では、モータ電流の2乗積分値が異常判定値を超えた場合に、2乗積分値が異常判定値より小さい復帰判定値に低下するまでモータを休止させる。休止時間は、予め設定されている異常判定値と復帰判定値の大きさによって変化するため、復帰判定値を異常判定値に対して十分小さい値に設定すれば過熱を回避できるが運転時間が無用に長くなり、反対に復帰判定値を異常判定値に近づけすぎると次回の判定処理までにモータが過熱状態になる場合がある。
また、特許文献1に記載された別の方法では、モータ電流の2乗積分値から算出される負荷率が過負荷判定値を超えた場合にモータの最大速度または最大加速度を段階的に更新する。このため、2乗積分値が過負荷判定値を超えてから2乗積分値を所定の値以下に低下させるには、少なくとも1回の運転サイクルの実行が必要となる。すなわち、2乗積分値が所定の値を上回ってから即座に温度を低減することができないので、モータの過熱状態が継続することでモータが故障する場合がある。
一方、特許文献2に記載された方法は、発熱量と放熱量が一致する熱的平衡時にモータに流すことのできる限界の2乗平均電流と各サンプリング時点における2乗平均電流の比を百分率として算出している。そして、この比の値により作業者は熱的な観点からモータが過熱になるまでの余裕の程度を判断し、比の値が100%になるように休止時間を短縮したりプログラム自体を変更したりできることが示唆されている。しかし、具体的な休止時間の導出方法が示唆されておらず、作業者は試行錯誤で調整するため、結果的に作業者の作業時間が長くなる。さらに、調整が適切でない場合、1サイクルに要する運転時間が無用に長くなってしまう。
すなわち、従来の工作機械や産業用ロボットなどの産業用途の装置では、長時間の運転によるモータや駆動装置の過熱を回避するために運転指令を変更すると運転時間を無用に増加するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、産業用途の装置の運転時間を無用に増加させずに過熱による非常停止を回避する数値制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、モータまたは駆動装置の一方または両方を温度予測対象とし、前記モータが同一の運転を繰り返すように前記駆動装置を介して前記モータを制御する数値制御装置において、前記温度予測対象の温度および電流を取得して出力する運転状態取得部と、前記温度予測対象の電流から前記温度予測対象の発熱量を演算する発熱量演算部と、前記温度予測対象の発熱量を記録する発熱量記録部と、前記温度予測対象の温度、周囲温度および前記発熱量記録部に記録された発熱量、および1回の運転サイクルに要する時間から温度推移モデルに基づいて、前記温度予測対象の温度を予測温度として予測する温度予測部と、前記予測温度と予め設定された閾値とを比較して、前記予測温度が前記閾値以下であれば休止時間を0とし、前記予測温度が前記閾値より大きければ前記温度予測対象の温度、前記周囲温度および前記発熱量記録部に記録された発熱量、前記1回の運転サイクルに要する時間から温度推移逆モデルに基づいて、休止時間終了後にN回(Nは自然数)の運転サイクルを実行した後の温度が前記閾値に一致することになる休止時間終了時の温度を算出し、前記温度予測対象の温度が休止時間開始時の温度から前記休止時間終了時の温度に低下するまでの時間を休止時間として演算する休止時間演算部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、将来のモータまたは駆動装置の温度を予測することにより、実際に過熱状態になる前に一時的に休止してモータの過熱を回避できる。さらに、休止時間は予測温度と予め設定された所定の値との関係から算出するので、運転時間が無用に増加することなく継続的に運転できる。すなわち、無用な休止により生産数を低下させずに過熱を確実に回避できるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る数値制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る各運転サイクルで発生する発熱量を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係る休止時間の有無による温度変化の違いを表す図である。 図4は、本発明の実施の形態1において休止時間演算部で休止時間を演算する手順を示すフローチャートである。 図5は、本発明の実施の形態2に係る数値制御装置の構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の実施の形態3に係る数値制御装置の構成を示すブロック図である。 図7は、本発明の実施の形態4に係る数値制御装置の構成を示すブロック図である。
以下に、本発明にかかる数値制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る数値制御装置1の構成を示すブロック図である。数値制御装置1は、プログラム2を解析し、駆動装置3から駆動装置電流および駆動装置温度を、モータ4からモータ電流およびモータ温度を、周囲温度センサ5から周囲温度を取得しながら、駆動装置3を介してモータ4を運転させるために駆動装置3へ運転信号を出力する。
プログラム2は1サイクル分の運転指令とその繰り返し回数と休止時間を挿入する休止タイミングが記述されている。駆動装置3は、数値制御装置1より与えられる運転信号に基づいてモータ4へ駆動装置電流を供給しモータを駆動させる。周囲温度センサ5はモータおよび駆動装置の周囲の温度を測定し、数値制御装置1へ出力する。周囲温度センサ5は、駆動装置3およびモータ4の発熱の影響を受けずにモータおよび駆動装置の周囲の温度が測定できればどのような形態のセンサでも構わない。
以下では数値制御装置1の詳細な説明を示す。数値制御装置1は内部に運転状態取得部101、プログラム解析部102、運転信号生成部103、発熱量演算部104、発熱量記録部105、温度予測部106、休止時間演算部107を有する。
運転状態取得部101は、駆動装置3から駆動装置電流および駆動装置温度を、モータ4からモータ電流およびモータ温度を取得し、実測電流を後述する発熱量演算部104へ、実測温度を後述する温度予測部106および休止時間演算部107へ出力する。運転状態取得部101には予め駆動装置3とモータ4の内の一方または両方が温度予測対象として設定されている。温度予測対象が駆動装置3であれば、出力する実測電流と実測温度はそれぞれ駆動装置電流と駆動装置温度である。温度予測対象がモータ4であれば、出力する実測電流と実測温度はそれぞれモータ電流とモータ温度である。温度予測対象が駆動装置3およびモータ4であれば、出力する実測電流と実測温度はそれぞれ駆動装置電流とモータ電流の組み合わせと駆動装置温度とモータ温度の組み合わせである。
プログラム解析部102は、プログラム2を読み込み解析し、解析データを運転信号生成部103へ出力する。解析データは、プログラム2に記述された運転指令から抽出されたモータ4への一連の目標位置と指令速度に加えて、運転の繰り返し回数、休止タイミングが含まれるデータである。
運転信号生成部103は、プログラム解析部102から出力される解析データおよび休止時間演算部107から出力される休止時間に基づいて運転信号を生成し、駆動装置3へ運転信号を出力する。また、休止時間を除いた1サイクルに要する時間を測定し、この値をサイクルタイムとして後述する温度予測部106および後述する休止時間演算部107へ出力する。
運転信号生成部103は、解析データから目標位置と指令速度を順次読み取り、運転信号生成部103の処理周期毎にモータ4への指令位置を運転信号として出力する。
ただし、後述する休止時間演算部107から0より大きい休止時間が与えられた場合は、プログラム2で予め決められた所定のタイミングから休止時間分だけ、モータ4の速度が0となるような運転信号を出力する。一方、休止時間が0の場合は、運転を休止させずに解析データを読み取った通りに運転信号を生成する。休止時間は、プログラム2に記述されたタイミング毎すなわち1サイクル毎に休止時間演算部107から入力される。なお、温度予測対象が複数個である場合は、それぞれの休止時間の内最も大きい値に基づいて運転信号を出力する。
発熱量演算部104は、運転状態取得部101の実測電流から温度予測対象の発熱量を演算し、発熱量記録部105へ発熱量を出力する。一般に単位時間当たりの発熱量は電流の2乗に比例することが知られているため、例えば、下記の数式(1)を用いて得られる単位時間あたりの温度予測対象の発熱量とする。
q=r×I^2 ・・・(1)
ここで、qは単位時間当たりの発熱量、Iは実測電流、rは温度予測対象の抵抗である。^2は2乗を示す。ある時刻の発熱量は、当該時刻における単位時間当たりの発熱量にサンプリング周期分の時間を乗算した値とする。抵抗rは、予め実験を行い温度予測対象の電流と発熱量を測定して最小2乗法などの方法により同定する。なお、温度予測対象が複数個である場合は、それぞれの温度予測対象に対して発熱量を算出する。
発熱量記録部105は、発熱量演算部104で演算した各時刻の発熱量を記録し、温度予測部106および休止時間演算部107へ記録した発熱量を出力する。発熱量記録部105は後述する温度予測部106および休止時間演算部107での処理のために、少なくとも1サイクルタイム中の各時刻の温度予測対象の発熱量を記録できる容量を有するものとする。
温度予測部106は、運転信号生成部103で測定したサイクルタイム、発熱量記録部105に記録された発熱量、運転状態取得部101からの実測温度、周囲温度センサ5で測定された周囲温度を入力とし、Nサイクル後の温度予測対象の温度である予測温度を算出し、予測温度を出力する。自然数Nは、運転の繰り返し回数よりも小さい範囲で設定変更できる値であり、初期設定時はN=1である。
温度予測部106は内部に温度推移モデルを有する。温度推移モデルとは温度予測対象の放熱・発熱過程を表現したモデルである。温度推移モデルは下記の数式(2)で表される。
t(i+1)=a×t(i)+b×q(i) ・・・(2)
t(i)は時刻iでの温度予測対象の温度から周囲温度を差し引いた温度である。q(i)は時刻iにおける発熱量である。a(0<a<1)は放熱係数であり、b(b>0)は発熱係数である。放熱係数および発熱係数は温度予測対象の構造や運転環境によって決定される値である。両係数は予め温度予測対象の各時刻の温度を測定して最小2乗法などの方法により同定する。なお、時刻iを現在時刻としj≧0とすると、t(i+j+1)は、時刻i+j+1での予測温度から現在時刻の周囲温度を差し引いた温度となる。温度予測対象の温度変化に比べて、温度予測対象の周囲の空気の温度変化は十分に小さいため、時刻i−jおよび時刻i+jの周囲温度は時刻iの周囲温度として扱うことができる。
温度予測の詳細について以下に示す。プログラム2に記述された休止タイミングの時刻n、休止時間を除いた1サイクルタイムkを用いて、Nサイクル後の温度t(n+N×k)を演算する。
具体的には、温度t(n)に対してnをkずつ増加させながら下記の数式(3)をN回繰り返すことで温度t(n+N×k)を算出する。
t(n+k)=A×t(n)+B ・・・(3)
この数式(3)は、数式(2)を用いて温度t(n)と温度t(n+k)の関係を表した式である。
ただし、AおよびBは下記の数式(4)、(5)で示される。
A=a^k ・・・(4)
B=b×Σ_(i=0)^(k−1){a^(k−i−1)×q(n−k+i)} ・・・(5)
数式(5)において、Σ_(i=0)^(k−1){}は、i=0、1、・・・k−1のそれぞれの場合について{}内の値の総和をとる操作を表す。
なお、数式(3)では、時刻nから時刻n+N×k−1の間の発熱量q(n)〜q(n+N×k−1)は、発熱量記録部105に記録されている時刻n−kから時刻n−1における発熱量q(n−k)〜q(n−1)がN回繰り返されるものとして演算する。
ここで、過去の発熱量を用いてNサイクル後の温度が演算できる理由を、図2を用いて説明する。図2は、休止タイミングが、各運転サイクルの終了時である場合の発熱量の変化を表した図である。モータ4はプログラム2に従ってサイクル毎に同じ運転を繰り返すため、温度予測対象にはサイクル毎に同一の電流が流れる。発熱量は電流の2乗に比例するので、発熱量も図2のようにサイクル毎に繰り返される。例えば、図中の第Mサイクルにおける発熱量Xは1サイクル前の発熱量である第M−1サイクルの発熱量Yと一致する。ゆえに、ある時刻の発熱量を用いた演算には、発熱量記録部105に記録されている過去の運転サイクルで発生した発熱量の値を用いることができる。
以上の処理をサイクル毎に行い、Nサイクル後の温度を予測する。なお、温度予測対象が複数個である場合は、それぞれの温度予測対象に対して上記の温度予測処理を行う。
休止時間演算部107は、運転信号生成部103で測定したサイクルタイム、発熱量記録部105に記録された発熱量、運転状態取得部101からの実測温度、温度予測部106で演算された予測温度、周囲温度センサ5で測定された周囲温度を入力とし、予測温度と許容温度の比較結果に基づいて計算した休止時間を運転信号生成部103へ出力する。許容温度は、温度予測対象によって決定する値であり、予め休止時間演算部107内に保持している値である。なお、休止時間演算部107は温度予測部106に設定されている自然数Nと同じ値が予め設定されている。
休止時間は下記のように演算する。休止時間をdwと、予測温度と周辺環境温度との差t(n+N×k)の大きさに応じて次の処理を行うことで休止時間dwを演算する。t(n+N×k)が(許容温度)−(周囲温度)以下の場合はdw=0として休止時間を出力する。
また、t(n+N×k)が(許容温度)−(周囲温度)より大きい場合は、プログラム2に記述された休止タイミングの時刻nから時間dwだけ休止した後、時刻n+dwに運転を再開した場合に、時刻n+dw+N×kにおける温度t(n+dw+N×k)が(許容温度)−(周囲温度)に一致するdwを算出する。
つまり、図3に示すように(a)では休止時間dw=0として動作するため温度予測部106で算出した予測温度は許容温度を超過するが、(b)に示すように、サイクル分の運転が終了する時刻である時刻n+dw+N×kにおける温度が許容温度に一致するようになるように休止時間dw>0で動作することで許容温度に一致させることができる。
なお、休止時間dwの演算は、温度予測部106における温度推移モデルの逆モデルである温度推移逆モデルを用いる。温度推移逆モデルは、温度を時間的に逆方向に演算するためのモデルである。数式(2)の温度推移モデルに対して温度推移逆モデルは下記の数式(6)となる。
t(i)={t(i+1)−b×q(i)}/a ・・・(6)
休止時間の演算処理は図4の手順で行われる。
ステップS101では、t(n+dw+N×k)が(許容温度)−(周囲温度)より大きいか否かを判定する。
ステップS101で、t(n+dw+N×k)が(許容温度)−(周囲温度)より大きくないと判定された場合(ステップS101:No)は、ステップS112で休止時間dw=0とおき終了である。
ステップS101で、t(n+dw+N×k)が(許容温度)−(周囲温度)より大きいと判定された場合(ステップS101:Yes)は、ステップS122に進み、t(n+dw+N×k)=(許容温度)−(周囲温度)とおく。ステップS122の後は、ステップS123に進む。
ステップS123では、下記の数式(7)を用いて温度t(n+dw)を算出する。
t(n)={t(n+k)−B}/A ・・・(7)
この数式(7)は数式(6)を用いて温度t(n)と温度t(n+k)の関係を表した式である。数式(7)において、右辺のn+kをn+dw+N×kと置き換えて、nをkずつ減少させながらN回演算することで温度t(n+dw)が算出できる。
ここで、各時刻の発熱量は、発熱量記録部105に記録されている発熱量を用いる。すなわち、時刻n+dwから時刻n+dw+N×k−1の間の発熱量は、発熱量記録部105に記録されている時刻n−kから時刻n−1における発熱量を用いる。
なお、数式(7)では、時刻nから時刻n+N×k−1の間の発熱量q(n)〜q(n+N×k−1)は、発熱量記録部105に記録されている時刻n−kから時刻n−1における発熱量q(n−k)〜q(n−1)がN回繰り返されるものとして演算する。
ステップS123の後、ステップS124に進み、ステップS124では、休止により温度t(n)が温度t(n+dw)まで低下するまでの時間dwを算出する。休止時間中の温度予測対象の発熱量をqn≡qc(=一定)とすると数式(6)は、
t(n)={t(n+dw)−(1−a^dw)/(1−a)×b×qc}/a^dw ・・・(8)
となり、数式(8)をdwについて解くと、下記の数式(9)となり、dwが算出できる。
dw=[ ln{(1−a)×t(n+dw)−b×qc}
−ln{(1−a)×t(n )−b×qc}]/ln(a) ・・・(9)
以上の処理をサイクル毎に行い、Nサイクル後に温度予測対象が過熱状態にならないように現在の休止タイミングに休止すべき時間である休止時間を演算する。なお、温度予測対象が複数個である場合は、それぞれの温度予測対象に対して上記の休止時間演算処理を行う。
以上のように、本実施の形態1によれば、過去に発生した発熱量を記録しておき、この発熱量を将来に発生する発熱量として温度予測に用いて、休止時間を計算できる構成なので、Nサイクル後の温度予測対象の過熱を回避するように運転を継続できる。
さらに、休止時間はNサイクル後の温度が許容温度に一致するように算出されるので、休止時間が無用に長く挿入されることはない。
また、Nサイクル後の予測温度と許容温度との関係に基づいて休止時間を決定するので、温度予測対象の温度が十分に低いとき休止時間は0として算出される。このため、温度予測対象は温度が許容温度を超えると予測された場合にのみ休止するので、無用な休止により運転時間を増加させることなく運転を継続できる。特にN=1であるときは次回の運転サイクルの温度を予測し休止時間を演算するので、温度予測対象の温度が許容温度に達する直前のサイクルまでは休止時間を挿入せずに運転を継続できる。
なお、本実施の形態1では単一の駆動装置およびモータを制御する場合について説明したが、本発明は駆動装置およびモータの個数に制限されるものではない。例えば、数値制御装置が複数個の駆動装置およびモータを制御する場合は各駆動装置および各モータについて温度予測および休止時間の演算を行い、全駆動装置および全モータの中で最も長い休止時間だけ全てのモータを休止させればよい。
すなわち、本実施の形態1によれば、将来のモータの温度を予測することにより、実際に過熱状態になる前に一時的に休止してモータの過熱を回避できる。休止時間は予測温度と許容温度との関係から算出し、運転時間が無用に増加することなく過熱状態を回避しながら継続的に運転できる。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2に係る数値制御装置1bの構成を示すブロック図である。なお、図5では、図1に示した実施の形態1の構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、本実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、予め設定されているNについてNサイクル後の温度予測対象の過熱を回避するために、Nサイクル後の温度予測対象の温度を予測し休止する構成であった。本実施の形態2では、運転中に温度推移モデルおよび温度推移逆モデルの放熱係数および発熱係数をサイクル毎に補正するための構成要素を追加している。
なお、図5に示す本実施の形態2における数値制御装置1bは、実施の形態1と比較して実測温度記録部108、予測温度記録部109、モデル補正部110を追加したことに加え、温度予測部106bおよび休止時間演算部107bの処理が実施の形態1の温度予測部106および休止時間演算部107の処理と異なるので、これらの構成要素について説明する。
実測温度記録部108は、運転状態取得部101からの実測温度を記録し、後述するモデル補正部110へ記録した発熱量を出力する。実測温度記録部108は、各サイクル中の休止タイミングにおける温度予測対象の実測温度を記録し、最新の実測温度を少なくともN+1回分記録できる容量を有する。ここで、Nは後述する温度予測部106bと同じ値である。
予測温度記録部109は、後述する温度予測部106bで予測した温度を記録し、モデル補正部110へ出力する。予測温度記録部109は、各サイクル中の休止タイミングにおける温度予測部106bで予測した温度予測対象の予測温度を記録し、最新の予測温度を実測温度記録部108と同じ回数分だけ記録できる容量を有する。
モデル補正部110は、温度予測対象の実測温度と予測温度記録部109に記録された予測温度との誤差が所定値以上の場合に、温度予測部106bの温度推移モデルおよび休止時間演算部107bの温度推移逆モデルをサイクル毎に補正する。モデル補正部110は、実測温度記録部108から最新の実測温度を複数時刻分取得すると同時に、取得した実測温度の時刻に対応する各サイクルの予測温度を予測温度記録部109から取得する。
温度予測対象において各時刻の実測温度と予測温度の2乗誤差の和が所定値以上であれば、2乗誤差の和が最小になるような数式(3)および数式(7)中のA、Bを演算する。演算は最小2乗法など既知の方法を用いる。その後、数式(4)および数式(5)の関係から補正後の放熱係数aおよび発熱係数bを算出する。補正後の放熱係数aおよび発熱係数bを算出した後、両者の値を補正信号として温度予測部106bおよび休止時間演算部107bへ出力する。
温度予測部106bは、運転信号生成部103で測定したサイクルタイム、発熱量記録部105に記録された発熱量、運転状態取得部101からの実測温度、周囲温度センサ5で測定された周囲温度、モデル補正部110で演算した補正信号を入力とし、Nサイクル後の温度予測対象の温度である予測温度を算出し、予測温度を出力する。自然数Nは、運転の繰り返し回数よりも小さい範囲で設定変更できる値であり、初期設定時はN=1である。
温度予測部106bは、数式2で表される温度推移モデルを有し、各サイクルにおける温度予測処理の前に温度推移モデルの放熱係数と発熱係数を補正信号により補正する。補正後の温度予測処理は温度予測部106と同等の処理を行い、Nサイクル後の温度を予測する。なお、温度予測対象が複数個である場合は、それぞれの温度予測対象に対して上記の温度予測処理を行う。
休止時間演算部107bは、運転信号生成部103で測定したサイクルタイム、発熱量記録部105に記録された発熱量、運転状態取得部101からの実測温度、温度予測部106bで演算された予測温度、周囲温度センサ5で測定された周囲温度、モデル補正部110で演算した補正信号を入力とし、予測温度と許容温度の比較結果に基づいて計算した休止時間を運転信号生成部103へ出力する。許容温度は、温度予測対象によって決定する値であり、予め休止時間演算部107b内に保持している値である。なお、休止時間演算部107は温度予測部106bに設定されている自然数Nと同じ値が予め設定されている。
休止時間演算部107bは、数式6で表される温度推移逆モデルを有する。温度推移逆モデルの放熱係数と発熱係数は各サイクルにおける休止時間演算処理の前に補正信号により補正される。補正後の休止時間演算処理は休止時間演算部107と同等の処理を行い、Nサイクル後に温度予測対象が過熱状態にならないように現在の休止タイミングに休止すべき時間である休止時間を演算する。なお、温度予測対象が複数個である場合は、それぞれの温度予測対象に対して上記の休止時間演算処理を行う。
以上のように、本実施の形態2によれば、実施の形態1に実測温度記録部108、予測温度記録部109、モデル補正部110を追加し、さらに温度予測部106bおよび休止時間演算部107bにて温度推移モデルおよび温度推移逆モデルの補正処理を加えたので、実施の形態1の効果に加え次の効果を奏する。
運転中に周囲温度が変化したり温度予測対象の温度特性が変化したりする場合でもサイクル毎に温度推移モデルおよび温度推移逆モデルを補正することで、精度良く将来の温度予測対象の温度を予測し、この結果を休止時間の演算に適用できる。
このように、本実施の形態2によれば、各サイクルでモデルを補正することで、運転中に周囲温度が変化したりモータの温度特性が変化したりする場合でも、請求項1における温度予測および予測時間の演算が精度良く実行できる。
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3に係る数値制御装置1cの構成を示すブロック図である。なお、図6では、図1に示した実施の形態1の構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、本実施の形態3に関わる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、発熱量を1サイクル分記録し、記録した発熱量を用いて温度予測および休止時間の演算を行っていた。本実施の形態3では、発熱量記録部を設けずに温度予測および休止時間の演算を行う構成について説明する。
なお、図6に示す本実施の形態3における数値制御装置1cは、実施の形態1と比較して、発熱量演算部104cで演算した発熱量が直接温度予測部106cおよび休止時間演算部107cへ出力されることに加え、温度予測部106cおよび休止時間演算部107cの処理が実施の形態1の温度予測部106および休止時間演算部107の処理と異なるので、これらの構成要素について説明する。
発熱量演算部104cは、運転状態取得部101の実測電流から温度予測対象の発熱量を演算し、温度予測部106cおよび休止時間演算部107cへ発熱量を出力する。発熱量は発熱量演算部104と同等の処理で算出する。
温度予測部106cは、運転信号生成部103で測定したサイクルタイム、発熱量演算部104cで演算された発熱量、運転状態取得部101からの実測温度、周囲温度センサ5で測定された周囲温度を入力とし、Nサイクル後の温度予測対象の温度である予測温度を算出し、予測温度を出力する。自然数Nは、運転の繰り返し回数よりも小さい範囲で設定変更できる値であり、初期設定時はN=1である。
温度予測部106cは、数式(2)で表される温度推移モデルを有し、温度推移モデルから得られる数式(3)を用いて現在の休止タイミング時刻nからNサイクル後の温度t(n+N×k)を演算する。ここで、数式(3)の中のAおよびBは、現在時刻n以前の1サイクル中に逐次演算しておくことにより算出する。つまり、AおよびBを算出するために変数xおよびyを設定し、1サイクル前の休止が終了した時刻においてxおよびyの値をそれぞれx(n−k)=1、y(n−k)=0としておく。なお、kは1サイクルタイムである。次に、今回の休止タイミングまで下記の数式(10)および数式(11)を繰り返す。
x(i+1)=a×x(i) ・・・(10)
y(i+1)=a×y(i)+q(i) ・・・(11)
そして、今回の休止タイミングにおけるx(n)をAとし、y(n)にbを乗じた量をBとする。
以上の処理をサイクル毎に行い、Nサイクル後の温度を予測する。なお、温度予測対象が複数個である場合は、それぞれの温度予測対象に対して上記の温度予測処理を行う。
休止時間演算部107cは、運転信号生成部103で測定したサイクルタイム、発熱量演算部104cで演算された発熱量、運転状態取得部101からの実測温度、温度予測部106cで演算された予測温度、周囲温度センサ5で測定された周囲温度を入力とし、予測温度と許容温度の比較結果に基づいて計算した休止時間を運転信号生成部103へ出力する。許容温度は、温度予測対象によって決定する値であり、予め休止時間演算部107内に保持している値である。なお、休止時間演算部107cは温度予測部106cに設定されている自然数Nと同じ値が予め設定されている。
休止時間演算部107cは、数式(6)で表される温度推移逆モデルを有し、温度推移逆モデルから得られる数式(7)を用いて現在の休止タイミング時刻n以降の休止時間を演算する。数式(7)中のAおよびBは、現在時刻n以前の1サイクル中に逐次演算しておくことにより算出する。つまり、AおよびBを算出するために変数xおよびyを設定し、1サイクル前の休止が終了した時刻においてxおよびyの値をそれぞれx(n−k)=1、y(n−k)=0としておく。次に、今回の休止タイミングまで下記の数式(10)および数式(11)を繰り返す。そして、今回の休止タイミングにおけるx(n)をAとし、y(n)にbを乗じた量をBとする。以降の休止時間演算処理は休止時間演算部107と同等の処理を行い、Nサイクル後に温度予測対象が過熱状態にならないように現在の休止タイミングに休止すべき時間である休止時間を演算する。なお、温度予測対象が複数個である場合は、それぞれの温度予測対象に対して上記の休止時間演算処理を行う。
以上のように、本実施の形態3によれば、温度予測部106cおよび休止時間演算部107cにて温度予測および休止時間演算のために逐次演算するので、実施の形態1の効果に加え次の効果を奏する。
1サイクル分の発熱量を記録することなく、逐次的に演算を繰り返すことで、容易に温度予測および休止時間の演算を実現できる。特に、1回のサイクルタイムが長かったり温度予測対象が複数個存在したりすることで発熱量を記録するための記録部の容量が不足する場合に、本実施の形態3は有効である。
さらに、本実施の形態によれば、運転中に周囲温度が変化したり温度予測対象の温度特性が変化したりする場合でもサイクル毎に温度推移モデルおよび温度推移逆モデルを補正することで、精度良く将来の温度予測対象の温度を予測し、この結果を休止時間の演算に適用できる。
実施の形態4.
図7は、本発明の実施の形態4に係る数値制御装置のブロック図である。なお、図7では、図5に示した実施の形態2および3の構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、本実施の形態4に関わる部分を中心に説明する。
実施の形態2では、実測温度記録部108、予測温度記録部109、モデル補正部110を設け、温度推移モデルおよび温度推移逆モデルを補正してから温度予測および休止時間の演算を行う構成だった。また、実施の形態3では、発熱量記録部を設けずに、温度予測および休止時間の演算を行う構成だった。本実施の形態4では、発熱量記録部を設けずに、温度推移モデルおよび温度推移逆モデルを補正してから温度予測および休止時間の演算を行う構成について説明する。
なお、図7に示す本実施の形態4における数値制御装置1dは、実施の形態2および実施の形態3と比較して、温度予測部106d、休止時間演算部107dおよびモデル補正部110dの処理が、実施の形態2の温度予測部106bおよび休止時間演算部107bの処理と異なるので、これらの構成要素について説明する。
モデル補正部110dは、温度予測対象の実測温度と予測温度記録部109に記録された予測温度との誤差が所定値以上の場合に、温度予測部106dの温度推移モデルおよび休止時間演算部107dの温度推移逆モデルをサイクル毎に補正する。モデル補正部110dは、実測温度記録部108から最新の実測温度を複数時刻分取得すると同時に、取得した実測温度の時刻に対応する各サイクルの予測温度を予測温度記録部109から取得する。温度予測対象において各時刻の実測温度と予測温度の2乗誤差の和が所定値以上であれば、2乗誤差の和が最小になるような数式(3)および数式(7)中のA、Bを演算する。演算は最小2乗法など既知の方法を用いる。数式(3)および数式(7)中のA、Bを算出した後、両者の値を補正信号として温度予測部106dおよび休止時間演算部107dへ出力する。
温度予測部106dは、運転信号生成部103で測定したサイクルタイム、発熱量演算部104cで演算された発熱量、運転状態取得部101からの実測温度、周囲温度センサ5で測定された周囲温度、モデル補正部110dで演算した補正信号を入力とし、Nサイクル後の温度予測対象の温度である予測温度を算出し、予測温度を出力する。自然数Nは、運転の繰り返し回数よりも小さい範囲で設定変更できる値であり、初期設定時はN=1である。
温度予測部106dは、数式(2)で表される温度推移モデルを有する。温度予測部106dでは、各サイクルの休止タイミングにおいて数式(10)および(11)を用いた逐次演算を始める前に、補正信号を用いてAおよびBを補正する。補正後のAおよびBから得られた後は温度予測部106dにNサイクル後の温度を予測する。なお、温度予測対象が複数個である場合は、それぞれの温度予測対象に対して上記の温度予測処理を行う。
休止時間演算部107dは、運転信号生成部103で測定したサイクルタイム、発熱量演算部104cで演算された発熱量、運転状態取得部101からの実測温度、温度予測部106で演算された予測温度、周囲温度センサ5で測定された周囲温度、モデル補正部110dで演算した補正信号を入力とし、予測温度と許容温度の比較結果に基づいて計算した休止時間を運転信号生成部103へ出力する。許容温度は、温度予測対象によって決定する値であり、予め休止時間演算部107d内に保持している値である。なお、休止時間演算部107dは温度予測部106dに設定されている自然数Nと同じ値が予め設定されている。
休止時間演算部107dは、数式(6)で表される温度推移逆モデルを有する。休止時間演算部107dでは、各サイクルの休止タイミングにおいて数式(10)および数式(11)を用いた逐次演算を始める前に、補正信号を用いてAおよびBを補正する。次に、数式(4)の関係を用いて補正後のAから放熱係数aを算出する。次に、この放熱係数aを用いて数式(11)を1サイクルの間繰り返した結果であるy(n)を算出し、補正後のBをy(n)で除することで、発熱係数bを算出する。補正後のAおよびBから得られた発熱係数および放熱係数を算出した後の休止時間演算処理は休止時間演算部107と同等の処理を行い、Nサイクル後に温度予測対象が過熱状態にならないように現在の休止タイミングに休止すべき時間である休止時間を演算する。なお、温度予測対象が複数個である場合は、それぞれの温度予測対象に対して上記の休止時間演算処理を行う。
以上のように、本実施の形態4によれば、実施の形態3に実測温度記録部108、予測温度記録部109、モデル補正部110dを追加したので、実施の形態3の効果に加え次の効果を奏する。
運転中に周囲温度が変化したり温度予測対象の温度特性が変化したりする場合でもサイクル毎に温度推移モデルおよび温度推移逆モデルを補正することで、精度良く将来の温度予測対象の温度を予測し、この結果を休止時間の演算に適用できる。
このように、本実施の形態4によれば、1サイクル分の発熱量を記録することなく、温度予測および休止時間の演算を実現できる。さらに、各サイクルでモデルを補正することで、運転中に周囲温度が変化したりモータの温度特性が変化したりする場合でも、請求項1における温度予測および予測時間の演算が精度良く実行できる。
以上説明したように、上記実施の形態1〜4においては、過去に発生した発熱量を将来の温度上昇に関わる発熱量として将来のサイクルの温度を予測し、予測した温度が許容温度を超える場合に、休止時間挿入後の予測温度が許容温度に一致するような長さの休止時間を挿入し、運転指令を生成する。すなわち、ある時刻の温度と発熱量と1時刻後の温度の関係をモデル化することで、発熱量のみで各時刻の温度を演算することができる。
さらに、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、上記実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上のように、本発明にかかる数値制御装置は、工作機械や産業用ロボットなどの産業用途の装置を駆動制御する数値制御装置に有用であり、特に、特に同一の運転を繰り返す過程でモータが過熱状態になることを回避する数値制御装置に適している。
1 数値制御装置、2 プログラム、3 駆動装置、4 モータ、101 運転状態取得部、102 プログラム解析部、103 運転信号生成部、104 発熱量演算部、105 発熱量記録部、106,106b,106c,106d 温度予測部、107,107b,107c,107d 休止時間演算部、108 実測温度記録部、109 予測温度記録部、110,110d モデル補正部、S101,S112,S122,S123,S124 ステップ。

Claims (6)

  1. モータまたは駆動装置の一方または両方を温度予測対象とし、前記モータが同一の運転を繰り返すように前記駆動装置を介して前記モータを制御する数値制御装置において、
    前記温度予測対象の温度および電流を取得して出力する運転状態取得部と、
    前記温度予測対象の電流から前記温度予測対象の発熱量を演算する発熱量演算部と、
    前記温度予測対象の発熱量を記録する発熱量記録部と、
    前記温度予測対象の温度、周囲温度および前記発熱量記録部に記録された発熱量、および1回の運転サイクルに要する時間から温度推移モデルに基づいて、前記温度予測対象の温度を予測温度として予測する温度予測部と、
    前記予測温度と予め設定された閾値とを比較して、前記予測温度が前記閾値以下であれば休止時間を0とし、前記予測温度が前記閾値より大きければ前記温度予測対象の温度、前記周囲温度および前記発熱量記録部に記録された発熱量、前記1回の運転サイクルに要する時間から温度推移逆モデルに基づいて、休止時間終了後にN回(Nは自然数)の運転サイクルを実行した後の温度が前記閾値に一致することになる休止時間終了時の温度を算出し、前記温度予測対象の温度が休止時間開始時の温度から前記休止時間終了時の温度に低下するまでの時間を休止時間として演算する休止時間演算部と、
    を備えることを特徴とする数値制御装置。
  2. 前記温度予測対象の温度を記録する実測温度記録部と、
    前記予測温度を記録する予測温度記録部と、
    前記実測温度記録部に記録された前記温度予測対象の温度と前記予測温度記録部に記録された前記予測温度とを比較し両者の誤差に基づいて前記温度推移モデルおよび前記温度推移逆モデルを補正するモデル補正部と、
    を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. モータまたは駆動装置の一方または両方を温度予測対象とし、前記モータが同一の運転を繰り返すように前記駆動装置を介して前記モータを制御する数値制御装置において、
    前記温度予測対象の温度および電流を取得して出力する運転状態取得部と、
    前記温度予測対象の電流から前記温度予測対象の発熱量を演算する発熱量演算部と、
    前記温度予測対象の温度、周囲温度および前記発熱量演算部で演算された発熱量、および1回の運転サイクルに要する時間から温度推移モデルに基づいて、前記温度予測対象の温度を予測温度として予測する温度予測部と、
    前記予測温度と予め設定された閾値とを比較して、前記予測温度が前記閾値以下であれば休止時間を0とし、前記予測温度が前記閾値より大きければ前記温度予測対象の温度、前記周囲温度および前記発熱量演算部で演算された発熱量、前記1回の運転サイクルに要する時間から温度推移逆モデルに基づいて、休止時間終了後にN回(Nは自然数)の運転サイクルを実行した後の温度が前記閾値に一致することになる休止時間終了時の温度を算出し、前記温度予測対象の温度が休止時間開始時の温度から前記休止時間終了時の温度に低下するまでの時間を休止時間として演算する休止時間演算部と、
    を備えることを特徴とする数値制御装置。
  4. 前記温度予測対象の温度を記録する実測温度記録部と、
    前記予測温度を記録する予測温度記録部と、
    前記実測温度記録部に記録された前記温度予測対象の温度と前記予測温度記録部に記録された前記予測温度とを比較し両者の誤差に基づいて前記温度推移モデルおよび前記温度推移逆モデルを補正するモデル補正部と、
    を備える
    ことを特徴とする請求項3に記載の数値制御装置。
  5. 前記温度予測部は、温度予測の前に第1の時刻における温度と、前記第1の時刻から前記1回の運転サイクルに要する時間後の時刻における温度との関係を示す第1の温度関係式の係数および定数を逐次演算により算出し、
    前記休止時間演算部は、前記休止時間の演算の前に第2の時刻における温度と、前記第2の時刻から前記1回の運転サイクルに要する時間前の時刻における温度との関係を示す第2の温度関係式の係数および定数を逐次演算により算出する
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の数値制御装置。
  6. 前記温度推移モデルは、周囲への放熱および運転により発生した発熱量の影響により
    温度予測対象の温度が時間的に順方向に推移する過程を表したモデルであり、
    前記温度推移逆モデルは、周囲への放熱および運転により発生した発熱量の影響により
    温度予測対象の温度が時間的に逆方向に推移する過程を表したモデルである
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の数値制御装置。
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