JP6233089B2 - カード - Google Patents
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しかし、従来のカードは、表示装置及び表層間を接着する接着剤に、視認可能な気泡が封入されてしまう場合があった。この気泡は、異物のように観察されてしまい、カードの外観品質を低下する要因になっていた。
・第2の発明は、第1の発明のカードにおいて、前記電子モジュール(10,210)の下面には、前記窓部−表示部間長さ(L1)を100μm以下にするスペーサ(13,213)を備えること、を特徴とするカードである。
・第3の発明は、第1又は第2の発明のカードにおいて、前記上層(20)は、透明なシート材により形成され、隠蔽性を有する印刷部(20a)を備え、前記窓部(20b)が、前記印刷部が設けられていない部分により形成され、前記窓部−表示部間長さ(L1)は、前記シート材及び前記表示部(12,212)間の長さであること、を特徴とするカードである。
・第4の発明は、第1又は第2の発明のカードにおいて、前記上層(320,420)は、隠蔽性を有し、孔部(322a,422a)を備える隠蔽層(322,422)を備え、前記窓部(320b,420b)に対応する領域は、前記孔部に対して、前記隠蔽層とは異なる部材により形成された透明な窓部材(323,423)が配置され、前記窓部−表示部間長さ(L1)は、前記窓部材及び前記表示部(12)間の長さであること、を特徴とするカードである。
・第5の発明は、第4の発明のカードにおいて、前記窓部材(323,423)は、前記隠蔽層(322,422)よりも下層側に突出していること、を特徴とするカードである。
・第6の発明は、第1又は第2の発明のカードにおいて、前記上層(520)は、隠蔽性を有し、孔部(522a)を備える隠蔽層(522)を備え、前記表示部(12)は、前記孔部に嵌め込まれていること、を特徴とするカードである。
・第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明のカードにおいて、前記窓部−表示部間の長さ(L1)は、50μm以下であること、を特徴とするカードである。
(第1実施形態)
実施形態及び図面では、表示部12のカード券面の法線方向を上下方向Zとし、表示部12の表示が正位置になるように電子モジュール10等を見たときの左右方向X、縦方向Yを示す。なお、各図面において、上下方向Z(厚み方向)等の構成等は、構成を明確に図示するために、適宜大きさを誇張する。
カード1は、例えば、クレジットカード、銀行のキャッシュカード等に利用されるものである。カード1の総厚みは、例えば0.60〜0.85mm程度である。
カード1は、電子モジュール10、上層20、枠体30、下層40を備える。
カード1は、上層側から上層20、枠体30、下層40が積層されて構成される。電子モジュール10は、枠体30の内部に配置されることにより、上層20及び下層40間に配置される。
各部材間の隙間には、接着剤50が充填されている。これにより、電子モジュール10が、カード1内に固定される。
電子モジュール10は、ICチップ(図示せず)の制御によって、カード1の使用毎に認証パスワード(いわゆるワンタイムパスワード)を生成する機能を有する。
モジュール基板11は、リジッド又はフレキシブルタイプのプリント配線基板である。本実施形態では、モジュール基板11は、ポリイミド等から形成されるフレキシブルタイプである。モジュール基板11の厚みは、例えば厚み100μm程度である。モジュール基板11には、表示部12やICチップ、ドームスイッチ(図示せず)等が実装され、また、電池14が接続端子(図示せず)によって接続されている。
スペーサ13は、厚みを調整するための部材である。スペーサ13は、モジュール基板11の下面に両面テープ等によって貼付されている。
スペーサ13の外形は、カード1を上面から見たときに、表示部12よりも1回り大きい。
実施形態では、上層20の下面及び下層40の上面間の長さL2から、表示部12の上面及びスペーサ13の下面間の長さL3を減算した値が、気泡Aの大きさよりも小さくなるように設定されている。これにより、ラミネート工程で、電子モジュール10が上層20及び下層40間内で動いて、スペーサ13が下層40に接してしまう場合でも、気泡Aが表示部12の上面及び上層20の下面間に入ることを、より確実に抑制できる。ラミネート工程の詳細は、後述する。
上記構成により、ICチップは、ドームスイッチの操作に応じて、パスワードを生成する。ICチップは、表示部12を駆動して、このパスワードを表示する。
上層20は、印刷層20a、窓部20b、ボタン部20cを備える。
印刷層20aは、上層20の上面に設けられている。印刷層20aは、例えば、カード1の名称等が印刷されている。なお、カード1の仕様等に応じて、印刷層20aは、上層20の下面に設けてもよい。この場合には、印刷層20aを保護することができる。
印刷層20aは、隠蔽性を有している。このため、カード1を上面から見たときに、印刷層20aは、カード1内部の構成(電子モジュール10等)を、視認できないように隠蔽する。
窓部20bは、上層20のうち印刷層20aが設けられていない部分である。このため、窓部20bは、光を透過する。これにより、カード1の利用者等は、窓部20bから表示部12の表示内容を視認できる。
下層40は、印刷層40aを備える。
印刷層40aは、下層40の上面又は下面に設けられている。印刷層40aは、例えば、カード1の使用方法、利用者の署名欄が印刷されている。
印刷層40aは、下層40の全面に設けられている。このため、下層40が透明な材料により形成された場合でも、印刷層40aは、カード1が下面から観察された状態では、カード1内部の構成を、視認できないように隠蔽できる。
カード1の製造方法について説明する。
図2は、第1実施形態のシート材20A,30A,40Aを示す図である。
図2(A)は、上面から見た図である。
図2(B)は、断面図である。
図2には、カード外形を二点鎖線で図示した。
図3は、第1実施形態のラミネート工程を説明する断面図である。
図3では、印刷層20a,40aの図示を省略した。なお、印刷層20a,40aは、他の構成に比較すると十分に薄いので、ラミネート加工にはほとんど影響しない。
上層シート材20A、下層シート材40Aには、既に、印刷層20a,40aが設けられたものを用いる。
カード製造は、作業者又は加工装置が、以下の工程に従って行う。
図2に示すように、電子モジュール10を、配置孔31内に配置する。電子モジュール10及び枠体30間は、テープ16等で仮固定する。
(積層工程♯2)
上層側から上層シート材20Aと、電子モジュール10が仮固定された枠体30と、下層シート材40Aとを積層し、積層体1Aの状態にする。
図3(A)に示すように、積層体1Aをラミネートローラ61,62間を通してラミネート加工する。
ラミネートローラ61,62は、駆動装置(図示せず)により回転駆動される。ラミネートローラ61,62間の距離は、カード1の規定厚みに対応した設定になっている。
接着剤50は、接着剤供給装置(図示せず)によって、上層シート材20A及び下層シート材40A間に供給される。
なお、必要に応じて、ラミネート加工後の積層体1Aを、板でプレスしてもよい。この場合には、カード1を安定して規定厚みに製造できる。
前述したように、長さL1は、気泡Aの大きさ(外形)よりも小さい。このため、表示部12及び上層20間に、長さL1よりも大きい気泡Aが配置されることが抑制される。
なお、このように、気泡Aの配置を抑制できるのは、上記寸法設定により、ラミネート加工時において、表示部12及び上層20間から排出されるためと考えられる。
ここで、気泡Aの大きさが100μm以下であれば、肉眼による外観検査では、外観品質上許容できる程度であった。また、気泡Aの大きさが50μm以下であれば、肉眼ではほとんど気にならず、外観品質上、良好であった。そこで、実施形態では、長さL1が最大となる状態、つまり、スペーサ13の下面及び下層シート材40Aの上面が接した状態で、カード1の品質基準等に応じて、長さL1が100μm以下又は50μm以下になるように、スペーサ13の厚みを設定した。
なお、スペーサ13を設けなくても、上記寸法設定を満たす場合には、スペーサ13を削除してもよい。
接着剤50が固着したら、ラミネート後の積層体1Aを、カード外形で切断して個片にする。これにより、カード1が製造される。
また、印刷層20aが形成されていない領域を上層20に設けることにより、窓部20bが自然に形成される。このため、カード1は、窓部20bを設けるための特別な工程が不要であり、容易に製造できる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
図4は、第2実施形態のカード201を上面から見た図、断面図である。
電子モジュール210の表示部212は、モジュール基板211上に実装されているのではなく、モジュール基板211に対して、フレキシブルケーブル212aで接続されている。
スペーサ213は、表示部212の下面に直接貼付されている。
このため、本実施形態のカード201は、第1実施形態と同様に、ラミネート工程において、表示部212及び上層20間に、長さL1よりも大きい気泡Aが配置されることが抑制される。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図5は、第3実施形態のカード301の断面図である。
図5(A)は、カード301の構成を分解して説明する図である。
図5(B)は、カード301の接着後の構成を説明する図である。
上層320は、上層側から、透明層321、隠蔽層322が積層されて構成される。透明層321及び隠蔽層322間は、接着剤によって接着されていたり、熱プレスによって溶着されている。
透明層321は、透明な樹脂(例えば、PVC、PET、PETG等)製のシートである。
透明層321は、第1実施形態と同様な、印刷層320aを備える。
印刷層320aは、窓部320bを設けるための印刷されていない領域を備える。
隠蔽層322は、窓部材323を備える。
窓部材323は、透明な樹脂シート材等により形成される。カード301を上面から見たときに、窓部材323は、表示部12と同様な領域に配置されている。
図5(A)に示すように、窓部材323は、隠蔽層322の開口孔322a(孔部)に嵌め込んで、接着剤等より隠蔽層322に固定されている。窓部材323の下面は、隠蔽層322よりも下層側に突出している。
表示部12の上面及び窓部材323の下面間の長さL1(窓部−表示部間長さ)は、視認可能な気泡Aの外形よりも小さい。また、窓部材323の下面及び下層40の上面間の長さL2から、表示部12の上面及びスペーサ13の下面間の長さL3を減算した値が、気泡Aの大きさよりも小さい。
カード製造には、透明層321と、窓部材323を固定した隠蔽層322とを、接着した上層シート材320Aとを、予め製造しておく。
その後の工程、つまり、モジュール積層工程から切断工程までの工程は、第1実施形態と同様に行う。
すなわち、上層シート材320Aと、電子モジュール10を仮固定した枠体シート材30Aと、下層シート材40Aとを積層した積層体301Aを、ラミネート加工する。
これにより、本実施形態のカード301は、第1実施形態と同様に、外観品質を向上できるし、また、容易に製造できる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
なお、本実施形態の説明及び図面において、前述した第3実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
図7は、第4実施形態のカード401の断面図である。
図7(A)は、カード401の構成を分解して説明する図である。
図7(B)は、カード401の接着後の構成を説明する図である。
上層420は、上層側から、第3実施形態と同様な透明層421、隠蔽層422が積層されて構成される。
本実施形態では、窓部材423を配置する孔として、隠蔽層422の開口孔422aに加えて、透明層421の開口孔421aを設けた。
つまり、窓部材423は、隠蔽層422の開口孔422aと、透明層421の開口孔421aとに配置されて、接着剤等により透明層421、隠蔽層422に固定されている。
このため、窓部材423及び透明層421が、カード401の最上層に配置される。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
図8は、第5実施形態のカード501の断面図である。
図8(A)は、カード501の構成を分解して説明する図である。
図8(B)は、カード501の接着後の構成を説明する図である。
上層520は、上層側から、第3実施形態と同様な透明層521、隠蔽層522が積層されて構成される。
表示部12は、隠蔽層522の開口孔522a(孔部)に嵌め込まれ、接着剤等より隠蔽層522に固定されている。
表示部12及び透明層521間には、接着剤551によって、接着されている。
第1実形態と同様に、表示部12の上面及び上層520の下面(透明層521の下面)間の長さL1(窓部−表示部間長さ)は、接着剤551内の視認可能な気泡の外形よりも小さい。また、透明層521の下面及び下層40の上面間の長さL2から、表示部12の上面及びスペーサ13の下面間の長さL3を減算した値が、気泡の大きさよりも小さい。
(1)本実施形態において、表示部は、パスワード等も文字を表示する表示装置である例を示したが、これに限定されない。例えば、LED等の発光装置でもよい。
例えば、複数のカードを製造することにより、表示部及び上層間の長さのばらつきが分かっている場合、表示部及び上層間の長さの傾向が分かっている場合等には、これらに基づいて、スペーサの厚みを設定してもよい。
10,210 電子モジュール
12,212 表示部
13,213 スペーサ
20,320,420,520 上層
20a,320a,420a,520a 印刷層
20b,320b,420b,520b 窓部
40 下層
50,551 接着剤
321,421,521 透明層
322,422,522 隠蔽層
322a,421a,422a,522a 開口孔
323,423 窓部材
Claims (7)
- 上層及び下層間に電子モジュールを配置して、接着剤によって接着して製造されるカードであって、
前記電子モジュールは、表示部を備え、
前記上層は、前記表示部に対応する領域に窓部を備え、
厚さ方向における前記窓部及び前記表示部間の長さである窓部−表示部間長さは、100μm以下であり、
前記接着剤は、少なくとも前記上層と前記下層と前記電子モジュールとを接着するように前記電子モジュールの全体を覆って充填されていること、
を特徴とするカード。 - 請求項1に記載のカードにおいて、
前記電子モジュールの下面には、前記窓部−表示部間長さを100μm以下にするスペーサを備えること、
を特徴とするカード。 - 請求項1又は請求項2に記載のカードにおいて、
前記上層は、
透明なシート材により形成され、
隠蔽性を有する印刷部を備え、
前記窓部が、前記印刷部が設けられていない部分により形成され、
前記窓部−表示部間長さは、前記シート材及び前記表示部間の長さであること、
を特徴とするカード。 - 請求項1又は請求項2に記載のカードにおいて、
前記上層は、
隠蔽性を有し、孔部を備える隠蔽層を備え、
前記窓部に対応する領域は、前記孔部に対して、前記隠蔽層とは異なる部材により形成された透明な窓部材が配置され、
前記窓部−表示部間長さは、前記窓部材及び前記表示部間の長さであること、
を特徴とするカード。 - 請求項4に記載のカードにおいて、
前記窓部材は、前記隠蔽層よりも下層側に突出していること、
を特徴とするカード。 - 請求項1又は請求項2に記載のカードにおいて、
前記上層は、隠蔽性を有し、孔部を備える隠蔽層を備え、
前記表示部は、前記孔部に嵌め込まれていること、
を特徴とするカード。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のカードにおいて、
前記窓部−表示部間長さは、50μm以下であること、
を特徴とするカード。
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