JP6233472B2 - シャッタータイムラグ測定方法、シャッタータイムラグ測定用表示装置、カメラの生産方法 - Google Patents

シャッタータイムラグ測定方法、シャッタータイムラグ測定用表示装置、カメラの生産方法 Download PDF

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本発明は、カメラのシャッタータイムラグ測定方法、シャッタータイムラグ測定用表示装置、シャッタータイムラグ測定装置、カメラの生産方法、カメラの表示遅延測定方法、表示遅延測定装置に関する。
従来、カメラのシャッタータイムラグを測定するために使用する表示装置が知られている(例えば非特許文献1)。非特許文献1の表示装置においては、100個のLEDのうち点灯する1個のLEDが所定時間Tごとに順に切り替わる。すなわちx番目(xは1≦x≦100となる自然数)のLEDが点灯しその他のLEDが消灯している時点から時間Tが経過するとx番目のLEDは消灯し、x+1番目のLEDが点灯する(x+1番目以外は消灯する)。非特許文献1の表示装置においては、測定対象のカメラのレリーズボタンの押下と同期して、表示装置において点灯するLEDを上述のように時間Tごとに切り換える動作が開始する。そして当該動作を実行中の表示装置を測定対象のカメラで撮影し、撮影した画像に基づいてレリーズボタンを押下してから撮像されるまでのシャッタータイムラグを導出することができる。具体的には、撮影した画像において点灯しているLEDの点灯順を判別することができ、シャッタータイムラグは当該点灯順×時間Tで算出することができる。
"LED−PANEL"、[online]、Image Engineering社(Image Engineering GmbH & Co. KG)、[平成24年6月8日検索]、インターネット<http://www.image-engineering.de/images/downloads/manuals/measurement_devices/led_panel_EN.pdf>
非特許文献1の表示装置では、100個のLEDのうち同時に点灯するのは1個であり、任意のx番目のLEDが点灯を継続する時間は前述の時間Tである。時間Tがこの表示装置を用いて測定できるシャッタータイムラグの最小単位に相当する。シャッタータイムラグの測定精度を上げたい(分解能を細分化したい)場合は時間Tを短くすればよい。時間Tを短くするということは、一つのLEDの点灯継続時間が短くなることを意味する。LEDの明るさを変化させることができない場合、LEDの点灯時間が短くなるとカメラ側では点灯しているLEDが暗く記録される。そのため、シャッタータイムラグの測定精度を上げようとすると、撮影した画像において点灯しているLEDを識別しにくくなるという問題があった。この問題は、表示装置にLED以外の表示要素が用いられた場合も共通する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、カメラのシャッタータイムラグを測定しやすくすることを目的とする。
上記目的を達成するためのシャッタータイムラグ測定方法は、第一ステップと第二ステップと第三ステップとを含む。第一ステップでは、i個(iはi>2の自然数)の表示要素を備えた表示部において各表示要素が第一の表示状態または第二の表示状態となることによって表される表示パターンを、パターン継続時間Tが経過するごとに順次切り換える切り換え動作を行う。ここで表示要素は、互いに独立して表示状態を変更できる限りにおいて様々な構成を採用可能である。例えば表示要素としてLEDのような発光素子が採用されてもよい。あるいは表示要素として、自ら発光することなく反射率を変化させることによって表示状態を変化させる素子が採用されてもよい。第一の表示状態は第二の表示状態より明るく観察される表示状態として定義される。例えば表示要素として前者の構成が採用される場合であれば第一の表示状態は第二の表示状態より明るく発光する状態であり、後者が採用される場合であれば第一の表示状態は第二の表示状態よりも反射率が高い状態である。その他にも表示要素には、例えば2色以上の間で表示する色を切り換える素子を採用してもよい。また、例えばMEMSのように電気信号に応じて機械的な形状が変化することによって表示態様を切り換える素子を採用してもよい。
切り換え動作とは、互いに異なる複数種類の表示パターンをパターン継続時間Tが経過するたびに順次切り替える動作をいう。複数種類の表示パターンを表示させる順序は予め決められており、任意のm番目の表示パターンから(m+1)番目の表示パターンへの切り換え動作は次のように規定される。まずm番目の表示パターンにおいて、i個の表示要素のうちj個(jはi>j>1となる自然数)の表示要素が第一の表示状態であり、第一の表示状態のj個の表示要素以外の(i−j)個の表示要素が第一の表示状態より暗く観察される第二の表示状態であるとする。その場合に(m+1)番目の表示パターンでは、m番目の表示パターンにおいて第一の表示状態であるj個の表示要素のうちk個(kはj>k>0となる自然数)の表示要素が第二の表示状態となり、m番目の表示パターンにおいて第二の表示状態である(i―j)個の表示要素のうちk個の表示要素が第一の表示状態となる。なお、パターン継続時間Tは、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。ただし一定でない場合は、第三ステップにおいてシャッタータイムラグを導出するために、任意のm番目の表示パターンが継続した時間が明らかになっている必要がある。
第二ステップでは、切り換え動作に同期して測定対象のカメラになされたシャッター操作に応じて、切り換え動作を順次実行中の表示部をカメラが撮影する。第一ステップは、第二ステップが実行される期間において第二ステップと重複して実行される。シャッター操作は、切り換え動作が行われるタイミングに同期して行われていればよい。例えばシャッター操作に合わせて切り換え動作が開始してもよい。また例えば、切り換え動作が既に開始されパターン継続時間T経過ごとに順次行われている場合に切り換え動作実施のタイミングに合わせてシャッター操作が行われてもよい。後者の場合は、シャッター操作が行われたタイミングでなされた切り換え動作の回数(シャッター操作が行われたタイミングで切り換えられた表示パターンの表示順序)を特定できる必要がある。
第三ステップでは、カメラが撮影した画像に基づいて、シャッター操作から表示部の撮影までに要したシャッタータイムラグを導出する。測定対象のカメラが撮影した画像には表示部が含まれており、カメラの露光開始から露光終了までの露光期間に表示部が表示していた表示パターンを画像から特定することができる。パターン継続時間Tが露光期間よりも短い場合は複数の表示パターンが画像に写り込むことになる。各表示パターンの内容と当該表示パターンの順序とは予め決められている。すなわち任意のm番目の表示パターンにおいて、第一の表示状態である表示要素と第二の表示状態である表示要素とが予め決められている。そのため、画像から表示部が備える各表示要素の表示状態を特定することができれば、画像に写り込んでいる表示パターンとその順序を特定することができる。そして、第二ステップでシャッター操作がなされた際に表示装置が表示していた表示パターンの順序と、画像に写り込んでいる表示パターンの順序とから、シャッター操作が行われてからカメラが露光を開始するまでに表示された表示パターンを特定することができる。シャッター操作が行われてからカメラが露光を開始するまでに表示された各表示パターンのパターン継続時間を積算することでシャッタータイムラグを導出することができる。なお、シャッタータイムラグの導出は、測定者が画像に基づいて手動で行っても良いし、画像に写り込んでいる表示パターンを特定する機能を有する画像処理プログラム等を実行するコンピューターを用いて行ってもよい。
上述のような切り換え動作が順次実行される場合、時間的に連続する少なくとも2つの表示パターンに渡って(j−k)個の表示要素が第一の表示状態を継続する。パターン継続時間Tが一定であるとすると、(j−k)個の表示要素は少なくとも2Tで表される時間、第一の表示状態を継続することができる。表示要素が第一の表示状態を継続する時間がパターン継続時間Tである構成と比較すると、本発明の構成の場合は第一の表示状態を長く継続することができる。パターン継続時間Tがカメラの露光時間(シャッタースピード)より短く設定されている場合、露光時間中に複数の表示パターンが順次表示されることになる。そのため、撮影された画像にも複数の表示パターンが写り込むことになる。時間的に連続する少なくとも2つの表示パターンに渡って表示要素が第一の表示状態を継続することにより、第一の表示状態を継続する時間がパターン継続時間Tである構成において露光期間中に第一の表示状態であった表示要素と比較すると、露光期間中に少なくとも2T期間に渡って第一の表示状態を継続した表示要素は明るく写り込む。そのため、撮影された画像から第一の表示状態である表示要素を識別しやすくなり、画像に写し込まれている表示パターンを特定しやすくなる。その結果、カメラのシャッタータイムラグを導出しやすくなる。
さらに、上記目的を達成するためのシャッタータイムラグ測定方法において、表示要素は発光要素であってもよい。その場合に第一の表示状態は点灯状態であり、第二の表示状態は消灯状態であってもよい。
少なくとも時間的に連続する2つの表示パターンにおいて表示要素が点灯状態を継続することにより、撮影した画像において当該表示要素を明るく写し込むことができる。その結果、当該表示要素を識別しやすく、画像に写し込まれている表示パターンを特定しやすくすることができる。また点灯を継続している時間が長い表示要素ほど、消灯を継続している表示要素とのコントラストが画像内において大きくなるので、各表示要素の表示状態を識別しやすい。
さらに、上記目的を達成するためのシャッタータイムラグ測定方法の切り換え動作においては、m番目の表示パターンにおいて第一の表示状態であるj個の表示要素のうち第一の表示状態を継続している時間が長い順に選択されたk個の表示要素を第二の表示状態にしてもよい。
すなわちこの場合、任意の表示要素に注目すると、当該表示要素が第一の表示状態を継続する時間は(jT/k)である。したがって、任意の表示パターンにおいて第一の表示状態である表示要素の個数が1個であり、任意の表示要素が第一の表示状態を継続する時間はパターン継続時間Tそのものである構成と比較すると、(jT/k)>Tであるため、本構成の方が任意の表示要素が第一の表示状態を継続する時間が長くなる。表示要素が(jT/k)で表される時間第一の表示状態を継続することにより、撮影した画像において当該表示要素を明るく写し込むことができる。その結果、当該表示要素を識別しやすく、画像に写し込まれている表示パターンを特定しやすくすることができる。
さらに、上記目的を達成するためのシャッタータイムラグ測定方法において、第一ステップの前にi、j、k、およびTのうちの少なくともいずれかを設定する準備ステップを含んでもよい。
iの増減により表示パターンの種類を増減させることができる。j、k、およびTを増減させることにより、第一の表示状態を継続する時間(jT/k)を増減させることができる。したがってこれらの設定値を変えることにより、測定対象のカメラの撮影条件(シャッタースピード等)等の様々な条件に応じて、識別しやすい状態で表示パターンが画像に写し込まれるように、点灯継続時間や表示パターンの種類を調整することができる。
さらに、上記目的を達成するためのシャッタータイムラグ測定方法において、表示要素が第一の表示状態を継続する時間について予め決められた最短の時間をTとした場合に、Tj/k≧TとなるようにT、j、およびkのうちの少なくともいずれかが設定されてもよい。
パターン継続時間Tを短くするほどシャッタータイムラグの測定分解能を細分化することができるが、パターン継続時間Tを短くするほど任意の表示要素が第一の表示状態を継続する時間が短くなるため、カメラの露光期間中に第一の表示状態であった表示要素が暗く撮影される。その結果、カメラの露光期間中に第一の表示状態であった表示要素を識別しにくくなる。そこで、Tの値を小さく設定するほど、(j/k)の値が大きくなるようにjまたはkの値を変更することで、任意の表示要素が第一の表示状態を継続する時間を長くすることができる。その結果、カメラの露光期間中に第一の表示状態であった表示要素を明るく撮影することができ、当該表示要素を識別しやすくすることができる。
また、(Tj/k)の値が、当該表示要素を識別しやすくするために必要であると予め決められた明るさで画像に当該表示要素を写し込むための最短時間T(カメラの撮影条件や撮影環境に応じた最短時間)以上となるように設定することにより、カメラの露光期間中に第一の表示状態であった表示要素を識別しやすくすることができる。
さらに、上記目的を達成するためのシャッタータイムラグ測定方法で用いられる表示装置の表示部においては、シャッター操作からカメラが露光を終了するまでの時間は、互いに異なる表示パターンが表示される。
例えば、表示パターンの最大数×パターン継続時間Tで表される時間が、シャッター操作からカメラが露光を終了するまでの時間より短い場合、シャッター操作からカメラが露光を終了するまでの間に、同じ表示パターンが繰り返し表示されることになる。そして繰り返し表示される可能性のある表示パターンが表示されている期間とカメラの露光時間が重なった場合、シャッタータイムラグを画像からは一意に特定することができない。そのため、シャッター操作からカメラが露光を終了するまでの時間は互いに異なる表示パターンを表示部が表示することにより、シャッタータイムラグを画像から一意に特定することができる。なお、表示部はi個の表示要素以外にh個(hは自然数)の表示要素をさらに備えていてもよく、i個の表示要素によって表示する表示パターンの最大数を表示し終えるごとに、当該h個の表示要素の表示状態を変えるようにしてもよい。すなわち、h個の表示要素によって、i個の表示要素によって表示する表示パターンの最大数を表示し終えた回数を示すようにしてもよい。その結果、i個の表示要素とh個の表示要素とで表される互いに異なるパターンの個数が増加し、互いに異なるパターンを表示する時間が増加する。カメラがi個の表示要素とh個の表示要素とを撮影範囲に含んで画像を撮影することにより、測定者は当該画像からシャッタータイムラグを一意に特定することができる。
また、上記目的を達成するためのシャッタータイムラグ測定用表示装置は、表示部と、制御部と、を備えている。表示部は、i個(iはi>2となる自然数)の表示要素を備えている。制御部は、上述した切り換え動作をパターン継続時間Tが経過するごとに順次行う。
本発明のシャッタータイムラグ測定用表示装置が備える表示部を測定対象のカメラで撮影した場合に得られる画像は、表示要素が第一の表示状態を継続する時間がパターン継続時間Tであるように切り換え動作を行う表示装置を撮影して得られる画像と比較すると、上述した理由により各表示要素の表示状態を特定しやすい。その結果、画像に写り込んだ表示パターンを識別しやすい。
また、上記目的を達成するためのシャッタータイムラグ測定装置は、上述のシャッタータイムラグ測定用表示装置と、同期制御部とを備える。同期制御部は、切り換え動作と、測定対象のカメラに対するシャッター操作と、を同期させる。
測定者(人間)が、シャッタータイムラグ測定用表示装置における切り換え動作に合わせて測定対象のカメラに対してシャッター操作を行う構成と比較すると、本構成のシャッタータイムラグ測定用表示装置は同期制御部を備えることにより、シャッタータイムラグ測定用表示装置における切り換え動作と測定対象のカメラに対するシャッター操作とを、高精度に同期させることができる。同期制御部は、切り換え動作とシャッター操作とを同期させることができる限りにおいて、どのような構成が採用されてもよい。例えば表示部側が自身の切り換え動作に同期してカメラにシャッター操作を指示する構成であってもよいし、測定者がカメラに対してシャッター操作を行ったことに応じて表示部側が切り換え動作を開始する構成であってもよい。また例えば、測定者が表示部ともカメラとも別体に設けられた装置を操作したことに応じて表示部が切り換え動作を開始するとともにカメラのシャッター操作が行われる構成であってもよい。
また、上記目的を達成するためのカメラの生産方法は、上述のシャッタータイムラグ測定方法における第一のステップと第二ステップと第三ステップとに加えて、第四ステップを含む。第四ステップでは、第一〜第三ステップを複数のカメラを対象に行った後、シャッタータイムラグが予め決められた基準を満たすカメラと満たさないカメラとを選別する。
カメラの生産過程において第一〜第四ステップまでを行うことで、基準に満たないカメラを選別することができる。そして基準に満たないカメラを、シャッタータイムラグが基準を満たすように再調整する対象とすることや、出荷の対象から除外すること等が可能となる。
なお、請求項に記載された各部の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各部の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
(1A)はシャッタータイムラグ測定装置を示すブロック図、(1B)は表示装置とカメラとの位置関係を示す模式図。 (2A)は表示装置を示す正面図、(2B)は表示装置を示す断面図。 (3A)はLEDの配置を示す模式図、(3B)は複数グループにおける表示パターンの表示例を示す模式図。 (4A)は表示装置制御処理を示すフローチャート、(4B)は初期化処理を示すフローチャート、(4C)は表示パターン作成処理を示すフローチャート、(4D)はカウンター類の更新処理を示すフローチャート。 (5A)〜(5C)は表示部の動作に関する設定例を示す図、(5D)は表示装置制御処理の処理内容を示す模式図。 進捗表示パターン作成処理を示すフローチャート。 (7A)〜(7P)は表示パターン例を示す模式図。 (8A)〜(8P)は表示パターン例を示す模式図。 (9A)はシャッターの移動方向における位置に応じた露光期間を示すタイミングチャート、(9B)は測定対象のカメラが撮影した画像の例を示す模式図。 露光期間とLEDの点灯期間とを示すタイミングチャート。 (11A)は表示遅延測定装置を示すブロック図、(11B)は第一のカメラと第二のカメラと第一の表示装置と第二の表示装置との位置関係を示す模式図。 第二の画像を示す図。 (13A)は二つの表示装置における切り換え動作と、第一のカメラによる第一の画像の撮影および表示と、第二のカメラによる第二の画像の撮影とを示すタイミングチャート、(13B)および(13C)は第二の画像に含まれる表示パターンを示す模式図、(13D)および(13E)は第二の画像に含まれる表示パターンを示す模式図。 (14A)は他の実施形態にかかる表示遅延測定装置を示すブロック図、(14B)は他の実施形態にかかるタイミングチャート。 他の実施形態にかかる第一のカメラと第二のカメラと第一の表示装置と第二の表示装置との位置関係を示す模式図。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.第一実施形態
1−1.シャッタータイムラグ測定装置の構成
図1Aは、測定対象であるデジタルスチールカメラ(以降、単にカメラという)400のシャッタータイムラグを測定するためのシャッタータイムラグ測定装置A1の構成を示すブロック図である。シャッタータイムラグ測定装置A1は、同期制御部300と表示装置(シャッタータイムラグ測定用表示装置)とを備えている。同期制御部300は、カメラ400に対するシャッター操作と表示装置200における後述する切り換え動作を同期させる。同期制御部300は例えば、操作部と制御部とボタン押下部(いずれも不図示)とを備える。
同期制御部300の制御部は、操作部が操作されたことを検出すると、表示装置200に動作開始信号を出力するとともに、アクチュエーター等で構成されたボタン押下部にカメラ400のレリーズボタンを押下させる。ボタン押下部は制御部からの指示に応じてカメラ400のレリーズボタンを押下可能な位置(例えばレリーズボタンの上部)に予め配置されている。ボタン押下部は、制御部からの指示に応じて極めて短時間かつ一定時間でレリーズボタンを押下する動作を行うように構成されている。そのため測定者(人間)が、表示装置200における切り換え動作に合わせてカメラ400に対してシャッター操作を行う構成と比較すると、表示装置200による後述する切り換え動作とカメラ400に対するシャッター操作とを、高精度に同期させることができる。なお、同期制御部300の操作部に対する操作がなされてから表示装置200において後述する切り換え動作が開始されるまでの時間と、同期制御部300の操作部に対する操作がなされてからカメラ400に対するシャッター操作が行われるまでの時間とに時間差がある場合は、この時間差が後述するシャッタータイムラグの導出の際に考慮される(画像から導出したシャッタータイムラグの値に当該時間差を加算または減算する)。なお、この時間差に基づいて、表示装置200に動作開始信号を出力するタイミングと、ボタン押下部がレリーズボタンを押下するタイミングとを、同期制御部300の制御部がずらすように事前に構成しておくことにより、表示装置200において後述する切り換え動作が開始されるタイミングとカメラ400に対するシャッター操作のタイミングを揃えるようにしてもよい。
表示装置200は、制御部220と表示部210と設定受付部230とを備えている。表示装置200は、同期制御部300から出力された動作開始信号に応じて後述する切り換え動作を開始する。図1Bは、カメラ400と表示装置200の表示部210との位置関係を示す模式図である。カメラ400は表示装置200の表示部210の撮影面214aが撮影範囲にほぼ一致して含まれるように配置されている。また、カメラ400は撮影面214aにピントが合うように予め調整されている。
図2Aは表示装置200を示す正面図、図2Bは表示装置200の2B−2B線における簡易的な断面図である。表示装置200は、カメラ400に対して相対的な位置が固定されている。表示部210には、表示要素としての複数のLED211と、各LED211を支持する支持基板212と、支持基板212に支持されたカバー部213と、カバー部213に支持された遮光部214とが備えられている。遮光部214はシート状の部材であり、撮影面214aを有する。説明の便宜上、互いに直交するxyz軸を図2に示すように定義する。すなわちx軸を矩形の撮影面214aの長辺と平行な方向の軸として定義し、y軸を撮影面214aの短辺と平行な方向の軸として定義し、z軸を撮影面214aと直交する方向の軸として定義する。支持基板212の一方の面にはLED211が配列されている。
図3Aは、LED211の配列を示す模式図である。図3Aにおいて円の中に記載された数字がLED211を識別するための識別番号である。支持基板212には、LED0〜109の合計110個のLEDが配列されている。LED0〜99は、(x軸と平行な方向に10個)×(y軸に平行な方向に10個)で配列されている。LED0〜99において識別番号は、最も左のLEDからx軸と平行な方向に1ずつ大きな値が割り振られ、最も上のLEDからy軸と平行な方向において10ずつ大きな値が割り振られている。LED100は、LED0〜9の延長線上にある。LED101〜109についても順に、LED10〜19、LED20〜29、LED30〜39、LED40〜49、LED50〜59、LED60〜69、LED70〜79、LED80〜89、LED90〜99の延長線上にそれぞれが配置されている。LED100〜109はy軸と平行な直線上に配置されている。LED100〜109においては最も上のLEDから1ずつ大きな値が割り振られている。
カバー部213は、LED211が配列されている支持基板212の面とLED211を挟んで対向するように支持基板212に支持された板状の部材である。カバー部213には、強度保持のために例えば約1.5mm程度の厚さを有する出来る限り光を透過しない遮光性の板を使用する。本実施形態ではカバー部213としてアクリル板が用いられる。カバー部213には、z軸と平行な方向から見て各LED211と重なる位置において孔H1が形成されている。孔H1が形成されている部分のカバー部213の断面(例えば約1.5mm程度)にLED211の光が反射することで、LED211とは別に反射面(孔H1が形成されている部分のカバー部213の断面)があたかもLEDとして発光しているように見えること(このように見える場合、点灯しているLEDの個数を数え間違えてしまう可能性がある)を防止するために遮光部214が設けられている。遮光部214は、支持基板212と対向するカバー部213の面の裏面に、カバー部213に対してずれないように取り付けられている。遮光部214にもまた、z軸と平行な方向から見て各LED211と重なる位置に孔H2が形成されている。遮光部214の孔H2の周はカバー部213の孔H1の周より内側にある(孔H2の径<孔H1の径)。遮光部214はカバー部213より十分薄い紙である。孔H2の径は、孔H1が形成されている部分のカバー部213の断面に反射したLED211の反射光を遮ることができるとともに、LED211の直接光を通すことができる大きさに設定されている。なお遮光部214は18%グレイ反射シートが用いられる(撮影面214aは18%グレイである)。
支持基板212には制御部220が取り付けられている。制御部220は、CPU,RAM,ROM、タイマー等を備えている。制御部220はROMに記憶されたプログラムをRAMにロードしCPUによって実行する。なお制御部220は、CPUを搭載しない単なるシーケンサー機能を有する回路が内蔵されたFPGAで構成されていてもよい。同期制御部300は制御部220に接続されている。制御部220は、同期制御部300から出力された動作開始信号を入力すると、タイマーを動作させ所定の時間間隔ごとにLED211の表示状態を点灯状態(第一の表示状態)または消灯状態(第二の表示状態)に切り換える。110個のLED220がそれぞれ制御部220と接続されており、制御部220は110個のLEDのそれぞれについて個別に表示状態を制御することができる。支持基板212には設定受付部230が設けられている。設定受付部230は表示部の動作に関する各種設定(後述するパターン継続時間等のパラメーター)を測定者が入力するための構成であり、例えばDIPスイッチで構成される。設定受付部230は制御部220に接続されており、表示部の動作に関する各種設定を測定者がシャッタータイムラグ測定に先立って予め変更することができる。
図1Bに示すように、カメラ400は表示部210の撮影面214aを撮影する。カメラ400は、レリーズボタンが押下されると、撮影に必要な前処理を行って撮像素子410によって被写体の画像を撮影し、画像データをカメラ400に接続されたメモリーカードに記録することができるデジタルスチールカメラである。本明細書ではレリーズボタンが押下されてから露光開始までに要する期間をシャッタータイムラグと呼ぶ。なおシャッタータイムラグの定義は前述の期間に限定されるものではない。例えばシャッタータイムラグに対応する期間の終了は、露光期間中のいずれの時点と定義されてもよく、例えば露光期間中の一時点までの期間や露光期間終了までの期間がシャッタータイムラグとして定義されてもよい。レリーズボタンが押下されてから露光までにAF処理等が行われてもよく、その場合はAF処理込みのシャッタータイムラグを意味する。例えばカメラ400がMFモードの場合はAF処理抜きのシャッタータイムラグを測定することができる。
本実施形態においてカメラ400は、フォーカルプレーン型のシャッターを備えている。遮光幕420は、撮影光の全体を遮光する位置に遮光幕420を引きつけるばね(不図示)のばね力に抗し、永久磁石(不図示)の吸着により撮影光の光路の外側に係止される。本実施形態では、電磁石(不図示)が遮光幕420をカメラ400の内部において下方に引きつけ、ばねが遮光幕420を上方に引きつける。レリーズボタンが押下されると、撮像素子410における露光を開始させ、さらに露光の開始から露光時間に対応する期間が経過すると、遮光幕420を吸着する永久磁石の磁力を打ち消す磁力を生じさせる電磁石へ電流を供給し、永久磁石による遮光幕420の吸着保持を解除する。これにより、遮光幕420はばね力により移動させられ、遮光幕420が撮影光の全体を遮光する位置に移動する。すなわち本実施形態においては、電子シャッターが先幕の機能を果たし、機械シャッターである遮光幕420が後幕の機能を果たす。遮光幕420の運動は、ばね力による等加速度運動に近似することができる。遮光幕420の移動方向における位置において露光時間をほぼ一定にするために、先幕としての電子シャッターも遮光幕420の等加速度運動に近似するように制御される。
なお、カメラ400のシャッターは、先幕および後幕の両方が機械シャッターで構成されていてもよい。この場合、先幕は、シャッター動作前は撮影光の光路の外側に引きつけるばねのばね力に抗し、機械的な係止レバーによってロックされて撮影光の全体を遮光する位置に係止される。具体的には例えば、機械的な係止レバーにより先幕をカメラ内部において下方に引きつけ、ばねが先幕を上方に引きつける。また、後幕は、シャッター動作前は撮影光の全体を遮光する位置に引きつけるばねのばね力に抗し、機械的な係止レバーにより撮影光の光路の外側に係止される。具体的には例えば、機械的な係止レバーにより後幕をカメラ内部において下方に引きつけ、ばねが後幕を上方に引きつける。レリーズボタンが押下されると、電磁石に電流を流して先幕と後幕をばねの力に抗して保持し、その状態でソレノイドアクチュエーターにより先幕と後幕を固定していた機械的な係止レバーを開放させ、電磁石の力だけで先幕と後幕とを保持する。続いて先幕用の電磁石の電流を解除して吸着保持を解除し先幕をばね力により撮影光の光路の外側に移動させる。具体的には例えば、撮影光の光路外であってカメラ内部において光路より上方に先幕を移動させる。この結果、撮像素子に撮影光が届くようになる。続いて、シャッタースピードに基づく所定の時間経過後に前述と同様に後幕用の電磁石の電流を解除して吸着保持を解除し後幕をばね力により撮影光の全体を遮光する位置に移動させる。具体的には例えば、撮影光の光路外であってカメラ内部の下方から上方に後幕を移動させ撮影光の全体を遮光させる。この結果、再び撮影素子は撮影光から遮光される。先幕の後端が通過してから後幕の先端が通過するまでの間が露光時間に相当する。先幕と後幕はばねの力で動作するため、先幕の運動と後幕の運動とは等加速度運動に近似することができる。
図1Bに示すように本実施形態では、カメラ400は遮光幕420の移動方向がy軸と平行になるように設置されている。カメラ400のシャッターは−yから+yに向かう方向に移動する。また表示部210の撮影面214aの高さ(y軸方向の長さ)が、カメラ400が撮影する画像の高さに対応するようにカメラ400において画角が調整される。なお、yz平面において遮光幕420の移動方向が厳密にy軸と平行でなくてもよい。例えば、xy平面と平行な面に遮光幕420の移動方向を投影した場合に、投影された移動方向が当該面においてy軸と平行であればよい。
1−2.表示装置の動作
表示装置200の制御部220は、表示部210が備えるLEDの表示状態を点灯あるいは消灯にすることによって表示部210に様々な互いに異なる表示パターンを表示することができる。また表示部210に表示される表示パターンが設定受付部230を用いて予め設定された所定時間が経過するごとに切り替わるように設計されている。この所定時間をパターン継続時間と呼ぶ。パターン継続時間ごとに切り替わる表示パターンを構成するLEDを第一種表示要素と呼ぶ。第一種表示要素として割り当てられたLEDの個数や表示パターンの態様に応じて、当該LEDで表示できる互い異なる表示パターンの種類の最大数が規定される。当該最大数分の種類の表示パターンを表示するごとに、当該最大数分の種類の表示パターンを表示した回数を示すために、第一種表示要素に割り当てられたLEDとは別のLED(表示部210が備えるLED)が用いられる。当該回数を示すために用いられるLEDを第二種表示要素と呼ぶ。第二種表示要素に割り当てられたLEDの表示状態を点灯あるいは消灯にすることによって、当該回数を示す進捗表示パターンが表示部210に表示される。
表示部210が備えるLEDは1以上のグループにグループ分けされる(グループ数は設定受付部230を用いて予め設定される)。グループそれぞれが、第一の表示要素としてのLEDと第二の表示要素としてのLEDを含んでいる。2以上のグループに分けられる場合は、グループがy軸に平行な方向に並ぶようにグループ分けされる。y軸と平行な方向における位置が近いLED同士がまとまって1つのグループが構成される。例えばグループの個数が3の場合、本実施形態においては図3Aに示すようにグループ分けされる。すなわち、上グループ120はLED0〜29とLED100〜102の合計33個のLEDで構成され、中グループ130はLED30〜59とLED103〜105の合計33個のLEDで構成され、下グループ140はLED60〜89とLED106〜108の合計33個のLEDで構成される。上グループ120では、LED0〜19からなるLED群120aが上グループ120における第一種表示要素に割り当てられる。また上グループ120では、LED100〜102からなるLED群120cと、LED20〜29からなるLED群120bとが上グループ120における第二種表示要素に割り当てられる。中グループ130においても上グループと同様に割り当てられる。具体的にはLED群130aが第一種表示要素に割り当てられ、LED群130cとLED群130bとが第二種表示要素に割り当てられる。下グループ140においても上グループ120および中グループ130と同様に、LED群140aが第一種表示要素に割り当てられ、LED群140cとLED群140bとが第二種表示要素に割り当てられる。
このように、グループの個数に応じたグループ分けの態様(グループを構成するLEDの個数や、各LEDに対する第一種表示要素または第二種表示要素の割り当て等)が予め決められている。なお本実施形態においては、グループの個数が1の場合は、LED0〜99が第一種表示要素に割り振られ、LED100〜109が第二種表示要素に割り振られる。また、例えばグループの個数が5の場合は、x軸に平行なLEDの2ラインであって隣接する2ラインを構成する22個のLEDごとに5つのグループにグループ分けされる。具体的には例えば、LED0〜19とLED100〜101が一つのグループを構成する。その場合に当該グループにおいてLED0〜19が第一種表示要素に割り当てられ、LED100〜101が第二種表示要素に割り当てられる。他グループにおける割り当ても同様である。また、例えばグループの個数が10の場合は、x軸に平行な1ラインを構成する11個のLEDが一つのグループを構成する。具体的には例えば、LED0〜9とLED100が一つのグループを構成する。その場合に当該グループにおいてLED0〜9が第一種表示要素に割り当てられ、LED100が第二種表示要素に割り当てられる。他グループにおいても同様に割り当てられる。
なお本実施形態において、LED群120b、130b、140bは、グループの個数が3である場合は第二種表示要素として用いられるが、グループの個数が1,5,10の場合は第一種表示要素として用いられる。このように本実施形態においては、グループの個数に応じてLEDの用途を変えることができる。
そしてこれらの各グループにおいては、後述する表示装置制御処理によって、同一期間においては必ずしも他のグループと同じパターンが表示される必要はないが、同じパターンが表示される方が、撮影された画像から各グループにおけるシャッタータイムラグの導出作業が容易になる。すなわち、第一種表示要素に割り当てられたLED群で表現される表示パターンは同一期間においては全グループ同じであり、第二種表示要素に割り当てられたLED群で表現される進捗表示パターンも同一期間においては全グループ同じである。図3Bは、グループの個数が3である場合のある期間におけるLED0〜109の表示状態を示している。同図においては、点灯状態のLEDを黒丸で示し、消灯状態のLEDを白丸で示している。図3Bに示すように同一期間においては全グループに同じパターンが表示される。
図4Aは表示装置200で実行される表示装置制御処理を示すフローチャートである。制御部220ははじめに初期化処理を行い(ステップS100)、表示パターン作成処理を行って(ステップS105)表示パターンバッファー(配列buf1[])に表示パターンを作成し、進捗表示パターン作成処理を行って(ステップS110)進捗表示パターンバッファー(配列buf2[])に進捗表示パターンを作成する。続いて制御部220は、110個のLEDの表示状態を示す値をそれぞれ保持するLEDバッファー(配列LED_buf[])に対して、グループごとに表示パターンバッファー(配列buf1[])および進捗表示パターンバッファー(配列buf2[])の値を反映する(ステップS115)。反映するとはこの場合、配列buf1[]と対応するLED_buf[]の範囲に配列buf1[]の値をコピーし、配列buf2[]と対応するLED_buf[]の範囲に配列buf2[]の値をコピーすることを意味する。対応関係はグループの個数に応じて異なる。対応関係については後述する。
続いて制御部220は、同期制御部300からの動作開始信号を検出したか否かを判定し(ステップS120)、未検出である場合は検出するまで待機する。制御部220は動作開始信号を検出したと判定すると、パターン継続時間Tを計測するタイマーのカウントをスタートさせる(ステップS125)。続いて制御部220は、LEDバッファー(配列LED_buf[])の値に応じて対応するLEDの表示状態を更新する(ステップS130)。すなわち、配列LED_buf[]と110個のLEDは1対1に対応しており、配列LED_buf[]においてONを示す値が格納されている箇所に対応するLEDを点灯させ、配列LED_buf[]においてOFFを示す値が格納されている箇所に対応するLEDを消灯させる。ステップS130を実行することにより表示部210に表示されるパターンが切り替わる。
続いて制御部220は、カウンター類の更新処理を行う(ステップS135)。続いて制御部220は、表示パターン作成処理を行って(ステップS140)表示パターンバッファー(配列buf1[])に表示パターンを作成し、進捗表示パターン作成処理を行って(ステップS145)進捗表示パターンバッファー(配列buf2[])に進捗表示パターンを作成する。続いて制御部220は、ステップS115と同様にLEDバッファー(配列LED_buf[])に対して、グループごとに表示パターンバッファー(配列buf1[])および進捗表示パターンバッファー(配列buf2[])の値を反映する(ステップS150)。続いて制御部220は、パターン継続時間Tが経過したか否かを判定し(ステップS155)、経過していなければ経過するまで待機し、経過したと判定された場合は、ステップS130に戻る。制御部220は、ステップS130〜S155の処理を繰り返すことにより、パターン継続時間Tごとに、表示部210に表示される表示パターンを切り換える切り換え動作を実行する。以上、表示装置制御処理について説明した。
図4Bは、初期化処理を示すフローチャートである。まず制御部220は変数g、i、h、mm_max、T、j、kに値を設定する(ステップS200)。変数gはLEDをグループ分けする場合のグループの個数を保持する。変数iは各グループにおいて第一種表示要素として機能させるLEDの個数を保持する。変数hは各グループにおいて第二種表示要素として機能させるLEDの個数を保持する。変数Tはパターン継続時間を保持する。変数mm_maxは、変数i、hの値に応じて予め決められた、第一種表示要素および第二種表示要素を用いて表現するパターンの最大数を保持する。変数jは各表示パターンにおける点灯状態のLEDの個数を保持する。変数kは、表示パターンの切り換えの際に点灯状態から消灯状態に変化するLEDの個数(あるいは消灯状態から点灯状態に変化するLEDの個数)を保持する。
図5A、図5Bおよび図5Cは、設定受付部230としてDIPスイッチが採用された場合に、各スイッチが示す値と、変数g、i、h、mm_max、T、jに代入される値との対応関係の例を示している。本実施形態においてステップS200では、設定受付部230の設定内容に応じて変数g、i、h、mm_max、T、jに値が設定される。本実施形態においてはグループの個数(g)が決定すると、i、h、mm_maxの値も一意に決定される。なお本実施形態においては変数kには固定的に1が設定される。別の実施形態においては設定受付部230の設定内容に応じて変数kの値を変更可能であってもよい。
続いて制御部220は変数index、mm、repeatに初期値を設定する(ステップS205)。第一種表示要素に割り当てられたi個のLEDで表現される各表示パターンにおいて点灯状態であるLEDの個数はj個であり、本実施形態においては識別番号順に連続するj個のLEDが点灯するように制御される。なおi個のLEDのうち識別番号が最大のLEDは、i個のLEDのうち識別番号が最小のLEDと連続するとして扱う。したがってi個のLEDの表示状態を示す値を配列buf1[0]〜buf1[i-1]で構成される表示パターンバッファーにそれぞれ格納することを考えた場合に、配列buf1[0]〜buf1[i-1]をリングバッファーとして扱う。点灯するLEDは識別番号の小さい方から大きい方に向かってk個ずつ移動するように制御される。変数indexは、リングバッファーとしての配列buf1[]において、点灯するj個のLEDであって、識別番号順に連続するj個のLEDのうちの点灯LEDの移動方向における最後尾のLEDを示す値を保持する。変数indexが取り得る値の範囲は0≦index≦(i-1)である。変数indexの初期値は0≦index≦(i-1)のいずれの整数が設定されてもよいが、本実施形態においては変数indexには初期値として(i−j)が設定される。
変数mmは、i個の第一種表示要素のLEDとh個の第二種表示要素のLEDとによって表現される互いに異なるmm_max個のパターンのうちの、現在表示しているパターンを示す値を保持する変数である。変数mmが取り得る値の範囲は0≦mm≦(mm_max−1)である。変数mmは初期値として0が設定される。変数repeatは、i個のLED(第一種表示要素)によって表現可能な互いに異なる表示パターンの最大数(本実施形態において当該最大数はi個である)分の表示を繰り返した回数を保持する。変数repeatは初期値として0が設定される。変数repeatが取り得る値の範囲は0≦repeat≦{(mm_max-1)/i)}である。変数mm、repeat、indexは、ステップS135のカウンター類の更新処理で更新される。すなわち、パターン継続時間Tが経過するごとに更新される。
続いて制御部220は配列LED_buf[0]〜LED_buf[109]の110個の値をそれぞれ、OFF(消灯)を示す値で初期化する(ステップS210)。配列LED_buf[]は図3Aに示す110個分のLEDのそれぞれの表示状態を示す値を保持するバッファーである。配列の添え字がLEDの識別番号と対応する。ステップS210では全てOFFを示す値で初期化されるが、配列LED_buf[0]〜LED_buf[109]にそれぞれ格納されうる値は、ON(点灯)を示す値かOFF(消灯)を示す値のいずれかである。以上、初期化処理について説明した。
図4Cは、表示パターン作成処理を示すフローチャートである。表示パターン作成処理は、i個の第一種表示要素としてのLEDによって表現される表示パターンを作成し配列buf1[0]〜buf1[i-1]に格納する処理である。配列buf1[0]〜buf1[i-1]にそれぞれ格納されうる値は、ON(点灯)を示す値かOFF(消灯)を示す値のいずれかである。はじめに制御部220は、配列buf1[0]〜buf1[i-1]を、OFFを示す値で初期化する(ステップS300)。配列buf1[0]〜buf1[i-1]は、各グループの第一種表示要素のLEDとそれぞれ対応付けられる。例えばグループの個数が3(g=3)の場合は、本実施形態においてはi=20であるので、buf1[0]〜buf1[19]は図5Dに示すようにLED群120a,LED群130a,LED群140aとそれぞれ対応する。
なおグループの個数が1の場合(本実施形態の場合i=100となる)は、buf1[0]〜buf1[99]はLED0〜99と順に対応する。グループの個数が5の場合は(本実施形態の場合i=20となる)、buf1[0]〜buf1[19]はLED0〜19、LED20〜39、LED40〜59、LED60〜79、LED80〜99とそれぞれ対応する。グループの個数が10の場合(本実施形態の場合i=10となる)は、buf1[0]〜buf1[9]はLED0〜9、LED10〜19、LED20〜29、LED30〜39、LED40〜49、LED50〜59、LED60〜69、LED70〜79、LED80〜89、LED90〜99とそれぞれ対応する。
続いて制御部220は、変数indexで示されるLEDから識別番号順に連続してj個のLEDを点灯状態とする表示パターンをリングバッファーとしての配列buf1[0]〜buf1[i-1]に作成する。そのためにまず制御部220は、変数jjに0を代入する(ステップS305)。変数jjは0≦jj≦jの値を取る変数である。続いて制御部220は、配列buf1[(index + jj) % i]にONを示す値を代入し(ステップS310)、変数jjをインクリメントする(ステップS315)。「%」は剰余を示す演算子であり、「(index + jj) % i」は(index + jj)をiで除算した場合の剰余を示す。配列buf1[0]〜buf1[i-1]をリングバッファーとして扱うため、(index + jj)をiで除算した場合の剰余が示す配列buf1[]内の位置にONを示す値を代入する。すなわち変数indexの値の範囲は0≦index≦(i-1)であるため、(index + jj)の値が最大値を超えるようなら最小値に戻るように(配列buf1[]の末尾を超えるようなら配列buf1[]の先頭に戻るように)制御されることを意味する。続いて制御部220は変数jjの値が変数jの値に等しいか否かを判定し(ステップS320)、等しくない場合はステップS310に戻ってjjがjに等しくなるまでステップS310〜S315を繰り返す。変数jjの値が変数jの値と等しくなった場合は、制御部220は表示パターン作成処理を終了する。
図6は、進捗表示パターン作成処理を示すフローチャートである。進捗表示パターン作成処理は、h個の第二種表示要素としてのLEDによって表現される進捗表示パターンを作成し配列buf2[0]〜buf2[h-1]に格納する処理である。配列buf2[0]〜buf2[h-1]にそれぞれ格納される値は、ON(点灯)を示す値かOFF(消灯)を示す値のいずれかである。進捗表示パターンとは、i個の第一種表示要素のLEDによって表現されるi種類の表示パターンを表示し終えた回数(変数repeatが保持する値)を示すパターンである。当該回数を示すことができればどのような態様であってもよいが、本実施形態においては次のように進捗表示パターンが作成される。
はじめに制御部220は配列buf2[0]〜buf2[h-1]のh個の値をそれぞれ、OFFを示す値で初期化する(ステップS500)。配列buf2[0]〜buf2[h-1]は、各グループの第二種表示要素のLED群のLEDとそれぞれ対応付けられる。対応関係はグループの個数に応じて異なるが、例えばグループの個数が3の場合(本実施形態の場合h=13となる)、図5Dに示すように配列buf2[0]〜buf2[2]にはLED群120c、LED群130c、LED群140cがそれぞれ対応する。配列buf2[3]〜buf2[12]にはLED群120b,LED群130b,LED群140bがそれぞれ対応する。なおグループの個数が1の場合(本実施形態の場合h=10となる)は、buf2[0]〜buf2[9]にはLED100〜109と順に対応付する。グループの個数が5の場合は(本実施形態の場合h=2となる)、buf2[0]〜buf2[1]にはLED100〜101、LED102〜103、LED104〜105、LED106〜107、LED108〜109とそれぞれ対応する。グループの個数が10の場合(本実施形態の場合h=1となる)は、buf2[0]にはLED100〜109のうちの各1つとそれぞれ対応する。
続いて制御部220はグループの個数が3である(g=3)か否かを判定し(ステップS505)、3でない場合は、ステップS510〜S530を実行し、3である場合はステップS535〜S580を実行する。まずグループの個数が3以外の場合、すなわち本実施形態においては1または5または10である場合、i個の表示パターンを1セットとした場合に当該1セットの表示を行った回数(変数repeatの値)と同じ個数のLEDが点灯するように進捗表示パターンが作成される。そのためまず制御部220は、変数rrを0で初期化する(ステップS510)。変数rrが取り得る値の範囲はステップS510〜S530においては0≦rr≦repeatである。続いて制御部220は、変数repeatの値が0より大きいか否かを判定し(ステップS515)、変数repeatの値が0である場合は進捗表示パターン作成処理を終了する(点灯させるLED数は0であるため)。ステップS515において変数repeatの値が0より大きいと判定される場合、制御部220はbuf2[rr]にONを示す値を代入し(ステップS520)、変数rrの値をインクリメントし(ステップS525)、変数rrの値が変数repeatの値に等しいか否かを判定する(ステップS530)。ステップS530において変数rrの値が変数repeatの値と等しくないと判定された場合はステップS520に戻って等しいと判定されるまでステップS520〜S525を繰り返し、等しいと判定された場合は進捗表示パターン作成処理を終了する。
グループの個数が3である場合、図5Dに示すように、1セットの表示を行った回数(変数repeatの値)をbuf2[0]〜buf2[2]に対応するLEDとbuf2[3]〜buf2[12]に対応するLEDを用いて2段階で表現する。具体的には、buf2[0]〜buf2[2]に対応する3個のLEDにおける点灯数で1単位の数を表現し、4単位で桁上がりさせる。その桁上がりの数をbuf2[3]〜buf2[12]に対応する10個のLEDにおける点灯数で表現する。より具体的には、図5Dに示すように、Cをbuf2[3]〜buf2[12]に対応する10個のLEDのうちの点灯状態のLEDの個数とし、Dをbuf2[0]〜buf2[2]に対応する3個のLEDのうちの点灯状態のLEDの個数とすると、C×4+Dが変数repeatの値となるように進捗表示パターンが作成される。言い換えると、Cは変数repeatを4で除算した商(repeat/4)に相当し、Dは変数repeatを4で除算した剰余(repeat%4)に相当する。13個のLEDで表される進捗表示パターンのうち、Cに相当する部分を作成するのがステップS535〜S555であり、Dに相当する部分を作成するのがステップS560〜S580である。
Cに相当する部分を作成する処理では、まず制御部220は変数rrを0で初期化する(ステップS535)。変数rrが取り得る値の範囲はステップS535〜S555においては0≦rr≦(repeat/4)である。続いて制御部220は変数repeatを4で除算した場合の商が0より大きいか否かを判定し(ステップS540)、商が0以下の場合はステップS560に進む(桁上がりの数の部分の点灯数は0であるためCに相当する部分の作成を終了しステップS560に進んでDに相当する部分の作成を行う)。変数repeatを4で割った場合の商が0より大きい場合、制御部220は配列buf2[3+rr]にONを示す値を代入し(ステップS545)、変数rrをインクリメントし(ステップS550)、変数rrの値が変数repeatの値を4で除算した場合の商と等しいか否かを判定する(ステップS555)。等しい場合はステップS560に進み、等しくない場合は等しくなるまでステップS545〜S550を繰り返す。
続いてDに相当する部分を作成する処理ではまず、制御部220は変数rrを0で初期化する(ステップS560)。変数rrが取り得る値の範囲はステップS560〜S580においては0≦rr≦(repeat%4)である。続いて制御部220は、変数repeatの値を4で除算した場合の剰余が0より大きいか否かを判定し(ステップS565)、剰余が0である場合は進捗表示パターン作成処理を終了する(点灯数が0であるため)。剰余が0より大きい場合、制御部220はbuf2[rr]にONで示す値を代入し(ステップS570)、変数rrをインクリメントし(ステップS575)、変数rrの値が変数repeatを4で除算し場合の剰余と等しいか否かを判定する(ステップS580)。等しい場合は進捗表示パターン作成処理を終了し、等しくない場合は等しくなるまでステップS570〜S575を繰り返す。以上、進捗表示パターン作成処理について説明した。
以上の表示パターン作成処理で配列buf1[0]〜buf1[i-1]に表示パターンが作成され、進捗表示パターン作成処理で配列buf2[0]〜buf2[h-1]に進捗表示パターンが作成された状態となる。その後ステップS115やS150において、配列buf1[0]〜buf1[i-1]と配列buf2[0]〜buf2[h-1]とが、図5Dに示すように配列LED_buf[0]〜LED_buf[109]の対応範囲にそれぞれコピーされる。配列buf1[0]〜buf1[i-1]やbuf2[0]〜buf2[h-1]が対応する配列LED_buf[0]〜LED_buf[109]の範囲は、グループの個数に応じて異なる。対応関係については上述した通りである。図5Dはグループの個数が3の場合の例を示している。そして配列buf1[0]〜buf1[i-1]と配列buf2[0]〜buf2[h-1]とが配列LED_buf[0]〜LED_buf[109]の対応範囲にそれぞれコピーされた後、ステップS130において、配列LED_buf[]の各値に応じて対応するLEDの表示状態が更新される。
図4Dはカウンター類の更新処理を示すフローチャートである。この処理は時間Tが経過するごとに実行される。制御部220は、変数indexと変数mmと変数repeatの値を更新する(ステップS400)。具体的には、変数indexに、(index+k)を変数iの値で除算した場合の剰余が代入される。すなわち第一種表示要素のLEDにおいて点灯するLEDの位置が次の表示パターンにおいてk個ずれるように変数indexの値が更新される。変数indexの値の範囲は0≦index≦(i-1)であるので、(index+k)の値がindexの最大値を超える場合は最小値に戻るように、変数indexに(index+k)を変数iで除算した場合の剰余が代入される。また変数mmに、(mm+1)を変数mm_maxの値で除算した場合の剰余が代入される。変数mmの値の範囲は0≦mm≦(mm_max-1)であるので、(mm+1)の値がmmの最大値を超える場合は最小値に戻るように、変数mmに(mm+1)を変数mm_maxの値で除算した場合の剰余が代入される。また変数repeatに、変数mmの値を変数iの値で除算した場合の商が代入される。変数repeatはi個のLEDで示される互いに異なるi種類の表示パターンを1セットとした場合に1セットを繰り返した回数を保持する変数であるので、変数mmをiで除算した場合の商を代入する。以上、カウンター類の更新処理について説明した。
図7および図8は、g=3、i=20、j=3、k=1、h=13、T=0.5[ms]である場合のパターンの遷移を示す図である。中グループ130および下グループ140は、同期間において上グループ120と表示内容が共通であるので、上グループ120のみ図示している。図においては点灯状態のLEDを黒丸で示し、消灯状態のLEDを白丸で示している。制御部220は、第一種表示要素としての20個(i=20)のLED0〜19によって表される互いに異なる20種類の表示パターンを、0.5[ms]経過ごとに変化させる。20種類の表示パターンのうちの任意のm番目の表示パターンから(m+1)番目の表示パターンへの切り換え動作は次のような内容となる(mは1≦m≦iの自然数である。mが20の場合は(m+1)は1を意味する)。m番目の表示パターンにおいて20個の表示要素のうち3個(j=3)の表示要素が点灯状態であり、点灯状態の3個の表示要素以外の17個の表示要素が消灯状態である場合、(m+1)番目の表示パターンでは、m番目の表示パターンにおいて点灯状態である3個の表示要素のうちの1個(k=1)の表示要素が消灯状態となり、m番目の表示パターンにおいて消灯状態である17個の表示要素のうち1個の表示要素が点灯状態となるように表示状態が切り換えられる。なおこの場合のmは、i個の第一種表示要素としてのLEDで表現されるi種類の互いに異なる表示パターンの順序を示しており1≦m≦iである。mは、変数mmの値をiで除算した場合の剰余に1を加算した値(1 + mm%i)に相当する。
m番目の表示パターンから(m+1)番目の表示パターンへの切り換えにおいて、点灯状態から消灯状態に変化させるLEDは、m番目の表示パターンにおける点灯状態のLEDのうち点灯継続時間が長い順にk個選択される。k=1の場合、第一種表示要素に割り当てられた任意のLEDに注目すると、当該LEDは時間的に連続するj個の表示パターンに渡って点灯を継続している。すなわち当該LEDの点灯継続時間はTj/kで表すことができる。図7および図8に示す例の場合はTj/k=1.5[ms]である。そのため、任意のLEDにおける点灯継続時間がTである構成と比較すると長く点灯を継続することができ、表示部210を撮影した画像において点灯している表示要素を明るく写し込むことができる。
なお図7および図8に示す例の場合、図7Aに示すパターン(表示パターンおよび進捗表示パターンで表現されるパターン)から始まり、0.5[ms]経過ごとにパターンが変化し、図8Pに示すパターンまでのmm_max=20×4×11=880種類の互いに異なるパターンを表示することができる。T=0.5なので440[ms]を0.5[ms]単位で表現することができる。なお表示装置制御処理では変数mm_maxに値に対応する個数のパターンを表示してからパターン継続時間Tが経過すると再び最初のパターンからの表示を繰り返すように制御される。
1−3.シャッタータイムラグ測定の手順
測定者によって同期制御部300が操作されると、カメラ400のレリーズボタンが押下されるとともに、表示装置200の表示パターンの切り換え動作がスタートする。レリーズボタンが押下されたことによりカメラ400は切り換え動作を実行中の表示装置200の撮影面214aの静止画を撮影し、撮影した画像を記録媒体に記録する。そして記録媒体に記録された画像に基づいて測定者がシャッタータイムラグを導出する。以上がシャッタータイムラグ測定の大まかな流れである。
図9Aは、カメラ400のシャッターの動きと、シャッターの移動方向における位置に応じて分けられた撮像素子410の3領域における露光期間Tを示すタイミングチャートである。上述したようにカメラ400のシャッターの先幕S1および後幕S2は二次曲線に近似する動きをする。シャッターの移動方向に平行な方向に撮像素子410を上領域、中領域、下領域の3つの領域に分ける場合、各領域におけるシャッタータイムラグをそれぞれΔT、ΔT、ΔTとすると、図に示すように本実施形態の場合はΔT<ΔT<ΔTとなる。表示装置200に対してグループの個数を3と設定すると、撮像素子410の上述の3領域におけるシャッタータイムラグをそれぞれ測定することができる。図3Aに示した上グループ120が撮像素子410の上領域に含まれ、中グループ130が撮像素子410の中領域に含まれ、また、下グループ140が撮像素子410の下領域に含まれるように撮影範囲が調整すれば、各領域におけるシャッタータイムラグを測定できる。
図9Bは、このように設定された状態でカメラ400が撮影した画像の例を示している。この画像を撮影したカメラ400のシャッタースピードは1msに予め設定されていたとして説明を行う。また、表示装置200側はg=1、i=20、j=3、k=1、T=0.5[ms]が予め設定されていたとする。図9Bに示す例では、上グループ120では、LED10に対応する孔H2の内側の上端部に相当する領域10a(上端部より下側は消灯しているように見える)と、LED11〜14に対応する孔H2の内側全体に相当する領域11a・12a・13a・14aと、LED15に対応する孔H2の内側の下端部に相当する領域15a(下端部より上側は消灯しているように見える)の合計6つの領域が光っているように撮影されたことを示している。また領域12aおよび領域13aは、これら6つの領域の中で最も明るく写り込んでおり、領域11aおよび領域14aは領域12aおよび領域13aの次に明るく写り込んでいることを示している。また、領域10aおよび領域15aはこれら6つの領域の中で最も暗く写り込んでいることを示している。中グループ130では、LED42に対応する孔H2の内側の上端部に相当する領域42a(上端部より下側は消灯しているように見える)と、LED43〜46に対応する孔H2の内側全体に相当する領域43a・44a・45a・46aと、LED47に対応する孔H2の内側の下端部に相当する領域47a(下端部より上側は消灯しているように見える)の合計6つの領域が光っているように撮影されたことを示している。また領域44aおよび領域45aは、これら6つの領域の中で最も明るく写り込んでおり、領域43aおよび領域46aは領域44aおよび領域45aの次に明るく写り込んでいることを示している。また、領域42aおよび領域47aはこれら6つの領域の中で最も暗く写り込んでいることを示している。下グループ140では、LED73に対応する孔H2の内側の上端部に相当する領域73a(上端部より下側は消灯しているように見える)と、LED74〜77に対応する孔H2の内側全体に相当する領域74a・75a・76a・77aと、LED78に対応する孔H2の内側の下端部に相当する領域78a(下端部より上側は消灯しているように見える)の合計6つの領域が光っているように撮影されたことを示している。また領域75aおよび領域76aは、これら6つの領域の中で最も明るく写り込んでおり、領域74aおよび領域77aは領域75aおよび領域76aの次に明るく写り込んでいることを示している。また、領域73aおよび領域78aはこれら6つの領域の中で最も暗く写り込んでいることを示している。なお、図9Bの例ではいずれのグループにおける第二種表示要素に対応するLEDも光っていないように撮影されていることを示している。したがって、図7Nに示す表示パターン〜図8Dに示す表示パターンが表示されている間に露光が行われたことを大まかに予想することができる。
図10は、LED10〜15とLED42〜47とLED73〜78の点灯期間(Hの期間)を示すタイミングチャートである。各LEDの点灯継続時間は1.5[ms]である。図9Bにおいて、LED11〜14については孔H2の内側全体の領域11a,12a,13a,14aが点灯していることから、LED11〜14を撮像する撮像素子の画素の位置を先幕が通過(撮像素子の対応する位置が露光開始)してから後幕が通過するまでの期間中(すなわち露光期間中)にLED11〜14の点灯期間が含まれることが分かる。また、領域12a,13aが領域11a,14aより明るいことから、露光期間中においてLED12,13の方がLED11,14よりも長く点灯していたことが分かる。LED10については、領域10aが孔H2の内側の上端部のみ光っているように写り込んでいることから、LED10を撮像する撮像素子の画素のうちの上端部(−y側の端部)に対応する画素の位置を先幕が通過した直後に(LED10の下端部に対応する画素の位置を先幕が通過する前に)LED10が消灯したことが分かる。またLED15については、領域15aが孔H2の内側の下端部のみ光っているように写り込んでいることから、LED15を撮像する撮像素子の画素のうちの下端部(+y側の端部)に対応する画素の位置を後幕が通過するより前はLED15は消灯していたが当該下端部に対応する画素の位置を後幕が通過する直前にLED15が点灯開始したことが分かる。
カメラ400の露光期間Tの長さが1[ms]に設定されていても、実際にはばらつきによって1[ms]よりも長くなったり短くなったりしうる。本実施形態では、カメラ400の露光期間Tの長さは1[ms]に設定されているが、実際の露光期間Tの長さは1[ms]よりもやや長くなっているものとして記載している。これらのことから、上グループ120のLED10〜15が属するx軸方向の領域を撮像する画素においては、図10に示すようにシャッター操作から約7[ms]経過してから露光が開始されたことが分かる。したがって上領域におけるシャッタータイムラグΔTは約7[ms]であることが導出できる。同様に考えて、中領域におけるシャッタータイムラグΔTは約8[ms]、下領域におけるシャッタータイムラグΔTは約8.5[ms]であることが図9Bに示す画像から導出できる。
このように、フォーカルプレーン型のシャッターを使用するデジタルカメラでは、撮像素子の前を先幕・後幕の順にシャッターが移動するため、シャッターの移動方向における撮像素子の位置によってシャッタータイムラグに差が出ることになる。本実施形態によると、シャッターの移動方向と平行な方向における複数の位置でのシャッタータイムラグを、1回の撮影によって得られた1つの画像から導出することができる。シャッター幕の動作時間と比較してシャッタータイムラグは長いため、シャッター幕の移動の様子をシャッターの移動方向における位置に応じて細かい分解能で測定することと、シャッタータイムラグを測定することの二つの目的を、1回の撮影によって達成しにくい。しかしグループ分けの態様(1グループ内の第一種表示要素の数や第二種表示要素の数)を適宜調整することにより、前述の二つの目的を1回の撮影で達成できるようにすることができる。
また、一般にシャッター動作は安定しないことがあり、1回のシャッター動作についてシャッターの移動方向における位置に応じた走行特性を測定できることが重要である。一般にシャッター幕の動作時間は、約2ms〜約4msであることから、幕の特性とシャッタースピードに応じてパターン継続時間Tを選択する。シャッター幕の動作時間の程度からシャッタースピードは1/1000s程度で測定することが望ましい。なお、設定受付部230のDIPスイッチの個数を増やして、0.2msや0.75ms等のパターン継続時間も設定できるようにしてもよい。
また、表示装置200は複数グループそれぞれに第二種表示要素としてのLEDを備えている。そして、第二種表示要素としてのLEDは当該LEDが属するグループの第一種表示要素としてのLEDとシャッターの移動方向において近い位置に配置されている。そのため、各グループに対応する撮像素子の位置におけるシャッタータイムラグを明確に導出することができる。仮に、グループごとに第二種表示要素としてのLEDが含まれておらず、全グループが第二種表示要素としてのLEDを共有する構成の場合、次のような問題が発生しうる。
例えば、LED0〜89が第一グループから第九グループの9個のグループに分けられ(LED0〜89のx軸と平行な直線上の10個が1つのグループを構成する。各グループを構成する10個のLEDは第一種表示要素として機能する)、LED90〜99が全グループに共通する第二種表示要素として機能する場合を考える(LED100〜109は不使用)。第二種表示要素としてのLEDは第一種表示要素のLEDが1セット(10種類の表示パターン)を表示し終えるごとに表示状態を変える。第一種表示要素のLEDが1セット分の表示に要する時間(10×T)が、第一グループに対応する撮像素子の領域の露光開始時刻から第九グループに対応する撮像素子の領域の露光開始時刻までの差分時間よりも短い場合、各グループにおける表示パターンが、第二種表示要素が表している進捗(1セット分を表示し終えた回数)と必ずしも対応するとは限らない。そのため、撮影した画像からは各グループにおけるシャッタータイムラグを明確に特定できない。
より具体的には例えば、第一グループにおいては、1セットを表示し終える前に露光が行われ、第九グループにおいては、1セットを表示し終えた後に露光が行われたとする。第二種表示要素のLED90〜99は第九グループよりも後に露光される位置にあるので、第二種表示要素は各グループが1セットを表示し終えたことを示す表示を行っている状態で露光される。このように撮影された画像からは、第一グループの表示パターンは2セット目の表示パターンであるのか1セット目の表示パターンであるのかを明確に特定できない。一方、このような場合も、本実施形態のようにシャッター移動方向における位置が近いLED同士がまとまってグループを構成し、各グループにそれぞれ第二種表示要素を備えている構成であると、各グループに対応する位置のシャッタータイムラグを画像から明確に導出することができる。
なお、本実施形態においてはグループの個数が3の場合は、第二種表示要素のLED20〜29は図3Aに示すように同一グループに属する第一種表示要素のLEDよりも−y側に配置されている。また、第二種表示要素のLED100〜103は、時間が経過するほど点灯するLEDの個数を−y側に増やすように表示している。これは,シャッターが+y側から−y側に移動することを前提にしており、時間が経過に応じた矛盾のない表示を行うための工夫である。
なお、本実施形態においてはグループの個数が3である場合を例にして説明した。測定対象のカメラのシャッターが等加速度運動に近似する運動をする場合、少なくとも3つの位置におけるシャッタータイムラグを測定することにより、シャッターの運動を示す二次曲線を定義することができる。この二次曲線に基づいて、測定していない他の位置におけるシャッタータイムラグも推測することができる。そのため、シャッターの移動方向に応じた位置におけるシャッタータイムラグを測定したい場合は、グループの個数を少なくとも3個にすることが望ましい。また、グループの個数を3個以上とする場合、そのうちの1グループはシャッターの移動方向と平行な方向における撮像素子の中央部の画素に撮像されるように画角を調節することが望ましく、中央部を挟んで上下に対称にグループを配置することを考えると、グループの個数を奇数とすることが望ましい。なお、本実施形態においてはグループの個数(g)を設定受付部230によって変更することができる。そのため、測定対象のカメラのシャッターの移動方向におけるシャッタータイムラグの測定分解能を可変にすることができる。
なお、さらに分解能を上げたい場合は、表示装置を複数(例えば2台)用意して撮影してもよい。そして複数の表示装置をy軸と平行な方向に重ねて配置し、当該複数の表示装置がカメラの撮影範囲に同時に含まれるようにカメラと表示装置の位置を調整する。複数の表示装置を同期して動作させることで、1台の表示装置はグループ数が3個であるが、表示装置を2台用いる場合は合計でグループ数を6個にすることができ、6個の領域におけるシャッタータイムラグを測定することができる。
また、設定受付部230によってi、j、およびTを変更することができる(kも変更できてもよい)。iの増減により表示パターンの種類を増減させることができる。j、k、およびTを増減させることにより、点灯継続時間(jT/k)を増減させることができる。したがってこれらの設定値を変えることにより、測定対象のカメラの撮影条件(シャッタースピード等)等の様々な条件に応じて、識別しやすい状態で表示パターンが画像に写し込まれるように、点灯継続時間や表示パターンの種類を調整することができる。また、シャッター操作から露光までの間に同じパターンが表示されないように、iやhの値を設定することにより、撮影された画像からシャッタータイムラグを一意に特定することができる。
なお、撮影結果に応じてLEDの輝度が過剰であったり不足したりする場合があるため、設定受付部230によってLEDの輝度を複数段階で切り換えることができてもよい。
なお、パターン継続時間Tを短くするほどシャッタータイムラグの測定分解能を細分化することができるが、パターン継続時間Tを短くするほど任意のLEDが点灯状態を継続する時間が短くなるため、カメラの露光期間中に点灯状態であったLEDが暗く撮影される。その結果、カメラの露光期間中に点灯状態であったLEDを識別しにくくなる。そこで、Tの値を小さく設定するほど、(j/k)の値が大きくなるようにjまたはkの値を変更することで、任意のLEDが点灯状態を継続する時間を長くすることができる。その結果、カメラの露光期間中に点灯状態であったLEDを明るく撮影することができ、当該LEDを識別しやすくすることができる。また、(Tj/k)の値が、当該LEDを識別しやすくするために必要であると予め決められた明るさで画像に当該LEDを写し込むための最短時間(カメラの撮影条件や撮影環境に応じた最短時間)として予め決められたT以上となるように設定することにより、カメラの露光期間中に点灯状態であったLEDを識別しやすくすることができる。
なお、本実施形態においてはグループ分けの個数が3個である例を示したが、必ずしも3個である必要はない。例えばグループ分けの個数が1個の場合で、i=20、j=3、k=1の場合は、図7A〜図7Pおよび図8A〜図8Dと同様の切り換え動作となる。また例えばi=100、j=3、k=1の場合は、100個の互いに異なる表示パターンを定義することができる。この場合、LED101〜109を第二種表示要素として使用しない場合は、最長で100×Tで表される長さの時間をパターン継続時間T間隔で計測できる。
1−4.EVF表示遅延測定装置の構成
図11Aは、測定対象のデジタルスチールカメラ(以降、第一のカメラという)800が撮影した画像をライブビューとして表示部に表示する際に撮影から表示までに要した表示遅延時間を計測するための表示遅延測定装置A2の構成を示すブロック図である。表示遅延測定装置A2は、同期制御部500と第一の表示装置600と第二の表示装置700と第二のカメラ900とを備えている。第一の表示装置600および第二の表示装置700は、上述した表示装置200と共通の装置であるため、構成要素に表示装置200と共通の符号を付し説明を省略する。同期制御部500は、第一の表示装置600における切り換え動作と第二の表示装置700における切り換え動作とを同期させる。そのために同期制御部500は例えば、操作部と制御部(いずれも不図示)とを備える。同期制御部500の制御部は、操作部が操作されたことを検出すると、第一の表示装置600と第二の表示装置700とに動作開始信号を出力する。この動作開始信号を受けて第一の表示装置600と第二の表示装置700とは切り換え動作を開始することができるため、第一の表示装置600と第二の表示装置700とは各時刻において同一の表示パターンを表示することができる。
図11Bは、第一のカメラ800と第二のカメラ900と第一の表示装置600の撮影面214aと第二の表示装置700の撮影面214aとの位置関係を示す模式図である。第一のカメラ800は表示部としてのEVF(Electronic View Finder)830を備えている。EVF830は、液晶画面830aと接眼レンズ群830bとを備えており、接眼レンズ群830bを光軸と平行な方向に移動させることにより液晶画面830aに対する視度調整をすることができる。EVF830は、撮影した被写体を動画で表示する機能を有し、一般的にこの機能はライブビュー表示機能と呼ばれる。第一のカメラ800は、第一のフレームレートで撮影した画像をライブビューとして液晶画面830aに第二のフレームレートで表示することができる。第一のカメラ800は、第一の表示装置600の撮影面214aが撮影範囲に含まれるように配置される。第二のカメラ900は、第一のカメラ800のEVF830と第二の表示装置700の撮影面214aとの両方が撮影範囲に含まれるように配置される。第二のカメラ900は、静止画または動画を撮影する機能を有するデジタルスチールカメラである。第二のカメラ900は、操作部と制御部と表示部(いずれも不図示)と撮像素子910とレンズ群930等を備えており、制御部が各部を制御することにより静止画または動画を撮影する機能を実現する。レンズ群930は、撮像素子910に被写体の像を結像する。第二のカメラ900は、撮影した画像を第二のカメラ900に接続された記録媒体910に保存することができる。なお、第一のカメラ800がEVFを備えておらず背面液晶画面を備えている場合は、背面液晶画面にライブビューが表示されてもよい。この場合、第二のカメラ900は当該背面液晶画面を撮影する。
第二のカメラ900でEVF830の液晶画面830aに表示された画像と第一の表示装置600の撮影面214aを同時に撮影するように第二のカメラ900が備えるレンズ群930を操作したり配置したりして,測定の工夫を行う事は可能であるが、一般にEVFはカメラの背面にあり視野角も狭いため、EVF830の液晶画面830aに表示された画像と第一の表示装置600の撮影面214aとを同時に撮影範囲に含むように第二のカメラ900を配置することは困難である場合が多い。このため第一の表示装置600の表示部210と全く同じタイミングで全く同じ様に動作する第二の表示装置700を近傍に配置し、EVF830の液晶画面830aと第二の表示装置700の撮影面214aとを第二のカメラ900で撮影することが現実的である。その場合、第一の表示装置600の表示部200と第二の表示装置700の表示部200とは必ずしも同じ大きさである必要は無い。例えば第二のカメラ900が撮影した画像において両者を比較しやすくするために、第一の表示装置600の表示部200よりも第二の表示装置700の表示部200を相似形でありながら小型であってもよい。
EVF830の液晶画面830aに表示された画像は接眼レンズ群830bを通じて観察可能であるが、一般に接眼レンズ群830bのアイポイントは短くレンズ面から数cm程度である場合が多い。このため第二のカメラ900が備えるレンズ群930を経て撮像素子910にピントが合う状態にするために、第二のカメラ900が備えるレンズ群930はマクロモードを有し、接写が出来る必要がある。さらにEVF830の液晶画面830aに加えて第二の表示装置700の撮影面214aも同時に撮影するためには、第二のカメラ900が備えるレンズ群930はワイド画角の撮影が可能である必要がある。さらに、液晶画面830aに表示された画像と第二の表示装置700の撮影面214aの両者にピントが合った状態で同時に撮影できる必要があり、第二のカメラにおける被写界深度の範囲が広い必要がある。一般に被写界深度の範囲を広くするためには、レンズの焦点距離を短くしレンズの絞りを絞り込むことで実現される。しかし被写界深度の範囲を極端に広くすることは難しいため、第二の表示装置700の撮影面214aが出来るだけEVF830の近くに配置されることが必要である。そのため図11Bに示すように、距離d1が距離d3より距離d2に近くなるように配置させることでEVF830にも第二の表示装置700の撮影面214aにもピントが合うように設置することができる。
なお、EVF830の液晶画面830aに表示された画像は接眼レンズ群830bと第二のカメラ900が備えるレンズ群930とを経て撮像素子910にピントが合った状態で結像している状態においては、第二のカメラ900における被写界深度の範囲が距離d2よりも遠い位置にある可能性が高い。そのため距離d1>距離d2となるように第二のカメラ900に対して被写界深度の範囲内で第二の表示装置700を遠ざけることにより、第二のカメラ900は第二の表示装置700の撮影面214aとEVF830の両者にピントを合わせやすくなる。
1−5.EVF表示遅延測定の手順
測定者によって同期制御部500が操作されると、第一の表示装置600における切り換え動作と第二の表示装置700における切り換え動作が同時にスタートする。第一の表示装置600の設定受付部230によって予め設定された内容と、第二の表示装置700の設定受付部230によって予め設定された内容とは同じである。そのため、第一の表示装置600の表示部210と第二の表示装置700の表示部210とは、同じタイミングで同じように表示パターンを切り換えていく。第一のカメラ800は、EVF830にライブビューを表示するように設定がなされており、第一の表示装置600の撮影面214aを含む第一の画像を撮影しライブビューとして当該第一の画像をEVF830に表示する。測定者が第二のカメラ900のレリーズボタン(操作部)を押下することによって第二のカメラ900は、ライブビューとして第一の画像が表示されている830と、第二の表示装置700の撮影面214aとを含む第二の画像を撮影し、撮影した第二の画像を記録媒体910に記録する。図12は、第二のカメラ900で撮影された第二の画像の例を示している。第二のカメラ900は、ランダムなタイミングで複数枚の静止画を撮影することで第二の画像を撮影してもよいし動画として第二の画像を撮影してもよい。そして記録媒体910に記録された第二の画像に基づいて測定者が表示遅延時間を導出する。以上が表示遅延測定の大まかな流れである。
ランダムなタイミングで静止画を撮影して表示遅延時間を測定する場合、表示遅延時間のばらつきの範囲(最小表示遅延時間〜最大表示遅延時間)を調べるためには相当枚数の静止画撮影を行う必要がある。また、表示遅延時間の測定精度として1ms程度の精度が要求される場合は、静止画撮影のシャッタースピードは1ms(1/1000s)程度で撮影することが望ましい。一方、動画撮影を行い動画に含まれる各画像を個別に解析する方法が簡便であるが、通常の動画撮影のフレームレートは30fpsや60fps程度であるため、動画に含まれる各画像における各ラインの露光時間は、シャッタースピード1msで静止画撮影する場合と比較すると長くなる。露光時間が長くなると撮影した動画に含まれる各画像において点灯しているように見えるLEDの個数が多数になり、画像に写り込んでいる表示パターンの特定(時刻の導出)作業がやりづらくなる可能性がある。また複数の表示パターンが写り込んでいるためそのうちのどの表示パターンに注目するかに応じて導出される時刻が異なる(露光時間相当の幅がある)。したがって時刻を導出するために注目する表示パターンを例えば露光開始時の表示パターン等というように定めておかなければ画像から導出される時刻が露光時間相当に大きくばらつく可能性がある。動画撮影する場合は第二のカメラは可能であれば1000fps程度の高速でかつ高解像度で動画撮影できるカメラであることが望ましい。また、1000fps程度の高速で撮影する場合に高解像度で撮影が出来ない場合は、1000fpsより低速のフレームレートで動画撮影することになるが、その場合は上述のような問題が発生しうる。これらの事情を鑑みて動画撮影の場合のフレームレートや解像度を適宜選択する必要がある。
なお、二つの表示装置において同一期間において同じ表示パターンが表示されることにより、第二の画像に基づいて後述する時刻Aや撮影時刻Bが容易に特定できる。なお二つの表示装置において、表示パターンや切り換え動作の態様は同じであってもよいし同じでなくてもよい。同じであれば前述のようなメリットがあるが、仮に同じでない場合であっても、第一の表示装置600で表示される任意の表示パターンが示す時刻と、当該時刻に第二の表示装置700で表示される表示パターンが示す時刻とのそれぞれの対応関係が明確であれば、第二の画像に含まれる第二の表示装置の表示部に表示されている表示パターンから後述する撮影時刻Bが特定可能である。また、第二の画像から後述する時刻Aも特定できる。なお、例えば第二の表示装置700は、第一の表示装置600の動作開始と同時に動作し始めるストップウォッチや時計であってもよい。さらには、第一の表示装置600および第二の表示装置700は、同期して動作するストップウォッチや時計であってもよい。
図13Aは、二つの表示装置における切り換え動作と、第一のカメラ800による第一の画像の撮影および表示と、第二のカメラ900による第二の画像の撮影の一例を示すタイミングチャートである。ここで図13Aに示す第一の画像の撮影と表示に関して、撮影フレームの識別子に含まれる番号と同じ番号を含む識別子の表示フレームは、当該撮影フレームに対応する画像を表示していることを示している。例えば図13AにおいてフレームS1に示される期間に撮影された画像はフレームD1に示される期間に表示されることを意味している。また、撮影フレームの水平方向の長さは露光時間を示している。
図13Aでは、例えば第二の画像Eが撮影された際に第一のカメラ800のEVF830に表示されていた第一の画像には、フレームD1の画像が上から1/3程度の領域に表示されていることを示している。また例えば、第二の画像Fが撮影された際に第一のカメラ800のEVF830に表示されていた第一の画像には、上から2/3程度の領域ではフレームD6の画像が表示され残りの1/3程度の領域ではフレームD5の画像が表示されていることを示している。第一の画像が撮影されてから表示されるまでの間には、撮影データから表示用のデータへの変換処理等のための時間を含む遅延時間が発生する。また本実施形態のように、第一のフレームレートと第二のフレームレートとが非同期である場合は、表示遅延時間がばらつく。また、一般にEVF等の表示装置は、1枚の画像(1フレーム)内をライン単位で順次切替える動作を行い、1枚の画像(1フレーム)の書換えが終了した場合、次の画像を準備して再度ライン単位で順次切替える動作を行う。このため前回書換えが発生してから次の書換えがおこるまで当該ラインは同一の画像を継続して表示し続ける。このため、測定者が画像に基づいて表示遅延時間を導出する場合、第二の画像1枚をもって表示遅延時間を確定出来る訳ではない。そのため、第二のカメラ900はランダムなタイミングで複数枚の静止画としての第二の画像を撮影し、各第二の画像から表示遅延時間を導出する。そして複数の表示遅延時間から、表示遅延時間のばらつきの範囲を導き出すことができる。第二の画像を動画で撮影してもよく、その場合、動画を構成する複数枚の静止画から同様に表示遅延時間のばらつきの範囲を導き出すことができる。
第一の表示装置600および第二の表示装置700においてg=1、j=3およびk=1として表示パターンの切り換え動作が行われているとする。図13Bは、第二の画像Eに含まれる第二の表示装置700の撮影面214aの撮影結果の画像の例を示す模式図であり、図13Cは、第二の画像Eに含まれる第一の画像にさらに含まれる第一の表示装置600の撮影面214aの撮影結果の画像の例を示す模式図である。図13Bは、第二のカメラ900が第二の画像Eを撮影した撮影時刻Bを示している。図13Cは、第一のカメラ800が第一の画像を撮影した時刻Aを示している。具体的には、フレームD1の上から1/3程度に相当する画像(フレームS1の上から1/3程度の画像)を撮影した時刻を示している。第二のカメラ900が第二の画像Eを撮影した撮影時刻Bに、第一のカメラ800のEVF830に表示されている第一の画像は、撮影時刻Bよりも表示遅延時間分過去の時刻Aに第一のカメラ800によって撮影された画像である。言い換えると、第一のカメラ800のEVF830に表示された第一の画像は、第一の画像が第一のカメラ800によって撮影された時刻Aよりも表示遅延時間分遅れた(表示遅延時間分未来の)撮影時刻Bに第一のカメラ800のEVF830に表示される。そのため第一のカメラ800の表示遅延時間は(B−A)で表すことができる。
図13Bに示す画像において点灯しているように見えるLEDの個数と図13Cに示す画像において点灯しているように見えるLEDの個数が異なるのは、第二のカメラ900における露光時間と第一のカメラ800における露光時間とが異なるためである。上述したシャッタータイムラグ導出方法と同様に考えると、図13Bに示す画像(撮影時刻Bを示す)は、第二のカメラ900が時刻約28[ms]〜時刻約29[ms](28≦t<29)の約1[ms]の間露光したことによって撮影された画像であることが分かる。同様に考えて図13Cに示す画像(時刻Aを示す)は、第一のカメラ800が時刻約4[ms]〜時刻約18[ms](4≦t<18)の約14[ms]の間露光したことによって撮影された画像であることが分かる。したがって、露光開始時刻で比較すると第一のカメラ800の表示遅延時間(B−A)は約24[ms]であることが、図13Bおよび図13Cを含む第二の画像Eから導出できる。なお、第一のカメラ800の露光終了時刻と第二のカメラ900の露光開始時刻とで比較するなら表示遅延時間は約10[ms]であることが図13Bおよび図13Cを含む第二の画像Eから導出できる。第二のカメラ900は1/1000sの高速なシャッタースピードで撮影することにより、低速なシャッタースピードで撮影する場合と比較して、画像に多数の表示パターンが写り込まないという点において撮影時刻Bを導出しやすい。また第二のカメラ900における第二の画像撮影時の露光時間(1/1000s)は、第一のカメラ800における第一の画像撮影時の露光時間や画像表示の更新間隔(表示側のフレームレートの逆数)よりも十分短いため、撮影時刻BにおいてEVF830に表示された第一の画像が撮影された時刻Aを精度よく導出できる。また、二つの表示装置のパターン継続時間Tが1msであり第二のカメラ900における露光時間も1msであるため、約1msの精度で時刻Aや撮影時刻Bを特定することができる。
図13Dは、第二の画像Fに含まれる第二の表示装置700の撮影面214aの撮影結果の画像の例を示す模式図であり、図13Eは、第二の画像Fに含まれる第一の画像にさらに含まれる第一の表示装置600の撮影面214aの撮影結果の画像の例を示す模式図である。上述したシャッタータイムラグ導出方法と同様に考えると、図13Dに示す画像(撮影時刻Bを示す)は、第二のカメラ900が時刻約112[ms]〜時刻約113[ms](112≦t<113)の約1[ms]の間露光したことによって撮影された画像であることが分かる。同様に考えて図13Eに示す画像(時刻Aを示す)は、第一のカメラ800が時刻約70[ms]〜時刻約84[ms](70≦t<84)の約14[ms]の間露光したことによって撮影された画像であることが分かる(点灯しているLEDの画像を撮像する領域であって画像の下から1/3程度の領域を撮影した時刻はフレームS5の下から1/3程度の領域を撮影した時刻を意味する)。したがって、露光開始時刻で比較すると第一のカメラ800の表示遅延時間(B−A)は約42[ms]であることが、図13Dおよび図13Eを含む第二の画像Fから導出できる。なお、第一のカメラ800の露光終了時刻と第二のカメラ900の露光開始時刻とで比較するなら表示遅延時間は約28[ms]であることが図13Dおよび図13Eを含む第二の画像Fから導出できる。第二の画像を複数枚撮影することにより、それら複数枚の第二の画像に基づいて、表示遅延時間のばらつきの範囲(表示遅延時間の最小値〜最大値)を導出することができる。
以上のような手順を実行することにより、カメラに付属するEVF等の表示部にライブビューを表示する際の表示遅延時間を測定することができる。
なお、表示遅延測定装置A2で用いられる二つの表示装置はLEDが同時に1つのみ点灯し、LEDの点灯継続時間がパターン継続時間Tである構成としてもよいが、上述の実施例のようにLEDの点灯継続時間がTj/kとなるように制御することで点灯状態を長く継続することができる構成が望ましい。パターン継続時間Tが第一のカメラ800が第一の画像を撮影する際の露光時間より短い場合、露光時間中に複数の表示パターンが順次表示されることになる。そのため、撮影された第一の画像にも複数の表示パターンが写り込むことになる。Tj/k時間に渡ってLEDが点灯状態を継続する構成において露光期間中に点灯状態であったLEDは、点灯状態を継続する時間がT時間である構成において露光期間中に点灯状態であったLEDと比較すると、画像に明るく写り込む。各LEDの点灯継続時間がパターン継続時間Tのみでは撮影された画像において点灯しているであろうLEDが暗くて識別しにくい場合は、LEDの点灯継続時間がTj/kとなるように制御し、カメラの露光時間をパターン継続時間Tより長くする(ただしあまりに長くすると今度は解析しづらくなるほど多数の表示パターンが画像に写り込むことになるため適宜調整する必要はある)ことにより、測定精度を犠牲にすることなく、撮影された画像から点灯状態であるLEDを識別しやすくなり、画像に写し込まれている表示パターンを特定しやすくすることができる。その結果、表示パターンが示す時刻を特定しやすくなる。
2.他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態の表示遅延測定においては、表示遅延測定装置は第二の表示装置を備え、第二のカメラは第二の表示装置の表示部と第一の画像とを含む第二の画像を撮影し、当該第二の画像に基づいて(B−A)で表される表示遅延時間を導出していたが、表示遅延測定装置は次のような構成であってもよい。図14Aは他の実施形態にかかる表示遅延測定装置A3の構成を示している。表示遅延測定装置A3では第二の表示装置が含まれていない。表示遅延測定装置A3の同期制御部510は、操作部と制御部とボタン押下部(いずれも不図示)とを備えており、操作部に対する操作を検出すると第一の表示装置600に動作開始信号を出力して第一の表示装置600の切り換え動作を開始させることができる。ボタン押下部は制御部の指示に応じて第二のカメラ900のレリーズボタンを押下することができる。同期制御部510の制御部は、第一の表示装置600の切り換え動作実行中に任意のタイミングで第二のカメラ900の押下し、第一のカメラ800のEVF830が表示する第一の画像を含む第二の画像を撮影することができる。
静止画として第二の画像を撮影する場合は、同期制御部510は複数回第二のカメラ900のレリーズボタンを押下する。同期制御部510はレリーズボタンを押下させた時刻を同期制御部510が備える記録媒体に記録する。第一の表示装置600の切り換え動作を開始させた時刻を同期制御部510は把握することが可能であるため、切り換え動作を開始させた時刻を基準にして、レリーズボタンを押下させた時刻BBを記録することができる。同期制御部510がレリーズボタンを押下させた回数分第二のカメラ900の記録媒体910には第二の画像が記録されるため、当該複数枚の第二の画像と同期制御部510の記録媒体に記録された複数回分の時刻BBは時系列順に対応する。第二のカメラ900のシャッタータイムラグΔT1は予め測定されているものとする。図14Bは、第一の表示装置600の切り換え動作と、第一のカメラ800による第一の画像の撮影および表示と、第二のカメラ900に対するシャッター操作から第二の画像の撮影の例を示すタイミングチャートである。第二の画像Eには第一のカメラ800のEVF830に表示された第一の表示装置600の表示パターンが含まれている。そのため第二の画像Eに基づいて時刻Aを特定することができる。また、第二の画像Eを撮影した撮影時刻Bは当該第二の画像Eと対応する時刻BBと予め測定されたΔT1とから特定することができる。その結果、(B−A)で示される表示遅延時間を導出することができる。
また、表示遅延測定においては、第一の表示装置600や第二の表示装置700におけるグループの個数を複数に設定してもよい。当該グループが並ぶ方向と、第一のカメラ800における水平ラインの並ぶ方向(撮像データは撮像素子の水平ライン単位で取得されるとする)、または、EVF830における水平ラインの並ぶ方向(表示データは水雷ライン単位で順に表示されるとする)とが平行となるように第一のカメラは設置される。第二のカメラ900のシャッターの移動方向も当該方向と平行になるように設置される。その結果、第一のカメラ800において当該方向における複数の位置での表示遅延時間を測定することができる。なおこの場合は、EVF830全体を第二のカメラ900の撮影範囲内にできるだけ大きく含まれるように画角を調整することが望ましい。
なお、ライブビューとしての第一の画像は図15に示すように第一のカメラ800の背面液晶画面840(第一のカメラの表示部に相当する)に表示されてもよい。その場合に第二のカメラ900は、背面液晶画面840と第二の表示装置700の撮影面214aとを含む第二の画像を撮影してもよい。図15に示すように第二の表示装置700の撮影面214aと第二のカメラ900との距離d1は、第一の表示装置600の撮影面214aと第二のカメラ900との距離d3よりも、背面液晶画面840と第二のカメラ900との距離d2に近くなるように各装置が配置されている。そのため第二のカメラ900は、第二の表示装置700の撮影面214aと背面液晶画面840の両者にピントを合わせた状態で第二の画像を撮影しやすい。距離d1=距離d2であれば両者に最もピントを合わせやすい。第二のカメラ900の被写界深度の範囲内であれば距離d1>距離d2の状態または距離d1<距離d2の状態で各装置が配置されてもよい。第二の表示装置700の撮影面214aが背面液晶画面840よりも大きい場合は、距離d1>距離d2となるように配置することで第二の画像における両者の面積の差を小さくすることができる。第二の表示装置700の撮影面214aが背面液晶画面840よりも小さい場合は、距離d1<距離d2となるように配置することで第二の画像における両者の面積の差を小さくすることができる。
なお、第二のカメラ900における被写界深度の範囲内に第一の表示装置600の撮影面214aと第一のカメラ800の背面液晶画面840とが位置できるのであれば、第二のカメラ900は、第一の表示装置600の撮影面214aと第一のカメラ800の背面液晶画面840とを含む画像を第二の画像として撮影してもよい。
なお、生産過程のカメラに対して全数検査として上述のシャッタータイムラグ測定や、表示遅延測定を行い、基準に満たないようなシャッターラグのカメラや表示遅延時間のカメラは出荷対象から排除するようにしてもよい。また、排除したカメラを再調整した後、再度検査するようにしてもよい。
なお上記実施形態では、シャッタータイムラグ測定において、パターン継続時間が常に一定であるとして説明を行ったが、パターン継続時間が常に一定でなくてもよい。例えば、第一ステップにおいて切り換え動作が開始されてから分解能が途中から変わってもよい。具体的には例えば、切り換え動作がシャッター操作と同時に開始される構成の場合であって、シャッタータイムラグが明らかにX秒を超えることがわかっている場合は、切り換え動作開始からX秒が経過するまでの間は分解能を粗く(パターン継続時間を長く)しておき、X秒が経過した後、所望の測定精度を得るために分解能を細かく(パターン継続時間を短く)するようにしてもよい。このようにパターン継続時間が常に一定でない場合も、表示パターンの順序と、各表示パターンのパターン継続時間との対応関係が決められていれば、その対応関係を参照して、切り換え動作開始から画像撮影までの時間(シャッタータイムラグ)を求めることができる。
なお、上記実施形態ではレリーズボタンが押下されると同時に切り換え動作が開始する例を記載したが、レリーズボタンが押下されてから指定時間後に切り換え動作が開始してもよい。指定時間は、例えば0〜200msの範囲内で設定可能とする。レリーズボタンの押下と同時に切り換え動作が開始する場合、シャッタータイムラグが長いカメラが測定対象であると、第一種表示要素と第二種表示要素とを用いて測定することが可能な最大時間をシャッタータイムラグが超えてしまう可能性がある。分解能を粗く(パターン継続時間を長く)すれば当該最大時間を超えないようにすることはできるが、それではシャッタータイムラグを高精度に測定できない。そのため、レリーズボタンを押下してから指定時間後に切り換え動作を開始するようにすると、シャッタータイムラグが長いカメラに対しても細かい分解能(パターン継続時間が短い)で高精度にシャッタータイムラグを測定することができる。例えば最初に粗い分解能で測定した結果シャッタータイムラグが約53ms程度であることが分かった場合、指定時間を50msに設定してレリーズボタンが押下されてから50ms後からLEDの切り換え動作を開始するようにする。そして最初の測定よりも分解能をより細かくして測定することで、シャッタータイムラグと上中下の各領域でのシャッターの挙動をより正確に測定することができる。
なお表示遅延測定においては、液晶画面830aに最初にLEDの点灯が表示されるまでは、分解能を粗く(パターン継続時間を長く)しておき、液晶画面830aにLEDの点灯が表示され始めた時点で分解能を細かく(パターン継続時間を短く)するようにしてもよい。
なお上記実施形態では、いずれの表示パターンにおいても識別番号順に連続する複数のLEDを点灯させているが、m番目から(m+1)番目の切り換え動作に関する上述の規定を満たしていれば、必ずしも識別番号順に連続するLEDが点灯するように制御されなくてもよい。例えば識別番号順に、iより小さくかつiと互いに素の関係にある数(iを割った場合に割り切れない関係にある数(i=100であれば例えば3や7))xごとにj個のLEDを点灯させるという表示パターンでもよい。例えばj=3の場合、n番目のLEDと、(n+x)番目のLEDと、(n+2x)番目のLEDが一つの表示パターンにおいて点灯するようにしてもよい。各表示パターンの内容と各表示パターンの順序との対応関係が決められていれば、点灯しているLEDが識別番号順に連続していない表示パターンであっても、当該対応関係を参照することで画像に写り込んでいる表示パターンの順序を特定することができる。設定受付部230を用いて、どのような表示パターンで切り換え動作を行うか選択できるようにしてもよい。なお、画像処理プログラムを実行するコンピューターによって画像に写り込んでいる表示パターンの特定と、当該表示パターンの順序の特定とを行うようにしてもよい。そのための画像処理プログラムは、撮影された画像を入力し、当該画像から点灯しているLEDの位置を特定し、点灯しているLEDの位置から予め保持している表示パターンと比較して一致する表示パターンを特定し、当該表示パターンの順序を前述の対応関係から導出するという機能を有していればよい。
なお、カメラのシャッターは上下方向に移動するタイプに限定されない。左右方向に移動するシャッターを備えたカメラについて測定を行う場合にも、開口径が徐々に小さくなり閉じるタイプのシャッターを備えたカメラについて測定を行う場合にも本発明を適用することができる。左右方向に移動するシャッターを備えたカメラについて測定を行う場合は、例えば図1Bを用いて説明するならば、表示装置200に対してカメラ400をxy平面において相対的に90度回転させた状態で測定すればよい。例えばカメラ400におけるシャッターの移動方向が左から右(カメラ400をカメラ400の背面側から見た場合の左から右)であれば、カメラ400の左側が表示装置200の−y側となるようにカメラ900を図1Bに示す状態から90度回転させればよい。なお、開口径が徐々に小さくなり閉じるタイプのシャッターを備えたカメラについて測定を行う場合には、LEDを同心円状に配置し、シャッターの中心とLEDの円の中心とが一致するようにしておき、グループは同じ円に含まれるLEDを同じグループに含めるようにすることが望ましい。
A1…シャッタータイムラグ測定装置、A2…表示遅延測定装置、A3…表示遅延測定装置、200…表示装置、210…表示部、212…支持基板、213…カバー部、214…遮光部、214a…撮影面、220…制御部、230…設定受付部、300…同期制御部、400…カメラ、410…撮像素子、420…遮光幕、500…同期制御部、510…同期制御部、600…第一の表示装置、700…第二の表示装置、800…第一のカメラ、830…EVF、840…背面液晶画面、900…第二のカメラ、910…記録媒体。

Claims (8)

  1. i個(iはi>2となる自然数)の表示要素を備えた表示部のうちj個(jはi>j1となる自然数)の前記表示要素を第一の表示状態にするとともに前記第一の表示状態のj個の前記表示要素以外の(i−j)個の前記表示要素を前記第一の表示状態より暗く観察される第二の表示状態にすることでi個の前記表示要素を互いに異なる複数種類の表示パターンのうちのm番目(mは1≦mの自然数)の表示パターンとし、m番目の表示パターンとしてからパターン継続時間Tが経過すると、m番目の表示パターンにおいて前記第一の表示状態であるj個の前記表示要素のうちk個(kはjk>0となる自然数)の前記表示要素を前記第二の表示状態にするとともにm番目の表示パターンにおいて前記第二の表示状態である(i―j)個の前記表示要素のうちk個の前記表示要素を前記第一の表示状態にすることでi個の前記表示要素を(m+1)番目の表示パターンに切り換える切り換え動作を順次実行する第一ステップと、
    前記切り換え動作に同期して測定対象のカメラになされたレリーズボタンが押下されるシャッター操作に応じて、前記切り換え動作を順次実行中の前記表示部を前記カメラが撮影する第二ステップと、
    前記カメラが撮影した画像に基づいて、前記シャッター操作から前記表示部の撮影までに要したシャッタータイムラグを導出する第三ステップと、
    を含むシャッタータイムラグ測定方法。
  2. 前記表示要素は発光要素であり、前記第一の表示状態は点灯状態であり、前記第二の表示状態は消灯状態である、
    請求項1に記載のシャッタータイムラグ測定方法。
  3. 前記切り換え動作においては、m番目の表示パターンにおいて前記第一の表示状態であるj個の前記表示要素のうち前記第一の表示状態を継続している時間が長い順に選択されたk個の前記表示要素を前記第二の表示状態にする、
    請求項1または請求項2に記載のシャッタータイムラグ測定方法。
  4. 前記第一ステップの前にi、j、k、およびTのうちの少なくともいずれかを設定する準備ステップを含む、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシャッタータイムラグ測定方法。
  5. 前記表示要素が前記第一の表示状態を継続する時間について予め決められた最短の時間をTとした場合に、Tj/k≧TとなるようにT、j、およびkのうちの少なくともいずれかが設定される、
    請求項1〜請求項4のいずれかに記載のシャッタータイムラグ測定方法。
  6. 前記表示部においては、前記シャッター操作から前記カメラが露光を終了するまでの時間は、互いに異なる前記表示パターンが表示される、
    請求項1〜請求項5のいずれかに記載のシャッタータイムラグ測定方法。
  7. i個(iはi>2となる自然数)の表示要素を備えた表示部と、
    i個の前記表示要素のうちj個(jはi>j1となる自然数)の前記表示要素を第一の表示状態にするとともに前記第一の表示状態のj個の前記表示要素以外の(i−j)個の前記表示要素を前記第一の表示状態より暗く観察される第二の表示状態にすることでi個の前記表示要素を互いに異なる複数の表示パターンのうちのm番目(mは1≦mの自然数)の表示パターンとし、m番目の表示パターンとしてからパターン継続時間Tが経過すると、m番目の表示パターンにおいて前記第一の表示状態であるj個の前記表示要素のうちk個(kはjk>0となる自然数)の前記表示要素を前記第二の表示状態にするとともにm番目の表示パターンにおいて前記第二の表示状態である(i―j)個の前記表示要素のうちk個の前記表示要素を前記第一の表示状態にすることでi個の前記表示要素を(m+1)番目の表示パターンに切り換える切り換え動作を順次実行させる制御部と、
    前記切り換え動作と、測定対象のカメラに対するレリーズボタンが押下されるシャッター操作と、を同期させる同期制御部と、
    を備えるシャッタータイムラグ測定用表示装置。
  8. i個(iはi>2となる自然数)の表示要素を備えた表示部のうちj個(jはi>j1となる自然数)の前記表示要素を第一の表示状態にするとともに前記第一の表示状態のj個の前記表示要素以外の(i−j)個の前記表示要素を前記第一の表示状態より暗く観察される第二の表示状態にすることでi個の前記表示要素を互いに異なる複数種類の表示パターンのうちのm番目(mは1≦mの自然数)の表示パターンとし、m番目の表示パターンとしてからパターン継続時間Tが経過すると、m番目の表示パターンにおいて前記第一の表示状態であるj個の前記表示要素のうちk個(kはjk>0となる自然数)の前記表示要素を前記第二の表示状態にするとともにm番目の表示パターンにおいて前記第二の表示状態である(i―j)個の前記表示要素のうちk個の前記表示要素を前記第一の表示状態にすることでi個の前記表示要素を(m+1)番目の表示パターンに切り換える切り換え動作を順次実行する第一ステップと、
    前記切り換え動作に同期して測定対象のカメラになされたレリーズボタンが押下されるシャッター操作に応じて、前記切り換え動作を順次実行中の前記表示部を前記カメラが撮影する第二ステップと、
    前記カメラが撮影した画像に基づいて、前記シャッター操作から前記表示部の撮影までに要したシャッタータイムラグを導出する第三ステップと、
    前記シャッタータイムラグが予め決められた基準を満たす前記カメラと当該基準を満たさない前記カメラとを選別する第四ステップと、
    を含むカメラの生産方法。
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