JP6230690B2 - アルカリ金属硫化物および多硫化物からアルカリ金属および硫黄を回収するための方法 - Google Patents

アルカリ金属硫化物および多硫化物からアルカリ金属および硫黄を回収するための方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/781,557号の利益を主張するものであり、同出願を参照により援用する。
政府のライセンス権利
本発明は、米国エネルギー省助成金番号DE−FE0000408に基づいた助成を受け、政府の支援によりなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は、硫黄、窒素、および金属を含有するシェール油、ビチューメン、重油、または精製ストリームから、窒素、硫黄、および重金属を除去するための方法に関する。より具体的には、本発明は、アルカリ金属の硫化物(一硫化物および多硫化物)からアルカリ金属を再生させる方法に関する。本発明は、さらに、アルカリ金属の硫化物および多硫化物からの硫黄の除去および回収に関する。
発明の背景
エネルギーに対する需要およびそのエネルギーの源となる炭化水素に対する需要は、高まる一方である。しかしながら、エネルギーを供給するために使用される炭化水素原料は、その使用を阻害する硫黄および金属を除去するのに困難が伴う。硫黄は、大気汚染の原因になり、自動車の排気ガスから炭化水素および窒素酸化物を除去するように設計された触媒の作用を低減させ得る。同様に、炭化水素ストリームに含まれる他の金属も、水素が極限条件下で反応して硫黄を含む有機硫黄分子を分解する標準的および改良型の水素化脱硫方法を介する硫黄の除去に一般的に使用される触媒の作用を低減させ得る。
米国には莫大な埋蔵量のシェール油が存在し、米国のエネルギー需要を満たす上で、その重要性がますます高まっている。1兆バレルを超える埋蔵量が、コロラド州、ユタ州およびワイオミング州に位置するグリーンリバー層として知られる比較的狭い地域に存在する。原油価格の上昇に伴って、この資源に対する注目はより大きくなっているが、解決すべき技術的課題が依然として残っている。主要な課題は、乾留後のシェール油化学反応に含まれる比較的高いレベルの窒素を解決すること、ならびに硫黄および金属の含有量を解決することである。
シェール油は、特質上、窒素、硫黄および重金属を多く含み、後続の水素化処理を困難なものにしている。America's Strategic Unconventional Fuels, Vol. III - Resource and Technology Profiles, p. 111-25(非特許文献1)によれば、シェール油には、複数の金属とともに、窒素が通常約2%、硫黄が約1%含まれている。シェール油に含有される重金属は、改質にとって大きな問題となっている。硫黄および窒素は、通常、高温かつ高圧でCo−Mo/AlまたはNi−Mo/Alなどの触媒に通す水素化処理を介して除去される。これらの触媒は、金属が触媒を被覆するにつれて失活する。
硫黄の除去が問題となっている炭化水素燃料源の別の例には、カナダのアルバータ州に大量に存在するビチューメン、およびベネズエラなどに存在する重油がある。ビチューメンから硫黄を十分に除去して、エネルギー源として有用なものにするためには、過剰な水素を極限条件で導入しなければならず、非効率で経済的に望ましくない方法となっている。
過去数年間にわたって、高硫黄含有の石油留分、原油、重油、ビチューメンおよびシェール油の処理にナトリウムが有効であるとの認識がなされている。ナトリウムは、石油およびその不純物と反応し、硫化ナトリウム化合物(硫化物、多硫化物および水硫化物)の形成を介して、硫黄、窒素および金属の含有量を劇的に下げることができる。この方法の例は、米国特許第3,785,965号、同第3,787,315号、同第3,788,978号、同第4,076,613号、同第5,695,632号、同第5,935,421号、および同第6,210,564号(特許文献1〜7)に記載されている。
ナトリウムまたはリチウムなどのアルカリ金属を、約350℃および300〜2000psiで石油と反応させる。たとえば、以下のアルカリ金属との初期反応に従えば、硫黄1モル当たり1〜2モルのナトリウムと、1〜1.5モルの水素が必要であり得る。
R−S−R'+2Na+H→R−H+R'−H+Na
R,R',R''−N+3Na+1.5H→R−H+R'−H+R''−H+Na
式中、R、R'、R''は、有機分子または有機環の一部を表す。
上記反応による硫化ナトリウムおよび窒化ナトリウムの生成物は、以下の反応に従って、硫化水素とさらに反応し得る。
NaS+HS→2NaHS(375℃で液体)
NaN+3HS→3NaHS+NH
窒素は、アンモニアの形で除去され、排出および回収することができる。硫黄は、NaHSなどのアルカリ水硫化物の形で除去され、さらなる処理のために分離される。重金属および有機相は、比重分離法によって分離することができる。上記の反応はナトリウムを使用して表したが、リチウムに置き換えることも可能である。
ポルフィリン錯体などの有機金属分子に含まれる重金属は、アルカリ金属によって金属状態に還元される。重金属は、一旦還元されると、有機構造との化学的結合がなくなるので、石油から分離することができる。加えて、金属がポルフィリン構造から除去されれば、構造内の窒素ヘテロ原子をさらなる脱窒素化にかけられる。
以下に、アルカリ金属を用いて石油系有機化合物を処理するための前述の方法について、非限定的な説明を行う。液相のアルカリ金属を、水素の存在下で、ヘテロ原子および金属を含有する有機分子と接触させる。硫黄と窒素と金属との反応の自由エネルギーは、水素との反応よりもアルカリ金属との反応のほうが強いので、有機化合物と水素とが完全な飽和に至らなくても反応は速やかに生じる。ヘテロ原子および金属を除去してコーキングおよび重合を防ぐには、反応を水素で満たす必要があるが、代わりに、重合を防ぐために水素以外の気体を用いてもよい。アルカリ金属化合物が形成されると、重金属は金属状態に還元されるので、これを分離する必要がある。これは、水蒸気または硫化水素のいずれかを用いる洗浄工程によって、水蒸気を利用する場合は水酸化物相を、硫化水素を使用する場合は水硫化物相を形成することによって達成される。同時に、窒化アルカリが反応して、アンモニアと、より多くの水酸化アルカリまたは水硫化アルカリが形成されると推定される。遠心分離または濾過などの比重分離により、塩相から有機相である改質石油を分離することができる。
従来の水素化処理では、脱硫化を行うNaSの形成または脱窒素化を行うNaNの形成の代わりに、HSおよびNHがそれぞれ形成される。硫化水素およびアンモニアを形成する反応は、ナトリウム化合物またはリチウム化合物の形成に比べて、熱力学的にあまり好ましくなく、脱硫化または脱窒素化の反応を進行させるには、親分子をかなりの度合いまで不安定化しなければならない。T. Kabe, A Ishihara, W. Qian, in Hydrodesulfurization and Hydrodenitrogenation, pp. 37, 110-112, Wiley-VCH, 1999(非特許文献2)によれば、この不安定化は、ベンゾ環がほぼ飽和した後に生じる。この環の飽和をもたらすには、脱硫化反応および脱窒素化反応のためにより多くの水素が必要であり、同じレベルの硫黄および窒素の除去を実現するには、ナトリウムまたはリチウムでの除去と比較して、より過酷な条件が求められる。上述した通り、ナトリウムまたはリチウムを用いずに水素を使用する脱硫化または脱窒素化は、重金属およびコークの析出に起因する触媒表面の被覆によってさらに複雑化する。ナトリウムは液相中に存在するので、反応が望まれる硫黄、窒素および金属へのアクセスが容易である。
アルカリ金属硫化物が石油から分離されれば、硫黄および金属は実質的に除去され、窒素も適度に除去される。また、粘度と密度の両方が減少する(API比重は増加する)。ビチューメンまたは重油は、合成原油(SCO)とみなすことができ、さらなる精製のためにパイプラインを介して移送することができる。同様に、シェール油もこうした方法の後、大幅に改質されることになる。後続の精製は、厄介な金属が除去されているので、より簡単である。
硫黄の除去におけるナトリウムなどのアルカリ金属の使用が有効であることは証明されているが、アルカリ金属を再生するための実用的で費用対効果の高い方法がまだ提案されていないので、その方法は、商業的な実施に至っていない。複数の研究者がナトリウムイオン導電性ベータアルミナ膜を用いる電解セルを使用したナトリウムの再生を提案している。しかしながら、ベータアルミナは高価で壊れやすく、メンブレンセパレータとしてのベータアルミナの使用は金属生成に有効でない。さらに、セルは硫黄アノードを利用するため、セルの極性が高くなり、個別の過剰なエネルギーが必要になる。
金属ナトリウムは、米国特許第1,501,756号(特許文献8)に記載されたセルのようなダウンズセルでほぼ独占的に商業的に生産されている。このようなセルは、溶融塩電解質中に溶解している塩化ナトリウムを電解し、カソードで溶融ナトリウムを、アノードで塩素ガスを形成させる。セルは、使用する電解質に適合する600℃近くの温度で稼働させる。硫黄アノードとは異なり、塩素アノードは、ナトリウムの同時生産における溶融塩および水酸化ナトリウムの同時生産における食塩水とともに商業的に使用されている。
別のセル技術には、電解質の溶融範囲および電解セルの動作を200℃未満にまで抑えられるものが、Jacobsenらの米国特許第6,787,019号(特許文献9)およびThompsonらの米国特許第6,368,486号(特許文献10)に開示されている。これらの開示では、低温共電解質をハロゲン化アルカリとともに用いて、低温溶融電解質を形成させる。
Gordonは、米国特許第8,088,270号(特許文献11)にて、セル動作温度で硫黄を溶解する溶媒を利用し、当該溶媒中で多硫化ナトリウムを溶解してアノード液を形成し、これをアルカリイオン導電性膜を有するセルに導入して電解し、アノードで硫黄、カソードでアルカリ金属を形成させ、アノード液の一部をセルから取り出して、硫黄が析出するまで冷却することを教示している。
本発明の目的は、炭化水素ストリームの脱硫化、脱窒素化および脱金属化にて使用されるアルカリ金属の再生のための費用対効果の高い効率的な方法を提供することである。本明細書に記載するように、本発明により、脱硫化/脱窒素化/脱金属化反応から不純物を除去し、不必要な物質生成物を分離して、これらの物質を後の使用のために回収することができる。
本発明の別の目的は、硫黄除去改質方法によって生成されたアルカリ金属硫化物からアルカリ金属を回収するための方法および装置における改善を教示することである。
米国特許第3,785,965号 米国特許第3,787,315号 米国特許第3,788,978号 米国特許第4,076,613号 米国特許第5,695,632号 米国特許第5,935,421号 米国特許第6,210,564号 米国特許第1,501,756号 米国特許第6,787,019号 米国特許第6,368,486号 米国特許第8,088,270号
America's Strategic Unconventional Fuels, Vol. III - Resource and Technology Profiles, p. 111-25 T. Kabe, A Ishihara, W. Qian, in Hydrodesulfurization and Hydrodenitrogenation, pp. 37, 110-112, Wiley-VCH, 1999
本発明は、硫黄、窒素および金属を含有するシェール油、ビチューメン、重油または精製ストリームから、窒素、硫黄および重金属を除去するための方法を提供する。本発明は、アルカリ金属の硫化物、多硫化物、窒化物および多窒化物からアルカリ金属を再生する電解方法をさらに提供する。本発明は、多硫化物溶液から硫黄を除去する電解方法をさらに提供する。
本発明の範囲内である非限定的一実施形態は、アルカリ金属の硫化物および多硫化物を電気化学的に酸化するための方法を含む。この方法は、アルカリイオンを選択的に輸送するように構成されたアルカリイオン導電性膜を有する電解セルを利用する。アルカリイオン導電性膜は、アノードを有するように構成されたアノード液室と、カソードを有するように構成されたカソード液室とを分離する。アノード液室にはアノード溶液を導入する。アノード溶液は、アルカリ金属の硫化物および/または多硫化物、ならびに元素状硫黄およびアルカリ金属の硫化物および多硫化物を部分的に溶解するアノード液溶媒を含む。カソード液室にはカソード溶液を導入する。カソード溶液は、アルカリ金属イオンおよびカソード液溶媒を含む。カソード液溶媒は、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリム)、ジグリム、ジメチルカーボネート、ジメトキシエーテル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの多くの非水性溶媒のうちの1つを含み得る。カソード液はまた、アルカリ金属のヨウ化物または塩化物などのアルカリ金属塩も含み得る。電解セルに電流を流すと、アノード液室中の硫化物および/または多硫化物が酸化して、高級多硫化物が形成され、高級多硫化物が元素状硫黄に酸化される。さらに、電流により、アルカリ金属イオンがアルカリイオン導電性膜を通過してアノード液室からカソード液室に入り、カソード液室中のアルカリ金属イオンが還元されて元素状アルカリ金属が形成される。
硫黄は、温度が硫黄の融点を超え、アノード液の硫黄含有量が溶媒の溶解度を超えると、液状で回収することができる。アノード液溶媒の大部分は、硫黄に比べて比重が小さいので、液状硫黄は下に沈殿する。この沈殿をセル内の沈殿区画内で生じさせ、硫黄を排出口から排出させてもよい。あるいは、アノード溶液の一部をセル外の沈殿区画に移動させ、硫黄の沈殿をセル内の場合よりも効率的に行ってもよい。
硫黄の融解温度はほぼ115℃であるので、セルは、その温度を超える温度、たとえば120℃を超える温度で最適に稼働する。また、当該温度以上であると、アルカリ金属がナトリウムである場合、アルカリ金属も溶融する。125〜150℃の範囲などの高温近くで稼働させると、アノードで多硫化物から形成される硫黄が完全に溶解状になる。次いで、アノード液がセル内またはセル外の5〜20℃の低い温度である沈殿区画に流れると、溶媒中の硫黄の溶解度が下がり、アノード液からより大きい比重を有することで沈殿する硫黄液相が形成される。アノード液が、多硫化物の電気化学的酸化を介して硫黄を形成するアノードに戻ると、アノード液は形成された硫黄を溶解できる溶解度を有するため、アノードまたは膜表面の付着および分極が防げる。
本発明の範囲内である非限定的な一実施形態では、アルカリ金属の融解温度を上回る温度にてセルを稼働し、アノード液室とカソード液室との間に仕切りを有する溶融アルカリ金属槽にカソードを全体的または部分的に浸漬させる、アルカリ金属の硫化物または多硫化物を電解するためのセルが提供される。この場合、カソード液は、溶融アルカリ金属を実質的に含むが、溶媒およびアルカリ金属塩をさらに含んでもよい。仕切りは、アルカリ金属カチオンに対して透過性であり、アニオン、溶媒および溶解した硫黄に対しては実質的に不透過性である。仕切りは、アルカリ金属導電性セラミックまたはガラスセラミックを一部に含む。仕切りは、リチウムおよびナトリウムを含むアルカリイオンに導電性であってよい。
別の非限定的な実施形態において、アノード液室とカソード液室とを備え、アノード溶液が極性溶媒および溶解したアルカリ金属多硫化物を含む、アルカリ金属多硫化物を電解するためのセルが提供される。アノード溶液は、元素状硫黄をある程度溶解する溶媒を含む。アノード液は溶媒を含み得、溶媒の1つまたは複数には、N,N−ジメチルアニリン、キノリン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ベンゼン、シクロヘキサン、フルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン(thrifluorobenzene)、トルエン、キシレン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリム)、ジグリム、イソプロパノール、エチルプロピオナール、ジメチルカーボネート、ジメトキシエーテル、ジメチルプロピレン尿素、ホルムアミド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、トリエチルアミン、ジエチルアセトアミド、エタノールおよびエチルアセテート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ならびにジエチルカーボネートが挙げられる。
非限定的な一実施形態において、元素状硫黄をある程度溶解するアノード液溶媒を一部に含むアノード溶液から硫化物および多硫化物をアノードで電気化学的に酸化するための方法が開示される。本方法において、元素状硫黄をある程度溶解するアノード液溶媒は、N,N−ジメチルアニリン、キノリン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ベンゼン、シクロヘキサン、フルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン(thrifluorobenzene)、トルエン、キシレン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリム)、ジグリム、イソプロパノール、エチルプロピオナール、ジメチルカーボネート、ジメトキシエーテル、ジメチルプロピレン尿素、ホルムアミド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、トリエチルアミン、ジエチルアセトアミド、エタノールおよびエチルアセテート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ならびにジエチルカーボネートのうちの1つまたは複数である。
別の非限定的な実施形態において、アノード液室とカソード液室とを備え、アノード溶液が極性溶媒および溶解したアルカリ金属の一硫化物または多硫化物を含む、アルカリ金属の一硫化物または多硫化物を電解するためのセルが提供される。アノード溶液は、元素状硫黄をある程度溶解する溶媒を含む。アノード液は溶媒を含み得、溶媒の1つまたは複数には、N,N−ジメチルアニリン、キノリン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ベンゼン、シクロヘキサン、フルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン(thrifluorobenzene)、トルエン、キシレン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリム)、ジグリム、イソプロパノール、エチルプロピオナール、ジメチルカーボネート、ジメトキシエーテル、ジメチルプロピレン尿素、ホルムアミド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、トリエチルアミン、ジエチルアセトアミド、エタノールおよびエチルアセテート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ならびにジエチルカーボネートが挙げられる。
非限定的な一実施形態において、元素状硫黄をある程度溶解するアノード液溶媒を一部に含むアノード溶液から一硫化物または多硫化物をアノードで電気化学的に酸化するための方法が開示される。本方法において、元素状硫黄をある程度溶解するアノード液溶媒は、N,N−ジメチルアニリン、キノリン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ベンゼン、シクロヘキサン、フルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン(thrifluorobenzene)、トルエン、キシレン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリム)、ジグリム、イソプロパノール、エチルプロピオナール、ジメチルカーボネート、ジメトキシエーテル、ジメチルプロピレン尿素、ホルムアミド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、トリエチルアミン、ジエチルアセトアミド、エタノールおよびエチルアセテート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ならびにジエチルカーボネートのうちの1つまたは複数である。
非限定的な一実施形態において、アノード液溶媒は、約60〜100体積%の極性溶媒と、0〜40体積%の非極性溶媒を含む。異なるアノード液溶媒をブレンドすることで、元素状硫黄の溶解度および硫化物および多硫化物の溶解度を最適化しやすくなる。
別の非限定的な実施形態は、溶媒/アルカリ金属多硫化物の混合物から溶解した元素状硫黄を除去するための方法であって、冷却すること、溶媒中の硫黄の溶解度を下げること、および元素状硫黄を含む第2の液相を形成させること、次に、液相の溶媒混合液から液相の硫黄を分離することを含む方法を開示する。液相のアノード液からの液相の硫黄の分離は、比重法、遠心分離のうちの1つまたは複数を含む。アルカリ金属多硫化物は、多硫化ナトリウムおよび多硫化リチウムなどの種である。
本発明は、複数の利点を提供でき、限定するものではないが、以下が挙げられる。
アルカリ金属を液状でセルから連続的または半連続的に除去する。
硫黄を液状でセルから連続的または半連続的に除去する。
高アルカリ金属多硫化物および溶解した硫黄を電解セルから連続的または半連続的に除去することにより、硫黄によるアノードの分極を低減する。
溶媒およびアルカリ金属多硫化物を実質的に回収して電解方法に戻すことができるように、溶媒、硫黄およびアルカリ金属多硫化物の混合物を含むストリームから硫黄を連続的または半連続的に分離する。
電解セルの構造材料に高温に耐性のない材料を含めることができるため、温度および圧力で電解セルが稼働する。
本明細書全体を通してなされる特徴、利点または同様の言葉に対する言及は、本発明を用いて実現され得る特徴および利点のすべてが本発明の1つの実施形態に存在すべきことまたは1つの実施形態に存在することを意味するものではない。むしろ、特徴および利点に関する言葉は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、利点または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味するものと理解される。したがって、本明細書全体における特徴および利点ならびに同様の言葉の記述は、必ずしもそうである必要はないが、同じ実施形態に関する場合もあれば、すべての実施形態に関する場合もある。
さらに、記載される本発明の特徴、利点および特性は、1つまたは複数の実施形態で、任意の好適な方法で組み合わせることができる。関連技術分野の当事者であれば、本発明が特定の実施形態の具体的な特徴または利点のうちの1つまたは複数を伴わなくても実施され得ることを認識するであろう。他の場合、本発明のすべての実施形態に存在していない追加の特徴および利点が複数の実施形態に認められてもよい。
[本発明1001]
アルカリイオンを選択的に輸送するように構成されたアルカリイオン導電性膜を備える電解セルを得る工程であって、前記膜が、アノードを有するように構成されたアノード液室と、カソードを有するように構成されたカソード液室とを分離する、工程、
アルカリ金属一硫化物、アルカリ金属多硫化物、またはこれらの混合物と、元素状硫黄を部分的に溶解するアノード液溶媒とを含むアノード溶液を、前記アノード液室に導入する工程、
溶融アルカリ金属を含むカソード液を前記カソード液室に導入する工程、
前記電解セルに動作温度で電流を流す工程であって、これにより、
i.前記アノード液室中の一硫化物または多硫化物が酸化されて、液体の元素状硫黄が形成され、
ii.アルカリ金属イオンが前記アノード液室から前記アルカリイオン導電性膜を通過して前記カソード液室に入り、
iii.前記カソード液室中の前記アルカリ金属イオンが還元されて、液体の元素状アルカリ金属が形成される、工程、
液体の元素状硫黄を前記アノード溶液中で飽和させ、第2の液相を形成させる工程
を含む、アルカリ金属の一硫化物および多硫化物を電気化学的に酸化するための方法。
[本発明1002]
前記電解セル内の沈殿区画で前記液体の元素状硫黄が前記アノード溶液から分離する、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記セルの外側にある沈殿区画で前記液体の元素状硫黄が前記アノード溶液から分離する、本発明1001の方法。
[本発明1004]
前記アノード溶液からの前記液体の元素状硫黄の分離が、比重法、濾過、および遠心分離から選択される分離技術のうちの1つまたは複数を含む、本発明1001の方法。
[本発明1005]
前記アルカリイオン導電性膜が、アニオン、前記カソード液溶媒、前記アノード液溶媒、および溶解した硫黄に対して実質的に不透過性である、本発明1001の方法。
[本発明1006]
前記アルカリイオン導電性膜が、アルカリ金属導電性セラミックまたはガラスセラミックを一部に含む、本発明1001の方法。
[本発明1007]
前記アルカリイオン導電性膜が、固体MSICON(Metal Super Ion CONducting)材料を含み、MがNaまたはLiである、本発明1001の方法。
[本発明1008]
前記アノード液溶媒が、N,N−ジメチルアニリン、キノリン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ベンゼン、シクロヘキサン、フルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン(thrifluorobenzene)、トルエン、キシレン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリム)、ジグリム、イソプロパノール、エチルプロピオナール、ジメチルカーボネート、ジメトキシエーテル、ジメチルプロピレン尿素、ホルムアミド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、トリエチルアミン、ジエチルアセトアミド、エタノールおよびエチルアセテート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ならびにジエチルカーボネートから選択される1つまたは複数の溶媒を含む、本発明1001の方法。
[本発明1009]
前記アノード液溶媒が、約60〜100体積%の極性溶媒と、0〜40体積%の非極性溶媒とを含む、本発明1001の方法。
[本発明1010]
アルカリイオンを選択的に輸送するように構成されたアルカリイオン導電性膜を備える第1の電解セルを得る工程であって、前記膜が、アノードを有するように構成されたアノード液室と、カソードを有するように構成されたカソード液室とを分離する、工程
アルカリ金属一硫化物、アルカリ金属多硫化物、またはこれらの混合物と、元素状硫黄を部分的に溶解するアノード液溶媒とを含むアノード溶液を、前記アノード液室に導入する工程、
溶融アルカリ金属を含むカソード液を前記カソード液室に導入する工程、
前記電解セルに電流を流す工程であって、これにより、
i.前記アノード液室中の硫化物または多硫化物が酸化されて、高級多硫化物が形成され、
ii.アルカリ金属イオンが前記アノード液室から前記アルカリイオン導電性膜を通過して前記カソード液室に入り、
iii.前記カソード液室中の前記アルカリ金属イオンが還元されて、元素状アルカリ金属が形成される、工程
アルカリイオンを選択的に輸送するように構成されたアルカリイオン導電性膜を備える第2の電解セルに、前記第1の電解セルからアノード溶液を送る工程であって、前記膜が、アノードを有するように構成されたアノード液室と、カソードおよびカソード液を有するように構成されたカソード液室とを分離する、工程、
前記第2の電解セルに電流を流す工程であって、これにより、
i.前記アノード液室中の多硫化物が酸化されて、液体の元素状硫黄が形成され、
ii.アルカリ金属イオンが前記アノード液室から前記アルカリイオン導電性膜を通過して前記カソード液室に入り、
iii.前記カソード液室中の前記アルカリ金属イオンが還元されて、液体の元素状アルカリ金属が形成される、工程、
液体の元素状硫黄を前記アノード溶液中で飽和させ、第2の液相を形成させる工程
を含む、アルカリ金属の多硫化物および一硫化物を電気化学的に酸化するための方法。
[本発明1011]
前記電解セル内の沈殿区画で前記液体の元素状硫黄が前記アノード溶液から分離する、本発明1010の方法。
[本発明1012]
前記セルの外側にある沈殿区画で前記液体の元素状硫黄が前記アノード溶液から分離する、本発明1010の方法。
[本発明1013]
前記アノード溶液からの前記液体の元素状硫黄の分離が、比重法、濾過、および遠心分離から選択される分離技術のうちの1つまたは複数を含む、本発明1010の方法。
[本発明1014]
前記アルカリイオン導電性膜が、アニオン、前記カソード液溶媒、前記アノード液溶媒、および溶解した硫黄に対して実質的に不透過性である、本発明1010の方法。
[本発明1015]
前記アルカリイオン導電性膜が、アルカリ金属導電性セラミックまたはガラスセラミックを一部に含む、本発明1010の方法。
[本発明1016]
前記アルカリイオン導電性膜が、固体MSICON(Metal Super Ion CONducting)材料を含み、MがNaまたはLiである、本発明1010の方法。
[本発明1017]
前記アノード液溶媒が、N,N−ジメチルアニリン、キノリン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ベンゼン、シクロヘキサン、フルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、トルエン、キシレン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリム)、ジグリム、イソプロパノール、エチルプロピオナール、ジメチルカーボネート、ジメトキシエーテル、ジメチルプロピレン尿素、ホルムアミド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、トリエチルアミン、ジエチルアセトアミド、エタノールおよびエチルアセテート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ならびにジエチルカーボネートから選択される1つまたは複数の溶媒を含む、本発明1010の方法。
[本発明1018]
前記アノード液溶媒が、約60〜100体積%の極性溶媒と、0〜40体積%の非極性溶媒とを含む、本発明1010の方法。
[本発明1019]
アノードを有するように構成され、かつアルカリ金属一硫化物、アルカリ金属多硫化物、またはこれらの混合物と、元素状硫黄を部分的に溶解するアノード液溶媒とを含むアノード溶液を含有するアノード液室であって、アノード溶液注入口とアノード溶液排出口とをさらに備える、アノード液室と、
カソードを有するように構成され、かつ溶融アルカリ金属を含むカソード液を含有するカソード液室であって、カソード液排出口をさらに備える、カソード液室と、
アルカリイオンを選択的に輸送するように構成され、アニオン、前記アノード液溶媒、および溶解した硫黄に対して実質的に不透過性である、アルカリイオン導電性膜と、
前記アノードおよび前記カソードに電気的に結合される電位源であって、
前記アノード液室中の一硫化物または多硫化物が酸化されて、液体の元素状硫黄が形成され、
アルカリ金属イオンが前記アノード液室から前記アルカリイオン導電性膜を通過して前記カソード液室に入り、
前記カソード液室中の前記アルカリ金属イオンが還元されて、液体の元素状アルカリ金属が形成される
ように構成される、電位源と、
液体の元素状硫黄が前記アノード溶液から分離する元素状硫黄沈殿区画と
を備える、アルカリ金属多硫化物を酸化するための電解セル。
[本発明1020]
前記アルカリイオン導電性膜が、アルカリ金属導電性セラミックまたはガラスセラミックを一部に含む、本発明1019の電解セル。
[本発明1021]
前記アルカリイオン導電性膜が、固体MSICON(Metal Super Ion CONducting)材料を含み、MがNaまたはLiである、本発明1019の電解セル。
[本発明1022]
前記アノード液溶媒が、N,N−ジメチルアニリン、キノリン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ベンゼン、シクロヘキサン、フルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、トルエン、キシレン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリム)、ジグリム、イソプロパノール、エチルプロピオナール、ジメチルカーボネート、ジメトキシエーテル、ジメチルプロピレン尿素、ホルムアミド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、トリエチルアミン、ジエチルアセトアミド、エタノールおよびエチルアセテート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ならびにジエチルカーボネートから選択される1つまたは複数の溶媒を含む、本発明1019の電解セル。
[本発明1023]
前記アノード液溶媒が、約60〜100体積%の極性溶媒と、0〜40体積%の非極性溶媒とを含む、本発明1019の電解セル。
[本発明1024]
前記電解セルから元素状硫黄を除去するための硫黄排出口をさらに含む、本発明1019の電解セル。
本発明のこれらの特徴および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲から一層十分に明らかになるであろうし、または以下に記載する発明の実施によって習得され得るだろう。
上述した本発明の特徴および利点ならびに他の特徴および利点を得る方法が容易に理解できるように、上記に簡潔に記載した本発明のより詳細な説明を、添付の図面に例示されている本発明の特定の実施形態を参照して行う。これらの図面が本発明の典型的な実施形態のみを表し、本発明の範囲を限定するものとみなされないことを前提にし、添付の図面を用いて、本発明をさらに具体的かつ詳細に記載し説明する。
アルカリ金属を用いて硫黄、窒素および金属を含有する石油源から、窒素、硫黄および重金属を除去し、アルカリ金属を再生するための方法全体を示す。 図2Aおよび2Bは、アルカリ金属水硫化物をアルカリ金属多硫化物に変換し、硫化水素を回収するための概略方法を示す。 本発明の範囲内である特徴の多くを活用する電解セルの概略断面図を示す。 アルカリ金属の抽出と、アルカリ金属硫化物から多硫化物、および低多硫化物から高多硫化物、および高多硫化物から硫黄への酸化を行うための直列で稼働する複数の電解セルの概略図である。
発明の詳細な説明
本発明の本実施形態は、図面を参照することによって最善の理解が得られるであろう。図面では、同等の部分は同じ参照符号によって示す。本図面の各図に概略的に記載し例示した本発明の構成要素は、種々の異なる構造に配置し、設計できることは容易に理解できるであろう。したがって、図1〜4に示す本発明の方法およびセルの実施形態に関する以下の詳細な説明は、特許請求する本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の本実施形態の単なる代表例にすぎない。
図1に、アルカリ金属を用いて硫黄、窒素および金属を含有する石油源から、窒素、硫黄および重金属を除去し、アルカリ金属を再生するための非限定的な一実施形態の方法全体を概略的に示す。図1の方法100において、高硫黄含有の石油留分、原油、重油、ビチューメンまたはシェール油などの石油源102が反応容器104に導入される。ナトリウムまたはリチウムなどのアルカリ金属(M)106も同様に、多量の水素108とともに反応容器に導入される。アルカリ金属と水素が石油およびその不純物と反応し、硫化ナトリウム化合物(硫化物、多硫化物および水硫化物)および窒化ナトリウム化合物の形成を介して、硫黄、窒素および金属の含有量を劇的に下げる。この方法の例は、当該技術分野において知られており、たとえば、米国特許第3,785,965号、同第3,787,315号、同第3,788,978号、同第4,076,613号、同第5,695,632号、同第5,935,421号および同第6,210,564号が挙げられるがこれらに限定されない。
アルカリ金属(M)と水素は、以下の初期反応に従って、約350℃および300〜2000psiで石油と反応する。
R−S−R'+2M+H→R−H+R'−H+M
R,R',R''−N+3M+1.5H→R−H+R'−H+R''−H+M
式中、R、R'、R''は、有機分子または有機環の一部を表す。
上記反応による硫化ナトリウムおよび窒化ナトリウムの生成物は、以下の反応に従って、硫化水素110とさらに反応し得る。
S+HS→2MHS(375℃で液体)
N+3HS→3MHS+NH
窒素は、アンモニア112の形で除去され、排出および回収することができる。硫黄は、硫化水素ナトリウム(NaHS)または硫化水素リチウム(LiHS)などのアルカリ水硫化物(MHS)の形態で石油源から除去される。反応生成物113は、分離容器114に移送される。分離容器114内で、重金属116および改質石油の有機相118が比重分離法によって分離される。
アルカリ水硫化物(MHS)をさらなる処理のために分離する。アルカリ水硫化物ストリームは、本発明の方法から得られるアルカリ金属と硫黄の一次源であり得る。アルカリ水硫化物が媒質と反応して高多硫化物(すなわち、M;4≦x≦6)になると、硫化水素が放出され、得られる混合物はアルカリ金属と硫化物の含有量が増え、硫黄とアルカリ金属の比が小さくなる。硫化水素110は、最初に処理した石油からアルカリ硫化物およびアルカリ窒化物ならびに金属を除去する必要がある、上流の洗浄工程に使用することができる。
図2Aに本方法の概略図を示す。たとえば、ナトリウムの場合、以下の反応が生じ得る。
Na+2NaHS→HS+2[Na(x+1)/2
ここで、x:yは、溶液中のナトリウム原子と硫黄原子の平均比を示す。図2Aに示す方法では、高硫黄含有のアルカリ多硫化物が低硫黄含有のアルカリ多硫化物へ変換される。
あるいは、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属多硫化物とを反応させる代わりに、アルカリ金属水硫化物と硫黄とを反応させることもできる。図2Bに本方法の概略図を示す。たとえば、ナトリウムの場合、以下の反応が生じ得る。
YS+2NaHS→HS+Na(Y+1)
式中、Yは硫化水素ナトリウムに付加される硫黄のモル量である。
アルカリ金属多硫化物は、電解セル内でさらに処理して、硫黄を除去および回収し、アルカリ金属を除去および回収してもよい。1つの電解セル120を図1に示す。電解セル120は、アルカリ多硫化物122を受ける。電力源124の影響を受けて、アルカリ金属イオンが還元されてアルカリ金属(M)126を形成し、これを回収してアルカリ金属106の供給源として使用することができる。硫黄128もまた、電解セル120の方法から回収される。本発明の範囲内である方法に使用することができる1つの考えられる電解セルの詳細な説明を図3に関して行う。硫黄128の回収に関するより詳しい説明を図4に関して以下に行う。
図2Aおよび2Bに示した反応が生じる容器は、図1に示す電解セル120のアノード液室、図4に示す濃縮槽312、または発生した硫化水素ガス110の捕捉および回収に資する分離容器であり得る。あるいは、図1に示した方法で発生した硫黄は、図2Bに示すように投入原料として使用することができる。
図3は、本発明の範囲内である特徴の多くを活用する電解セル300の概略断面図を示す。セルは、一般に電気絶縁体であり、溶媒および硫化ナトリウムに耐化学性であるハウジング310からなる。この場合チューブ形状であるカチオン導電性膜312が、カソード液室314とアノード液室316とを分離する。カソード液室内にはカソード324がある。カソード324は、DC電源(図示せず)の陰極への接続がなされるように、ハウジング310を貫通するように構成されるか、ハウジング310を貫通するリード326を有するように構成され得る。アノード液室316内にはアノード326があり、この場合、チューブ膜312を囲む円筒形の多孔性メッシュ型の電極として示されている。リード328は、DC電源の陽極への接続がなされるようにハウジングを貫通する。アノード溶液は、アノード液注入口330を通って流れる。アノード液は、溶媒とアルカリ金属硫化物の混合物からなる。アノード液は、注入口330を通って入り、また排出口332から外に出る。場合によっては、アノード液とともに溶融した硫黄の第2の液相も存在し得る。アノード液室からの第2の排出口をアノード液排出口332よりも低い位置に設けてもよい。より低い位置の第2の排出口は、セル底部に沈殿し蓄積される溶融硫黄の除去にさらに使用することができる。カソード324と膜312との間の空間には、通常、溶融したアルカリ金属が充填される。セルを稼働させると、アルカリ金属イオンが膜312を通過してカソード液室314中のカソード324で還元されてアルカリ金属を形成し、アルカリ金属流がカソード液排出口334を通過する。
セルは、複数のアノード、カソードおよび膜を有してもよい。セル内のアノードはすべて並列であり、カソードもすべて並列である。
図3に関して、電解セルハウジング310は、好ましくは、主要なポリマーなどの電気絶縁性の材料である。この材料はまた、溶媒に対して耐化学性であることが好ましい。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が特に適しており、同様にKynar(登録商標)のポリフッ化ビニリデンまたは高密度ポリエチレン(HDPE)も適している。セルハウジング310はまた、ハウジング310の内側が絶縁性耐化学性材料でライニングされていれば、非絶縁性材料および非耐化学性材料から製造されてもよい。他の好適な材料は、アルミナ、シリカ、アルミノシリケートおよび他の絶縁性耐熱性物質またはセラミック材料などの無機材料である。
カチオン導電性膜312は、好ましくは、カチオンに対してのみ実質的に透過性であり、アニオン、ポリアニオンおよび溶解した硫黄に対しては実質的に不透過性である。膜312は、一部がアルカリ金属イオン導電性材料から製造されてもよい。セルによって回収される金属がナトリウムである場合、特に仕切りに最適な材料は、室温で比較的高いイオン導電性を有するNaSICONとして知られているものである。代表的なNaSICONの組成は、実質的にNa1+xZrSi3−x12(式中、0<x<3)である。他のNaSICON組成物も当該技術分野において知られている。あるいは、セルで回収される金属がリチウムである場合、特に仕切りに最適な材料は、実質的にLi(1+x+4y)AlTi(1−x−y)(PO(式中、0<x<0.4、0<y<0.2)の組成を有するリン酸リチウムチタン(LTP)である。他の好適な材料は、イオン導電性ガラスおよびガラスセラミック種によるものであり、一般的な組成は、Li1+xAlGe2−xPOである。他のリチウム導電性材料も当該技術分野において知られている。膜312は、アノード液室316およびカソード液室314内の液体が一方の室から他の室に透過することはできないが、実質的にナトリウムイオンまたはリチウムイオンなどのアルカリイオン(M)のみがアノード液室316からカソード液室314を通過するように、無視できる貫通空隙を有する厚み部分を有し得る。膜はまた、日本の株式会社オハラ(Ohara Glass)が製造する材料のようなアルカリ金属導電性ガラスセラミックで部分的に構成されてもよい。
アノード326は、アノード液室316内に配置される。アノードは、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、鉄合金、ニッケル合金および当該技術分野において知られている他のアノード材料などの導電性材料から製造することができる。アノード326は、直流電源の正極に接続される。アノード326は、メッシュのモノリシック構造でもよいし、アノード液がアノード構造体を通過できる特徴を有するモノリシックでもよい。アノード溶液は、注入口330を介してアノード液室に供給され、排出口332を通って室から排出される。電解セル300は、アノード液室に供給され、同じ通路を介して部分的に排出されるような半連続的な方法で稼働することもできる。
導電性カソード324は、ストリップ、バンド、ロッドまたはメッシュの形状である。カソード324は、スチール、鉄、銅または黒鉛などの多くの電気伝導体から構成され得る。カソードの一部はカソード液室314内に配置され、一部は電気接触のためにカソード液室314およびセルハウジング310の外側に配置され得る。あるいは、リード325が電気接触のためにカソードからセルハウジング310の外側に延在してもよい。
カソード液室314内は、極性溶媒を含み得るアルカリイオン導電性液体である。好適な極性溶媒の非限定的な例は、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリム)、ジグリム、ジメチルカーボネート、ジメトキシエーテル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどである。適切なアルカリ金属塩は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、過塩素酸塩、ヘキサフルオロホスフェートなどであり、これを極性溶媒中に溶解させ、カソード溶液を形成する。ほとんどの場合、カソード液は、溶融アルカリ金属槽である。
電解セル300の動作の非限定的な一実施例を以下に示す。アノード溶液がアノード液室316に供給される。アノード326とカソード324の間に電位が生じるように電極324、326に、組成にもよるが、約1.8V〜約2.5Vの範囲である分解電圧よりも高い電圧をかける。同時に、ナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンが膜312を通過してカソード液室314に入り、カソード液室314内でカソード324を介して供給される電子によってナトリウムイオンが金属状態に還元され、硫化物および多硫化物がアノード326にて酸化され、低多硫化物アニオンが高多硫化物アニオンになり、かつ/または元素状硫黄がアノードで形成される。硫黄が形成される間、その全体または一部はアノード液溶媒中に溶解する。硫黄の飽和または冷却により、硫黄は、電解セルのアノード液室316の底部に沈殿する硫黄の第2の液相を形成し得る。硫黄は、アノード溶液とともに除去し、セルの外側の容器に沈殿させてもよいし、図3に示すように、任意の硫黄排出口338を介して沈殿区画336から直接除去することもできる。
動作方式は、1つの電解セルのアノード液を第2のセルへ、第2のセルから第3のセルへなどと流すものであってもよく、後続の各セルでは、多硫化物の形態が級の高いものになるにつれて、ナトリウムと硫化物の比が減少する。図4は、アルカリ金属の抽出と、アルカリ金属硫化物の低アルカリ金属多硫化物への酸化、低アルカリ金属多硫化物の高アルカリ金属多硫化物への酸化、および高アルカリ金属多硫化物の高アルカリ金属多硫化物への酸化、および高アルカリ金属多硫化物の硫黄への酸化を行うための直列で稼働する4つの電解セル402、404、406、408の非限定的な概略図である。電解セル402、404、406および408は、最終セルのみで硫黄を生成し、セルのすべてのカソードでアルカリ金属が生成されるように稼働させることができる。
非限定的な実施例において、硫化ナトリウム(NaS)などのアルカリ金属一硫化物を第1の電解セル402に導入することができる。DC電源の影響を受けて、ナトリウムイオンは、アノード液室からカソード液室に移動し、アルカリイオンが還元されてアルカリ金属を形成する。硫化物はアノード液室で酸化されて、Naなどの低硫化物を形成する。低アルカリ金属多硫化物は、第2の電解セル404のアノード液室に送られる。DC電源の影響を受けて、ナトリウムイオンは、アノード液室からカソード液室に移動し、アルカリイオンが還元されてアルカリ金属を形成する。低多硫化物はアノード液室で酸化されて、Naなどの高多硫化物を形成する。高アルカリ金属多硫化物は、第3の電解セル406のアノード液室に送られる。DC電源の影響を受けて、ナトリウムイオンは、アノード液室からカソード液室に移動し、アルカリイオンが還元されてアルカリ金属を形成する。高多硫化物はアノード液室で酸化されて、Naなどの高多硫化物を形成する。高アルカリ金属多硫化物は、第4の電解セル408のアノード液室に送られる。DC電源の影響を受けて、ナトリウムイオンは、アノード液室からカソード液室に移動し、アルカリイオンが還元されてアルカリ金属を形成する。高多硫化物はアノード液室で酸化されて硫黄を形成し、次にこれをアノード液室から除去し回収する。
異なる多硫化物の前述の例は、高級多硫化物が多硫化物の酸化およびナトリウムイオンの除去により、またこの両方の組み合わせにより形成され得るという基本原則の代表例として記載されていることが理解されるであろう。
図4に関して記載した複数セルの実施形態は、単一セルの実施形態と比較してエネルギー効率良くアルカリ金属と硫黄を形成することができる。エネルギー効率の理由は、低多硫化物を酸化するのに必要なエネルギーのほうが高多硫化物と比較して少ないためである。多硫化物を硫黄へ酸化するのに必要な電圧が約2.2ボルトであるのに対し、一硫化物および低多硫化物はより低いボルト、たとえば1.7ボルトで酸化され得る。
アルカリ金属がナトリウムである場合、以下の典型的な反応が電解セル300で生じ得る。
カソード:
Na+e−→Na
アノード:
1)Na→Na+e+1/2Na(2x)
2)Na→Na+e+1/2Na+x/16S
式中、xは0から約8の範囲である。
大部分のナトリウムが多硫化ナトリウムではなく溶融塩の塩化ナトリウムの電気分解から商業的に生産されているが、表1に示すように、分解電圧およびエネルギー要件は、多硫化物の場合、塩化物と比較して約半分である。
(表1)ナトリウムおよびリチウムの塩化物および硫化物の分解電圧およびエネルギー(ワット時/モル)
Figure 0006230690
ナトリウム/多硫化物セルの開路電位は1.8Vと低く、低多硫化物であるNaが分解され、硫黄含有量が上昇するに伴って電圧も上がる。そのため、電気分解の一部を低硫黄含有量のアノード液を使用して稼働させるのが望ましいと言える。一実施形態において、平板状のNaSICONまたはリン酸リチウムチタン(LTP)膜を使用して、ナトリウムまたはリチウムをそれぞれ再生する。NaSICONおよびLTPは、表2に示すように、優れた低温導電率を有する。ベータアルミナの導電率の値は、May. G. May, J. Power Sources, 3, 1 (1978)で報告されている300℃の導電率と活性化エネルギーから見積もった。
(表2)25℃、120℃におけるNaSICON、LTPおよびベータアルミナの導電率
Figure 0006230690
2またはそれ以上のセル群を稼働させるのが有益であり得る。その非限定的な実施例を図4に示す。複数のセルをアノード液中で低級硫化物および多硫化物を用いて稼働し、別のセル群は高級多硫化物を用いて稼働する。後者では、遊離硫黄が、除去を必要とする生成物になる。
次に、本発明の範囲内である1つの特定の実施形態を説明する以下の実施例を提供する。この実施形態は、事実上、例示であり、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
電解流セルには、約3.2cmの活性面を有する直径1インチのNaSICON膜を用いる。NaSICONは、非導電性材料からなる当環境に対する耐性もある足場に密閉する。1つの好適な足場材料はアルミナである。シール材としてガラスを使用してもよい。電解質の流路は、電極と膜との間の間隙を介してなされる。アノード(硫黄電極)は、アルミニウムから構成され得る。カソードは、アルミニウムまたはステンレス鋼のいずれであってもよい。二極設計を有する流体セルを構成することは、本発明の範囲内である。アノード溶液およびカソード溶液は、リザーバおよびポンプをそれぞれ有する。アノード液リザーバは、攪拌器を有する。システム全体は、最高温度150℃である温度制御を有するのが好ましく、さらに乾燥カバーガス中に浸るように構成される。システムはまた、好ましくは、DC5Vおよび最大100mA/cmまで印加できる電源を有する。
材料は、できる限り、予想される条件に対して耐食性である構造を選択する。流体セルは、電極と膜との間の間隙を変更できるように設計される。
前述したことを考慮すると、開示の本発明は、以下の利点のうちの1つまたは複数を含むことが理解されよう。
アルカリ金属を液状でセルから連続的または半連続的に除去する。
硫黄を液状でセルから連続的または半連続的に除去する。
高アルカリ金属多硫化物および溶解した硫黄を電解セルから連続的または半連続的に除去することにより、硫黄によるアノードの分極を低減する。
溶媒およびアルカリ金属多硫化物を実質的に回収し、電解方法に戻すことができるように、溶媒、硫黄およびアルカリ金属多硫化物の混合物を含むストリームから硫黄を連続的または半連続的に分離する。
電解セルの構造材料に高温に耐性のない材料を含めることができるため、温度および圧力で電解セルが稼働する。
本発明の特定の実施形態を例示し記載してきたが、本発明の趣旨から大幅に逸脱することなく、多数の変更が想起され、保護範囲は、添付する特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。

Claims (7)

  1. アノードを有するように構成され、かつアルカリ金属一硫化物、アルカリ金属多硫化物、またはこれらの混合物と、元素状硫黄を部分的に溶解するアノード液溶媒とを含むアノード溶液を含有するアノード液室であって、アノード溶液注入口とアノード溶液排出口とをさらに備える、アノード液室と、
    カソードを有するように構成され、かつ溶融アルカリ金属を含むカソード液を含有するカソード液室であって、カソード液排出口をさらに備える、カソード液室と、
    アルカリイオンを選択的に輸送するように構成され、アニオン、前記アノード液溶媒、および溶解した硫黄に対して実質的に不透過性である、アルカリイオン導電性膜と、
    前記アノードおよび前記カソードに電気的に結合される電位源であって、
    前記アノード液室中の前記アルカリ金属一硫化物または多硫化物が酸化されて、液体の元素状硫黄およびアルカリ金属イオンが形成され、
    前記アルカリ金属イオンが前記アノード液室から前記アルカリイオン導電性膜を通過して前記カソード液室に入り、
    前記カソード液室中の前記アルカリ金属イオンが還元されて、液体の元素状アルカリ金属が形成される
    ように構成される、電位源と、
    前記液体の元素状硫黄が第2の液相を形成し、前記アノード溶液から分離する元素状硫黄沈殿区画と、
    前記アノード溶液排出口よりも低い位置に設けられた前記電解セルから前記液体の元素状硫黄を除去するための硫黄排出口と
    を備える、アルカリ金属一硫化物またはアルカリ金属多硫化物を酸化するための電解セル。
  2. 前記アルカリイオン導電性膜が、アルカリ金属導電性セラミックまたはガラスセラミックを一部に含む、請求項1に記載の電解セル。
  3. 前記アルカリイオン導電性膜が、固体MSICON(Metal Super Ion CONducting)材料を含み、MがNaまたはLiである、請求項1に記載の電解セル。
  4. 前記アノード液溶媒が、N,N−ジメチルアニリン、キノリン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ベンゼン、シクロヘキサン、フルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、トルエン、キシレン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリム)、ジグリム、イソプロパノール、エチルプロピオナール、ジメチルカーボネート、ジメトキシエーテル、ジメチルプロピレン尿素、ホルムアミド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、トリエチルアミン、ジエチルアセトアミド、エタノールおよびエチルアセテート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ならびにジエチルカーボネートから選択される1つまたは複数の溶媒を含む、請求項1に記載の電解セル。
  5. 前記アノード液溶媒が、0〜100体積%の極性溶媒と、0〜40体積%の非極性溶媒とを含む、請求項1に記載の電解セル。
  6. 第1の請求項1に記載の電解セルと、第2の請求項1に記載の電解セルとを含む、複数の連結した電解セルであって、第2の電解セルのアノード溶液注入口が、第1の電解セルのアノード溶液排出口に接続している、電解セル。
  7. 第1の請求項1に記載の電解セルと、第2の請求項1に記載の電解セルと、第3の請求項1に記載の電解セルと、第4の請求項1に記載の電解セルとを含む、複数の連結した電解セルであって、第4の電解セルのアノード溶液注入口が、第3の電解セルのアノード溶液排出口に接続しており、第3の電解セルのアノード溶液注入口が、第2の電解セルのアノード溶液排出口に接続しており、第2の電解セルのアノード溶液注入口が、第1の電解セルのアノード溶液排出口に接続している、電解セル。
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