JP6234041B2 - 画像表示装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像表示装置及びその制御方法に関し、特に、個人差による色の見えの変化を低減可能な画像表示装置及びその制御方法に関する。
カラーマネジメントディスプレイのような業務用ディスプレイにおいて、ディスプレイの個体差や劣化による色ずれを修正し正確に色を表示するための、色校正(キャリブレーション)と呼ばれる色調整機能を搭載する機種が存在する。このような色を正確に表示するカラーマネジメントディスプレイを利用して、印刷結果をディスプレイ上で色校正して確認するソフトプルーフがある。最近では、ディスプレイの色再現性、色正確性、精細度が向上して、最終的な印刷の仕上がりをディスプレイ上でシミュレーションするソフトプルーフが実用的になってきた。
印刷物やディスプレイなどを見て人が色を感じる際には、目に投影される観察対象物の大きさ(視角)によって、色の感じ方が異なることが知られている。例えば、同じ色だが異なる大きさの2つの色票を観察者が見た場合、2つの色票の色が異なるように感じる。この現象は「色の面積効果」と呼ばれている。その原因は、目の視細胞感度、すなわち分光視感度特性(等色関数とも呼ばれる)が視角に応じて変化することであると考えられている。人が感じる色(刺激値)は、対象物の分光スペクトルと等色関数の乗算により決定される。異なる大きさの色票を見た場合は等色関数が変化するため、これらの色票が同じ色であっても、観測者が感じる色は異なる。
国際照明委員会(略称CIE)は、視角が2度の場合の等色関数(CIE1937標準観測者)と、10度の場合の等色関数(CIE1964補助標準観測者)の2つを定義している。そこで、一般的に、2度視野で見る場合と10度視野で見る場合のそれぞれについて、ディスプレイの色再現をキャリブレーションして色の見えの違いを低減する方法がある。特許文献1には、RGBそれぞれについてピーク波長が異なる複数のLEDを用意し、その合成スペクトルを各色のスペクトルとすることで、色の変化を低減することが開示されている。2度視野および10度視野の等色関数にしたがって、LEDの合成スペクトルを決定することで、色の面積効果による見えの違いを低減できる。
特開2006−253502号公報
CIEの定義する2度視野および10度視野の等色関数は、複数の被験者の平均値(標準観測者の視角感度や色覚特性)に基づく。しかしながら、等色関数には個人差も存在し、人によって色の見えが一致しない可能性がある。したがって、上述のような色調整技術だけでは個人差による色の見えの違いを効果的に低減することは困難である。
上記のような課題を考慮して、本発明は、個人の等色関数の違いによる色の見えの変化を抑制する画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、
複数の色の光を発する第1の光源群と、前記複数の色の光を発し、前記複数の色のうち少なくとも1つの色の分光スペクトルが前記第1の光源群と異なる第2の光源群と、を備える発光手段と、
前記発光手段から発せられた光を画像データに応じた透過率で透過させる表示パネルと、
ユーザの等色関数を取得する取得手段と、
前記第1の光源群と前記第2の光源群との発光を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記ユーザの等色関数とあらかじめ定められた基準等色関数との差分に基づいて、前記第1の光源群および前記第2の光源群の前記少なくとも1つの色の光の発光強度比率を調整して、前記発光手段から発せられる光の分光スペクトルを調整することを特徴とする、画像表示装置である。
本発明の第2の態様は、
発光する光の分光スペクトルを調整可能な発光手段と、
前記発光手段から発せられた光を画像データに応じた透過率で透過させる表示パネルと、
複数のユーザの等色関数を取得する取得手段と、
前記複数のユーザの等色関数のばらつきを波長ごとに求め、ばらつきが小さい波長域と前記発光手段から発する光の分光スペクトルのピーク波長が一致するように、前記分光スペクトルを調整する制御手段と、
を備える画像表示装置である。
本発明の第3の態様は、
第1の光源群と第2の光源群を備える発光手段と、前記発光手段から発せられた光を画像データに応じた透過率で透過させる表示パネルとを備える画像表示装置の制御方法であって、
前記第1の光源群は複数の色の光を発し、
前記第2の光源群は、前記複数の色の光を発し、前記複数の色のうち少なくとも1つの色の分光スペクトルが前記第1の光源群と異なり、
前記ユーザの等色関数とあらかじめ定められた基準等色関数との差分に基づいて、前記第1の光源群および前記第2の光源群の前記少なくとも1つの色の光の発光強度比率を調整して、前記発光手段から発せられる光の分光スペクトルを制御する制御ステップ、を含む、制御方法である。
本発明の第4の態様は、
発光する光の分光スペクトルを調整可能な発光手段と、前記発光手段から発せられた光を画像データに応じた透過率で透過させる表示パネルとを備える画像表示装置の表示制御方法であって、
複数のユーザの等色関数を取得する取得ステップと、
前記複数のユーザの等色関数のばらつきを波長ごとに求め、ばらつきが小さい波長域と前記発光手段から発する光の分光スペクトルのピーク波長が一致するように、前記分光スペクトルを調整する制御ステップと、
を含む、制御方法である。
本発明によれば、等色関数の個人差による色のずれを低減することができる。
第1,第2実施形態の画像表示装置の構成を示すブロック図。 第1実施形態における処理フローを示す図。 第1実施形態におけるバックライト構成を示す図。 第1実施形態におけるユーザ情報設定ダイアログを示す図。 第1実施形態におけるLEDの合成スペクトルを示す図。 第1実施形態における青色の分光スペクトルと等色関数を示す図。 第1実施形態における分光スペクトルの調整方法を説明する図。 第2実施形態における処理フローを示す図。 第2実施形態における2度視野と10度視野の差を示す図。 第2実施形態における調整前後のLEDの分光スペクトルを示す図。 2度視野と10度視野の等色関数を示す図。 人間が色を認識する仕組みを説明する図。
本発明の実施形態の説明の前に、ディスプレイに表示される色を人間が感じる仕組みと、それによって生じる問題について説明する。人間の目の視細胞には、赤緑青の色を感知する分光感度の異なる錐体細胞があり、人は脳の中で赤緑青として感じる大きさを足し合わせることで色を認識する。等エネルギースペクトルに対する目の赤緑青ごとの感度(スペクトル刺激値)の曲線を等色関数という。赤色の感度はx(λ)、緑色の感度はy(λ)、青色の感度はz(λ)である。2度視野と10度視野の等色関数を図11に示す。2度視野の等色関数は、x(λ)、y(λ)、z(λ)、10度視野の等色関数は、x10(λ)、y10(λ)、z10(λ)である。最終的に、人が感じる色は等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)から計算されるCIE XYZ表色系の三刺激値で表わされる。XYZ刺激値のうち、Xは赤色に対する刺激量、Yは緑色に対する刺激量、Zは青色に対する刺激量である。図12は、人が色を感じる仕組みを説明する図である。左上の図は、RGBのLEDバックライトを有するディスプレイで白色の色票を表示したときの分光スペクトルs(λ)を示している。左下の図は、等色関数x(λ)、y(λ)、y(λ)を示している。右側の3つの図は、人が感じる赤緑青の刺激量を示している。各刺激量は、分光スペクトルと等色関数を乗算したものを積分することにより求められる。今の場合、これらの刺激量を足し合わせると白色であると認識される。
2度視野のときのXYZ算出式を数式1、10度視野のときのXYZ算出式を数式2に示す。kは係数である。
Figure 0006234041
Figure 0006234041
XYZとX’Y’Z’の値が大きく異なる場合は、ディスプレイに表示された色票を見たときに2度視野と10度視野で異なる色として認識される。どの程度人の目に違って見えるかは、色差ΔEによって表現される。CIE XYZをCIE Lab空間に変換して、ユークリッド距離を算出したものがΔEである。ΔEが1.2程度なら並べて同一色であると識別できる範囲である。
ところで、近年液晶ディスプレイのバックライトとしてRGBのLEDを用いる場合がある。RGBのLEDを用いることで、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)を用いる場合よりも広い色域が実現できるためである。ただし、RGBのLEDでは、色の見えの違いが顕著になる。LEDの分光スペクトルは、図12左上図に示すように局所的な波長域に急峻
なピーク波長がある形となっている。この急峻な分光スペクトルにより、等色関数が異なる場合に上記数式1,2で表される刺激量の変化が大きくなり、したがって、色差ΔEが大きくなる場合があるためである。
等色関数が異なる理由の一つとして、視角が挙げられる。視角が異なると等色関数は変化する。したがって、同じ色票を見た場合でも観察距離によって見た目の色が変わってしまう。図11に示すように、10度の視角で色を見たときは、2度の視角で見たときよりも赤、緑、青ともに視細胞の感度が高くなっている。この等色関数の違いが、異なる視角で同じ色を見たときに色が異なって見える原因である。2度視野と10度視野の等色関数の差分を波長域ごとに示したのが図9である。図9は、10度視野の感度から2度視野の感度を引いた値を示したグラフである。例えば、青色の感度を示す等色関数では、440nm付近の波長域において2度視野と10度視野での感度のずれが大きい。青色のLEDの分光スペクトルのピーク波長が440nm付近にある場合には、この感度のずれの影響を大きく受けてしまう。
等色関数は、視角に応じて異なるだけでなく、さらに個人差もある。CIEが規定する2度視野、10度視野の等色関数は、複数の被験者の平均値(標準観測者の視覚感度や色覚特性)によるものなので、各個人の等色関数はこれらの標準的な等色関数とは異なる場合がある。たとえば、年齢や性別などによって等色関数は異なる。複数の人の等色関数が異なる場合、同じ色の色票を見た場合であっても、色差ΔEが大きくなる。色差ΔEが大きくなると、色の見えが個人によって違って感じられる。上述のように、RGBのLEDをバックライトとして用いる場合には、色の見えの違いが比較的顕著に表れる。このような色のずれは、ソフトプルーフのように、最終的な印刷の仕上がりをディスプレイ上でシミュレーションする場合の精度に影響する。
以下、等色関数の個人差による色のずれを低減することができる、本発明による画像表示装置及びその制御方法の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
本実施形態は、基準とは異なる等色関数をもつユーザが、一人でモニタを見るときに、平均的なユーザと色の見えが一致するように分光スペクトルを調整する実施形態である。このような個人差による色の変化を抑えるために、ユーザの等色関数を求め、ユーザの等色関数と基準となる等色関数の差分に基づいて、画像表示装置100の分光スペクトルを調整する。ユーザの等色関数を求めるためには、ユーザが入力する年齢や視距離の情報から、そのユーザに適合する等色関数をデータベースから取得する。
《処理ブロック》
以下、本実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る画像表示装置100の構成の一例であり、画像表示装置100、映像信号処理部110、バックライト制御部120、RGB−LED(A)130、RGB−LED(B)140、液晶パネル150、ユーザ情報入力部160、データベース170、分光制御部180、分光型測色器190から構成される。画像表示装置100は、カラーマネジメントディスプレイやマスターディスプレイのような、キャリブレーション機能を持ち、表示色の調整が可能な装置を想定している。
映像信号処理部110、バックライト制御部120、ユーザ情報入力部160、データベース170、分光制御部180は、ハードウェア回路によって実現されてもよいし、プロセッサ(MPU,FPGA,DSPなど)とソフトウェアによって実現されてもよい。また、これらを組み合わせて実現してもよい。
(映像信号処理部110)
映像信号処理部110は、画像表示装置100に入力されるRGBの映像信号に対して信号処理を施して液晶パネル150に映像を出力する。施される信号処理は、例えば、ガンマ補正、色温度補正、色域補正、ムラ補正などである。これらの信号処理は、画像表示装置100で正確な色を再現するキャリブレーションのために実施することが望ましい。例えば、ガンマ補正では、画像表示装置100の表示特性がガンマ2.2になるように、1D−LUT(LookUpTable)でRGB信号ゲインを調整して、液晶パネル150の表示特性を補正する。色温度補正では、RGB信号ゲインの比率を調整して、指定した色温度(5000K)になるように補正する。色域補正では、sRGBやAdobeRGBなどの標準色域に一致するようにRGB信号ゲインを調整する。調整方法としては、3次元のRGBの格子点から構成される3D−LUT(LookupTable)によりRGBの信号ゲインを補正して、標準色域に校正する処理を行う。ムラ補正は、液晶パネル150やバックライトの表示ムラを補正して、画面の色や明るさの均一になるようにする。以上のような信号処理を施してから、映像信号処理部110は液晶パネル150に映像を出力する。
(バックライト制御部120)
バックライト制御部120は、画像表示装置100のバックライトであるLEDを制御する処理ブロックであり、LEDに供給する電流を調整することで画像表示装置100の輝度を調整する。ただし、電流のみによってLEDの発光強度を微調整することが難しいため、バックライト制御部120はLEDに一定の電流量を供給しながら、さらにPWM(pulse width modulation)出力値を制御することで輝度を調整する。PWM出力値とは、単位時間あたりの発光割合(デューティー比)を示す値である。バックライト制御部120は、PWM出力値によって決定される一定の周期でLEDを点灯・消灯するパルス信号を生成して、各LEDに出力する。このような制御により、LEDの発光強度の微調整が可能である。
(RGB−LED)
次にバックライト制御部120が制御するLEDについて説明する。画像表示装置100のバックライトには、赤緑青の各色2つずつ、計6種類のLEDから構成される。LEDの構成例を図3(A)に示す。このように、バックライトは、赤色についてR1,R2、緑色についてG1,G2、青色についてB1,B2を含む。なお、図3(A)に示す配置方法は一例にすぎず、その他任意の配置方法を採用して構わない。ここで、R1,G1,B1から構成されるLED(第1の光源群)を、RGB−LED(A)130と称する。また、R2,G2,B2から構成されるLED(第2の光源群)を、RGB−LED(B)140と称する。各LEDの分光スペクトルを図3(B)に示す。このように、画像表示装置100のバックライトにおける第1の光源と第2の光源は、ピーク波長(分光スペクトル)が異なるように設計されている。すなわち、バックライトは、赤緑青のそれぞれの色について、ピーク波長が異なる第1および第2の2つの光源を有している。各色のバックライトが、それぞれ、分光スペクトルを調整可能な発光手段に相当する。
赤色に着目すると、R1およびR2のLEDはいずれも波長630nm付近にピークを有するが、R1よりもR2の方がピーク波長が長い。後述するように、バックライト制御部120がR1およびR2の発光強度を調整することにより、分光スペクトルのピーク波長をシフトさせる。シフトさせる量は、ユーザの等色関数によって定まる。したがって、必要なピーク波長が実現できるようにR1およびR2のLEDのピーク波長を決定することが望ましい。R1およびR2のLEDのピーク波長をλR1、λR2とすると、各LEDの強度を調整することで、λR1〜λR2の任意の波長にピークを設定することができる。ここでは、赤色LEDについて説明したが、緑色LED G1,G2および青色LED B1,B2についても同様である。
なお、本実施形態では、RGBの3原色の加法混色により色を再現する画像装置を例にするためバックライトの光源としてRGB−LEDを採用している。しかしながら、黄色やシアンなどを加えた4原色を用いる画像表示装置では、各原色を発光する光源を用いるとよい。
(液晶パネル150)
液晶パネル150は、電圧によって光の透過率を変えられる表示パネルである。液晶パネル150は自ら発光するのではなく、液晶パネル150の裏側に配置されたバックライトから照射された光の透過率を画像信号(画像データ)に応じて制御することによって映像を表示する。液晶パネル150には、赤緑青のカラーフィルタが取り付けられており、透過光を3原色に分けることで、加法混色方式によりカラー表示する。緑色を表示する場合には、緑の画素だけ光が透過させ、赤青の画素の光を遮断する。また、黒色を表示する場合には、全ての画素の透過光を遮断することで再現する。なお、液晶パネル以外にも画像信号に応じて透過率を変更可能な表示パネルであれば、任意の表示パネルを採用可能である。
(ユーザ情報入力部160)
ユーザ情報入力部160は、ディスプレイを使用するユーザの情報を入力する処理ブロックである。ユーザ情報入力部160は、ディスプレイ上に設けられたボタンやスイッチなどの入力手段あるいはリモートコントローラを介して、ユーザからの情報を受け付ける。情報の入力形式として、画像表示装置100の画面上に入力ダイアログを表示して、ユーザに情報を入力してもらう構成とする。ユーザが入力する情報は、本実施形態においては、ユーザの年齢と画像表示装置100を見るときの視距離(ユーザと画像表示装置の間の距離)とする。ユーザ情報を設定するダイアログの例を図4に示す。
(データベース170)
画像表示装置100は、ユーザが入力した年齢と視距離に対応する等色関数を取得するためのデータベース170を備えている。データベース170は、入力された年齢と視距離に応じた等色関数を出力するような構成となっている。等色関数は個人ごとに異なることが分かっており、年齢や視距離によって変化することが知られている。CIE170−1:2006に年齢別の2度視野の錐体分光感度の変動が記載されている。年齢に伴う等色関数の変化として、色を感じる視細胞は生後から感度が急激に上昇し、20歳前後をピークに緩やかに感度が低下するという変化がある。また,高齢になると短波長領域の可視光が吸収されやすくなり、短波長領域における感度が低下するという変化がある。また、他の要因によっても等色関数は異なり、様々な観点から研究が進められている。本実施形態においては、年齢と視距離による等色関数の変化に注目して、等色関数を管理するデータベース170には、年齢や視距離に紐づいた等色関数を記憶する。
(分光制御部180)
分光制御部180は、正確な色が再現できるようにキャリブレーションする一連の処理を担う。具体的には、ユーザ情報入力部160から設定された年齢と視距離に基づき、データベース170からユーザの等色関数を取得する。分光制御部180はさらに、ユーザの等色関数と基準等色関数との差分に基づいてバックライトの分光スペクトルと映像信号処理部110に対する信号ゲインを調整する。キャリブレーション処理の詳細は後述する。
分光制御部180は、ユーザの等色関数を取得する取得手段として機能し、また、バックライトの分光スペクトルを調整する制御手段としても機能する。
(分光型測色器190)
分光型測色器190は、分光スペクトルの調整と信号ゲインの調整をするためのセンサである。分光型測色器190は、画像表示装置100に表示された色を測定し、分光形式でデータを出力する分光輝度計である。分光型測色器190に入射した光は、内部の回折格子により分光され、波長ごとの光強度を測定することできる。例えば、分光型測色器190の測定範囲は380nm〜720nmであり、分解能は1nmである。分光型測色器190は、USBケーブル等で画像表示装置100と通信可能に接続されており、分光制御部180が測定した分光データを取得できる構成となっている。分光制御部180は、測定した分光データと等色関数を掛け合わせることでXYZ刺激値を算出することができる。
≪処理動作フロー≫
次に、画像表示装置100においてユーザの情報に基づいて色調整する処理動作フローについて、図2のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、ユーザが色調整するためのユーザ情報を設定する。ユーザ情報入力部160は、ユーザ情報の設定処理が開始されると、図4に示すようなユーザ情報設定のダイアログをOSD(On−Screen−Display)として表示する。なお、画像表示装置100の本体にはボタン等が設けられており、ユーザがそのボタンを操作することでOSDダイアログの表示(設定処理の開始)や、ユーザ情報の設定が行える。本実施形態での設定項目は、ユーザの年齢と視距離としている。すなわち、本実施形態では、ユーザの年齢と視距離に基づいて、ユーザの等色関数を取得する構成としている。ユーザ情報として入力するべき項目は、等色関数に影響を与えるパラメータであれば、上記以外のものを採用してもよい。例えば、国籍や性別などのパラメータを追加してもよい。
ステップS202で、ユーザ情報入力部160は、ユーザが入力した年齢と視距離の情報を分光制御部180に送る。分光制御部180は、年齢と視距離に対応する等色関数をデータベース170から取得する。ユーザの年齢と視距離に一致する等色関数がデータベース170内に存在しない場合は、最も類似する年齢や視距離に対応する等色関数を取得してもよいし、類似する年齢や視距離に対応する複数の等色関数から補間処理により算出してもよい。さらに、分光制御部180はCIEで定義された基準となる等色関数をデータベース170から取得する。基準とする等色関数は、CIE1937標準観測者で定義されている2度視野等色関数とした。以降、ユーザ情報に基づく等色関数をユーザ等色関数と表記し、基準とする2度視野の等色関数を基準等色関数と表記する。
ステップS203は、ユーザ等色関数と基準等色関数とのずれに基づく画像表示装置100の分光スペクトルの調整処理である。分光スペクトルを調整する方法としては、複数のLEDから発せられる光を合成することにより行う方法が挙げられる。画像表示装置100のバックライトにはRGBごとに、異なる分光スペクトル(ピーク波長)のLEDがそれぞれ2種類ずつ設けられている。分光制御部180が同色の異なる分光スペクトルのLEDの発光強度比率を変えることにより、当該色の分光スペクトルのピーク波長をシフトさせる。例えば、青色については、B1とB2の分光スペクトルが異なる2種類のLEDが設けられている。ここで、B1とB2の発光強度比率を変化させることで、これらの合成スペクトルを変化させてピーク波長をシフトすることができる。
分光スペクトルの合成について図5を参照して説明する。図5に示す分光スペクトルは、LED(A)130に含まれる青色LED B1のスペクトル501と、LED(B)140に含まれる青色LED B2のスペクトル502、さらにそれらを合成した分光スペクトル503である。合成スペクトルのピーク波長を高波長側にシフトする場合には、短波長側に波長ピークのある青色LED B1の光強度を減少させ、長波長側に波長ピークのある青色LED B2の光強度を増加させる。合成スペクトルのピーク波長をシフト
させた後、バックライト制御部120は所定の輝度になるように、LEDの光強度の比率を一定に保った状態で、青色LED(A)501、青色LED(B)502のPWM出力値を増減する。このようにして画像表示装置100の分光スペクトルを制御することができる。
ユーザ等色関数が基準等色関数と異なる場合の調整処理を、図6を参照して詳しく説明する。ここでは、青色LEDの分光スペクトルを調整して色差を低減する動作に着目して説明する。図6(A)に青色LED B1の分光スペクトル603を示し、図6(B)に基準等色関数601およびユーザ等色関数602を示す。この例では、ユーザ等色関数602は基準等色関数601に対して高波長側にシフトしている。ここでは、3nm高波長側にシフトしているとする。次に、図7に、青色LED B1だけを発光したときの分光スペクトルSb(λ)と青色の等色関数z(λ)を示す。図7(A)は、分光スペクトルSb(λ)603と基準等色関数601、およびこれらを掛け合わせた積分値701を示す。図7(B)は分光スペクトルSb(λ)603と基準等色関数601に対して高波長側にシフトしているユーザ等色関数602、およびこれらを掛け合わせた積分値702を示す。図7(C)は調整後の分光スペクトルS’b(λ)704とユーザ等色関数602、およびこれらを掛け合わせた積分値703である。図7を参照すると、ユーザ等色関数602が基準等色関数601に対して高波長側にシフトすることにより、図7(B)に示すように積分値702が積分値701と異なることがわかる。この積分値の違いが、色の違いとして人間に認識されてしまう。そこで、等色関数のピーク波長のずれに合わせて、画像表示装置100の分光スペクトルのピーク波長を調整することによって、ユーザごとの等色関数の違いにより生じる色の違いを抑えることができる。基準等色関数とユーザ等色関数のずれ量に応じた量だけ分光スペクトルのピーク波長をシフトさせることで、図7(C)に示すように積分値703を基準の積分値701と略同一にすることができる。等色関数のピーク波長のずれと同じ量(この例では+3nm)だけ分光スペクトルのピーク波長をシフトさせることで、積分値703を積分値701と略同一にすることができる。
なお、上記の説明では、青色LED B1のみを発光させた場合を基準として、等色関数のずれに応じた調整を行うために青色LED B2を発光させているが、必ずしもこのようにする必要は無い。例えば、LED B1とB2を所定の発光強度比率(例えば、1対1)で発光させた場合を基準としてもよい。すなわち、ユーザ(ユーザ等色関数に対応)の感じる色が、B1およびB2をこの所定の比率で発光させたときに基準ユーザ(基準等色関数に対応)が感じる色と同じになるように、B1およびB2の発光強度比率を調整すればよい。このようにすれば、分光スペクトルのピーク波長を長波長側にも短波長側にもシフトさせられる。
次にステップS204で、分光制御部180は、分光スペクトルの調整結果を検証するために、色票を分光型測色器190にて測定して色差ΔEを求める。まず、分光制御部180は、映像信号処理部110に対して色票を表示するように要求する。映像信号処理部110は、赤色、緑色、青色、白色の色票を液晶パネル150に表示する。そして、分光制御部180は、分光型測色器190で各色票の分光データS(λ)を取得する。
ステップS205では、分光制御部180は、このようにして取得した各色票の分光データに基づいて、平均的なユーザとの色の見えの違い、つまり基準等色関数とユーザ等色関数における色差を算出する。分光制御部180は、測定した分光データS(λ)にユーザ等色関数を適用したときのXYZ刺激値と、基準等色関数を適用したときの赤、緑、青の色票それぞれのX′Y′Z′刺激値を算出する。数式3はXYZ刺激値の算出式であり、数式4はX’Y’Z’刺激値の算出式である。ここで、xuser(λ)、yuser(λ)、zuser(λ)はユーザ等色関数、xbase(λ)、ybase(λ)、zbase(λ)は基準等色関数である。
Figure 0006234041
Figure 0006234041
ステップS206では、これらの刺激値から求めた色差ΔEが閾値以上であればS203の処理に戻り分光スペクトルの調整量、例えばシフトさせる波長(nm)を変えて再度分光スペクトルを調整する。色差ΔEが閾値よりも小さければ分光スペクトルの調整を完了してS207のキャリブレーション処理に進む。例えば閾値とする色差をΔE=2.0としたとき、ΔE=1.3ならS207の処理に進む。このように、色差ΔEが閾値よりも小さくなるように、分光スペクトルの調整と検証を繰り返すが、数回以上繰り返しても閾値を下回らない場合には、数回試行した中で最も色差が小さい調整値として、S207に進む。なお、2度目以降に行う分光スペクトルの調整処理は、ピーク波長(2種類のLEDの発光強度比率)を適宜変えればよい。検証処理を行うのは、分光スペクトルの調整を高精度に行うことは困難であるためである。また、ユーザ等色関数は基準等色関数を単純にシフトさせたものとは限らないので、等色関数のピークの違いと一致する量だけ分光スペクトルのピークをシフトさせても必ずしも色差が無くなるとは限らないためである。そこで、調整と検証を繰り返すことにより色差が許容範囲内となる分光スペクトルを実現する。
このように画像表示装置100の分光スペクトルを調整したのち、ステップS207において、分光制御部180は、より正確な色を再現できるようにRGB信号のゲイン調整によりキャリブレーションする。キャリブレーションでは、分光制御部180は画像表示装置100に複数の色票を表示して、分光型測色器190で分光スペクトルを測定する。測定した分光スペクトルとユーザ等色関数の積分値から、それぞれXYZ刺激値を算出して、得られたXYZ刺激値がキャリブレーション目標とする値と一致するように、RGB映像信号のゲインを調整して液晶パネル150に出力する。ここでいうキャリブレーション目標とは、色域や色温度、ガンマ、輝度のことである。分光制御部180は、色票から算出したXYZ刺激値を映像信号処理部110に出力して、映像信号処理部110がRGB映像信号のゲイン調整を行う。
以上のように、画像表示装置100の表示色をキャリブレーションする。本実施形態によれば、個人によって等色関数が異なることに起因する色の見えの変化を低減することができ、より安定した色を表示することが可能となる。したがって、ソフトプルーフなどにおいてより正確な確認ができる。
<変形例>
上記の説明では、年齢のようなユーザ情報を入力して等色関数を設定したが、ユーザに
応じた等色関数が得られればその他任意の方法を採用可能である。たとえば、各ユーザのユーザ情報を、ユーザIDや生体情報(顔画像、指紋、光彩など)などと関連づけて記憶しておき、ユーザから取得するユーザIDや生体情報に基づいて、ユーザ情報の取得を行ってもよい。また、ユーザの顔を撮影し、顔認証技術により年齢、性別などの情報を推定してもよい。同様に、ユーザの視距離も画像処理や測距センサなどにより取得してもよい。また、ユーザの等色関数を測定して、厳密な等色関数が取得できる場合には等色関数のデータを直接入力してもよい。たとえば、等色関数のグラフデータを直接入力することが考えられる。あるいは、ユーザの等色関数をユーザIDや生体情報と関連づけてあらかじめ記憶しておき、ユーザから取得するユーザIDや生体情報に基づいてユーザの等色関数を取得してもよい。
また、バックライトの光源としてLEDと、より分光スペクトルの半値幅の狭いレーザー光源を組み合わせてもよい。この他にも、バックライトとして白色LEDやCCFL(冷陰極ランプ)も採用可能である。すなわち、第1および第2の少なくともいずれかに含まれる光源群を、RGB−LEDやレーザー光源、白色LED、CCFL等とすることができる。このような場合も、分光スペクトルの調整、検証を繰り返して色差が小さくなるように制御することで個人差による色の見えの違いを抑制できる。また、上記の説明では、2種類のバックライトを組み合わせる例を説明したが、分光スペクトルが異なる3種類以上のバックライト(光源群)を組み合わせて、それらの発光強度比率を制御するようにしても構わない。
また、上記の説明では、複数の色(赤緑青)の全てについて、分光スペクトルの調整を行うものとしたが、一部の色のみについて分光スペクトルの調整を行うようにしてもよい。たとえば、個人差による色の見えの違いが顕著な色(たとえば、青)のみの分光スペクトルを調整するようにしてもよい。この場合、調整の対象としない色については、分光スペクトルの異なる複数のバックライト(LEDなど)は不要であり、一種類のみのバックライトがあれば十分である。なお、光源が発する色の組合せは、必ずしも赤緑青の組合せに限る必要は無く、これらに黄色やシアンを加えた4色の組合せや、その他任意の複数の色の組合せとしてもよい。
また、分光スペクトルを変化させるためには、必ずしも分光スペクトルの異なる複数の光源を用いる必要は無い。出力する光の分光スペクトルが可変な光源であれば任意の光源を採用することができる。たとえば、出力する光の波長が可変な波長可変LEDや波長可変レーザーなどを光源として採用することが考えられる。この場合、バックライト制御部は、光源の出力波長を制御することによって、出力する光の分光スペクトルを制御すればよい。
また、本実施形態では分光スペクトルを調整した後に、色票を測定して色差が許容範囲内にあることを検証するような構成としたが、高精度に調整可能な場合は、分光スペクトルの調整回数を1回としてS204〜S206の検証ステップを省略してもよい。
また、本実施形態では、ユーザ等色関数と基準等色関数のピークの差を算出して、その差に応じてバックライトの分光スペクトルのピークをシフトさせているが、これは調整方法の一例にすぎない。等色関数の違いによる色差(ΔE)を抑制できれば、任意の方法で調整してよい。たとえば、バックライトの分光スペクトルを適当に複数回変化させて測定および検証を行い、色差ΔEが閾値以内となるようなバックライトの分光スペクトルを選択してもよい。また、分光スペクトルのピーク波長をずらすだけでなく、LEDの発光強度を変化させてもよい。分光スペクトル強度を変化させることによって、刺激値が変化するためである。すなわち、調整後の分光スペクトルとユーザ等色関数の積の積分値(数式3)が、標準の分光スペクトルと基準等色関数の積の積分値(数式4)と略同一となるよ
うにバックライトの分光スペクトルを調整すればよい。
また、上記の説明では、液晶ディスプレイを例に説明を行ったが、発光部と、発光部の発した光を画像信号に応じた透過率で透過させることによって画像表示を行う装置であれば、任意の装置に本発明を適用することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、複数のユーザが同時に同じモニタを見るときに、ユーザ間の色の見えの違いを低減する。第2の実施形態における画像表示装置の処理ブロックは、第1の実施形態と同様であるため、各処理ブロックの説明は省略する。以下では、本実施形態における処理動作フローについて、図8を参照しながら説明する。
≪処理動作フロー≫
まず、ステップS801において、複数人のユーザの情報を設定する。ユーザ情報入力部160は、画像表示装置100のOSDにユーザごとの年齢と視距離を入力するダイアログを表示する。ここでは、二人のユーザが同時に同じモニタを見る場合を例に説明する。この場合、ユーザA、ユーザBの二人のユーザ情報を入力する。ユーザAとユーザBの年齢はともに同じ20代とし、ユーザAの視距離を50cm、ユーザBの視距離を100cmとする。人の色の知覚は、個人差によるずれの他に視覚(見る対象の大きさ)が変わることによって色が変化することが知られている。第2の実施形態では、平均的な等色関数を有する複数のユーザが異なる視距離で画像表示装置100を見る場合に、色の見えの違いを低減する処理を例とする。
ステップS802で、ユーザ情報入力部160は、ユーザが入力した年齢と視距離の情報を分光制御部180に送る。分光制御部180は、複数人分の年齢と視距離に一致する等色関数をデータベース170から取得する。ユーザAの等色関数が2度視野で、ユーザBの等色関数が10度視野とする。図11に2度視野と10度視野の等色関数を示す。ユーザの設定した情報から等色関数を決定する処理の詳細は、第1の実施形態と同様である。
ステップS803では、分光制御部180は、ユーザAとユーザBの等色関数のずれを波長ごとに求める。等色関数のずれを示したのが図である。図9は、赤緑青の色ごとにユーザBの10度視野の等色関数から、ユーザAの2度視野の等色関数を引いた差分値Δx(λ)、Δy(λ)、Δz(λ)を波長ごとにプロットしたものである。ある波長における10度視野と2度視野の等色関数の差分を示したものが数式5である。従って、図11に示す2度視野と10度視野の等色関数から、波長ごとに差分を求めてグラフとして表したものが図9となる。
Figure 0006234041
本実施形態では、差が小さい(ずれの少ない、あるいはばらつきの小さいともいえる)波長域にLEDのピーク波長を合わせることで、ユーザ間の等色関数のずれによる影響を低減する。図9を参照すると、赤色の感度であるΔx(λ)は、640nm波長付近の差が小さい。緑色の感度であるΔy(λ)は550nm波長付近の差が小さい。青色の感度
であるΔz(λ)は470nm波長付近の差が小さい。つまり、これらの波長域とLEDのピーク波長を一致させるように次項の処理で分光スペクトルを調整する。また、ユーザが3人以上いる場合は、波長ごとにΔx(λ)、Δy(λ)、Δz(λ)の分散(ばらつき)を求めて、赤緑青それぞれについてばらつきが小さい波長域を算出する。なおここで、ばらつきの小さい波長域とは、赤緑青のそれぞれの色についてあらかじめ定められた所定の波長範囲内においてばらつきが小さい波長域を意味する。たとえば、赤色であれば、640nm付近の数nm〜数十nmの波長域内でばらつきが小さい波長域を意味する。換言すれば、赤色LED R1,R2を用いて調整可能な波長域内でばらつきが小さい波長域のことである。
ステップS804では、分光制御部180は、ユーザ等色関数の差分、つまり2度視野と10度視野の等色関数の差に基づいて画像表示装置100の分光スペクトルを調整する。分光スペクトルを調整するために、分光制御部180は、同色の異なる分光スペクトルのLEDの光強度の発光比率を変えて、合成スペクトルとすることで各色の分光スペクトルのピーク波長をユーザ等色関数の差分の小さい波長域にシフトさせる。差分(分散)が小さい波長域に合成スペクトルのピークがあるように調整することで、ユーザ間の色の見えの差が小さくなる。従って、図9に示す例の場合は、赤色の合成スペクトルの波長ピークを640nm付近、緑色の合成スペクトルの波長ピークを550nm付近、青色の合成スペクトルの波長ピークを470nm付近にシフトさせる。図10に、ユーザAとユーザBの色の見えの差を積分として示す。この積分(面積)が小さいほどユーザ間で同じ色に見るということである。図10には、合成スペクトルを調整する前と調整後の色ごとに示している。両者を比較してみると、調整後は色の見えの差が小さくなっているのがわかる。
分光制御部180は、合成スペクトルのピーク波長を調整したあと、バックライト制御部120は所定の輝度になるように、LEDの光強度の比率を一定に保った状態でPWM出力値を調整する。
ステップS805では、次に分光制御部180は、分光スペクトルの調整結果を検証するために、色票を分光型測色器190にて測定して色差ΔEを求める。まず、分光制御部180は、映像信号処理部110に対して色票を表示するように要求する。映像信号処理部110は、赤色、緑色、青色、白色の色票を液晶パネル150に表示する。そして、分光制御部180は、分光型測色器190で各色票の分光データS(λ)を取得する。
ステップS806では、分光制御部180は、このようにして取得した各色票の分光データS(λ)を取得して、等色関数を用いてユーザ同士の色の見えの違い、つまりユーザ間の色差を算出する。分光制御部180は、この分光データS(λ)にユーザA、ユーザBの複数人数の等色関数を適用したときのXYZ刺激値からユーザ間の色差を求める。つまり、ユーザAとユーザBの色差ΔE(A−B)を算出する。
ステップS807では、第1の実施形態と同様に、色差ΔE(A−B)の最大値が閾値以上であればS803の処理に戻り分光スペクトルの調整、検証を繰り返す、閾値よりも小さければS808の処理に進みRGB信号ゲインによるキャリブレーションを行う。今回の例では、ユーザが二人の場合について説明したが、例えば、ユーザが3人いる場合は、ユーザAとユーザBの色差ΔE(A−B)、ユーザBとユーザCの色差ΔE(B−C)、ユーザAとユーザCの色差ΔE(A−C)のうち最大値を判断対象とする。
ステップS807では、このように画像表示装置100の分光スペクトルと輝度を調整したのち、分光制御部180は、正確な色を再現できるように第1の実施形態と同様にキャリブレーションする。
以上のように、画像表示装置100を見るユーザが複数であっても、ユーザ間の等色関数の差分(分散)が小さい波長域にLEDの波長ピークをシフトさせることで、色の見えの差を低減することができる。
なお上記の説明では、複数のユーザの年齢が同じであり、したがって、複数のユーザの等色関数は視距離によってのみ変化する場合を例に説明した。しかしながら、年齢のみが異なる場合や、年齢および視距離の両方が異なる場合であっても、同様の処理が行えることは明らかだろう。本実施形態においては、複数のユーザの等色関数が得られれば、その取得(決定)の方法は任意であって構わない。
また、本実施形態においても、第1の実施形態に対する変形と同様の変形を適用することもできる。
以上の説明は、本発明を例示により説明するものであり、本発明を限定するものではない。上記で説明した構成は、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
100 画像表示装置
120 バックライト制御部
130 RGB−LED(A)
140 RGB−LED(B)
150 液晶パネル
160 ユーザ情報入力部
170 データベース
180 分光制御部

Claims (16)

  1. 複数の色の光を発する第1の光源群と、前記複数の色の光を発し、前記複数の色のうち少なくとも1つの色の分光スペクトルが前記第1の光源群と異なる第2の光源群と、を備える発光手段と、
    前記発光手段から発せられた光を画像データに応じた透過率で透過させる表示パネルと、
    ユーザの等色関数を取得する取得手段と、
    前記第1の光源群と前記第2の光源群との発光を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記ユーザの等色関数とあらかじめ定められた基準等色関数との差分に基づいて、前記第1の光源群および前記第2の光源群の前記少なくとも1つの色の光の発光強度比率を調整して、前記発光手段から発せられる光の分光スペクトルを調整することを特徴とする、
    画像表示装置。
  2. 前記制御手段は、所定の発光強度比率で前記第1の光源群および第2の光源から光を照射した場合に前記基準等色関数を用いて求められる刺激値と、調整後の発光強度比率で前記第1の光源群および第2の光源から光を照射した場合に前記ユーザの等色関数を用いて求められる刺激値とが略同一となるように、前記第1の光源群および第2の光源の発光強度比率を調整する、
    請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記制御手段は、前記少なくとも1つの色について、前記ユーザの等色関数と前記基準等色関数のピーク波長のずれを算出し、当該色の分光スペクトルのピークが、所定の発光強度比率で前記第1の光源群および第2の光源から光を照射した場合のピークから、前記算出されたピーク波長のずれに応じた量だけシフトするように、前記発光強度比率を調整する、
    請求項1に記載の画像表示装置。
  4. 発光する光の分光スペクトルを調整可能な発光手段と、
    前記発光手段から発せられた光を画像データに応じた透過率で透過させる表示パネルと、
    複数のユーザの等色関数を取得する取得手段と、
    前記複数のユーザの等色関数のばらつきを波長ごとに求め、ばらつきが小さい波長と前記発光手段から発する光の分光スペクトルのピーク波長が一致するように、前記分光スペクトルを調整する制御手段と、
    を備える画像表示装置。
  5. 前記発光手段は、複数の色の光を発する第1の光源群と、前記複数の色の光を発し、前記複数の色のうち少なくとも1つの色の分光スペクトルが前記第1の光源群と異なる第2の光源群と、を備える、
    請求項4に記載の画像表示装置。
  6. 記制御手段は、前記少なくともいずれかの色について、当該色に対してあらかじめ定められた所定の波長範囲の中から、前記ばらつきが小さい波長域を求める、
    請求項に記載の画像表示装置。
  7. 前記複数の色は、赤、緑、青の光であり
    前記第1の光源群および前記第2の光源群は、各色の光を発するLEDを含む、
    請求項1〜3,5〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  8. 前記複数の色は、赤、緑、青の光であり
    前記第1の光源群および前記第2の光源群は、各色の光を発するレーザー光源からなる
    請求項1〜3,5〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  9. 前記第1の光源群が発する前記少なくとも1つの色の光のピーク波長が、前記第2の光源群が発する前記少なくとも1つの色の光のピーク波長と異なる、
    ことを特徴とする請求項1〜3,5〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  10. 前記第1の光源群が発する各色の光のピーク波長は、前記第2の光源群が発する各色の光のピーク波長と互いに異なる、
    ことを特徴とする請求項1〜3,5〜9のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  11. ユーザ情報に応じた等色関数を記憶する記憶手段をさらに有し、
    前記取得手段は、ユーザ情報の入力をユーザから受け付け、入力されたユーザ情報に対応する等色関数を前記記憶手段から取得する、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  12. 前記ユーザ情報は、ユーザの年齢を含む、
    請求項11に記載の画像表示装置。
  13. 前記ユーザ情報は、ユーザが画像表示装置を見る際の距離である視距離を含む、
    請求項11または12に記載の画像表示装置。
  14. 前記取得手段は、ユーザの等色関数のグラフデータの入力を受け付ける、
    請求項11〜13のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  15. 第1の光源群と第2の光源群を備える発光手段と、前記発光手段から発せられた光を画像データに応じた透過率で透過させる表示パネルとを備える画像表示装置の制御方法であ
    って、
    前記第1の光源群は複数の色の光を発し、
    前記第2の光源群は、前記複数の色の光を発し、前記複数の色のうち少なくとも1つの色の分光スペクトルが前記第1の光源群と異なり、
    ユーザの等色関数を取得する取得ステップと、
    前記ユーザの等色関数とあらかじめ定められた基準等色関数との差分に基づいて、前記第1の光源群および前記第2の光源群の前記少なくとも1つの色の光の発光強度比率を調整して、前記発光手段から発せられる光の分光スペクトルを制御する制御ステップと、
    を含む、制御方法。
  16. 発光する光の分光スペクトルを調整可能な発光手段と、前記発光手段から発せられた光を画像データに応じた透過率で透過させる表示パネルとを備える画像表示装置の制御方法であって、
    複数のユーザの等色関数を取得する取得ステップと、
    前記複数のユーザの等色関数のばらつきを波長ごとに求め、ばらつきが小さい波長域と前記発光手段から発する光の分光スペクトルのピーク波長が一致するように、前記分光スペクトルを調整する制御ステップ、を含む、制御方法。
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