JP5994555B2 - シャッタータイムラグ測定方法、シャッタータイムラグ測定用表示装置、カメラの生産方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、カメラのシャッタータイムラグを測定しやすくすることを目的とする。
少なくとも時間的に連続する2つの表示パターンにおいて表示要素が点灯状態を継続することにより、撮影した画像において当該表示要素を明るく写し込むことができる。その結果、当該表示要素を識別しやすく、画像に写し込まれている表示パターンを特定しやすくすることができる。また点灯を継続している時間が長い表示要素ほど、消灯を継続している表示要素とのコントラストが画像内において大きくなるので、各表示要素の表示状態を識別しやすい。
すなわちこの場合、任意の表示要素に注目すると、当該表示要素が第一の表示状態を継続する時間は(jTP/k)である。したがって、任意の表示パターンにおいて第一の表示状態である表示要素の個数が1個であり、任意の表示要素が第一の表示状態を継続する時間はパターン継続時間TPそのものである構成と比較すると、(jTP/k)>TPであるため、本構成の方が任意の表示要素が第一の表示状態を継続する時間が長くなる。表示要素が(jTP/k)で表される時間第一の表示状態を継続することにより、撮影した画像において当該表示要素を明るく写し込むことができる。その結果、当該表示要素を識別しやすく、画像に写し込まれている表示パターンを特定しやすくすることができる。
iの増減により表示パターンの種類を増減させることができる。j、k、およびTPを増減させることにより、第一の表示状態を継続する時間(jTP/k)を増減させることができる。したがってこれらの設定値を変えることにより、測定対象のカメラの撮影条件(シャッタースピード等)等の様々な条件に応じて、識別しやすい状態で表示パターンが画像に写し込まれるように、点灯継続時間や表示パターンの種類を調整することができる。
パターン継続時間TPを短くするほどシャッタータイムラグの測定分解能を細分化することができるが、パターン継続時間TPを短くするほど任意の表示要素が第一の表示状態を継続する時間が短くなるため、カメラの露光期間中に第一の表示状態であった表示要素が暗く撮影される。その結果、カメラの露光期間中に第一の表示状態であった表示要素を識別しにくくなる。そこで、TPの値を小さく設定するほど、(j/k)の値が大きくなるようにjまたはkの値を変更することで、任意の表示要素が第一の表示状態を継続する時間を長くすることができる。その結果、カメラの露光期間中に第一の表示状態であった表示要素を明るく撮影することができ、当該表示要素を識別しやすくすることができる。また、(TPj/k)の値が、当該表示要素を識別しやすくするために必要であると予め決められた明るさで画像に当該表示要素を写し込むための最短時間T(カメラの撮影条件や撮影環境に応じた最短時間)以上となるように設定することにより、カメラの露光期間中に第一の表示状態であった表示要素を識別しやすくすることができる。
例えば、表示パターンの最大数×パターン継続時間TPで表される時間が、シャッター操作からカメラが露光を終了するまでの時間より短い場合、シャッター操作からカメラが露光を終了するまでの間に、同じ表示パターンが繰り返し表示されることになる。そして繰り返し表示される可能性のある表示パターンが表示されている期間とカメラの露光時間が重なった場合、シャッタータイムラグを画像からは一意に特定することができない。そのため、シャッター操作からカメラが露光を終了するまでの時間は互いに異なる表示パターンを表示部が表示することにより、シャッタータイムラグを画像から一意に特定することができる。なお、表示部はi個の表示要素以外にh個(hは自然数)の表示要素をさらに備えていてもよく、i個の表示要素によって表示する表示パターンの最大数を表示し終えるごとに、当該h個の表示要素の表示状態を変えるようにしてもよい。すなわち、h個の表示要素によって、i個の表示要素によって表示する表示パターンの最大数を表示し終えた回数を示すようにしてもよい。その結果、i個の表示要素とh個の表示要素とで表される互いに異なるパターンの個数が増加し、互いに異なるパターンを表示する時間が増加する。カメラがi個の表示要素とh個の表示要素とを撮影範囲に含んで画像を撮影することにより、測定者は当該画像からシャッタータイムラグを一意に特定することができる。
本発明のシャッタータイムラグ測定用表示装置が備える表示部を測定対象のカメラで撮影した場合に得られる画像は、表示要素が第一の表示状態を継続する時間がパターン継続時間TPであるように切り換え動作を行う表示装置を撮影して得られる画像と比較すると、上述した理由により各表示要素の表示状態を特定しやすい。その結果、画像に写り込んだ表示パターンを識別しやすい。
測定者(人間)が、シャッタータイムラグ測定用表示装置における切り換え動作に合わせて測定対象のカメラに対してシャッター操作を行う構成と比較すると、本構成のシャッタータイムラグ測定用表示装置は同期制御部を備えることにより、シャッタータイムラグ測定用表示装置における切り換え動作と測定対象のカメラに対するシャッター操作とを、高精度に同期させることができる。同期制御部は、切り換え動作とシャッター操作とを同期させることができる限りにおいて、どのような構成が採用されてもよい。例えば表示部側が自身の切り換え動作に同期してカメラにシャッター操作を指示する構成であってもよいし、測定者がカメラに対してシャッター操作を行ったことに応じて表示部側が切り換え動作を開始する構成であってもよい。また例えば、測定者が表示部ともカメラとも別体に設けられた装置を操作したことに応じて表示部が切り換え動作を開始するとともにカメラのシャッター操作が行われる構成であってもよい。
カメラの生産過程において第一〜第四ステップまでを行うことで、基準に満たないカメラを選別することができる。そして基準に満たないカメラを、シャッタータイムラグが基準を満たすように再調整する対象とすることや、出荷の対象から除外すること等が可能となる。
なお、請求項に記載された各部の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各部の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
1.第一実施形態
1−1.シャッタータイムラグ測定装置の構成
図1Aは、測定対象であるデジタルスチールカメラ(以降、単にカメラという)400のシャッタータイムラグを測定するためのシャッタータイムラグ測定装置A1の構成を示すブロック図である。シャッタータイムラグ測定装置A1は、同期制御部300と表示装置(シャッタータイムラグ測定用表示装置)とを備えている。同期制御部300は、カメラ400に対するシャッター操作と表示装置200における後述する切り換え動作を同期させる。同期制御部300は例えば、操作部と制御部とボタン押下部(いずれも不図示)とを備える。
図2Aは表示装置200を示す正面図、図2Bは表示装置200の2B−2B線における簡易的な断面図である。表示装置200は、カメラ400に対して相対的な位置が固定されている。表示部210には、表示要素としての複数のLED211と、各LED211を支持する支持基板212と、支持基板212に支持されたカバー部213と、カバー部213に支持された遮光部214とが備えられている。遮光部214はシート状の部材であり、撮影面214aを有する。説明の便宜上、互いに直交するxyz軸を図2に示すように定義する。すなわちx軸を矩形の撮影面214aの長辺と平行な方向の軸として定義し、y軸を撮影面214aの短辺と平行な方向の軸として定義し、z軸を撮影面214aと直交する方向の軸として定義する。支持基板212の一方の面にはLED211が配列されている。
なお、カメラ400のシャッターは、先幕および後幕の両方が機械シャッターで構成されていてもよい。この場合、先幕は、シャッター動作前は撮影光の光路の外側に引きつけるばねのばね力に抗し、機械的な係止レバーによってロックされて撮影光の全体を遮光する位置に係止される。具体的には例えば、機械的な係止レバーにより先幕をカメラ内部において下方に引きつけ、ばねが先幕を上方に引きつける。また、後幕は、シャッター動作前は撮影光の全体を遮光する位置に引きつけるばねのばね力に抗し、機械的な係止レバーにより撮影光の光路の外側に係止される。具体的には例えば、機械的な係止レバーにより後幕をカメラ内部において下方に引きつけ、ばねが後幕を上方に引きつける。レリーズボタンが押下されると、電磁石に電流を流して先幕と後幕をばねの力に抗して保持し、その状態でソレノイドアクチュエーターにより先幕と後幕を固定していた機械的な係止レバーを開放させ、電磁石の力だけで先幕と後幕とを保持する。続いて先幕用の電磁石の電流を解除して吸着保持を解除し先幕をばね力により撮影光の光路の外側に移動させる。具体的には例えば、撮影光の光路外であってカメラ内部において光路より上方に先幕を移動させる。この結果、撮像素子に撮影光が届くようになる。続いて、シャッタースピードに基づく所定の時間経過後に前述と同様に後幕用の電磁石の電流を解除して吸着保持を解除し後幕をばね力により撮影光の全体を遮光する位置に移動させる。具体的には例えば、撮影光の光路外であってカメラ内部の下方から上方に後幕を移動させ撮影光の全体を遮光させる。この結果、再び撮影素子は撮影光から遮光される。先幕の後端が通過してから後幕の先端が通過するまでの間が露光時間に相当する。先幕と後幕はばねの力で動作するため、先幕の運動と後幕の運動とは等加速度運動に近似することができる。
表示装置200の制御部220は、表示部210が備えるLEDの表示状態を点灯あるいは消灯にすることによって表示部210に様々な互いに異なる表示パターンを表示することができる。また表示部210に表示される表示パターンが設定受付部230を用いて予め設定された所定時間が経過するごとに切り替わるように設計されている。この所定時間をパターン継続時間と呼ぶ。パターン継続時間ごとに切り替わる表示パターンを構成するLEDを第一種表示要素と呼ぶ。第一種表示要素として割り当てられたLEDの個数や表示パターンの態様に応じて、当該LEDで表示できる互い異なる表示パターンの種類の最大数が規定される。当該最大数分の種類の表示パターンを表示するごとに、当該最大数分の種類の表示パターンを表示した回数を示すために、第一種表示要素に割り当てられたLEDとは別のLED(表示部210が備えるLED)が用いられる。当該回数を示すために用いられるLEDを第二種表示要素と呼ぶ。第二種表示要素に割り当てられたLEDの表示状態を点灯あるいは消灯にすることによって、当該回数を示す進捗表示パターンが表示部210に表示される。
なお本実施形態において、LED群120b、130b、140bは、グループの個数が3である場合は第二種表示要素として用いられるが、グループの個数が1,5,10の場合は第一種表示要素として用いられる。このように本実施形態においては、グループの個数に応じてLEDの用途を変えることができる。
測定者によって同期制御部300が操作されると、カメラ400のレリーズボタンが押下されるとともに、表示装置200の表示パターンの切り換え動作がスタートする。レリーズボタンが押下されたことによりカメラ400は切り換え動作を実行中の表示装置200の撮影面214aの静止画を撮影し、撮影した画像を記録媒体に記録する。そして記録媒体に記録された画像に基づいて測定者がシャッタータイムラグを導出する。以上がシャッタータイムラグ測定の大まかな流れである。
このように、フォーカルプレーン型のシャッターを使用するデジタルカメラでは、撮像素子の前を先幕・後幕の順にシャッターが移動するため、シャッターの移動方向における撮像素子の位置によってシャッタータイムラグに差が出ることになる。本実施形態によると、シャッターの移動方向と平行な方向における複数の位置でのシャッタータイムラグを、1回の撮影によって得られた1つの画像から導出することができる。シャッター幕の動作時間と比較してシャッタータイムラグは長いため、シャッター幕の移動の様子をシャッターの移動方向における位置に応じて細かい分解能で測定することと、シャッタータイムラグを測定することの二つの目的を、1回の撮影によって達成しにくい。しかしグループ分けの態様(1グループ内の第一種表示要素の数や第二種表示要素の数)を適宜調整することにより、前述の二つの目的を1回の撮影で達成できるようにすることができる。
また、一般にシャッター動作は安定しないことがあり、1回のシャッター動作についてシャッターの移動方向における位置に応じた走行特性を測定できることが重要である。一般にシャッター幕の動作時間は、約2ms〜約4msであることから、幕の特性とシャッタースピードに応じてパターン継続時間TPを選択する。シャッター幕の動作時間の程度からシャッタースピードは1/1000s程度で測定することが望ましい。なお、設定受付部230のDIPスイッチの個数を増やして、0.2msや0.75ms等のパターン継続時間も設定できるようにしてもよい。
なお、本実施形態においてはグループの個数が3の場合は、第二種表示要素のLED20〜29は図3Aに示すように同一グループに属する第一種表示要素のLEDよりも−y側に配置されている。また、第二種表示要素のLED100〜103は、時間が経過するほど点灯するLEDの個数を−y側に増やすように表示している。これは,シャッターが+y側から−y側に移動することを前提にしており、時間が経過に応じた矛盾のない表示を行うための工夫である。
なお、さらに分解能を上げたい場合は、表示装置を複数(例えば2台)用意して撮影してもよい。そして複数の表示装置をy軸と平行な方向に重ねて配置し、当該複数の表示装置がカメラの撮影範囲に同時に含まれるようにカメラと表示装置の位置を調整する。複数の表示装置を同期して動作させることで、1台の表示装置はグループ数が3個であるが、表示装置を2台用いる場合は合計でグループ数を6個にすることができ、6個の領域におけるシャッタータイムラグを測定することができる。
なお、撮影結果に応じてLEDの輝度が過剰であったり不足したりする場合があるため、設定受付部230によってLEDの輝度を複数段階で切り換えることができてもよい。
図11Aは、測定対象のデジタルスチールカメラ(以降、第一のカメラという)800が撮影した画像をライブビューとして表示部に表示する際に撮影から表示までに要した表示遅延時間を計測するための表示遅延測定装置A2の構成を示すブロック図である。表示遅延測定装置A2は、同期制御部500と第一の表示装置600と第二の表示装置700と第二のカメラ900とを備えている。第一の表示装置600および第二の表示装置700は、上述した表示装置200と共通の装置であるため、構成要素に表示装置200と共通の符号を付し説明を省略する。同期制御部500は、第一の表示装置600における切り換え動作と第二の表示装置700における切り換え動作とを同期させる。そのために同期制御部500は例えば、操作部と制御部(いずれも不図示)とを備える。同期制御部500の制御部は、操作部が操作されたことを検出すると、第一の表示装置600と第二の表示装置700とに動作開始信号を出力する。この動作開始信号を受けて第一の表示装置600と第二の表示装置700とは切り換え動作を開始することができるため、第一の表示装置600と第二の表示装置700とは各時刻において同一の表示パターンを表示することができる。
EVF830の液晶画面830aに表示された画像は接眼レンズ群830bを通じて観察可能であるが、一般に接眼レンズ群830bのアイポイントは短くレンズ面から数cm程度である場合が多い。このため第二のカメラ900が備えるレンズ群930を経て撮像素子910にピントが合う状態にするために、第二のカメラ900が備えるレンズ群930はマクロモードを有し、接写が出来る必要がある。さらにEVF830の液晶画面830aに加えて第二の表示装置700の撮影面214aも同時に撮影するためには、第二のカメラ900が備えるレンズ群930はワイド画角の撮影が可能である必要がある。さらに、液晶画面830aに表示された画像と第二の表示装置700の撮影面214aの両者にピントが合った状態で同時に撮影できる必要があり、第二のカメラにおける被写界深度の範囲が広い必要がある。一般に被写界深度の範囲を広くするためには、レンズの焦点距離を短くしレンズの絞りを絞り込むことで実現される。しかし被写界深度の範囲を極端に広くすることは難しいため、第二の表示装置700の撮影面214aが出来るだけEVF830の近くに配置されることが必要である。そのため図11Bに示すように、距離d1が距離d3より距離d2に近くなるように配置させることでEVF830にも第二の表示装置700の撮影面214aにもピントが合うように設置することができる。
なお、EVF830の液晶画面830aに表示された画像は接眼レンズ群830bと第二のカメラ900が備えるレンズ群930とを経て撮像素子910にピントが合った状態で結像している状態においては、第二のカメラ900における被写界深度の範囲が距離d2よりも遠い位置にある可能性が高い。そのため距離d1>距離d2となるように第二のカメラ900に対して被写界深度の範囲内で第二の表示装置700を遠ざけることにより、第二のカメラ900は第二の表示装置700の撮影面214aとEVF830の両者にピントを合わせやすくなる。
測定者によって同期制御部500が操作されると、第一の表示装置600における切り換え動作と第二の表示装置700における切り換え動作が同時にスタートする。第一の表示装置600の設定受付部230によって予め設定された内容と、第二の表示装置700の設定受付部230によって予め設定された内容とは同じである。そのため、第一の表示装置600の表示部210と第二の表示装置700の表示部210とは、同じタイミングで同じように表示パターンを切り換えていく。第一のカメラ800は、EVF830にライブビューを表示するように設定がなされており、第一の表示装置600の撮影面214aを含む第一の画像を撮影しライブビューとして当該第一の画像をEVF830に表示する。測定者が第二のカメラ900のレリーズボタン(操作部)を押下することによって第二のカメラ900は、ライブビューとして第一の画像が表示されている830と、第二の表示装置700の撮影面214aとを含む第二の画像を撮影し、撮影した第二の画像を記録媒体910に記録する。図12は、第二のカメラ900で撮影された第二の画像の例を示している。第二のカメラ900は、ランダムなタイミングで複数枚の静止画を撮影することで第二の画像を撮影してもよいし動画として第二の画像を撮影してもよい。そして記録媒体910に記録された第二の画像に基づいて測定者が表示遅延時間を導出する。以上が表示遅延測定の大まかな流れである。
ランダムなタイミングで静止画を撮影して表示遅延時間を測定する場合、表示遅延時間のばらつきの範囲(最小表示遅延時間〜最大表示遅延時間)を調べるためには相当枚数の静止画撮影を行う必要がある。また、表示遅延時間の測定精度として1ms程度の精度が要求される場合は、静止画撮影のシャッタースピードは1ms(1/1000s)程度で撮影することが望ましい。一方、動画撮影を行い動画に含まれる各画像を個別に解析する方法が簡便であるが、通常の動画撮影のフレームレートは30fpsや60fps程度であるため、動画に含まれる各画像における各ラインの露光時間は、シャッタースピード1msで静止画撮影する場合と比較すると長くなる。露光時間が長くなると撮影した動画に含まれる各画像において点灯しているように見えるLEDの個数が多数になり、画像に写り込んでいる表示パターンの特定(時刻の導出)作業がやりづらくなる可能性がある。また複数の表示パターンが写り込んでいるためそのうちのどの表示パターンに注目するかに応じて導出される時刻が異なる(露光時間相当の幅がある)。したがって時刻を導出するために注目する表示パターンを例えば露光開始時の表示パターン等というように定めておかなければ画像から導出される時刻が露光時間相当に大きくばらつく可能性がある。動画撮影する場合は第二のカメラは可能であれば1000fps程度の高速でかつ高解像度で動画撮影できるカメラであることが望ましい。また、1000fps程度の高速で撮影する場合に高解像度で撮影が出来ない場合は、1000fpsより低速のフレームレートで動画撮影することになるが、その場合は上述のような問題が発生しうる。これらの事情を鑑みて動画撮影の場合のフレームレートや解像度を適宜選択する必要がある。
図13Aでは、例えば第二の画像Eが撮影された際に第一のカメラ800のEVF830に表示されていた第一の画像には、フレームD1の画像が上から1/3程度の領域に表示されていることを示している。また例えば、第二の画像Fが撮影された際に第一のカメラ800のEVF830に表示されていた第一の画像には、上から2/3程度の領域ではフレームD6の画像が表示され残りの1/3程度の領域ではフレームD5の画像が表示されていることを示している。第一の画像が撮影されてから表示されるまでの間には、撮影データから表示用のデータへの変換処理等のための時間を含む遅延時間が発生する。また本実施形態のように、第一のフレームレートと第二のフレームレートとが非同期である場合は、表示遅延時間がばらつく。また、一般にEVF等の表示装置は、1枚の画像(1フレーム)内をライン単位で順次切替える動作を行い、1枚の画像(1フレーム)の書換えが終了した場合、次の画像を準備して再度ライン単位で順次切替える動作を行う。このため前回書換えが発生してから次の書換えがおこるまで当該ラインは同一の画像を継続して表示し続ける。このため、測定者が画像に基づいて表示遅延時間を導出する場合、第二の画像1枚をもって表示遅延時間を確定出来る訳ではない。そのため、第二のカメラ900はランダムなタイミングで複数枚の静止画としての第二の画像を撮影し、各第二の画像から表示遅延時間を導出する。そして複数の表示遅延時間から、表示遅延時間のばらつきの範囲を導き出すことができる。第二の画像を動画で撮影してもよく、その場合、動画を構成する複数枚の静止画から同様に表示遅延時間のばらつきの範囲を導き出すことができる。
以上のような手順を実行することにより、カメラに付属するEVF等の表示部にライブビューを表示する際の表示遅延時間を測定することができる。
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態の表示遅延測定においては、表示遅延測定装置は第二の表示装置を備え、第二のカメラは第二の表示装置の表示部と第一の画像とを含む第二の画像を撮影し、当該第二の画像に基づいて(B−A)で表される表示遅延時間を導出していたが、表示遅延測定装置は次のような構成であってもよい。図14Aは他の実施形態にかかる表示遅延測定装置A3の構成を示している。表示遅延測定装置A3では第二の表示装置が含まれていない。表示遅延測定装置A3の同期制御部510は、操作部と制御部とボタン押下部(いずれも不図示)とを備えており、操作部に対する操作を検出すると第一の表示装置600に動作開始信号を出力して第一の表示装置600の切り換え動作を開始させることができる。ボタン押下部は制御部の指示に応じて第二のカメラ900のレリーズボタンを押下することができる。同期制御部510の制御部は、第一の表示装置600の切り換え動作実行中に任意のタイミングで第二のカメラ900の押下し、第一のカメラ800のEVF830が表示する第一の画像を含む第二の画像を撮影することができる。
なお、第二のカメラ900における被写界深度の範囲内に第一の表示装置600の撮影面214aと第一のカメラ800の背面液晶画面840とが位置できるのであれば、第二のカメラ900は、第一の表示装置600の撮影面214aと第一のカメラ800の背面液晶画面840とを含む画像を第二の画像として撮影してもよい。
なお、上記実施形態ではレリーズボタンが押下されると同時に切り換え動作が開始する例を記載したが、レリーズボタンが押下されてから指定時間後に切り換え動作が開始してもよい。指定時間は、例えば0〜200msの範囲内で設定可能とする。レリーズボタンの押下と同時に切り換え動作が開始する場合、シャッタータイムラグが長いカメラが測定対象であると、第一種表示要素と第二種表示要素とを用いて測定することが可能な最大時間をシャッタータイムラグが超えてしまう可能性がある。分解能を粗く(パターン継続時間を長く)すれば当該最大時間を超えないようにすることはできるが、それではシャッタータイムラグを高精度に測定できない。そのため、レリーズボタンを押下してから指定時間後に切り換え動作を開始するようにすると、シャッタータイムラグが長いカメラに対しても細かい分解能(パターン継続時間が短い)で高精度にシャッタータイムラグを測定することができる。例えば最初に粗い分解能で測定した結果シャッタータイムラグが約53ms程度であることが分かった場合、指定時間を50msに設定してレリーズボタンが押下されてから50ms後からLEDの切り換え動作を開始するようにする。そして最初の測定よりも分解能をより細かくして測定することで、シャッタータイムラグと上中下の各領域でのシャッターの挙動をより正確に測定することができる。
なお表示遅延測定においては、液晶画面830aに最初にLEDの点灯が表示されるまでは、分解能を粗く(パターン継続時間を長く)しておき、液晶画面830aにLEDの点灯が表示され始めた時点で分解能を細かく(パターン継続時間を短く)するようにしてもよい。
Claims (8)
- i個(iはi>2となる自然数)の表示要素を備えた表示部のうちj個(jはi>j>1となる自然数)の前記表示要素を第一の表示状態にするとともに前記第一の表示状態のj個の前記表示要素以外の(i−j)個の前記表示要素を前記第一の表示状態より暗く観察される第二の表示状態にすることでi個の前記表示要素を互いに異なる複数種類の表示パターンのうちのm番目(mは1≦mの自然数)の表示パターンとし、m番目の表示パターンとしてからパターン継続時間TPが経過すると、m番目の表示パターンにおいて前記第一の表示状態であるj個の前記表示要素のうちk個(kはj>k>0となる自然数)の前記表示要素を前記第二の表示状態にするとともにm番目の表示パターンにおいて前記第二の表示状態である(i―j)個の前記表示要素のうちk個の前記表示要素を前記第一の表示状態にすることでi個の前記表示要素を(m+1)番目の表示パターンに切り換える切り換え動作を順次実行する第一ステップと、
前記切り換え動作に同期して測定対象のカメラになされたレリーズボタンが押下されるシャッター操作に応じて、前記切り換え動作を順次実行中の前記表示部を前記カメラが撮影する第二ステップと、
前記カメラが撮影した画像に基づいて、前記シャッター操作から前記表示部の撮影までに要したシャッタータイムラグを導出する第三ステップと、
を含むシャッタータイムラグ測定方法。 - 前記表示要素は発光要素であり、前記第一の表示状態は点灯状態であり、前記第二の表示状態は消灯状態である、
請求項1に記載のシャッタータイムラグ測定方法。 - 前記切り換え動作においては、m番目の表示パターンにおいて前記第一の表示状態であるj個の前記表示要素のうち前記第一の表示状態を継続している時間が長い順に選択されたk個の前記表示要素を前記第二の表示状態にする、
請求項1または請求項2に記載のシャッタータイムラグ測定方法。 - 前記第一ステップの前にi、j、k、およびTPのうちの少なくともいずれかを設定する準備ステップを含む、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシャッタータイムラグ測定方法。 - 前記表示要素が前記第一の表示状態を継続する時間について予め決められた最短の時間をTとした場合に、TPj/k≧TとなるようにTP、j、およびkのうちの少なくともいずれかが設定される、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のシャッタータイムラグ測定方法。 - 前記表示部においては、前記シャッター操作から前記カメラが露光を終了するまでの時間は、互いに異なる前記表示パターンが表示される、
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のシャッタータイムラグ測定方法。 - i個(iはi>2となる自然数)の表示要素を備えた表示部と、
i個の前記表示要素のうちj個(jはi>j>1となる自然数)の前記表示要素を第一の表示状態にするとともに前記第一の表示状態のj個の前記表示要素以外の(i−j)個の前記表示要素を前記第一の表示状態より暗く観察される第二の表示状態にすることでi個の前記表示要素を互いに異なる複数の表示パターンのうちのm番目(mは1≦mの自然数)の表示パターンとし、m番目の表示パターンとしてからパターン継続時間TPが経過すると、m番目の表示パターンにおいて前記第一の表示状態であるj個の前記表示要素のうちk個(kはj>k>0となる自然数)の前記表示要素を前記第二の表示状態にするとともにm番目の表示パターンにおいて前記第二の表示状態である(i―j)個の前記表示要素のうちk個の前記表示要素を前記第一の表示状態にすることでi個の前記表示要素を(m+1)番目の表示パターンに切り換える切り換え動作を順次実行させる制御部と、
前記切り換え動作と、測定対象のカメラに対するレリーズボタンが押下されるシャッター操作と、を同期させる同期制御部と、
を備えるシャッタータイムラグ測定用表示装置。 - i個(iはi>2となる自然数)の表示要素を備えた表示部のうちj個(jはi>j>1となる自然数)の前記表示要素を第一の表示状態にするとともに前記第一の表示状態のj個の前記表示要素以外の(i−j)個の前記表示要素を前記第一の表示状態より暗く観察される第二の表示状態にすることでi個の前記表示要素を互いに異なる複数種類の表示パターンのうちのm番目(mは1≦mの自然数)の表示パターンとし、m番目の表示パターンとしてからパターン継続時間TPが経過すると、m番目の表示パターンにおいて前記第一の表示状態であるj個の前記表示要素のうちk個(kはj>k>0となる自然数)の前記表示要素を前記第二の表示状態にするとともにm番目の表示パターンにおいて前記第二の表示状態である(i―j)個の前記表示要素のうちk個の前記表示要素を前記第一の表示状態にすることでi個の前記表示要素を(m+1)番目の表示パターンに切り換える切り換え動作を順次実行する第一ステップと、
前記切り換え動作に同期して測定対象のカメラになされたレリーズボタンが押下されるシャッター操作に応じて、前記切り換え動作を順次実行中の前記表示部を前記カメラが撮影する第二ステップと、
前記カメラが撮影した画像に基づいて、前記シャッター操作から前記表示部の撮影までに要したシャッタータイムラグを導出する第三ステップと、
前記シャッタータイムラグが予め決められた基準を満たす前記カメラと当該基準を満たさない前記カメラとを選別する第四ステップと、
を含むカメラの生産方法。
Priority Applications (7)
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